JP2008218070A - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びアルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びアルカリ蓄電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金からなるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を改善し、安価で、十分な電池電圧を有すると共に、高容量のアルカリ蓄電池が得られるようにする。
【解決手段】 アルカリ蓄電池の負極に、一般式(Ln1-xCex)1-yMgyNia-b-cM1bM2cで表わされ、式中、LnはYを含みCeを除く希土類元素とTiとZrとから選択される少なくとも1種の元素、M1はV,Nb,Ta,Cr,Mo,Al,Ga,Zn,Sn,In,Si,P,Bから選択される少なくとも1種の元素、M2はMn,Fe,Co,Cuから選択される少なくとも1種の元素であり、x、y、a、b、cが0.10≦x≦1.00、0.05≦y≦0.35、2.8≦a≦3.9、0≦b≦0.5、0<c≦1.0の条件を満たすアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池及びこのアルカリ蓄電池の負極に使用するアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金に係り、特に、アルカリ蓄電池の負極に使用するアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を改善し、安価で、十分な電池電圧を有すると共に、高容量のアルカリ蓄電池が得られるようにした点に特徴を有するものである。
従来、アルカリ蓄電池としては、ニッケル・カドミウム蓄電池が広く使用されていたが、近年においては、ニッケル・カドミウム蓄電池に比べて高容量で、またカドミウムを使用しないため環境安全性にも優れているという点から、負極に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池が注目されるようになった。
そして、このようなニッケル・水素蓄電池からなるアルカリ蓄電池が各種のポータブル機器に使用されるようになり、このアルカリ蓄電池をさらに高性能化させることが期待されている。
ここで、このようなアルカリ蓄電池においては、その負極に使用する水素吸蔵合金として、一般にCaCu5型格子の結晶を主相とする希土類−ニッケル系水素吸蔵合金や、ラーベス型のAB2格子の結晶を主相とする水素吸蔵合金等が一般に使用されている。
しかし、上記の水素吸蔵合金は、水素吸蔵能力が必ずしも十分であるとはいえず、アルカリ蓄電池をさらに高容量化させることが困難であった。
そして、近年においては、上記の希土類−ニッケル系水素吸蔵合金における水素吸蔵能力を向上させるために、上記の希土類−ニッケル系水素吸蔵合金にマグネシウムを含有させて、CaCu5型以外の結晶構造を有する希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を用いることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
ここで、上記の希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金に用いられる希土類成分としては、一般にLaやPrやNd等が用いられているが、PrやNdは高価であり、これらの量を多くするとコストが高くつくという問題があった。また、LaやPrやNdを用いた場合には、一般に水素吸蔵合金における水素吸蔵放出の平衡圧を十分に高めることができず、高い電池電圧が得られなくなるという問題もあった。
このため、希土類成分として、安価で、水素吸蔵合金における水素吸蔵放出の平衡圧を高めることができるCeを使用することが検討されるようになった。
しかし、希土類成分としてCeを多く使用した場合には、水素吸蔵合金における容量特性が大幅に低下して、高い電池容量が得られなくなることが指摘されており(例えば、特許文献3参照。)、依然として、安価で、十分な電池電圧を有すると共に、高容量のアルカリ蓄電池を得ることは困難であった。
特開平10−321223号公報 特開2002−69554号公報 特開2002−83593号公報
本発明は、負極に希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金からなるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を使用したアルカリ蓄電池における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、上記の希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金からなるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を改善し、安価で、十分な電池電圧を有すると共に、高容量のアルカリ蓄電池が得られるようにすることを課題とするものである。
本発明におけるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金においては、上記のような課題を解決するため、一般式(Ln1-xCex1-yMgyNia-b-cM1bM2cで表わされる水素吸蔵合金であって、式中、LnはYを含みCeを除く希土類元素とTiとZrとから選択される少なくとも1種の元素、M1はV,Nb,Ta,Cr,Mo,Al,Ga,Zn,Sn,In,Si,P,Bから選択される少なくとも1種の元素、M2はMn,Fe,Co,Cuから選択される少なくとも1種の元素であり、x、y、a、b、cが0.10≦x≦1.00、0.05≦y≦0.35、2.8≦a≦3.9、0≦b≦0.5、0<c≦1.0の条件を満たすようにした。
ここで、上記のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金は、その結晶構造がCaCu5型格子とラーベス型のAB2格子とが積層された構造になっており、このような構造としては、例えば、CeNi3型やPuNi3型からなるAB3型、Ce2Ni7型やGd2Co7型からなるA27型、Pr5Co19型やCe5Co19型からなるA519型の結晶構造になっている。
そして、上記のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金において、合金中におけるCeの量が多くなりすぎると、十分な電池容量が得られなくなる一方、Ceの量が少ないと、コストを低減させると共に十分に電池電圧を向上させることが困難になるため、Ceの割合を示す上記のxの値が0.10≦x≦1.00の条件を満たすようにしており、好ましくは、0.20≦x≦1.00の条件を満たすようにする。
また、上記のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金において、上記のようにM2として、Mn,Fe,Co,Cuから選択される少なくとも1種の元素を含有させると、高い電池容量が得られるようになるが、このM2の量が多くなりすぎると、上記の水素吸蔵合金中に、上記の結晶構造とは異なる結晶相が多く生成して、十分な電池容量が得られなくなるため、M2の割合を示す上記のcの値が0<c≦1.0の条件を満たすようにし、特に、M2としてCoを含有させ、上記のcの値が0.3≦c≦1.0の条件を満たすようにすると、より高い電池容量が得られるようになる。なお、水素吸蔵合金中に、上記のMn,Fe,Co,Cuから選択される少なくとも1種の元素を含有させた場合に、高い電池容量が得られるようになる理由は不明であるが、このような元素を加えることにより、CaCu5型格子とラーベス型のAB2格子とを積層させた場合における格子の歪みが解消されて、スムーズな水素の吸蔵、放出が行われるようになるためであると考えられる。
そして、本発明におけるアルカリ蓄電池においては、その負極に用いる水素吸蔵合金に、上記のようなアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いるようにした。
本発明においては、アルカリ蓄電池の負極に上記のようなアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いるようにしたため、安価で、十分な電池電圧を有すると共に、高い電池容量のアルカリ蓄電池が得られるようになった。
また、本発明のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金においては、上記のように安価なCeを用いた場合においても、電池容量が低下するのが防止されて、高い電池容量が得られるようにしているため、単位体積当りの電池容量が230Ah/L以上になった高容量のアルカリ蓄電池を得るために、正極に対する負極の容量比(負極容量/正極容量)を1.5以下になるようにした場合においても、充放電により負極が劣化して、負極容量が正極容量以下になって電池が急激に劣化するが抑制されるようになる。このため、このようなアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を、単位体積当りの電池容量が230Ah/L以上になった高容量のアルカリ蓄電池に適切に利用することができるようになる。
以下、本発明の実施例に係るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びこのアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池について説明すると共に、比較例を挙げ、本発明の実施例に係るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いた場合には、安価で十分な電池電圧を有すると共に、高い電池容量のアルカリ蓄電池が得られることを明らかにする。なお、本発明におけるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金及びアルカリ蓄電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
実施例1においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるLn元素のLa及びNdと、Ceと、Mgと、Niと、Alと、Mnとを所定の合金組成になるように混合し、これをアルゴンガス雰囲気中において高周波誘導溶解炉により溶融させた後、これを冷却させて水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットを不活性雰囲気中において1000℃で10時間熱処理して均質化させた後、この水素吸蔵合金のインゴットを不活性雰囲気中において機械的に粉砕し、これを分級して、組成が(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.20Al0.20Mn0.10になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、上記の水素吸蔵合金の組成は、誘導結合プラズマ分光分析(ICP)により測定した。また、この水素吸蔵合金の粉末についてレーザ回折・散乱式粒度分布測定装置により粒度分布を測定した結果、重量積分が50%における平均粒径が65μmになっていた。
ここで、上記の水素吸蔵合金においては、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
(実施例2)
実施例2においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるLn元素のLa及びNdと、Ceと、Mgと、Niと、Alと、Feとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmであり、組成が(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.20Al0.20Fe0.10になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金においても、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
(実施例3)
実施例3においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるLn元素のLa及びNdと、Ceと、Mgと、Niと、Alと、Coとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmであり、組成が(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.20Al0.20Co0.10になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金においても、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
(実施例4)
実施例4においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるLn元素のLa及びNdと、Ceと、Mgと、Niと、Alと、Cuとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmであり、組成が(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.20Al0.20Cu0.10になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金においても、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
(比較例1)
比較例1においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、Ce及び前記の一般式におけるM2の元素を加えずに、前記のLn元素のLa及びNdと、Mgと、Niと、Alとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmであり、組成が(La0.5Nd0.50.85Mg0.15Ni3.30Al0.20になった水素吸蔵合金の粉末を得た。
(比較例2)
比較例2においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるM2の元素を加えずに、前記のLn元素のLa及びNdと、Ceと、Mgと、Niと、Alとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmであり、組成が(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.30Al0.20になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金においても、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
(比較例3)
比較例3においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるM2の元素を加えずに、前記のLn元素のLa及びNdと、Ceと、Mgと、Niと、Alと、Znとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmで、組成が(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.20Al0.20Zn0.10になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金においても、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
(比較例4)
比較例4においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるM2の元素を加えずに、前記のLn元素のLa及びNdと、Ceと、Mgと、Niと、Alと、Moとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmで、組成が(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.20Al0.20Mo0.10になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金においても、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
ここで、上記の実施例1〜4及び比較例1〜4において作製した各水素吸蔵合金について、それぞれCu−Kα線をX線源とするX線回折測定装置(Rigaku社製 TTR‐II)を用いてX線回折測定を行った結果、これらの各水素吸蔵合金は何れもCe2Ni7型の結晶構造のものとピークの位置が一致しており、Ce2Ni7型の結晶構造を有していることが分かった。
また、JIS H7201に規定されているPCT測定に準拠し、上記の実施例1〜4及び比較例1〜4において作製した各水素吸蔵合金について、それぞれ80℃の条件下において、水素ガス圧力を1MPaまで変化させて平衡圧力を測定すると共に、ガス体積と圧力変化から吸蔵された水素量を測定し、縦軸が圧力、横軸が組成(H/M:水素吸蔵合金の水素吸蔵量)になった圧力−組成等温線を測定した。
そして、上記の各水素吸蔵合金について、水素ガス圧力1MPaにおけるH/Mの最大値(H/Mmax)及び上記の圧力がほぼ一定に保たれるH/M=0.4における水素放出時の平衡圧を求め、その結果を下記の表1に示した。
次に、上記の実施例1〜4及び比較例1〜4において作製した各水素吸蔵合金を用い、それぞれ水素吸蔵合金粉末25重量部に対して、ニッケルパウダーを75重量部の割合で加え、これらをペレット状に加圧成形して、上記の各アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を用いた各負極を作製した。
一方、正極としては、負極に対して十分な容量を有する円筒状に形成した焼結式ニッケル極を使用し、アルカリ電解液としては、30重量%の水酸化カリウム水溶液を用い、図1に示すような試験セルを作製した。
ここで、上記の試験セルにおいては、ポリプロピレン製の容器10内に上記のアルカリ電解液13を収容させ、上記の円筒状に形成した正極11内に負極12と酸化水銀電極からなる参照極14を収容させた状態で、上記の正極11と負極12と参照極14とを上記のアルカリ電解液13に浸漬させた。
そして、上記の各負極を用いた各試験セルを、それぞれ水素吸蔵合金1gに対して180mAの電流で2時間50分充電させた後、水素吸蔵合金1gに対して180mAの電流で上記の参照極に対する各負極の電位が−0.5Vになるまで放電させ、このような充放電を5回繰り返して行った。そして、5回の充放電の中で、容量が最大となった各水素吸蔵合金における最大容量(mAh/g)を求め、その結果を下記の表1に示した。
Figure 2008218070
この結果、Ceを加えた実施例1〜4及び比較例2〜4の各水素吸蔵合金は、Ceを加えていない比較例1の水素吸蔵合金に比べて、水素放出時の平衡圧が高くなっており、高い電池電圧が得られると共に、コストが高いNdの量を少なくすることができ、コストを低減することができた。
また、Ceを加えた実施例1〜4及び比較例2〜4の各水素吸蔵合金を比較した場合、前記の一般式におけるM2の元素を加えた実施例1〜4の各水素吸蔵合金は、M2の元素を加えていない比較例2〜4の各水素吸蔵合金に比べて、上記の最大容量が大きく増加しており、高い電池容量が得られるようになっていた。
この結果、実施例1〜4の各水素吸蔵合金を用いた場合には、安価で、高い電池電圧及び電池容量を有するアルカリ蓄電池が得られるようになり、特に、上記のM2の元素としてCoを加えた実施例3の水素吸蔵合金においては、水素放出時の平衡圧及び最大容量が高い値を示し、より高い電池電圧及び電池容量を有するアルカリ蓄電池が得られることが分かった。
(実施例5〜7)
実施例5〜7においては、上記の実施例3の場合と同様に一般式におけるM2の元素としてCoを加えるにあたり、加えるNiとCoの量を変更させ、それ以外は、上記の実施例3の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmになった各水素吸蔵合金の粉末を得た。
ここで、実施例5〜7の各水素吸蔵合金の組成は、実施例5では(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.10Al0.20Co0.20、実施例6では(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni3.00Al0.20Co0.30、実施例7では(La0.3Ce0.4Nd0.30.85Mg0.15Ni2.80Al0.20Co0.50になっており、これらの水素吸蔵合金においても、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値は0.4になっている。
そして、実施例5〜7において作製した各水素吸蔵合金についても、上記の場合と同様にして、水素ガス圧力1MPaにおけるH/Mの最大値(H/Mmax)及び上記の圧力がほぼ一定に保たれるH/M=0.4における水素放出時の平衡圧を求め、その結果を上記の実施例3及び比較例2の結果と合わせて下記の表2に示した。
また、上記の実施例5〜7において作製した各水素吸蔵合金を用い、上記の場合と同様にして各試験セルを作製して、各水素吸蔵合金における最大容量(mAh/g)を求め、その結果を上記の実施例3及び比較例2の結果と合わせて下記の表2に示した。
Figure 2008218070
この結果、Ceを加えると共に前記M2の元素としてCoを加えた実施例3,5〜7の各水素吸蔵合金は、Coを加えていない比較例2の水素吸蔵合金に比べて、水素放出時の平衡圧及び最大容量が大きく向上しており、Coの量が増加するに伴って、水素放出時の平衡圧及び最大容量が向上し、高い電池電圧及び電池容量を有するアルカリ蓄電池が得られることが分かった。
(実施例8)
実施例8においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、前記の一般式におけるLn元素のLa,Pr,Nd及びZrと、Ceと、Mgと、Niと、Alと、Coとを所定の合金組成になるように混合し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、上記の平均粒径が65μmで、組成が(La0.06Ce0.10Pr0.21Nd0.62Zr0.010.89Mg0.11Ni3.17Al0.23Co0.10になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金においては、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値が0.1になっている。
(比較例5)
比較例5においては、負極に用いるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を製造するにあたり、上記の実施例8において、前記のM2の元素であるCoを加えずに、前記の一般式におけるLn元素のLa,Pr,Nd及びZrと、Ceと、Mgと、Niと、Alとを所定の合金組成になるように混合し、上記の平均粒径が65μmで、組成が(La0.06Ce0.10Pr0.21Nd0.62Zr0.010.89Mg0.11Ni3.27Al0.23になった水素吸蔵合金の粉末を得た。なお、この水素吸蔵合金も、上記の実施例8と同様に、前記の一般式におけるCeの割合を示すxの値が0.1になっている。
そして、実施例8及び比較例5において作製した各水素吸蔵合金についても、上記の場合と同様にして、水素ガス圧力1MPaにおけるH/Mの最大値(H/Mmax)及び上記の圧力がほぼ一定に保たれるH/M=0.4における水素放出時の平衡圧を求め、その結果を下記の表3に示した。
また、上記の実施例8及び比較例5において作製した各水素吸蔵合金を用い、上記の場合と同様にして各試験セルを作製して、各水素吸蔵合金における最大容量(mAh/g)を求め、その結果を下記の表3に示した。
Figure 2008218070
この結果、Ceの量xが0.1と少なくなった場合においても、一般式におけるM2の元素としてCoを加えた実施例8の各水素吸蔵合金は、Coを加えていない比較例5の水素吸蔵合金に比べて、水素放出時の平衡圧及び最大容量が向上しており、高い電池電圧及び電池容量を有するアルカリ蓄電池が得られることが分かった。
なお、上記の実施例8や比較例5の水素吸蔵合金のように、PrやNdの量を多くしてCeの量xを0.1と少なくした場合には、電池容量が向上するが、コストが高くつくようになる。
本発明の実施例1〜8及び比較例1〜5において作製したアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金を負極に用いた試験セルの概略断面図である。
符号の説明
10 容器
11 正極
12 負極
13 アルカリ電解液
14 参照極

Claims (5)

  1. 一般式(Ln1-xCex1-yMgyNia-b-cM1bM2cで表わされる水素吸蔵合金であって、式中、LnはYを含みCeを除く希土類元素とTiとZrとから選択される少なくとも1種の元素、M1はV,Nb,Ta,Cr,Mo,Al,Ga,Zn,Sn,In,Si,P,Bから選択される少なくとも1種の元素、M2はMn,Fe,Co,Cuから選択される少なくとも1種の元素であり、x、y、a、b、cが0.10≦x≦1.00、0.05≦y≦0.35、2.8≦a≦3.9、0≦b≦0.5、0<c≦1.0の条件を満たすことを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
  2. 請求項1に記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金において、上記の式中のxが0.20≦x≦1.00の条件を満たすことを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金において、上記の式中のM2の元素がCoであり、cが0.3≦c≦1.0の条件を満たすことを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金が、CaCu5型格子とラーベス型のAB2格子とが積層された構造であることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
  5. 正極と、水素吸蔵合金を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、上記の負極に上記の請求項1〜4の何れか1項に記載したアルカリ蓄電池用素吸蔵合金を用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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