JP7252689B1 - 水性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

要約塗布により基材上に施すことができ、高温、高周波衝撃に耐えることができ、燃焼圧や燃料噴射圧に耐える被膜の表面強度を有し、低比熱で低熱伝導性の硬化物塗膜を形成することができ、アルミ合金基材のみならず、鉄系、チタン系等の金属基材上でも製膜可能な硬化物を与える新規な水性組成物及びその硬化物が開示されている。水性組成物は、内部に多孔質状または単一球状構造の中空構造を有する、二酸化ケイ素系化合物から成る中空状粉末材料と、非中空構造の金属酸化物粉末材料と、金属酸化物繊維材料と、アルカリ金属ケイ酸塩類と、水とを含有する。アルカリ金属ケイ酸塩類として少なくともケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムとを含有し、中空状粉末材料の平均粒径が5μm~40μmの範囲であり、またその嵩比重が0.14~0.95g/cm3の範囲であり、耐圧強度が10Mpa以上である。

Description

本願発明は、水性組成物及びその硬化物に関する。本発明の硬化物は、内燃機関燃焼室内壁面上に塗装によって形成される断熱被膜として特に有用である。
従来から内燃機関燃焼室から発生する熱損失を低減する為に、燃焼室内壁面に熱伝導率の低い材料としてセラミック組成からなる溶射被覆を施したり、燃焼室内壁部材そのものを焼結体セラミック材料で構成する試みなどが検討されている。前記断熱材の構成要素としては、従来のセラミック溶射材や焼結体セラミックなどでは熱伝導率自体は金属部材に比べ低減可能であるものの、比熱が大きい為に、局所的な内壁面の高温化現象が生じ、燃焼室内における意図せぬ部位での発火など所謂ノッキングが発生するなどの課題があり、近年は低熱伝導だけでなく、低比熱、取り分け低容積比熱材料で構成されることに力点が置かれてきた。例えば特許文献2と3の断熱層は陽極酸化膜からなり、意図的に硬質アルマイトを数十μmの厚膜に形成しながら、内部に縦孔や空孔を生じさせ、該縦孔の表層部を封止することで所定の空間容積を保つ低容積比熱低熱伝導膜が例示されている。
特許文献1 においては、断熱性能の一指標として、ディーゼルエンジンの1燃焼サイクル中の燃焼室壁面に設けられた断熱層の温度の変化(スイング幅:ΔT) が表記されており、またスイング幅ΔTは熱損失に関連する旨が記されている。当該知見は既知であるが、熱損失をQとした場合の算定式、Q=A ×h×(Tg-Twall) に基づいている。なお、この式において、Aはシリンダ内の表面積(m2) であり、h はシリンダ内の圧力やガス流に起因する熱伝達係数(W/m2・K) であり、Tgはシリンダ内の燃焼ガス温度(K)であり、Twallはシリンダ内に面する(シリンダ内の燃焼ガスと接触する) 壁面の温度(K)である。
上記の式から燃焼ガス燃焼時に、TwallがTgの温度に近づくように上昇すると熱損失Qの値が小さくなるが、同義として前記スイング幅ΔTが大きいと熱損失Qの値が小さくなるため、スイング幅ΔTが上記指標として用いられている。この様な低比熱低熱伝導膜は一般にスイング膜と呼称され、特許文献2の発明は実際の量産車にも用いられており、その実用上の熱物性は公称値として熱伝導率=0.67W/m・kかつ容積比熱=1300kJ/m3・kの性能を示している。更には特許文献3では更なる改良が加えられ、その好適な熱物性範囲を熱伝導率=0.5~1.5W/m・k、容積比熱=500~800kJ/m3・kとしている。
また、特許文献4では中空性金属酸化物骨材を含む塗料形態から成り、予めアルミ基材表面をアルマイト加工にて酸化させることで、アルミ基材と塗料との密着を向上させることなどを例示している。
国際公開公報 WO2009/020206 特開2015-32116公報 特開2020-190023公報 特開2015-68302公報
山下英男ほか:壁温スイング遮熱法によるエンジンの熱損失低減(第5報),自動車技術会論文集,Vol.49, No.2, p.156-161 (2018)
特許文献2と3の手法では陽極酸化膜形成プロセスにおいて、電解液への浸漬工程が生じる為、被処理面以外の精密なマスキング管理と、陽極酸化加工に一定の時間を必要とすることから、量産効率上課題を抱えている。また、アルマイト加工を前提としている為、従来の特許文献2の手法ではアルミ部材以外への適用は出来ない。特許文献3では陽極酸化膜形成前に、溶射、溶接加工にてAl成分を含む金属層を設けることで、Al基材以外の基材への適用も実現しているが、溶射、溶接加工工程が別途必要となるなど成膜工程における新たな制約を抱えている。特許文献4は塗料形態が明示されていることから、塗布、焼き付けのみで連続的に断熱被膜を形成可能であることが利点として示されているが、基材との密着性を保つ為に、基材表層に陽極酸化加工を施すことが前提となっており、アルミ基材のみへの適用を前提とした用途限定の課題を抱えている。本発明は少なくとも前記特許文献2の実用的な熱物性値と同程度の性能を示しながら、前記の課題を解決するものであり、高い断熱性を示しながら、量産性をも兼ね備え、アルミ種のみに限らず鉄系、チタン系、その他の金属基材にも成膜可能な塗料組成物を得られるようにすることにある。また、使用環境が常用300℃以上の高温であり、かつノッキングなどの条件によっては局所的に300~600℃の熱負荷サイクルが発生する環境であり、同時に高速ピストン運動による高周波衝撃環境下にあって、これらの物理的な負荷に対する耐性を示す被膜でなければならない。その上で燃焼圧や燃料噴射圧に耐える被膜の表面強度の要求にも耐える被膜でなければならない。また、基材がアルミ製である場合に、前記水性組成物のアルカリ成分によって、アルミ基材が過度に酸化し脆化してしまわない適正な濃度にアルカリ分を調整する必要がある。
本発明の目的は、塗布により基材上に施すことができ、高温、高周波衝撃に耐えることができ、燃焼圧や燃料噴射圧に耐える被膜の表面強度を有し、低比熱で低熱伝導性の硬化物塗膜を形成することができ、アルミ合金基材のみならず、鉄系、チタン系等の金属基材上でも成膜可能な硬化物を与える新規な水性組成物及びその硬化物を提供することである。
本願発明者は、鋭意研究の結果、特定の組成を有する水性組成物が、上記本発明の目的を達成可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 内部に多孔質状または単一球状構造の中空構造を有する、二酸化ケイ素系化合物から成る中空状粉末材料と、
非中空構造の金属酸化物粉末材料と、
金属酸化物繊維材料と、
アルカリ金属ケイ酸塩類と、
水と、
を含有する水性組成物であって、
前記アルカリ金属ケイ酸塩類として少なくともケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムとを含有し、
前記中空状粉末材料の平均粒径が5μm~40μmの範囲であり、またその嵩比重が0.14~0.95g/cm3の範囲であり、耐圧強度が10Mpa以上である、
前記水性組成物。
(2) 前記金属酸化物粉末材料の平均粒径が1μm~15μmの範囲であり、その真密度が3.6以下である、(1)記載の水性組成物。
(3) 前記金属酸化物繊維材料が、チタン酸カリウムウイスカ、ウォラストナイト及び針状酸化チタンから成る群より選ばれる少なくとも1種である、(1)~(2)のいずれかに記載の水性組成物。
(4) ポリイミド樹脂をさらに含み、該ポリイミド樹脂の添加割合が、熱硬化後の被膜中の前記アルカリ金属ケイ酸塩類100重量部に対して3~50重量部の範囲である、(1)~(3)のいずれかに記載の水性組成物。
(5) 前記水性組成物中の前記水の含有量を100重量部とした場合、前記中空状粉末材料の含有量が8重量部~75重量部、前記金属酸化物粉末材料の含有量が5重量部~70重量部、前記金属酸化物繊維材料の含有量が3重量部~35重量部、前記アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が80重量部~175重量部である、(1)~(4)のいずれかに記載の水性組成物。
(6) 前記水性組成物は、少なくとも前記アルカリ金属ケイ酸塩類を含有する接着剤溶液からなる第一液と、前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料を含有する水分散液又は該水分散液に前記アルカリ金属ケイ酸塩類の少なくとも一種を含有する水分散液を第二液とした、二液系の水性組成物である、(1)~(5)のいずれかに記載の水性組成物。
(7) 前記水又は前記水に前記ケイ酸ナトリウム及び前記ケイ酸カリウムの少なくとも一種を含む液に対し、前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料を分散させる分散剤を添加した、(1)~(6)のいずれかに記載の水性組成物。
(8) 前記分散剤が水系アニオン性高分子であり、その添加量が前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料の合計重量に対して0.1~3.0重量%である(7)記載の水性組成物。
(9) (1)~(8)のいずれかに記載の水性組成物の硬化物。
(10) 金属基材上に形成された被膜の形態にある(9)記載の硬化物。
(11) 金属基材と、該金属基材上に形成された、(10)記載の硬化物から成る被膜とを具備する構造体。
(12) 前記金属基材がアルミ合金系材料から成り、前記硬化物中の前記アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が、硬化物全体の体積に対して体積基準で40%以下である、(11)記載の構造体。
(13) 前記硬化物から成る被膜が、前記金属基材に直接接する第1の硬化物層と、該第1の硬化物層上に形成された第2の硬化物層から成り、前記第2の硬化物層に含まれる前記アルカリ金属ケイ酸塩由来の固形分体積割合が、前記第1の硬化物層に含まれる前記アルカリ金属ケイ酸塩由来の固形分体積割合に対して1.05~2.0倍の範囲である、(11)又は(12)記載の構造体。
本発明の水性組成物は、塗布により基材上に施すことができ、高温、高周波衝撃に耐えることができ、燃焼圧や燃料噴射圧に耐える被膜の表面強度を有し、低比熱で低熱伝導性の硬化物塗膜を形成することができる。また、アルミ合金基材のみならず、鉄系、チタン系等の金属基材上でも成膜可能である。
(1) 中空状粉末材料
上記のとおり、本発明の水性組成物は、二酸化ケイ素系化合物から成り、特定の性質を有する中空状粉末材料を含有する。ここで、「二酸化ケイ素化合物」は、二酸化ケイ素を50重量%以上含む化合物を意味する。また、「中空」は、多孔質でも単一球状の空隙を持つものであってもよい。二酸化ケイ素化合物から成る中空状粉末材料の好ましい例としては、シラスバルーン、フライアッシュバルーン及びホウケイ酸ガラスバルーンを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。ホウケイ酸ガラスバルーンが特に好ましい。
硬化物の断熱性の観点から、中空状粉末材料の嵩比重は、0.14~0.95g/cm3の範囲であり、好ましくは0.17~0.50g/cm3の範囲である。また、中空状粉末材料の平均粒径(メディアン径 D50基準、以下、「平均粒径」は、特に断りがない限りD50基準)は、硬化物被膜の通常の厚みが30μm~100μmであることに鑑み、5μm~40μm、好ましくは5μm~25μmである。中空粒子の組成や外殻厚みによっても異なるが、平均粒径が5μm未満となると、内部空間容積の割合が相対的に小さくなり、中空構造に依拠する断熱効率が十分な効果を示さなくなると考えられる。また、平均粒径が40μmを超えてくると、粒径が被膜表面の平滑性に影響を与えてしまう点や、スプレーコートの際にはノズルの詰まりなどにも影響する為、好ましくない。
さらに、中空状粉末材料の耐圧強度は10MPa以上、好ましくは20MPa以上である。耐圧強度が10MPa以上であれば、高い表面強度を有する硬化物を得ることができる。中空状粉末材料の耐圧強度の上限は特に限定されないが、通常、耐圧強度の上限は180MPa程度である。
(2) 非中空金属酸化物粉末材料
本発明の組成物は、非中空構造の金属酸化物粉末材料を含む。非中空構造の金属酸化物粉末材料は、無機充填材として機能するものである。金属酸化物粉末材料は、塗布に適した粘度を有する組成物の貯蔵時の沈降を防止する観点から、真密度が3.6以下であることが好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。真密度の下限値は特にないが、金属酸化物粉末の真密度の下限値は、通常、2.0程度である。
この様な真密度3.6以下を示す非中空の金属酸化物粉末材料の具体例としてはクリストバライト、カオリン、タルク、非晶質シリカ、コージライト、ステアタイト、マイカ、フォルステライト、バーミキュライト、セピオライト、ガラスフレーク、チタン酸カリウム、チタン酸マグネシウムなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの材料にはシリカ分が含まれものが多く存在するが、昨今、肺胞に取り込まれ得る10μm以下の粒度のセラミック粒子に関し、特に結晶性シリカの安全性については発がん性のおそれなどから、使用濃度の規制値が強化されている。スプレー塗工などの成膜加工時に塗料の飛散を伴う施工法については、安全性の観点から職業暴露限界濃度が0.03mg/m3とされる結晶性シリカについては、極力使用量を控えるか、暴露対策の取られた施工法に限って使用することが好ましい。前記結晶性シリカの含有量を減らす為には、その含有量が少ないカオリンや、非晶質シリカ、タルクなどの、前記職業暴露限界濃度が0.1mg/m3以上の材料に置き換えることが好ましい。なお、上記の暴露限界濃度は成膜時の施工法により制約が大きく異なり、ディッピングや刷毛塗り、その他の塗料の多量の飛散を伴わない施工法、もしくはスプレー塗工であっても暴露対策などが施された施工法であれば、前記結晶性シリカ成分が多量なクリストバライトなども問題無く使用できる。
非中空の金属酸化物粉末材料の平均粒径は1μm~15μmが好ましく、さらには2μm~8μmが好ましい。平均粒径が1μm以上であると、硬化物被膜を支える骨材の機能が良好に発揮され、また、平均粒径が15μm以下であると、液相にて沈降することが低減される。平均粒径が2μm~8μmの場合、前記した中空状粉末材料と最密充填構造を構成しやすくなるので特に好ましい。
また、前記充填材粒子の好適な粒子径範囲1~15μmの前記被膜硬化物中における配合比率は、前記ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に得られる固形分重量100部に対して、7部~100部の範囲であることが好ましい。7部を下回ると十分な被膜の耐熱衝撃性が得られず、また、100部を上回ってくると被膜の自己保持性が得られず、ひびや剥離、チョーキングなどが見られ適していない。また、その他断熱性等も考慮すると充填材比率は抑えることが望ましく、より好ましい配合上限比率としては75部以下であることがより好ましい。
(3) 金属酸化物繊維材料
本発明の組成物は、さらに金属酸化物繊維材料を含む。金属酸化物繊維材料としては、チタン酸カリウムウイスカ、ウォラストナイト及び針状酸化チタンから成る群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。金属酸化物繊維の長さは、25μm以下であることが好ましく、アスペクト比が5倍~15倍程度、特に8倍~12倍程度が好ましい。金属酸化物繊維の長さの下限値は特に限定されないが、通常、長さの下限値は、4μm程度である。このような金属酸化物繊維材料は、市販されており、市販品を好ましく用いることができる。市販品の具体例としては、大塚化学社製「ティスモN」及び「ティスモD」や、石原産業社製「FTL300」、関西マテック社製「KGP-H85」などが挙げられる。
金属酸化物繊維材料を組成物中に分散させることにより、組成物の硬化後、金属酸化物繊維材料が被膜中で三次元方向に配置され、被膜の強度が増大する。
本発明の組成物は、さらにアルカリ金属ケイ酸塩類を含む。アルカリ金属ケイ酸塩類は、少なくともケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムとを含有する。アルカリ金属ケイ酸塩類を含有することにより、硬化物に常用300℃以上に耐え得る高温環境耐性の効果が得られる。
ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムの比率は、特に限定されないが、好ましくは、ケイ酸ナトリウム100重量部に対し、ケイ酸カリウム50重量部~400重量部、さらに好ましくは100重量部~200重量部である。
ケイ酸ナトリウムとしては、例えば、二ケイ酸ナトリウム、四ケイ酸ナトリウム等のケイ酸ナトリウムの単一又は混合物を用いることができる。ケイ酸ナトリウムは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、J 珪酸ソーダ1号、58珪酸ソーダ1 号、53珪酸ソーダ1号、50珪酸ソーダ1号、47珪酸ソーダ1号、38珪酸ソーダ1号、48珪酸ソーダ2号、45珪酸ソーダ2号、43珪酸ソーダ2号、J珪酸ソーダ3号、珪酸ソーダ4 号(以上、日本化学工業(株)製)等が挙げられる。これらのうち、例えばJ珪酸ソーダ1号は、ケイ酸ナトリウムの含有濃度が54.5重量%のケイ酸ナトリウム水溶液である。
ケイ酸カリウムとしては、例えば、二ケイ酸水素カリウム(四ケイ酸カリウム)、二ケイ酸カリウム等が挙げられ、これらのケイ酸カリウムが単一又は混合して用いられる。ケイ酸カリウムは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、2K珪酸カリ、A 珪酸カリ、B珪酸カリ、C珪酸カリ、1K珪酸カリ(以上、日本化学工業(株)製)等が挙げられる。これらのうち、例えば2K珪酸カリは、ケイ酸カリウムの含有濃度が30重量%のケイ酸カリウム水溶液である。
アルカリ金属ケイ酸塩類は、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムのみから成っていてもよいが、本発明の効果を損なわない範囲でケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウム以外に他のアルカリ金属ケイ酸塩を含有することができる。このアルカリ金属ケイ酸塩の例としては、ケイ酸リチウム等が挙げられる。ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウム以外のアルカリ金属ケイ酸塩類の混合比率は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されないが、通常アルカリ金属ケイ酸塩類を基準として10重量%以下である。
本発明の組成物は、分散媒として水を含む。したがって、本発明の組成物は水性である。
本発明の組成物は、さらに、ポリイミド樹脂を含むことが好ましい。ポリイミド樹脂を配合することにより、硬化被膜の脆性が改善され、耐衝撃性及び耐熱衝撃性が改善される。ポリイミド樹脂の添加量としては、熱硬化後の被膜中の前記アルカリ金属ケイ酸塩類100重量部に対して3~50重量部の範囲であることが好ましい。
ポリイミド樹脂としては、内燃機関環境が常用300℃超であることから、使用するポリイミド樹脂も耐熱性に優れたグレードが望ましく、より具体的には前記ポリイミド材の5%重量減少温度については被膜の常用温度の観点からも400℃以上を示すことが好ましい。この様なポリイミド樹脂は前記水性塗料に添加可能な形状であることが望ましく、例えばポリイミド樹脂の圧縮成形体製造用原料となる平均粒径30μm以下のポリイミド粉を採用しても良く、また水性塗装に添加可能な形態として水に溶解されたポリイミドワニスなどを採用しても良く、より具体的には水性塗料に添加後、加熱されることでポリイミド化するポリアミック酸水溶液なども好ましい。また、前記ポリイミド粉原料は汎用の前記粉末材料のみだけではなく、前記ワニス材料から作製しても良い。その際一般的にポリイミド樹脂のワニスはNMPなどの溶媒に溶解された状態で販売されているが、NMPに代わり水を溶媒とした前記ポリアミック酸水溶液などを用いても良く、これらのワニスを熱硬化させた後に粉末化させるなどして用いても良い。なお、加熱硬化時にイミド化してポリイミドとなるポリアミック酸も、本願発明でいう「ポリイミド樹脂」に該当すると解釈する。
前記の耐熱性を示すポリイミド粉としては、エボニック社のP84グレードや宇部興産のUIPシリーズなどがあり、ポリイミド水溶液としては、DSP五協社のSC-1901や宇部興産社のユピアNFなどが挙げられる。また、粉末化が可能な高耐熱性を示すポリイミドワニスとしては、宇部興産社のユピアAT,STやユニチカ社のUイミドなどが挙げられる。
前記ポリイミド粉など既にイミド化されている粉末材料などについては、加熱硬化温度の制約は無いが、前記水溶性ポリイミドワニスについては前記水性組成物に添加された後の被膜熱硬化時、またワニスについては粉末化を行う際の熱硬化時にイミド化に必要とされる200℃~300℃程度に加熱されることが望ましい。
前記ポリイミド樹脂は前記ワニスなどを使用せず、例えばパウダー状の材料を使用する場合、前記断熱被膜厚みの制限から30μm以下の粒径のパウダーを使用することが好ましい。更に好ましくは平均粒径10μm以下の微粉を採用することにより、少量の添加でも偏差無く被膜全体に分散され効果を発揮することからより好ましい。その様な微粉としては、宇部興産製の「UIP-S(平均粒径8μm)」や「UIP-R(平均粒径7μm)」などを採用することができるが、これに限られたものではない。また、前記のポリイミドワニスやポリアミック酸水溶液などを用いることで、塗料中に均一に分散することができ、少量の添加でも効果を発揮することが確認されている。
本発明の組成物中の各成分の混合比率としては、組成物中の水の含有量を100重量部とした場合、好ましくは、前記中空状粉末材料の含有量が8重量部~75重量部、前記金属酸化物粉末材料の含有量が5重量部~70重量部、前記金属酸化物繊維材料の含有量が3重量部~35重量部、前記アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が80重量部~175重量部である。
本発明の組成物は、前記の各構成成分全てを含んだ一液として使用することができる。一方、液剤製造後の可使用時間を長期に保たせたい場合には、前記ケイ酸塩類成分を除いた成分のみで水分散液を作製しておき第一の液とした上で、前記塗料の使用前に前記ケイ酸塩類成分を第二の液として混合し使用することもできる。このような二液方式とすることにより、組成物の可使用時間が長期化されることがある。
この様な前記二液方式の組成物については、ホウ素成分の様な前記ケイ酸塩類への硬化反応や強いアルカリに溶解性を示す非晶質シリカなどの成分でなければ、これらの成分を第二液のケイ酸塩類側に事前に分散しておくことも出来る。また、前記のケイ酸塩類成分を除いた前記第一の水分散液は、例えば前記第一の水分散液に、前記ケイ酸塩類成分を事前に一部添加しておいても良い。具体的には前記第一の水分散液にホウ素成分やアルカリ可溶性成分含まれる場合でも、混合される前記一部のケイ酸塩類の濃度によっては、ホウ素による硬化促進作用や非晶質シリカ等の溶解も軽微な為、可使用時間に影響を殆ど与えない為である。
さらにまた、少なくとも前記アルカリ金属ケイ酸塩類を含有する接着剤溶液からなる第一液と、前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料を含有する水分散液又は該水分散液に前記アルカリ金属ケイ酸塩類の少なくとも一種を含有する水分散液を第二液とした、二液系の水性組成物とすることもできる。
この様な対策により、二液タイプの塗料とした場合に、第一液に先んじて混ぜ合わせている前記一部のケイ酸塩類成分が前記充填材の多孔質構造内部に浸透している状態を作ることができ、後から添加する残りの第二液成分が短時間でも浸透しやすい状態にできる為である。
前記水又は前記水に前記ケイ酸ナトリウム及び前記ケイ酸カリウムの少なくとも一種を含む液に対し、前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料を分散させる分散剤を添加してもよい。ここで、好ましい分散剤として水系アニオン性高分子を挙げることができる。水系アニオン性高分子としては、水溶性ポリ(メタ)アクリル酸塩を挙げることができる。このような分散剤は、アニオン性界面活性剤等として市販されており(例えば、東亞合成社のアロングレードやサンノプコ社のノプラックスグレード、SNディスパーサントグレード等)、市販品を好ましく用いることができる(下記実施例参照)。また、このような分散剤の添加量は、前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料の合計重量に対して0.1~3.0重量%であることが好ましい。
本発明の水性組成物には、各種の酸化物粒子が混在することから、いわゆる高分子型の分散剤の使用が有効であることは上記したとおりであるが、また一方で、前記酸化物粒子を含んだ水性組成物であることから泡の抱き込みが生じ易い点から、消泡剤などを用いても良い。好ましい消泡剤としては、例えばサンノプコ社製ノプタムグレードやSNデフォーマーグレード各種等を挙げることができる。これらの消泡剤は市販されているので、市販品を好ましく用いることができる。消泡剤の添加量は、特に限定されず、適宜設定することができるが、通常、水性組成物の全量に対して0.1重量%~1.0重量%程度である。
更には水性組成物を金属基材等に成膜をする際、基材の脱脂や粗化などが十分で無い場合には、基材への濡れ性が十分に得られないケースなどもある。この様な場合には別途、湿潤剤と呼ばれる表面張力の低下を促す様な添加剤を用いても良い。好ましい湿潤剤の例としては、サンノプコ社製のSNウエットグレード等を挙げることができる。これらの湿潤剤は市販されているので、市販品を好ましく用いることができる。湿潤剤の添加量は、特に限定されず、適宜設定することができるが、通常、水性組成物の全量に対して0.1重量%~1.0重量%程度である。
本発明の組成物は、内燃機関燃焼室内壁面上に塗布することができる。組成物を塗布後、加熱することにより、塗布面に本発明の組成物の被膜が形成される。
塗布は、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、ブラシ塗り等の周知の方法により行うことができる。これらのうち、通常、スプレーコートが好ましい。また、塗布面を予め、グリッドブラスト等の物理的粗面化や、ウェットエッチングなどの化学的粗面化により粗面化しておくと、組成物が塗布面上に均一に成膜されやすくなるので好ましい。また、本発明の組成物は水性組成物であるので、塗布面に油が付着していないことが望ましいため、塗布前に塗布面を脱脂洗浄しておくことが好ましい。
スプレーコートにより塗布を行う場合、組成物の粘度は25℃において40cps~120cpsであることが好ましい。120cps以下であれば、スプレー時の噴出動作が安定しており、40cps以上であれば、保存中に各成分が沈降しにくいので好ましい。
加熱温度は、150℃~250℃が好ましい。もっとも、本発明の組成物は水性であり水を含むため、いきなり150℃~250℃で加熱すると、表面が先に硬化して中に水が閉じ込められる、いわゆる「皮張り」が発生し、後から水が蒸発することによりボイドが発生したり、界面が剥離したりすることがある。これを防止するために、100℃以下の温度、例えば50~70℃で水を蒸発させ、その後、150℃~250℃で加熱する、二段階加熱を採用することが好ましい。
硬化後の被膜の膜厚は、30μm~100μmが好ましく、特に30μm~70μmが好ましい。膜厚が100μm以下、好ましくは70μm以下の場合には、被膜の熱容量が大きくなり過ぎず、また、高温、高圧縮、高周波振動などの各種サイクル環境下での塗膜物性にエラーが生じにくいので好ましい。また、膜厚が30μm以上の場合には、平滑な被膜表面を得ることができるので好ましい。硬化後の被膜の膜厚を30μm~100μmとするためには、加熱前の塗布時の膜厚は、45μm~150μm程度が好ましい。
本発明の組成物は、基材(塗布面)がアルミニウム合金系材料から成る場合でも、使用中に組成物の成分と基材のアルミニウム合金が過剰に反応して基材の表層が脆化することがなく、従って、基材がアルミニウム合金系材料から成る場合でも問題なく使用することができる。もっとも、基材がアルミ合金系材料から成る場合、硬化物中の前記アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が、硬化物全体の体積に対して体積基準で40%以下であることが、表層の脆化を防止する上で好ましい。
また、硬化被膜を、アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が異なる二層構造とすることも可能であり、特に、基材がアルミ合金基材である場合に好ましい。すなわち、基材に直接接する第1の硬化物層を形成した後、この第1の硬化物層の上に第2の硬化物層を形成する。この場合、第2の硬化物層に含まれる前記アルカリ金属ケイ酸塩由来の固形分体積割合が、前記第1の硬化物層に含まれる前記アルカリ金属ケイ酸塩由来の固形分体積割合に対して1.05~2.0倍の範囲とすることが好ましい。また、この場合、上記のとおり、第1の硬化物層中の前記アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が、硬化物全体の体積に対して体積基準で40%以下であることが好ましい。これにより、アルカリ性の成分によるアルミ合金基材表面の脆化が防止され、かつ、第2の硬化物中の十分な濃度のアルカリ金属ケイ酸塩により、耐圧性や耐燃料噴射圧に適した硬化膜構造を達成することができる。
本発明の水性組成物は内燃機関の近傍にて用いることが可能な高い耐熱性や耐熱衝撃性、各種高周波振動にも耐えうる特性を備えた断熱被膜であり、かつ金属との密着性にも優れていることから、例えば有機被膜を用いることが困難な常用250℃以上の高温環境下における金属基材の断熱被膜として各種用途に用いることができる。
一例としては内燃機関等に近接したエキゾーストパイプやエキゾーストマニホールド等排気管内壁への断熱層としての利用である。より具体的には前記排気ガス中のHC、CO、NoXの浄化目的で一般的には三元触媒などが使用されるが、エンジン始動直後などは前記触媒の加温が十分でなく、前記触媒の活性が十分に得られない場合がある。その際、前記排気管内壁へと断熱膜を形成することにより、エンジン始動直後の排気ガスについて熱量の冷却損失を低減でき、早期に触媒を暖気することで前記浄化作用の早期発現を目的とする事例などが想定される。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。また下記に記載された水中密度とは本発明の水性組成物内における前記各種酸化物粒子と繊維について、一般的な嵩密度や真密度では、前記粒子と繊維の表面積中の開口部に取り込まれる溶液分と、閉口構造中の前記溶液が入り込めない空隙箇所の密度に与える影響を正しく勘案できないことから、次に挙げる方法にて水中における各材料の密度を導き出した。具体的には所定重量の水に対して前記各種酸化物粒子または繊維をそれぞれ個別に所定重量を投入後、十分に分散脱泡し、前記開口部に水を浸透させた分散溶液を得たその上で、前記分散溶液の体積および重量と、水の体積および重量を比較し、水中における各種粒子および繊維の水中密度として採用した。
実施例1
ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gと、純水40gとを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。このアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に固形分重量で28gとなる割合の前記ケイ酸塩類水溶液に対し、平均粒径5μmで嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.54g/ cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、平均粒径16μmで嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/ cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M社製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/ cm3かつ水中密度2.41g/ cm3相当のチタン酸カリウム繊維(大塚化学製 ティスモD)5gを、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の水性組成物を得た。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、中空粒子のみを前記iM30kから、前記の粒度範囲に収まる平均粒径であり耐圧強度の異なる中空粒子として同3M社製の平均粒径25μmのS32HS(耐圧強度=41MPa)と平均粒径20μmのiM16k(耐圧強度=110MPa) と平均粒径30μmのS28HS(耐圧強度=21MPa)と、前記3M製中空粒子と同一の化合物である平均粒径12μmのホウ珪酸ガラスバルーンとして(ポッターズバロティーニ製 110P8 耐圧強度=69MPa)とに置き換え、それぞれ使用する中空粒子の耐圧強度が異なる混合液を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして五種類の混合液を調製し、断熱塗料とした。
次いで前記の各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に300℃/5時間の熱負荷を加えた。
比較例1
実施例1の中空粒子のみ耐圧強度の劣るシラスバルーン(井川産業製 シラファインISM-F015 耐圧強度=8MPa)と、ホウ珪酸ガラスバルーン(ポッターズバロティーニ製 25P45 耐圧強度=5MPa)とし、それ以外の材料添加比率や製法は実施例1と同様とした上で、液剤二種を得て、前記実施例1と同様の手法で成膜し、熱負荷を加え、比較例の被膜二種を得た。
次に前記熱負荷後の実施例1と比較例1の被膜に対してJIS K5600のデュポン式落球衝撃試験を実施し、500mm高さからの500g鋼球落下後にそれぞれの被膜の耐衝撃性を確認した。それぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。結果を表1に記載する。
Figure 0007252689000001

また、比較例1の被膜二種の耐熱耐衝撃性試験結果について表2にまとめた。
Figure 0007252689000002

上記、表1、表2については300℃にて加熱された被膜について、使用する中空粒子の耐圧強度と被膜の耐衝撃性については相関が見られ、20MPa以上の耐圧強度の粒子を使用することで、一定の耐衝撃性を得られることが確認された。
実施例2
ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gと、純水40gとを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。このアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に固形分重量で28gとなる割合の前記ケイ酸塩類水溶液に対し、嵩比重0.21g/ cm3かつ水中密度2.54g/ cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、嵩比重0.30g/ cm3かつ水中密度0.59g/ cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/ cm3かつ水中密度2.41g/ cm3相当のチタン酸カリウム繊維(大塚化学製 ティスモD)5gを、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の水性組成物を得た。また、同様の手法で水性組成物を作成する過程で、前記の充填材のみを前記クリストバライトから、前記充填材の粒度範囲に収まる平均粒径である充填材としてASP-400Pと5MカオリンとE-75とP-3とPOAGとFF-200に置き換え、それぞれ使用する充填材が異なる混合液を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして六種類の混合液を調製し、断熱塗料とした。
実施例3
前記実施例2の混合液四種について、製作後40℃に保管の状態で24時間静置し、充填材の沈降状態を確認した。結果を下記表3に示す。
Figure 0007252689000003

実施例4
ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gと、純水40gとを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。このアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に固形分重量で28gとなる割合の前記ケイ酸塩類水溶液に対し、嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.54g/cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)をそれぞれ5g/9g/13g/17g/22gと添加量を変化させ、更にそれぞれに嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウム繊維(大塚化学製 ティスモD)5gを、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌をしながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の五種類の水性組成物を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして前記中空材料の添加量が異なる五種類の混合液を調製し、断熱塗料とした。
次いで前記の各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に300℃/5時間の熱負荷を加えた。
実施例5
前記実施例4の混合液五種から得られた熱負荷後の被膜について、JIS K5600-1-7:2014 塗料一般試験方法の5 乾燥膜厚の測定5.3質量法から被膜の厚みと重量を算出し密度を求めた。また、同時にそれぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。特に被膜のチョーキング状態についてはJIS K 5600-8-1試験の「白亜化の等級(テープ法)」に基づいて6段階での評価にてチョーキング性を確認した。結果を下記表4に示す。
Figure 0007252689000004

表4の結果の通りケイ酸塩類水溶液由来の固形分100重量部に対する中空材の重量割合が5g~22gの範囲にて、熱負荷後でも良好な被膜が得られた。
実施例6
ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gと、純水40gとを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。このアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に固形分重量で28gとなる割合の前記ケイ酸塩類水溶液に対し、嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.54g/cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製 ティスモD)5gを、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の水性組成物を得た。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、無機繊維のみを前記チタン酸カリウムウイスカから、針状酸化チタンの石原産業製「FTL-300(繊維長5.15μm)」と、関西マテック社製ウォラストナイト「KGP-H85(繊維長8μm)」に置き換え、それぞれ使用する無機繊維が異なる混合液を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして三種類の混合液を調製し、断熱塗料とした。
比較例2
前記実施例6の無機繊維を添加せず、その他の材料添加比率や製法は実施例5と同様とした上で、断熱塗料一種を得た。
次いで前記実施例6の液剤三種と比較例2の液剤一種を用いて各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に300℃/5時間の熱負荷を加えた。
実施例7
前記実施例6の混合液三種と比較例2の混合液一種から得られた熱負荷後の被膜に対してJIS K5600のデュポン式落球衝撃試験を実施し、500mm高さからの500g鋼球落下後にそれぞれの被膜の耐衝撃性を確認した。また、それぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。結果を表5に記載する。
Figure 0007252689000005

また、比較例2の被膜一種の耐熱耐衝撃性試験結果について表6にまとめた。
Figure 0007252689000006

上記、表5、表6の結果から300℃にて加熱された被膜について、耐衝撃性試験に対する繊維の有効性が確認された。
実施例8
ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gと、純水40gとを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。このアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に固形分重量で28gとなる割合の前記ケイ酸塩類水溶液に対し、嵩比重0.21/cm3かつ水中密度2.54g/cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製 ティスモD)5gと嵩密度0.38g/cm3のポリイミドパウダー(宇部興産製 UIP-S)1.3gを、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の水性組成物を得た。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、前記ポリイミドパウダーのみを3g/7g/11g/14gに置き換え、それぞれ使用するポリイミドパウダー量が異なる混合液五種を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして五種類の混合液を調製し、断熱塗料とした。
次いで前記実施例8の液剤五種を用いて各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に300℃/5時間の熱負荷を加えた。
実施例9
次に熱負荷後の実施例8の被膜に対してJIS K5600のデュポン式落球衝撃試験を実施し、500mm高さからの500g鋼球落下後にそれぞれの被膜の耐衝撃性を確認した。また、同様に得られた熱負荷後の被膜に対して、更に400℃の炉内に10分静置した状態から5秒以内に25℃の精製水に基材ごと被膜を浸漬し、急冷の熱衝撃を加えた。また、それぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。特に被膜のチョーキング状態についてはJIS K 5600-8-1試験の「白亜化の等級(テープ法)」に基づいて6段階での評価にてチョーキング性を確認した。結果を表7に記載する。
Figure 0007252689000007

表7の結果の通りケイ酸塩類由来の固形分100重量部に対するポリイミドの重量割合が4.6部~48.2gの範囲にて、400℃の熱負荷後であっても十分な耐衝撃性と耐熱衝撃性が得られた。
実施例10
ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gと、純水40gとを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。このアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に固形分重量で28gとなる割合の前記ケイ酸塩類水溶液に対し、嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.54g/cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製 ティスモD)5gと嵩密度0.38g/cm3かつ水中密度1.18g/cm3のポリイミドパウダー(宇部興産製 UIP-S)1.3gを、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌をしながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の水性組成物を得た。
この水性組成物から成る被膜硬化物100Vol%中における前記ケイ酸塩類硬化物の体積は33.3Vol%と算出された、このサンプルを「配合A」とした。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、前記充填材の種類と添加量を下記表10に記載の通り変更させ、それぞれ使用する骨材の添加重量比率を変えながらも、前記被膜硬化物100Vol%中における前記ケイ酸塩類硬化物の体積割合を40Vol%以下となる様に調整した混合液5種を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして五種類の混合液を調製し、前記ケイ酸塩類固形分体積が40Vol%以下となるように調整した断熱塗料とした。
次いで前記実施例10の液剤五種を用いて各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に300℃/5時間の熱負荷を加えた。
実施例11
次に熱負荷後の実施例10の被膜に対してJIS K5600のデュポン式落球衝撃試験を実施し、500mm高さからの500g鋼球落下後にそれぞれの被膜の耐衝撃性を確認した。また、同様に得られた熱負荷後の被膜に対して、更に500℃の炉内に10分静置した状態から5秒以内に25℃の精製水に基材ごと被膜を浸漬し、急冷の熱衝撃を加えた。また、それぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。結果を表8に記載する。
Figure 0007252689000008

表8に示される通り、前記被膜体積中に占める前記ケイ酸塩類固形分体積の割合が21~35Vol%以内であれば、500℃負荷後の耐落下衝撃、耐熱衝撃に対して良好な結果が得られた。
実施例12
ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)20gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)20gと、純水60gとを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。このアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を200℃で2時間加熱した際に固形分重量で28gとなる割合の前記ケイ酸塩類水溶液に対し、嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.16g/cm3のクリストバライト(SIBELCO社製 M6000)12g、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製 ティスモD)5gと嵩密度0.38g/cm3かつ水中密度1.18g/cm3のポリイミドパウダー(宇部興産製 UIP-S)1.3gを、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の水性組成物を得た。
この水性組成物から成る被膜硬化物100Vol%中における前記ケイ酸塩類硬化物の体積は24.5Vol%と算出された、このサンプルを「下層用液剤」とした。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、前記充填材の種類と添加量を下記表9に記載の通り変更させ、それぞれ使用する成分の添加重量比率を変えながらも、前記被膜硬化物100Vol%中における前記ケイ酸塩類硬化物の体積割合を40Vol%以下となる様に調整した混合液2種を得て、それぞれ「上層用液剤1」「上層用液剤2」とした。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして計三種類の混合液を調製し断熱塗料とした。
次いで前記実施例12の液剤三種を用いて各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に300℃/5時間の熱負荷を加えた。
実施例13
次に熱負荷後の実施例12の被膜に対してJIS K5600のデュポン式落球衝撃試験を実施し、500mm高さからの500g鋼球落下後にそれぞれの被膜の耐衝撃性を確認した。また、同様に得られた熱負荷後の被膜に対して、更に500℃の炉内に10分間静置した状態から5秒以内に25℃の精製水に基材ごと被膜を浸漬し、急冷の熱衝撃を加えた。また、それぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。結果を表9に記載する。
Figure 0007252689000009

表9の結果から、前記二層構造の被膜について、前記組み合わせA,組み合わせBの双方共に、鋼球落下衝撃後の被膜外観ならびに冷熱衝撃試験後の外観共に良好な被膜が得られている
実施例14
純水100重量部に対しケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)75重量部と、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)75重量部とを混合し、充分撹拌してアルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を調製した。また、前記純水100重量部に対し、嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.54g/cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)30重量部、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)30重量部と嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製 ティスモD)12.5重量部を、前記アルカリ金属ケイ酸塩類水溶液を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、本発明の水性組成物を得た。
この水性組成物を「配合A」とした。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、前記添加量を下記表に記載の通り変更させ、それぞれ使用する骨材の添加重量比率を変えながらも、前記純水100重量部に対しての添加範囲内となる様に調整した混合液2種を得て、それぞれ配合B、配合Cとした。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして三種類の混合液を調製し断熱塗料とした。
次いで前記実施例の液剤三種を用いて各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に対し400℃/1時間の熱負荷を加えた。
次に熱負荷後の前記実施例の被膜に対してJIS K5600のデュポン式落球衝撃試験を実施し、500mm高さからの500g鋼球落下後にそれぞれの被膜の耐衝撃性を確認した。また、同様に得られた熱負荷後の被膜に対して、更に400℃の炉内に10分間静置した状態から5秒以内に25℃の精製水に基材ごと被膜を浸漬し、急冷の熱衝撃を加えた。また、それぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。結果を表10に記載する。
Figure 0007252689000010

実施例15
純水40gと嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.54g/cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製 ティスモD)5gと嵩密度0.38g/cm3のポリイミドパウダー(宇部興産製 UIP-S)1.3gを、前記純水を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、前記ケイ酸塩を含まない状態の水性組成物を得た。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、前記ポリイミドパウダーのみを3g/7g/11g/14gに置き換え、それぞれ使用するポリイミドパウダー量が異なる混合液五種を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして五種類の混合液を調製し、接着剤成分となる前記ケイ酸塩を投入する前の主剤5種とした。
次いで前記主剤五種中の純水分40g相当に対して、前記ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gとなる様に、重量比率を調整して添加し、前記主剤とケイ酸塩類が良く混合する様にプロペラ撹拌機を用いて20分間混合し、成分比率上は前記実施例8に記載の水性組成物5種と同等の比率とした。
次いで前記実施例15の液剤五種を用いて各種断熱塗料をスプレーにて前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)上に成膜し、加熱硬化後の被膜厚みで60μmとなるように調整した。次いでこの被膜に200℃/2hrの加熱を施し成膜し、断熱被膜を得た。次いでこの被膜に300℃/5時間の熱負荷を加えた。
実施例16
次に熱負荷後の実施例15の被膜に対してJIS K5600のデュポン式落球衝撃試験を実施し、500mm高さからの500g鋼球落下後にそれぞれの被膜の耐衝撃性を確認した。また、同様に得られた熱負荷後の被膜に対して、更に400℃の炉内に10分間静置した状態から5秒以内に25℃の精製水に基材ごと被膜を浸漬し、急冷の熱衝撃を加えた。また、それぞれの被膜の状態についてはJIS K 5600-8に基づいて六段階で評価をした。特に被膜のチョーキング状態についてはJIS K 5600-8-1試験の「白亜化の等級(テープ法)」に基づいて6段階での評価にてチョーキング性を確認した。結果を表11に記載する。
Figure 0007252689000011

表11の結果の通り実施例8の断熱塗料について、接着剤成分を後添加とする二液方式にて断熱塗料を制作して成膜し、評価をした結果、接着剤成分である前記ケイ酸塩成分を後添加とする方式であっても、400℃の熱衝撃負荷後であっても十分な耐衝撃性と耐熱衝撃性が得られた。
実施例17
純水40gにサンノプコ社製高分子側分散剤SNディスパーサント5027を0.15g添加し、次いで嵩比重0.21g/cm3かつ水中密度2.54g/cm3のカオリン(竹原化学工業社製5Mカオリン)12g、嵩比重0.30g/cm3かつ水中密度0.59g/cm3相当のホウ珪酸ガラス中空粒子(3M製iM30K 耐圧強度=186MPa)12gと嵩密度0.62g/cm3かつ水中密度2.41g/cm3相当のチタン酸カリウムウイスカ(大塚化学製 ティスモD)5gと嵩密度0.38g/cm3のポリイミドパウダー(宇部興産製 UIP-S)7gを、前記純水を撹拌しながら投入し、充分撹拌の上金属酸化物粉末が充分分散したことを確認してから、さらに撹拌の回転数を上げ撹拌を継続して、前記ケイ酸塩を含まない状態の水性組成物を得た。尚、前記ディスパーサント5027の添加量は、前記無機粉末/無機粒子/無機繊維の合計重量に対して約0.5%となる様に調整した。また、同様の手法で、水性組成物を作成する過程で、前記分散剤のみを同サンノプコ社製ノプラックス6000HとSNディスパーサント2010に置き換え、それぞれ使用する分散剤種が異なる混合液三種を得た。次いで、この混合液をボールミルに移し、120分間混合した。混合時の液温は20℃から30℃になるように制御した。ボールミルの途中簡単に脱泡した。このようにして三種類の混合液を調製し、接着剤成分となる前記ケイ酸塩を投入する前の主剤三種とした。
次いで前記主剤三種中の純水分40g相当に対して、前記ケイ酸ナトリウム水溶液(J珪酸ソーダ1号)30gと、ケイ酸カリウム水溶液(2K珪酸カリ)30gとなる様に、重量比率を調整して添加し、前記主剤とケイ酸塩類が良く混合する様にプロペラ撹拌機を用いて20分間混合し、三種類の断熱塗料を得た。
次いで前記実施例17の液剤3種について、前記分散剤による分散効果の確認目的で、粒ゲージを用いてJIS-K-5600-2-5の評価方法に基づいて液剤中の粒子凝集性について確認をした。結果を表12に示す。
実施例18
前記実施例17の液剤三種について、前記分散剤による塗工液の均質化効果の確認目的で次の通りの評価を実施した。まず予めブラスト処理の上、基材の外縁部四辺にマスキングを施した前記のアルミ基材(200mm×100mm×4mm厚)を準備の上、実施例17の液剤三種をスプレーにて成膜し、成膜直後にマスキングテープを除去した。その際、テープを除去したブラスト済基材に対して毛細管現象が働きマスキング際の塗工液端部より接着剤溶液成分が滲みとして流亡するかを確認した。結果を表12に示す。
Figure 0007252689000012

表12に示す結果の通り、実施例17の断熱塗料について、高分子型アニオン系の分散剤を用いて、塗料中粒子の分散性を向上させた断熱塗料を制作して成膜し、評価をした結果、分散剤を使用した条件について、高分子型分散剤を用いた何れの方式であっても、目的の塗膜厚みを超える凝集粒子は確認されず、また毛細管現象が生じやすいブラスト処理面への塗工液端部からの溶液成分の流亡である滲みについても確認されないか、極僅かであった。上記に加え、有機成分である前記分散剤を使用しているにもかかわらず、塗膜の耐熱付加後の耐衝撃性等について劣化などは見られておらず、本実施例で添加した程度の分散剤量であれば問題の無いことについても確認をした。

Claims (13)

  1. 内部に多孔質状または単一球状構造の中空構造を有する、二酸化ケイ素系化合物から成る中空状粉末材料と、
    非中空構造の金属酸化物粉末材料と、
    金属酸化物繊維材料と、
    アルカリ金属ケイ酸塩類と、
    水と、
    を含有する水性組成物であって、
    前記アルカリ金属ケイ酸塩類として少なくともケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムとを含有し、
    前記中空状粉末材料の平均粒径が5μm~40μmの範囲であり、またその嵩比重が0.14~0.95g/cm3の範囲であり、耐圧強度が10Mpa以上である、
    前記水性組成物。
  2. 前記金属酸化物粉末材料の平均粒径が1μm~15μmの範囲であり、その真密度が3.6以下である、請求項1記載の水性組成物。
  3. 前記金属酸化物繊維材料が、チタン酸カリウムウイスカ、ウォラストナイト及び針状酸化チタンから成る群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1~2のいずれか1項に記載の水性組成物。
  4. ポリイミド樹脂をさらに含み、該ポリイミド樹脂の添加割合が、熱硬化後の被膜中の前記アルカリ金属ケイ酸塩類100重量部に対して3~50重量部の範囲である、請求項1~3のいずれか1項に記載の水性組成物。
  5. 前記水性組成物中の前記水の含有量を100重量部とした場合、前記中空状粉末材料の含有量が8重量部~75重量部、前記金属酸化物粉末材料の含有量が5重量部~70重量部、前記金属酸化物繊維材料の含有量が3重量部~35重量部、前記アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が80重量部~175重量部である、請求項1~4のいずれか1項に記載の水性組成物。
  6. 前記水性組成物は、少なくとも前記アルカリ金属ケイ酸塩類を含有する接着剤溶液からなる第一液と、前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料を含有する水分散液又は該水分散液に前記アルカリ金属ケイ酸塩類の少なくとも一種を含有する水分散液を第二液とした、二液系の水性組成物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の水性組成物。
  7. 前記水又は前記水に前記ケイ酸ナトリウム及び前記ケイ酸カリウムの少なくとも一種を含む液に対し、前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料を分散させる分散剤を添加した、請求項1~6のいずれか1項に記載の水性組成物。
  8. 前記分散剤が水系アニオン性高分子であり、その添加量が前記中空状粉末材料、前記金属酸化物粉末材料及び前記金属酸化物繊維材料の合計重量に対して0.1~3.0重量%である請求項7記載の水性組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の水性組成物の硬化物。
  10. 金属基材上に形成された被膜の形態にある請求項9記載の硬化物。
  11. 金属基材と、該金属基材上に形成された、請求項9記載の硬化物から成る被膜とを具備する構造体。
  12. 前記金属基材がアルミ合金系材料から成り、前記硬化物中の前記アルカリ金属ケイ酸塩類の含有量が、硬化物全体の体積に対して体積基準で40%以下である、請求項11記載の構造体。
  13. 前記硬化物から成る被膜が、前記金属基材に直接接する第1の硬化物層と、該第1の硬化物層上に形成された第2の硬化物層から成り、前記第2の硬化物層に含まれる前記アルカリ金属ケイ酸塩由来の固形分体積割合が、前記第1の硬化物層に含まれる前記アルカリ金属ケイ酸塩由来の固形分体積割合に対して1.05~2.0倍の範囲である、請求項11又は12記載の構造体。
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