以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係る弾性クローラについて説明をする。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性クローラ1Aを適用可能なクローラ走行装置100の一例を概略的に示す側面図である。クローラ走行装置100は、例えば、農業機械(トラクター、コンバイン等)、建設機械(ミニショベル等)等に装着されて使用される。
この例では、クローラ走行装置100は、駆動輪(スプロケット)110と、従動輪(アイドラ)120と、転輪130と、を備えており、これらは、車両(図示省略)に取り付けられた回転体である。この例では、駆動輪110は、かご型スプロケットである。前記かご型スプロケットは、回転軸Oの周りに同一ピッチで配置された複数のピン110Pを有している。また、この例では、クローラ走行装置100は、2つの従動輪120と、3つの転輪130とを備えているが、これらは、それぞれ、クローラ走行装置100の構成に応じて変更することができる。即ち、駆動輪110、従動輪120及び転輪130は、それぞれ、少なくとも1つとすることができる。また、本例のクローラ走行装置100では、ピン110Pは、クローラ幅方向に延在する円柱状に構成されているが、ピン110Pの構成は適宜変更することができる。
加えて、クローラ走行装置100は、本実施形態に係る弾性クローラ1Aを備えている。弾性クローラ1Aは、駆動輪110、従動輪120及び転輪130に巻き掛けられている。弾性クローラ1Aは、無端帯状に形作られており、弾性材料からなるクローラ本体2と、クローラ本体2の内周面に配置された弾性材料を含む突起3と、クローラ本体2の外周面に配置された弾性材料からなるラグ4と、を備えている。この例では、前記弾性材料は、いずれもゴムである。突起3及びラグ4は、クローラ本体2と共に一体に成形することができ、また、クローラ本体2に対して加硫接着することができる。
図2には、弾性クローラ1Aを一部断面で示す。本明細書において、「クローラ内周側」、「クローラ外周側」、「クローラ周方向」、「クローラ幅方向」、「クローラ厚さ方向」とは、それぞれ、クローラ本体2における内周側、外周側、周方向、幅方向、厚さ方向をいう。図では、それぞれ、便宜上、周方向を矢印CDで示し、幅方向を矢印WDで示し、厚さ方向を矢印TDで示す。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aは、芯金レスゴムクローラである。本実施形態では、クローラ本体2は、当該クローラ本体2の内部に埋設されたスチールコード層5及び1層又は複数層(図の例では3層)の補強プライ6と、を備えている。
図2に示すように、複数の突起3は、それぞれ、クローラ本体2の内周面21からクローラ内周側へ突出している。また、複数の突起3は、それぞれ、クローラ周方向に互いに一定の間隔を置いて配列されている。本実施形態では、突起3は、それぞれ、クローラ本体2のクローラ幅方向中央に配置されている。本実施形態では、弾性クローラ1Aの内周面11は、クローラ本体2の内周面21と、突起3の表面とで、構成されている。
複数のラグ4は、それぞれ、クローラ本体2の外周面22からクローラ外周側へ突出している。ラグ4の形状や配置は、各図に示すものに限られず、任意の形状、配置を採用することができる。本実施形態では、弾性クローラ1Aの外周面12は、クローラ本体2の外周面22と、各ラグ4の表面とで、構成されている。
スチールコード層5は、それぞれ、クローラ周方向に平行に延びる複数本のスチールコード5aからなる。各補強プライ6は、スチールコード層5よりもクローラ外周側に配置されている。補強プライ6は、例えば、クローラ周方向に対して傾斜した複数本のコードを含む。また、補強プライ6は、省略することもできる。
図3には、弾性クローラ1Aの内周面11を拡大して示す。図3に示すように、本実施形態では、突起3は、頂面3aと側面3bとで構成されている。頂面3aは、突起3の外表面のうち、当該突起3のクローラ内周側に位置する端面である。側面3bは、突起3の外表面のうち、頂面3a以外の外表面である。本実施形態では、側面3bは、クローラ幅方向側面(突起3のクローラ幅方向側面)3b1、クローラ周方向側面(突起3のクローラ周方向側面)3b2で構成されている。本実施形態では、突起3のクローラ幅方向外側に、それぞれ、後述の転輪通過面11aが設けられている。転輪通過面11aは、それぞれ、クローラ本体2の内周面21に設けられている。
図4は、図3のA-A断面図である。図4では、弾性クローラ1Aは、クローラ周方向に沿って、クローラ厚さ方向を含む断面で示されている。図1のクローラ走行装置100は、トラクター用の走行装置として構成されている。図1の矢印Dに示すように、駆動輪110が回転軸O周りに回転すると、図4に示すように、各ピン110Pは、それぞれ、当該ピン110Pに対応する弾性クローラ1Aの突起3のクローラ周方向側面3b2に対して順次接触するように構成されている。突起3は、駆動輪110のピン110Pが突起3のクローラ周方向側面3b2と接触する際に、ピン110Pからの駆動力をクローラ本体2に伝達する機能を有する。
図5Aは、図3のB-B断面図である。図5Aでは、弾性クローラ1Aは、クローラ幅方向に沿って、クローラ厚さ方向を含む断面で示されている。図5Aに示すように、本例のクローラ走行装置100では、転輪130は、クローラ幅方向に間隔を置いて配置された2つの本体部131と、本体部131を連結する連結シャフト132と、を備え、更に本体部131の外周面は、弾性材料からなる被覆部133によって被覆されている。本例のクローラ走行装置100では、転輪130は、それぞれ、転輪通過面11a(図3、図5A)上を転動するように構成されている。即ち、弾性クローラ1Aは、走行時において、転輪130上を通過するように構成されている。
また、本例のクローラ走行装置100では、弾性クローラ1Aの突起3は、2つの本体部131のクローラ幅方向内側に配置されるように構成されている。突起3は、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1によって、転輪130をクローラ幅方向にガイドする機能を有する。これにより、弾性クローラ1Aの脱輪(弾性クローラ1Aが転輪130等の前記回転体から外れること)が抑制される。また、本例では、従動輪120も、転輪130と同様に構成されている。これにより、駆動輪110又は従動輪120からの弾性クローラ1の脱輪も抑制される。なお、本実施形態に係る弾性クローラ1Aは、図1に示すクローラ走行装置100とは異なる任意の構成のクローラ走行装置に採用することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、突起3は、樹脂部材31と、弾性突起32と、からなる。弾性突起32は、クローラ本体2の内周面21に設けられた弾性突起である。弾性突起32は、クローラ周方向に互いに一定の間隔を空けて配列されている。本実施形態では、弾性突起32は、クローラ本体2の内周面21からクローラ内周側へ突出している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、弾性突起32は、外部からの衝撃を吸収するゴムからなるゴム突起である。これに対し、樹脂部材31は、弾性突起32を補強し、弾性突起32の摩耗や破損を抑制するために、設けられている。樹脂部材31を構成する樹脂材料としては、例えば、弾性突起32を構成するゴム材料に比べ、剛性(例えば、強度)が高く、摩擦係数が低い樹脂材料が挙げられる。本実施形態では、突起3は、例えば、樹脂部材31を弾性突起32に対して接着することによって、又は、樹脂部材31をインサート品として、未加硫ゴムによって弾性突起32を成形することによって、形成することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aは、突起3の基部30からクローラ幅方向に延びている膨出部311を備えている。膨出部311は、弾性クローラ1Aの巻き掛けられる前記回転体に対して接触可能なストッパである。
図5Bに示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aにおいて、突起3の基部30とは、突起3の最下端3eから任意の高さh1までの領域の部分をいう。言い換えれば、突起3の基部30の高さh1は、膨出部311の高さ(以下、「膨出部311の高さh1」ともいう。)である。図5Bに示すように、膨出部311の高さh1は、クローラ厚み方向の高さである。本実施形態では、膨出部311の高さh1は、突起3の最下端3eからの高さである。ここで、突起3の最下端3eは、当該突起3とクローラ本体2との境界面である。図5B等の破線で示すように、本実施形態では、突起3の最下端3eは、クローラ本体2の内周面21と一致する、当該突起3の仮想結合面である。
膨出部311の高さh1は、例えば、転輪130等の前記回転体の直径、被覆部133の厚み、クローラ本体2に占める突起3の大きさ等、前記回転体、前記弾性クローラの各部位の寸法規格、当該弾性クローラ1Aの用途等に応じて適宜設定することができる。例えば、膨出部311の高さh1は、突起3の高さH(図5A参照。)に対して40~50mmの範囲の割合とすることができる。膨出部311の高さh1の具体例としては、10~20mmが挙げられる。また、膨出部311のクローラ幅方向の長さWの具体例としては、10~20mmが挙げられる。また、膨出部311の高さh1は、転輪130の本体部131と被覆部133との関係で設定することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311は、高さh1の頂面311aを有している。図5Bに示すように、本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、当該膨出部311の頂面311aのクローラ幅方向外側端縁に繋がっている。本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、転輪130のクローラ幅方向側面130b1に対して接触可能なストッパ面である。本実施形態では、転輪130のクローラ幅方向側面130b1は、本体部131のクローラ幅方向側面131b1と、被覆部133のクローラ幅方向側面133b1と、で構成されている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部(ストッパ)311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131である。図5Bに示すように、本実施形態では、膨出部311の高さh1は、被覆部133の高さh2よりも高い。これにより、膨出部311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131となる。本実施形態では、例えば、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、クローラ幅方向のストッパ面として機能することができる。これに対し、膨出部311が接触可能な相手側のストッパ面としては、例えば、本体部131のクローラ幅方向内側に配置された、当該本体部131のクローラ幅方向側面(以下、「本体部131のクローラ幅方向内側側面」ともいう。)131b1が、相手側のストッパ面として機能することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、本体部131のクローラ幅方向内側側面131b1は、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1に対してほぼ平行な面である。本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1の、転輪通過面11aに対する傾斜角度をA1(0°<A1<180°)とし、本体部131のクローラ幅方向内側側面131b1の、転輪通過面11aに対する傾斜角度をA2(0°<A2<180°)とした場合、傾斜角度A1と傾斜角度A2は同一角度である。しかしながら、傾斜角度A1及び傾斜角度A2は、異なる角度とすることもできる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、膨出部311は、突起3の基部30からクローラ幅方向に延びていることから、図5Bに示すように、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、突起3のクローラ幅方向側面3b1よりもクローラ幅方向外側の位置に配置されることなる。このため、例えば、転輪130が突起3に接近しても、転輪130、例えば、被覆部133のクローラ幅方向内側側面133b1は、突起3、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に先んじて、膨出部311、例えば、当該膨出部311のクローラ幅方向側面311b1に接触する。これにより、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、転輪130が突起3の側面3b、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に対して接触することを防ぐことができる。従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、クローラ本体2に配置された突起3、ひいては、弾性クローラの耐久性を向上させることができる。
また、図5Bに示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、膨出部311は、突起3の基部30、即ち、当該突起3の最下端3eからクローラ厚さ方向に延びていることにより、クローラ本体2に対して固定し、又は、クローラ本体2に対して接触させることができる。このため、転輪130が膨出部311と接触したときも、当該膨出部311はクローラ本体2に保持されることから、当該膨出部3に生じ得る欠損の可能性を大幅に抑制することができる。従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、突起3を保護する膨出部311、ひいては、弾性クローラの耐久性を向上させることができる。加えて、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、膨出部311が樹脂からなるため、当該膨出部311をゴムとした場合に比べて、膨出部311の耐久性を向上させることができる。
上述のことから明らかなように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、クローラ本体2の内周面21に配置された突起3からクローラ幅方向に延びている膨出部311を備えることで、弾性突起32との接触を防いで、当該突起3の耐久性に優れると共に、膨出部311が欠損することがなく、当該膨出部311の耐久性にも優れる。従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、耐久性に優れた、新規な弾性クローラとなる。
ところで、転輪130の本体部131は一般的に、突起3の弾性突起32よりも硬質な材料、例えば、金属からなる。このため、硬質な転輪130の本体部131が、突起3、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に接触する可能性はできる限り低く抑えられることが好ましい。
これに対し、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131である。この場合、転輪130が突起3に接近しても、膨出部311、例えば、当該膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、突起3、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に先んじて、転輪130の本体部131、例えば、当該本体部131のクローラ幅方向内側側面131b1と接触する。これにより、本実施形態では、転輪130の本体部131が突起3の側面3b、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に対して接触することを防ぐことができる。従って、本実施形態によれば、クローラ本体2に配置された突起3、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性をより向上させることができる。なお、本実施形態では、突起3の高さHは、H=62mmである。この場合、膨出部311の高さh1は、被覆部133の高さh2よりも10mm高くする。
また、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、他の例として、膨出部(ストッパ)311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131の外周面に設けられた、弾性材料からなる被覆部133であるものとすることができる。この例では、膨出部311の高さh1は、被覆部133の高さh2よりも高い。これにより、膨出部311が接触可能な相手側は、弾性材料からなる被覆部133となる。図5Bを参照して検討すれば、この例では、例えば、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、クローラ幅方向のストッパ面として機能することができる。これに対し、膨出部311が接触可能な相手側のストッパ面としては、例えば、被覆部133のクローラ幅方向内側に配置された、当該被覆部133のクローラ幅方向側面(以下、「被覆部133のクローラ幅方向内側側面」ともいう。)133b1が、相手側のストッパ面として機能することができる。
膨出部311が接触可能な相手側を転輪130の被覆部133とした場合も、被覆部133のクローラ幅方向内側側面133b1は、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1に対してほぼ平行な面とすることができる。例えば、被覆部133のクローラ幅方向内側側面133b1の、転輪通過面11aに対する傾斜角度をA3(0°<A3<180°)とした場合、傾斜角度A1と傾斜角度A3は同一角度である。しかしながら、傾斜角度A1及び傾斜角度A3は、異なる角度とすることもできる。
膨出部311が接触可能な相手側を転輪130の本体部131の外周面に設けられた被覆部133とした場合、転輪130が突起3に接近しても、膨出部311は、転輪130の本体部131ではなく、弾性材料からなる被覆部133と接触する。転輪130の被覆部133は一般的に、転輪130の本体部131よりも軟質な材料、例えば、ゴムからなる。即ち、転輪130が突起3に接近するとき、膨出部311は、転輪130の本体部131よりも軟質な被覆部133と接触することになる。従って、この例では、膨出部311、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
ところで、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、それぞれ、1つの弾性突起32に対して1つずつ埋設されている。本実施形態では、樹脂部材31は、その外表面が突起3の外表面を構成している。
詳細には、図5Aに示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311は、樹脂部材31の一部として構成されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31は、膨出部311を備えている。本実施形態では、樹脂部材31は、2つの膨出部311を備えており、当該2つの膨出部311は、クローラ幅方向に間隔を置いて配置されている。本実施形態では、膨出部311は、クローラ本体2の内周面21に固定されている。図5Bに示すように、本実施形態では、膨出部311の最下端311eは、クローラ本体2の内周面21と一致している。
また、図5A等に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31の一部は、突起3のクローラ幅方向側面3b1に露出し、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1を構成している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、クローラ幅方向に配置されたクローラ幅方向側壁部312を備えている。本実施形態では、樹脂部材31は、2つのクローラ幅方向側壁部312を備えており、当該2つのクローラ幅方向側壁部312は、クローラ幅方向に間隔を置いて配置されている。図5Bに示すように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、突起3のクローラ幅方向側壁部を構成すると共に、膨出部311に繋がっている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に固定されている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、それぞれ、弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に接着又は埋設されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1が、樹脂部材31の一部として、突起3のクローラ幅方向側面3b1に露出し、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1を構成している。樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を突起3のクローラ幅方向側壁部とすることで、突起3の耐久性を更に向上させることができる。
また、図5A等に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aにおいて、樹脂部材31の他の一部は、突起3の頂面3aに露出し、当該突起3の頂面3aを構成している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、クローラ内周側に配置された頂壁部313を備えている。図5Aに示すように、樹脂部材31の頂壁部313は、突起3の頂壁部を構成すると共に、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に繋がっている。本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313は、2つのクローラ幅方向端縁を有し、当該クローラ幅方向端縁のそれぞれに、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312が繋がっている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31の頂壁部313は、弾性突起32の頂面32aに固定されている。本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313は、弾性突起32の頂面32aに接着又は埋設されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313の頂面313aが、樹脂部材31の他の一部として、突起3の頂面3aに露出し、当該突起3の頂面3aを構成している。樹脂部材31の頂壁部313は、転輪130が弾性突起32の頂面32aに接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31の頂壁部313を突起3の頂壁部とすることで、突起3の耐久性を更に向上させることができる。
加えて、図4に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31の更に他の一部は、突起3のクローラ周方向側面3b2に露出し、当該突起3のクローラ周方向側面3b2を構成している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、クローラ周方向に配置されたクローラ周方向側壁部314を備えている。本実施形態では、樹脂部材31は、弾性突起32を挟んだ2つのクローラ周方向側壁部314を備えており、当該2つのクローラ周方向側壁部314は、クローラ周方向に間隔を置いて配置されている。図4に示すように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、突起3のクローラ周方向側壁部を構成すると共に、樹脂部材31の頂壁部313に繋がっている。本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313は、2つのクローラ周方向端縁を有し、当該クローラ周方向端縁のそれぞれに、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314が繋がっている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に固定されている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、それぞれ、弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に接着又は埋設されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2が、樹脂部材31の一部として、突起3のクローラ周方向側面3b2に露出し、当該突起3のクローラ周方向側面3b2を構成している。樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、転輪130が弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を突起3のクローラ周方向側壁部とすることで、突起3の耐久性を更に向上させることができる。
更に、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311を樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に連結させている。本実施形態では、膨出部311の頂面311aを樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1に連結させている。この場合、図3に示すように、膨出部311の頂面311aと樹脂部材31のクローラ幅方向側面312b1との間には、クローラ周方向に延びる突起3のクローラ周方向端縁として、クローラ周方向に延びるクローラ周方向稜線31L1が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方と膨出部311とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、膨出部311が転輪130等によってクローラ幅方向から受ける力を、クローラ幅方向側壁部312で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に接触することを防ぐことができる。このように、膨出部311を樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に繋ぐことで、膨出部311と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、膨出部311を樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に繋ぎ、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を突起3のクローラ幅方向側壁部として構成すれば、突起3及び膨出部311の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
なお、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1と、当該膨出部311のクローラ周方向側面311b2との間は、クローラ厚さ方向視で、外向きに凸の曲線で形作られた、当該膨出部311のクローラ幅方向隅部311cが形成されている。本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向隅部311cの凸の曲線は、曲率半径rで形作られている。また、図3に示すように、本実施形態では、膨出部311のクローラ周方向側面311b2は、クローラ厚さ方向視で、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2と一致している。本実施形態では、膨出部311のクローラ周方向側面311b2と、樹脂部材31のクローラ周方向側面314b2とは、クローラ幅方向に延びている。
更に、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を頂壁部313に連結させている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1を、当該樹脂部材31の頂壁部313の頂面313aに連結させている。この場合、図3に示すように、樹脂部材31のクローラ幅方向側面312b1と、当該樹脂部材31の頂面313aとの間には、クローラ周方向に延びる突起3のクローラ周方向端縁として、クローラ周方向に延びるクローラ周方向稜線31L2が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方と、当該樹脂部材31の頂壁部313とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1及び当該弾性突起32の頂面32aに接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぐことで、樹脂部材31と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。特に、本実施形態のように、樹脂部材31の頂壁部313がクローラ幅方向に間隔を置いて配置された当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312を連結するようにすれば、例えば、当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312の一方がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313を介して、当該樹脂部材31の他方のクローラ幅方向側壁部312で受けることができる。このように、本実施形態によれば、クローラ幅方向から受ける力に対してより大きな耐性を得られるため、樹脂部材31と共に突起3の耐久性をより更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぎ、当該樹脂部材31の頂壁部313を突起3の頂壁部として構成すれば、樹脂部材31と共に突起3の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
同様に、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を当該樹脂部材31の頂壁部313に連結させている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2を当該樹脂部材31の頂壁部313の頂面313aに連結させている。この場合、図3に示すように、樹脂部材31のクローラ周方向側面314b2と当該樹脂部材31の頂面313aとの間には、クローラ幅方向に延びる突起3のクローラ幅方向端縁として、クローラ幅方向に延びるクローラ幅方向稜線31L4が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314の少なくともいずれか一方と当該樹脂部材31の頂壁部313とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314がクローラ周方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ周方向側面32b2及び当該弾性突起32の頂面32aに接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぐことで、樹脂部材31と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。特に、本実施形態のように、樹脂部材31の頂壁部313がクローラ周方向に間隔を置いて配置された当該樹脂部材31の2つのクローラ周方向側壁部314を連結するようにすれば、例えば、当該樹脂部材31の2つのクローラ周方向側壁部314の一方がクローラ周方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313を介して、当該樹脂部材31の他方のクローラ周方向側壁部314で受けることができる。このように、本実施形態によれば、クローラ周方向から受ける力に対してより大きな耐性を得られるため、樹脂部材31と共に突起3の耐久性をより更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぎ、当該樹脂部材31の頂壁部313を突起3の頂壁部として構成すれば、樹脂部材31と共に突起3の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
また、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312と、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314とを連結させている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2を、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1に連結させている。この場合、図3に示すように、樹脂部材31のクローラ幅方向側面312b1と当該樹脂部材31のクローラ周方向側面314b2との間には、クローラ厚さ方向に延びる突起3のクローラ厚さ方向端縁として、クローラ厚さ方向に延びるクローラ厚さ方向稜線31L3が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方のうち、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方のクローラ周方向側と当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1及び当該弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314に繋ぐことで、樹脂部材31と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。特に、本実施形態のように、樹脂部材31の2つのクローラ周方向側壁部314と、当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312とを互いに連結するようにすれば、例えば、当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312の一方がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を介して、当該樹脂部材31の他方のクローラ幅方向側壁部312で受けることができる。このように、本実施形態によれば、クローラ幅方向から受ける力に対してより大きな耐性を得られるため、樹脂部材31と共に突起3の耐久性をより更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314に繋げば、樹脂部材31と共に突起3の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
ところで、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、弾性突起32の外表面を覆う被覆部材として構成されている。このように、弾性突起32の外表面が樹脂部材31で覆われている場合、駆動輪(スプロケット)110のピン110Pが弾性突起32のと係合した際に、樹脂部材31は、ゴムより摩擦係数が小さいため、ピン110Pとの駆動がよい。但し、樹脂部材31は、図1~図5に示した被覆部材に限定されるものではない。
図6は、弾性クローラ1Aに係る突起3に適用可能な樹脂部材31の他の例を示す平面図である。この例では、樹脂部材31は、クローラ幅方向に間隔を配置した2つのクローラ幅方向側壁部312の間を頂壁部313で繋いだ部材である。この例では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312及び頂壁部313の一部と繋がっており、クローラ幅方向中心部分では取り除かれている。この場合、樹脂部材31がゴム(弾性突起32)に覆いかぶさっているため、突起3の耐久性が向上し、当該突起3を壊れ難くすることができる。
図7は、弾性クローラ1Aに採用可能な突起3の他の例を、図3のB-B断面に相当する断面で模式的に示す断面図である。この例では、突起3は、樹脂部材31のみで構成されている。従って、この例では、弾性突起32は、突起3に含まれていない。
図8は、弾性クローラ1Aに採用可能な突起3の他の例を、図3のB-B断面に相当する断面で模式的に示す断面図である。この例では、突起3は、樹脂部材31と弾性突起32との二層構造で構成されている。この例では、樹脂部材31は、突起3の下層部を構成し、弾性突起32は、突起3の上層部を構成している。詳細には、樹脂部材31は、膨出部311の、頂面311a、クローラ幅方向側面311b1及びクローラ周方向側面311b2と、突起3のクローラ幅方向側面3b1及びクローラ周方向側面3b2の一部を構成し、弾性突起32は、突起3のクローラ幅方向側面3b1及びクローラ周方向側面3b2の残りの残部と、突起3の頂面3aを構成している。この場合、樹脂部材31が弾性突起32から抜け難くなる。これによって、耐久性が向上する。
ところで、上述した実施形態及びその変形例に係る弾性クローラ1Aを転輪130等の前記回転体に対して巻き掛けたとき、クローラ本体2は、膨出部311のクローラ周方向側面311b2の下端隅部を基点に曲がることで、前記回転体に対して巻き掛けることができる。このため、クローラ本体2には、膨出部311のクローラ周方向側面311b2の下端隅部付近に、当該クローラ本体2の曲げによる応力集中が生じ得る。こうした応力集中は、クローラ本体2、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性に影響を与える。
これに対し、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、図9Aに示すように、膨出部311のクローラ周方向側面311b2と、膨出部311の最下端311eとの間に配置されたクローラ周方向下端隅面311dの形状は、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線であるものとすることができる。この例では、膨出部311の最下端311eは、突起3の最下端3eである。この例では、膨出部311の最下端311eは、平面である。この例では、図9Bに示すように、膨出部311の最下端311eは、クローラ本体2の内周面21と一致する、当該突起3の仮想結合面である。クローラ周方向下端隅面311dを形作る前記凸の曲線は、曲率半径R1で形作られている。即ち、この例では、膨出部311の下端311fは、クローラ幅方向視で、曲率半径R1で形作られた2つのクローラ周方向下端隅面311dと、クローラ周方向に延びた最下端311eとで構成されている。
これに対し、クローラ本体2は、当該クローラ本体2の内周面21からクローラ内周方向に突出している凸部211を備えている。この例では、クローラ本体2の凸部211は、クローラ周方向に間隔を置いて配置されている。また、この例では、凸部211は、クローラ幅方向視で、内向きに凹の曲線で形作られた曲面211dを有している。曲面211dを形作る前記凹の曲線の形状は、膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状と一致している。本実施形態では、クローラ本体2の凸部211を形作られた曲面211dの曲線も、曲率半径R1で形作られている。
一方、図9Cに示すように、膨出部311の下端311fは、クローラ本体2に対して、当該クローラ本体2の内周面21に対して埋め込むこともできる。この例では、膨出部311の下端311f、ひいては、クローラ周方向下端隅面311dは、クローラ本体2の内周面21よりもクローラ外周側に埋め込まれている。
膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状が、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線である場合、クローラ本体2における、膨出部311のクローラ周方向下端隅面に生じ得る、応力集中を緩和することができる。従って、この場合、クローラ本体2、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性をより向上させることができる。
図10Aは、膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状が、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線である場合の他の例である。この例においても、図10Aに示すように、膨出部311のクローラ周方向側面311b2と、膨出部311の最下端311eとの間に配置されたクローラ周方向下端隅面311dの形状は、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線である。この例では、クローラ周方向下端隅面311dの凸の曲線は、クローラ幅方向視で、曲率半径R2で形作られている。また、この例では、膨出部311の最下端311eは、2つのクローラ周方向下端隅面311dの接続点である。即ち、この例では、膨出部311の下端311fは、クローラ幅方向視で、曲率半径R2で形作られた外向きに凸の曲線である。また、この例では、図10Bに示すように、膨出部311の最下端311eは、クローラ本体2の内周面21と一致している点である。
これに対し、クローラ本体2は、当該クローラ本体2の内周面21からクローラ内周方向に突出している凸部212を備えている。この例では、クローラ本体2の凸部212は、図10Bに示すように、クローラ幅方向視で、内向きに凹の曲線で形作られた曲面212dを有している。曲面212dを形作る前記凹の曲線の形状は、膨出部311の下端311f、ひいては、クローラ周方向下端隅面311dの形状と一致している。本実施形態では、クローラ本体2の凸部212に形作られた曲面212dの曲線も、曲率半径R2で形作られている。
一方、図10Cに示すように、膨出部311の下端311fは、クローラ本体2に対して、当該クローラ本体2の内周面21に対して埋め込むこともできる。この例では、膨出部311の下端311f、ひいては、クローラ周方向下端隅面311dは、クローラ本体2の内周面21よりもクローラ外周側に埋め込まれている。
これらの例の場合も、膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状が、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線であるため、クローラ本体2における、膨出部311のクローラ周方向下端隅面に生じ得る、応力集中を緩和することができる。従って、この場合、クローラ本体2、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性をより向上させることができる。
また、本実施形態に係るクローラ走行装置100は、上述したいずれかの弾性クローラ1Aと、弾性クローラ1Aが巻き掛けられる前記回転体とを備える。本実施形態に係るクローラ走行装置100によれば、上述のとおり、耐久性に優れた、新規な弾性クローラ1Aを備えたクローラ走行装置となる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1A、当該弾性クローラ1Aに適用可能な上述の各例及びクローラ走行装置100によれば、耐久性に優れた新規な弾性クローラ及び当該弾性クローラを備えたクローラ走行装置を提供することができる。
上述したところは、本発明のいくつかの実施形態を開示したにすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、上述した実施形態及び各例に採用された様々な構成は、互いに組み合わせて使用することができる。また、上述した実施形態及び各例に採用された様々な構成は、相互に適宜、置き換えることができる。