JP2009181768A - アルカリ蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素吸蔵合金の活性点を増加させるとともに、増加させた活性点の周囲に対して充分な電解液を供給できるようにして、充分な出力向上効果が得られるアルカリ蓄電池を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池10は、水素吸蔵合金は少なくとも希土類元素を含む元素からなるA成分と、少なくともニッケルを含む元素からなるB成分とから構成されるとともに、A成分に対するB成分の合金量論比が3.8以上で、かつ合金主相がA519型構造の水素吸蔵合金であり、かつ水素吸蔵合金負極11が保持する電解液質量は水素吸蔵合金1g当たり0.11g以上で、水素吸蔵合金の総表面積(S1cm2)に対する炭素系材料(導電剤)の総表面積(S2m2)の表面積比(S2/S1)が30以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(PEV:Pure Electric Vehicle)等の大電流放電を要する用途に適したアルカリ蓄電池に係わり、特に、水素吸蔵合金を負極活物質とするとともに非水溶性高分子からなる糊材と炭素系導電剤とを含有する水素吸蔵合金負極と、正極と、これらの両極を隔離するセパレータと、アルカリ電解液とを外装缶内に備えたアルカリ蓄電池に関する。
近年、ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(PEV)などの出力が求められる機器の電源用としてアルカリ蓄電池、特に、ニッケル−水素蓄電池が用いられるようになった。一般的に、ニッケル−水素蓄電池の負極活物質として用いられる水素吸蔵合金は、LaNi5等のAB5型希土類水素吸蔵合金のB成分(Ni)の一部をアルミニウム(Al)やマンガン(Mn)等の元素で置換したものが用いられている。このようなAB5型希土類水素吸蔵合金以外にも、AB2型構造なども知られている。また、AB2型構造とAB5型構造とを組み合わせることで種々の結晶構造をとることも知られている。
これらのうち、AB2型構造とAB5型構造とが2層を周期として重なり合ったA27型構造の水素吸蔵合金が、例えば特許文献1(特開2002−164045号公報)等で種々検討されるようになった。このA27型構造の水素吸蔵合金は六方晶系の結晶構造(2H)を有しており、水素の吸蔵・放出のサイクル寿命特性を向上させることが可能である。ところが、A27型構造の水素吸蔵合金は、放電特性(アシスト出力)が不十分で、従来の範囲を遥かに越えた出力用途としては満足いく性能を有していないという問題があった。
ここで、準安定構造となり得る結晶構造としては、A27型構造の他にA519型構造などが知られている。この場合、A519型構造はAB2型構造とAB5型構造とが3層を周期として積み重なり合っており、A27型構造よりも単位結晶格子当たりのニッケル(Ni)比率を増加させることができるので、水素分子の吸着および水素原子への解離を促進する活性点を増加させることが可能となる。
特開2002−164045号公報
上述のように、水素吸蔵合金の活性点を増加させることにより、ある程度の出力向上効果が見込めることとなる。しかしながら、負極活物質となる水素吸蔵合金粉末の周囲には非水溶性糊剤(例えば、SBR(スチレンブタジエンラテックス)など)が点在するため、電解液は水素吸蔵合金粉末の周辺に分布することとなる。即ち、電解液は水素吸蔵合金粉末の周囲に局所的に介在することとなって、増加させた活性点の周囲に対して充分な電解液を供給し得ないこととなる。これにより、活性点を増加させたのに関わらず、充分な出力向上効果が得られないという問題を生じた。
ここで、増加させた活性点の周囲に対して充分な電解液を供給できるようにするためには、電池内に充填する電解液量を増加させればよいと単純に考えがちであるが、単に、電解液量を増加させただけでは出力は向上しないことが分かった。
これは、電池内に充填する電解液量を増加させたとしても、セパレータなどの他の構成要素に保持される電解液量が増加するようになるからである。また、増加させた電解液量に対応する空間体積が減少することにより、電池内での圧力の増加などの様々の新たな問題も生じるためである。
そこで、本発明は上記した問題を解決するためになされたものであって、水素吸蔵合金の活性点を増加させるとともに、増加させた活性点の周囲に対して充分な電解液を供給できるようにして、充分な出力向上効果が得られるアルカリ蓄電池を提供することを目的とするものである。
本発明のアルカリ蓄電池は、水素吸蔵合金を負極活物質とするとともに非水溶性高分子からなる糊材と導電剤としての炭素材料とを含有する水素吸蔵合金負極と、正極と、これらの両極を隔離するセパレータと、アルカリ電解液とを外装缶内に備えている。そして、上記目的を達成するため、水素吸蔵合金は少なくとも希土類元素を含む元素からなるA成分と、少なくともニッケルを含む元素からなるB成分とから構成されるとともに、A成分に対するB成分の合金量論比が3.8以上で、かつ合金主相がA519型構造の水素吸蔵合金であり、かつ水素吸蔵合金負極が保持した電解液量は水素吸蔵合金1g当たり0.11g以上で、水素吸蔵合金の総表面積(S1cm2)に対する導電剤となる炭素材料の総表面積(S2cm2)の表面積比(S2/S1)が30以上であることを特徴とする。
ここで、水素吸蔵合金がA519型構造を有し、A成分とB成分の量論比が3.8以上になると大幅に出力が向上することが明らかになった。そして、この効果は、水素吸蔵合金の総表面積(S1cm2)に対する導電剤となる炭素材料の総表面積(S2cm2)の表面積比(S2/S1)が30以上であるときに発揮され、30未満では望ましい効果が得られないことが明らかになった。また、S2/S1を増加させずに水素吸蔵合金1g当たりの電解液量を増加させても出力を向上させる効果が得られないことも明らかになった。
以上のことから、水素吸蔵合金はA519型構造を有し、そのA成分とB成分の量論比が3.8以上で、かつ水素吸蔵合金負極には導電剤として炭素材料が混入されるとともに、水素吸蔵合金の総表面積Slに対する炭素材料の総表面積S2の表面積比S2/S1が30以上であり、かつ水素吸蔵合金負極が保持した電解液量が、水素吸蔵合金1g当たり0.11g以上となるように電解液が注液されている必要がある。
この場合、前記水素吸蔵合金は、一般式Lnl-xMgxNiy-a-bAlab(LnはYを含む希土類元素から選択される少なくとも1種の元素、MはCo,Mn,Znの少なくとも1つ以上からなる元素であり、0.1≦x≦0.2、3.8≦y≦4.0、0.05≦a≦0.30、0≦b≦0.2の条件を満たす)で表される組成を用いることが望ましい。これは、当該条件の範囲外の水素吸蔵合金はA519型構造を均一に作製することが困難になる場合や、電池性能に適した水素吸蔵平衡圧に調整するのが困難になるためである。
本発明においては、活性点が増加した水素吸蔵合金を負極活物質として用い、かつ増加した活性点の周囲に対して充分な電解液を供給できるように、水素吸蔵合金の総表面積に対する導電剤となる炭素材料の総表面積の表面積比と、水素吸蔵合金負極が保持する電解液量を最適化しているので、従来の範囲を遥かに越えた出力特性(アシスト出力)を発揮することが可能なアルカリ蓄電池を得ることが可能となる。
ついで、本発明の実施の形態を以下に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。なお、図1は、本発明のアルカリ蓄電池を模式的に示す断面図である。また、図2は、水素吸蔵合金の総表面積(S1)に対する炭素材料の総表面積(S2)の表面積比(S2/S1)と、−10℃アシスト出力比の関係を示すグラフである。
1.水素吸蔵合金
希土類元素(Ln;La,Ce,Pr,Ndなど)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、コバルト(Co)などの金属元素を所定のモル比となるように混合した後、これらの混合物をアルゴンガス雰囲気の高周波誘導炉に投入して溶解させた。この後、これを溶湯急冷して水素吸蔵合金a,bのインゴットを作製した。ついで、得られた各水素吸蔵合金a,bについて、DSC(示差走査熱量計)を用いて融点(Tm)を測定した。その後、これらの水素吸蔵合金a,bの融点(Tm)よりも30℃だけ低い温度(Ta=Tm−30℃)で所定時間(この場合は10時間)の熱処理を行った。
なお、これらの水素吸蔵合金a,bの組成を高周波プラズマ分光法(ICP)によって分析すると、下記の表1に示すように、水素吸蔵合金aは組成式がLn0.9Mg0.1Ni3.2Al0.2Co0.1で表され、水素吸蔵合金bはLn0.9Mg0.1Ni3.7Al0.1で表されるものであることが分かった。なお、下記の表1には、各水素吸蔵合金a,bを一般式Lnl-xMgxNiy-a-bAlab(MはCo,Mn,Znの少なくとも1つ以上からなる元素)で表した場合のx(Mgの量論比),a(Alの量論比),b(Mの量論比)およびy(B成分(Ni+Al+M)の量論比)の値も示している。
Figure 2009181768
この後、これらの各水素吸蔵合金a,bの塊を粗粉砕した後、不活性ガス雰囲気中で単位質量(1g)当たりの表面積(m2)が0.2(m2/g)になるまで機械的に粉砕して、水素吸蔵合金粉末a,bを作製した。ついで、Cu−Kα管をX線源とするX線回折測定装置を用いる粉末X線回折法で水素吸蔵合金粉末a,bの結晶構造の同定を行った。この場合、スキャンスピード1°/min、管電圧40kV、管電流300mA、スキャンステップ1°、測定角度(2θ)20〜50°でX線回折測定を行った。得られたXRDプロファイルよりJCPDSカードチャートを用いて、各水素吸蔵合金a,bの結晶構造を同定した。
ここで、各結晶構造の構成比において、A519型構造はCe5Co19型構造とPr5Co19型構造とし、A27型構造はCe2Ni7型構造とし、AB5型構造はLaNi5型構造として、JCPDSによる各構造の回折角の強度値と42〜44°の最強強度値との比各強度比を、得られたXRDプロファイルにあてはめて、各構造の構成比率を算出すると、下記の表2に示すような結果が得られた。
Figure 2009181768
上記表1および表2の結果から以下のことが明らかとなった。即ち、合金aのように、B成分(Ni+Al+M)の量論比yが3.5と小さいと、A27型構造が合金主相となる。これに対して、合金bのように、B成分(Ni+Al+M)の量論比yが3.8以上であると、A519型構造が合金主相となることが分かる。
2.水素吸蔵合金負極
上述した水素吸蔵合金a,bを用いて、以下のようにして水素吸蔵合金負極11(a1〜a4,b1〜b4)をそれぞれ作製した。この場合、得られた水素吸蔵合金粉末a,bを100質量部に対して、下記の表3に示すような表面積比(炭素材料の総表面積(S2)/水素吸蔵合金の総表面積(S1))となるように炭素材料(導電剤)としてのケッチェンブラックを添加するとともに、非水溶性結着剤としてのスチレンブタジエンラテックス(SBR)を0.5質量部と、水(あるいは純水)とを添加し、混練して水素吸蔵合金スラリーを作製した。ついで、Niメッキ軟鋼材製の多孔性基板(パンチングメタル)からなる負極芯体11aを用意し、この負極芯体11aに水素吸蔵合金スラリーを塗着して活物質層11bを形成した。この後、乾燥させ、充填密度が5.0g/cm3となるように圧延し、負極表面積(短軸長×長軸長×2)が1000cm2となるように切断して、水素吸蔵合金負極11(a1〜a3,b1〜b4)をそれぞれ作製した。
3.ニッケル正極
一方、多孔度が約85%の多孔性ニッケル焼結基板を比重が1.75の硝酸ニッケルと硝酸コバルトの混合水溶液に浸漬して、多孔性ニッケル焼結基板の細孔内にニッケル塩およびコバルト塩を保持させた。この後、この多孔性ニッケル焼結基板を25質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液中に浸漬して、ニッケル塩およびコバルト塩をそれぞれ水酸化ニッケルおよび水酸化コバルトに転換させた。
ついで、充分に水洗してアルカリ溶液を除去した後、乾燥を行って、多孔性ニッケル焼結基板の細孔内に水酸化ニッケルを主成分とする活物質を充填した。このような活物質充填操作を所定回数(例えば6回)繰り返して、多孔性焼結基板の細孔内に水酸化ニッケルを主体とする活物質の充填密度が2.5g/cm3になるように充填した。この後、室温で乾燥させた後、所定の寸法に切断してニッケル正極12を作製した。
4.ニッケル−水素蓄電池
この後、上述のように作製された水素吸蔵合金負極11(a1〜a3,b1〜b4)とニッケル正極12とを用い、これらの間に、目付が55g/m2の不織布からなるセパレータ13を介在させて渦巻状に巻回して渦巻状電極群を作製した。なお、このようにして作製された渦巻状電極群の下部には水素吸蔵合金負極11の芯体露出部11cが露出しており、その上部にはニッケル正極12の芯体露出部12cが露出している。ついで、得られた渦巻状電極群の下端面に露出する芯体露出部11cに負極集電体14を溶接するとともに、渦巻状電極群の上端面に露出するニッケル正極12の芯体露出部12cの上に正極集電体15を溶接して、電極体とした。
ついで、得られた電極体を鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の外装缶(底面の外面は負極外部端子となる)17内に収納した後、負極集電体14を外装缶17の内底面に溶接した。一方、正極集電体15より延出する集電リード部15aを正極端子を兼ねるとともに外周部に絶縁ガスケット19が装着された封口体18の底部に溶接した。なお、封口体18には正極キャップ18aが設けられていて、この正極キャップ18a内に所定の圧力になると変形する弁体18bとスプリング18cよりなる圧力弁(図示せず)が配置されている。
ついで、外装缶17の上部外周部に環状溝部17aを形成した後、電解液を注液し、外装缶17の上部に形成された環状溝部17aの上に封口体18の外周部に装着された絶縁ガスケット19を載置する。この後、外装缶17の開口端縁17bをかしめることにより、ニッケル−水素蓄電池10(A1〜A4,B1〜B4)が作製される。この場合、外装缶17内に30質量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液からなるアルカリ電解液を電池容量当たり2.4g/Ahおよび2.5g/Ahになるように注入して、Dサイズのニッケル−水素蓄電池10(A1〜A4,B1〜B4)を作製した。
ここで、電池容量当たり2.4g/Ahとなるように電解液が注入され、水素吸蔵合金負極a1を用いたものを電池A1とした。同様に、2.4g/Ahとなるように電解液が注入され、水素吸蔵合金負極a2を用いたものを電池A2とし、水素吸蔵合金負極a3を用いたものを電池A3とした。また、電池容量当たり2.5g/Ahとなるように電解液が注入され、水素吸蔵合金負極a4を用いたものを電池A4とした。さらに、電池容量当たり2.5g/Ahとなるように電解液が注入され、水素吸蔵合金負極b1を用いたものを電池B1とした。同様に、2.5g/Ahとなるように電解液が注入され、水素吸蔵合金負極b2を用いたものを電池B2とし、水素吸蔵合金負極b3を用いたものを電池B3とし、水素吸蔵合金負極b4を用いたものを電池B4とした。
Figure 2009181768
5.電池試験
(1)活性化
ついで、上述のようにして作製した電池A1〜A4,B1〜B4を以下のようにして活性化した。この場合、まず、25℃の温度雰囲気で、1Itの充電々流でSOC(State Of Charge:充電深度)の120%まで充電し、25℃の温度雰囲気で1時間休止する。ついで、70℃の温度雰囲気で24時間放置した後、45℃の温度雰囲気で、1Itの放電々流で電池電圧が0.3Vになるまで放電させるサイクルを2サイクル繰り返して、これらの各電池A1〜A4,B1〜B4を活性化した。
なお、上述のように活性化した後、各電池A1〜A4,B1〜B4を解体して、負極が保持した電解液量を求めた。その結果、電池容量当たり2.4g/Ahの電解液が注入された電池A1〜A3においては、活性化後の水素吸蔵合金負極が保持した電解液量は、水素吸蔵合金の単位質量(1g)当り0.09gであることが分かった。また、2.5g/Ahの電解液が注入された電池A4,B1〜B4においては、活性化後の水素吸蔵合金負極が保持した電解液量は、水素吸蔵合金の単位質量(1g)当り0.11gであることが分かった。
(2)出力特性評価
また、上述のように活性化した後、25℃の温度雰囲気で、1Itの充電電流でSOC(State Of Charge :充電深度)の50%まで充電した後、25℃の温度雰囲気で1時間休止する。ついで、−10℃の温度雰囲気で、任意の充電レートで20秒間充電させた後、−10℃の温度雰囲気で30分間休止させる。この後、−10℃の温度雰囲気で、任意の放電レートで10秒間放電させた後、−10℃の温度雰囲気で30分間休止させる。このような−10℃の温度雰囲気で、任意の充電レートでの20秒間充電、30分の休止、任意の放電レートで10秒間放電、30分の休止を繰り返す。
この場合、任意の充電レートは、0.8It→1.7It→2.5It→3.3It→4.2Itの順で充電電流を増加させ、任意の放電レートは、1.7It→3.3It→5.0It→6.7It→8.3Itの順で放電電流を増加させ、各放電レートで10秒間経過時点での各電池A1〜A4,B1〜B4の電池電圧(V)を各電流毎にそれぞれ測定した。ここで、放電特性(アシスト出力特性)の指標として、放電V−Iプロット近似曲線の傾きであるアシスト出力抵抗の逆数を−10℃アシスト出力として求めた。求めた−10℃アシスト出力において、電池A2の−10℃アシスト出力を基準(100)とし、これとの相対比を−10℃アシスト出力比(対電池A1)として算出すると、下記の表4に示すような結果となった。
また、表4の結果に基づいて、炭素材料の総表面積(S2)/水素吸蔵合金の総表面積(S1)を横軸(X軸)とし、−10℃アシスト出力を縦軸(Y軸)としてグラフに表すと、図2に示すような結果となった。
Figure 2009181768
上記表4および図2の結果から、以下のことが明らかになった。即ち、A成分とB成分の量論比が3.5でA27型構造が合金主相となる水素吸蔵合金aを用いた電池A1〜A4においては−10℃アシスト出力比が小さく、出力が向上していないことが分かる。この場合、表面積比(S2/S1)が32である負極a2を用い、負極が保持した電解液量が水素吸蔵合金の単位質量(1g)当り、0.09gとなる電池A2と、0.11gとなる電池A4とを比較すると、単位質量(1g)当りの電解液量が少ない方が−10℃アシスト出力比が大きく、単純に電界液量を増加させても出力が向上しないことを示している。
一方、A成分とB成分の量論比を3.8でA519型構造が合金主相となる水素吸蔵合金bを用いた電池B1〜B4においては、−10℃アシスト出力比が大きく、大幅に出力が向上していることが分かる。ただし、表面積比(S2/S1)が0、即ち、炭素材料が無添加の負極b1を用いた電池B1においては、ほとんど出力が向上していないことが分かる。そして、水素吸蔵合金bを用いた場合、表面積比(S2/S1)が大きくなほど出力が向上することは、図2のグラフに明確に示されているということができ、かつ、表面積比(S2/S1)が30以上であれば、大幅な出力向上が可能で、十分に出力向上効果が発揮されているということができる。
以上のことから、水素吸蔵合金はA519型構造を有し、A成分とB成分の量論比を3.8以上で、この負極には導電剤として炭素材料がが混入され、それらの表面積比(S2/S1)が30以上で、かつ負極が保持している電解液は、水素吸蔵合金の単位質量当たり0.11以上であるように電解液量を注液されている場合に、低温出力特性の大幅な向上が図れるということができる。
なお、水素吸蔵合金は、一般式Lnl-xMgxNiy-a-bAlab(LnはYを含む希土類元素から選択される少なくとも1種の元素、MはCo,Mn,Znの少なくとも1つ以上からなる元素であり、0.1≦x≦0.2、3.8≦y≦4.0、0.05≦a≦0.30、0≦b≦0.2の条件を満たす)で表される組成を用いることが望ましい。これは、当該条件の範囲外の水素吸蔵合金は、A519型構造を均一に作製することが困難になる場合や、電池性能に適した水素吸蔵平衡圧に調整するのが困難になるためである。
なお、上述した実施形態においては、非水溶性高分子としてスチレン系熱可塑性エラストマーのスチレンブタジエンラテックス(SBR)を用いる例について説明したが、スチレン系熱可塑性エラストマー以外の熱可塑性エラストマーとして、オレフィン系,PVC系,ウレタン系,エステル系,アミド系熱可塑性エラストマーを用いるようにしてもよい。また、上述した実施形態においては、導電剤となる炭素材料としてケッチェンブラックを添加する例について説明したが、ケッチェンブラック以外の炭素材料として、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、活性炭粉末、炭素繊維等を添加するようにしてもよい。
本発明のアルカリ蓄電池を模式的に示す断面図である。 水素吸蔵合金の総表面積(S1)に対する炭素材料の総表面積(S2)の表面積比(S2/S1)と、−10℃アシスト出力比の関係を示すグラフである。
符号の説明
11…水素吸蔵合金負極、11b…活物質層、11c…芯体露出部、12…ニッケル正極、12c…芯体露出部、13…セパレータ、14…負極集電体、15…正極集電体、15a…正極用リード、16…外装缶、16a…環状溝部、16b…開口端縁、17…封口体、17a…封口板、17b…正極キャップ、17c…弁板、17d…スプリング、18…絶縁ガスケット

Claims (2)

  1. 水素吸蔵合金を負極活物質とするとともに非水溶性高分子からなる糊材と導電剤としての炭素材料とを含有する水素吸蔵合金負極と、正極と、これらの両極を隔離するセパレータと、アルカリ電解液とを外装缶内に備えたアルカリ蓄電池であって、
    前記水素吸蔵合金は少なくとも希土類元素を含む元素からなるA成分と、少なくともニッケルを含む元素からなるB成分とから構成されるとともに、前記A成分に対する前記B成分の合金量論比が3.8以上で、かつ合金主相がA519型構造の水素吸蔵合金であり、
    前記水素吸蔵合金負極が保持した電解液質量は前記水素吸蔵合金1g当たり0.11g以上で、
    前記水素吸蔵合金の総表面積S1(m2)に対する前記炭素材料の総表面積S2(m2)の表面積比(S2/S1)が30以上であることを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記水素吸蔵合金は一般式がLnl-xMgxNiy-a-bAlabと表され、前記希土類元素(Ln)は少なくともイットリウム(Y)を含み、かつMはCo,Mn,Znから選択される少なくとも1種の元素であり、0.1≦x≦0.2、3.8≦y≦4.0、0.05≦a≦0.30、0≦b≦0.2の条件を満たすことを特徴とするアルカリ蓄電池。
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