JP7253031B2 - 石油系高軟化点ピッチの製造方法 - Google Patents

石油系高軟化点ピッチの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は石油系高軟化点ピッチの製造方法に係り、より詳しくは、酸化熱処理ステップでキノリン不溶分(QI)の生成を抑制することができる高純度の石油系高軟化点ピッチを製造する方法に関する。
高軟化点ピッチは、炭素繊維、活性炭、二次電池の負極材などの多様な炭素材、黒鉛材の原料、または前駆体物質として使用されている。高軟化点ピッチを製造するために、石炭系または石油系物質を原料にし、酸化工程及び熱処理工程によって製造する方法が一般に知られている。
高軟化点ピッチを二次電池の原料として使用する場合、高軟化点ピッチの中に含まれているキノリン不溶分、金属などの無機質不純物、または窒素、硫黄などの異種原子の含量が少ないほど、電池の容量改善、寿命特性の向上、出力特性の向上などによい効果を示すことが知られている。石油系原料はキノリン不溶分が事実上殆ど含まれていないため、石油系物質を原料にして製造された高軟化点ピッチは、石炭系物質を原料にして製造された高軟化点ピッチに比べて相対的にキノリン不溶分の量が少ないが、その製造過程で一部のキノリン不溶分が生成される。製造工程で生成されたキノリン不溶分は、高軟化点ピッチを二次電池の負極材の原料として使用する場合、二次電池の性能を低下させるという問題がある。
従来の石油系原料または石炭系原料を使用して高軟化点ピッチを製造する技術は、製造された高軟化点ピッチのキノリン不溶分の含量が高いか、または高軟化点ピッチの製造にホウ素化合物、フッ酸、パーオキシド系化合物などの危険物質を使用する方法であって、高軟化点ピッチを経済的に製造することが難しいという問題がある。特に、石油系原料を使用して高軟化点ピッチを製造する場合、製造工程上でキノリン不溶分の形成を抑制するための方案は提示されていない実情である。
特開2018-053071
本発明が解決しようとする課題は、経済的な石油系高軟化点ピッチの製造方法を提供することにある。
本発明が解決しようとする課題は、キノリン不溶分(QI)の含量が著しく減少された高品質の石油系高軟化点ピッチの製造方法を提供することにある。
本発明の概念による石油系高軟化点ピッチの製造方法は、酸化反応器を含む酸化熱処理装置を利用して石油系残渣油に酸化熱処理工程を行うステップと、酸化熱処理された石油系残渣油に真空熱処理工程を行うステップと、を含み、前記酸化反応器の高さと直径の比は0.5乃至2で、前記石油系高軟化点ピッチのキノリン不溶分(QI)の含量は前記石油系高軟化点ピッチの総重量に対して0.001重量%乃至0.5重量%である。
本発明による石油系高軟化点ピッチの製造方法は、製造工程で形成されるキノリン不溶分を著しく減少させることができ、それによって不純物の含量が少ない高品質の石油系高軟化点ピッチを製造することができる。
本発明による石油系高軟化点ピッチの製造方法は、触媒及び高圧条件を必要としないため、触媒を除去する別途の工程が求められず、高価の高圧容器を使用しなくてもよい。また、パーオキシド系化合物を使用しないため、製造工程中に爆発の危険がなく、環境汚染を引き起こさない。それによって、経済的に高品質の石油系高軟化点ピッチを製造することができる。
本発明による石油系高軟化点ピッチの製造方法で製造された石油系高軟化点ピッチは、キノリン不溶分の含量が著しく減少されるため、石油系高軟化点ピッチが適用された二次電池の容量、寿命、及び充放電効率が向上される。
本発明の一実施例による石油系高軟化点ピッチを製造する方法を説明するための順序図である。 本発明の一実施例による酸化熱処理装置を説明するための概略図である。 本発明の一実施例によって製造された石油系高軟化点ピッチを使用して製造された負極活物質の形状写真である。 本発明の一実施例による石油系高軟化点ピッチを製造する方法を説明するための概略的な工程図である。
本発明の構成及び効果を十分に理解するために、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施例を説明する。しかし、本発明は以下で開示する実施例に限らずに様々な形態で具現され、様々な変更を加えてもよい。但し、本実施例の説明によって本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
本明細書において、ある構成要素が他の構成要素の上にあると言及されれば、それは他の構成要素の上に直接形成されるか、またはそれらの間に第3の構成要素が介在されてもよいことを意味する。また、図面において、構成要素の厚さは技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。明細書全体にわたって、同じ符号で示されている部分は同じ構成要素を示す。
本明細書の多様な実施例において、第1、第2、第3などの用語を多様な構成要素を記述するために使用するが、これらの用語は単にある構成要素を他の構成要素と区別するために使用されるだけである。ここで説明して例示する実施例は、それの相補的な実施例も含む。
本明細書で使用する用語は実施例を説明するためのものであって、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は文中で特に言及しない限り複数形も含む。明細書で使用する「含む(comprises)」及び/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素は一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
図1は、本発明の一実施例による石油系高軟化点ピッチを製造する方法を説明するための順序図である。
図2は、本発明の一実施例による酸化熱処理装置を説明するための概略図である。
図4は、本発明の一実施例による石油系高軟化点ピッチを製造する方法を説明するための概略的な工程図である。
図1、図2、及び図4を参照すると、本発明の一実施例による石油系高軟化点ピッチの製造方法は、酸化反応器100を含む酸化熱処理装置1を利用して石油系残渣油に酸化熱処理工程を行うステップS1と、前記酸化熱処理された石油系残渣油に真空熱処理工程を行うステップS2と、を含む。
石油系残渣油は、軽質油に比べ炭化収率及び芳香族(aromatic)の割合が高い。それによって、石油系残渣油は炭素素材の原料として適切に使用される。石油系残渣油は工程条件によって化学的、物理的性質が異なり得る。石油系残渣油は反応性物質を含む。一例として、石油系残渣油内の反応性物質はインデン、インデン誘導体、スチレン、及びスチレン誘導体のうち少なくとも一つを含む。
一例として、石油系残渣油は、熱分解燃料油(PFO、Pyrolysis Fuel Oil)、ナフタ分解残渣油(NCB、Naphta Cracking Bottom Oil)、エチレン残渣油(EBO、Ethylene Bottom Oil)、FCC-DO(Fluid Catalytic Cracking-Decant Oil)、RFCC-DO(Residue Fluid Catalytic Cracking-Decant Oil)、Aromatic Extract(AE)、及び水素化処理をした石油系残渣油のうち少なくとも一つを含む。
酸化熱処理工程を行う前に、石油系残渣油に前処理工程を行うステップ、及び前処理工程が行われた石油系残渣油を酸化反応器に注入することを更に含む。前処理工程によって、石油系残渣油は高軟化点ピッチを製造するための原料として使用される。より詳しくは、前処理工程によって、石油系残渣油内の軽質の油分が除去される。一般に、高軟化点ピッチの製造に使用される原料の多様な物性によって高軟化点ピッチの物性は容易に変動される。本発明によると、前処理工程によって石油系残渣油内の軽質の油分が除去されることで、高軟化点ピッチの物性は比較的均一に維持される。それによって、後続の酸化熱処理工程または真空熱処理工程が容易に行われる。また、前処理工程によって、軽質の油分の中に含まれているインデン、インデン誘導体、スチレン、またはスチレン誘導体などの反応性物質が除去されることで、酸化熱処理反応で生成されるキノリン不溶分(Quinoline Insoluble、QI)の量が減少される。本明細書において、キノリン不溶分(QI)とはキノリン溶媒に対して溶解性がない固相粒子を意味する。一般に、石油系残渣油から高軟化点ピッチを製造する場合、製造工程でキノリン不溶分(QI)が生成される。本発明とは異なって、キノリン不溶分(QI)の含量が高い高軟化点ピッチを二次電池の負極材の原料として使用すると、二次電池の性能が低下する恐れがある。
熱処理装置1は、酸化反応器100、酸化性気体供給部110、不活性気体供給部120、気体供給部130、撹拌部140、電気ヒータ150、第1乃至第3流量測定部161、162、163、第1乃至第3流量調節弁171、172、173、循環ポンプ180、ヒーティングジャケット190、上部温度センサ200、中央温度センサ210、及び下部温度センサ220を含む。
酸化性気体供給部110は、気体供給部130に酸化性気体を供給する。一例として、酸化性気体は空気、酸素、及びオゾンのうち少なくとも一つを含む。一例として、酸化性気体は大気中の空気をそのまま使用してもよい。
不活性気体供給部120は、気体供給部130に不活性気体を供給する。一例として、不活性気体は窒素及びアルゴンのうち少なくとも一つを含む。
気体供給部130は、酸化性気体供給部110と酸化反応器100との間、及び不活性気体供給部120と酸化反応器100との間に配置される。酸化性気体または不活性気体は気体供給部130を介して酸化反応器100に注入される。一部の実施例において、酸化性気体が単独に酸化反応器100に注入される。他の実施例において、酸化性気体及び不活性気体が酸化反応器100に注入される。この場合、酸化性気体は不活性気体で希釈される。一例として、酸素を窒素で希釈して酸素の濃度を調節する。
酸化性気体の流量は、石油系残渣油1kgに対して0.01L/min乃至1L/minである。それに対し、石油系残渣油1kgに対して酸化性気体の流量が1L/minを超過すれば、気化された芳香族炭化水素と反応する酸素の濃度が増加し、酸化反応器100の内壁に形成されるキノリン不溶分(QI)の量が増加する。
酸化性気体供給部110と気体供給部130との間に第1流量測定部161が配置され、不活性気体供給部120と気体供給部130との間に第2流量測定部162が配置される。第1及び第2流量測定部161、162と気体供給部130との間に第1流量調節弁171が配置される。第1流量測定部161によって酸化性気体供給部110の流量が測定され、第2流量測定部162によって不活性気体供給部120の流量が測定される。第1流量調節弁171によって気体供給部130に注入される酸化性気体または不活性気体の流量が調節される。
酸化反応器100は、石油系残渣油に酸化熱処理工程が行われる反応器である。酸化反応器100を含む酸化熱処理装置1を利用して、石油系残渣油に酸化熱処理工程が行われる。酸化熱処理工程は、酸化熱処理工程の反応物である石油系残渣油及び酸化性気体を加熱することを含む。
一例として、酸化熱処理工程の反応物の温度は250℃乃至400℃である。本明細書において、酸化熱処理工程の反応物の温度とは酸化熱処理工程の反応物で詰められた部分の温度を意味し、一例として、下部温度センサ220によって測定される温度を意味する。それに対し、酸化熱処理工程の反応物の温度が250℃未満であれば、石油系残渣油の分子量が十分に増加されず、最終産物である高軟化点ピッチの収率が低下するという問題が発生する恐れがある。また、酸化熱処理工程の反応物の温度が400℃を超過すれば、酸化熱処理工程の反応物内のキノリン不溶分の含量が急激に増加し、コーキング(coking)現象が発生する恐れがある。
一例として、酸化熱処理工程を行う時間は1時間乃至20時間である。酸化熱処理工程を行う時間が1時間未満であれば、酸化反応が十分に行われない恐れがある。また、酸化熱処理工程を行う時間が20時間を超過すれば、過度な重合反応を引き起こして最終産物である高軟化点ピッチの物性が変質される恐れがある。特に、過度に酸化反応が行われれば、製造された高軟化点ピッチの酸素含量が高い可能性がある。それによって、後に二次電池の負極材の原料として使用する際、二次電池の性能が低下する恐れがある。また、石油系残渣油を高温条件または酸化反応条件で熱処理して、芳香族化合物との過度な重合反応が行われると、石油系残渣油が不溶性物質に転換する可能性がある。
一例として、酸化反応器100の高さ(L)と直径(D)の比(L/D)は0.5乃至2である。石油系残渣油に酸化熱処理反応を行う際、石油系油分が流出されながら酸化性気体に露出される。石油系残渣油と酸化性気体を混入して酸化熱処理工程を行う場合、高温で揮発された芳香族炭化水素が酸化性気体と反応してキノリン不溶分(QI)が酸化反応器100の内壁の上に吸着される。例えば、キノリン不溶分(QI)は、酸化熱処理工程の反応物の内部で生成される量より、酸化反応器100の内壁に吸着される量が多い可能性がある。
本発明によると、酸化反応器100の高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が0.5乃至2であることで、石油系高軟化点ピッチ内の不純物の量が減少されると共に、酸化熱処理反応が効率的に行われる。それに対し、酸化反応器100の高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が2を超過すれば、キノリン不溶分が形成される反応器内部の面積が増加して、結果的に石油系高軟化点ピッチ内の不純物の量が増加する恐れがある。また、酸化反応器100の高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が0.5未満であれば、酸化反応器100の直径(D)が増加することで温度勾配による反応器内部の熱電圧が難しくなり、それによって酸化反応の効率が低下する恐れがある。
上部温度センサ200、中央温度センサ210、及び下部温度220は酸化反応器100内に配置される。上部温度センサ200は酸化反応器100内の上部に配置される。下部温度センサ220は酸化反応器100内の下部に配置される。中央温度センサ210は上部温度センサ200と下部温度220との間に配置される。
中央温度センサ210は酸化反応器100内の中央部の温度を測定する。下部温度センサ220は酸化反応器100内の下部の温度を測定する。上部温度センサ200は酸化反応器100内の上部の温度を測定する。一例として、酸化反応器100内の上部の温度は250℃乃至370℃、または280℃乃至360℃に維持される。本明細書において、酸化反応器100内の上部とは、酸化熱処理工程の反応物が詰められていない部分を意味する。そのために、酸化反応器100の上部及び下部を独立に加熱する加熱部を更に含む。それに対し、酸化反応器100内の上部温度が370℃を超過すれば、揮発された芳香族炭化水素と酸化性気体によって起こる重合反応の速度が急激に速くなる。それによって、酸化反応器100内に吸着されるキノリン不溶分(QI)の量が急激に増加する恐れがある。
一般に、最終産物である高軟化点ピッチの軟化点を増加させるために、高圧条件下で使用可能で、高軟化点ピッチ内のキノリン不溶分(QI)の含量を減少させるために、酸化性気体とパーオキシド系化合物を混入する。しかし、高圧条件下で触媒を使用する場合、高価な高圧容器が必要なだけでなく、触媒を除去する別途の工程が必要なため、高軟化点ピッチを生産するコストが増加する恐れがある。また、酸化性気体にパーオキシド系化合物を更に混入する場合、パーオキシド系化合物の高い反応性によって製造工程中に爆発の恐れがあり、パーオキシド系化合物のコスト、危険物の管理コスト、及び廃水の処理コストが増加する恐れがある。それによって、大規模に高軟化点ピッチを製造するための経済性が低下する恐れがある。
本発明によると、酸化熱処理工程によって石油系残渣油の分子量が増加され、最終産物である高軟化点ピッチの収率が向上される。特に、酸化熱処理工程における高圧条件が求められず、触媒を使用しなくてもよいため、経済的で高品質の石油系高軟化点ピッチを製造することができる。また、本発明によると、酸化熱処理工程の行われる前、または酸化熱処理工程が行われる間に、酸化反応器100にパーオキシド系化合物を注入しない。パーオキシド系化合物を使用しないことで、製造工程が経済的になり、製造工程中の爆発の恐れが防止される。
酸化反応器100内に撹拌部140が配置される。撹拌部140によって酸化熱処理工程の反応物が円滑に混合される。
酸化反応器100の外側壁にヒーティングジャケット190が配置され、酸化反応器100の外側壁の一部を覆う。ヒーティングジャケット190は、酸化反応器100の断熱、絶縁、または保温機能を行う。
循環ポンプ180は酸化反応器100と連結される。一例として、循環ポンプ180は酸化反応器100の下部と連結される。循環ポンプ180によって酸化熱処理工程の反応物が電気ヒータ150に注入される。電気ヒータ150は循環ポンプ180と連結される。つまり、循環ポンプ180は酸化反応器100と電気ヒータ150との間に配置される。循環ポンプ180と電気ヒータ150との間に第3流量測定部163及び第2流量調節弁172が配置される。第3流量測定部163は循環ポンプ180に隣接して配置され、第2流量調節弁172は電気ヒータ150に隣接して配置される。第3流量測定部163は、電気ヒータ150に注入される酸化熱処理工程の反応物の流量を測定する。第2流量調節弁172は、電気ヒータ150に注入される酸化熱処理工程の反応物の流量を調節する。電気ヒータ150は酸化熱処理工程の反応物を加熱する。電気ヒータ150によって加熱された酸化熱処理工程の反応物は、酸化反応器100に更に注入される。一例として、電気ヒータ150によって加熱された酸化熱処理工程の反応物は酸化反応器100の上部に連結される。電気ヒータ150と酸化反応器100の上部との間に第3流量調節弁173が配置される。第3流量調節弁173によって、酸化反応器100の上部に注入される酸化熱処理工程の反応物の流量が調節される。
酸化熱処理された石油系残渣油は、酸化熱処理工程によって石油系ピッチが製造される。以下、本発明において、石油系ピッチとは酸化熱処理工程によって酸化熱処理された石油系残渣油を意味する。石油系ピッチに真空熱処理工程が行われる。真空熱処理工程は、石油系ピッチを減圧条件で加熱することを含む。真空熱処理工程は真空熱処理装置内で行われる。
本発明は真空熱処理工程によって石油系ピッチの重質油分(heavy oil)が除去され、軟化点が増加され、トルエン不溶分の含量が増加されてピッチの炭化収率が増加される。それに対し、本発明とは異なって、石油系ピッチに真空熱処理工程の代わりに常圧熱処理工程または加圧熱処理工程が行われれば、重質油分の除去が難しく、ピッチの軟化点が増加されない。
一例として、真空熱処理工程の圧力は1torr乃至300torr、1torr乃至200torr、または1torr乃至100torrである。一例として、真空熱処理工程の熱処理温度は300℃乃至430℃である。それに対し、真空熱処理工程の熱処理温度が300℃未満であれば、重質油分の除去が難しく、トルエン不溶分の生成が低下して、高品質の高軟化点ピッチを製造することが難しい。また、ピッチ中の重質油分が十分に除去されず、石油系ピッチの軟化点を増加させるのに限界がある。真空熱処理工程の熱処理温度が430℃を超過すれば、石油系ピッチのコーキング現象が発生してコークスが形成され、キノリン不溶分(QI)の含量が急激に増加する恐れがある。
一例として、真空熱処理工程を行う時間は1時間乃至20時間、または2時間乃至10時間である。真空熱処理工程を行う時間が1時間未満であれば、重質油分が十分に除去されず、高軟化点ピッチを製造することが難しい。また、熱重合反応の時間が不足してトルエン不溶分が十分に生成されず、炭化収率が低い低品質の高軟化点ピッチが製造されてしまう。真空熱処理工程を行う時間が20時間を超過すれば、重合反応が過度に行われてトルエン不溶分が過度に生成され、工程時間の増加のため工程の運転コスト及び製品の製造コストが増加する恐れがある。
真空熱処理工程は不活性気体またはスチームを混入することを更に含む。真空熱処理工程によって、真空熱処理装置から石油系ピッチの重質油分が効果的に除去される。一例として、不活性気体は窒素及びアルゴンのうち少なくとも一つを含む。
一例として、不活性気体またはスチームの流量は、石油系ピッチ1kgに対して0.01L/min乃至2.0L/minである。本発明とは異なって、真空熱処理工程を行う際に酸化性気体を注入する場合、高温における酸化反応によってキノリン不溶分が急激に形成される。よって、本発明によると、真空熱処理工程を行う際に不活性気体またはスチームを注入する。特に、不活性気体またはスチームを加熱して注入すれば、重質油分が更に効果的に除去される。
本発明による石油系高軟化点ピッチの製造方法は、真空熱処理工程の後、石油系ピッチに常圧熱処理工程が更に行われる。常圧熱処理工程によって、石油系高軟化点ピッチのトルエン不溶分の含量が増加される。一例として、常圧熱処理工程の熱処理温度は300℃乃至430℃である。それに対し、常圧熱処理工程の熱処理工程が300℃未満であれば、重質トルエン不溶分が生成されにくい恐れがある。また、常圧熱処理工程の熱処理温度が430℃を超過すれば、石油系ピッチのコーキング現象が発生してコークスが形成され、キノリン不溶分(QI)の含量が急激に増加する恐れがある。
一例として、常圧熱処理工程を行う時間は30分乃至20時間である。それに対し、常圧熱処理工程を行う時間が30分未満であれば、熱処理反応時間が短すぎてトルエン不溶分が十分に生成されない恐れがある。常圧熱処理工程を行う時間が20時間を超過すれば、運転時間の増加のため工程の運転コスト及び製品の製造コストが増加する恐れがある。
本発明による石油系高軟化点ピッチの製造方法で製造された石油系高軟化点ピッチは、一例として、軟化点が150℃乃至300℃である。一例として、石油系高軟化点ピッチのキノリン不溶分(QI)の含量は石油系高軟化点ピッチの総重量対比0.5重量%以下であり、0.001重量%乃至0.5重量%である。つまり、本発明によると、石油系高軟化点ピッチは高い軟化点を有すると共に、キノリン不溶分の含量が著しく減少される。
本発明によると、石油系残渣油を原料にして酸化熱処理工程及び真空熱処理工程によって石油系高軟化点ピッチを製造するが、石油系高軟化点ピッチは炭素材または黒鉛材の原料、炭素材または黒鉛材の前駆体物質として使用される。一例として、炭素材または黒鉛材は炭素繊維、活性炭、二次電池の負極材などを含む。
一般に、石油系高軟化点ピッチを二次電池の負極材の原料として使用すれば、キノリン不溶分によって二次電池の性能が低下する恐れがある。つまり、石油系高軟化点ピッチ内のキノリン不溶分、金属などの無機質不純物、または窒素、硫黄などの異種原子の含量が低いほど電池の容量が改善され、寿命特性及び出力特性が向上される。
本発明による石油系高軟化点ピッチの製造方法で製造された石油系高軟化点ピッチは、高い軟化点を有すると共にキノリン不溶分の含量が著しく低いため、石油系高軟化点ピッチを二次電池の負極材の原料に使用して製造された二次電池の性能が向上される。
一部の実施例において、石油系高軟化点ピッチは負極材(一例として、天然黒鉛負極材または人造黒鉛負極材)のバインダ物質またはコーディング物質として使用される。他の実施例において、石油系高軟化点ピッチに炭化工程を行って炭素系負極材物質として使用される。
また、本発明で製造された石油系高軟化点ピッチは、炭化工程及び黒鉛化工程によって炭素繊維の前駆体物質として使用される。本発明による石油系高軟化点ピッチを炭素繊維の前駆体物質として使用する場合、石油系高軟化点ピッチの高い軟化点と炭化収率、及び低いキノリン不溶分の含量のため、製造された炭素繊維の引張強度及び引張弾性率などの物性が向上される。
併せて、本発明で製造された石油系高軟化点ピッチは、炭化工程及び活性化工程によって活性炭素の前駆体物質として使用される。本発明による石油系高軟化点ピッチは、高い軟化点、炭化収率、機械的物性、及び低い不純物含量のため、製造された活性炭素は比表面積及び機械的強度が向上される。
実施例
実施例1
石油系残渣油として熱分解燃料油(PFO)を、酸化性気体として空気を使用した。熱分解燃料油(PFO)を高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が1.6の酸化反応器に注入した。熱分解燃料油(PFO)1kgに対して0.5L/minの流量で空気を注入し、酸化熱処理工程を行った。酸化熱処理工程の反応物の温度は370℃で、酸化反応器内の上部の温度は350℃である。酸化熱処理工程は4時間行った。
次に、80torrの圧力に減圧し、400℃で10時間真空熱処理工程を行って、石油系高軟化点ピッチを製造した。製造された石油系高軟化点ピッチの軟化点は251℃で、キノリン不溶分の含量は石油系高軟化点ピッチの総重量に対して0.08重量%で、Coking Valueは65重量%であった。
実施例2
石油系残渣油として熱分解燃料油(PFO)を、酸化性気体として空気を使用した。熱分解燃料油(PFO)を高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が1.6の酸化反応器に注入した。熱分解燃料油(PFO)1kgに対して0.2L/minの流量で空気を注入し、酸化熱処理工程を行った。酸化熱処理工程の反応物の温度は370℃で、酸化反応器内の上部の温度は350℃である。酸化熱処理工程は4時間行った。
次に、80torrの圧力に減圧し、400℃で10時間真空熱処理工程を行って、石油系高軟化点ピッチを製造した。製造された石油系高軟化点ピッチの軟化点は254℃で、キノリン不溶分の含量は石油系高軟化点ピッチの総重量に対して0.02重量%で、Coking Valueは64重量%であった。
実施例3
石油系残渣油として熱分解燃料油(PFO)を、酸化性気体として空気を使用した。熱分解燃料油(PFO)を高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が1.6の酸化反応器に注入した。熱分解燃料油(PFO)1kg対比0.5L/minの流量で空気を注入し、酸化熱処理工程を行った。酸化熱処理工程の反応物の温度は370℃で、酸化反応器内の上部の温度は360℃である。酸化熱処理工程は4時間行った。
次に、80torrの圧力に減圧し、400℃で10時間真空熱処理工程を行って、石油系高軟化点ピッチを製造した。製造された石油系高軟化点ピッチの軟化点は254℃で、キノリン不溶分の含量は石油系高軟化点ピッチの総重量に対して0.24重量%で、Coking Valueは68重量%であった。
比較例1
石油系残渣油として熱分解燃料油(PFO)を、酸化性気体として空気を使用した。熱分解燃料油(PFO)を高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が2.5の酸化反応器に注入した。熱分解燃料油(PFO)1kgに対して0.5L/minの流量で空気を注入し、酸化熱処理工程を行った。酸化熱処理工程の反応物の温度は370℃で、酸化反応器内の上部の温度は360℃である。酸化熱処理工程は4時間行った。
次に、80torrの圧力に減圧し、400℃で10時間真空熱処理工程を行って、石油系高軟化点ピッチを製造した。製造された石油系高軟化点ピッチの軟化点は245℃で、キノリン不溶分の含量は前記石油系高軟化点ピッチの総重量対比0.76重量%で、Coking Valueは66重量%であった。
比較例2
石油系残渣油として熱分解燃料油(PFO)を、酸化性気体として空気を使用した。熱分解燃料油(PFO)を高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が1.6の酸化反応器に注入した。熱分解燃料油(PFO)1kgに対して0.5L/minの流量で空気を注入し、酸化熱処理工程を行った。酸化熱処理工程の反応物の温度は380℃で、酸化反応器内の上部の温度は380℃である。酸化熱処理工程は4時間行った。
次に、80torrの圧力に減圧し、400℃で10時間真空熱処理工程を行って、石油系高軟化点ピッチを製造した。製造された石油系高軟化点ピッチの軟化点は244℃で、キノリン不溶分の含量は石油系高軟化点ピッチの総重量に対して1.06重量%で、Coking Valueは64重量%であった。
比較例3
石油系残渣油として熱分解燃料油(PFO)を、酸化性気体として空気を使用した。熱分解燃料油(PFO)を高さ(L)と直径(D)の比(L/D)が1.6の酸化反応器に注入した。熱分解燃料油(PFO)1kgに対して1.5L/minの流量で空気を注入し、酸化熱処理工程を行った。酸化熱処理工程の反応物の温度は370℃で、酸化反応器内の上部の温度は360℃である。酸化熱処理工程は4時間行った。
次に、80torrの圧力に減圧し、400℃で10時間真空熱処理工程を行って、石油系高軟化点ピッチを製造した。製造された石油系高軟化点ピッチの軟化点は248℃で、キノリン不溶分の含量は石油系高軟化点ピッチの総重量に対して0.93重量%で、Coking Valueは58重量%であった。
実施例1乃至実施例3、及び比較例1乃至比較例3の酸化熱処理工程における酸化反応器の高さ(L)と直径(D)の比(L/D)、酸化反応器内の上部温度、酸化性気体の流量、及び製造された石油系高軟化点ピッチの物性を下記表1に示す。
Figure 0007253031000001
表1を参照すると、実施例1乃至実施例3の石油系高軟化点ピッチは200℃以上の高い軟化点、0.5重量%以下のキノリン不溶分の含量、及び60%以上の高いCoking Valueを有することが分かる。
それに対し、比較例1は実施例1と同じ石油系残渣油を原料に使用したが、酸化反応器のL/Dが増加することで酸化反応器内部のキノリン不溶分の吸着量が増加し、その結果、石油系高軟化点ピッチの不純物の含量が高いことが分かる。
また、比較例2は実施例1と同じ石油系残渣油を原料に使用し、同じサイズの酸化反応器を使用したが、酸化反応器内の上部温度が高く芳香族炭化水素物質と酸化性気体との反応速度が増加することで、キノリン不溶分の生成量が増加し、その結果、石油系高軟化点ピッチの不純物の含量が高いことが分かる。
なお、比較例3は実施例1と同じ石油系残渣油を原料に使用し、同じサイズの酸化反応器を使用したが、酸化反応器内に注入される酸化性気体の流量が増加することで、芳香族炭化水素物質が揮発されて反応する酸素の量が増加して重合反応で生成されたキノリン不溶分の含量が増加し、その結果、石油系高軟化点ピッチの不純物の含量が高いことが分かる。
実験例
実験例1:前記実施例1によって製造された石油系高軟化点ピッチを使用した二次電池の製造
前記実施例1によって製造された石油系高軟化点ピッチを二次電池の負極材のコーティング物質として使用し、二次電池を製造した。
詳しくは、前記実施例1によって製造された石油系高軟化点ピッチ5gを、平均直径が15μmの球状の天然黒鉛95gに混合した。次に、機械的撹拌機を使用して天然黒鉛の表面に前記石油系高軟化点ピッチをコーティングした。コーティング完了後、1,100℃で1時間熱処理を行って、負極活物質を製造した。
前記実施例1によって製造された石油系高軟化点ピッチを使用して製造された負極活物質の形状写真を図3に示した。天然黒鉛に石油系高軟化点ピッチが均一にコーティングされていることが分かる。
前記実施例1によって製造された石油系高軟化点ピッチを使用して製造された負極活物質で、負極スラリー用組成物を製造した。詳しくは、負極活物質:カーボンブラック:カルボキシルメチルセルロース:スチレンブタジエン=91:5:2:2の重量比で負極活物質、カーボンブラック、カルボキシルメチルセルロース、及びスチレンブタジエンを水に混合して、負極スラリー用組成物を製造した。前記負極スラリー用組成物を銅集電体にコーティングし、110℃のオーブンで約1時間乾燥及び圧延して二次電池用負極を製造した。
次に、二次電池用負極、分離膜、電解液、リチウム電極の順に積層してコインセル(coin cell)状の二次電池を製造した。この際、電界液はエチレンカーボネート:ジメチルカーボネートの重量比が1:1で混合された溶媒であって、1.0M LiPFが添加された。
実験例2:前記比較例2によって製造された石油系高軟化点ピッチを使用した二次電池の製造
前記比較例2によって製造された石油系高軟化点ピッチを二次電池の負極材のコーティング物質として使用し、二次電池を製造した。
前記実施例1によって製造された石油系高軟化点ピッチを使用することの代わりに、前記比較例2によって製造された石油系高軟化点ピッチを使用しており、それを除いては、実験例1と実質的に同じ方法によって二次電池を製造した。
実験例3:二次電池の充放電容量及び初期効率の測定
前記実施例1及び前記比較例2によって製造された石油系高軟化点ピッチそれぞれを二次電池の負極材のコーティング物質として使用して製造した二次電池の性能を測定した。
詳しくは、製造された二次電池を利用して下記条件によって充放電容量及び初期効率を測定した。詳しくは、0.2Cの静電流で0.01Vまで充電し、0.01Vの静電圧で0.01Cまで充電した。次に、0.2Cの静電流で1.5Vまで放電した。これを1st サイクル、50th サイクル、100th サイクル繰り返し実施して、初期効率、各サイクルによる放電容量を測定し、それを表2に示した。
Figure 0007253031000002
表2を参照すると、前記比較例2によって製造された石油系高軟化点ピッチを天然黒鉛のコーディング物質として使用する場合、前記実施例1によって製造された石油系高軟化点ピッチを天然黒鉛のコーディング物質として使用する場合に比べ、放電容量が小さく、初期効率も低下することが分かる。これは、前記比較例2によって製造された石油系高軟化点ピッチは、前記実施例1によって製造されたピッチに比べキノリン不溶分の含量が高いためであると理解される。
添付した図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更せずに他の具体的な形態に実施され得るということを理解できるはずである。よって、上述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。
1 酸化熱処理装置
100 酸化反応器
110 酸化性気体供給部
120 不活性気体供給部
130 気体供給部
140 撹拌部
150 電気ヒータ
161 第1流量測定部
162 第2流量測定部
163 第3流量測定部
171 第1流量調節弁
172 第2流量調節弁
173 第3流量調節弁
180 循環ポンプ
190 ヒーティングジャケット
200 上部温度センサ
210 中央温度センサ
220 下部温度センサ

Claims (8)

  1. 酸化反応器を利用して熱分解燃料油(PFO、Pyrolysis Fuel Oil)に酸化熱処理工程を行うステップと、
    酸化熱処理された熱分解燃料油に真空熱処理工程を行うステップと、を含む石油系高軟化点ピッチの製造方法において、
    前記酸化反応器の高さと直径の比は0.5乃至2で、
    前記酸化熱処理工程を行うステップは、
    前記酸化反応器に酸化性気体を供給するステップ、
    前記酸化反応器内の上部に配置される上部温度センサを利用して前記上部の温度を調節するステップ、
    前記酸化反応器内の下部に配置される下部温度センサを利用して前記下部の温度を調節するステップ、
    加熱部を利用して前記酸化反応器の前記上部及び前記下部をそれぞれ独立的に加熱するステップ、
    前記酸化反応器内の前記上部の温度を前記酸化熱処理工程の前記下部の温度より低く維持するステップを含み、
    前記酸化性気体の流量は前記熱分解燃料油1kgに対して0.01L/min乃至1L/minであり、
    前記酸化反応器内の上部の温度は250℃乃至370℃に維持され、
    前記酸化反応器内の下部の温度は250℃乃至400℃であり、
    前記酸化熱処理工程の遂行時間は1時間乃至20時間であり、
    前記真空熱処理工程の圧力は1torr乃至300torrであり、
    前記真空熱処理工程の熱処理温度は300℃乃至430℃であり、
    前記真空熱処理工程を行う時間は1時間乃至20時間であり、
    前記石油系高軟化点ピッチのキノリン不溶分(QI)の含量は、前記石油系高軟化点ピッチの総重量に対して0.001重量%乃至0.5重量%である、ことを特徴とする石油系高軟化点ピッチの製造方法。
  2. 前記酸化性気体は空気、酸素、及びオゾンのうち少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項に記載の石油系高軟化点ピッチの製造方法。
  3. 前記酸化熱処理工程を行う前に、
    前記熱分解燃料油に前処理工程を行うステップと、
    前記前処理工程が行われた前記熱分解燃料油を前記酸化反応器に注入することと、を更に含み、
    前記前処理工程によって前記熱分解燃料油内の軽質の油分が除去される、ことを特徴とする請求項1に記載の石油系高軟化点ピッチの製造方法。
  4. 前記真空熱処理工程は不活性気体またはスチームを混入することを更に含み、
    前記不活性気体は窒素及びアルゴンのうち少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の石油系高軟化点ピッチの製造方法。
  5. 前記真空熱処理工程を行った後、前記熱分解燃料油に常圧熱処理工程を行うことを更に含み、
    前記常圧熱処理工程によって、前記石油系高軟化点ピッチのトルエン不溶分の含量が増加される、ことを特徴とする請求項1に記載の石油系高軟化点ピッチの製造方法。
  6. 前記常圧熱処理工程の熱処理温度は300℃乃至430℃であり、
    前記常圧熱処理工程を行う時間は30分乃至20時間である、ことを特徴とする請求項に記載の石油系高軟化点ピッチの製造方法。
  7. 前記石油系高軟化点ピッチの軟化点は150℃乃至300℃である、ことを特徴とする請求項1に記載の石油系高軟化点ピッチの製造方法。
  8. 前記酸化反応器にパーオキシド系化合物が注入されない、ことを特徴とする請求項1に記載の石油系高軟化点ピッチの製造方法。
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