JP2007070459A - シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及びシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料 - Google Patents

シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及びシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】 約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した、シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料を提供する。
【解決手段】 シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用した防食膜であって、約10nm〜約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂バインダーまたは無機高分子バインダー中に均一に分散してなることを特徴とするシリカ殻からなる中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料。
【選択図】 図1

Description

本発明は、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した、シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料に関するものである。
従来、アルミホイール等のアルミニウム合金を始めとする金属の保護膜としては、膜厚を厚くできるとともに塗料の焼成温度が余り高くなくて済むため、有機(合成樹脂)系塗膜が使用されてきたが、有機系塗膜には、金属表面との密着性が良くないため金属に錆が生じ易く、また汚れとの密着性が良いため塗膜表面に付着した汚れを落とし難く塗膜の美観が損なわれるという不具合があった。
そこで、このような不具合を解決するために、特許文献1においては、コロイド状シリカとオルガノアルコキシシラン部分加水分解縮合物と不飽和エチレン単量体の重合体または共重合体を主成分とする、金属部材の塗膜構造の発明について開示している。また、特許文献2においては、特定のアクリル樹脂・エポキシ樹脂・ブロックポリイソシアネート化合物・粉末シリカ及び架橋性重合体粒子を主成分とするプライマーと、同上の各成分を主成分とする厚膜プライマーとからなる、透明な防食性厚膜塗料組成物の発明について開示している。
しかし、これらの特許文献1及び特許文献2に記載の塗料組成物においても、有機化合物を使用しているため、乾燥しても塗膜が軟らかく、飛んでくる小石等からアルミホイールを守るため、4工程〜5工程の塗装→乾燥を繰り返して200μm程度の厚さまで保護塗装を行っており、塗装工程に長時間を要し、塗装ラインの長さも長くなり、コストも高くなる。さらに、保護塗装の硬度は鉛筆硬度でH程度であり、大変摩擦に弱いものであった。
そこで、本発明者らは、特許文献3において、塗装工程を短縮することによって塗装ラインも短くでき、低コスト化を図ることができるとともに、アルミニウム活性面と塗料成分とを直接結合させることができ、さらに表面硬度を向上させることができるアルミニウム表面の塗装方法及びアルミニウム用塗料の発明について開示している。
特公平7−77777号公報 特開平6−57177号公報 特開2004−154757号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載の技術においては、ポリイソシアネートとコロイダルシリカの反応塗料を使用しているため微細な連続気孔が形成されており、これらの連続気孔を伝って水が沁み込む恐れがあり、防食性が完全ではなかった。また、コロイダルシリカの粒径は約10nm〜約20nmと微小であるため、塗膜の厚さを40μm程度まで薄くすることができたが、防食膜のさらなる薄膜化の要請があった。
そこで、本発明は、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、膜厚を20μm以下まで薄くすることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料を提供することを課題とするものである。
請求項1の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用した防食膜であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂バインダーまたは無機高分子バインダーまたは有機無機複合バインダー中に均一に分散してなるものである。
請求項2の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した防食膜であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を透明有機樹脂バインダーまたは透明無機高分子バインダーまたは透明有機無機複合バインダー中に均一に分散してなるものである。
請求項3の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、請求項1または請求項2の構成において、前記防食膜の厚さは約10μmから約20μmの範囲内であるものである。
請求項4の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、前記シリカ殻からなる中空粒子は、20nm〜100nmの外径を有するものである。
請求項5の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記シリカ殻からなる中空粒子は、前記有機樹脂バインダーまたは前記透明有機樹脂バインダーまたは前記無機高分子バインダー前記透明無機高分子バインダーまたは前記有機無機複合バインダーまたは前記透明有機無機複合バインダーに対して、固形分で4重量%〜10重量%の割合で混合されているものである。
請求項6の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、前記シリカ殻からなる中空粒子は表面にイソシアネート系の表面改質剤を付加させたものである。
ここで、「イソシアネート系の表面改質剤」とは、イソシアネート基(−N=C=O)を1つ以上もった化合物からなる表面改質剤を意味する。
請求項7の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用した防食塗料であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂塗料または無機高分子塗料または有機無機複合塗料中に均一に分散してなるものである。
請求項8の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した防食塗料であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を透明有機樹脂塗料または透明無機高分子塗料または透明有機無機複合塗料中に均一に分散してなるものである。
請求項9の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、請求項7または請求項8の構成において、前記シリカ殻からなる中空粒子は20nm〜100nmの外径を有するものである。
請求項10の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、請求項7乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記シリカ殻からなる中空粒子は、前記有機樹脂塗料または前記透明有機樹脂塗料または前記無機高分子塗料または前記透明無機高分子塗料または前記有機無機複合塗料または前記透明有機無機複合塗料に対して、固形分で4重量%〜10重量%の割合で混合されているものである。
請求項11の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、請求項7乃至請求項10のいずれか1つの構成において、前記シリカ殻からなる中空粒子は表面にイソシアネート系の表面改質剤を付加させたものである。
請求項1の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用した防食膜であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂バインダーまたは無機高分子バインダーまたは有機無機複合バインダー中に均一に分散してなる。
ここで、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂(ポリエステル樹脂)中に均一分散させたものは約2.0〜約3.0の比誘電率を有するものであるから、有機樹脂の中でも比誘電率が小さいエポキシ樹脂(比誘電率約0.4)よりもさらに比誘電率が小さく、優れた絶縁性を示す。
そして、シリカ殻からなるナノ中空粒子はその粒子径が約10nmから約300nmまでと小さいため、充分な防食性能を得るためにシリカ殻からなるナノ中空粒子を50層以上積層しても、約20μm以下と極めて薄い膜厚で充分な防食性能を得ることができ、低コストで形成できるとともに剥がれ難い丈夫な防食膜を得ることができる。
さらに、シリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂バインダーまたは無機高分子バインダー中または有機無機複合バインダーに均一に分散してなる防食膜は、反応で発泡を起こして気孔を生じさせて絶縁性を高めるものではなく、シリカ殻からなる中空粒子の中空性によって絶縁性を高めるものであるから、連続気孔が形成される恐れがなくシリカ殻からなる中空粒子による独立気孔であり、水が沁み込む恐れがない。
このようにして、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、膜厚を20μm以下まで薄くすることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜となる。
請求項2の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した防食膜であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を透明有機樹脂バインダーまたは透明無機高分子バインダーまたは透明有機無機複合バインダー中に均一に分散してなる。
これによって、本発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、請求項1の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜と同じく、約20μm以下の薄い膜でも優れた防食性能を示すとともに、シリカ殻からなるナノ中空粒子は壁厚さが数nm〜数10nmとごく薄いためほぼ完全に透明であり、このため透明膜中に均一分散することによって、形成された防食膜はほぼ完全に透明なものとなる。
したがって、基材の外観を全く損ねることなく、また変化させることなく、基材の腐食を完全に防止することができる防食膜となる。
このようにして、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、膜厚を20μm以下まで薄くすることができ、基材の外観を全く損ねることなく、また変化させることなく、基材の腐食を完全に防止することができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜となる。
請求項3の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、防食膜の厚さが約10μmから約20μmの範囲内である。
上述の如く、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂中に均一分散させたものは約2.0〜約3.0の比誘電率を有し、優れた絶縁性を示すとともに、シリカ殻からなるナノ中空粒子はその粒子径が約10nmから約300nmまでと小さいため、充分な防食性能を得るためにシリカ殻からなるナノ中空粒子を50層以上積層しても、約20μm以下と極めて薄い塗膜で充分な防食性能を得ることができる。一方、確実に充分な防食性能を得るためには、防食膜の厚さが約10μm以上は必要である。
このようにして、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、厚さが約10μmから約20μmの範囲内と極めて薄い膜厚で充分な防食性能を得ることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜となる。
請求項4の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、シリカ殻からなる中空粒子が20nm〜100nmの外径、より好ましくは30nm〜70nmの外径を有する。
約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の中でも、20nm〜100nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子がより製造し易く、(透明)有機樹脂バインダーまたは(透明)無機高分子バインダーまたは(透明)有機無機複合バインダー中に均一に分散させることが容易である。そして、防食性を高めるために約200層までのシリカ殻からなる中空粒子を積層させた場合でも、膜厚を20μm以下に薄くすることができる。さらに、より好ましくは、30nm〜70nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を用いることによって、膜厚を20μm以下に薄く抑えながらより防食性を向上させることができる。
このようにして、20nm〜100nmの外径、より好ましくは30nm〜70nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、より防食性を向上させつつ膜厚を20μm以下まで薄くすることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜となる。
請求項5の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、請求項1乃至請求項4のいずれか1つの構成において、前記シリカ殻からなる中空粒子は、前記有機樹脂バインダーまたは前記透明有機樹脂バインダーまたは前記無機高分子バインダー前記透明無機高分子バインダーまたは前記有機無機複合バインダーまたは前記透明有機無機複合バインダーに対して、固形分で4重量%〜10重量%の割合で混合されているものである。
シリカ殻からなるナノ中空粒子は中空であるため比重が小さく、固形分で4重量%混合するだけでも防食膜中に占める体積%は充分に大きく、防食膜の絶縁性を高めて防食性を向上させることができる。一方、混合量が固形分で10重量%を超えると、粘性が高くなって取扱いがし難くなる。したがって、シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料におけるシリカ殻からなる中空粒子の混合量は、有機樹脂バインダー等に対して固形分で4重量%〜10重量%の割合が最も適切である。
このようにして、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くすることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜となる。
請求項6の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜は、シリカ殻からなる中空粒子が表面にイソシアネート系の表面改質剤を付加させたものである。
ここで、前述の如く、「イソシアネート系の表面改質剤」とは、イソシアネート基(−N=C=O)を1つ以上もった化合物からなる表面改質剤を意味するものであり、具体例としては、アルキル基にイソシアネート基が3個結合したトリイソシアネート化合物、トリエトキシプロピルイソシアネートシラン(TEIS)、等がある。
このようなイソシアネート系の表面改質剤を、シリカ殻からなる中空粒子の表面に存在する水酸基(−OH)を介して付加させ、シリカ殻からなる中空粒子の全表面をイソシアネート系の表面改質剤でコーティングすることによって、再凝集を防止することができて分散性が向上し、また有機樹脂等に混合する場合にも有機樹脂等の活性基とイソシアネート基とが反応することによって、有機樹脂等とシリカ殻からなる中空粒子との強固な結合が得られる。
このようにして、有機樹脂等に混合する場合に分散性が向上するとともに有機樹脂等とシリカ殻からなる中空粒子との強固な結合が得られる、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用したシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜となる。
請求項7の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用した防食塗料であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂塗料または無機高分子塗料または有機無機複合塗料中に均一に分散してなる。
ここで、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂塗料(ポリエステル樹脂塗料)中に均一分散させたものは約2.0〜約3.0の比誘電率を有するものであるから、有機樹脂の中でも比誘電率が小さいエポキシ樹脂(比誘電率約0.4)よりもさらに比誘電率が小さく、優れた絶縁性を示す。
そして、シリカ殻からなるナノ中空粒子はその粒子径が約10nmから約300nmまでと小さいため、充分な防食性能を得るためにシリカ殻からなるナノ中空粒子を50層以上積層するように塗布しても、約20μm以下と極めて薄い塗膜で充分な防食性能を得ることができ、低コストで形成できるとともに剥がれ難い丈夫な防食塗膜を得ることができる。
さらに、シリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂塗料または無機高分子塗料中に均一に分散してなる防食塗料を塗布して形成される塗膜は、反応で発泡を起こして気孔を生じさせて絶縁性を高めるものではなく、シリカ殻からなる中空粒子の中空性によって絶縁性を高めるものであるから、連続気孔が形成される恐れがなくシリカ殻からなる中空粒子による独立気孔であり、水が沁み込む恐れがない。
このようにして、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くすることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料となる。
請求項8の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した防食塗料であって、約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を透明有機樹脂塗料または透明無機高分子塗料または透明有機無機複合塗料中に均一に分散してなる。
これによって、本発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、請求項4の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料と同じく、約20μm以下の薄い塗膜でも優れた防食性能を示すとともに、シリカ殻からなるナノ中空粒子は壁厚さが数nm〜数10nmとごく薄いためほぼ完全に透明であり、このため透明塗料中に均一分散することによって、形成された防食塗膜はほぼ完全に透明なものとなる。
したがって、基材に塗布することによって、基材の外観を全く損ねることなく、また変化させることなく、基材の腐食を完全に防止することができる防食塗料となる。
このようにして、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くすることができ、基材の外観を全く損ねることなく、また変化させることなく、基材の腐食を完全に防止することができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料となる。
請求項9の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、シリカ殻からなる中空粒子が20nm〜100nmの外径、より好ましくは30nm〜70nmの外径を有する。
約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の中でも、20nm〜100nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子がより製造し易く、(透明)有機樹脂塗料または(透明)無機高分子塗料または(透明)有機無機複合塗料中に均一に分散させることが容易である。そして、防食性を高めるために約200層までのシリカ殻からなる中空粒子を積層させた場合でも、膜厚を20μm以下に薄くすることができる。さらに、より好ましくは、30nm〜70nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を用いることによって、膜厚を20μm以下に薄く抑えながらより防食性を向上させることができる。
このようにして、20nm〜100nmの外径、より好ましくは30nm〜70nmの外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、より防食性を向上させつつ膜厚を20μm以下まで薄くすることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料となる。
請求項10の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、シリカ殻からなる中空粒子が、有機樹脂塗料または透明有機樹脂塗料または無機高分子塗料または透明無機高分子塗料または有機無機複合塗料または透明有機無機複合塗料に対して、固形分で4重量%〜10重量%の割合で混合されている。
シリカ殻からなるナノ中空粒子は中空であるため比重が小さく、固形分で4重量%混合するだけでも防食塗膜中に占める体積%は充分に大きく、防食塗膜の絶縁性を高めて防食性を向上させることができる。一方、混合量が固形分で10重量%を超えると、粘性が高くなって取扱いがし難くなる。したがって、シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料におけるシリカ殻からなる中空粒子の混合量は、有機樹脂塗料等に対して固形分で4重量%〜10重量%の割合が最も適切である。
このようにして、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くすることができるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料となる。
請求項11の発明にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料は、シリカ殻からなる中空粒子が表面にイソシアネート系の表面改質剤を付加させたものである。
ここで、前述の如く、「イソシアネート系の表面改質剤」とは、イソシアネート基(−N=C=O)を1つ以上もった化合物からなる表面改質剤を意味するものであり、具体例としては、アルキル基にイソシアネート基が3個結合したトリイソシアネート化合物、トリエトキシプロピルイソシアネートシラン(TEIS)、等がある。
このようなイソシアネート系の表面改質剤を、シリカ殻からなる中空粒子の表面に存在する水酸基(−OH)を介して付加させ、シリカ殻からなる中空粒子の全表面をイソシアネート系の表面改質剤でコーティングすることによって、再凝集を防止することができて分散性が向上し、また有機樹脂等に混合する場合にも有機樹脂等の活性基とイソシアネート基とが反応することによって、有機樹脂等とシリカ殻からなる中空粒子との強固な結合が得られる。
このようにして、有機樹脂等に混合する場合に分散性が向上するとともに有機樹脂等とシリカ殻からなる中空粒子との強固な結合が得られる、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用したシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1にかかる防食膜及び防食塗料について、図1乃至図3を参照して説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1にかかる防食塗料を用いて形成した防食膜付き試験片の全体構成を示す斜視図、(b)は防食膜付き試験片の構成を示す部分断面図である。図2は本発明の実施の形態1にかかる防食塗料の製造工程を示すフローチャートである。図3は本発明の実施の形態1にかかる防食塗料を用いて形成した防食膜付き試験片の製造工程を示すフローチャートである。
図1(a)に示されるように、本実施の形態1にかかる防食膜付き試験片1は、長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2の表面の酸化膜をサンドブラストで除去した後に、本実施の形態1にかかる防食塗料をスプレー塗装して防食膜3を形成したものである。
本実施の形態1にかかる防食塗料は、イソシアネート系塗料に約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、図1(b)に示されるように、本実施の形態1にかかる防食膜3においては、本実施の形態1にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、イソシアネート系塗膜5中に、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのシリカ殻からなる中空粒子4を均一に分散させてなる。
本実施の形態1にかかる防食塗料の配合は、表1に示される実施例1の通りである。
Figure 2007070459
表1に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子4の固形分配合比は4重量%であり、必要最小限のシリカ殻からなる中空粒子4を配合している。また、溶剤としては、有機樹脂が溶解し易いキシレン(オルト,メタ,パラの3異性体の混合物)を使用している。
まず、本実施の形態1にかかる実施例1の防食塗料6の製造方法について、図2を参照して説明する。図2に示されるように、最初に、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのシリカ殻からなる中空粒子4を製造する(ステップS10)。
ここで、一般的な約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の製造方法の概略について説明する。75容量%以上の水中に、コロイド状炭酸カルシウム、シリコンアルコキシド、及び塩基触媒を投入して混合し、コロイド状炭酸カルシウム表面に、シリコンアルコキシドの加水分解反応によって生成するシリカを析出させる。その後、酸処理することによって、シリカ層内部の炭酸カルシウムを溶解させる。そして、脱水した後に400℃〜800℃で焼成処理する。この結果、約10nmから約300nmの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子が製造される。
本実施の形態1においては、コロイド状炭酸カルシウムの粒径を制御することによって、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのシリカ殻からなる中空粒子4を製造している。また、800℃で焼成処理することによって、シリカ殻がより緻密になるため、800℃で焼成処理している。一方、有機溶媒のキシレン80重量部にアクリル樹脂10.97重量部を溶解させて、アクリル樹脂溶液を作製する(ステップS11)。このアクリル樹脂溶液中に、ステップS10で製造した約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのシリカ殻からなる中空粒子4を0.80重量部混合する(ステップS12)。
そして、分散機を用いて、アクリル樹脂溶液中にシリカ殻からなる中空粒子4を均一に分散させる(ステップS13)。ここで、平均粒径50nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子4は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。その後、ブロック型イソシアネートを8.23重量部追加して攪拌し(ステップS14)、均一な溶液として、本実施の形態1にかかる防食塗料6が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態1にかかる防食塗料6を用いた防食膜付き試験片の製造方法について、図3を参照して説明する。本実施の形態1においては、基材として上述の如く長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2をサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する(ステップS16)。サンドブラスト処理の条件としては、平均粒子径40μmのアルミナ粒子を秒速60mで吹き付けて行った。
次に、スプレーガンを用いて、防食塗料6を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装する(ステップS17)。そして、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する(ステップS18)。キシレンの沸点は約140℃であるため溶媒のキシレンは完全に除去されるとともに、ブロック型イソシアネートのブロックが外れてアクリル樹脂と反応し、図1(b)に示されるように、強固な構造の有機樹脂5中に平均粒径50nmのシリカ殻からなる中空粒子4が均一に分散した防食膜3となる。
放冷後、乾燥炉から防食膜付き試験片1を取り出す(ステップS19)。こうして完成した防食膜付き試験片1の防食膜3の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片1の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。240時間までとしたのは、自動車メーカー等の防食性の基準が、「キャス試験で240時間まで異常が発生しないこと」となっているため、240時間を超える試験は必要がないからである。この結果、防食膜付き試験片1は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態1にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜3及び防食塗料6は、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子4の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2にかかる防食膜及び防食塗料について、図4乃至図6を参照して説明する。
図4は本発明の実施の形態2にかかる防食膜及び防食塗料を製造するために用いられるコーティングシリカ殻からなる中空粒子の製造工程を示す模式図である。図5(a)は本発明の実施の形態2にかかる防食塗料を用いて形成した防食膜付き試験片の全体構成を示す斜視図、(b)は防食膜付き試験片の構成を示す部分断面図である。図6は本発明の実施の形態2にかかる防食塗料の製造工程を示すフローチャートである。
上記実施の形態1において用いられているシリカ殻からなるナノ中空粒子4は、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒子径50nmの微粒子であるため、凝集し易く、分散させるために分散機による強力な攪拌が必要であった。これに対して、図4に示されるように、本実施の形態2にかかるコーティングシリカ殻からなる中空粒子10は、シリカ殻からなるナノ中空粒子4の表面がイソシアネート系表面改質剤7で覆われているために、凝集し難く分散が容易である。
本実施の形態2にかかるコーティングシリカ殻からなる中空粒子10の製造工程について、図4を参照して説明する。図4に示されるように、シリカ殻からなるナノ中空粒子4の表面には水酸基が無数に付いている。図4においては、反応が分かり易いように、無数の水酸基のうち3つのみを示している。これに対して、イソシアネート系表面改質剤としてのトリエトキシプロピルイソシアネートシラン(以下、「TEIS」とも言う。)7を、キシレンを溶媒としてオートクレーブ中でキシレンの超臨界状態において2時間反応させることによって、TEIS30のエトキシ基の3つ全部がシリカ殻からなるナノ中空粒子4の表面の水酸基と縮合して、シリカ殻からなるナノ中空粒子4の表面に結合する。
このようにして、シリカ殻からなるナノ中空粒子4の表面の無数の水酸基とTEIS7が反応することによって、シリカ殻からなるナノ中空粒子4の表面がTEIS7で覆われて、本実施の形態2にかかるコーティングシリカ殻からなる中空粒子10が形成される。これによって、凝集し難く分散が容易であるばかりでなく、イソシアネート基が有機樹脂の活性基と反応して有機樹脂と強固な結合を作ることにより、さらに有機樹脂中への均一分散が行い易いコーティングシリカ殻からなる中空粒子10となる。
図5(a)に示されるように、本実施の形態2にかかる防食膜付き試験片8は、長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2の表面の酸化膜をサンドブラストで除去した後に、本実施の形態2にかかる防食塗料をスプレー塗装して防食膜9を形成したものである。
本実施の形態2にかかる防食塗料は、イソシアネート系塗料に約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するコーティングシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、図5(b)に示されるように、本実施の形態2にかかる防食膜9においては、本実施の形態2にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、イソシアネート系塗膜5中に、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのコーティングシリカ殻からなる中空粒子10を均一に分散させてなる。
本実施の形態2にかかる防食塗料の配合は、表2に示される実施例2の通りである。
Figure 2007070459
表2に示されるように、本実施の形態2にかかる実施例2の防食塗料の配合は、実施の形態1にかかる実施例1の防食塗料におけるシリカ殻からなる中空粒子4がコーティングシリカ殻からなる中空粒子10に変わっただけで、それぞれの配合比は全く同一となっている。即ち、コーティングシリカ殻からなる中空粒子10の固形分配合比は4重量%であり、必要最小限のコーティングシリカ殻からなる中空粒子10を配合している。また、溶剤としては、有機樹脂が溶解し易いキシレン(オルト,メタ,パラの3異性体の混合物)を使用している。
本実施の形態2にかかる実施例2の防食塗料11の製造方法について、図6を参照して説明する。図6に示されるように、最初に、図4で説明したようにして、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのコーティングシリカ殻からなる中空粒子10を製造する(ステップS20)。
一方、有機溶媒のキシレン80重量部にアクリル樹脂10.97重量部を溶解させて、アクリル樹脂溶液を作製する(ステップS21)。このアクリル樹脂溶液中に、ステップS20で製造した約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのコーティングシリカ殻からなる中空粒子10を0.80重量部混合する(ステップS22)。
そして、攪拌することによって、アクリル樹脂溶液中にシリカ殻からなる中空粒子4を均一に分散させる。ここで、コーティングシリカ殻からなる中空粒子10は凝集し難く分散し易いため、分散機で強力な攪拌を行う必要はない。その後、ブロック型イソシアネートを8.23重量部追加してさらに攪拌し(ステップS23)、均一な溶液として、本実施の形態2にかかる防食塗料11が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態2にかかる防食塗料11を用いた防食膜付き試験片の製造方法について、実施の形態1の図3を参考にして説明する。本実施の形態2においては、図3のステップS17における「防食塗料6」が「防食塗料11」に変わるだけで、後は実施の形態1の図3と同様である。
即ち、まずアルミニウム板2をサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する(ステップS16)。次に、スプレーガンを用いて、防食塗料11を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装する(ステップS17)。そして、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する(ステップS18)。キシレンの沸点は約140℃であるため溶媒のキシレンは完全に除去されるとともに、ブロック型イソシアネートのブロックが外れてアクリル樹脂と反応し、図5(b)に示されるように、強固な構造の有機樹脂5中に平均粒径50nmのコーティングシリカ殻からなる中空粒子10が均一に分散した防食膜9となる。
放冷後、乾燥炉から防食膜付き試験片8を取り出す(ステップS19)。こうして完成した防食膜付き試験片8の防食膜9の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.0であり、実施の形態1よりもさらに小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片8の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、防食膜付き試験片8は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態2にかかるコーティングシリカ殻からなる中空粒子10を用いた防食膜9及び防食塗料11は、有機樹脂等に混合する場合に分散性が向上するとともに有機樹脂等とシリカ殻からなる中空粒子との強固な結合が得られ、シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した優れた防食性を有する。
実施の形態3
次に、本発明の実施の形態3にかかる防食膜及び防食塗料について説明する。
本実施の形態3にかかる防食塗料は、無機高分子塗料としてのアルキルシリケート加水分解塗料に約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、本実施の形態3にかかる防食膜においては、本実施の形態3にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、アルキルシリケート加水分解塗膜中に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなる。
本実施の形態3にかかる防食塗料の配合は、表3に示される実施例3の通りである。
Figure 2007070459
表3に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子の固形分配合比は4.15重量%であり、必要最小限のシリカ殻からなる中空粒子を配合している。また、溶剤としては、アルキルシリケート加水分解溶液が溶解し易いイソプロピルアルコール(IPA)を使用している。
まず、本実施の形態3にかかる実施例3の防食塗料の製造方法について説明する。最初に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を製造する。本実施の形態3においては、コロイド状炭酸カルシウムの粒径を制御することによって、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を製造している。また、800℃で焼成処理することによって、シリカ殻がより緻密になるため、800℃で焼成処理している。
一方、有機溶媒のIPA4.73重量部にアルキルシリケート加水分解溶液94.65重量部を混合して、さらに約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を0.62重量部混合する。そして、分散機を用いて、混合溶液中にシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させる。ここで、平均粒径70nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。こうして、均一な溶液として、本実施の形態3にかかる無機高分子系の防食塗料が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態3にかかる防食塗料を用いた、防食膜付き試験片の製造方法について説明する。本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、基材として長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2を実施の形態1と同様の条件でサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する。
次に、スプレーガンを用いて、無機高分子系の防食塗料を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装して、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する。これによって、強固な構造の無機高分子塗膜中に平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子が均一に分散した防食膜となる。こうして完成した防食膜付き試験片の防食膜の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、本実施の形態3にかかる無機高分子系の防食膜付き試験片は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態3にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料は、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
実施の形態4
次に、本発明の実施の形態4にかかる防食膜及び防食塗料について説明する。
本実施の形態4にかかる防食塗料は、無機高分子塗料としての水ガラス組成液塗料に約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、本実施の形態4にかかる防食膜においては、本実施の形態4にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、水ガラス組成液塗膜中に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなる。
本実施の形態4にかかる防食塗料の配合は、表4に示される実施例4の通りである。
Figure 2007070459
表4に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子の固形分配合比は4.05重量%であり、必要最小限のシリカ殻からなる中空粒子を配合している。また、溶剤としては、水ガラス組成液が溶解し易い水を使用している。
本実施の形態4にかかる実施例4の防食塗料の製造方法について説明する。約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子の製造方法については、上記実施の形態3と同様である。
一方、溶媒の水33.06重量部に水ガラス組成液66.12重量部を混合して、この水溶液にさらに約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を0.83重量部混合する。そして、分散機を用いて、水溶液中にシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させる。ここで、平均粒径70nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。こうして、均一な溶液として、本実施の形態4にかかる無機高分子系の防食塗料が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態4にかかる防食塗料を用いた、防食膜付き試験片の製造方法について説明する。本実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、基材として長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2を実施の形態1と同様の条件でサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する。
次に、スプレーガンを用いて、無機高分子系の防食塗料を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装して、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する。これによって、強固な構造の無機高分子塗膜中に平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子が均一に分散した防食膜となる。こうして完成した防食膜付き試験片の防食膜の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、本実施の形態4にかかる無機高分子系の防食膜付き試験片は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態4にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料は、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
実施の形態5
次に、本発明の実施の形態5にかかる防食膜及び防食塗料について説明する。
本実施の形態5にかかる防食塗料は、無機高分子塗料としてのリン酸アルミニウム塗料に約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、本実施の形態5にかかる防食膜においては、本実施の形態5にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、リン酸アルミニウム塗膜中に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなる。
本実施の形態5にかかる防食塗料の配合は、表5に示される実施例5の通りである。
Figure 2007070459
表5に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子の固形分配合比は5.88重量%であり、また溶剤としては、リン酸アルミニウムが溶解し易い水を使用している。
本実施の形態5にかかる実施例5の防食塗料の製造方法について説明する。約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子の製造方法については、上記実施の形態3と同様である。
一方、溶媒の水34.78重量部に第一リン酸アルミニウム57.97重量部及び重合剤としての酸化マグネシウム5.80重量部を混合して、この水溶液にさらに約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を1.45重量部混合する。そして、分散機を用いて、リン酸アルミニウム水溶液中にシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させる。ここで、平均粒径70nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。こうして、均一な溶液として、本実施の形態5にかかる無機高分子系の防食塗料が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態5にかかる防食塗料を用いた、防食膜付き試験片の製造方法について説明する。本実施の形態5においても、実施の形態1と同様に、基材として長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2を実施の形態1と同様の条件でサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する。
次に、スプレーガンを用いて、無機高分子系の防食塗料を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装して、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する。これによって、強固な構造の無機高分子塗膜中に平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子が均一に分散した防食膜となる。こうして完成した防食膜付き試験片の防食膜の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、本実施の形態5にかかる無機高分子系の防食膜付き試験片は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態5にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料は、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
実施の形態6
次に、本発明の実施の形態6にかかる防食膜及び防食塗料について説明する。
本実施の形態6にかかる防食塗料は、有機無機複合塗料としてのコロイダルシリカ/イソシアネート複合体塗料に約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、本実施の形態6にかかる防食膜においては、本実施の形態6にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、コロイダルシリカ/イソシアネート複合体塗膜中に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなる。
本実施の形態6にかかる防食塗料の配合は、表6に示される実施例6の通りである。
Figure 2007070459
表6に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子の固形分配合比は4.13重量%であり、また溶剤としては、コロイダルシリカとしてのキシレン分散シリカゾルが溶解し易いキシレンを使用している。
本実施の形態6にかかる実施例6の防食塗料の製造方法について説明する。約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子の製造方法については、上記実施の形態3と同様である。
一方、溶媒のキシレン43.65重量部にキシレン分散シリカゾル43.65重量部及びブロックイソシアネート10.91重量部を混合して、この溶液にさらに約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を0.92重量部混合するとともに、分散性を向上させるためにブチルセロソルブ0.87重量部を混合する。そして、分散機を用いて、キシレン溶液中にシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させる。ここで、平均粒径70nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。こうして、均一な溶液として、本実施の形態6にかかるコロイダルシリカ/イソシアネート複合体の防食塗料が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態6にかかる防食塗料を用いた、防食膜付き試験片の製造方法について説明する。本実施の形態6においても、実施の形態1と同様に、基材として長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2を実施の形態1と同様の条件でサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する。
次に、スプレーガンを用いて、有機無機複合系の防食塗料を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装して、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する。これによって、強固な構造の有機無機複合塗膜中に平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子が均一に分散した防食膜となる。こうして完成した防食膜付き試験片の防食膜の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、本実施の形態6にかかる有機無機複合系の防食膜付き試験片は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態6にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料は、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
実施の形態7
次に、本発明の実施の形態7にかかる防食膜及び防食塗料について説明する。
本実施の形態7にかかる防食塗料は、有機無機複合塗料としてのコロイダルシリカ/イソシアネート複合体塗料に約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、本実施の形態7にかかる防食膜においては、本実施の形態7にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、コロイダルシリカ/イソシアネート複合体塗膜中に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなる。
本実施の形態7にかかる防食塗料の配合は、表7に示される実施例7の通りである。
Figure 2007070459
表7に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子の固形分配合比は4.00重量%であり、また溶剤としては、コロイダルシリカとしての水分散シリカゾルが溶解し易い水を使用している。
本実施の形態7にかかる実施例7の防食塗料の製造方法について説明する。約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子の製造方法については、上記実施の形態3と同様である。
一方、溶媒の水25.16重量部に水分散シリカゾル41.93重量部及びブロックイソシアネート31.87重量部を混合して、この溶液にさらに約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を1.05重量部混合する。そして、分散機を用いて、水溶液中にシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させる。ここで、平均粒径70nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。こうして、均一な溶液として、本実施の形態7にかかるコロイダルシリカ/イソシアネート複合体の防食塗料が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態7にかかる防食塗料を用いた、防食膜付き試験片の製造方法について説明する。本実施の形態7においても、実施の形態1と同様に、基材として長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2を実施の形態1と同様の条件でサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する。
次に、スプレーガンを用いて、有機無機複合系の防食塗料を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装して、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する。これによって、強固な構造の有機無機複合塗膜中に平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子が均一に分散した防食膜となる。こうして完成した防食膜付き試験片の防食膜の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、本実施の形態7にかかる有機無機複合系の防食膜付き試験片は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態7にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料は、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
実施の形態8
次に、本発明の実施の形態8にかかる防食膜及び防食塗料について説明する。
本実施の形態8にかかる防食塗料は、有機樹脂エマルジョン塗料としてのポリイミドエマルジョン塗料に約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、本実施の形態8にかかる防食膜においては、本実施の形態8にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、ポリイミドエマルジョン塗膜中に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなる。
本実施の形態8にかかる防食塗料の配合は、表8に示される実施例8の通りである。
Figure 2007070459
表8に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子の固形分配合比は7.69重量%であり、また溶剤としては、有機樹脂エマルジョンとしてのポリイミドエマルジョンが溶解し易い水を使用している。
本実施の形態8にかかる実施例8の防食塗料の製造方法について説明する。約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子の製造方法については、上記実施の形態3と同様である。
一方、溶媒の水36.92重量部にポリイミドエマルジョン61.54重量部を混合して、この水溶液にさらに約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を1.54重量部混合する。そして、分散機を用いて、水溶液中にシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させる。ここで、平均粒径70nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。こうして、均一な溶液として、本実施の形態8にかかるポリイミドエマルジョンの防食塗料が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態8にかかる防食塗料を用いた、防食膜付き試験片の製造方法について説明する。本実施の形態8においても、実施の形態1と同様に、基材として長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2を実施の形態1と同様の条件でサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する。
次に、スプレーガンを用いて、有機エマルジョン系の防食塗料を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装して、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する。これによって、強固な構造の有機エマルジョン塗膜中に平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子が均一に分散した防食膜となる。こうして完成した防食膜付き試験片の防食膜の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、本実施の形態8にかかる有機エマルジョン系の防食膜付き試験片は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態8にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料は、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
実施の形態9
次に、本発明の実施の形態9にかかる防食膜及び防食塗料について説明する。
本実施の形態9にかかる防食塗料は、有機樹脂塗料としてのポリイミドシリコーン塗料に約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなるものであり、本実施の形態9にかかる防食膜においては、本実施の形態9にかかる防食塗料をスプレー塗装して焼付け乾燥することによって、ポリイミドシリコーン塗膜中に、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させてなる。
本実施の形態9にかかる防食塗料の配合は、表9に示される実施例9の通りである。
Figure 2007070459
表9に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子の固形分配合比は7.69重量%であり、また溶剤としては、有機樹脂としてのポリイミドシリコーンが溶解し易いキシレンを使用している。
本実施の形態9にかかる実施例9の防食塗料の製造方法について説明する。約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子の製造方法については、上記実施の形態3と同様である。
一方、溶媒のキシレン36.92重量部にポリイミドシリコーン61.54重量部を混合して、この溶液にさらに約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有する平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子を1.54重量部混合する。そして、分散機を用いて、溶液中にシリカ殻からなる中空粒子を均一に分散させる。ここで、平均粒径70nmの微小なシリカ殻からなる中空粒子は凝集し易いため、分散機で強力な攪拌を行って均一に分散させる必要がある。こうして、均一な溶液として、本実施の形態9にかかるポリイミドシリコーンの防食塗料が完成する。
次に、こうして製造した本実施の形態9にかかる防食塗料を用いた、防食膜付き試験片の製造方法について説明する。本実施の形態9においても、実施の形態1と同様に、基材として長さ150mm、幅70mm、厚さ5mmのアルミニウム板2を使用する。まず、アルミニウム板2を実施の形態1と同様の条件でサンドブラスト処理して、表面の酸化膜を除去する。
次に、スプレーガンを用いて、有機樹脂系の防食塗料を酸化膜が除去されたアルミニウム板表面にスプレー塗装して、自然乾燥させた後、乾燥炉に入れて、170℃で30分間焼付け乾燥する。これによって、強固な構造の有機樹脂塗膜中に平均粒径70nmのシリカ殻からなる中空粒子が均一に分散した防食膜となる。こうして完成した防食膜付き試験片の防食膜の厚さは約15μmであり、比誘電率を測定したところ測定値は2.5であり、充分に小さい値が得られた。
この防食膜付き試験片の防食性を調べるために、キャス(CASS)試験を行った。キャス試験は、JIS H8681に準拠して、240時間まで行った。この結果、本実施の形態9にかかる有機エマルジョン系の防食膜付き試験片は、キャス試験を240時間行っても全く異常が発生せず、防食性に優れていることが分かった。
このようにして、本実施の形態9にかかるシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜及び防食塗料は、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用して、取扱いがし易くかつ確実に防食性を向上させることができ、独立気孔で水が沁み込む恐れがなく、塗膜の厚さを20μm以下まで薄くしても優れた防食性を得ることができる。
上記各実施の形態においては、シリカ殻からなるナノ中空粒子として、約30nmから約70nmまでの範囲の外径を有する平均粒径50nmのシリカ殻からなる中空粒子4、約50nmから約90nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子、及びコーティングシリカ殻からなる中空粒子10を用いた場合について説明したが、約10nmから約300nmまでの範囲の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子及びコーティングシリカ殻からなる中空粒子を用いた場合においても、同様な作用効果を得ることができる。
本発明を実施するに際しては、シリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜、防食塗料のその他の部分の構成、成分、形状、数量、材質、大きさ、製造方法等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
図1(a)は本発明の実施の形態1にかかる防食塗料を用いて形成した防食膜付き試験片の全体構成を示す斜視図、(b)は防食膜付き試験片の構成を示す部分断面図である。 図2は本発明の実施の形態1にかかる防食塗料の製造工程を示すフローチャートである。 図3は本発明の実施の形態1にかかる防食塗料を用いて形成した防食膜付き試験片の製造工程を示すフローチャートである。 図4は本発明の実施の形態2にかかる防食膜及び防食塗料を製造するために用いられるコーティングシリカ殻からなる中空粒子の製造工程を示す模式図である。 図5(a)は本発明の実施の形態2にかかる防食塗料を用いて形成した防食膜付き試験片の全体構成を示す斜視図、(b)は防食膜付き試験片の構成を示す部分断面図である。 図6は本発明の実施の形態2にかかる防食塗料の製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1,8 防食膜付き試験片
3,9 防食膜
4 シリカ殻からなる中空粒子
6,11 防食塗料
7 イソシアネート系表面改質剤
10 コーティングシリカ殻からなる中空粒子

Claims (11)

  1. シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用した防食膜であって、
    約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂バインダーまたは無機高分子バインダーまたは有機無機複合バインダー中に均一に分散してなることを特徴とするシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜。
  2. シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した防食膜であって、
    約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を透明有機樹脂バインダーまたは透明無機高分子バインダーまたは透明有機無機複合バインダー中に均一に分散してなることを特徴とするシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜。
  3. 前記防食膜の厚さは約10μmから約20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜。
  4. 前記シリカ殻からなる中空粒子は、20nm〜100nmの外径を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜。
  5. 前記シリカ殻からなる中空粒子は、前記有機樹脂バインダーまたは前記透明有機樹脂バインダーまたは前記無機高分子バインダー前記透明無機高分子バインダーまたは前記有機無機複合バインダーまたは前記透明有機無機複合バインダーに対して、固形分で4重量%〜10重量%の割合で混合されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜。
  6. 前記シリカ殻からなる中空粒子は表面にイソシアネート系の表面改質剤を付加させたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食膜。
  7. シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性を利用した防食塗料であって、
    約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を有機樹脂塗料または無機高分子塗料または有機無機複合塗料中に均一に分散してなることを特徴とするシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料。
  8. シリカ殻からなる中空粒子の絶縁性及び透明性を利用した防食塗料であって、
    約10nmから約300nmまでの範囲内の外径を有するシリカ殻からなる中空粒子を透明有機樹脂塗料または透明無機高分子塗料または透明有機無機複合塗料中に均一に分散してなることを特徴とするシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料。
  9. 前記シリカ殻からなる中空粒子は、20nm〜100nmの外径を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料。
  10. 前記シリカ殻からなる中空粒子は、前記有機樹脂塗料または前記透明有機樹脂塗料または前記無機高分子塗料または前記透明無機高分子塗料または前記有機無機複合塗料または前記透明有機無機複合塗料に対して、固形分で4重量%〜10重量%の割合で混合されていることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1つに記載のシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料。
  11. 前記シリカ殻からなる中空粒子は表面にイソシアネート系の表面改質剤を付加させたことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか1つに記載のシリカ殻からなるナノ中空粒子を用いた防食塗料。
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