JP2000251885A - 非水電解液二次電池用負極材料およびこれを用いる二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用負極材料およびこれを用いる二次電池

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JP2000251885A
JP2000251885A JP11046699A JP4669999A JP2000251885A JP 2000251885 A JP2000251885 A JP 2000251885A JP 11046699 A JP11046699 A JP 11046699A JP 4669999 A JP4669999 A JP 4669999A JP 2000251885 A JP2000251885 A JP 2000251885A
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negative electrode
electrode material
secondary battery
pitch
lithium
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Haruo Kikuta
治夫 菊田
Seiryu O
生龍 王
Kazuya Kuriyama
和哉 栗山
Shizukuni Yada
静邦 矢田
Hajime Kinoshita
肇 木下
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価な原料を用いて、大量のリチウムをドープ
することができかつ初期効率の高い非水電解液二次電池
用負極材料を得ることを主な目的とする。 【解決手段】(1)ピッチを主成分とする原料を熱反応に
供することにより得られ、(2)水素/炭素の原子比が0.3
5〜0.05であり、(3)BET法による比表面積が50m2/g以下
であることを特徴とする非水電解液二次電池用負極材
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水電解液を用いる二
次電池に関し、より詳細には、リチウム二次電池の性能
を著しく向上させることができる新規な非水電解液二次
電池用負極材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、良好な地球環境の保全、省資源な
どに適したエネルギーの有効利用の観点から、深夜電力
の貯蔵、太陽光発電による電力貯蔵などを行うための家
庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電シス
テムなどが注目を集めている。これら蓄電システムに用
いる二次電池としては、エネルギー容量が10Wh以下の携
帯機器用小型二次電池と比較して、大容量かつ大型のも
のが必要となる。例えば、携帯機器用小型二次電池の分
野では、小型かつ高容量のニーズに応えるべく、ニッケ
ル水素電池、リチウム二次電池などの新型電池の開発が
進んでおり、180Wh/l以上の体積エネルギー密度を有す
る電池が、市販されている。特にリチウムイオン電池
は、350Wh/lを超える高い体積エネルギー密度を発揮す
る可能性を有すること、安全性、サイクル特性などの信
頼性の点で、金属リチウムを負極に用いたリチウム二次
電池に比べて優れていることなどの理由により、その市
場は飛躍的に拡大している。
【0003】この様な技術的な成果を背景として、蓄電
システム用大型電池の分野においても、高エネルギー密
度電池として、リチウムイオン電池の実用化に向けての
研究開発が、リチウム電池電力貯蔵技術研究組合(LIBE
S)などにより精力的に進められている。
【0004】この様な大型リチウムイオン電池は、エネ
ルギー容量が100〜400Wh程度であり、携帯用小型リチウ
ムイオン電池の10〜100倍程度にも達するので、高エネ
ルギー密度の達成に加えて、安全性の確保および材料の
低コスト化に向けた各種材料の開発が活発に行われてい
る。
【0005】例えば、負極材料としては、種々の黒鉛系
材料、炭素系材料および多環芳香族系共役構造物質(一
般に、低温処理炭素材料あるいはポリアセン系材料と呼
ばれている)が開発されており、特に、原料を550〜1000
℃程度の比較的低温において熱処理することにより得ら
れる多環芳香族系共役構造物質は、グラファイトの理論
容量であるC6Li(372mAh/g)を超える材料として、特に注
目を浴びている。
【0006】すなわち、現在、種々の多環芳香族系共役
構造物質が開発されている。これら材料の原料として
は、フェノール樹脂、ポリパラフェニレン、ポリフェニ
レンスルフィド、メソカーボンマイクロビーズ、ピッチ
系繊維、コークスなどが用いられており、400mAh/gを超
える容量が得られている(“ポリマーバッテリーの最新
技術”、シーエムシー社発行(1998)、pp22-30)。
【0007】上述の多環芳香族系共役構造物質において
は、フェノール樹脂などの合成樹脂を出発原料とするも
のが、比較的高い容量を示している。例えば、Synth. M
et.,73(1995), pp273-277 が開示しているフェノール樹
脂を原料とするポリアセン系有機半導体では、1100mAh/
gのリチウムがドーピング可能であり、850mAh/gのリチ
ウムを脱ドープできる。また、150℃付近で起こる電解
液との反応による発熱ピークも小さく、安全性の高い材
料である。(第8回電池討論会予稿集(1997)、pp213-21
4)しかしながら、合成樹脂を出発原料とする場合に
は、その原料費が高いので、負極材料としての低コスト
化が困難であるという間題がある。
【0008】一方、ピッチあるいはコークスは、安価で
かつ大量に製造されているので、大型リチウム二次電池
用負極材料の原料として有望である。しかしながら、ピ
ッチあるいはコークスを原料とする多環芳香族系共役構
造物質は、容量および初期効率が未だ不十分であり、よ
り一層の高容量化と高効率化が望まれている。例えば、
8th International Meeting on Lithium Batteries Ext
end Abstracts(1996),pp174-175には、石油ピッチを原
料として、700℃で熱反応した多環芳香族系共役構造物
質が開示されているが、その容量は600mAh/gであり、効
率は60%以下と低い。
【0009】Electrochemica Acta, vol.38, No.9(199
3), pp1179-1191には、石油ピッチを550℃および900℃
で熱反応した多環芳香族系共役構造物質が開示されてい
るが、C6Li(372mAh/g)を超える容量は、得られていな
い。
【0010】特開平8-115723号公報記載の方法では、不
融化石油ピッチを原料として800℃で熱反応したH/C=0.1
2の多環芳香族系共役構造物質が得られているが、その
特性は、ドープ容量951mAh/g、脱ドープ量546mAh/g(放
電効率57.4%)であり、容量および効率のいずれもが低
い。
【0011】さらに、J. Electrochem. Soc., vol.142,
No.4(1995), pp1041-1046には、メソカーボンマイクロ
ビーズを700℃で熟反応した多環芳香族系共役構造物質
が開示されている。しかしながら、その容量は750mAh/g
に達しているものの、初期効率は62%と低い。また、メ
ソフェーズピッチ系炭素繊維前駆体を800〜1000℃で熱
処理する試みもなされているが、性能面だけでなく、コ
スト面からも高価なピッチ二次成形材料を原料とするこ
とは、実用的でない。
【0012】結論として、上述から明らかな様に、低コ
ストでありながら、高容量かつ高効率という特性を発揮
できるリチウム二次電池用負極材料は、未だ見出されて
いない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、安
価な原料を用いて、大量のリチウムをドープすることが
できかつ初期効率の高い非水電解液二次電池用負極材料
を得ることを主な目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に留意しつつ、研究を重ねた結果、ピッチを
原料として熱反応により製造された特定の構造を持つ材
料が、非水系電解液二次電池用の負極材料として優れた
効果を発揮することを見出した。すなわち、本発明は、
下記の非水系電解液二次電池用負極材料を提供する。 1.(1)ピッチを主成分とする原料を熱反応に供するこ
とにより得られ、(2)水素/炭素の原子比が0.35〜0.05
であり、(3)BET法による比表面積が50m2/g以下であるこ
とを特徴とする非水電解液二次電池用負極材料。 2.(1)ピッチを主成分とする原料を不融化処理を行う
ことなく熱反応に供することにより得られ、(2)水素/炭
素の原子比が0.35〜0.05であり、(3)BET法による比表面
積が50m2/g以下であることを特徴とする非水電解液二次
電池用負極材料。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による非水電解液二次電池
用負極材料(以下、「本発明負極材料」ということがあ
る)は、ピッチを熱反応に供することにより得られる多
環芳香族系共役構造物質である。
【0016】本発明負極材料の原料となるピッチは、目
的の物性を有する負極材料を得ることができる限り、特
に限定されるものではないが、大別して石油系ピッチと
石炭系ピッチに分けられる。石油系ピッチとしては、原
油の蒸留残査、流動性接触分解残査(デカントオイルな
ど)、サーマルクラッカーからのボトム油、ナフサクラ
ッキングの際に得られるエチレンタールなどを原料と
し、これら原料を熱処理により重縮合させてピッチ化し
たものが挙げられる。また、石炭系ピッチとしては、石
炭の乾留時に得られる油分であるコールタールを蒸留し
て、軽質分を流出させた残査であるストレートピッチあ
るいはこれにアントラセン油、タールなどを添加し、圧
力下に重縮合させたものが挙げられる。さらに、これら
ピッチを原料として合成されるメソフェーズピッチも、
本発明負極材料の製造原料として挙げることができる。
【0017】これらのピッチは、現在安価でかつ大量に
生産されており、主に製鉄用コークスバインダー、電極
用含浸材、コークス用原料、炭素繊維用原料、成形炭素
材科用バインダーなどの用途に用いられている。
【0018】本発明負極材料は、(1)上記の様なピッチ
を熱反応させて得られ、(2)水素/炭素の原子比が0.35〜
0.05の範囲にあり、(3)BET法による比表面積が50m2/g以
下であることを必須の要件とする。
【0019】ピッチの熱反応は、窒素、アルゴンなどの
不活性雰囲気中(真空を含む)で行う。反応温度は、原料
の種類/性状および温度以外の諸条件(昇温速度、反応
時間、反応雰囲気など)をも考慮して、水素/炭素の原
子比とBET法による比表面積が上記の範囲となる様に適
宜選択すれば良く、通常550〜750℃程度、より好ましく
は600〜700℃程度である。本発明負極材料の特性を決定
する主な条件は、熱反応温度であり、その他の条件は、
副次的な条件であるといえる。従って、これら副次的な
条件は、特に限定されるものではないが、昇温速度10〜
1000℃/h程度、より好ましくは50〜500℃/h程度、反応
時間(ピーク温度保持時間)1分〜20時間程度、より好ま
しくは30分〜10時間程度とすればよい。圧力は常圧でよ
いが、減圧あるいは加圧状態で行うことも可能である。
【0020】かくして得られる本発明負極材料は、水素
/炭素の原子比(以下「H/C」とする)が通常0.35〜0.05程
度、より好ましくは0.30〜0.10程度、さらに好ましくは
0.30〜0.15程度である。H/Cが上限値を上回る場合に
は、多環芳香族系共役構造が十分に発達していないの
で、容量および効率が低くなるのに対し、下限値を下回
る場合には、炭素化が過度に進行して、充分な容量が得
られない。
【0021】本発明負極材料には、炭素および水素以外
の元素(酸素、硫黄、窒素など)が含まれやすい。炭素材
料の特性を阻害しないためには、これら元素の合計重量
が20%以下、より好ましくは10%以下となる様に、原料
および反応条件を選定することが望ましい。例えば、こ
れらの不要元素含有量の少ない原料を使用したり、ある
いは熱反応中にこれらの不要元素が放出されやすい条件
を選択する。
【0022】本発明負極材料のBET法による比表面積
は、50m2/g以下であることを必須とし、さらには30m2/g
以下かつ0.1m2/g以上であることがより好ましい。比表
面積が大きすぎる場合には、リチウムのドープおよび脱
ドープの初期効率が低下するのに対し、小さすぎる場合
には、リチウムのドープがスムーズに行われ難くなる。
ちなみに、従来報告されている多環芳香族系共役構造物
質は、一般に比表面積が炭素系材料および黒鉛系材料に
比して高く、50m2/gを上回るものが多い。この高い比表
面積を低下させて効率を高めるために、再度表面処理を
行う技術も開発されているが、この場合には、製造コス
トが高くなる。
【0023】負極材料の比表面積は、一般に原料の熱反
応温度を上昇させると低下し、リチウムのドーブおよび
脱ドープの初期効率は高くなるが、その反面、容量は、
比表面積の低下に伴って、急激に滅少する。本発明負極
材料は、原料を1回の熱反応に供することにより、上述
のH/Cの範囲内において比表面積を50m2/g以下とするこ
とに特徴を有する。
【0024】この様な特定のH/C値と低い比表面積値と
を同時に充足する負極材料は、ピッチ原料の熱反応条件
(反応時間、昇温速度、雰囲気、圧力、反応時に生成す
るガス成分の反応系外への除去速度など)を制御するこ
とにより、製造することができる。特に、ピッチ原料を
選択することにより、反応操作を更に簡便に行うことが
できる。すなわち、一般にピッチを原料として炭素材料
を製造する際には、ピッチを100〜400℃程度の温度で空
気中で加熱するか、あるいは硝酸、硫酸などの酸化性液
体で処理するなどの操作を行うことにより、ピッチ原料
全体あるいはその表面を不融化処理(架橋処埋)した
後、不活性雰囲気中で熱処理している。本発明負極材料
を製造するために用いる原料ピッチは、生成物が上記の
特定H/C値と低い比表面積値とを同時に充足する様に、
不融化処理あるいは表面酸化をしていない状態で、その
まま熱反応に供することが望ましい。
【0025】本発明負極材料の製造原料として使用する
ピッチの軟化点は、好ましくは70〜400℃程度、さらに
は好ましくは100〜350℃程度、特に好ましくは150〜300
℃程度である。ピッチの軟化点が低すぎる場合には、後
述する熱反応生成物の収量が低下するのに対し、上限値
を超える場合には、熱反応生成物の比表面積が増大しや
すい。
【0026】負極材料の製造は、原料ピッチを不活性雰
囲気下550〜750℃程度の温度で熱反応することにより、
行う。この熱反応による収率は、原料ピッチの種類など
により異なるが、60%以上であることが望ましい。この
負極材料の製造に際しては、原料ピッチの50重量%を超
えない範囲で、より好ましくは30重量%を超えない範囲
で、例えばフェノール樹脂などの合成樹脂、黒鉛などの
導電材などを混合し、熱反応することも、可能である。
本明細書において、「ピッチを主成分とする原料」と
は、ピッチ単独からなる原料のみならず、この様な混合
物含有ピッチをも意味する。熱反応により得られる生成
物は、結晶構造的には不定形である。
【0027】負極材料として使用する場合には、所定の
粒径となるまで、常法に従って、熱処理反応生成物をボ
ールミル、ジェットミルなどの粉砕器で粉砕し、さらに
必要ならば、分級する。粉砕物の平均粒径は、目的とす
る電池の形状、特性、電極の厚み、密度などを考慮して
決定されるが、通常30μm以下であり、より好ましくは2
0〜1μm程度である。粒径が小さすぎる場合には、電極
作製時の成形性が低下するおそれがある。
【0028】本発明で使用する負極材料は、1000mAh/g
以上のリチウムをドープ可能であり、かつその内の65%
以上のリチウムが脱ドープ可能である。
【0029】なお、本発明負極材料の容量(リチウムの
ドープ量、脱ドープ量)は、負極材料を用いた電極を作
用極とし、対極と参照極としてリチウム金属を用いた電
気化学セルを組み立て、後述の非水系電解液中におい
て、リチウム金属電位に対し1mVの電位で定電圧を印加
し、電流値が充分に小さく(例えば0.01mA/cm2)なるまで
リチウムをドープした後、充分に遅い速度(例えぱ0.25m
A/cm2)でリチウム金属電位に対し、2Vまで脱ドープする
ことにより、測定される。
【0030】本発明による負極材料に関して、その使用
対象としての非水電解液二次電池は、特に限定されるも
のではない。例えば、本発明の負極材料を用いた負極、
公知の正極および公知の非水系電解液と組み合わせて、
リチウム二次電池を製造することができる。高電圧と高
容量のリチウム二次電池を得るために、正極としてはLi
CoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2などのリチウム複合酸
化物を用いることが好ましい。また、負極中の本発明負
極材料中にあらかじめリチウムをドープした状態で、電
池を組み立てることも可能であり、さらに負極上にリチ
ウム金属を張り合わせるなどの方法により、電池組立後
に本発明負極材料にリチウムをドープすることも可能で
ある。
【0031】非水系電解液としては、公知のリチウム塩
を含む非水系電解液が用いられる。電解液の種類は、正
極材料の種類、負極材料の性状、充電電圧などの使用条
件などに応じて、適宜決定される。電解液としては、例
えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4などのリチウム塩をプロピ
レンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカー
ボネート、ジメトキシエタン、γ-ブチロラクトン、酢
酸メチル、蟻酸メチルなどの1種または2種以上からな
る有機溶媒に溶解したものが、好ましい。
【0032】
【実施例】以下に、実施例および比較例を示し、本発明
の特徴とするところをさらに明確にする。 実施例1 石炭系等方性ピッチ(大阪ガス株式会社製、軟化点280
℃)をコーヒーミルで粉砕し、粒度1mm以下のピッチ原料
を得た。このピッチ粉末60gを黒鉛製の皿に入れ、この
皿を小型円筒炉(炉心管内径100mm)内に配置して、熱反
応に供した。熱反応は、窒素雰囲気下で行い、窒素流量
は0.5リットル/分とした。熱反応は、100℃/時間の速度
で、炉心管内温が室温から634℃となるまで昇温し、同
温度で4時間保持した後、自然冷却により、60℃まで冷
却し、皿を炉から取り出した。得られた生成物は、原料
の形状を留めておらず、不定形な不溶不融性固体であっ
た。収量は43.8gであり、収率は73%であった。
【0033】得られた材料を遊星型ボールミルを用いて
平均粒度7μmまで粉砕し、負極材料を得た。得られた負
極材料について、元素分析(測定使用機:パーキンエル
マー製元素分析装置「PE2400 シリーズII、CHNS/
O)、およびBET法による比表面積(測定使用機:ユアサ
アイオニクス杜製「NOVA1200」)の測定を行った。結果
を表1に示す。
【0034】次いで、上記の負極材料粉末90重量部およ
びPVdF10重量部をNMP120重量部と混合し、負極合材スラ
リーを得た。このスラリーを厚さ14μmの銅箔の片面に
塗布し、乾燥した後、プレス加工して厚さ65μmの電極
を得た。
【0035】上記で得られた電極を作用極とし、金属リ
チウムを対極と参照極とに用い、電解液としてエチレン
カーボネートとジエチルカーボネートとを1:1(重量比)
で混合した溶媒に1mol/lの濃度にLiPF6を溶解した溶液
を用いて、電気化学セルをアルゴンドライボックス中で
作成した。リチウムのドーピングは、リチウム電位に対
して1mVになるまで0.25mA/cm2の速度で行い、さらにリ
チウム電位に対して1mVの定電圧を20時間印加して、ド
ーピングを終了した。次いで、0.25mA/cm2の速度でリチ
ウム電位に対して2Vまで脱ドーピングを行った。結果を
表1に示す。 実施例2 ピッチ原料の熱反応温度を668℃とする以外は実施例1
と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固体を得た。収
量は42.6gであり、収率は71%であった。
【0036】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。 実施例3 ピッチ原料の熱反応温度を694℃とする以外は実施例1
と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固体を得た。収
量は43.8gであり、収率は73%であった。
【0037】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表lに
示す。 実施例4 ピッチ原料の熱反応温度を620℃とする以外は実施例l
と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固体を得た。収
量は44.4gであり、収率は74%であった。
【0038】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。 実施例5 ピッチ原料の熱反応温度を603℃とする以外は実施例1
と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固体を得た。収
量は45gであり、収率は75%であった。
【0039】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。 比較例1 ピッチ原料の熱反応温度を350℃とする以外は実施例1
と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固体を得た。収
量は42gであり、収率は70%であった。
【0040】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。 比較例2 ピッチ原料に代えて、150℃で硬化したレゾール型フェ
ノール樹脂粉末を用いる以外は実施例1と同様にして熱
反応を行い、不溶不融性固体を得た。収量は34gであ
り、収率は57%であった。
【0041】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。 比較例3 ピッチ原料に代えて、ノボラック型フェノール樹脂粉末
(硬化剤なし、一般にノンヘキサと呼ぱれる)を用いる以
外は実施例1と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固
体を得た。収量は23gであり、収率は38%であった。
【0042】次いで、実施例lと同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。 比較例4 ピッチ原料の熱反応温度を550℃とする以外は実施例1
と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固体を得た。収
量は47.4gであり、収率は79%であった。
【0043】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。 比較例5 ピッチ原料の熱反応温度を800℃とする以外は実施例1
と同様にして熱反応を行い、不溶不融性固体を得た。収
量は42gであり、収率は65%であった。
【0044】次いで、実施例1と同様にして電極を作製
し、リチウムのドーピング量および脱ドーピング量を測
定した。負極材料の諸物性と併せて、その結果を表1に
示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、原料として入手容易な
ピッチを用いた、特定の構造を有する負極材料が得られ
る。この材料は、安価で、かつ大量のリチウムをドープ
することが可能であるので、これを使用する非水系電解
液二次電池の高容量化、高効率化、低コスト化に貢献で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗山 和哉 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 株式会社関西新技術研究所内 (72)発明者 矢田 静邦 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 株式会社関西新技術研究所内 (72)発明者 木下 肇 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 株式会社関西新技術研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA07 AA08 BA01 BA04 BA07 BB01 BD01 BD02 BD03 BD05 5H029 AJ14 AK03 AL06 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ02 CJ15 CJ28 DJ16 EJ04 HJ02 HJ05 HJ07 HJ14 HJ19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)ピッチを主成分とする原料を熱反応に
    供することにより得られ、(2)水素/炭素の原子比が0.3
    5〜0.05であり、(3)BET法による比表面積が50m2/g以下
    であることを特徴とする非水電解液二次電池用負極材
    料。
  2. 【請求項2】(1)ピッチを主成分とする原料を不融化処
    理を行うことなく熱反応に供することにより得られ、
    (2)水素/炭素の原子比が0.35〜0.05であり、(3)BET法に
    よる比表面積が50m2/g以下であることを特徴とする非水
    電解液二次電池用負極材料。
  3. 【請求項3】ピッチを主成分とする原料の熱反応を不活
    性雰囲気下で行い、かつ熱反応温度を550〜750℃の範囲
    内とする請求項1または2に記載の非水電解液二次電池
    用負極材料。
  4. 【請求項4】水素/炭素の原子比が、0.30〜0.10である
    請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液二次電池用
    負極材料。
  5. 【請求項5】リチウムを1000mAh/g以上ドープすること
    が可能であり、かつドープしたリチウムの65%以上が脱
    ドープ可能である請求項1〜4のいずれかに記載の非水
    電解液二次電池用負極材料。
  6. 【請求項6】軟化点70〜400℃のピッチを原料とするこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水電
    解液二次電池用負極材料。
  7. 【請求項7】熱反応後に粉砕して得られる粒子の平均粒
    径が30μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載の
    非水電解液二次電池用負極材料。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載された非水
    電解液二次電池用負極材料を用いる非水電解液二次電
    池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2003022803A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Kansai Research Institute 非水系二次電池
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