JP6867814B2 - 金属/樹脂複合構造体、金属/樹脂複合構造体の製造方法、ニッケルめっき化鉄鋼部材およびニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法 - Google Patents

金属/樹脂複合構造体、金属/樹脂複合構造体の製造方法、ニッケルめっき化鉄鋼部材およびニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法 Download PDF

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本発明は、金属/樹脂複合構造体、金属/樹脂複合構造体の製造方法、ニッケルめっき化鉄鋼部材およびニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法に関する。
鉄鋼部材と樹脂を接合して一体化する技術は、例えば、自動車、建築構造物、家庭電化製品、医療機器、産業機器等の部品製造業等の広い産業分野において求められている。
近年、樹脂部材と金属部材を接合する技術として、既存の接着剤を使う技術に代わって、樹脂部材を金属部材に直接射出成形することにより、樹脂部材と金属部材を接合する方法、いわゆる「射出接合法」が提案されている(例えば、特許文献1および2等)。
射出接合法では、例えば、表面に微細な凹凸が形成された金属部材に、その金属部材と親和性を有する極性基を持つエンジニアリングプラスチックを射出成形することにより、樹脂部材と金属部材とを接合する(例えば、特許文献1、2)。しかしながら、射出接合法で強力な接合力を示す金属部材はアルミニウム系金属、マグネシウム系金属、銅系金属、チタン系金属に限定され、また樹脂種も極性基を持たないポリオレフィンにおいては接合力が低いのが実情であった。
また、鉄鋼部材としてのステンレス鋼や炭素鋼と樹脂を接合させるための技術も開示されている(例えば、特許文献3〜7)。
特許文献3(国際公開第2008/081933号パンフレット)には、ステンレス鋼からなる基材を機械的加工し、次いで、硫酸水溶液等に浸漬して得られる粗化ステンレス鋼と樹脂を接合する技術が開示されている。
特許文献4(国際公開第2009/011398号パンフレット)や特許文献5(特開2011−156764号公報)には、鉄鋼材を機械的加工し、次いで、硫酸水溶液等に浸漬し、次いで、アミン水溶液等に浸漬して得られる粗化鉄鋼材と樹脂を接合する技術が開示されている。
特許文献6(特開2011−168017号公報)には、塩化第二鉄水溶液に酸化性化合物を溶解させた処理液に浸漬して処理したステンレス鋼と樹脂との接合体が開示されている。
国際公開第2003/064150号パンフレット 国際公開第2004/055248号パンフレット 国際公開第2008/081933号パンフレット 国際公開第2009/011398号パンフレット 特開2011−156764号公報 特開2011−168017号公報 特開2001−011662号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1〜7に開示されているような方法で得られた金属/樹脂複合構造体の接合強度は、まだまだ十分に満足できるものではないことが明らかになった。特に、熱可塑性樹脂部材として、例えば、ポリオレフィン系樹脂等の鉄鋼部材との親和性が低い熱可塑性樹脂を用いた場合に金属/樹脂複合構造体の接合強度に劣ることが明らかになった。
例えば、特許文献7(特開2001−011662号公報)には、硫酸、塩素イオン、第二銅イオンおよびチオール系化合物を含む水溶液でステンレス鋼表面を粗化する方法が開示されている。しかし、本発明者らの追試と樹脂接合実験によれば、特許文献7に記載の方法では実用に耐えうる十分な接合力を有する金属/樹脂複合構造体が得られないことが明らかになっている。
さらに、金属部材として鉄鋼部材を用いる金属/樹脂複合構造体においては金属部材への防錆力の付与方法にも問題があった。すなわち、鉄鋼部材/樹脂複合構造体において、ステンレス等の特殊鋼を除く汎用の鉄鋼部材が酸化されやすく錆びやすいという性質を持つこと、あるいは該鉄鋼部材/樹脂複合構造体が、風雨に晒される屋外環境下で使用される頻度が高いことを鑑みれば、該接合体の金属露出部には高い防錆能を具備することが求められる。
鉄鋼部材/樹脂複合構造体の金属部分の防錆機能の付与は、一般的には接合体を製造した後に、金属部分のみに金属めっきや塗装を施す方法が一般的な方法と考えられる。しかし、この方法では、鉄鋼部材/樹脂複合構造体の金属部分のみを選択的に金属めっきや塗装することが求められるが、このような方法は生産性に乏しく現実的とはいえない。例えば、樹脂部分のみを公知の方法によってマスキングして、樹脂部分も含めた複合構造体全体に金属めっきや塗装を施した後にデマスキングする方法では多くの工程が必要になってしまう。樹脂部分をマスキングすることなく塗装やめっきする方法では、樹脂部分が強酸・強アルカリを伴う薬品処理によって変質・分解してしまう可能性が有る。樹脂部分への影響を最少化するために、乾燥焼き付け温度を低めたり、あるいは防錆力の低いめっきで対応を余儀なくされるという問題があった。
すなわち、鉄鋼部材との親和性が低いポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂に対し、強い接合力を発現する鉄鋼部材の表面粗化技術の開発、ならびに該粗化技術によって粗面化された鉄鋼部材と広範な樹脂種との接合体であって、強い防錆能を有する接合体が産業界から切望されていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、鉄鋼部材に熱可塑性樹脂が強固に接合・固着してなり、かつ、鉄鋼部分の防錆能が高い金属/樹脂複合構造体並びにその製造方法、および熱可塑性樹脂を強固に接合・固着可能で、かつ、防錆能に優れたニッケルめっき化鉄鋼部材並びにその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、熱可塑性樹脂との接合が可能であり、防錆能に優れた鉄鋼部材について鋭意研究を重ねた。その結果、ニッケルめっき層が形成されたニッケルめっき化鉄鋼部材であって、JIS B0601に準拠して測定される、少なくとも熱可塑性樹脂との接合部表面の十点平均粗さ(Rz)の平均値が2μmを超えるニッケルめっき化鉄鋼部材を用いることにより上記課題を解決できることを見出した。このようなニッケルめっき化鉄鋼部材は、例えば、酸と第二銅イオンと塩素イオンとを含む水溶液により処理する工程と、硝酸により処理する工程と、ニッケルめっき液によってニッケルめっきする工程を組み合わせる表面粗化方法によって得られ、優れた防錆能を示すとともに、その粗化面が、エンジニアリングプラスチックのみならずポリオレフィン系樹脂等の鉄鋼部材との親和性が低い熱可塑性樹脂に対しても強力に接合できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、以下に示す金属/樹脂複合構造体、金属/樹脂複合構造体の製造方法、ニッケルめっき化鉄鋼部材およびニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法が提供される。
[1]
鉄鋼部材の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成されたニッケルめっき化鉄鋼部材と、熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合された金属/樹脂複合構造体であって、
JIS B0601に準拠して測定される、少なくとも上記ニッケルめっき化鉄鋼部材の上記熱可塑性樹脂部材との接合部表面の十点平均粗さ(Rz)の平均値が2μmを超えることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
[2]
上記鉄鋼部材の表面が微細凹凸形状を有し、上記ニッケルめっき層は少なくとも上記微細凹凸形状を覆うように形成されていることを特徴とする上記[1]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[3]
上記微細凹凸形状が間隔周期5nm以上500μm以下の凸部が林立している形状であることを特徴とする上記[2]に記載の金属/樹脂複合構造体。
[4]
上記ニッケルめっき層の平均厚みが0.1μm以上20μm以下であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
[5]
上記ニッケルめっき層がリン(P)を含み、上記ニッケルめっき層中の上記リン(P)の含有量が0.05重量%以上20重量%以下であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
[6]
上記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂、およびポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される一種または二種以上を含むことを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
[7]
上記鉄鋼部材が圧延軟鋼を含むことを特徴とする上記[1]乃至[6]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
[8]
熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材との接合のために用いられ、鉄鋼部材の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成されたニッケルめっき化鉄鋼部材であって、
JIS B0601に準拠して測定される、少なくとも上記熱可塑性樹脂部材との接合部表面の十点平均粗さ(Rz)の平均値が2μmを超えるニッケルめっき化鉄鋼部材。
[9]
上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法であって、
表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成され、かつ、少なくとも熱可塑性樹脂部材との接合部表面に微細凹凸形状を有するニッケルめっき化鉄鋼部材を、射出成形用の金型内に設置する工程と、
上記熱可塑性樹脂部材の少なくとも一部が上記ニッケルめっき化鉄鋼部材の上記微細凹凸形状と接するように、上記金型内に熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を射出成形する工程と、を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体の製造方法。
[10]
熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材との接合に用いられ、鉄鋼部材の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成され、かつ、少なくとも熱可塑性樹脂部材との接合部表面に微細凹凸形状を有するニッケルめっき化鉄鋼部材を製造するための製造方法であって、
少なくとも鉄鋼部材の上記熱可塑性樹脂部材との上記接合部表面を、酸と第二銅イオンと塩素イオンとを含む水溶液により処理する第一の処理工程と、
少なくとも上記接合部表面を無機酸により処理する第二の処理工程と、
上記第二の処理工程後に、少なくとも上記接合部表面を、ニッケルめっき液によってニッケルめっきする第三の処理工程と、
を含むニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法。
[11]
上記[10]に記載のニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法において、
上記第二の処理工程後であって、上記第三の処理工程前に、少なくとも上記接合部表面を銅めっき剥離液で処理する処理工程をさらにおこなうニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法。
本発明によれば、鉄鋼部材に熱可塑性樹脂が強固に接合・固着してなり、かつ、防錆力に優れた金属/樹脂複合構造体並びにその製造方法、および熱可塑性樹脂を強固に接合・固着可能で、かつ、防錆力に優れたニッケルめっき化鉄鋼部材並びにその製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体の構造の一例を模式的に示した外観図である。 本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体の接合部の断面を模式的に示した断面図である。 実施例1で得られた金属/樹脂複合構造体の接合部の断面図の電子顕微鏡写真を元素マッピングした図面である。 本実施形態に係るニッケルめっき化鉄鋼部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部の測定箇所を説明するための模式図である。 各調製例で得られたニッケルめっき化鉄鋼部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部の測定箇所を説明するための模式図である。 実施例3、4に係る、ニッケルめっき化鉄鋼部材の表面の表面粗さ曲線の一例を示す図である。 実施例5、6に係る、ニッケルめっき化鉄鋼部材の表面の表面粗さ曲線の一例を示す図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。なお、文中の数字範囲を示す「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
図1は、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の構造の一例を模式的に示した外観図である。図2は、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の接合部の断面を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、鉄鋼部材103の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層107が形成されたニッケルめっき化鉄鋼部材108であって、JIS B0601に準拠して測定される、少なくともニッケルめっき化鉄鋼部材108の熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104の十点平均粗さ(Rz)の平均値が2μmを超えるニッケルめっき化鉄鋼部材108と、熱可塑性樹脂(R1)または熱可塑性樹脂(R1)を含む樹脂組成物(R2)により構成された熱可塑性樹脂部材105とが接合されている。
本実施形態において、鉄鋼部材103の表面は微細凹凸形状を有することが好ましく、ニッケルめっき層107は少なくとも上記微細凹凸形状を封孔することなく該微細凹凸形状に沿って、形状全体を薄く覆うように形成されていることが好ましい。本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106はニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105とを接合することにより得られる。
ここで、ニッケルめっき層107は少なくとも接合部表面104の上記微細凹凸形状を覆うように形成されていることが好ましい。
ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110には、ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105との間の接合強度向上に適する粗化面が形成されているため、接着剤を使用せずにニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105との間の接合性確保が可能となる。
具体的にはニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110の上記粗化形状の中に熱可塑性樹脂部材105が進入することによって、ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105との間に物理的な抵抗力(アンカー効果)が効果的に発現し、通常では接合が困難な鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105とを強固に接合することが可能になる。
このようにして得られた金属/樹脂複合構造体106は、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105の界面への水分や湿気の浸入を防ぐこともできる。つまり、金属/樹脂複合構造体106の付着界面における気密性や水密性を向上させることもできる。
以下、熱可塑性樹脂部材105と、ニッケルめっき化鉄鋼部材108とが接合された金属/樹脂複合構造体106、その製造方法、および熱可塑性樹脂を強固に接合・固着可能で、かつ、防錆能に優れたニッケルめっき化鉄鋼部材108の製造方法について説明する。
[熱可塑性樹脂部材]
以下、本実施形態に係る熱可塑性樹脂部材105について説明する。
熱可塑性樹脂部材105は熱可塑性樹脂(R1)または熱可塑性樹脂(R1)を含む樹脂組成物(R2)により構成されている。樹脂組成物(R2)は、樹脂成分として熱可塑性樹脂(R1)と、例えば充填材(B)と、含む。さらに、樹脂組成物(R2)は必要に応じてその他の配合剤を含む。樹脂組成物(R2)は熱可塑性樹脂(R1)を主成分として含む。なお、本実施形態において「主成分」とは50重量%以上を占める構成成分として定義される。樹脂組成物(R2)に占める熱可塑性樹脂(R1)は好ましくは50重量%超、より好ましくは60重量%以上である。
(熱可塑性樹脂(R1))
熱可塑性樹脂(R1)としては特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のポリメタクリル系樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂等のポリアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール−ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、無水マレイン酸−スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマー、アミノポリアクリルアミド樹脂、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ABS、ACS、AES、AS、ASA、MBS、エチレン−塩化ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフトポリマー、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、カルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ノルボルネン樹脂、フッ素プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素化エチレンポリプロピレン樹脂、PFA、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリパラメチルスチレン樹脂、ポリアリルアミン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、オリゴエステルアクリレート、キシレン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリヒドロキシブチレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグルタミン酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は一種単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、熱可塑性樹脂(R1)としては、ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105との接合強度向上効果をより効果的に得ることができる観点から、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂およびポリアミド系樹脂から選択される一種または二種以上の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
上記ポリオレフィン系樹脂は、オレフィンを重合して得られる重合体を特に限定なく使用することができる。
上記ポリオレフィン系樹脂を構成するオレフィンとしては、例えば、エチレン、α−オレフィン、環状オレフィン等が挙げられる。
上記α−オレフィンとしては、炭素原子数3〜30、好ましくは炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンが挙げられる。より具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。
上記環状オレフィンとしては、炭素原子数3〜30の環状オレフィンが挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜20である。より具体的には、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂を構成するオレフィンとして好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。これらのうち、より好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンであり、さらに好ましくはエチレンまたはプロピレンである。
上記ポリオレフィン系樹脂は、上述したオレフィンを一種単独で重合して得られたもの、または二種以上を組み合わせてランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合して得られたものであってもよい。
また、上記ポリオレフィン系樹脂としては、直鎖状のものであっても、分岐構造を導入したものであってもよい。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグルコール酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)等が挙げられる。
上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、PA6、PA12等の開環重合系脂肪族ポリアミド;PA66、PA46、PA610、PA612、PA11等の重縮合系ポリアミド;MXD6、PA6T、PA9T、PA6T/66、PA6T/6、アモルファスPA等の半芳香族ポリアミド;ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)等の全芳香族ポリアミド、アミド系エラストマー等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂(R1)としては、表面にニッケルめっき層が形成され、かつ、熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104が微細凹凸形状を有する鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との接合強度向上効果をより効果的に得ることができる観点から、ガラス転移温度が140℃以上の熱可塑性樹脂および非晶性熱可塑性樹脂から選択される一種または二種以上の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
上記ガラス転移温度が140℃以上の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン、ポリイミド樹脂、およびポリエーテルスルホン樹脂から選択される一種または二種以上が挙げられる。
上記非晶性熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、ポリメタクリル酸メチル樹脂、およびポリカーボネート樹脂から選択される一種または二種以上が挙げられる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂(R1)としては、ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105との接合強度向上効果をより効果的に得ることができる観点から、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂、およびポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される一種または二種以上の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
(充填材(B))
樹脂組成物(R2)は、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との線膨張係数差の調整や熱可塑性樹脂部材105の機械的強度の向上、ヒートサイクル特性の向上等の観点から、充填材(B)をさらに含むことが好ましい。
充填材(B)としては、例えば、繊維状充填材、粒状充填材、板状充填材等の充填材を挙げることができる。繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。ガラス繊維の具体的な例示としては、平均繊維径が6〜14μmのチョップドストランド等が挙げられる。また、粒状充填材、板状充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレーク、ガラスバルーン、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維の粉砕物等が挙げられる。これらの充填材(B)は一種単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。
なお、樹脂組成物(R2)に占める充填材(B)の含有量は、樹脂組成物(R2)全体を100重量%としたとき、通常50重量%以下、好ましくは50重量%未満、より好ましくは40重量%未満である。また、充填材(B)の含有量の下限は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。
充填材(B)は、熱可塑性樹脂部材105の剛性を高める効果の他、熱可塑性樹脂部材105の線膨張係数を制御できる効果がある。特に、本実施形態の鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との複合体の場合は、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との形状安定性の温度依存性が大きく異なることが多いので、大きな温度変化が起こると複合体に歪みが掛かりやすい。熱可塑性樹脂部材105が上記充填材(B)を含有することにより、この歪みを低減することができる。また、上記充填材(B)の含有量が上記範囲内であることにより、靱性の低減を抑制することができる。
本実施形態において、充填材(B)は繊維状充填材であることが好ましく、ガラス繊維、炭素繊維であることがより好ましく、ガラス繊維であることが特に好ましい。
これにより、成形後の熱可塑性樹脂部材105の収縮を抑制することができるため、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との接合をより強固なものとすることができる。
(その他の配合剤)
熱可塑性樹脂(R1)またはこれを含む樹脂組成物(R2)には、個々の機能を付与する目的でその他の配合剤を含んでもよい。
上記配合剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、分散剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等が挙げられる。
(樹脂組成物(R2)の製造方法)
樹脂組成物(R2)の製造方法は特に限定されず、一般的に公知の方法により製造することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、上記熱可塑性樹脂(R1)と、上記充填材(B)と、さらに必要に応じて上記その他の配合剤とを、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機等の混合装置を用いて、混合または溶融混合することにより、樹脂組成物(R2)が得られる。
[鉄鋼部材]
以下、本実施形態に係る、ニッケルめっき化鉄鋼部材108、およびニッケルめっき層形成前の鉄鋼部材103について説明する。
(めっき化鉄鋼部材)
本実施形態に係るニッケルめっき化鉄鋼部材108は、ニッケルめっき層107が形成された鉄鋼部材103であって、少なくとも熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104は粗面化されており、JIS B0601に準拠して測定される接合部表面104の十点平均粗さ(Rz)の平均値は2μmを超える。具体的に述べる。
ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される全ての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が2μmを超えることが好ましく、3μm超えることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。
また、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部について、JIS B0601(対応国際規格:ISO4287)に準拠して測定される全ての直線部の、評価長さ4mmにおける十点平均粗さ(Rz)が好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。
ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110上の、十点平均粗さ(Rz)の平均値が好ましくは2μmを超えて40μm以下、より好ましくは3μmを超えて35μm以下、さらに好ましくは5μm以上30μm以下、特に好ましくは7μmを超えて30μm以下である。
なお、上記十点平均粗さ(Rz)の平均値は、前述の任意の6直線部の十点平均粗さ(Rz)を平均したものを採用することができる。
ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105との接合強度をより一層向上させる観点から、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110上の、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値が好ましくは50μmを超え500μm未満、より好ましくは100μm以上400μm以下である。
なお、上記粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は、前述の任意の6直線部のRSmを平均したものを採用することができる。
図4は、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該3直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部を説明するための模式図である。
上記6直線部は、例えば、図4に示すような6直線部B1〜B6を選択することができる。まず、基準線として、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の接合部表面104の中心部Aを通る中心線B1を選択する。次いで、中心線B1と平行関係にある直線B2およびB3を選択する。次いで、中心線B1と直交する中心線B4を選択し、中心線B1と直交し、中心線B4と並行関係にある直線B5およびB6を選択する。ここで、各直線間の垂直距離D1〜D4は、例えば、2〜5mmである。
なお、通常、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110中の接合部表面104だけでなく、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の表面110全体に対し、表面粗化処理が施されているため、例えば、図5に示すように、ニッケルめっき化鉄鋼部材108の接合部表面104と同一面で、接合部表面104以外の箇所から6直線部を選択してもよい。
(ニッケルめっき化前の鉄鋼部材)
次に、ニッケルめっき前の鉄鋼部材103について説明する。
本実施形態に係る鉄鋼部材103は少なくとも熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104に微細凹凸形状を有する。上記微細凹凸形状は、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105とをより一層強固に接合する観点から、間隔周期が5nm以上500μm以下である凸部が林立している形状であることが好ましい。
上記微細凹凸形状の間隔周期は凸部から隣接する凸部までの距離の平均値であり、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から求めることができる。
具体的には、電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡により、鉄鋼部材103の表面110を撮影する。その写真から、任意の凸部を50個選択し、それらの凸部から隣接する凸部までの距離をそれぞれ測定する。凸部から隣接する凸部までの距離の全てを積算して50で除したものを間隔周期とする。
凸部の間隔周期は、好ましくは10nm以上300μm以下、より好ましくは20nm以上200μm以下である。
凸部の間隔周期が上記下限値以上であると、上記微細凹凸形状の凹部に熱可塑性樹脂部材105が十分に進入することができ、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との接合強度をより向上させることができる。また、凸部の間隔周期が上記上限値以下であると、得られる金属/樹脂複合構造体106の金属―樹脂界面に隙間が生じるのを抑制できる。その結果、金属―樹脂界面の隙間から水分等の不純物が浸入することを抑制できるため、金属/樹脂複合構造体106を高温、高湿下で用いた際、強度が低下することを抑制できる。
本実施形態に係る鉄鋼部材103における上記間隔周期を有する微細凹凸形状は、例えば、鉄鋼部材に対し、後述の第一の処理工程、第二の処理工程および第三の処理工程の3つの処理工程を施すことによって形成することができる。
本実施形態に係る鉄鋼部材103は、表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層107が形成されている。そして、ニッケルめっき層107は少なくとも接合部表面104の上記微細凹凸形状を覆うように形成されていることが好ましい。また、金属/樹脂複合構造体106の金属部分の防錆機能をより良好なものとする観点から、ニッケルめっき層107は鉄鋼部材103の表面の全部を覆うように形成されていることがより好ましい。
また、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106において、鉄鋼部分の防錆能をより高めつつ、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との接合強度をより向上させる観点から、ニッケルめっき層107の平均厚みは0.1μm以上20μm以下が好ましく、0.5μm以上10μm以下がより好ましく、0.8μm以上5μm以下がさらに好ましく、1μm以上4μm以下が特に好ましい。
[防錆能に優れたニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法]
本実施形態に係る防錆能に優れたニッケルめっき化鉄鋼部材108の製造方法は、少なくとも以下の第一の処理工程、第二の処理工程および第三の処理工程の3つの工程を含み、上記第二の処理工程と上記第三の処理工程の間に、さらに任意の処理工程をさらに含んでもよい。
(第一の処理工程)少なくとも鉄鋼部材103の熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104を、酸と第二銅イオンと塩素イオンとを含む水溶液により処理する工程
(第二の処理工程)少なくとも接合部表面104を無機酸により処理する工程
(第三の処理工程)少なくとも接合部表面104をニッケルめっき液によってニッケルめっきする工程
(任意の処理工程)少なくとも接合部表面104を銅めっき剥離液で処理する工程
まず、本実施形態の鉄鋼部材とは鉄鋼材により構成され、所定の構造物を組み立てている部品材のことを示す。ここで鉄鋼部材とは普通鋼(炭素鋼)および特殊鋼全体を包含し、例えば一般構造用圧延鋼材等の炭素鋼、低温用鋼、原子炉用鋼板材料等をいい、冷間圧延鋼材(以下、「SPCC」という。)、熱間圧延鋼材(以下、「SPHC」という。)、自動車構造用熱間圧延鋼板材(以下、「SAPH」という。)、自動車加工用熱間圧延高張力鋼板材(以下、「SPFH」という。)等の鉄鋼材である。これらの多くはプレス加工、切削加工が可能であるので、部品、本体として採用するとき、構造、形状も自由に選択できる。また、本実施形態でいう鉄鋼材は上記鋼材に限らず、例えば、日本工業規格(JIS「SS400」)等で規格化されたあらゆる鉄鋼材が含まれる。鉄鋼部材103としては、圧延軟鋼により構成されたものであることが好ましい。
鉄鋼部材103の形状は、熱可塑性樹脂部材105と接合できる形状であれば特に限定されず、例えば、平板状、曲板状、棒状、筒状、塊状等とすることができる。また、これらの組み合わせからなる構造体であってもよい。
また、熱可塑性樹脂部材105と接合する接合部表面104の形状は、特に限定されないが、平面、曲面等が挙げられる。
鉄鋼部材103は、鉄鋼材料を切断、プレス等による塑性加工、打ち抜き加工、切削、研磨、放電加工等の除肉加工によって上述した所定の形状に加工された後に、後述する粗化処理がなされたものが好ましい。要するに、種々の加工法により、必要な形状に加工されたものを用いることが好ましい。
次いで、各処理工程について詳細に説明する。
(第一の処理工程)
第一の処理工程は、例えば、必要に応じて鉄鋼材用脱脂剤や中性洗剤等で脱脂後に水洗した鉄鋼部材を、酸と第二銅イオンと塩素イオンを含む水溶液を用いて処理する。この第一の処理工程により、鉄鋼部材103の表面110に凹凸形状の銅層が形成される。
酸と第二銅イオンと塩素イオンを含む水溶液としては、酸を15〜70重量%、塩素イオンを0.3〜9.5重量%、好ましくは1〜7重量%、第二銅イオンを少なくとも0.01重量%以上、好ましくは0.02〜6重量%含有する水溶液が好ましい。また当該水溶液は必要に応じてチオール系化合物を含有していてもよく、チオール系化合物を含有する場合はチオール系化合物を0.00001〜1重量%、好ましくは0.00005〜1重量%含有する水溶液が好ましい。
酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、過塩素酸、スルファミン酸等の無機酸や、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸が挙げられる。上記カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸等が挙げられる。酸としては、硫酸が好ましい。
塩素イオン源化合物としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウムが挙げられる。
第二銅イオン源化合物としては、例えば塩化第二銅、硝酸第二銅、硫酸第二銅、酢酸第二銅、水酸化第二銅等があげられる。
チオール系化合物としては、例えば、チオぎ酸、チオ酢酸、チオプロピオン酸等のチオール酸類;チオグリコール酸、チオジグリコール酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸等のチオカルボン酸類;チオサリチル酸、チオフマル酸等の芳香族チオカルボン酸類等があげられる。
処理温度は通常20〜50℃、処理時間は通常20秒〜10分間である。第一の処理工程後に必要に応じて水洗・乾燥が行われる。
(第二の処理工程)
第二の処理工程は、第一の処理工程で得られた鉄鋼部材を無機酸により処理する。無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸などを例示することができる。これらの中では、鉄の化学エッチング力の点から、硝酸が好ましく用いられる。
無機酸の濃度は、例えば無機酸として硝酸を用いる場合は、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜25重量%である。処理温度は通常20〜50℃、処理時間は通常20〜180秒である。後掲する実施例で述べるように、この第二の処理工程を実施することによって、第一の処理工程のみでは得られなかった熱可塑性樹脂部材との接合力を飛躍的に向上させることができる。
本発明者らは、この理由を以下のように推測している。すなわち、第二の処理工程を実施することによって、第一の処理工程で鉄鋼部材表面に生成した凹凸形状の銅層のうちの凹部分、すなわち鉄鋼部材に近い部分から無機酸が鉄鋼部材表面に侵入し、銅よりもイオン化傾向の大きな鉄を優先的に化学エッチングすることによって鉄鋼部材の表面110にオーバーハング部を有する凹部(ピット)が多数形成される。このようなオーバーハング部を有する凹部はアンカー効果によって熱可塑性樹脂部材105との接合力向上に寄与すると推察される。
第二の処理工程後には必要に応じて水洗・乾燥が行われる。
本実施形態は、第一の処理工程と第二の処理工程のサイクルを、二回以上の複数回繰り返す態様も含む。後述する実施例では、脱脂工程と第三の処理工程の間に、第一の処理工程→第二の処理工程→第一の処理工程→第二の処理工程を実施しているが、このような処理方法では鉄鋼部材表面の十点平均粗さ(Rz)をより大きくすることができるので強い接合強度が求められる用途では好んで採用される。
(第三の処理工程)
第三の処理工程は、第二の処理工程で得られた鉄鋼部材の少なくとも接合部表面104をニッケルめっき処理する工程である。
ニッケルめっき処理としては、例えば、無電解ニッケルめっき処理が好ましく用いられる。無電解ニッケルめっき処理に用いるニッケルめっき液としては、例えば、ニッケル塩および次亜鉛リン酸塩を含むものを用いることができる。
無電解ニッケルめっき処理としては公知の方法を制限なく利用することができる。例えば、ニッケル塩としての硫酸ニッケルや塩化ニッケルと、還元剤としての次亜リン酸ナトリウムと、還元触媒としての鉄族元素や白金族元素の金属と、を含むニッケルめっき液を用いる方法が挙げられる。還元剤として次亜リン酸ナトリウムを用いた酸性浴以外に、還元剤として次亜リン酸ナトリウムや水素化ホウ素化合物を用い、アルカリ源として塩化アンモニウムや水酸化ナトリウムを用いたアルカリ性浴、また、還元剤としてヒドラジンを用いる方法やジメチルアミノボランを用いる方法も制限なく使用することができる。
これらの無電解ニッケルめっき処理方法の中では、ニッケル塩と還元剤としての次亜リン酸塩を用いる無電解ニッケルーリン複合めっき法が好ましい。めっき液における、ニッケル塩と次亜リン酸塩の含有量は、めっき層組成として、好ましくはNiが80〜99.95重量%、Pが0.05〜20重量%、より好ましくはNiが85〜99重量%、Pが1〜15重量%、さらに好ましくは、Niが90〜96重量%、Pが4〜10重量%である。
P含量が20重量%以下であると、めっき液の調製が容易であり、Pが0.05重量%以上であると、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105とを接合して得られる金属/樹脂複合構造体106の接合強度がより良好となる場合があるので好ましい。
すなわち、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106において、ニッケルめっき層107がリン(P)を含むことが好ましく、ニッケルめっき層107中のリン(P)の含有量が0.05重量%以上20重量%以下であることがより好ましく、1重量%以上15重量%以下であることがさらに好ましく、4重量%以上10重量%以下であることが特に好ましい。
(任意の処理工程)
任意の処理工程は上記第二の処理工程の後、上記第三の処理工程の前に必要に応じておこなわれる。
任意の処理工程は、少なくとも鉄鋼部材103の接合部表面104を銅めっき剥離液で処理し、銅層の一部または全部を除去する工程である。この任意の処理工程は、例えば、特開2002−356788に記載の方法に準じておこなうことができる。任意の処理工程で用いられる処理液は、例えば、アンモニア銅錯塩を含有するものが挙げられる。より具体的には、銅(II)アンミン錯体を含有するアルカリ性水溶液であり、対イオンとして有機酸の陰イオンを含有する銅めっき剥離液が挙げられる。この剥離液は上記公開公報の記載内容に従って調製してもよいし、市販の剥離液をメーカーの推奨する処方に従って処理してもよい。後述する実施例においては、メルテックス株式会社製のメルストリップ Cu−3940を用いた。任意の処理工程の処理温度は通常20〜60℃、好ましくは30〜50℃、処理時間は通常20〜120秒、好ましくは30〜90秒である。任意の処理工程後に必要に応じて水洗・乾燥が行われる。この水洗操作は、第二および/または任意の処理工程で生じたスマットを除去することができる条件であれば特に限定されない。処理時間としては、好ましくは0.5〜20分間である。
[金属/樹脂複合構造体の製造方法]
つづいて、金属/樹脂複合構造体106の製造方法について説明する。
金属/樹脂複合構造体106の製造方法は、少なくとも以下の(i)〜(ii)の工程を含む。
(i)表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層107が形成され、かつ、少なくとも熱可塑性樹脂部材105との接合部表面104に微細凹凸形状を有するニッケルめっき化鉄鋼部材108を、射出成形用の金型内に設置する工程
(ii)熱可塑性樹脂部材105の少なくとも一部がニッケルめっき化鉄鋼部材108の上記微細凹凸形状と接するように、上記金型内に熱可塑性樹脂(R1)または熱可塑性樹脂(R1)を含む樹脂組成物(R2)を射出成形し、ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105とを接合させる工程
すなわち、上記の方法で表面粗化とニッケルめっき処理をこの順に行ったニッケルめっき化鉄鋼部材108(表面粗化ニッケルめっき化鉄鋼部材)に対して、熱可塑性樹脂(R1)または樹脂組成物(R2)を所望の熱可塑性樹脂部材105の形状になるように成形しながら接合させることにより、金属/樹脂複合構造体106は得られる。
以下、具体的に説明する。
まず、工程(i)について説明する。
ニッケルめっき化鉄鋼部材108は、前述した防錆能に優れたニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法と同様にして得ることができる。ここでは説明を省略する。
次いで、金型を用意し、その金型を開いてそのキャビティ部(空間部)にニッケルめっき化鉄鋼部材108を設置する。
次に、工程(ii)について説明する。以下、成形方法として射出成形を用いた場合を一例として説明する。
金型を閉じ、熱可塑性樹脂部材105の少なくとも一部がニッケルめっき化鉄鋼部材108の上記微細凹凸形状と接するように、上記金型の上記キャビティ部に熱可塑性樹脂(R1)または熱可塑性樹脂(R1)を含む樹脂組成物(R2)を射出して固化し、ニッケルめっき化鉄鋼部材108と熱可塑性樹脂部材105とを接合する。
その後、金型を開き離型することにより、金属/樹脂複合構造体106を得ることができる。
上記金型としては、例えば、高速ヒートサイクル成形(RHCM、ヒート&クール成形)で一般的に使用される射出成形用金型を用いることができる。
また、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の製造方法としては、上記のように射出成形法が好ましく適用されるが、その他の成形方法を射出成形法に適宜組み合わせて成形する方法、あるいは射出成形法の代わりにその他の成形方法を適用してもよい。その他の成形方法としては、例えば、トランスファー成形法、圧縮成形法(コンプレッション成形法)、反応射出成形法、ブロー成形法、熱成形法、プレス成形法等が挙げられる。
[金属/樹脂複合構造体の用途]
本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、様々な用途に展開することが可能である。
さらに、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106は、樹脂・鉄鋼部材間の接着力、機械特性、耐熱性、耐摩擦性、摺動性、気密性、水密性等に優れるとともに、防錆力にも優れるので、例えば、金属/樹脂複合構造体106を構造用部品として用いる場合は、構造部品中の鉄鋼部材使用量の削減による軽量化効果も享受できるので、これらの特性に応じた様々な用途に広範に用いることができる。
例えば、車両用構造部品、車両搭載用品、電子機器の筐体、家電機器の筐体、建築部材、構造用部品、機械部品、種々の自動車用部品、電子機器用部品、家具、台所用品等の家財向け用途、医療機器、建築資材の部品、その他の構造用部品や外装用部品等が挙げられる。
より具体的な用途例としては、樹脂だけでは強度が足りない部分を金属がサポートする様にデザインされた次のような用途である。車両関係では、インスツルメントパネル、コンソールボックス、ドアノブ、ドアトリム、シフトレバー、ペダル類、グローブボックス、バンパー、ボンネット、フェンダー、トランク、ドア、ルーフ、ピラー、座席シート、ラジエータ、オイルパン、ステアリングホイール、ECUボックス、電装部品等が挙げられる。また、建材や家具類として、ガラス窓枠、手すり、カーテンレール、たんす、引き出し、クローゼット、書棚、机、椅子等が挙げられる。また、精密電子部品類として、コネクタ、リレー、ギヤ等が挙げられる。また、輸送容器として、輸送コンテナ、スーツケース、トランク等が挙げられる。
また、鉄鋼部材103の高い熱伝導率と、熱可塑性樹脂部材105の断熱的性質とを組み合わせ、ヒートマネージメントを最適に設計する機器に使用される部品用途、例えば、各種家電にも用いることができる。具体的には、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、照明機器、電気湯沸かし器、テレビ、時計、換気扇、プロジェクター、スピーカー等の家電製品類、パソコン、携帯電話、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット型PC、携帯音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、充電器、電池等電子情報機器等が挙げられる。
これらについては、鉄鋼部材103の表面を粗化することによって表面積が増加するため、鉄鋼部材103と熱可塑性樹脂部材105との間の接触面積が増加し、接触界面の熱抵抗を低減させることができることに由来する。
その他の用途として、玩具、スポーツ用具、靴、サンダル、鞄、フォークやナイフ、スプーン、皿等の食器類、ボールペンやシャープペン、ファイル、バインダー等の文具類、フライパンや鍋、やかん、フライ返し、おたま、穴杓子、泡だて器、トング等の調理器具、リチウムイオン2次電池用部品、ロボット等が挙げられる。
以上、本実施形態に係る金属/樹脂複合構造体106の用途について述べたが、これらは本発明の用途の例示であり、上記以外の様々な用途に用いることもできる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例・比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
まず、各種測定法について述べる。
(鉄鋼部材表面の、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の測定)
表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用し、JIS B0601(対応ISO 4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)を測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
・触針先端半径:5μm
・基準長さ:0.8mm
・評価長さ:4mm
・測定速度:0.06mm/sec
測定は、鉄鋼部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部についておこなった(図5参照)。なお、本実施例・比較例では、鉄鋼部材103の全面について粗化処理をおこなっているため、金属/樹脂複合構造体106の接合部表面104について十点平均粗さ(Rz)および粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の測定をおこなっても、図5に示す測定箇所と同様の評価結果が得られることが理解される。
(接合強度の評価方法)
引っ張り試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて測定をおこなった。破断荷重(N)を金属/樹脂接合部分の面積で除することにより接合強度(MPa)を得た。
〔実施例1〕
市販の厚さ2mmの冷間圧延軟鋼板SPCCを、18mm×45mmの長方形に切断し、処理用の試験片を作製した。このうちの7枚を、市販脱脂剤NE−6(メルテック社製)を5重量%になるように希釈した60℃の水溶液中に、試験片がお互いに重ならないように5分間浸漬(無搖動下)させた後、5秒間の水洗(搖動下)を3回繰り返した。
(第一の処理工程)
次いで、第一の処理工程を実施した。すなわち、上記の脱脂後の試験片7枚を、硫酸、硫酸第二銅の5水和物、塩化カリウム、およびチオサリチル酸が各々50重量%、3重量%、3重量%および0.0001重量%含有する30℃の水溶液中に、試験片がお互いに接触しないように2分間浸漬(無搖動下)させた。次いで、超音波照射下で30秒間の水洗(搖動下)を3回繰り返すことによって第一の処理工程を終えた。
(第二の処理工程)
第一の処理工程で得られた試験片7枚を、お互いが接触しないように20重量%硝酸水溶液中に120秒間浸漬(無搖動下)させた。その際の水溶液の温度は40℃に維持された。その後、20秒間の水洗(搖動下)を3回繰り返し、超音波照射下で1分間の水洗を行い、次いで80℃に設定された乾燥機中で15分間乾燥させることによって第二の処理工程を終了した。第二の処理工程終了後の、試験片の平均重量減少率は4.9重量%であった。以下、第二の処理工程まで実施した試験片を鉄鋼部材1と呼ぶ。
(任意の処理工程)
第二の処理工程まで実施した試験片7枚を、お互いが接触しないように、銅めっき剥離剤(メルテックス社製、メルストリップCU−3940)に、40℃で1分間浸漬(無搖動下)させた。その後、超音波照射下で20秒間の水洗(搖動下)を3回繰り返した。次いで80℃に設定された乾燥機中で15分間乾燥させることによって任意の処理工程を終了した。任意の処理工程終了後の、試験片の平均重量減少率(ΔW)は3.1重量%であった。以下、この任意の処理工程まで実施した試験片を鉄鋼部材2と呼ぶ場合がある。
(第三の処理工程)
特許4185523号に開示された方法に準拠して無電解メッキ浴を調製し90℃に加温した。次いで、このめっき浴に7枚の鉄鋼部材2を20分間浸漬することによって鉄鋼部材2の全表面にニッケルめっき層を形成させた。めっき層について粗化部分から任意の5点、粗化されていない部分から任意の5点、合計10点について、めっき層の平均厚みを算出した結果3.5μmであった。
また、上記方法に従って測定した6直線部についての十点平均粗さ(Rz)は、6.3μm、10.7μm、7.4μm、9.2μm、11.5μmおよび5.9μmであり、これらの平均値は8.5μmであった。また、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は172μmであった。以下、第三の処理工程まで実施した試験片を鉄鋼部材3と呼ぶ場合がある。
(射出工程)
日本製鋼所社製のJ85AD110Hに小型ダンベル金属インサート金型を装着し、金型内に鉄鋼部材3を設置した。次いで、その金型内に熱可塑性樹脂として、市販のガラス繊維含有プロピレン系重合体(プライムポリマー社製、プライムポリプロV7100、密度1030kg/m、ガラス繊維(GF)20重量%含有、プロピレン系重合体のMFR:18g/10分)(以下、GF−PPと略)を、シリンダー温度250℃、金型温度120℃、射出速度25mm/sec、保圧80MPa、保圧時間10秒の条件にて射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。同様の射出成形を他の2枚の鉄鋼部材3について実施した。
(接合強度の評価)
3個の試験サンプルについて上記方法で測定した接合強度の平均値は16MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りが存在することを確認した。また、イオンミリングを用いて常温にて接合部の断面を加工し、電子顕微鏡およびエネルギー分散型X線分光器を用いて元素分布を観察した結果を図3に示す。鉄鋼部材の表面粗化形状に沿って防錆層(無電解ニッケルめっき層)が付与されていることが分かる。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。
〔実施例2〕
熱可塑性樹脂として、市販のガラス繊維含有ポリアミド樹脂(東レ社製、アミラン1011G30、GF30重量%含有)(以下、GF−PAと略)を用い、射出成形条件としてのシリンダー温度を280℃、金型温度を160℃にした以外は実施例1と同様にして金属/樹脂複合構造体を作製し、接合強度を測定した。
3個のサンプルの接合強度の平均値は31MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りが存在することを確認した。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。
〔実施例3〕
実施例1に記載された方法と同様にして、任意の処理工程まで実施した試験について、再度実施例1に記載された第一の処理工程、第二の処理工程、任意の処理工程を実施した。この時点での試験片の平均重量減少率の平均値は5.1重量%であった。この試験片について次の示す第三の処理工程を実施した。
イオン交換水847ml/L、SF−762−0N(日本カニゼン(株)製の無電解ニッケルめっき液)100ml/L、SF−762−1(日本カニゼン(株)製の無電解ニッケルめっき液)50ml/L、SF−762−S(日本カニゼン(株)製の無電解ニッケルめっき液)3ml/Lをこの順に建浴してめっき浴を調整し85℃に加温した。次いで、このめっき浴に、上記方法で得られた鉄鋼部材7枚を20分間浸漬することによって鉄鋼部材の全表面にニッケルめっき層を形成させた。めっき層の平均厚みは3.8μmであった。また、上記方法に従って測定した6直線部についての十点平均粗さ(Rz)は、8.7μm、11.0μm、6.7μm、13.4μm、11.5μmおよび11.8μmであり、これらの平均値は10.5μmであった。また、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は222μmであった。
実施例1に記載した射出工程と同様な方法で、上記鉄鋼部材にGF−PPの射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。3個のサンプルの接合強度の平均値は20MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りが存在することを確認した。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。また表面粗さ曲線を図6に示した。
〔実施例4〕
熱可塑性樹脂として、GF−PAを用い、射出成形条件としてのシリンダー温度を280℃、金型温度を160℃にした以外は実施例3と同様にして金属/樹脂複合構造体を作製し、接合強度を測定した。
3個のサンプルの接合強度の平均値は40MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りが存在することを確認した。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。
〔実施例5〕
実施例3において、第三の処理工程における浸漬時間を20分から40分に変更した以外は、実施例3と同様に処理し鉄鋼部材の全表面にニッケルめっき層を形成させた。めっき層の平均厚みは4.1μmであった。また、上記方法に従って測定した6直線部についての十点平均粗さ(Rz)は、5.0μm、4.1μm、7.9μm、7.7μm、9.2μmおよび6.5μmであり、これらの平均値は6.7μmであった。また、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は169μmであった。また、実施例3と同様な射出条件でGF−PPの射出成型を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。3個のサンプルの接合強度の平均値は5MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りが僅かに存在することを確認した。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。また表面粗さ曲線を図7に示した。
〔実施例6〕
熱可塑性樹脂として、GF−PAを用い、射出成形条件としてのシリンダー温度を280℃、金型温度を160℃にした以外は実施例5と同様にして金属/樹脂複合構造体を作製し、接合強度を測定した。
3個のサンプルの接合強度の平均値は15MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りが僅かに存在することを確認した。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。
〔比較例1〕
特開2011−156764号明細書の実験例8に記載された方法に準拠して、実施例1で用いた冷間式圧延軟鋼板SPCC試験片7枚を表面処理した。具体的には、先ず上記試験片7枚をアルミニウム合金用脱脂剤「NE−6」の7.5重量%水溶液(60℃)に5分間浸漬し、水洗した。次いで、1.5重量%水酸化ナトリウム水溶液(40℃)に1分間浸漬・水洗後、98重量%硫酸を10%含む水溶液(50℃)に6分間浸漬し、イオン交換水で十分に水洗した。次いで、1%濃度のアンモニア水(25℃)に1分浸漬して水洗した。その後、2重量%濃度の過マンガン酸カリウム、1重量%濃度の酢酸、及び0.5重量%濃度の水和酢酸ナトリウムを含む水溶液(45℃)に1分浸漬して十分に水洗した。最後に、90℃に設定した温風乾燥機中でに15分間乾燥した。得られた試験片の平均重量減少率(ΔW)は0.4重量%であった。
このようにして得られた表面粗化されたSPCC試験片を、実施例3の第三の処理工程と全く同様にして、鉄鋼部材の全表面にニッケルめっき層を形成させた。めっき層の平均厚みは3.8μmであった。また、上記方法に従って測定した6直線部についての十点平均粗さ(Rz)は、1.8μm、1.6μm、1.6μm、1.9μm、0.7μmおよび1.1μmであり、これらの平均値は1.5μmであった。また、粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)の平均値は116μmであった。
実施例1に記載した射出工程と同様な方法で、上記鉄鋼部材にGF−PPの射出成形を行い、金属/樹脂複合構造体を得た。3個のサンプルの接合強度の平均値は3MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りが全く存在しないことを確認した。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。
〔比較例2〕
熱可塑性樹脂として、GF−PAを用い、射出成形条件としてのシリンダー温度を280℃、金型温度を160℃にした以外は比較例1と同様にして金属/樹脂複合構造体を作製し、接合強度を測定した。
3個のサンプルの接合強度の平均値は5MPaであった。破断面(金属側表面)につき、簡易的にデジタルマイクロスコープで観察したところ、樹脂残りは全く存在しないことを確認した。表面粗化形状パラメーターおよび接合強度の結果を表1にも併記した。
Figure 0006867814
以下、参考形態の例を付記する。
<付記>
(付記1)
鉄鋼部材と、熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合された金属/樹脂複合構造体であって、
上記鉄鋼部材の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成されており、
少なくとも上記鉄鋼部材の上記熱可塑性樹脂部材との上記接合部表面が微細凹凸形状を有し、
上記ニッケルめっき層は少なくとも上記接合部表面の上記微細凹凸形状を覆うように形成されていることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
(付記2)
上記ニッケルめっき層の平均厚みが0.1μm以上20μm以下であることを特徴とする付記1に記載の金属/樹脂複合構造体。
(付記3)
上記ニッケルめっき層がリン(P)を含み、上記ニッケルめっき層中の上記リン(P)の含有量が0.05重量%以上20重量%以下であることを特徴とする付記1または2に記載の金属/樹脂複合構造体。
(付記4)
上記微細凹凸形状が間隔周期5nm以上500μm以下の凸部が林立している形状であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
(付記5)
上記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂、およびポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される一種または二種以上を含むことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
(付記6)
上記鉄鋼部材が圧延軟鋼を含むことを特徴とする付記1乃至5のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体。
(付記7)
付記1乃至6のいずれか一つに記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法であって、
表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成され、かつ、少なくとも熱可塑性樹脂部材との接合部表面に微細凹凸形状を有する鉄鋼部材を、射出成形用の金型内に設置する工程と、
上記熱可塑性樹脂部材の少なくとも一部が上記鉄鋼部材の上記微細凹凸形状上の上記ニッケルめっき層と接するように、上記金型内に熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を射出成形する工程と、を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体の製造方法。
(付記8)
熱可塑性樹脂または上記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材との接合に用いられ、表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成され、かつ、少なくとも熱可塑性樹脂部材との接合部表面に微細凹凸形状を有する鉄鋼部材を製造するための製造方法であって、
少なくとも鉄鋼部材の上記熱可塑性樹脂部材との上記接合部表面を、酸と第二銅イオンと塩素イオンとを含む水溶液により処理する第一の処理工程と、
少なくとも上記接合部表面を硝酸により処理する第二の処理工程と、
上記第二の処理工程後に、少なくとも上記接合部表面を、ニッケルめっき液によってニッケルめっきする第三の処理工程と、
を含む鉄鋼部材の製造方法。
(付記9)
付記8に記載の鉄鋼部材の製造方法において、
上記第二の処理工程後であって、上記第三の処理工程前に、少なくとも上記接合部表面を銅めっき剥離液で処理する処理工程をさらにおこなう鉄鋼部材の製造方法。
103 鉄鋼部材
104 接合部表面
105 熱可塑性樹脂部材
106 金属/樹脂複合構造体
107 ニッケルめっき層
108 ニッケルめっき化鉄鋼部材
110 表面

Claims (11)

  1. 鉄鋼部材の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成されたニッケルめっき化鉄鋼部材と、熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材とが接合された金属/樹脂複合構造体であって、
    JIS B0601に準拠して測定される、少なくとも前記ニッケルめっき化鉄鋼部材の前記熱可塑性樹脂部材との接合部表面の十点平均粗さ(Rz)の平均値が2μmを超えることを特徴とする金属/樹脂複合構造体。
  2. 前記鉄鋼部材の表面が微細凹凸形状を有し、前記ニッケルめっき層は少なくとも前記微細凹凸形状を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の金属/樹脂複合構造体。
  3. 前記微細凹凸形状が間隔周期5nm以上500μm以下の凸部が林立している形状であることを特徴とする請求項2に記載の金属/樹脂複合構造体。
  4. 前記ニッケルめっき層の平均厚みが0.1μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  5. 前記ニッケルめっき層がリン(P)を含み、前記ニッケルめっき層中の前記リン(P)の含有量が0.05重量%以上20重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン/アクリロニトリル共重合体樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体樹脂、およびポリメタクリル酸メチル樹脂から選択される一種または二種以上を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  7. 前記鉄鋼部材が圧延軟鋼を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体。
  8. 熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材との接合のために用いられ、鉄鋼部材の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成されたニッケルめっき化鉄鋼部材であって、
    JIS B0601に準拠して測定される、少なくとも前記熱可塑性樹脂部材との接合部表面の十点平均粗さ(Rz)の平均値が2μmを超えるニッケルめっき化鉄鋼部材。
  9. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の金属/樹脂複合構造体の製造方法であって、
    表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成され、かつ、少なくとも熱可塑性樹脂部材との接合部表面に微細凹凸形状を有するニッケルめっき化鉄鋼部材を、射出成形用の金型内に設置する工程と、
    前記熱可塑性樹脂部材の少なくとも一部が前記ニッケルめっき化鉄鋼部材の前記微細凹凸形状と接するように、前記金型内に熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を射出成形する工程と、を含むことを特徴とする金属/樹脂複合構造体の製造方法。
  10. 熱可塑性樹脂または前記熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物により構成された熱可塑性樹脂部材との接合に用いられ、鉄鋼部材の表面の一部または全部を覆うようにニッケルめっき層が形成され、かつ、少なくとも熱可塑性樹脂部材との接合部表面に微細凹凸形状を有するニッケルめっき化鉄鋼部材を製造するための製造方法であって、
    少なくとも鉄鋼部材の前記熱可塑性樹脂部材との前記接合部表面を、酸と第二銅イオンと塩素イオンとを含む水溶液により処理する第一の処理工程と、
    少なくとも前記接合部表面を無機酸により処理する第二の処理工程と、
    前記第二の処理工程後に、少なくとも前記接合部表面を、ニッケルめっき液によってニッケルめっきする第三の処理工程と、
    を含むニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法。
  11. 請求項10に記載のニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法において、
    前記第二の処理工程後であって、前記第三の処理工程前に、少なくとも前記接合部表面を銅めっき剥離液で処理する処理工程をさらにおこなうニッケルめっき化鉄鋼部材の製造方法。
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