JPH06275270A - 高容量非水系二次電池 - Google Patents

高容量非水系二次電池

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JPH06275270A
JPH06275270A JP5083874A JP8387493A JPH06275270A JP H06275270 A JPH06275270 A JP H06275270A JP 5083874 A JP5083874 A JP 5083874A JP 8387493 A JP8387493 A JP 8387493A JP H06275270 A JPH06275270 A JP H06275270A
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JP
Japan
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carbonaceous material
secondary battery
weight
negative electrode
discharge
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Application number
JP5083874A
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English (en)
Inventor
Isao Kuribayashi
功 栗林
Miyoshi Yokoyama
美佳 横山
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A&T Battery Corp
Original Assignee
A&T Battery Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 真密度ρ(g/cm3 )=2.15以
上、炭素網面の積層厚みLc(Å)=69以上の炭素質
に、フェノール樹脂を攪拌混合下に縮合・硬化し、被覆
した後に炭素化した複合炭素質を負極として用いた高容
量非水系二次電池。 真密度ρ(g/cm3 )=2.18以上、炭素網面
の積層厚みLc(Å)=73以上、炭素網面の面間隔d
002 (nm)が0.337未満の炭素質に、フェノール
樹脂を攪拌混合下に縮合・硬化し、被覆した後に炭素化
した複合炭素質を負極として用いたこと。 【効果】 充放電サイクルによる容量保持率が高く、か
つ放電末期(3.0V付近)に残量表示が可能な放電電
圧の傾斜を有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水系二次電池に関す
る。更に詳しくは、本発明は、高容量非水系二次電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】二次電池としては、従来、鉛蓄電池、ニ
ッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等がある
が、近年、移動体通信機、ラップトップ型パソコン、ノ
ートブック型パソコン、パームトップ型パソコン、一体
型ビデオカメラ、ポータブルCDプレーヤー、MDプレ
ーヤー、DCCプレーヤー、ポータブルワープロ、ヘッ
ドフォンステレオ、コードレス電話、セルラー電話等の
電子機器の小型化、軽量化を図る上で、これらの電子機
器の電源としての二次電池の高容量化が要望されてい
る。
【0003】リチウムイオンをドープ・脱ドープできる
炭素質材料を用いた非水系二次電池(例えば、特公平4
−24831号公報等)が、負極にリチウム金属又はそ
の合金を使用したリチウム二次電池に比して、安全性の
点で格段に優れており、高エネルギー密度を得られるこ
とから注目されている。
【0004】上記非水系二次電池は、電圧1.2Vの二
次電池としてのニッケル−カドミウム電池、ニッケル−
水素吸蔵合金電池、電圧2.0Vの鉛蓄電池に比して、
軽量かつ高容量である点と平均電圧が3.5〜3.6V
と高い点と、放電電圧が傾斜しており、残量表示が可能
である利点もある。しかしながら、電子機器の小型化、
軽量化が一層進展し、電子機器の駆動電圧が通常の5.
5Vから3.3〜3.0Vとなりつつあり、単電池当た
り、カットオフ電圧3.0Vないし2.7Vまでの放電
容量を更に高めることが市場から要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非水
系二次電池の放電時のカットオフ電圧3.0V付近まで
の放電容量を高めることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について種々検討した結果、負極材として特定の結晶構
造を持つ炭素質をフェノール樹脂で被覆・炭素化した複
合炭素質を用いることにより、充放電サイクルによる容
量保持率が高く、かつ放電末期(3.0V付近)に残量
表示が可能な放電電圧の傾斜を有した高容量非水系二次
電池を提供することが出来ることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は: リチウム複合金属酸化物を活物質とする正極と炭素
質材料を活物質とする負極とを備えた非水系二次電池に
おいて、真密度ρ(g/cm3 )の値が2.15以上、
かつ炭素網面の積層厚みLc(Å)が69以上の炭素質
に、フェノール樹脂を攪拌混合下に縮合・硬化し、被覆
した後に炭素化した複合炭素質である高容量非水系二次
電池を提供する。さらに、
【0008】 リチウム複合金属酸化物を活物質とす
る正極と炭素質材料を活物質とする負極とを備えた非水
系二次電池において、真密度ρ(g/cm3 )の値が
2.18以上、炭素網面の積層厚みLc(Å)が73以
上かつ炭素網面の面間隔d002(nm)が0.337未
満の炭素質に、フェノール樹脂を攪拌混合下に縮合・硬
化し、被覆した後に炭素化した複合炭素質である高容量
非水系二次電池をも提供する。また、 前記又は記載の炭素質(A)90〜10重量部
と真密度ρ(g/cm3 )の値が1.80<ρ<2.1
8かつ炭素網面の積層厚みLc(Å)が15<Lcかつ
120ρ−227<Lc<120ρ−189の条件を満
たし、BET比表面積A(m2 /g)が0.1<A<1
00の範囲にある炭素質(B)10〜90重量部を活物
質とする負極からなる点にも特徴を有する。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の高容量非水系二次電池の正極の活物質としては、リチ
ウムイオンを脱ドープしかつドープし得るもので、リチ
ウムを参照電極(0V)とした電位が3.5V以上のも
のであればよい。例えば、リチウムコバルト酸化物: LiX CoY Z 2 (ただし、MはAl、In、Snの中から選ばれた少な
くとも1種の金属を表し、X、Y、Zは各々0<X≦
1.1、0.5<Y≦1、Z≦0.1の数を表す。 LiX CoO2 (0<X≦1)、 LiX CoY NiZ 2 (0<X≦1、Y+Z=1)
【0010】リチウムニッケル酸化物、例えば LiX NiO2 (0<X≦1)、 リチウムマンガン酸化物、例えば LiX MnO2 、LiX Mn2 4 (0<X≦1)、 LiCoX Mn2-x 4 (0<X≦0.5)等がある。 好ましくはリチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン
酸化物、更に好ましくはリチウムコバルト酸化物であ
る。
【0011】本発明の負極の活物質としては、リチウム
イオンをドープしかつドープし得る炭素質材料であり、
真密度ρ(g/cm3 )の値が2.15以上、かつ炭素
網面の積層厚みLc(Å)が、69以上である複合炭素
質からなる。すなわち、コアーとする炭素質に、真密度
ρ(g/cm3 )の値が2.15以上かつ炭素網面の積
層厚みLc(Å)が69以上の条件(I)を満たし、好
ましくはρが2.18以上、炭素網面の積層厚みLc
(Å)が73以上、かつ炭素網面の面間隔d002 (n
m)が0.337未満の条件(II)を満たす粒子にフ
ェノール樹脂となる原材料を加えて、攪拌混合下に縮合
・脱水・硬化し、フェノール樹脂を被覆した複合粒子と
した後に、炭素化してシェルとする炭素質を形成する複
合炭素質である。
【0012】本発明に用いる非水系電解質溶液には、電
解質としては、例えばLiClO4、LiAsF6 、L
iPF6 、LiBF4 、CH3 SO3 Li、CF3 SO
3 Li、(CF3 SO2 2 NLi等のリチウム塩のい
ずれか1種又は2種以上を混合したものが使用できる。
【0013】また、前記電解溶液の溶媒としては、例え
ばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジ
メチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブ
チロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、スルホラン、メ
チルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、リ
ン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリエチル
ヘキシル、リン酸トリラウリル等のいずれか1種又は2
種以上を混合したものが使用できる。
【0014】電解質に、例えばLiClO4 あるいはL
iBF4 とプロピレンカーボネートを含む混合溶媒を用
い、負極の活物質として真密度ρ(g/cm3 )が2.
15以上、かつ炭素網面の積層厚みLc(Å)が69以
上である炭素質(A)、または真密度ρ(g/cm3
が2.18以上かつ炭素網面の積層厚みLc(Å)が7
3以上かつ炭素網面の面間隔d002 (nm)が0.33
7未満である炭素質(B)のいずれかを前記の正極の活
物質と組合せて、電池として充放電を試みても、充放電
は出来るが電流効率が極めて低いか、プロピレンカーボ
ネートが分解しつづけ、充放電が難しく実用にはならな
い。
【0015】しかるに、本発明において、これらの炭素
質(A)又は炭素質(B)にフェノール樹脂を被覆した
後炭素化した複合炭素質にすると、電流効率が99%〜
100%に充放電を5サイクル程度繰り返すと到達す
る。しかも、炭素質材料としての利用率も高く、極めて
実用的になる。
【0016】本発明のフェノール樹脂とは、その原材料
としてフェノール類とホルムアルデヒド類と必要に応じ
て添加される触媒のアミン類又は酸類を縮合・脱水して
得られる、レゾール型、ノボラック型等原料、中間体の
形成には何ら制限はない。配合モル比は特に制限されな
いが、フェノール類1に対して1〜3.5好ましくは
1.1〜2の範囲である。
【0017】フェノール類とは、フェノール及びフェノ
ールの誘導体及びその部分縮合物である。例えばフェノ
ール、クレゾール、レゾルシノール、キシレノール、p
−tertブチルフェノール、p−フェニルフェノー
ル、o−フェニルフェノール、P−クミルフェノール、
p−ノニルフェノールビスフェノールA、ジヒドロキシ
ジフェニルメタン、クロルフェノール、ブロムフェノー
ル等の一種または二種以上のものを混合して用いてよ
い。
【0018】ホルムアルデヒド類としては、ホルマリ
ン、パラホルムアルデヒド、メチラール、その一部にフ
ルフラールやフルフリルアルコールを用いてもよい。ま
た、縮合触媒としてヘキサメチレンテトラミン、アンモ
ニア、エチルアミン、ジエチルアミン、モノエタールア
ミン、ジエタノールアミン等のアミン類、蓚酸、蟻酸等
の酸類等を必要に応じて用いてもよい。
【0019】本発明に使用する炭素質(A)は、その製
法が限定されるものではないが、例えば、ピッチ系炭素
質材料、有機高分子等の熱処理物であり、通常1600
℃以上、好ましくは1800〜2800℃程度で少なく
とも1時間以上保持して熱処理する。炭素質の形状は、
燐片状、粉砕等で得られる不定多角体形状、球形状のい
ずれか、及び2種以上の混合物であっても良い。
【0020】また、本発明で使用する炭素質(B)は、
その製法が限定されるものではないが、例えば、ピッチ
系炭素質材料、有機高分子等の熱処理物であり、通常2
400℃以上、好ましくは2600〜3000℃程度で
少なくとも1時間以上保持して熱処理する。炭素質の形
状は、燐片状、粉砕等で得られる不定多角体形状、球形
状のいずれか、及び2種以上の混合物であっても良い。
天然産のグラファイトであってもよい。
【0021】いずれかの前記炭素質〔(A),(B)〕
の粉末(燐片状、不定多角体形状、球形状)の平均粒子
径3〜20μm、好ましくは5〜10μmのものを攪拌
混合可能な反応容器、例えばニーダー等に投入し、フェ
ノール樹脂の原材料又は中間体を加えて、攪拌混合しな
がら縮合する。
【0022】ここでいう攪拌混合可能な反応容器とは、
縮合・脱水の過程で粘稠な状態からのしもち状に至って
も、更に攪拌混合を続行して、粉末状態を達成し得るも
のであれば良く、特に限定されるものではない。フェノ
ール樹脂は、液体の状態から縮合開始するのがより好ま
しく、常温から漸次昇温し、150〜180℃で縮合・
脱水・硬化を完了する。
【0023】前記炭素質〔(A),(B)〕100重量
部に対して硬化完了のフェノール樹脂として7〜50重
量部、好ましくは20〜30重量部である。7重量部未
満では、プロピレンカーボネート等の溶媒の場合、充放
電の電流効率が低く好ましくない。また50重量部を越
えると、粉末状態を維持するのが困難となるとともに、
炭素化後の複合炭素質の粒子径が肥大化し過ぎて電極を
形成が難しくなり、また負極の利用率も低下し、本発明
の目的である高容量化を達成できにくい。
【0024】このようにして縮合・脱水・硬化し、フェ
ノール樹脂を被覆した粉末を必要あれば分級し、更に窒
素、アルゴン、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気下、
あるいは、真空下に漸次昇温し、最終的に1200〜1
500℃までに加熱し、炭素化を完了し、常温まで冷却
する。
【0025】フェノール樹脂の炭素質への転換は、重量
基準で、フェノール樹脂の40〜60%;好ましくは5
0〜55%を炭素質として残存するようにする。または
1200〜1500℃、好ましくは1300〜1400
℃に加熱保持するのを2時間以上とする。
【0026】該複合炭素質の粒子は、平均粒子径4〜4
0μm、好ましくは6〜20μmとする。4μm未満で
は電流効率が低下し、40μmを越えると電極の形成が
難しくなる。BET法による比表面積(窒素ガスによる
単層吸着比表面積)は5〜100m2 /g、通常は10
〜70m2 /gであり、真密度ρ(g/cm3 )は前記
炭素質(A)、(B)に依存するが、炭素質(A)から
の複合炭素質では2.00〜2.18、炭素質(B)か
らの複合炭素質では、2.05〜2.24である。
【0027】本発明の非水系電池を構成するに当たり、
活物質粒子をバインダーを用いて集電体に接合し、セパ
レーターを介して或いは、Liイオン伝導性の固体電解
質を介して正、負の電極とする。集電体、バインダー、
セパレーター、固体電解質は特に限定されるものではな
いが、正極の集電体には、アルミニウム、ニッケル、ス
テンレススチールの金属箔、網状体、金属多孔体等の5
0μm〜1μmの厚みのものが用いられる。負極の集電
体には、銅、ニッケル、ステンレススチールの金属箔、
網状体、金属多孔体等の50μm〜1μmの厚みのもの
が用いられる。
【0028】集電体と活物質との接合に用いるバインダ
としてはとくに制限されないが、例えばポリテトラフル
オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸(塩)、ポリブタジエン、スチレン−ブタ
ジエンゴム、ニトリルゴム、ポリアクリロニトリル等の
有機重合体を用いるのが好ましい。
【0029】本発明に用いるセパレータとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンの微多孔
膜の1種の単独膜或いはそれらの1種又は2種以上の貼
り合わせ膜を使用できる。また、ポリオレフィン、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース等の不
織布も単独で或いは上記多孔膜と組み合わせて使用でき
る。
【0030】また、特公平4−24831号公報に開示
される炭素質材料、すなわち真密度ρ(g/cm3 )の
値が1.80以上、かつ炭素網面の積層厚みLc(Å)
が15<Lcかつ10<Lc<120ρ−189の条件
を満たし、BET法比表面積A(m2 /g)が0.1<
A<100の範囲にある炭素質材料の粒子を10〜90
重量部を本発明の複合炭素質の粒子90〜10重量部と
混合した後、負極を形成することが出来る。
【0031】複合炭素質が90重量部を越えると放電電
圧が平坦になりすぎ、残量表示が難しくなる。また10
重量部未満では、高容量化のための顕著な添加効果が見
られない。好ましくは、本発明の複合炭素質の粒子90
〜30重量部と前記炭素質10〜70重量部である。
【0032】正極、負極をそれぞれ製造するに当たり、
活物質粒子とバインダーを混合し、そのまま圧縮成形
する。 有機溶剤にバインダーと活物質粒子とを分散した後
に、塗工乾燥し、更に必要あればプレスする。 バインダーと活物質粒子とを水に分散した後、塗工、
乾燥し、更に必要あればプレスする。それら〜のい
ずれの方法でもよい。本発明の非水系電池においては、
外装材としては、ステンレススチール等の金属を用い
て、その形状は、シート形、円筒形、角形等の任意の形
状にできる。
【0033】以下実施例、比較例により本発明を更に詳
しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【実施例】
(測定法) 電流効率(%)は、放電電気量/充電電気量 ×1
00で表わす。 利用率は、負極の活物質重量当りの放電電気量を基
準としてのC6 Liの負極活物質重量当りの放電電気
量、すなわち負極活物質72gを26.80Ahとした
時の負極の下記利用率を表わしている。
【0034】
【数1】 で表わされるものを本実施例、本比較例での利用率と定
義する。 容量(Wh/kg)は
【0035】
【数2】 である。 容量保持率は、1回目の放電容量に対する或るサイ
クルでの放電容量比の百分率である。 X線回折は「日本学術振興会法」に準じて行い、炭
素網面の積層厚みLc、炭素網面の面間隔d002 を算出
する。 真密度は、特公平4−24831号公報に開示され
ている方法により測定する。 比表面積はBET法により測定する。
【0036】(実施例1)正極は、活物質のLiCoS
0.022 に対して5%の炭素系導電助剤を加えてなる
コンパウンドに、フッ素ゴムの2%水溶液を同量加えて
分散液とし、これに厚み15μmのアルミニウム箔の両
面に塗工し、乾燥し、圧縮プレスする。アルミニウム箔
に接合している活物質及びバインダーの塗工量(g/m
2 )は、片面当り264、膜厚(μm)は片面当り94
にする。
【0037】また、負極は、コアーとして平均粒子径1
0μm、真密度ρ(g/cm3 )2.26、炭素網面の
積層厚みLc(Å)が1000以上、面間隔d002 (n
m)が0.335、比表面積(m2 /g)が13のコア
とする炭素質100重量部にフェノール樹脂30重量部
をニーダーにて攪拌混合しながら、約30分で140℃
に到達させ、漸次昇温し、160℃に至るまで合計3時
間で縮合・脱水・硬化を完了する。300メッシュ篩パ
ス品を、窒素ガスの流通下、電気炉にて漸次昇温し、6
時間かけて1300℃とし、更に3時間1300〜13
50℃に保持する。
【0038】電気炉での熱処理前後の重量変化からシェ
ルとする炭素質(フェノール樹脂の炭素化物)は、コア
とする炭素質100重量部に対して16.5重量部相当
である。こうして得られる複合炭素質は、平均粒子径1
3μm、真密度ρ(g/cm3)2.19、BET法に
よる比表面積(m2 /g)は52である。
【0039】該複合炭素質の粒子に、カルボキシメチル
セルローズ0.8とスチレン−ブタジエンゴムラテック
ス粒子2.0とからなる水溶液を同量加えて分散液と
し、これを厚み18μmの電解銅箔の両面に塗工し、乾
燥し、圧縮プレスする。活物質及びバインダーとしての
カルボキシメチルセルローズ、スチレン−ブタジエンゴ
ムとの塗工量(g/m2 )は片面当り104、膜厚は片
面当り92μmにする。
【0040】これらの正極を巾39.75mmに、負極
を巾40.25mmにサイジングし、リードタブをつけ
た後に、厚み34μm、幅44mmのポリエチレン製微
多孔膜セパレーターを介して渦巻状に巻回し、この巻回
物をステンレススチール製内径17.0mmの缶に挿入
し、負極リードタブを缶底に正極リードタブを正極端子
にそれぞれ溶接した後、電解質溶液としてLiBF
4 1.0モルのプロピレンカーボネート/エチレンカー
ボネート/γ−ブチロラクトンの1:1:2(重量比)
の3成分混合溶液5gを真空含浸し、高さ50mmの円
筒缶として封口する。
【0041】該電池は、0.7アンペアの定電流充電
し、電圧が4.20Vに達した後、4.20定電圧下に
おいて充電を続け、合計5時間充電する。1時間後に
0.35アンペアの定電流放電を2.7Vまで行う。途
中の3.0Vでの放電電気量も計測する。初回の充放電
から電流効率、または初回の放電から平均電圧、利用率
を求める。また、容量は放電電気量を巻回長から求めた
正極、負極の活物質量で除して求める。その結果を表1
に示す。また、初回の放電電圧曲線を図1に示す。
【0042】(実施例2)実施例1の複合炭素質90重
量部に粉砕されたニードルコークス〔平均粒子が10μ
m、真密度ρ(g/cm3 )が2.14、BET法によ
る比表面積(m2/g)が7、炭素網面の積層厚みLc
(Å)が52、面間隔d002 (nm)が0.344〕1
0重量部を実施例1と同様に塗工する。塗工量(g/m
2 )は片面当り107、膜厚(μm)は片面当り94に
する。これを巾40.25mmにサイジングして、実施
例1と同様の電池を製作する。その結果を表1に示す。
また、初回の放電電圧曲線を図1に示す。
【0043】(実施例3)実施例1の複合炭素質50重
量部に粉砕されたニードルコークス(実施例2と同一)
50重量部を実施例1と同様に塗工する。塗工量(g/
2 )は、片面当り115、膜厚(μm)は片面当り1
01にする。これを巾40.25mmにサイジングして
実施例1と同様の電池を製作する。その結果を表1に示
す。また、初回の放電電圧曲線を図1に示す。
【0044】(実施例4)実施例1の複合炭素質30重
量部に粉砕されたニードルコークス(実施例2と同一)
70重量部を実施例1と同様に塗工する。塗工量(g/
2 )は片面当り123、膜厚(μm)は片面当り10
8にする。これを巾40.25mmにサイジングして実
施例1と同様の電池を製作する。その結果を表1に示
す。また、初回の放電電圧曲線を図1に示す。
【0045】(実施例5)実施例1のコアとする炭素質
100重量部にフェノール樹脂45重量部をニーダーに
て攪拌混合しながら約35分で140℃に到達させ、漸
次昇温し、160℃に至るまで合計4時間で縮合・脱水
・硬化を完了する。300メッシュの篩パス品を窒素ガ
スの流通下、電気炉にて漸次昇温し、6時間かけて13
00℃とし、更に3時間1350℃〜1400℃に保持
する。電気炉での熱処理前後の重量変化からシェルとす
る炭素質(フェノール樹脂の炭化物)はコアとする炭素
質100重量部に対して22.5重量部相当である。
【0046】こうして得られる複合炭素質を実施例1と
同様に塗工する。塗工量(g/m2)は片面当り10
9、膜厚は片面当たり96μmにする。これを巾40.
25mmにサイジングして実施例1と同様の電池を製作
する。その結果を表1に示す。また、初回の放電電圧曲
線を図1に示す。
【0047】(実施例6)実施例1のコアーとする炭素
質を平均粒子径12μm、真密度ρ(g/cm3)が
2.18、炭素網面の積層厚みLc(Å)が300、面
間隔d002 (nm)が0.338、BET法による比表
面積(m2 /g)が2の炭素質に代えて、実施例1と同
様に複合炭素質を得る。
【0048】平均粒子径15μm、真密度ρ(g/cm
3 )が2.12、BET法による比表面積(m2 /g)
は10である。該複合炭素質を実施例1と同様に塗工す
る。塗工量(g/m2 )は片面当り116、膜厚は片面
当たり102μmにする。これを巾40.25mmにサ
イジングして実施例1と同様の電池を製作する。その結
果を表1に示す。また、初回の放電電圧曲線を図1に示
す。
【0049】(比較例1)粉砕されたニードルコークス
〔平均粒子径が14μm、真密度ρ(g/cm3)が
2.14、BET法による比表面積(m2 /g)が7、
炭素網面の積層厚みLc(Å)が52、面間隔d
002 (nm)が0.344〕を炭素質材料として、これ
にカルボキシメチルセルロース0.8とスチレン−ブタ
ジエンゴムラテックス粒子2.0とからなる水溶液を同
量加えて分散液とし、これを厚み18μmの電解銅箔の
両面に塗工し、乾燥し、圧縮プレスする。塗工量(g/
2 )は片面当り137、膜厚(μm)は片面当たり1
21にする。更に、巾40.25mmにサイジングし、
リードタブをつけた後に、実施例1と同一の正極、セパ
レーター、電解液、電池缶を使用して、実施例1と同様
の電池を製作する。その結果を表1に示す。また、初回
の放電電圧曲線を図1に示す。
【0050】(比較例2)実施例1のコアとする炭素質
100重量部にフェノール樹脂5重量部をニーダーにて
攪拌混合しながら約30分で160℃に到達させ、漸次
昇温し、160℃に至るまで合計3時間で縮合・脱水・
硬化を完了する。300メッシュ篩パス品を窒素ガスの
流通下、電気炉にて漸次昇温し、5時間かけて1300
℃とし、更に2時間1500℃に保持する。電気炉での
熱処理前後の重量変化からシェルとする炭素質(フェノ
ール樹脂の炭化物)はコアとする炭素質100重量部に
対して2.0重量部相当である。
【0051】こうして得られる複合炭素質を実施例1と
同様に塗工する。塗工量(g/m2)は片面当り95、
膜厚(μm)は片面当たり84にする。更に、巾40.
25mmにサイジングして実施例1と同様の電池を製作
する。その結果を表1に示す。また、初回の放電電圧曲
線を図1に示す。初回の容量は大きいが、充放電サイク
ルを繰り返すと、容量が大きく低下する。また、5∞目
でも電流効率は100%とならない。
【0052】(比較例3)実施例1のコアーとする炭素
質100重量部にフェノール樹脂60重量部をニーダー
にて攪拌混合しながら約40分で150℃に到達させ、
漸次昇温し、160℃に至るまで合計5時間で縮合・脱
水・硬化を完了する。300メッシュ篩パス品を窒素ガ
スの流通下、電気炉にて漸次昇温し、6時間かけて13
00℃とし、更に3時間1350℃〜1400℃に保持
する。電気炉での熱処理前後の重量変化からシェルとす
る炭素質(フェノール樹脂の炭化物)はコアとする炭素
質100重量部に対して37重量部相当である。
【0053】こうして得られる複合炭素質を実施例1と
同様に塗工する。塗工量(g/m2)は片面当り11
4、膜厚(μm)は片面当たり100にする。これを巾
40.25mmにサイジングして実施例1と同様の電池
を製作する。その結果を表1に示す。また、初回の放電
電圧曲線を図1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明により、充放電サイクルによる容
量保持率が高く、かつ放電末期(3.0V付近)に残量
表示が可能な放電電圧の傾斜を有した高容量非水系二次
電池を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例に従って製造された非水系二
次電池缶の初回の放電電圧曲線を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム複合金属酸化物を活物質とする
    正極と炭素質材料を活物質とする負極とを備えた非水系
    二次電池において、真密度ρ(g/cm3 )の値が2.
    15以上、かつ炭素網面の積層厚みLc(Å)が69以
    上の炭素質に、フェノール樹脂を攪拌混合下に縮合・硬
    化し、被覆した後に炭素化した複合炭素質であることを
    特徴とする、高容量非水系二次電池。
  2. 【請求項2】 リチウム複合金属酸化物を活物質とする
    正極と炭素質材料を活物質とする負極とを備えた非水系
    二次電池において、真密度ρ(g/cm3 )の値が2.
    18以上、炭素網面の積層厚みLc(Å)が73以上か
    つ炭素網面の面間隔d002 が0.337nm未満の炭素
    質に、フェノール樹脂を攪拌混合下に縮合・硬化し、被
    覆した後に炭素化した複合炭素質であることを特徴とす
    る、高容量非水系二次電池。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の炭素質(A)9
    0〜10重量部と真密度ρ(g/cm3 )の値が1.8
    0<ρ<2.18かつ炭素網面の積層厚みLc(Å)が
    15<Lcかつ120ρ−227<Lc<120ρ−1
    89の条件を満たし、BET比表面積A(m2 /g)が
    0.1<A<100の範囲にある炭素質(B)10〜9
    0重量部を活物質とする負極からなることを特徴とす
    る、請求項1又は2記載の高容量非水系二次電池。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1021917A (ja) * 1996-07-08 1998-01-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池用負極およびその製造方法
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JP2003100293A (ja) * 2001-09-25 2003-04-04 Showa Denko Kk 炭素材料及びその製造方法並びにその用途
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US7074521B2 (en) 1999-02-24 2006-07-11 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative active material for rechargeable lithium battery and method of preparing same

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