JPH07188592A - 耐火被覆用組成物及び耐火被覆材 - Google Patents

耐火被覆用組成物及び耐火被覆材

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JPH07188592A
JPH07188592A JP35395093A JP35395093A JPH07188592A JP H07188592 A JPH07188592 A JP H07188592A JP 35395093 A JP35395093 A JP 35395093A JP 35395093 A JP35395093 A JP 35395093A JP H07188592 A JPH07188592 A JP H07188592A
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fire
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inorganic
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coating
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JP35395093A
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Masashi Yoshizaki
正志 吉崎
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の問題点を解消し、十分な耐火性能
を発揮するとともに所定の表面硬度を有する耐火被覆層
を形成して、運搬時に破損がなく取扱性も良く、また建
築現場での作業を大幅に省略できる耐火被覆材を提供す
る。 【構成】 (成分A)無機質結合材、(成分B)一般式
2O・nTiO2(式中、Mはアルカリ金属を、nは4
以上の正数を示す)で表されるチタン酸アルカリ金属塩
から選ばれる少なくとも一種、(成分D)無機質高温溶
融結合材及び焼結助剤とから選ばれる少なくとも一種及
び(成分C)(c−1)ジアミド窒化リン低重合体、
(c−2)メラミンホルムアルデヒドの共縮合物と無機
繊維とからなる有機質及び無機質の複合体からなる加熱
膨張材を配合してなる耐火被覆用組成物(1)、及びそ
れを用いた耐火被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐火被覆用組成物及び耐
火被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄骨は不燃建材であるが、火災に遭うと
強度が著しく低下する欠点をもつているため、鉄骨表面
を被覆して許容温度以下に保護する必要がある。従来行
われていた鋼材の耐火被覆方法としては、吹きつけロツ
クウ−ルによる被覆が知られている。しかしながら、こ
の方法には、工法上の制約や、作業環境の悪化、被覆厚
が大きい等の問題があつた。
【0003】被覆厚を小さくすることは、施工性の向
上、省資源、利用可能スペースの拡大など様々なメリツ
トがあるため、被膜厚さをより小さくでき鉄骨への付着
性、防錆性に優れた新しいタイプのセラミツク系耐火被
覆材が注目されている。これらの被覆材としては、例え
ばセラミツクの輻射熱反射性を利用するものとして、チ
タン酸アルカリ金属塩繊維を用いた耐火被覆材(特公昭
58−38379号公報)、アルミニウム、雲母粉末を
用いたた耐火被覆材(特開昭64−66277号公報)
等がある。しかしながら、これらによつても被覆厚さを
十分に小さくすることはできなかつた。
【0004】また、発泡性の防火塗料を用いて、火災時
に発泡し断熱層を形成する防火塗料を用いる方法も提案
されている。例えば、特開昭49−132821号公報
には、発泡材としてメラミンやジシアンジアミド、脱水
炭化剤としてポリリン酸アンモニウム、炭化層形成剤と
してペンタエリスリトール、さらに酸化チタン、アスベ
スト繊維、酢酸ビニル樹脂を用いた発泡性防火塗料が提
案されている。しかしながら、このものは鋼材への付着
性が十分ではなく、また耐火性能も低く屋外環境では被
覆材に浸透した水分による劣化をきたし、膨張率が大幅
に低下するという問題点があつた。
【0005】そこで、有機無機複合型の膨張性耐火塗料
を用いて耐火性を向上させることも提案されている。例
えば、特開平4−257426号公報には、粒状水ガラ
スを発泡基材、塩化ゴム樹脂をバインダーとし、さらに
セラミツクス繊維を配合してなる発泡性耐火塗料が提案
されている。
【0006】しかしながら、従来の発泡性耐火塗料は、
加熱時の発泡が不均一で、セルも粗く、発泡層に亀裂が
入りやすいという欠点を有していた。発泡層に亀裂が入
ると、遮熱性の低下と共に、被覆材が鋼材より剥落しや
すくなり、且つ、亀裂より進入した火炎が鋼材の温度を
急激に上昇させ満足できる耐火性能が得られないため被
覆層を厚くしなければならないという問題があり、又耐
候性も低いという問題もある。
【0007】一方、発泡性の難燃樹脂として、ジアミド
窒化リン低重合体と多価アミノ化合物とホルムアルテヒ
ドとの共縮合体からなる発泡性難燃樹脂が特公昭53−
37397号公報で提案されている。このものは、約60
0℃に加熱すると容積が40倍以上にも膨張し、断熱性を
有する炭化層を形成する。しかしながら、このもの単独
では、発泡後の構造が脆く形状保持性に劣るため、防火
塗料としては有用であつても耐火被覆用途に用いること
はできないものであつた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来技術の問題点を解消し、十分な耐火性能を
発揮するとともに所定の表面硬度を有する耐火被覆層を
形成して、運搬時に破損がなく取扱性も良く、また建築
現場での作業を大幅に省略できる耐火被覆材を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は(成分A)無機
質結合材、(成分B)一般式M2O・nTiO2(式中、
Mはアルカリ金属を、nは4以上の正数を示す)で表さ
れるチタン酸アルカリ金属塩から選ばれる少なくとも一
種、(成分D)無機質高温溶融結合材及び焼結助剤とか
ら選ばれる少なくとも一種及び(成分C)(c−1)ジ
アミド窒化リン低重合体、(c−2)メラミンホルムア
ルデヒドの共縮合物と無機繊維とからなる有機質及び無
機質の複合体からなる加熱膨張材を配合してなる耐火被
覆用組成物(1)、及び建材の表面に耐火被覆用組成物
が被覆されてなる耐火被覆材であつて、被覆される耐火
組成物が、(成分A)無機質結合材、(成分B)一般式
2O・nTiO2(式中、Mはアルカリ金属を、nは4
以上の整数を示す)で表されるチタン酸アルカリ金属塩
から選ばれる少なくとも一種、(成分D)無機質高温溶
融結合材及び焼結助剤から選ばれる少なくとも一種を配
合してなる耐火被覆用組成物(2)及び/又は該耐火被
覆用組成物(2)にさらに(成分C)(c−1)ジアミ
ド窒化リン低重合体、(c−2)メラミンホルムアルデ
ヒドの共縮合物と無機繊維とからなる有機質及び無機質
の複合体からなる加熱膨張材を配合してなる耐火被覆用
組成物(1)であつて、耐火被覆用組成物(2)と耐火
被覆用組成物(1)が複層被覆されてなるか、あるいは
耐火被覆用組成物(1)が単独で被覆されてなることを
特徴とする耐火被覆材に係る。
【0010】本発明において使用される無機質結合材
(成分A)としては、リン酸系バインダー、シリコーン
樹脂エマルジヨン、コロイダルシリカより選ばれる少な
くとも一種を好ましく用いることが出来る。リン酸系バ
インダーとしては、第一リン酸、第二リン酸、メタリン
酸、及び縮合リン酸のナトリウム塩、カリウム塩、カル
シウム塩、マグネシウム塩、及びアルミニウム塩の少な
くとも一種、あるいは、これらの塩の少なくとも一種と
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム、四三酸化鉄、及び活性炭酸アル
ミニウム等を併用してもよい。シリコ−ン樹脂エマルジ
ヨンとしてはポリジメチルシロキサンエマルジヨン等公
知のものを広く用いることができる。コロイダルシリカ
としてはシリカゾルと呼ばれる高分子無水珪酸のコロイ
ド溶液等が例示できる。
【0011】本発明において使用されるチタン酸アルカ
リ金属塩M2O・nTiO2(成分B)としては、熱反射
に優れ且つ前述の無機質結合材の造膜助材として作用す
るものが望ましく、例えば、チタン酸リチウム、チタン
酸ナトリウム、チタン酸カリウムなどを例示できる。こ
れらのチタン酸アルカリ金属塩の形状としては繊維状で
あるのが望ましい。一般式中のnは4以上の正数であ
り、n=3以下の場合は充分な耐火性を発揮しないため
好ましくない。
【0012】本発明において使用される(c−1)ジア
ミド窒化リン低重合体、(c−2)メラミンホルムアル
デヒドの共縮合物と無機繊維とからなる有機質及び無機
質の複合体からなる加熱膨張材(成分C)は、一般式
〔PN(NH2)2〕m (式中のmは3又は4の正数)で
表されるジアミド窒化リン低重合体とメラミン及びホル
ムアルデヒドとの反応によつて得られる縮合物を基本と
するものである。該縮合物が加熱発泡時に均一に発泡し
且つ発泡層の保形性を向上させるために繊維状のチタン
酸アルカリ金属塩、セピオライト、ガラス繊維等の無機
繊維を併せて配合するのが好ましい。具体例としては、
ジアミド窒化リン低重合体としては、耐熱性、経済性の
面から主としてn=3の環状構造を有するジアミド窒化
リン3量体(アミドホスファゼン3量体)が好ましく用
いることができるが、反応過程で生成する塩化アンモン
が残留しているクルード品であつてもよい。又、ジアミ
ド窒化リン低重合体とメラミン及びホルムアルデヒドの
配合割合は特に限定されるものではないが、通常、ジア
ミド窒化リン3量体1モルに対し、メラミン1〜3モ
ル、ホルムアルデヒド5〜15モルとする。該混合物を反
応温度30〜60℃、反応時間10〜30分縮合させ、更に必要
に応じて無機繊維を2〜20wt%添加して本発明の加熱膨
張材を得ることができる。該膨張材は又好ましくは100
〜110℃の温度で乾燥し、続いて粉末化して使用しても
よい。
【0013】本発明において使用される上記加熱膨張剤
(成分C)は、200℃から250℃の温度域から熱分解と同
時に発泡を開始し、300℃から700℃の温度で発泡体を形
成する。このものはセルが均一で亀裂もなく、更に保形
性、硬度において特に優れているという特長を有する。
【0014】本発明において使用される無機質高温溶融
結合剤及び焼結助材(成分D)としては、酢酸鉛、安息
香酸鉛、シユウ酸鉛、オクチル酸鉛、炭酸鉛、硝酸鉛、
クエン酸鉛、モリブデン酸鉛、メタホウ酸鉛、ホウ酸亜
鉛、酸化鉛、水酸化鉛、鉛丹等の鉛化合物や、酢酸第一
スズ、硫酸第一スズ、シユウ酸スズ、酸化スズ、水酸化
スズ、酸化第一スズ等のスズ化合物や、ホウ酸、コレマ
ナイト、ウレキサイト等のホウ素系化合物やセピオライ
ト、アタパルジヤイト、低融点フリツト等の珪酸塩化合
物を例示できる。これらは単独で、あるいは二種以上混
合して用いることができる。これらの物質は、500℃以
上に加熱された場合に溶融して高温結合材として作用す
るか、又はチタン酸アルカリ金属塩と焼結する焼結助材
として作用する。
【0015】本発明の耐火被覆材には、上記成分A乃至
Dに加えて、さらに無機質化合物及び有機質化合物から
選ばれる少なくとも一種の防錆材(成分E)を配合して
もよい。用いることのできる防錆材としては特に制限は
なく、公知の防錆材を広く用いることができるが、好ま
しくはカプロン酸、カプリル酸、ラウリル酸、ミリスチ
ン酸等の脂肪族1塩基酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸等の脂肪族2塩基酸、ニトロ安息香酸、ジニ
トロ安息香酸、アミノ安息香酸、ケイ皮酸、ニトロケイ
皮酸、トルイル酸、クミン酸、ブチル安息香酸等の芳香
族1塩基酸、フタル酸、ニトロフタル酸等の芳香族2塩
基酸、2−エチルヘキシルアミノプロピオン酸、シクロ
ヘキシルアミノプロピオン酸、アミノラウリル酸、アミ
ノミリスチン酸、アミノカプリル酸、アミノカプリン
酸、アミノパルミチン酸等のアミノカルボン酸、又はシ
アナミド鉛等の鉛塩、タンニン酸亜鉛等の亜鉛塩及びジ
ンクダスト、ストロンチウムクロメート、ジンククロメ
ート等のクロム塩等を用いることができる。
【0016】本発明の耐火被覆材を構成する耐火組成物
(1)及び(2)は、主要構成成分として上記成分A乃
至D(耐火組成物(2)にあつては成分A、B、及びD
であり、耐火組成物(1)及び耐火組成物(2)共に成
分E及び/又はその他の成分を必要に応じて更に添加し
てもよい)を配合した組成物を水及び/又は他の適当な
溶媒と混合した懸濁液とすることができる。その際に
は、塗膜の柔軟性、鉄骨鋼材との密着性(例えば初期密
着性)又は液中の懸濁物質の沈降を防止して液を安定化
させるためにポリエチレンオキサイド、アルギン酸ソー
ダ、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、変成メチルセルロース、酢酸ビ
ニルエマルジヨン、アラビアゴム、グアールガム及び有
機ベントナイト等の合成水溶性物質、天然水溶性高分子
物質及び無機質複合物質からなる群から選ばれる結合助
材を、該耐火被覆材の耐火性を損なわない範囲で上記懸
濁液に添加して用いてもよい。
【0017】また、上記の懸濁液は、酸基を有する飽和
ポリエステル樹脂、ポリカルボン酸アンモニウム又は脂
肪族炭化水素系の分散湿潤剤や脱泡剤を必要に応じて添
加することにより均一分散性及び脱泡性が改善され外観
の美しい塗膜を得ることができる。
【0018】本発明の耐火被覆材を構成する耐火組成物
(1)及び/又は耐火組成物(2)には、チタニウムイ
エロー、ベンガラ、酸化クロム緑、群青、カドミウムレ
ツド等の公知の無機質顔料を添加して着色することがで
きる。
【0019】また、本発明の耐火被覆材を構成する耐火
組成物(1)及び/又は耐火組成物(2)には水酸化ア
ルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸
化アルミニウムマグネシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アル
ミニウム、ホウ酸バリウム、ホウ酸マグネシウム、石
膏、炭酸カルシウム、ドロマイト、タルク、クレー、シ
ヤモツト、マイカ等の加熱分解型無機質材又は無機質耐
火材をさらに配合してもよい。
【0020】本発明の耐火被覆材は、成分A、B、C、
D(必要に応じて成分E及び/又は他成分を配合しても
よい)からなる耐火組成物(1)を単独で建材に被覆す
るか、又は成分A、B、D(必要に応じて成分E及び/
又は他成分を配合してもよい)からなる耐火組成物
(2)と耐火組成物(1)を複層被覆する被覆方法で施
工することが出来る。
【0021】特に、交互に被覆する場合、耐候性が一段
と向上する等の効果が得られるので特に好ましい。
【0022】本発明の耐火被覆材は、塗膜の厚さが通常
2乃至6mmと従来の耐火被覆材の厚さと比較して著しく
薄くても充分な耐火性を有する。これは、本発明の耐火
被覆材が成分Aと成分Bによつて高い耐熱性(耐熱温度
1200℃以上)と優れた熱反射効果(赤外線反射率90乃至
95%)が付与されているのに加えて、成分Cと成分Dが
配合されているためである。即ち、成分Cは、火災時に
塗膜が加熱された際に塗膜を均一に発泡膨張させて保形
性のある断熱層を形成し、同時に成分Dがこの断熱層を
焼結させて固化し高温保形性を付与するためである。
【0023】本発明の耐火被覆材を鋼材に被覆する方法
としては、耐火組成物(1)及び/又は耐火組成物
(2)を水及び/又は適当な溶媒に混合して懸濁液と
し、この懸濁した塗布液の原液又は希釈液を、スプレー
ガンによるエアスプレー、又は水性刷毛やロール刷毛等
を用いた刷毛塗り等公知の手段で鋼材の表面に塗布して
2乃至6mm程度の膜厚とした後、常温又は加熱下で乾燥
させて固化すればよい。
【0024】本発明における耐火被覆材における成分A
乃至Dの配合割合は特に限定されるものではないが、好
ましい配合割合の範囲の一例を以下に示す。
【0025】尚、配合割合は、乾燥後の重量割合であ
り、塗布液とする際の水及び/又は水以外の溶媒と各原
料の合計量の割合は、50:1〜0.3:1程度の範囲とす
るのがよい。 (成分A) 20乃至60重量% 20重量%未満では結合力が不十分であり、60重量%を超
えると結合力は充分であるが他の成分を充分に配合でき
ないためである。 (成分B) 5乃至25重量% 5重量%未満では造膜作用と熱反射効果が不十分であ
り、25重量%を超えると塗布液とした場合の粘性が高く
なり塗布作業を困難にする恐れがある。 (成分C) 5乃至30重量% 5重量%未満では高温保形性はあるものの体積膨張が不
十分であり、30重量%を超えると体積膨張の割合は充分
であるものの保形性が悪化するためである。 (成分D) 5乃至20重量% 5重量%未満では高温保形性が弱く、20重量%を超える
と更なる保形性の向上に寄与するところは少ないためで
ある。
【0026】本発明の耐火組成物(1)及び耐火組成物
(2)を塗布液とする際には、公知の方法で行なうこと
ができるが、塗布液を収納する容器は、ステンレス綱又
はFRP等の耐蝕性を有する材料を用いることが望まし
い。また、チタン酸アルカリ金属塩を水に分散させる場
合には水中に充分分散させる目的で、例えばデイスパー
のような高速攪拌機を用いて、効率的に充分に分散させ
ることができる。
【0027】尚、本発明の耐火被覆用組成物は、特に鋼
材、FR鋼材に用いる際に優れた効果を発揮するもので
あるが、木材、樹脂材等相手材を問わずにその効果を享
受することができる。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示して一層詳しく
説明する。本実施例及び比較例においては以下の評価方
法に従つた。 乾燥性 JIS K5400−6.5 接触判定 乾燥被膜の状態 ○:良好 硬度 JIS K5400−8.4.2 付着性 JIS K5400−8.5.2 ゴバン目、セロフアンテープによる剥離試験。 耐水性 20℃の清水に7日間浸漬 ◎:非常に良好 ○:良好 耐熱水性 沸騰水中に8時間浸漬 ◎:非常に良好 ○:良好 耐触性 室温で7日間放置した試料と、室温で7日間放置したのちさ らに200℃で200時間加熱した試料に塩水(3%食塩水)をそ れぞれ240時間噴霧して錆の発生状態を観察した。 ◎:錆が全くないか殆どなし ○:僅かに点錆が発生 耐候性 サンシヤインデユーサイクルウエザオメーターを用いて人工 気象下において1000時間処理した後、塗膜の表面状態(クラ ツクの発生、粉化、変色)を観察した。 ○:良好
【0029】合成例1(成分Cの製造) 本発明で用いた成分Cとして、例えば以下の方法で製造
したもの等を用いた。四塩化エタン 1500ml、五塩化リ
ン 548g、塩化アンモニウム 188gを3lフラスコに入れ1
40℃で24時間反応させ、二塩化窒化リン3量体 101gを
得た。次に、2塩化窒化リン3量体 56g、メラミン 61
g、37%ホルマリン 208g、水350mlを還流冷却器付きの
3ツ口フラスコに投入攪拌し、よく溶解させ50℃で15分
反応させ、この反応物に6チタン酸カリウム繊維 23gを
添加した。このものを105℃で乾燥し、続いてボールミ
ルで粉砕し粉末状物質 255グラムを得た。
【0030】耐火被覆材の塗布液の作成 表1に示した割合で各成分を配合し、耐火被覆用の塗布
液1〜3を得た。なお、表中の数値は各成分の配合部数
(乾燥重量部)を示す。
【0031】表中、6チタン酸カリウムとしては大塚化
学株式会社製商品名テイスモNを、成分Cは合成例1で
得られたものを、分散湿潤剤としてはビツグケミージヤ
パン株式会社製の商品名BYK−P104Sを、脱泡剤と
してはビツグケミージヤパン株式会社製の商品名BYK
−Wを、その他の成分として信越化学工業株式会社製の
商品名Hiメトローズ−15000を使用し、その他の
物質は市販品(試薬第一級グレード品)等を使用した。
【0032】上記の塗布液は、成分A及びBと水とBY
K−P104Sとを小型調合タンクに投入して小型デイス
サーバーで約30分間攪拌して製造した。なお、Hiメト
ローズ−15000は他の粉体物と予め混合させた状態
で配合した。
【0033】実施例1 上記塗布液2を厚み3.2mmを有する一般鋼板に刷毛塗り
で乾燥後の厚さが1.5mmの厚さとなるよう塗布して試料
を作成し、3日間室温にて乾燥養生した後100℃で30分
間乾燥処理した。このものについて塗膜の性能試験を行
つた結果を表2に示す。
【0034】実施例2 上記塗布液3を厚み3.2mmを有する一般鋼板に刷毛塗り
で乾燥後の厚さが1.5mmの厚さとなるよう塗布して試料
を作成し、3日間室温にて乾燥養生した後100℃で30分
間乾燥処理した。このものについて塗膜の性能試験を行
つた結果を表2に示す。
【0035】実施例3 上記塗布液1を厚み3.2mmを有する一般鋼板に刷毛塗り
で乾燥後の厚さが0.5mmの厚さとなるように塗布して乾
燥させた後、その上に上記塗布液2を乾燥後の厚さが0.
5mmの厚さとなるように同様に塗布して乾燥させ、その
上に更に、上記塗布液3を乾燥後の厚さが0.5mmの厚さ
となるように塗布した。このものを3日間室温にて乾燥
養生した後100℃で30分間乾燥処理して試料を得た。こ
のものについて塗膜の性能試験を行つた結果を表2に示
す。
【0036】比較例1 上記塗布液1を、3.2mmの厚さを有し、1m×1mの大き
さの一般鋼板の二枚に乾燥後の厚さが一方は4mm、他方
は6mmの厚さとなるように刷毛塗りした後、室温にて7
日間乾燥養生して試料を得た。このものを1m×1mのサ
イズの小型耐火炉でJIS A1304の標準耐火加熱
曲線に従つてそれぞれ加熱し、裏面の中央部の温度が35
0℃及び550℃に到達するまでのそれぞれの時間を測定し
た。結果を表3に示す。
【0037】実施例4 上記塗布液2を、3.2mmの厚さを有し、1m×1mの大き
さの一般鋼板の二枚に乾燥後の厚さが一方は4mm、他方
は6mmの厚さとなるように刷毛塗りした後、室温にて7
日間乾燥養生して試料を得た。このものを1m×1mのサ
イズの小型耐火炉でJIS A1304の標準耐火加熱
曲線に従つてそれぞれ加熱し、裏面の中央部の温度が35
0℃及び550℃に到達するまでのそれぞれの時間を測定し
た。結果を表3に示す。
【0038】実施例5 上記塗布液3を、3.2mmの厚さを有し、1m×1mの大き
さの一般鋼板の二枚に乾燥後の厚さが一方は4mm、他方
は6mmの厚さとなるように刷毛塗りした後、室温にて7
日間乾燥養生して試料を得た。このものを1m×1mのサ
イズの小型耐火炉でJIS A1304の標準耐火加熱
曲線に従つてそれぞれ加熱し、裏面の中央部の温度が35
0℃及び550℃に到達するまでのそれぞれの時間を測定し
た。結果を表3に示す。
【0039】実施例6 上記塗布液1を厚み3.2mmの厚さを有し、1m×1mの大
きさの一般鋼板に刷毛塗りで乾燥後の厚さが0.5mmとな
るように塗布して乾燥させた後、その上に上記塗布液2
を乾燥後の厚さが2.5mmの厚さとなるように同様に塗布
して乾燥させ、その上に更に、上記塗布液3を乾燥後の
厚さが1.0mmの厚さとなるように塗布した後、室温にて
7日間乾燥養生して試料を得た。合計被覆膜厚が4mmで
ある、このものを1m×1mのサイズの小型耐火炉でJI
S A1304の標準耐火加熱曲線に従つてそれぞれ加
熱し、裏面の中央部の温度が350℃及び550℃に到達する
までのそれぞれの時間を測定した。結果を表3に示す。
【0040】また、上記塗布液1を厚み3.2mmの厚さを
有し、1m×1mの大きさの一般鋼板に刷毛塗りで乾燥後
の厚さが1.0mmとなるように塗布して乾燥させた後、そ
の上に上記塗布液2を乾燥後の厚さが4.0mmの厚さとな
るように同様に塗布して乾燥させ、その上に更に、上記
塗布液3を乾燥後の厚さが1.0mmの厚さとなるように塗
布した後、室温にて7日間乾燥養生して試料を得た。合
計被覆膜厚が6mmである、このものを1m×1mのサイズ
の小型耐火炉でJIS A1304の標準耐火加熱曲線
に従つてそれぞれ加熱し、裏面の中央部の温度が350℃
及び550℃に到達するまでのそれぞれの時間を測定し
た。結果を併せて表3に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】実施例1〜6の結果により、室温で硬化し
た本発明の塗膜は、表面硬度、鋼材密着性、耐水性、耐
熱水性、耐候性、防錆性及び耐火性に優れていることが
わかる。特に耐火性に関しては、一般鋼材に対しては通
常は塗膜厚が3乃至6mmのように薄くても充分であり、
特にFR鋼材に対しては、さらにその半分程度の塗膜厚
で充分であることがわかる。また、実施例1〜6の耐火
被覆は加熱膨張時に均一に発泡し且つ亀裂を生じること
がなく均一にキメの細かい発泡体となつて、その形状を
保持していた。
【0045】
【発明の効果】このように本発明に係る耐火被覆材は、
薄い塗膜にもかかわらず、鋼材への密着性がよく、強靱
で、しかも表面硬度に優れた塗膜を形成する。また、こ
の塗膜は、耐水性、耐熱性、防錆性、耐候性、耐真菌性
等に優れており、更には自由に着色もできるので意匠性
にも優れたものとできる。これにより、鉄骨を建て込む
以前の鋼材加工工程において鉄骨に耐火被覆を施すこと
ができる。従つて、従来、建築現場で行つていた耐火防
錆被覆工事が不要になる。さらに、強靱で表面硬度に優
れた塗膜のため、補修作業も殆ど必要なくなり、建込み
後に鉄骨接合部の耐火防錆処理を行なう場合にも刷毛塗
りやスプレー塗装等の簡便な方法で塗布することにより
処理できる。これにより、施工作業の省力化、作業環境
の改善、作業の安全性の確保、工期の短縮(従来よりも
20%〜30%短縮)ができ、施工費を大幅に節減できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (成分A)無機質結合材、(成分B)一
    般式M2O・nTiO2(式中、Mはアルカリ金属を、n
    は4以上の正数を示す)で表されるチタン酸アルカリ金
    属塩から選ばれる少なくとも一種、(成分D)無機質高
    温溶融結合材及び焼結助剤とから選ばれる少なくとも一
    種及び(成分C)(c−1)ジアミド窒化リン低重合
    体、(c−2)メラミンホルムアルデヒドの共縮合物と
    無機繊維とからなる有機質及び無機質の複合体からなる
    加熱膨張材を配合してなる耐火被覆用組成物(1)。
  2. 【請求項2】 建材の表面に耐火被覆用組成物が被覆さ
    れてなる耐火被覆材であつて、被覆される耐火組成物
    が、(成分A)無機質結合材、(成分B)一般式M2
    ・nTiO2(式中、Mはアルカリ金属を、nは4以上の
    整数を示す)で表されるチタン酸アルカリ金属塩から選
    ばれる少なくとも一種、(成分D)無機質高温溶融結合
    材及び焼結助剤から選ばれる少なくとも一種を配合して
    なる耐火被覆用組成物(2)及び/又は該耐火被覆用組
    成物(2)にさらに(成分C)(c−1)ジアミド窒化
    リン低重合体、(c−2)メラミンホルムアルデヒドの
    共縮合物と無機繊維とからなる有機質及び無機質の複合
    体からなる加熱膨張材を配合してなる耐火被覆用組成物
    (1)であつて、耐火被覆用組成物(2)と耐火被覆用
    組成物(1)が複層被覆されてなるか、あるいは耐火被
    覆用組成物(1)が単独で被覆されてなることを特徴と
    する耐火被覆材。
JP35395093A 1993-12-27 1993-12-27 耐火被覆用組成物及び耐火被覆材 Pending JPH07188592A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001577A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 F Consultant:Kk 樹脂組成物
JP2013513703A (ja) * 2009-12-11 2013-04-22 ラティテュード・18,インコーポレイテッド 無機リン酸塩組成物および方法
US10422041B2 (en) 2009-12-18 2019-09-24 Latitude 18, Inc Inorganic phosphate corrosion resistant coatings
CN116676007A (zh) * 2023-07-11 2023-09-01 亚士创能科技(乌鲁木齐)有限公司 一种无机膨胀型防火真石漆及其制备方法和应用

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