JPH04309596A - 光学的等方性ピッチの製造方法 - Google Patents

光学的等方性ピッチの製造方法

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JPH04309596A
JPH04309596A JP3097922A JP9792291A JPH04309596A JP H04309596 A JPH04309596 A JP H04309596A JP 3097922 A JP3097922 A JP 3097922A JP 9792291 A JP9792291 A JP 9792291A JP H04309596 A JPH04309596 A JP H04309596A
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pitch
fibers
heat treatment
optically isotropic
treatment
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JP3097922A
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Toshio Tamaki
敏夫 玉木
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PETOCA KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10CWORKING-UP PITCH, ASPHALT, BITUMEN, TAR; PYROLIGNEOUS ACID
    • C10C3/00Working-up pitch, asphalt, bitumen
    • C10C3/002Working-up pitch, asphalt, bitumen by thermal means
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10CWORKING-UP PITCH, ASPHALT, BITUMEN, TAR; PYROLIGNEOUS ACID
    • C10C3/00Working-up pitch, asphalt, bitumen
    • C10C3/02Working-up pitch, asphalt, bitumen by chemical means reaction
    • C10C3/04Working-up pitch, asphalt, bitumen by chemical means reaction by blowing or oxidising, e.g. air, ozone
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/145Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues
    • D01F9/155Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues from petroleum pitch

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維または活性炭
素繊維用原料ピッチとして好適な光学的等方性ピッチ及
びその製造方法に関するものである。より詳細には、本
発明は、ピッチ(含む重質油)に特定の2段階熱処理を
施すことからなる、紡糸性が良好でかつ不融化工程での
繊維の融着の恐れがない、炭素繊維または活性炭素繊維
用原料ピッチとして好適な光学的等方性ピッチ及びその
製造方法に関するものである。さらに、本発明は、炭素
繊維または活性炭素繊維の原料として、実質的に光学的
異方性成分がなく、低いQI含有量の光学的等方性ピッ
チを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維の原料としての光学的等方性ピ
ッチは、不融かつ不溶であるために紡糸性を阻害すると
されている一次キノリン不溶分(一次QI成分)を含ま
ず、かつ紡糸後の不融化処理を円滑に行い得るために高
軟化点を有することが必要である。
【0003】従って、従来から、重質油またはピッチか
ら一次QI成分等を濾過等の手段により除去した後、こ
れを蒸留するか、またはQI成分及び光学的異方性成分
が生成しない条件下に熱処理することにより、高軟化点
のピッチを得ている。しかし、これらの方法で得られた
熱処理ピッチの軟化点はいまだ不充分であって、繊維の
紡糸を円滑に行い得なかった。
【0004】また、一次QI成分を除去した重質油又は
ピッチに酸素などを含有する気体を吹き込みながら(以
下、エアーブローと言う)熱処理することにより比較的
高軟化点でかつ紡糸用ピッチとしても良好な性質をもつ
ピッチが得られる技術もある(特開昭61−28020
号公報)。しかしながら、この方法で得られるピッチは
高軟化点を有するにもかかわらず、光学的異方性成分の
生成を抑えることが難しくかつ低沸点成分の含有量も高
いために、炭素繊維の紡糸工程でのトラブルや不融化工
程での融着、及び焼成処理後に、炭化歩留まりが低くな
るなどの傾向がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術で得られた熱処理ピッチは、光学的異方性成分を生成
させずに高軟化点化することは難しい。従って、ピッチ
の軟化点は低く、低沸点の軽質留分を多く含むために、
高速昇温による不融化では繊維の融着を発生する。また
、軽質成分を多く含むために、紡糸時にノズルの汚れ等
により紡糸性は良くない問題点がある。
【0006】また、この改良のために、一次QI成分を
除去した重質油又はピッチを減圧下でエアーブローしな
がら熱処理して光学的等方性ピッチを得る技術や(特開
昭63−156886号公報)、連続して減圧下に保つ
ことのできる高粘度リアクターを用いて同様に光学的等
方性ピッチを得る技術(特開昭63−156887号公
報)があるが、減圧処理の負荷が大きく、得られる光学
的等方性ピッチの収率も低く、かつエアーブローによる
ピッチの架橋結合が進まず、光学的異方性成分が生成し
易くなる問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について種々検討した結果、常圧下でのエアーブローの
熱処理と減圧下でのエアーブローの熱処理とを組み合わ
せた、特定の2段階熱処理を採用することにより、炭素
繊維または活性炭素繊維用原料ピッチとして好適な、光
学的異方性成分を実質的に含まない低QI含有量の光学
的等方性ピッチを製造できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は: ■  (a)ピッチ(含む重質油)原料に酸素含有ガス
を吹き込みつつ一定温度で熱処理し、光学的異方性成分
が生成する直前で該熱処理を停止して、低QI含有量の
光学的等方性ピッチ中間体を得る第1の熱処理段階及び
(b)該光学的等方性ピッチ中間体に減圧下で酸素含有
ガスを吹き込みつつ一定温度で熱処理して高軟化点の光
学的等方性ピッチを製造する第2の熱処理段階からなる
ことを特徴とする、炭素繊維または活性炭素繊維用原料
ピッチの製造方法であり、さらに、
【0009】■  第1の熱処理段階(a)が、酸素含
有ガスを吹き込みつつ、常圧〜0.3kg/cm2 ・
G程度の微圧下で300〜370℃で5〜12時間の処
理であり、第2の熱処理段階(b)が、酸素含有ガスを
吹き込みつつ、100Torr以下の減圧で300〜3
70℃で10分間〜3時間の処理である点にも特徴を有
し、また■  前記■記載の方法により得られ、実質的
に光学的異方性成分を含まず、0〜25%程度の低いQ
I含有量、260〜300℃の高軟化点を有することを
特徴とする、紡糸性が良好で、不融化時に繊維の融着の
恐れのない、炭素繊維または活性炭素繊維用原料ピッチ
として適する光学的等方性ピッチに関する。さらに
【0
010】■  (イ)上記■等方性ピッチを溶融紡糸し
てピッチ繊維を得る工程、(ロ)該ピッチ繊維を不融化
する工程、次いで(ハ)該不融化繊維を賦活処理或いは
軽度炭化処理と賦活処理とを施す工程からなる、光学的
等方性ピッチ系の活性炭素繊維の製造方法をも提供する
し、また ■  (イ)上記■記載の等方性ピッチを溶融紡糸して
ピッチ繊維を得る工程、 (ロ)該ピッチ繊維を不融化する工程、次いで(ハ)該
不融化繊維を炭化処理し、必要に応じて黒鉛化処理する
工程からなる、光学的等方性ピッチ系の炭素繊維の製造
方法をも提供する。また、■  前記■、■の方法にお
いて、該不融化工程(ロ)が6〜13℃/分の高速昇温
で200〜400℃の温度で行われる点にも特徴を有す
る。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
の炭素繊維または活性炭素繊維用原料ピッチの製造に用
いるピッチ(重質油)としては、エアーブロー下での熱
処理により光学的等方性で高軟化点のピッチを与えるな
ら特に制限されないが、例えば原油蒸留残渣油、ナフサ
分解残渣油、エチレンボトム油、石炭液化油、コールタ
ールなどを濾過、蒸留、水添、接触分解などの処理工程
を経て調製されたものが挙げられる。特に、酸素に対す
る反応性、高軟化点等の観点からは、石油系接触分解重
質油が好ましく用いられる。
【0012】本発明においては、上記ピッチを熱処理す
るに際して、常圧下でのエアーブローしながらの熱処理
(a)と減圧下でのエアーブローしながらの熱処理(b
)とを組み合わせた、特定の2段階熱処理を用いること
が重要である。
【0013】すなわち、従来法でもある(a)工程の常
圧下でのエアーブローしながらの熱処理単独では、高軟
化点の光学的等方性ピッチが得られても、光学的異方性
成分の生成を伴いかつ低沸点成分の含有量も高いので、
紡糸工程でのトラブルや不融化工程での融着が起こり易
くなり、焼成処理後の炭化歩留まりが低くなる。また、
同様に(b)工程の減圧下でのエアーブローしながらの
熱処理単独では、減圧処理の負荷が大きく、得られる光
学的等方性ピッチの収率も低く、かつエアーブローによ
るピッチの架橋結合が進まず、光学的異方性成分が生成
し易くなる問題がある。
【0014】上記2段階熱処理を行うに際し、(a)工
程の熱処理に引き続いて(b)工程の熱処理を行う時期
の管理が重要であり、(a)工程の熱処理で光学的異方
性成分が発生する直前でその熱処理を一時的に停止し、
(b)工程の熱処理に移行することを要する。
【0015】具体的には、予めピッチ試料の抜き取り検
査などにより、(a)工程の熱処理で光学的異方性成分
が発生する時期を確認しておき、(a)工程の熱処理で
光学的異方性成分が発生する直前に、バッチに又は連続
的に(自動的に)(b)工程の熱処理に移行すれば良い
。上記(b)工程の熱処理に移行するのに、光学的異方
性成分が有意義に発生してからでは減圧に引く効果が薄
れる。
【0016】このような連続的に2段階熱処理を行う装
置としては、脱気孔付きの押出機であれば特に制限され
ないが、例えば、プラスチックの成形粒子製造用のペレ
タイザー、混合・混練機などや、縮重合に伴う種々の副
生物などの脱気・除去をも兼ねるセルフクリーニングタ
イプの押出機などを挙げることができる。本発明の(b
)工程の熱処理に用いる押出機としては、具体的には、
横型のものが一般的であり、その押出機本体内にプラス
チックの混合・混練又は縮重合を均質に行うためのスク
リュー等の攪拌手段を備えており、かつ該押出機の適宜
個所にエア吹き込み用ノズル並びに減圧・脱気用ノズル
(必要に応じて、真空ポンプなどの吸引手段に接続させ
てもよい)を設けた構造のものを挙げることができる。
【0017】また、上記押出機として、エア吹き込み用
ノズル並びに減圧・脱気用ノズルとを備えたものは(a
)、(b)両工程の連続的熱処理に適するが、該両工程
の熱処理をバッチで行っても差し支えない。その場合に
、エア吹き込み用ノズルのみを備えた押出機で(a)工
程の熱処理を行い、次いで該両ノズルを備えた押出機で
(b)工程の熱処理を行う。
【0018】該両熱処理に使用するブローガスとしては
、酸素を含有することを要する。窒素などの不活性ガス
のブローでは光学的等方性構造が保持しがたく、光学的
異方性構造部分が多くなり好ましくない。特に、(b)
工程の熱処理段階において、不活性ガス下での減圧処理
ではピッチの高軟化点化は進むが、光学的異方性成分が
生成し、紡糸が困難となる。
【0019】酸素含有ガスの例としては、空気、酸素リ
ッチ気体等を挙げることができるが、入手の容易さなど
から見て空気が望ましい。酸素の使用量は、通常ピッチ
1kg当たり0.2〜5NL/分、好ましくは0.5〜
2NL/分であり、空気の場合には酸素の量の約4倍量
である。第1の熱処理段階(a)は、通常のエアーブロ
ー下での熱処理であり、その熱処理条件についてはとく
に制限されるものでないが、具体的には空気を吹き込み
つつ、常圧〜0.3kg/cm2 ・G程度の微圧下で
300〜370℃で5〜12時間の熱処理を採用するこ
とができる。
【0020】その熱処理により、次の第2の熱処理段階
(b)に好都合な低QI含有量、光学的異方性成分を殆
ど含まない、或る程度重合・架橋の進んだ比較的に軟化
点の高くなった光学的等方性ピッチ中間体が生成される
【0021】第1の熱処理(a)により得られた該光学
的等方性ピッチ中間体は0〜15%の低QI(キノリン
不溶分)含有量、230〜270℃の軟化点を有する、
光学的異方性成分を殆ど含まない光学的等方性ピッチで
ある。第2の熱処理段階(b)は、具体的には、第1の
熱処理で得られた光学的等方性ピッチ中間体に空気を吹
き込みつつ、100Torr以下、好ましくは5〜30
Torrの減圧で300〜370℃で10分間〜3時間
、好ましくは20分間〜1時間の熱処理を採用すること
ができる。
【0022】この場合、減圧の程度として100Tor
rを越えると、減圧の効果が下がり熱処理温度をかなり
上げないとその作用が十分に発揮されない。また、10
0Torr以下でその減圧作用を効かせすぎると、揮発
性成分のみならず有効成分である等方性成分をも引くこ
とになり好ましくなく、一般には5〜30Torrの減
圧が望ましい。
【0023】また、熱処理温度はその処理時間、減圧の
程度により左右され一次的に決め難いが、一般に上記3
00〜370℃の範囲が望ましい。この場合、300℃
未満では第1の熱処理で得られた光学的等方性ピッチ中
間体の架橋・重合が十分に行われにくく、また熱処理温
度が370℃を越えると温度管理が難しく、軟化点が極
めて高いものとなると共に光学的異方性成分を生じ易く
好ましくない。
【0024】本発明においては、第2の熱処理(b)を
も行ったので、光学的等方性ピッチ中間体中に含まれて
いる軽質分を効率良く除去することができ(例えば、1
0%程度カット)、光学的異方性成分の生成を極力抑え
ることができると共に、エアーブローによる重合・架橋
がスムースに行われて高軟化点の光学的等方性ピッチが
得られる。
【0025】本発明の方法で得られた光学的等方性ピッ
チは、実質的に光学的異方性成分を含まず、0〜25%
程度、好ましくは5%以下の低いQI(キノリン不溶分
)含有量、260〜300℃の高軟化点(メトラー法で
測定)を有するものであり、紡糸性が良好で、不融化時
に繊維の融着の恐れがなく、炭素繊維または活性炭素繊
維用原料ピッチとして適する。
【0026】この場合、QI含有量が25%を越えると
軟化点が高くなり、不融化処理が比較的に容易になるが
、高分子物質の混在により紡糸性が悪くなる。また、Q
I含有量をほぼ零と殆どQI成分を含まないことは望ま
しいことであるが、熱処理工程の管理を厳格に行うこと
が必要となる。実用上、可及的に少なくする程度で良く
、例えば5%以下の低いQI含有量に制御することが好
ましい。また、このような場合に、QI成分を第1の熱
処理(a)後、或いは第2の熱処理(b)後にフィルタ
ー等により適宜除去することにより、より低QI含有量
にすることができる。
【0027】さらに、本発明の方法で得られた光学的等
方性ピッチの軟化点が260℃未満の場合には、異方性
成分の生成が少ないものの、高強度の繊維原料が得られ
難く、不融化処理を円滑に行い難い。また、300℃を
越えた軟化点の場合には、粘度が高すぎて紡糸が困難に
なると共に、光学的異方性成分が混在し易い。上記光学
的異方性成分の確認は、ピッチを偏光顕微鏡により目視
で観察することにより行われる。本発明の方法により製
造された光学的等方性ピッチは、炭素繊維または活性炭
素繊維製造用ピッチとして有用である。
【0028】上記光学的等方性ピッチを原料として炭素
繊維または活性炭素繊維を製造する方法を以下に説明す
る。通常、上記光学的等方性ピッチを常法に従って、■
  紡糸してピッチ繊維を作り、■  該ピッチ繊維を
不融化して不融化繊維とし、■  次いで、炭化処理し
、必要に応じて黒鉛化して炭素繊維とするか、■或いは
軽度炭化処理してから賦活処理するか又は直接に賦活処
理して活性炭素繊維とする。
【0029】すなわち、■  ピッチ繊維の製造;ピッ
チ繊維の製造は特に制限されないが、一般にメルトブロ
ー法、遠心紡糸法、溶融押出法など任意の溶融紡糸法を
採用できるが、不織布の状態で紡糸繊維の均一性を保持
するには、メルトブロー法の使用が好ましい。例えば、
メルトブロー法による紡糸を行う場合には、通常、紡糸
口金温度290〜360℃、気体温度310〜380℃
、気体の噴出速度100〜340m/秒の紡糸条件で、
高速の気体を噴出するスリット又はノズル中に設けた紡
糸孔から紡糸すればよい。
【0030】■  不融化繊維の製造;不融化繊維の製
造方法自体は常法に従って行うことができる。一般に、
昇温速度3〜13℃/分、好ましくは6〜13℃/分の
条件下で200〜400℃、好ましくは260〜360
℃の温度で熱処理することにより行われる。不融化の際
の昇温速度が3℃/分未満の場合には、確かに繊維の融
着は生じないが、本発明の方法を採用した意味が薄れる
。また、13℃/分を越えると、繊維の融着が生じるよ
うになり、好ましくない。
【0031】この際の雰囲気としては、酸素、酸素リッ
チ空気、空気などを例示できる。本発明では、特定の光
学的等方性ピッチを炭素繊維または活性炭素繊維原料と
して用いたので、この光学的等方性ピッチ中に、不融化
時に繊維の融着を惹起する原因となる軽質分を実質的に
含まず、3〜13℃/分の高速昇温の条件を採用しても
スムースに不融化処理を行うことができ、糸同士の融着
を防ぎ、過度の不融化処理をしなくとも不融化できる利
点がある。
【0032】■  炭化による炭素繊維の製造;常法に
従って、上記不融化繊維を例えば窒素ガス等の不活性ガ
スの存在下で900〜2000℃に一定時間熱処理する
ことにより行われる。この場合に、必要に応じて、上記
熱処理条件を変えて、さらに黒鉛化しても良い。
【0033】■  活性炭素繊維の製造;常法に従って
、上記不融化繊維を軽度の炭化を施してから賦活処理を
行うか或いは直接に賦活処理を行う。すなわち、軽度の
炭化処理を行うには、常法に従って、例えば窒素ガスな
どの不活性ガス中で5〜100℃/分程度の昇温速度で
1000℃以下、好ましくは800℃以下で炭化する。 賦活に先立って軽度の炭化処理を行うことにより、不織
布、織物など各種賦形物に成形した状態での賦活が可能
となる。賦活処理は、常法に従って、例えば水蒸気、炭
酸ガスなどの雰囲気下で600〜1500℃で10分〜
5時間程度行う。
【0034】
【作用】紡糸段階及び不融化段階でトラブルのない炭素
繊維又は活性炭素繊維製造用ピッチとしては、重質油ま
たはピッチの熱処理によりQI成分及び光学的異方性成
分が生成しない光学的等方性ピッチの使用が望ましいが
、実際上このようなピッチが得られにくいのが現状であ
る。
【0035】例えば、一次QI成分を除去した重質油又
はピッチをエアーブローしながら熱処理することにより
比較的に高軟化点でかつ紡糸用ピッチとしても良好な性
質をもつピッチが得られるが(特開昭61−28020
号公報)、このピッチは高軟化点を有するにもかかわら
ず、光学的異方性成分の生成を抑えることが難しく、高
速昇温による不融化では紡糸繊維の融着を発生し、また
軽質成分を多く含むために、紡糸時にノズルの汚れ等に
より紡糸性は良くない。
【0036】また、この改良のために、一次QI成分を
除去した重質油又はピッチを減圧下でエアーブローしな
がら熱処理して、光学的等方性ピッチを得る技術(特開
昭63−156886号公報、特開昭63−15688
7号公報)があるが、減圧処理の負荷が大きく、得られ
る光学的等方性ピッチの収率も低く、かつエアーブロー
によるピッチの架橋結合が進まず、光学的異方性成分が
生成し易くなる問題がある。
【0037】これに対して、本発明では、常圧下でのエ
アーブローの熱処理と減圧下でのエアーブローの熱処理
とを組み合わせた、特定の2段階熱処理を採用すること
により、光学的異方性成分を殆ど生成せずかつ軽質分を
充分に除去できて、炭素繊維または活性炭素繊維用原料
ピッチとして好適な、光学的異方性成分を実質的に含ま
ない低QI含有量の高軟化点の光学的等方性ピッチが得
られる。
【0038】また、不融化時に10℃/分程度の高速昇
温の条件を採用しても、糸同士の融着を防ぎ、過度の不
融化処理をしなくとも不融化できるようになり、経済性
が極めて向上する。また、不融化処理による繊維のダメ
ージが少なく、炭素繊維または活性炭素繊維の物性の向
上が期待できる。さらに、従来法で当然含まれる軽質分
による紡糸時のノズルの汚れも防止できるために、紡糸
性が向上する。
【0039】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
るが、これらは本発明の範囲を制限しない。
【実施例1】石油系接触分解重質油を濾過し、触媒除去
し、蒸留して得られた重質油(初留460℃、終留56
0℃、軟化点72℃)をピッチ原料として用い、これを
200Lのリアクター中に140kg入れ、350℃で
、1.3NL/kg・分の空気吹き込み量で、エアーブ
ローしながら熱処理を8時間行い、63.1重量%のピ
ッチ収率で光学的等方性ピッチ中間体(軟化点250℃
、QI=8.6重量%)を得た。このピッチを偏向顕微
鏡で観察したところ、光学的異方性成分が殆ど含まれて
いないことが判った。
【0040】次に、10Lのリアクター中に上記光学的
等方性ピッチ中間体を2.0kg入れ、350℃で、真
空度5.0Torr、1NL/kg・分の空気吹き込み
量で、減圧下でエアーブローしながら熱処理を0.5時
間行い、91重量%のピッチ収率で光学的等方性ピッチ
(軟化点291℃、QI=17重量%)を得た。このピ
ッチを偏向顕微鏡で観察したところ、光学的異方性成分
が殆ど含まれていないことが判った。
【0041】このピッチを紡糸温度360℃で、0.3
φのノズルからメルトブロー法により紡糸して、18〜
20μのピッチ繊維を製造した。さらに、得られたピッ
チ繊維を空気雰囲気下で120℃の初期温度から10℃
/分の高速昇温の条件で320℃に昇温し、不融化処理
した。得られた不融化繊維の不融化収率は105.2重
量%であり、かつ繊維同士の融着は全くなかった。
【0042】
【実施例2〜3】ピッチの第1、2の熱処理温度と時間
とを以下の表1に記載の通りに変えて、実施例1と同様
の操作を行い、その結果を実施例1の結果と併せて表1
に示す。
【表1】
【0043】
【比較例1】実施例1と同様の操作でエアーブローしな
がらの熱処理のみを10時間行って得られたピッチ(軟
化点260℃、QI=12重量%)は、光学的異方性成
分を略7%含んでいることが偏向顕微鏡による観察結果
で判った。
【0044】このピッチを実施例1と同様の操作で紡糸
し、不融化した不融化繊維は、繊維同士の融着が激しく
実用に供し得なかった。上記不融化時での繊維間の融着
をさせないためには、上記と同様の不融化を0.5℃/
分以下でゆっくり行うことが必要である。
【0045】
【比較例2】減圧下でのエアーブローしながらの熱処理
を最初から実施例1と同様に2時間行う場合には、減圧
処理の負担が大きく、得られる収率は約20重量%と低
かった。また、エアーブローによるピッチの架橋・重合
反応が充分に進まず、またこのピッチは偏向顕微鏡の観
察により光学的異方性成分の含有量が略10%と多く、
紡糸性が悪かった。
【0046】
【発明の効果】本発明においては、常圧下でのエアーブ
ローの熱処理と減圧下でのエアーブローの熱処理とを組
み合わせた、特定の2段階熱処理を採用することにより
、光学的異方性成分を殆ど生成せずかつ軽質分を充分に
除去できて、炭素繊維または活性炭素繊維用原料ピッチ
として好適な、低QI含有量の高軟化点の光学的等方性
ピッチが得られる。
【0047】また、この光学的等方性ピッチを用いたの
で、それから炭素繊維または活性炭素繊維を製造するに
際し、不融化工程で10℃/分程度の高速昇温の条件を
採用しても、糸同士の融着の恐れがなく、かつ過度の不
融化処理をしなくとも不融化できるようになり、また、
経済性も極めて向上する。また、不融化による繊維のダ
メージが少なく、炭素繊維または活性炭素繊維の物性の
向上を期待できる。さらに、軽質分による紡糸時のノズ
ル汚れも防止できるために、紡糸性が向上する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (a)ピッチ(含む重質油)原料に酸
    素含有ガスを吹き込みつつ一定温度で熱処理し、光学的
    異方性成分が生成する直前で該熱処理を停止して、低Q
    I含有量の光学的等方性ピッチ中間体を得る第1の熱処
    理段階及び(b)該光学的等方性ピッチ中間体に減圧下
    で酸素含有ガスを吹き込みつつ一定温度で熱処理して高
    軟化点の光学的等方性ピッチを製造する第2の熱処理段
    階からなることを特徴とする、炭素繊維または活性炭素
    繊維用原料ピッチの製造方法。
  2. 【請求項2】  第1の熱処理段階(a)が、酸素含有
    ガスを吹き込みつつ、常圧〜0.3kg/cm2 ・G
    程度の微圧下で300〜370℃で5〜12時間の処理
    であり、第2の熱処理段階(b)が、酸素含有ガスを吹
    き込みつつ、100Torr以下の減圧で300〜37
    0℃で10分間〜3時間の処理であることを特徴とする
    、請求項1記載の炭素繊維または活性炭素繊維用原料ピ
    ッチの製造方法。
  3. 【請求項3】  請求項1記載の方法により得られ、実
    質的に光学的異方性成分を含まず、0〜25%程度の低
    いQI含有量、260〜300℃の高軟化点を有するこ
    とを特徴とする、紡糸性が良好で、不融化時に繊維の融
    着の恐れのない、炭素繊維または活性炭素繊維用原料ピ
    ッチとして適する光学的等方性ピッチ。
  4. 【請求項4】  (イ)請求項3記載の等方性ピッチを
    溶融紡糸してピッチ繊維を得る工程、(ロ)該ピッチ繊
    維を不融化する工程、次いで(ハ)該不融化繊維を賦活
    処理或いは軽度炭化処理と賦活処理とを施す工程からな
    ることを特徴とする、光学的等方性ピッチ系の活性炭素
    繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】  (イ)請求項3記載の等方性ピッチを
    溶融紡糸してピッチ繊維を得る工程、(ロ)該ピッチ繊
    維を不融化する工程、次いで(ハ)該不融化繊維を炭化
    処理し、必要に応じて黒鉛化処理する工程からなること
    を特徴とする、光学的等方性ピッチ系の炭素繊維の製造
    方法。
  6. 【請求項6】  該不融化工程(ロ)が6〜13℃/分
    の高速昇温で200〜400℃の温度で行われることを
    特徴とする、請求項4記載の光学的等方性ピッチ系の活
    性炭素繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】  該不融化工程(ロ)が6〜13℃/分
    の高速昇温で200〜400℃の温度で行われることを
    特徴とする、請求項5記載の光学的等方性ピッチ系の炭
    素繊維の製造方法。
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