JP2022052728A - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ蓄電池の負極に適した水素吸蔵合金を提供する。【解決手段】主相がA2B7型結晶構造を有する水素吸蔵合金であって、希土類元素、マグネシウムおよびニッケル、さらにアルミニウム、亜鉛、スズおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種を含み、Cu-Kα線をX線源とするX線回折測定において、2θ=32.5~33.5°に現れるA2B72H構造の(107)面の回折線強度Iaに対する、2θ=31.5~32.5°に現れるA5B192H構造の(109)面の回折線強度Ibの比Ib/Iaが、0.05以上1.0以下である水素吸蔵合金を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、アルカリ蓄電池に用いる水素吸蔵合金に関する。
アルカリ蓄電池の代表例であるニッケル水素二次電池は、ニッケルカドミウム電池に比べて高容量で、かつ環境面でも有害物質を含まないことが特徴である。そのため、近年、たとえば、携帯電話やパーソナルコンピュータ、電動工具、アルカリ一次電池代替の民生用途からハイブリッド自動車(HEV)用の蓄電池などに幅広く使われるようになってきている。
従来、アルカリ蓄電池の負極には、AB型結晶構造の水素吸蔵合金が使用されていたが、該合金では、電池の小型軽量化には限界があり、小型で高容量を実現できる新たな水素吸蔵合金の開発が望まれていた。そこで、その解決策として、特許文献1や特許文献2は、Mgを含む希土類-Mg遷移金属系水素吸蔵合金を提案している。
また、小型化、軽量化の手法として、たとえば、負極に用いる水素吸蔵合金の量を削減することが考えられるが、水素吸蔵合金の量を削減すると、ニッケル活性点の減少による出力低下という新たな問題が生じる。これを改善するため、特許文献3には、高水素平衡圧の水素吸蔵合金を用いて作動電圧を高くする手法が提案されている。
また、水素吸蔵合金として、希土類-Mg-Ni系合金がいくつか提案されている。たとえば、特許文献4には、体積エネルギー密度の向上に好適な長寿命の二次電池を提供することを目的として、一般式:(LaCePrNd1-xMg(Ni1-y(式中、Aは、Pm等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Tは、V等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、a、b、c、d、eは、0≦a≦0.25、0≦b≦0.2、0≦c、0≦d、0≦eで示される範囲にあるとともにa+b+c+d+e=1で示される関係を満たし、x、y、zはそれぞれ0<x<1、0≦y≦0.5、2.5≦z≦4.5で示される範囲にある)で表される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
また、特許文献5には、過放電後の充電時に電池の内圧上昇が抑制され、電池のサイクル寿命の向上に貢献する水素吸蔵合金として、一般式:(LaPrNd1-wMgNiz-x-yAl(式中、記号Zは、Ce等よりなる群から選ばれる元素を表し、記号Tは、V等よりなる群から選ばれる元素を表し、下付き添字a、b、c、dは、0≦a≦0.25、0<b、0<c、0≦d≦0.20で示される範囲にあるとともにa+b+c+d=1、0.20≦b/c≦0.35で示される関係を満たし、下付き添字x、y、z、wはそれぞれ0.15≦x≦0.30、0≦y≦0.5、3.3≦z≦3.8、0.05≦w≦0.15で示される範囲にある)で表される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
特許文献6には、耐アルカリ性に優れ、安価な希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金として、一般式:(CePrNd1-wMgNiAl(式中、Aは、Pm、Sm等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Tは、V、Nb等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、a、b、c、d、eは、a>0、b≧0、c≧0、d≧0、e≧0、a+b+c+d+e=1で示される関係を満たし、w、x、y、zはそれぞれ0.08≦w≦0.13、3.2≦x+y+z≦4.2、0.15≦y≦0.25、0≦z≦0.1で示される範囲にある)で表される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
さらに特許文献7には、一般式:Ln1-xMgNi(式中、Lnは、Yを含む希土類元素とCaとZrとTiとから選択される少なくとも1種の元素であり、Aは、Co、Mn、V、Cr、Nb、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、PおよびBから選択される少なくとも1種の元素であり、添字x、yおよびzが、0.05≦x0.25、0<z≦1.5、2.8≦y+z≦4.0の条件を満たす)で表される水素吸蔵合金において、上記のLn中にSmが20モル%以上含まれるようにした水素吸蔵合金が開示されている。
さらに、特許文献8には、耐アルカリ性に優れた水素吸蔵合金として、一般式:(LaSm1-wMgNiAl(式中、AおよびTは、Pr、 Nd等よりなる群およびV、Nb等よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素をそれぞれ表し、添字a、b、cはそれぞれ、a>0、b>0、0.1>c≧0、a+b+c=lで示される関係を満たし、添字w、x、y、zはそれぞれ0.1<w≦1、0.05≦y≦0.35、0≦z≦0.5、3.2≦x+y+z≦3.8で示される範囲にある)にて示される組成を有する水素吸蔵合金が開示されている。
また、特許文献9にはアルカリ蓄電池に用いる水素吸蔵合金負極として、Laを主要希土類元素とする一般式(LaLn1一zMgNit-u(T:Al、Co、Mn、Znから選択され、LnはLa以外の希土類元素及びYから選択された少なくとも1種であり、x>y、0.09≦z≦0.14、3.65≦t≦3.80、0.05≦u≦0.25)であって、六方晶系(2H)のA19型構造と、三方晶系(3R)のA19型構造と、A型構造とを含み、2H系のA19型構造のCu-Kα線による粉末X線回折強度ピークは、3R系のA19型構造のもの及びA型構造のものよりも大きいものを使用していることが開示されている。
一方、非特許文献1にはLaをCeで置換した水素吸蔵合金、La0.8-xCeMg0.2Ni3.5(x=0~0.20)が報告されている。この合金の評価結果は、電気化学特性を総合的に見て、x=0.1が最適な組成と結論づけている。
また、非特許文献2によると、RE-Mg-Ni系水素吸蔵合金(RE:希土類元素)へのCeの影響に関する章が設定されている。この章では、
(La0.5Nd0.50.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
(La0.45Nd0.45Ce0.10.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
(La0.4Nd0.4Ce0.20.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
(La0.3Nd0.3Ce0.40.85Mg0.15Ni3.3Al0.2
の合金が開示され、評価した結果が報告されている。
また、非特許文献3によると、La-Sm-Mg-Ni系水素吸蔵合金の特性が報告されている。具体的には、La0.6Sm0.15Mg0.25Ni3.4合金の相構成および電気化学特性が示されている。
特開平11-323469号公報 国際公開第01/ 48841号 特開2005- 32573号公報 特開2005-290473号公報 特開2007-169724号公報 特開2008- 84668号公報 特開2009- 74164号公報 特開2009-108379号公報 特開2014-229593号公報
S.Xiangqian et al., Intern. J. Hydrogen Energy, 34, 395(2009) 安岡茂和、 博士論文:希土類-Mg-Ni系(超格子)水素吸蔵合金の実用化とこれを用いた高性能市販ニッケル水素電池の開発(2017年、京都大学) L.Zhang et al., Intern. J. Hydrogen Energy 41 1791(2016)
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示された技術では、合金の最適化がなされず各種用途に実用化されるまでには至らなかった。
また、特許文献3に開示された技術では、高水素平衡圧の水素吸蔵合金を用いると、充放電サイクル寿命が低下するという新たな問題が生じた。
また、特許文献4に開示された技術では、比較的安価な素材であるLa含有量が低く抑えられており、結果として高価なPr、NdさらにはTiを多く含んでいて、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金は供しえない。
また、特許文献5に開示された技術も、特許文献4と同様に、Pr、Ndが必須の合金で、かつLaの含有量は少なくなっており、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金は供しえない。
また、特許文献6に開示された技術では、Laが含まれず、Ceは含有されているもののPr、Ndを比較的多く含有した合金になっており、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金は供しえない。
また、特許文献8に開示された技術は、Smを比較的多く含んだ合金となっており、Pr、Ndよりは安価な元素を使用しているものの、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金を供しえない。
また、特許文献8に開示された技術は、La、Smを比較的多く含んだ合金となっており、Pr、Ndよりは安価な元素を主体に使用しているものの、安価で耐久性に優れた水素吸蔵合金を供しえない。特に、実施例にはZrを必須としており、B/A比は3.6が開示されているのみである。また、La含有量増加で低下した水素平衡圧を電池で使用可能なレベルに上げるとしているが、安価なLaリッチ組成に設定すると不十分な場合が多い。
さらに、特許文献9に開示された技術は、A19型結晶構造が主相の水素吸蔵合金を負極に用いたアルカリ蓄電池であり、さらなる耐久性の要求に対しては課題があり、信頼性の高い電池を目指すには不十分であった。
一方、非特許文献1では、Laの一部をCe置換した希士類-Mg-Ni合金が示されており、この合金の試作評価では、電気化学特性を総合的に見て、Ceの置換量x=0.1の合金が最適な組成と結論づけているが、まだ実用化には供していない。
また、非特許文献2では、結論として、Ceを含んだ希土類-Mg-Ni系合金は、水素吸蔵放出量が少なく、さらに水素吸蔵放出を繰り返すと微粉化しやすいことから、電池での劣化が大きいことが明らかとなったとしている。
さらに、非特許文献3では、結論として、La0.60Sm0.15Mg0.25Ni3.4合金の電気化学特性を報告しているが、サイクル特性は十分ではなく、140回の充放電サイクルで初期容量の80%にまで低下している。
すなわち、希土類-Mg-Ni系水素吸蔵合金では、水素吸蔵放出を繰り返すことにより合金に割れが生じて、微粉化が促進するとともに、新生面が生じるため耐食性が低いと合金表面が反応して、希土類水酸化物を生成したりして、電解液を消耗し、結果として電池の内部抵抗が高くなり、放電容量が低下することで、電池寿命が短くなる。
本発明は、従来技術が抱えるこれらの問題点に鑑みてなされたものであって、耐久性の高いアルカリ蓄電池の実現に貢献する水素吸蔵合金を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、アルカリ蓄電池の負極に用いられる水素吸蔵合金について、耐久性や電池の高い放電容量、低コストなどを兼ね備えるものとすることを鋭意研究した結果、少なくとも、希土類元素、マグネシウム、ニッケルおよびアルミニウムなどを含む合金であって、特定の結晶構造に基づく回折強度を制御することにより、耐久性を実現させることを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明にかかるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金は、主相がA型結晶構造を有する水素吸蔵合金であって、希土類元素、マグネシウムおよびニッケル、さらにアルミニウム、亜鉛、スズおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種を含み、Cu-Kα線をX線源とするX線回折測定において、2θ=32.5~33.5°に現れるA2H構造の(107)面の回折線強度Iaに対する、2θ=31.5~32.5°に現れるA192H構造の(109)面の回折線強度Ibの比Ib/Iaが、0.05以上1.0以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金は、上記水素吸蔵合金が、下記一般式(1)式で表されることが好ましい。
(La1-a-bCeSm1-cMgNi ・・・(1)
ここで、上記(1)式中のM、Tおよび添字a、b、c、d、eおよびfは、
M:Al、Zn、Sn、Siから選ばれる少なくとも1種、
T:Cr、Mo、Vから選ばれる少なくとも1種、
0<a≦0.10、
0≦b≦0.15、
0<a+b≦0.16
0.225≦c≦0.32、
0.03≦e≦0.16、
0≦f≦0.03、
3.25≦d+e+f<3.50
の条件を満たす。
本発明のアルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金は、耐久性、放電容量に優れており、これを用いたニッケル水素二次電池は高出力密度を有し、充放電サイクル寿命も優れているため、放電容量特性に優れ、各種用途、例えば民生用途、工業用途、車載用途など各種用途に利用できる。
本発明にかかる水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池を例示する部分切欠斜視図である。 本発明にかかる水素吸蔵合金のX線回折測定結果の一例を示すグラフである。
本発明の水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池について、電池の一例を示す部分切欠斜視図である図1に基づいて説明する。アルカリ蓄電池10は、水酸化ニッケル(Ni(OH))を主正極活物質とするニッケル正極1と、本発明にかかる水素吸蔵合金(MH)を負極活物質とする水素吸蔵合金負極2と、セパレータ3とからなる電極群を、アルカリ電解液を充填した電解質層(図示せず)とともに筐体4内に備えた蓄電池である。
この電池10は、いわゆるニッケル-金属水素化物電池(Ni-MH電池)に該当し、以下の反応が生じる。
正極: NiOOH+HO+e-=Ni(OH)+OH-
負極: MH+OH-=M+HO+e-
[水素吸蔵合金]
以下、本発明にかかる、アルカリ蓄電池の負極に用いる水素吸蔵合金について説明する。
本発明の水素吸蔵合金は、主相がA型結晶構造を有する水素吸蔵合金であって、希土類元素、マグネシウムおよびニッケル、さらにアルミニウム、亜鉛、スズおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種を含み、Cu-Kα線をX線源とするX線回折(XRD)測定において、2θ=32.5~33.5°に現れるA型結晶構造(2Hタイプ)の(107)面の回折線強度(Ia)に対して、2θ=31.5~32.5°に現れるA19型結晶構造(2Hタイプ)の(109)面の回折線強度(Ib)の比(Ib/Ia)が、0.05以上1.0以下の範囲にする必要がある。ここで、六方晶(2H)をもつA型結晶構造の(107)面の回折線強度(Ia)に対する六方晶(2H)を持つA19型結晶構造の(109)面の回折線強度(Ib)の比(Ib/Ia)が、0.05未満、あるいは1.0を超えると、水素吸蔵放出に伴う割れ(微粉化)が促進され、耐久性が十分でなくなる。好ましくはIb/Iaが0.08以上0.95以下の範囲である。
また、本発明の水素吸蔵合金は、下記一般式(1)で表される成分組成を有することが好ましい。

(La1-a-bCeSm1-cMgNi ・・・(1)
ここで、上記(1)式中のM、Tおよび添字a、b、c、d、eおよびfは、
M:Al、Zn、Sn、Siから選ばれる少なくとも1種、
T:Cr、Mo、Vから選ばれる少なくとも1種、
0<a≦0.10、
0≦b≦0.15、
0<a+b≦0.16
0.225≦c≦0.32、
0.03≦e≦0.16、
0≦f≦0.03、
3.25≦d+e+f<3.50
の条件を満たす。
型相(2H)とA19相(2H)のX線回折での強度比を上記とし、好ましくは上記一般式(1)で表される成分組成を満足する水素吸蔵合金をアルカリ蓄電池の負極として用いたとき、電池に高い放電容量およびサイクル寿命特性を付与するので、アルカリ蓄電池の小型化・軽量化や高耐久性の達成に寄与する。
以下、本発明の水素吸蔵合金の成分組成を限定する理由について説明する。
希土類元素:La1-a-bCeSm(ただし、0<a≦0.10、0≦b≦0.15、0<a+b≦0.16)
本発明の水素吸蔵合金は、主相のA型構造、副相のA19型構造やAB型構造、AB型構造、AB型構造のA成分の元素として、希土類元素を含有する。希土類元素としては、水素吸蔵能力をもたらす基本成分として、LaおよびCeの2つの元素を原則として必須とする。また、LaとCeは原子半径が異なるため、この成分比率によって、水素平衡圧を制御することができ、電池に必要な水素平衡圧を任意に設定できる。希土類元素に占めるCeの原子比率a値で、0を超え0.10以下の範囲であることが必要である。a値が0.10を超えると水素吸蔵放出にともなう割れが促進され、サイクル寿命の低下を招く。一方、a値が0、つまり、Ceを含まない場合には、十分な水素平衡圧の制御が困難となり、電池特性に悪影響を与える。この範囲であれば、電池に適した水素平衡圧に設定しやすい。好ましくは、Ceの原子比率a値が、0.005以上0.09以下の範囲である。
LaおよびCe以外の希土類元素としてSmを任意に含有することができる。SmはLaやCeと同様に主相のA型構造、副相のA19型構造やAB型構造、AB型構造、AB型構造のA成分の元素として、希土類サイトを占める元素であり、これらの元素と同様に水素吸蔵能力をもたらす成分である。SmはCeに比べると平衡圧をあげる効果は低いが、CeとともにLaを置換することで耐久性が向上する。希土類元素中に占めるSmの原子比率を表すb値の上限は0.15であり、それを超えるとCe量とのバランスでサイクル寿命特性が低下してくる。好ましくは、b≦0.14である。また、CeとSmのLaに対する置換量は0<a+b≦0.16の範囲である。a+bが0.16を超えると割れの抑制が十分でなくなる。好ましくは0.005≦a+b≦0.15である。
Laが多い組成では放電容量が高くなり、他の元素と組み合わせたときに、さらに放電容量特性が向上する。また、希土類元素としてのPrやNdは積極的に活用しないが、不可避不純物レベルで含有していてもよい。
Mg:Mg(ただし、0.225≦c≦0.32)
Mgは、主相のA型構造、副相のA19型構造やAB型構造、AB型構造、AB型構造のA成分の元素として、本発明では必須の元素であり、放電容量の向上およびサイクル寿命特性の向上に寄与する。A成分中のMgの原子比率を表すc値は、0.225以上0.32以下の範囲とする。c値が0.225未満ではA相とA19相のX線回折強度比を制御できず、結果として十分なサイクル寿命特性につながらなくなるとともに、水素放出能力が徐々に低下し、放電容量が低下してしまう。一方、0.32を超えると特に水素吸蔵放出に伴う割れが促進し、サイクル寿命特性すなわち耐久性が低下する。好ましくは、c値は0.225以上0.30以下の範囲である。
Ni:Ni
Niは、主相のA型構造、副相のA19型構造やAB型構造、AB型構造、AB型構造のB成分の主たる元素である。その原子比率d値は後述する。
M:M(ただし、0.03≦e≦0.16)
MはAl、Sn、Zn、Siから選ばれる少なくとも1種であり、主相のA型構造、副相のA19型構造やAB型構造、AB型構造、AB型構造のB成分の元素として含有する元素である。電池電圧に関係する水素平衡圧の調整に有効であるとともに、耐食性が向上でき、微粒の水素吸蔵合金の耐久性向上、すなわちサイクル寿命特性に効果がある。上記効果を確実に発現させるためには、A成分に対するMの原子比率を表すe値は、0.03以上0.16以下の範囲とする。e値が、0.03未満では耐食性が十分ではなくなり、結果として飽和磁化の増大を招き、サイクル寿命が十分でなくなる。一方、e値が、0.16を超えると放電容量が低下してしまう。好ましいe値は、0.035以上0.15以下の範囲である。また、M元素の中で、Alが存在することが好ましく、Alの原子比率は、eの範囲のうち、0.03以上が好ましい。
T:T(ただし、0≦f≦0.03)
TはCr、Mo、Vから選ばれる少なくとも1種であり、Mと同様に主相のA型構造、副相のA19型構造やAB型構造、AB型構造、AB型構造のB成分の元素として含有する元素である。電池電圧に関係する水素平衡圧の調整に有効であるとともに、M元素との相乗効果で耐食性が高まり、耐久性が向上する。特に、微粒の水素吸蔵合金の耐久性向上、すなわちサイクル寿命特性に効果がある。上記効果を確実に発現させるためには、A成分に対するTの原子比率を表すf値は、0.03以下とする。f値が0.03を超えると過剰なTによって水素の吸蔵放出に伴う割れが誘起され、結果として耐久性が低下して、サイクル寿命が十分でなくなる。好ましいf値は0.025以下の範囲であり、特にM元素の量が少ない発明の範囲ではT元素、特にCrが存在することが好ましい。また、CrとMoあるいはVの組み合わせが好ましい。
A成分とB成分の比率:3.25≦d+e+f<3.50
主相のA型構造、副相のA19型構造やAB型構造、AB型構造、AB型構造からなるA成分に対するB成分(Ni、MおよびT)のモル比である化学量論比、すなわち、一般式で表されるd+e+fの値は、3.25以上3.50未満の範囲であることが好ましい。3.25未満では、副相すなわちAB相が徐々に増えてしまい、特に放電容量が低下するとともに、A19相が形成されず、サイクル寿命が低下する。一方、3.50以上ではAB相あるいはA19相が増えすぎてしまい、水素吸蔵放出に伴う割れが促進されるようになり、結果として耐久性、すなわちサイクル寿命が低下してしまう。好ましくは3.30以上3.49以下の範囲である。
[水素吸蔵合金の製造方法]
次に、本発明の水素吸蔵合金の製造方法について説明する。
本発明の水素吸蔵合金は、希土類元素(Ce、Sm、Laなど)やマグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、その他アルミニウム(Al)、クロム(Cr)などのNiに対する置換元素を所定のモル比となるように秤量した後、これらの原料を、高周波誘導炉に設置したアルミナるつぼに投入してアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で溶解した後、鋳型に鋳込んで水素吸蔵合金のインゴットを作製する。あるいは、ストリップキャスト法を用いて、200~500μm厚程度のフレーク状試料を直接作製してもよい。
なお、本発明の水素吸蔵合金は、主成分として、融点が低く高蒸気圧のMgを含有しているため、全合金成分の原料を一度に溶解すると、Mgが蒸発してしまい、目標とする化学組成の合金を得ることが困難となる場合がある。そこで、本発明の水素吸蔵合金を溶解法により製造するに当たっては、まず、Mgを除いた他の合金成分を溶解した後、その溶湯内に金属MgおよびMg合金などのMg原料を投入するのが好ましい。また、この溶解工程は、アルゴンまたはヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましく、具体的には、アルゴンガスを80vol%以上含有した不活性ガスを0.05~0.2MPaに調整した減圧・加圧雰囲気下で行うのが好ましい。
上記条件にて溶解した合金は、その後、水冷の鋳型に鋳造し、凝固させて水素吸蔵合金のインゴットとするのが好ましい。次いで、得られた各水素吸蔵合金のインゴットについて、DSC(示差走査熱量計)を用いて融点(T)を測定する。これは、本発明の水素吸蔵合金は、上記鋳造後のインゴットを、アルゴンまたはヘリウム等の不活性ガスまたは窒素ガスのいずれか、もしくは、それらの混合ガス雰囲気下で、700℃以上合金の融点(T)以下の温度で3~50時間保持する熱処理を施すことが好ましいからである。この熱処理により、A相を主相として、また、副相としてA19相、AB相、AB相、AB相から選ばれた少なくとも一つあるいは複数の結晶相をもつようにすることができる。水素吸蔵合金中におけるA相の比率は構成相の中で最も多い割合であれば主相であり、少なくとも40mass%以上あれば良い。A相はX線回折測定結果(図2)から明らかなように六方晶(2H)のCeNi型であるが、一部菱面体晶(3R)のGdCo型が含まれていてもよい。副相であるA19型構造(六方晶系であるGdCo19相あるいは菱面体晶系であるPrCo19相)、AB型構造(六方晶系であるCeNi相あるいは菱面体晶系であるPuNi相)が存在してもよく、AB相(MgZn相)、AB相(CaCu相)は少量存在してもよいが、AB相は放電容量の低下を、AB相はサイクル寿命の低下をもたらすため、出来るだけ少なくすることが好ましい。得られた水素吸蔵合金の主相の結晶構造がA7型構造であることは、Cu-Kα線を用いたX線回折測定、およびSEMによる金属組織観察で確認することができる。また、X線回折結果から、リートベルト解析でも判別することができる。
上記熱処理温度が700℃未満では、元素の拡散が不十分であるため、副相が残留してしまい、電池の放電容量の低下やサイクル寿命特性の劣化を招いてしまうおそれがある。一方、熱処理温度が合金の融点Tより-20℃以上(T-20℃以上)となると、主相の結晶粒の粗大化や、Mg成分の蒸発が生じる結果、微粉化や化学組成の変化による水素吸蔵量の低下が起こってしまうおそれもある。したがって、熱処理温度は好ましくは750℃~(T-30℃)の範囲である。さらに好ましくは、770℃~(T-50℃)の範囲である。
また、熱処理の保持時間が3時間以下では、安定的に主相の比率を40mass%以上とすることができないおそれがある。また、主相の化学成分の均質化が不十分となるため、水素吸蔵・放出時の膨張・収縮が不均一となり、発生する歪みや欠陥量が増大してサイクル寿命特性にも悪影響を与えるおそれがある。なお、上記熱処理の保持時間は4時間以上とするのが好ましく、主相の均質化や結晶性向上の観点からは、5時間以上とするのがより好ましい。ただし、保持時間が50時間を超えると、Mgの蒸発量が多くなって化学組成が変化し、その結果、AB型の副相が生成してくるおそれがある。さらに、製造コストの上昇や、蒸発したMg微粉末による粉塵爆発を招くおそれもあるため好ましくない。
熱処理した合金は、乾式法または湿式法で微粉化する。乾式法で微粉化する場合は、たとえばハンマーミルやACMパルベライザーなどを用いて粉砕することで平均粒径が20~100μmの粉末を得ることができる。一方、湿式法で微粉化する場合は、ビーズミルやアトライターなどを用いて粉砕する。特に平均粒径が20μm以下の微粉を得る場合には、湿式粉砕の方が安全に作製できるため好ましい。粒径は用途によって適正な範囲、たとえばD50=8~100μmに設定すればよい。
ここで、上記した合金粒子の平均粒径D50は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置で測定した値を用いることとし、測定装置としては、たとえば、マイクロトラック・ベル社製 MT3300EXII型などを用いることができる。
なお、上記微粉化した合金粒子は、その後、KOHやNaOHなどのアルカリ水溶液を用いたアルカリ処理や、硝酸や硫酸、塩酸水溶液を用いた酸処理を行う表面処理を施してもよい。これらの表面処理を施すことで、合金粒子表面の少なくとも一部にNiからなる層(アルカリ処理層または酸処理層)を形成し、合金腐食の進行を抑制することができるとともに、耐久性を高めることができることから、電池のサイクル寿命特性や広い温度範囲での放電特性を向上することができる。特に、酸処理の場合には、合金表面のダメージを少なくしてNiを析出させることが可能であることから、塩酸を用いて行うことが好ましい。また、湿式法で合金を粉砕する場合には、表面処理を同時に行うこともできる。
以下に本発明を実施例に基づき説明する。
下記の表1-1ないし1-3に示した成分組成を有するNo.1~50の水素吸蔵合金を負極活物質とする評価用セルを、以下に説明する要領で作製し、その特性を評価する実験を行った。なお、表1-1ないし1-3に示したNo.1~21、および34~50の合金は、本発明の条件に適合する合金例(発明例)、No.22~33は、本発明の条件を満たさない合金例(比較例)である。また、比較例のNo.22の合金は、セルの特性を評価するための基準合金に用いた。
(負極活物質の作製)
表1-1ないし1-3に示したNo.1~50の合金の原料(Sm、La、Ce、Mg、Ni、Al、Cr、Zn、Sn、Si、VおよびMoはそれぞれ純度99%以上)を、高周波誘導加熱炉を用いてアルゴン雰囲気下(Ar:100vol%、0.1MPa)で溶解し、鋳造してインゴットとした。次いで、これらの合金インゴットを、アルゴン雰囲気下(Ar:90vol%、0.1MPa)で、各合金の融点T-50℃の温度(940~1130℃)で10時間保持する熱処理を施した後、粗粉砕し、ハンマーミルで、質量基準のD50で25μmになるまで微粉砕して、セル評価用の試料(負極活物質)とした。
これらの合金について、Cu-Kα線をX線源とするX線回折(XRD)測定を行い、A2H構造の(107)面の回折線強度Iaに対するA192H構造の(109)面の回折線強度Ibの比Ib/Iaを求め、表1-1ないし1-3に記載した。なお、XRDの測定条件は、スキャンスピード0.5°/min、管電圧40kV、管電流40mA、スキャンステップ0.02°である。XRD測定結果の一例を図2に示す。図2中のAがA相(2Hタイプ)の(107)面の2θ回折線であり、BがA19相(2Hタイプ)の(109)面の2θ回折線である。なお、No.22はCaCu型結晶構造であり、これらの評価はできない。
(評価用セルの作製)
<負極>
上記で調整した負極活物質と、導電助剤のNi粉末と、2種類のバインダー(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC))とを、重量比で、負極活物質:Ni粉末:SBR:CMC=95.5:3.0:1.0:0.5となるように混合し、混練してペースト状の組成物とした。このペースト状の組成物を、パンチングメタルに塗布し、80℃で乾燥した後、15kNの荷重でロールプレスして、負極を得た。
<正極>
水酸化ニッケル(Ni(OH))と、導電助剤の金属コバルト(Co)と、2種類のバインダー(スチレン・ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC))とを、質量比で、Ni(OH):Co:SBR:CMC=95.5:2.0:2.0:0.5となるように混合し、混練してペースト状の組成物とした。このペースト状の組成物を、多孔質ニッケルに塗布し、80℃で乾燥した後、15kNの荷重でロールプレスして、正極を得た。
<電解液>
電解液は、純水に、水酸化カリウム(KOH)を濃度が6mol/Lとなるよう混合したアルカリ水溶液を用いた。
<評価用セル>
アクリル製の筐体内に、上記の正極を対極、上記の負極を作用極として配設した後、上記電解液を注入して、Hg/HgO電極を参照極としたセルを作製し、評価試験に供した。この際、作用極と対極の容量比は、作用極:対極=1:3となるように調整した。なお、正極と負極の間には、ポリエチレン製の不織布を設置し、セパレータとしている。
(セルの特性評価)
上記のようにして得た合金No.1~50にかかる評価用セルの評価試験は、以下の要領で行った。
(1)電極の放電容量
下記の手順で作用極の電極の放電容量の確認を行った。作用極の活物質あたり80mA/gの電流値で定電流充電を10時間行った後、作用極の活物質あたり40mA/gの電流値で定電流放電を行った。放電の終了条件は、作用極電位-0.5Vとした。上記の充放電を10回繰り返し、放電容量の最大値を、その作用極の電極の放電容量とした。なお、10回の充放電により作用極の放電容量が飽和し、安定したことを確認している。評価温度は25℃である。
測定した放電容量は、表1-2に示した合金No.22の放電容量を基準容量とし、それに対する比率を下記(2)式で算出し、この比率が1.15より大きいものを、合金No.22より放電容量が大きく、優れていると評価した。この評価温度は25℃である。
放電容量=(評価合金の放電容量)/(合金No.22の放電容量)・・・(2)
(2)サイクル寿命特性
上記(1)電極の放電容量で作用極の電極の放電容量が確認されたセルを用いて、下記の手順で作用極のサイクル寿命特性を求めた。この評価温度は45℃である。
上記(1)電極の放電容量で確認された作用極の電極の放電容量を、1時間で充電または放電を完了させる際に必要な電流値を1Cとしたとき、作用極の充電率が30-70%の範囲において、C/2の電流値で定電流充電および定電流放電を行うことを1サイクルとし、これを300サイクル繰り返して行い、300サイクル後の放電容量を測定し、下記(3)式で容量維持率を求めた。
容量維持率=(300サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)・・・(3)
サイクル寿命特性の評価は、表1-2に示した合金No.22の300サイクル後の容量維持率を基準容量維持率とし、それに対する比率を下記(4)式で算出し、この比率が1.20より大きいものを、合金No.22よりサイクル寿命特性が大きく、優れていると評価した。
サイクル寿命特性=(測定合金の300サイクル後の容量維持率)/(合金No.22の300サイクル後の容量維持率)・・・(4)
(3)コスト
合金コストは、表1-1ないし1-3に記載の成分組成の合金をそれぞれの原料の質量当たり単価と質量比率から算出した。そして、基準としているNo.22の合金に対する相対評価とした。表1-1ないし1-3に記載のコスト評価では、1以下(基準合金よりも安価)は〇、同等から1.2倍未満は△、1.2倍以上は×とした。
表1-1ないし1-3から明らかなように、発明例のNo.1~21、および34~50合金は合金No.22に対して、各種パラメータの特性が良好で、結果として電池評価で良好な放電容量、サイクル寿命特性の評価値がバランスよく向上していることが明らかである。具体的には、放電容量は基準合金(No.22)の1.15倍以上、サイクル寿命特性は1.20倍以上を示す。これに対して、比較例のNo.23~33の合金は、いずれかの電極特性の評価値が上記基準を満足していないことがわかる。また、コスト面でも本発明の合金は安価に抑えられている。
Figure 2022052728000002
Figure 2022052728000003
Figure 2022052728000004
本発明の水素吸蔵合金は、放電容量およびサイクル寿命特性のいずれも従来使用されていたAB型の水素吸蔵合金より優れているので、アルカリ一次電池代替の民生用途から各種工業用途、車載用途までの幅広いアルカリ蓄電池の負極用合金として好適である。
1:正極
2:負極
3:セパレータ
4:筐体(電池ケース)
10:アルカリ蓄電池

Claims (2)

  1. 主相がA型結晶構造を有する水素吸蔵合金であって、
    希土類元素、マグネシウムおよびニッケル、さらにアルミニウム、亜鉛、スズおよびケイ素から選ばれる少なくとも1種を含み、Cu-Kα線をX線源とするX線回折測定において、2θ=32.5~33.5°に現れるA2H構造の(107)面の回折線強度Iaに対する、2θ=31.5~32.5°に現れるA192H構造の(109)面の回折線強度Ibの比Ib/Iaが、0.05以上1.0以下であることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
  2. 前記水素吸蔵合金は、下記一般式(1)式で表されることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
    (La1-a-bCeSm1-cMgNi ・・・(1)
    ここで、上記(1)式中のM、Tおよび添字a、b、c、d、eおよびfは、
    M:Al、Zn、Sn、Siから選ばれる少なくとも1種、
    T:Cr、Mo、Vから選ばれる少なくとも1種、
    0<a≦0.10、
    0≦b≦0.15、
    0<a+b≦0.16
    0.225≦c≦0.32、
    0.03≦e≦0.16、
    0≦f≦0.03、
    3.25≦d+e+f<3.50
    の条件を満たす。
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