JP7251864B2 - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ蓄電池に用いる水素吸蔵合金に関する。
アルカリ蓄電池の代表例であるニッケル水素二次電池は、ニッケルカドミウム電池に比べて高容量、かつ環境面でも有害物質を含まないことが特徴である。そのため、近年、例えば、携帯電話やパーソナルコンピュータ、電動工具、アルカリ一次電池代替の民生用途からハイブリッド自動車(HEV)用の蓄電池などに幅広く使われるようになってきている。
従来、アルカリ蓄電池の負極には、AB型結晶構造の水素吸蔵合金が使用されていたが、該合金では、電池の小型軽量化には限界があり、小型で高容量を実現できる新たな水素吸蔵合金の開発が望まれていた。そこで、その解決策として、特許文献1や特許文献2は、Mgを含む希土類-Mg遷移金属系水素吸蔵合金を提案している。
また、小型化、軽量化の手法として、例えば負極に用いる水素吸蔵合金の量を削減することが考えられるが、水素吸蔵合金の量を削減すると、ニッケル活性点の減少による出力低下という新たな問題が生じる。これを改善するため、特許文献3には、高水素平衡圧の水素吸蔵合金を用いて作動電圧を高くする手法が提案されている。
また、水素吸蔵合金として、希土類-Mg-Ni系合金がいくつか提案されている。例えば、特許文献4には、体積エネルギー密度の向上に好適な長寿命の二次電池を提供することを目的として、一般式:(LaCePrNd1-xMg(Ni1-y(式中、Aは、Pm等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Tは、V等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、a、b、c、d、eは、0≦a≦0.25、0≦b≦0.2、0≦c、0≦d、0≦eで示される範囲にあるとともにa+b+c+d+e=1で示される関係を満たし、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦y≦0.5、2.5≦z≦4.5で示される範囲にある)で表される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
また、特許文献5には、過放電後の充電時に電池の内圧上昇が抑制され、電池のサイクル寿命の向上に貢献する水素吸蔵合金として、一般式:(LaPrNd1-wMgNiz-x-yAl(式中、記号Zは、Ce等よりなる群から選ばれる元素を表し、記号Tは、V等よりなる群から選ばれる元素を表し、下付き添字a、b、c、dは、0≦a≦0.25、0<b、0<c、0≦d≦0.20で示される範囲にあるとともにa+b+c+d=1、0.20≦b/c≦0.35で示される関係を満たし、下付き添字x、y、z、wはそれぞれ0.15≦x≦0.30、0≦y≦0.5、3.3≦z≦3.8、0.05≦w≦0.15で示される範囲にある)で表される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
また、特許文献6には、耐アルカリ性に優れ、安価な希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金として、一般式:(CePrNd1-wMgNiAl(式中、Aは、Pm、Sm等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Tは、V、Nb等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、a、b、c、d、eは、a>0、b≧0、c≧0、d≧0、e≧0、a+b+c+d+e=1で示される関係を満たし、w、x、y、zはそれぞれ0.08≦w≦0.13、3.2≦x+y+z≦4.2、0.15≦y≦0.25、0≦z≦0.1で示される範囲にある)で表される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
さらに特許文献7には、一般式:Ln1-xMgNi(式中、Lnは、Yを含む希土類元素とCaとZrとTiとから選択される少なくとも1種の元素であり、Aは、Co、Mn、V、Cr、Nb、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、PおよびBから選択される少なくとも1種の元素であり、添字x、yおよびzが、0.05≦x0.25、0<z≦1.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす)で表される水素吸蔵合金において、上記のLn中にSmが20モル%以上含まれるようにした水素吸蔵合金が開示されている。
さらに、特許文献8には、耐アルカリ性に優れた水素吸蔵合金として、一般式:(LaSm1-wMgNiAl(式中、AおよびTは、Pr、Nd等よりなる群およびV、Nb等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をそれぞれ表し、添字a、b、cはそれぞれ、a>0、b>0、0.1>c≧0、a+b+c=lで示される関係を満たし、添字w、x、y、zはそれぞれ0.1<w≦1、0.05≦y≦0.35、0≦z≦0.5、3.2≦x+y+z≦3.8で示される範囲にある)にて示される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
一方、非特許文献1にはLaをCeで置換した水素吸蔵合金、La0.8-xCeMg0.2Ni3.5(x=0~0.20)が報告されている。この合金の評価結果は、電気化学特性を総合的に見て、x=0.1が最適な組成と結論づけている。
また、非特許文献2によると、RE-Mg-Ni系水素吸蔵合金(RE:希土類元素)へのCeの影響に関する章が設定されている。この章では、
(La0.5Nd0.50.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
(La0.45Nd0.45Ce0.10.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
(La0.4Nd0.4Ce0.20.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
(La0.3Nd0.3Ce0.40.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
の合金が開示され、評価した結果が報告されている。
特開平11-323469号公報 国際公開第01/ 48841号 特開2005- 32573号公報 特開2005-290473号公報 特開2007-169724号公報 特開2008- 84668号公報 特開2009- 74164号公報 特開2009-108379号公報
S.Xiangqian et al.、 Inter. J. Hydrogen Energy、 34、 395(2009) 安岡茂和、 博士論文:希土類-Mg-Ni系(超格子)水素吸蔵合金の実用化とこれを用いた高性能市販ニッケル水素電池の開発(2017年、京都大学)
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示の技術は、合金の最適化がなされず各種用途に実用化されるまでには至らなかった。
また、特許文献3に開示の技術では、高水素平衡圧の水素吸蔵合金を用いると、充放電サイクル寿命が低下するという新たな問題が生じた。
また、特許文献4に開示の技術では、比較的安価な素材であるLa含有量が低く抑えられており、結果として高価なPr、NdさらにはTiを多く含んでいて、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金は供しえない。
また、特許文献5に開示の技術も、特許文献4と同様に、Pr、Ndが必須の合金で、かつLaの含有量は少なくなっており、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金は供しえない。
さらに、特許文献6に開示の技術では、Laが含まれず、Ceは含有されているもののPr、Ndを比較的多く含有した合金になっており、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金は供しえない。
特許文献7に開示された技術は、Smを比較的多く含んだ合金となっており、Pr、Ndよりは安価な元素を使用しているものの、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金を供しえない。
特許文献8に開示された技術は、La、Smを比較的多く含んだ合金となっており、Pr、Ndよりは安価な元素を主体に使用しているものの、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金を供しえない。特に、実施例にはZrを必須としており、B/A比は3.6が開示されているのみである。また、La含有量増加で低下した水素平衡圧を電池で使用可能なレベルに上げるとしているが、安価なLaリッチ組成に設定すると不十分な場合が多い。
また、非特許文献1ではLaの一部をCe置換した希士類-Mg-Ni合金が示されており、この合金の試作評価では、電気化学特性を総合的に見て、Ceの置換量x=0.1の合金が最適な組成と結論づけているが、まだ実用化には供していない。
さらに、非特許文献2では結論として、Ceを含んだ希土類-Mg-Ni系合金は、水素吸蔵放出量が少なく、さらに水素吸蔵放出を繰り返すと微粉化しやすいことから、電池での劣化が大きいことが明らかとなったとしている。
すなわち、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金では、水素吸蔵放出を繰り返すことにより合金に割れが生じて、微粉化が促進するとともに、新生面が生じるため耐食性が低いと合金表面が反応して、希土類水酸化物を生成したりして、電解液を消耗し、結果として電池の内部抵抗が高くなり、放電容量が低下することで、電池寿命となる。
本発明は、従来技術が抱えるこれらの問題点に鑑みてなされたものであって、希土類-Mg-Ni系合金において、安価であるとともに、電池として重要な特性である放電容量、サイクル寿命およびレート特性のバランスがとれた、実用に供する電池用水素吸蔵合金を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、アルカリ蓄電池の負極用の水素吸蔵合金として、主相がA型構造およびAB型構造から選ばれる一または二の結晶構造を有し、かつ安価なCeを含む成分組成を有する合金を用いることで、安価なLaの使用により低下した水素平衡圧を補償し、放電容量特性、充放電サイクル寿命特性およびレート特性をバランスよく並立させることができることを知見し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、主相がA型構造およびAB型構造から選ばれる一または二の結晶構造からなる合金、具体的にはCeNi型、GdCo型、PuNi型またはCeNi型であって、かつ、下記一般式(1)で表される成分組成を有することを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を提供する。

(La1-a-bCeSm1-cMgNiAlCr ・・・(1)
ここで、上記(1)式中の添字a、b、c、d、eおよびfは、
0<a≦0.15、
0≦b≦0.15、
0.17≦c≦0.32、
0.02≦e≦0.10、
0≦f≦0.05、
2.95≦d+e+f<3.50、
の条件を満たす。
本発明に係る上記水素吸蔵合金は、粒子表面の少なくとも一部にNiからなる層を有することが好ましく、該Niからなる層がアルカリ処理層または酸処理層であることが好ましい。
本発明のアルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金は、耐久性、放電容量、レート特性に優れており、これを用いたニッケル水素二次電池は高出力密度を有し、充放電サイクル寿命も優れている。そのため、この電池は、放電容量特性に優れ、各種用途、例えば民生用途、工業用途、車載用途などに利用できる。
さらに、粒子表面の一部にNiからなる層を、表面処理を施すことによって形成することで、合金腐食の進行を抑制し、より耐久性を高めることができる。
本発明の水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池を例示する部分切欠斜視図である。 合金No.5を例に水素吸蔵合金のPCT曲線を用いて水素平衡圧を求める方法を示すグラフである。
本発明の水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池について、電池の一例を示す部分切欠斜視図である図1に基づいて説明する。アルカリ蓄電池10は、水酸化ニッケル(Ni(OH))を主正極活物質とするニッケル正極1と、本発明にかかる水素吸蔵合金(MH)を負極活物質とする水素吸蔵合金負極2と、セパレータ3とからなる電極群を、アルカリ電解液を充填した電解質層(図示せず)とともに筐体4内に備えた蓄電池である。
この電池10は、いわゆるニッケル-金属水素化物電池(Ni-MH電池)に該当し、以下の反応が生じる。
正極: NiOOH+HO+e-=Ni(OH)2+OH-
負極: MH+OH-=M+HO+e-
[水素吸蔵合金]
以下、本発明にかかる、アルカリ蓄電池の負極に用いる水素吸蔵合金について説明する。
本発明の水素吸蔵合金は、主相がA型構造およびAB型構造から選ばれる一または二の結晶構造からなる合金、具体的にはCeNi型、GdCo型、PuNi型またはCeNi型であって、かつ、下記一般式(1)で表される成分組成を有することが必要である。

(La1-a-bCeSm1-cMgNiAlCr ・・・(1)
ここで、上記(1)式中の添字a、b、c、d、eおよびfは、
0<a≦0.15、
0≦b≦0.15、
0.17≦c≦0.32、
0.02≦e≦0.10、
0≦f≦0.05、
2.95≦d+e+f<3.50、
の条件を満たす。
この一般式(1)で表される合金は、アルカリ蓄電池の負極として用いたとき、電池に高い放電容量およびサイクル寿命特性を付与するので、アルカリ蓄電池の小型化・軽量化や高耐久性の達成に寄与する。
以下、本発明の水素吸蔵合金の成分組成を限定する理由について説明する。
希土類元素:La1-a-bCeSm(ただし、0<a≦0.15、0≦b≦0.15)
本発明の水素吸蔵合金は、A型構造またはAB型構造のA成分の元素として、希土類元素を含有する。希土類元素としては、水素吸蔵能力をもたらす基本成分として、LaおよびCeの2つの元素を原則として必須とする。また、LaとCeは原子半径が異なるため、この成分比率によって、水素平衡圧を制御することができ、電池に必要な水素平衡圧を任意に設定できる。希土類元素に占めるCeの原子比率a値で、0超え0.15以下の範囲であることが必要である。a値が0.15を超えると水素吸蔵放出にともなう割れが促進され、サイクル寿命の低下を招く。一方、a値が0、つまり、Ceを含まない場合には、十分な水素平衡圧の制御が困難となり、電池特性に悪影響を与える。この範囲であれば、電池に適した水素平衡圧に設定しやすい。好ましくは、Ceの原子比率a値が、0.01以上0.14以下の範囲であり、さらに好ましくは、0.02以上0.12以下の範囲である。
LaおよびCe以外の希土類元素としてSmを任意に含有することができる。SmはLaやCeと同様にA型構造またはAB型構造のA成分の元素として、希土類サイトを占める元素であり、これらの元素と同様に水素吸蔵能力をもたらす成分である。SmはCeに比べると平衡圧をあげる効果は低いが、CeとともにLaを置換することで耐久性が向上する。希土類元素中に占めるSmの原子比率を表すb値の上限は0.15であり、それを超えるとCe量とのバランスでサイクル寿命特性が低下してくる。好ましくは、Smの原子比率b値が、0.14以下であり、さらに好ましくは、0.13以下である。
Laが多い組成では放電容量が高くなり、他の元素と組み合わせたときに、さらに放電容量特性が向上する。また、希土類元素としてのPrやNdは積極的に活用しないが、不可避不純物レベルで含有していてもよい。
Mg:Mg(ただし、0.17≦c≦0.32)
Mgは、A型構造またはAB型構造のA成分の元素を構成する本発明では必須の元素であり、放電容量の向上およびサイクル寿命特性の向上に寄与する。A成分中のMgの原子比率を表すc値は、0.17以上0.32以下の範囲とする。c値が、0.17未満では水素放出能力が低下するため、放電容量が低下してしまう。一方、0.32を超えると特に水素吸蔵放出に伴う割れが促進し、サイクル寿命特性すなわち耐久性が低下する。好ましくは、c値が、0.18以上0.30以下の範囲である。
Ni:Ni
Niは、A型構造またはAB型構造のB成分の主たる元素である。その原子比率d値は後述する。
Al:Al(ただし、0.02≦e≦0.10)
Alは、A型構造またはAB型構造のB成分の元素として含有する元素であり、電池電圧に関係する水素平衡圧の調整に有効であるとともに、耐食性が向上でき、微粒の水素吸蔵合金の耐久性向上、すなわちサイクル寿命特性に効果がある。上記効果を確実に発現させるためには、A成分に対するAlの原子比率を表すe値は、0.02以上0.10以下の範囲とする。e値が、0.02未満では耐食性が十分ではなくなり、その結果サイクル寿命が十分でなくなる。一方、e値が、0.10を超えると放電容量が低下してしまう。好ましいe値は、0.03以上0.09以下の範囲である。
Cr:Cr(ただし、0≦f≦0.05)
Crは、Alと同様にA型構造またはAB型構造のB成分の元素として含有する元素であり、電池電圧に関係する水素平衡圧の調整に有効であるとともに、Alとの相乗効果で耐食性が高まり、耐久性が向上する。特に、微粒の水素吸蔵合金の耐久性向上、すなわちサイクル寿命特性に効果がある。上記効果を確実に発現させるためには、A成分に対するCrの原子比率を表すf値は、0.05以下とする。f値が0.05を超えると過剰なCrによって水素の吸蔵放出に伴う割れが誘起され、結果として耐久性が低下して、サイクル寿命が十分ではなくなる。好ましいf値は、0.002以上0.04以下の範囲であり、さらに好ましくは0.005以上0.03以下の範囲である。
A成分とB成分の比率:2.95≦d+e+f<3.50
型構造またはAB型構造のA成分に対するB成分(Ni、AlおよびCr)のモル比である化学量論比、すなわち、一般式で表されるd+e+fの値は、2.95以上3.50未満の範囲であることが好ましい。2.95未満では、副相すなわちAB相が徐々に増えてしまい、特に放電容量が低下するとともに、サイクル寿命も低下する。一方、3.50以上ではAB相が増え、水素吸蔵放出に伴う割れが促進されるようになり、結果として耐久性、すなわちサイクル寿命が低下してしまう。好ましくは3.00以上3.45以下の範囲である。
[水素吸蔵合金の製造方法]
次に、本発明の水素吸蔵合金の製造方法について説明する。
本発明の水素吸蔵合金は、希土類元素(Ce、Sm、Laなど)やマグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)などの金属元素を所定のモル比となるように秤量した後、これらの原料を、高周波誘導炉に設置したアルミナるつぼに投入してアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で溶解した後、鋳型に鋳込んで水素吸蔵合金のインゴットを作製する。あるいは、ストリップキャスト法を用いて、200~500μm厚程度のフレーク状試料を直接作製してもよい。
なお、本発明の水素吸蔵合金は、主成分として、融点が低く高蒸気圧のMgを含有しているため、全合金成分の原料を一度に溶解すると、Mgが蒸発してしまい、目標とする化学組成の合金を得ることが困難となる場合がある。そこで、本発明の水素吸蔵合金を溶解法により製造するに当たっては、まず、Mgを除いた他の合金成分を溶解した後、その溶湯内に金属MgおよびMg合金などのMg原料を投入するのが好ましい。また、この溶解工程は、アルゴンまたはヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましく、具体的には、アルゴンガスを80vol%以上含有した不活性ガスを0.05~0.2MPaに調整した減圧・加圧雰囲気下で行うのが好ましい。
上記条件にて溶解した合金は、その後、水冷の鋳型に鋳造し、凝固させて水素吸蔵合金のインゴットとするのが好ましい。次いで、得られた各水素吸蔵合金のインゴットについて、DSC(示差走査熱量計)を用いて融点(T)を測定する。これは、本発明の水素吸蔵合金は、上記鋳造後のインゴットを、アルゴンまたはヘリウム等の不活性ガスまたは窒素ガスのいずれか、もしくは、それらの混合ガス雰囲気下で、700℃以上合金の融点(T)以下の温度で3~50時間保持する熱処理を施すことが好ましいからである。この熱処理により、A型およびAB型から選ばれた一または二の結晶構造をもつ主相の水素吸蔵合金中における比率を50vol%以上とし、副相であるAB相、AB相を減少あるいは消滅させることができる。得られた水素吸蔵合金の主相の結晶構造がA型およびAB型から選ばれた一または二の結晶構造であることは、Cu-Kα線を用いたX線回折測定により確認することができる。
上記熱処理温度が700℃未満では、元素の拡散が不十分であるため、副相が残留してしまい、電池の放電容量の低下やサイクル寿命特性の劣化を招いてしまうおそれがある。一方、熱処理温度が合金の融点Tより-20℃以上(T-20℃以上)となると、主相の結晶粒の粗大化や、Mg成分の蒸発が生じる結果、微粉化や化学組成の変化による水素吸蔵量の低下が起こってしまうおそれもある。したがって、熱処理温度は好ましくは750℃~(T-30℃)の範囲である。さらに好ましくは、770℃~(T-50℃)の範囲である。
また、熱処理の保持時間が3時間以下では、安定的に主相の比率を50vol%以上とすることができないおそれがある。また、主相の化学成分の均質化が不十分となるため、水素吸蔵・放出時の膨張・収縮が不均一となり、発生する歪みや欠陥量が増大してサイクル寿命特性にも悪影響を与えるおそれがある。なお、上記熱処理の保持時間は4時間以上とするのが好ましく、主相の均質化や結晶性向上の観点からは、5時間以上とするのがより好ましい。ただし、保持時間が50時間を超えると、Mgの蒸発量が多くなって化学組成が変化し、その結果、AB型の副相が生成してくるおそれがある。さらに、製造コストの上昇や、蒸発したMg微粉末による粉塵爆発を招くおそれもあるため好ましくない。
熱処理した合金は、乾式法または湿式法で微粉化する。乾式法で微粉化する場合は、例えばハンマーミルやACMパルベライザーなどを用いて粉砕することで平均粒径が20~100μmの粉末を得ることができる。一方、湿式法で微粉化する場合は、ビーズミルやアトライターなどを用いて粉砕する。特に平均粒径が20μm以下の微粉を得る場合には、湿式粉砕の方が安全に作製できるため好ましい。粒径は用途によって適正な範囲、たとえばD50=8~100μmに設定すればよい。
ここで、上記した合金粒子の平均粒径D50は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定した値を用いることとし、測定装置としては、例えば、マイクロトラック・ベル社製 MT3300EXII型などを用いることができる。
なお、上記微粉化した合金粒子は、その後、KOHやNaOHなどのアルカリ水溶液を用いたアルカリ処理や、硝酸や硫酸、塩酸水溶液を用いた酸処理を行う表面処理を施してもよい。これらの表面処理を施すことで、合金粒子表面の少なくとも一部にNiからなる層(アルカリ処理層または酸処理層)を形成し、合金腐食の進行を抑制することができるとともに、耐久性を高めることができることから、電池のサイクル寿命特性や広い温度範囲での放電特性を向上することができる。特に、酸処理の場合には、合金表面のダメージを少なくしてNiを析出させることが可能であることから、塩酸を用いて行うことが好ましい。また、湿式法で合金を粉砕する場合には、表面処理を同時に行うこともできる。
以下に本発明を実施例に基づき説明する。
<実施例1>
下記の表1に示した成分組成を有するNo.1~20の水素吸蔵合金を負極活物質とする評価用セルを、以下に説明する要領で作製し、その特性を評価する実験を行った。なお、表1に示したNo.1~10の合金は、本発明の条件に適合する合金例(発明例)、No.11~20は、本発明の条件を満たさない合金例(比較例)である。また、比較例のNo.11の合金は、セルの特性を評価するための基準合金に用いた。
(負極活物質の作製)
表1に示したNo.1~20の合金の原料(Sm、La、Ce、Mg、Ni、AlおよびCrそれぞれ純度99%以上)を、高周波誘導加熱炉を用いてアルゴン雰囲気下(Ar:100vol%、0.1MPa)で溶解し、鋳造してインゴットとした。次いで、これらの合金インゴットを、アルゴン雰囲気下(Ar:90vol%、0.1MPa)で、各合金の融点T-50℃の温度(940~1130℃)で10時間保持する熱処理を施した後、粗粉砕し、ハンマーミルで、質量基準のD50で25μmになるまで微粉砕して、セル評価用の試料(負極活物質)とした。なお、本発明の発明例のNo.1~10の合金は、熱処理後、粉砕した粉末をX線回折測定し、いずれも主相がA相およびAB型から選ばれた少なくとも1の結晶構造になっていることを確認している。
(評価用セルの作製)
<負極>
上記で調整した負極活物質と、導電助剤のNi粉末と、2種類のバインダー(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC))とを、重量比で、負極活物質:Ni粉末:SBR:CMC=95.5:3.0:1.0:0.5となるように混合し、混練してペースト状の組成物とした。このペースト状の組成物を、パンチングメタルに塗布し、80℃で乾燥した後、15kNの荷重でロールプレスして、負極を得た。
<正極>
水酸化ニッケル(Ni(OH)2)と、導電助剤の金属コバルト(Co)と、2種類のバインダー(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC))とを、質量比で、Ni(OH)2:Co:SBR:CMC=95.5:2.0:2.0:0.5となるように混合し、混練してペースト状の組成物とした。このペースト状の組成物を、多孔質ニッケルに塗布し、80℃で乾燥した後、15kNの荷重でロールプレスして、正極を得た。
<電解液>
電解液は、純水に、水酸化カリウム(KOH)を濃度が6mol/Lとなるよう混合したアルカリ水溶液を用いた。
<評価用セル>
アクリル製の筐体内に、上記の正極を対極、上記の負極を作用極として配設した後、上記電解液を注入して、Hg/HgO電極を参照極としたセルを作製し、評価試験に供した。この際、作用極と対極の容量比は、作用極:対極=1:3となるように調整した。なお、正極と負極の間には、ポリエチレン製の不織布を設置し、セパレータとしている。
(セルの特性評価)
上記のようにして得た合金No.1~20にかかる評価用セルの評価試験は、以下の要領で行った。この際の評価温度はすべて25℃とした。
(1)電極の放電容量
下記の手順で作用極の電極の放電容量の確認を行った。作用極の活物質あたり80mA/gの電流値で定電流充電を10時間行った後、作用極の活物質あたり40mA/gの電流値で定電流放電を行った。放電の終了条件は、作用極電位-0.5Vとした。上記の充放電を10回繰り返し、放電容量の最大値を、その作用極の電極の放電容量とした。なお、10回の充放電により作用極の放電容量が飽和し、安定したことを確認している。
測定した放電容量は、表1に示した合金No.11の放電容量を基準容量とし、それに対する比率を下記(2)式で算出し、この比率が1.00より大きいものを、合金No.11より放電容量が大きく、優れていると評価した。
放電容量=(評価合金の放電容量)/(合金No.11の放電容量)・・・(2)
(2)サイクル寿命特性
上記(1)電極の放電容量で作用極の電極の放電容量が確認されたセルを用いて、下記の手順で作用極のサイクル寿命特性を求めた。
上記(1)電極の放電容量で確認された作用極の電極の放電容量を、1時間で充電または放電を完了させる際に必要な電流値を1Cとしたとき、作用極の充電率が20-80%の範囲において、C/2の電流値で定電流充電および定電流放電を行うことを1サイクルとし、これを100サイクル繰り返して行い、100サイクル後の放電容量を測定し、下記(3)式で容量維持率を求めた。
容量維持率=(100サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)・・・(3)
サイクル寿命特性の評価は、表1に示した合金No.11の100サイクル後の容量維持率を基準容量維持率とし、それに対する比率を下記(4)式で算出し、この比率が1.00より大きいものを、合金No.11よりサイクル寿命特性が大きく、優れていると評価した。
サイクル寿命特性=(測定合金の100サイクル後の容量維持率)/(合金No.11の100サイクル後の容量維持率)・・・(4)
(3)レート特性
上記(1)電極の放電容量で作用極の電極の放電容量が確認されたセルを用いて、下記の手順で作用極のレート特性を求めた。
上記(1)電極の放電容量で作用極の電極の放電容量1時間で充電または放電を完了させる際に必要な電流値を1Cとしたとき、最初に、C/5で定電流充電を7.5時間行った後、C/5で定電流放電を作用極電位-0.5Vまで行い、この時の放電容量を「C/5放電容量」とし、次いで、C/5で定電流充電を7.5時間行った後、5Cで定電流放電を作用極電位-0.5Vまで行い、この時の放電容量を「5C放電容量」とし、下記(5)式で5C放電時の容量維持率を求めた。
5C放電時の容量維持率=(5C放電容量)/(C/5放電容量)・・・(5)
また、レート特性の評価は、表1に示した合金No.11の5C放電時の容量維持率を基準容量維持率とし、それに対する比率を下記(6)式で算出し、この比率が1.00より大きいものを、合金No.11よりレート特性が大きく、優れていると評価した。
レート特性=(測定合金の5C放電時の容量維持率)/(合金No.11の5C放電時の容量維持率)・・・(6)
(4)負極活物質の水素平衡圧評価
得られた各合金は、PCT(Pressure-Composition-Temperature)装置を用いて、水素吸蔵放出特性を評価した。測定温度は80℃であり、水素圧を1MPa超まで段階的に加え、その後圧力を低下させて測定した。なお、測定は一度水素を合金に吸蔵放出させた後に実施した。水素平衡圧は水素放出曲線のモル比率基準のH/M=0.5(H:水素、M:金属)の時の水素圧である。図2は一例として、本発明の合金No.5のPCT曲線を示す。この合金の水素平衡圧は上記定義から0.066MPaである。
(5)コスト
合金コストは、表1に記載の成分組成の合金をそれぞれの原料の質量当たり単価と質量比率から算出した。そして、基準としているNo.11の合金に対する相対評価とした。表1に記載のコスト評価では、1以下(基準合金よりも安価)から1.05倍未満は〇、1.05倍以上1.2倍未満は△、1.2倍以上は×とした。
表1から明らかなように、発明例のNo.1~10の合金は合金No.11に対して、放電容量、サイクル寿命特性およびレート特性の評価値がバランスよく向上していることが明らかである。これに対して、比較例のNo.12~20の合金は、いずれかの電極特性の評価値が1.00未満となっていることがわかる。また、コスト面でも本発明の合金は基準合金の1.05倍未満と安価に抑えられている。
Figure 0007251864000001
<実施例2>
(負極活物質の作製)
(La0.90Ce0.05Sm0.050.78Mg0.22Ni3.39Al0.08Cr0.01の成分組成を有する水素吸蔵合金(試料No.B1およびB2)を、一旦真空引きした後、高周波誘導加熱炉を用いてアルゴン雰囲気下(Ar:100vol%、0.1MPa)で溶解し、鋳造してインゴットとした後、このインゴットをアルゴン雰囲気下(Ar:90vol%、0.1MPa)にて、1000℃(合金融点T-50℃)の温度に10時間保持する熱処理を施し、粗粉砕した後、ハンマーミルを用いて、質量基準のD50=25μmまで微粉砕した。
次いで、上記微粉砕した合金粉末に対して、下記2水準の表面処理を施し、セル評価用の試料(負極活物質)とした。
・アルカリ処理:NaOH:40mass%の60℃の水酸化ナトリウム水溶液中に、固液比1:2の条件で2時間浸漬(試料No.B1)
・酸処理:1mol/Lの30℃の塩酸水溶液中に、固液比1:1の条件で、2時間浸漬(試料No.B2)
(評価用セルの作製およびセルの特性評価)
次いで、上記のようにして用意したセル評価用の試料を用いて、実施例1と同様にして評価用セルを作製し、実施例1と同様にして、セルの特性(放電容量、サイクル寿命特性、レート特性)を評価し、それらの結果を、実施例1の基準に用いた合金No.11(表面処理なし)の測定値を基準値(1.00)として相対評価し、その結果を表2に示した。
Figure 0007251864000002
表2を見てわかるように、本発明の水素吸蔵合金は、表面処理を施すことにより、サイクル寿命特性、レート特性の著しい改善が認められた。
本発明の水素吸蔵合金は、放電容量、サイクル寿命特性およびレート特性のいずれも従来使用されていたAB型の水素吸蔵合金より優れているので、アルカリ一次電池代替の民生用途から各種工業用途、車載用途までの幅広いアルカリ蓄電池の負極用合金として好適である。
1:正極
2:負極
3:セパレータ
4:筐体(電池ケース)
10:アルカリ蓄電池

Claims (3)

  1. アルカリ蓄電池に用いる水素吸蔵合金であって、
    該水素吸蔵合金はA型構造およびAB型構造から選ばれる一または二の結晶構造を主相とし、かつ、下記一般式(1)で表されることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。

    (La1-a-bCeSm1-cMgNiAlCr ・・・(1)
    ここで、上記(1)式中の添字a、b、c、d、eおよびfは、
    0<a≦0.15、
    0≦b≦0.15、
    0.17≦c≦0.32、
    0.02≦e≦0.10、
    0≦f≦0.05、
    2.95≦d+e+f<3.50、
    の条件を満たす。
  2. 前記水素吸蔵合金は、粒子表面の少なくとも一部にNiからなる層を有することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
  3. 前記Niからなる層が、アルカリ処理層または酸処理層であることを特徴とする請求項2に記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
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