JP7248236B2 - 既設トンネルのトンネル改修工法及び改修装置 - Google Patents
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特許文献1の施工方法は、トンネル底部を掘削し、掘削箇所にプレキャスト板を設置することでインバートを構築するため、トンネル底部を掘削し、掘削箇所にコンクリートを打設してインバートを構築する場合に比べて、施工性に優れているため、工期短縮を図れるとされている。
上記撤去は、トンネル底部の掘削や、破砕したトンネル底部の撤去等を含むものとする。
詳述すると、装置土留め部を有する装置本体における前進方向の反対側に設けられ、敷設済みの前記インバートブロックを反力として前記延伸方向に伸縮する伸縮手段を有する改修装置を前記インバートブロックを敷設する箇所に配置し、前記改修装置で土留めしながら前記トンネル底部を撤去し、前記トンネル底部の撤去に応じて前記伸縮手段を伸長して前記改修装置を前記延伸方向に前進させ、前記所定長さ分前進した前記改修装置の前記伸縮手段を縮小させて、前記インバートブロックを敷設するため、土留め壁を設置することなくトンネル底部を安全に撤去することができる。
上述の前記トンネルの幅方向の一部とは、トンネルの幅方向を複数に分割した一部である。
この発明により、供用中のトンネルにおいて、施工していない施工範囲部分を供用しながらであっても、土留め壁を設けることなく、安全にインバートを構築することができる。
上記装置側防護手段は、ガードレール、ガードパイプ、ガードワイヤあるいは所定間隔を隔てて配置した支柱等の防護柵、あるいは防護フェンスなど、施工していない施工範囲部分を供用する利用者が改修装置側に不用意に侵入することを防止できる手段であればよい。
この発明により、前記インバートブロックが敷設された部分についても、土留め壁を設けることなく、第2施工範囲を供用しながらであっても、安全にインバートを構築することができる。
上記ブロック側防護手段は、ガードレール、ガードパイプ、ガードワイヤあるいは所定間隔を隔てて配置した支柱等の防護柵、あるいは防護フェンスなど、施工していない施工範囲部分を供用する利用者が施工範囲側に不用意に侵入することを防止できる手段であればよい。
詳述すると、第2施工範囲での施工では、既に第1施工範囲での施工は完了している、つまり第1施工範囲には前記インバートブロックが敷設されており、第2施工範囲での施工では第1施工範囲側の土留めは不要であるため、改修装置を用いずとも、安全に施工でき、施工性をより向上することができる。
詳述すると、前記ブロック敷設工程の後に、前記インバートブロックと前記装置本体との間に隙間が生じるが、当該隙間に第1裏込め注入工程で裏込め材を注入するため、当該隙間を裏込め材で充填することができる。
したがって、インバートの構築工程によって生じる隙間を裏込め材で充填できるため、より安全に安定したインバートを構築することができる。
上記仮受け材はH型鋼などの覆工部に作用する荷重を支持可能な構造部材であればよい。
これにより、より効率的且つ安全にインバートを構築することができる。
上述のブロック化された埋め戻し材は、盛り土として使用可能な例えば、大型の発泡スチロールブロックを含むものとする。
具体的には、改修したインバートの上部を、盛り土などを盛って埋め戻す場合に比べ、例えば、軽量でブロック状の発泡スチロールブロックなどの埋め戻し材を用いることで、取り扱い性が高く、埋め戻しの施工性を向上し、工期短縮を図ることができる。
また、各図面において、トンネルの幅方向を幅方向Wとし、高さ方向を高さ方向Hとし、トンネル延伸方向を延伸方向Lとしている。さらにまた、横断面図を示す図1、図4、図6乃至図8及び図12において、図面手前側を延伸方向後側Lbとし、図面奥側を延伸方向前側Lfとし、図5、図9及び図10において図面左側を延伸方向後側Lbとし、図面右側を延伸方向前側Lfとしている。
なお、図1(a)に図示するように、舗装盤7の幅方向Wの両側や埋め戻し材6の内部には、集水路などの排水設備が適宜設けられるが、本明細書では説明を省略する。
上述したように、既設トンネル1を改修するためには、既設トンネル1を幅方向Wに二分割し、追い越し車線側の第1施工区間Sfを先に施工し(ステップs1)、第1施工区間Sfの施工中は第2施工区間Ssに車両Cを通行させて供用し、第1施工区間Sfの施工完了後、第2施工区間Ssを施工する(ステップs2,図1参照)。この第2施工区間Ssの施工中には、施工完了した第1施工区間Sfに車両Cを通行させて供用することができるため、本改修工法の主たる施工においては全面通行止めを行わずとも施工することができる。
第1施工区間Sfの施工に用いるインバート改修装置100は、延伸方向前側Lfにスライド可能なスライド土留め部130を先端に有する前胴部110aと、掘進ジャッキ150を有する後胴110bとで構成する装置本体110と、装置本体110における後胴110bの上部に備えられたクレーン装置120とで構成している。
なお、掘進ジャッキ150とスライドジャッキ140とは、掘進ジャッキ150の伸縮とスライドジャッキ140の縮伸とが同期するように構成してもよいが、掘進ジャッキ150を伸縮させる伸縮操作と、スライドジャッキ140を縮伸させる縮伸操作とを同調させて操作するようにしてもよい。
そして、図6(a)に示すように、インバート改修装置100を配置した状態で施工箇所のトンネル底部3をバックホー200で掘削する(掘削工程:ステップt3)。
なお、このとき、L型ブロック41の中央壁部42の上部にはガードレール43を設けているため、第2施工区間Ssを車両Cが通行しても、第1施工区間Sfで安全に施工することができる。
さらには、上述の説明において各工程を延伸方向Lにおける位置を変えて施工するように説明しているが、同じ位置において施工を順次入れ替えて施工してもよい。
第2施工区間Ssの施工では、図12に示すように、第2施工区間Ssを車線規制し(ステップu1)、施工箇所の第2施工区間Ssの舗装盤7をバックホー200や破砕機で破砕して撤去する(ステップu2)。
したがって、インバート4の構築工程によって生じる隙間を裏込め材で充填できるため、より安全にインバート4を構築することができる。
詳述すると、狭隘な施工空間で重量物であるインバートブロック40を敷設することは非常に施工性が悪いが、重量物であるインバートブロック40を吊り降ろしできるクレーン装置120が装置本体110に備えられているため、狭隘な施工空間であっても、重量物であるインバートブロック40を施工性よく、かつ高い安全性を確保しながら、所定箇所に敷設することができる。
具体的には、改修したインバート4の上部を、盛り土などを盛って埋め戻す場合に比べ、軽量でブロック状のEPSブロック60を用いることで、取り扱い性が高く、埋め戻しの施工性を向上し、工期短縮を図ることができる。
以下同様に、
トンネル底部はトンネル底部3に対応し、
トンネルの延伸方向は延伸方向Lに対応し、
インバートブロックはインバートブロック40あるいはL型ブロック41に対応し、
インバートはインバート4に対応し、
装置土留め部は側壁部112に対応し、
装置本体は装置本体110に対応し、
前進方向は延伸方向前側Lfに対応し、
前進方向の反対側は延伸方向後側Lbに対応し、
伸縮手段は掘進ジャッキ150に対応し、
改修装置はインバート改修装置100に対応し、
トンネル底部撤去工程は掘削工程(ステップt3)に対応し、
ブロック敷設工程はインバートブロック敷設工程(ステップt4)に対応し、
トンネルの幅方向は幅方向Wに対応し、
装置側防護手段は防護柵114に対応し、
第1施工範囲は第1施工区間Sfに対応し、
第2施工範囲は第2施工区間Ssに対応し、
ブロック土留め部は中央壁部42に対応し、
ブロック側防護手段はガードレール43に対応し、
トンネル底部撤去工程は掘削工程(ステップu3)に対応し、
ブロック敷設工程はインバートブロック敷設工程(ステップu4)に対応し、
裏込め材は裏込め材に対応し、
第1裏込め注入工程は第1裏込め注入工程(ステップt5)に対応し、
裏込め材を注入した範囲は第1裏込め部44に対応し、
第2裏込め注入工程は第2裏込め注入工程(ステップt6)に対応し、
覆工部はトンネル覆工部2に対応し、
覆工部の下端部は下端部2aに対応し、
端部空間は端部空間2bに対応し、
仮受け材は仮受け材51に対応し、
仮受け工程は覆工端部仮受け工程(ステップt7)に対応し、
覆工受けコンクリートは覆工受けコンクリート50に対応し、
吊り降ろし装置はクレーン装置120に対応し、
埋め戻し材はEPSブロック60に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
さらには、装置本体110を底板部111とその両端に備えた側壁部112,113とで横断面において略U字状に構成したが、第2施工区間Ss側の側壁部112と底板部111とで断面L型の装置本体110を構成してもよい。
また、ガードレール43の代わりにガイドパイプやガイドワイヤーを設置してもよく、さらには支柱のみを設置してもよい。同様に、防護柵114の代わりに、ガードレール、ガイドパイプやガイドワイヤーあるいは支柱のみを設置してもよい。
2…覆工部
2a…下端部
2b…端部空間
3…トンネル底部
4…インバート
40…インバートブロック
41…L型ブロック
42…中央壁部
43…ガードレール
44…第1裏込め部
50…覆工受けコンクリート
51…仮受け材
60…EPSブロック
100…インバート改修装置
110…装置本体
112…側壁部
114…防護柵
120…クレーン装置
150…掘進ジャッキ
L…延伸方向
Lb…延伸方向後側
Lf…延伸方向前側
Sf…第1施工区間
Ss…第2施工区間
W…幅方向
ステップt3,u3…掘削工程
ステップt4,u4…インバートブロック敷設工程
ステップt5…第1裏込め注入工程
ステップt7,u6…覆工端部仮受け工程
ステップt6…第2裏込め注入工程
Claims (16)
- 既設トンネルにおけるトンネル底部を撤去するとともに、前記トンネル底部が撤去された箇所に、前記トンネルの延伸方向に対して所定長さで形成されたプレキャスト製のインバートブロックを前記延伸方向に並べて敷設してインバートを構築するトンネル改修工法であって、
装置土留め部を有する装置本体における前進方向の反対側に設けられ、敷設済みの前記インバートブロックを反力として前記延伸方向に伸縮する伸縮手段を有する改修装置を用い、
前記インバートブロックを敷設する箇所に配置された前記改修装置で土留めしながら前記トンネル底部を撤去するトンネル底部撤去工程と、
前記トンネル底部の撤去に応じて、前記装置本体との間に裏込め材が注入され硬化した、既に敷設された前記インバートブロックを反力として前記伸縮手段を伸長し、前記改修装置を前記延伸方向に前進させ、前記所定長さ分前進した前記改修装置の前記伸縮手段を縮小させて、前記インバートブロックを敷設するブロック敷設工程とを、
繰り返して行う
既設トンネルのトンネル改修工法。 - 既設トンネルにおけるトンネル底部を撤去するとともに、前記トンネル底部が撤去された箇所に、前記トンネルの延伸方向に対して所定長さで形成されたプレキャスト製のインバートブロックを前記延伸方向に並べて敷設してインバートを構築するトンネル改修工法であって、
装置土留め部を有する装置本体における前進方向の反対側に設けられ、敷設済みの前記インバートブロックを反力として前記延伸方向に伸縮する伸縮手段と、装置本体は敷設するインバートの円弧上に沿うような横断面上で折線形状である底盤部を有する改修装置を用い、
前記インバートブロックを敷設する箇所に配置された前記改修装置で土留めしながら前記トンネル底部を撤去するトンネル底部撤去工程と、
前記トンネル底部の撤去に応じて前記伸縮手段を伸長し、前記改修装置を前記延伸方向に前進させ、前記所定長さ分前進した前記改修装置の前記伸縮手段を縮小させて、前記インバートブロックを敷設するブロック敷設工程とを、
繰り返して行う
既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記トンネルの幅方向の一部を施工範囲とし、
前記装置本体は、
該施工範囲における幅方向の少なくとも一方に前記装置土留め部が備えられた
請求項1または2に記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記装置土留め部の上部に、装置内部への不用意な侵入を防護する装置側防護手段が設けられた
請求項1乃至3のうちいずれかに記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記施工範囲を、前記トンネルを幅方向に二分割した範囲とし、
二分割された前記施工範囲のうち先に施工する前記施工範囲を第1施工範囲とするとともに、後に施工する前記施工範囲を第2施工範囲とし、
前記第1施工範囲で敷設する前記インバートブロックにおける前記第2施工範囲側に上下方向に延びるブロック土留め部が設けられた
請求項3に記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記ブロック土留め部の上部に、施工区間側への不用意な侵入を防護するブロック側防護手段が設けられた
請求項5に記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記第2施工範囲の施工では、
前記改修装置を用いず、
前記第2施工範囲におけるトンネル底部を撤去するトンネル底部撤去工程と、
前記トンネル底部を撤去した箇所に前記インバートブロックを敷設するブロック敷設工程とを、繰り返して行う
請求項5または6に記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記ブロック敷設工程の後に、
前記インバートブロックと前記装置本体との間に裏込め材を注入する第1裏込め注入工程を行うとともに、
前記第1裏込め注入工程で注入し硬化した裏込め材と、前記改修装置の前進によって露出した地山との間に裏込め材を注入する第2裏込め注入工程を行う
請求項1乃至7のうちいずれかに記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記ブロック敷設工程の後に、
前記トンネル上部を覆工する覆工部の下端部と、敷設した前記インバートブロックとの間の端部空間に仮受け材を配置して仮受けする仮受け工程と、
前記改修装置の前進によって前記端部空間にコンクリートを打設して覆工受けコンクリートを構築する
請求項1乃至8のうちいずれかに記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 前記装置本体に、
前記インバートブロックを吊り降ろしする吊り降ろし装置が備えられた
請求項1乃至9のうちいずれかに記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 敷設した前記インバートブロックに、ブロック化された埋め戻し材を載置して埋め戻す
請求項1乃至10のうちいずれかに記載の既設トンネルのトンネル改修工法。 - 既設トンネルにおけるトンネル底部を撤去するとともに、前記トンネル底部が撤去された箇所に、前記トンネルの延伸方向に対して所定長さで形成されたプレキャスト製のインバートブロックを前記延伸方向に並べて敷設してインバートを構築するトンネル改修工法に用いる改修装置であって、
装置土留め部を有する装置本体と、
該装置本体における前進方向の反対側に設けられ、前記装置本体との間に裏込め材が注入され硬化した、敷設済みの前記インバートブロックを反力として前記延伸方向に伸縮する伸縮手段を有する
改修装置。 - 既設トンネルにおけるトンネル底部を撤去するとともに、前記トンネル底部が撤去された箇所に、前記トンネルの延伸方向に対して所定長さで形成されたプレキャスト製のインバートブロックを前記延伸方向に並べて敷設してインバートを構築するトンネル改修工法に用いる改修装置であって、
装置土留め部と、敷設するインバートの円弧上に沿うような横断面上で折線形状である底盤部を有する装置本体と、
該装置本体における前進方向の反対側に設けられ、敷設済みの前記インバートブロックを反力として前記延伸方向に伸縮する伸縮手段とを有する
改修装置。 - 前記装置本体は、
施工範囲における幅方向の少なくとも一方に前記装置土留め部が備えられた
請求項12または13に記載の改修装置。 - 前記装置土留め部の上部に、装置内部への不用意な侵入を防護する装置側防護手段が設けられた
請求項12乃至14のうちいずれかに記載の改修装置。 - 前記装置本体に、
前記インバートブロックを吊り降ろしする吊り降ろし装置が備えられた
請求項12乃至15のうちいずれかに記載の改修装置。
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