JP7246909B2 - 弾性クローラ及びクローラ走行装置 - Google Patents

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本発明は、弾性クローラ及びクローラ走行装置に関する。
従来の弾性クローラとしては、クローラ本体の内周面に配置されたゴム突起と、前記弾性クローラが巻き掛けられる転輪等の回転体との接触に対処することを目的に、前記ゴム突起に樹脂部材(低摩耗部材)を埋設したゴムクローラがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004-306651号公報
しかしながら、特許文献1に記載のゴムクローラは、前記樹脂部材と共に前記ゴム突起にも接触し得ることから、依然として、クローラ本体の内周面に配置された突起の耐久性、ひいては、弾性クローラの耐久性に改善の余地がある。
本発明の目的は、耐久性に優れた、新規な弾性クローラ及び当該弾性クローラを備えたクローラ走行装置を提供することである。
本発明に係る弾性クローラは、無端帯状に形作られており、弾性材料からなるクローラ本体と、前記クローラ本体の内周面に配置された弾性材料を含む突起と、を備える、弾性クローラであって、前記突起の基部からクローラ幅方向に延びている樹脂材料からなる膨出部を備える。本発明に係る弾性クローラにおいて、前記突起の基部とは、当該突起の最下端から任意の高さまでの領域の部分をいう。言い換えれば、前記基部の高さは、前記膨出部の高さである。本発明に係る弾性クローラによれば、耐久性に優れた、新規な弾性クローラとなる。
本発明に係る弾性クローラにおいて、前記突起は、樹脂部材を含み、前記樹脂部材は、前記膨出部と、当該膨出部に繋がっているクローラ幅方向側壁部とを備え、前記樹脂部材の前記クローラ幅方向側壁部は、前記突起のクローラ幅方向側壁部を構成していることが好ましい。この場合、前記膨出部と共に突起の耐久性、ひいては、当該弾性クローラの耐久性を向上させることができる。
本発明に係る弾性クローラにおいて、前記樹脂部材は、当該樹脂部材の前記クローラ幅方向側壁部に繋がっている頂壁部を備え、前記樹脂部材の前記頂壁部は、前記突起の頂壁部を構成していることが好ましい。この場合、前記樹脂部材と共に前記突起の耐久性、ひいては、当該弾性クローラの耐久性をより向上させることができる。
また、本発明に係る弾性クローラにおいて、前記膨出部が接触可能な相手側は、前記回転体の本体部であるものとすることができる。この場合、前記突起、ひいては、弾性クローラの耐久性をより向上させることができる。
また、本発明に係る弾性クローラにおいて、前記膨出部が接触可能な相手側は、前記回転体の本体部の外周面に設けられた被覆部であるものとすることができる。この場合、前記膨出部、ひいては、弾性クローラの耐久性をより向上させることができる。
また、本発明に係る弾性クローラにおいて、前記膨出部のクローラ周方向側面と当該膨出部の最下端との間に配置されたクローラ周方向下端隅面の形状は、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線であるものとすることができる。この場合、前記クローラ本体、ひいては、弾性クローラの耐久性をより向上させることができる。
本発明に係るクローラ走行装置は、上述したいずれかの弾性クローラと、前記弾性クローラが巻き掛けられる回転体とを備える。本発明に係るクローラ走行装置によれば、クローラ本体の内周面に配置された突起からクローラ幅方向に延びている膨出部を備えつつも耐久性に優れた、新規な弾性クローラを備えたクローラ走行装置となる。
本発明によれば、耐久性に優れた、新規な弾性クローラ及び当該弾性クローラを備えたクローラ走行装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る弾性クローラを適用可能なクローラ走行装置の一例を概略的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る弾性クローラを一部断面で示す斜視図である。 図2の弾性クローラの内周面を拡大して示す部分平面図である。 図3のA-A断面図である。 図3のB-B断面図である。 図5Aの拡大断面図である。 図1の弾性クローラに係る突起に適用可能な樹脂部材の他の例を示す平面図である。 図1の弾性クローラに採用可能な突起の他の例を、図3のB-B断面に相当する断面で模式的に示す要部断面図である。 図1の弾性クローラに採用可能な突起の他の例を、図3のB-B断面に相当する断面で模式的に示す要部断面図である。 図2の弾性クローラの突起の一部を構成する樹脂部材の一例を概略的に示す側面図である。 図9Aの樹脂部材を用いてクローラ本体に形成された突起の一例を示す側面図である。 図9Aの樹脂部材を用いてクローラ本体に形成された突起の他の例を示す側面図である。 図2の弾性クローラの突起の一部を構成する樹脂部材の他の例を概略的に示す側面図である。 図10Aの樹脂部材を用いてクローラ本体に形成された突起の一例を示す側面図である。 図10Aの樹脂部材を用いてクローラ本体に形成された突起の他の例を示す側面図である。
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係る弾性クローラについて説明をする。
図1は、本発明の一実施形態に係る弾性クローラ1Aを適用可能なクローラ走行装置100の一例を概略的に示す側面図である。クローラ走行装置100は、例えば、農業機械(トラクター、コンバイン等)、建設機械(ミニショベル等)等に装着されて使用される。
この例では、クローラ走行装置100は、駆動輪(スプロケット)110と、従動輪(アイドラ)120と、転輪130と、を備えており、これらは、車両(図示省略)に取り付けられた回転体である。この例では、駆動輪110は、かご型スプロケットである。前記かご型スプロケットは、回転軸Oの周りに同一ピッチで配置された複数のピン110Pを有している。また、この例では、クローラ走行装置100は、2つの従動輪120と、3つの転輪130とを備えているが、これらは、それぞれ、クローラ走行装置100の構成に応じて変更することができる。即ち、駆動輪110、従動輪120及び転輪130は、それぞれ、少なくとも1つとすることができる。また、本例のクローラ走行装置100では、ピン110Pは、クローラ幅方向に延在する円柱状に構成されているが、ピン110Pの構成は適宜変更することができる。
加えて、クローラ走行装置100は、本実施形態に係る弾性クローラ1Aを備えている。弾性クローラ1Aは、駆動輪110、従動輪120及び転輪130に巻き掛けられている。弾性クローラ1Aは、無端帯状に形作られており、弾性材料からなるクローラ本体2と、クローラ本体2の内周面に配置された弾性材料を含む突起3と、クローラ本体2の外周面に配置された弾性材料からなるラグ4と、を備えている。この例では、前記弾性材料は、いずれもゴムである。突起3及びラグ4は、クローラ本体2と共に一体に成形することができ、また、クローラ本体2に対して加硫接着することができる。
図2には、弾性クローラ1Aを一部断面で示す。本明細書において、「クローラ内周側」、「クローラ外周側」、「クローラ周方向」、「クローラ幅方向」、「クローラ厚さ方向」とは、それぞれ、クローラ本体2における内周側、外周側、周方向、幅方向、厚さ方向をいう。図では、それぞれ、便宜上、周方向を矢印CDで示し、幅方向を矢印WDで示し、厚さ方向を矢印TDで示す。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aは、芯金レスゴムクローラである。本実施形態では、クローラ本体2は、当該クローラ本体2の内部に埋設されたスチールコード層5及び1層又は複数層(図の例では3層)の補強プライ6と、を備えている。
図2に示すように、複数の突起3は、それぞれ、クローラ本体2の内周面21からクローラ内周側へ突出している。また、複数の突起3は、それぞれ、クローラ周方向に互いに一定の間隔を置いて配列されている。本実施形態では、突起3は、それぞれ、クローラ本体2のクローラ幅方向中央に配置されている。本実施形態では、弾性クローラ1Aの内周面11は、クローラ本体2の内周面21と、突起3の表面とで、構成されている。
複数のラグ4は、それぞれ、クローラ本体2の外周面22からクローラ外周側へ突出している。ラグ4の形状や配置は、各図に示すものに限られず、任意の形状、配置を採用することができる。本実施形態では、弾性クローラ1Aの外周面12は、クローラ本体2の外周面22と、各ラグ4の表面とで、構成されている。
スチールコード層5は、それぞれ、クローラ周方向に平行に延びる複数本のスチールコード5aからなる。各補強プライ6は、スチールコード層5よりもクローラ外周側に配置されている。補強プライ6は、例えば、クローラ周方向に対して傾斜した複数本のコードを含む。また、補強プライ6は、省略することもできる。
図3には、弾性クローラ1Aの内周面11を拡大して示す。図3に示すように、本実施形態では、突起3は、頂面3aと側面3bとで構成されている。頂面3aは、突起3の外表面のうち、当該突起3のクローラ内周側に位置する端面である。側面3bは、突起3の外表面のうち、頂面3a以外の外表面である。本実施形態では、側面3bは、クローラ幅方向側面(突起3のクローラ幅方向側面)3b1、クローラ周方向側面(突起3のクローラ周方向側面)3b2で構成されている。本実施形態では、突起3のクローラ幅方向外側に、それぞれ、後述の転輪通過面11aが設けられている。転輪通過面11aは、それぞれ、クローラ本体2の内周面21に設けられている。
図4は、図3のA-A断面図である。図4では、弾性クローラ1Aは、クローラ周方向に沿って、クローラ厚さ方向を含む断面で示されている。図1のクローラ走行装置100は、トラクター用の走行装置として構成されている。図1の矢印Dに示すように、駆動輪110が回転軸O周りに回転すると、図4に示すように、各ピン110Pは、それぞれ、当該ピン110Pに対応する弾性クローラ1Aの突起3のクローラ周方向側面3b2に対して順次接触するように構成されている。突起3は、駆動輪110のピン110Pが突起3のクローラ周方向側面3b2と接触する際に、ピン110Pからの駆動力をクローラ本体2に伝達する機能を有する。
図5Aは、図3のB-B断面図である。図5Aでは、弾性クローラ1Aは、クローラ幅方向に沿って、クローラ厚さ方向を含む断面で示されている。図5Aに示すように、本例のクローラ走行装置100では、転輪130は、クローラ幅方向に間隔を置いて配置された2つの本体部131と、本体部131を連結する連結シャフト132と、を備え、更に本体部131の外周面は、弾性材料からなる被覆部133によって被覆されている。本例のクローラ走行装置100では、転輪130は、それぞれ、転輪通過面11a(図3、図5A)上を転動するように構成されている。即ち、弾性クローラ1Aは、走行時において、転輪130上を通過するように構成されている。
また、本例のクローラ走行装置100では、弾性クローラ1Aの突起3は、2つの本体部131のクローラ幅方向内側に配置されるように構成されている。突起3は、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1によって、転輪130をクローラ幅方向にガイドする機能を有する。これにより、弾性クローラ1Aの脱輪(弾性クローラ1Aが転輪130等の前記回転体から外れること)が抑制される。また、本例では、従動輪120も、転輪130と同様に構成されている。これにより、駆動輪110又は従動輪120からの弾性クローラ1の脱輪も抑制される。なお、本実施形態に係る弾性クローラ1Aは、図1に示すクローラ走行装置100とは異なる任意の構成のクローラ走行装置に採用することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、突起3は、樹脂部材31と、弾性突起32と、からなる。弾性突起32は、クローラ本体2の内周面21に設けられた弾性突起である。弾性突起32は、クローラ周方向に互いに一定の間隔を空けて配列されている。本実施形態では、弾性突起32は、クローラ本体2の内周面21からクローラ内周側へ突出している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、弾性突起32は、外部からの衝撃を吸収するゴムからなるゴム突起である。これに対し、樹脂部材31は、弾性突起32を補強し、弾性突起32の摩耗や破損を抑制するために、設けられている。樹脂部材31を構成する樹脂材料としては、例えば、弾性突起32を構成するゴム材料に比べ、剛性(例えば、強度)が高く、摩擦係数が低い樹脂材料が挙げられる。本実施形態では、突起3は、例えば、樹脂部材31を弾性突起32に対して接着することによって、又は、樹脂部材31をインサート品として、未加硫ゴムによって弾性突起32を成形することによって、形成することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aは、突起3の基部30からクローラ幅方向に延びている膨出部311を備えている。膨出部311は、弾性クローラ1Aの巻き掛けられる前記回転体に対して接触可能なストッパである。
図5Bに示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aにおいて、突起3の基部30とは、突起3の最下端3eから任意の高さh1までの領域の部分をいう。言い換えれば、突起3の基部30の高さh1は、膨出部311の高さ(以下、「膨出部311の高さh1」ともいう。)である。図5Bに示すように、膨出部311の高さh1は、クローラ厚み方向の高さである。本実施形態では、膨出部311の高さh1は、突起3の最下端3eからの高さである。ここで、突起3の最下端3eは、当該突起3とクローラ本体2との境界面である。図5B等の破線で示すように、本実施形態では、突起3の最下端3eは、クローラ本体2の内周面21と一致する、当該突起3の仮想結合面である。
膨出部311の高さh1は、例えば、転輪130等の前記回転体の直径、被覆部133の厚み、クローラ本体2に占める突起3の大きさ等、前記回転体、前記弾性クローラの各部位の寸法規格、当該弾性クローラ1Aの用途等に応じて適宜設定することができる。例えば、膨出部311の高さh1は、突起3の高さH(図5A参照。)に対して40~50mmの範囲の割合とすることができる。膨出部311の高さh1の具体例としては、10~20mmが挙げられる。また、膨出部311のクローラ幅方向の長さWの具体例としては、10~20mmが挙げられる。また、膨出部311の高さh1は、転輪130の本体部131と被覆部133との関係で設定することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311は、高さh1の頂面311aを有している。図5Bに示すように、本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、当該膨出部311の頂面311aのクローラ幅方向外側端縁に繋がっている。本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、転輪130のクローラ幅方向側面130b1に対して接触可能なストッパ面である。本実施形態では、転輪130のクローラ幅方向側面130b1は、本体部131のクローラ幅方向側面131b1と、被覆部133のクローラ幅方向側面133b1と、で構成されている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部(ストッパ)311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131である。図5Bに示すように、本実施形態では、膨出部311の高さh1は、被覆部133の高さh2よりも高い。これにより、膨出部311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131となる。本実施形態では、例えば、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、クローラ幅方向のストッパ面として機能することができる。これに対し、膨出部311が接触可能な相手側のストッパ面としては、例えば、本体部131のクローラ幅方向内側に配置された、当該本体部131のクローラ幅方向側面(以下、「本体部131のクローラ幅方向内側側面」ともいう。)131b1が、相手側のストッパ面として機能することができる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、本体部131のクローラ幅方向内側側面131b1は、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1に対してほぼ平行な面である。本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1の、転輪通過面11aに対する傾斜角度をA1(0°<A1<180°)とし、本体部131のクローラ幅方向内側側面131b1の、転輪通過面11aに対する傾斜角度をA2(0°<A2<180°)とした場合、傾斜角度A1と傾斜角度A2は同一角度である。しかしながら、傾斜角度A1及び傾斜角度A2は、異なる角度とすることもできる。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、膨出部311は、突起3の基部30からクローラ幅方向に延びていることから、図5Bに示すように、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、突起3のクローラ幅方向側面3b1よりもクローラ幅方向外側の位置に配置されることなる。このため、例えば、転輪130が突起3に接近しても、転輪130、例えば、被覆部133のクローラ幅方向内側側面133b1は、突起3、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に先んじて、膨出部311、例えば、当該膨出部311のクローラ幅方向側面311b1に接触する。これにより、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、転輪130が突起3の側面3b、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に対して接触することを防ぐことができる。従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、クローラ本体2に配置された突起3、ひいては、弾性クローラの耐久性を向上させることができる。
また、図5Bに示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、膨出部311は、突起3の基部30、即ち、当該突起3の最下端3eからクローラ厚さ方向に延びていることにより、クローラ本体2に対して固定し、又は、クローラ本体2に対して接触させることができる。このため、転輪130が膨出部311と接触したときも、当該膨出部311はクローラ本体2に保持されることから、当該膨出部3に生じ得る欠損の可能性を大幅に抑制することができる。従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、突起3を保護する膨出部311、ひいては、弾性クローラの耐久性を向上させることができる。加えて、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、膨出部311が樹脂からなるため、当該膨出部311をゴムとした場合に比べて、膨出部311の耐久性を向上させることができる。
上述のことから明らかなように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、クローラ本体2の内周面21に配置された突起3からクローラ幅方向に延びている膨出部311を備えることで、弾性突起32との接触を防いで、当該突起3の耐久性に優れると共に、膨出部311が欠損することがなく、当該膨出部311の耐久性にも優れる。従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、耐久性に優れた、新規な弾性クローラとなる。
ところで、転輪130の本体部131は一般的に、突起3の弾性突起32よりも硬質な材料、例えば、金属からなる。このため、硬質な転輪130の本体部131が、突起3、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に接触する可能性はできる限り低く抑えられることが好ましい。
これに対し、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131である。この場合、転輪130が突起3に接近しても、膨出部311、例えば、当該膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、突起3、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に先んじて、転輪130の本体部131、例えば、当該本体部131のクローラ幅方向内側側面131b1と接触する。これにより、本実施形態では、転輪130の本体部131が突起3の側面3b、例えば、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1に対して接触することを防ぐことができる。従って、本実施形態によれば、クローラ本体2に配置された突起3、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性をより向上させることができる。なお、本実施形態では、突起3の高さHは、H=62mmである。この場合、膨出部311の高さh1は、被覆部133の高さh2よりも10mm高くする。
また、本実施形態に係る弾性クローラ1Aによれば、他の例として、膨出部(ストッパ)311が接触可能な相手側は、転輪130の本体部131の外周面に設けられた、弾性材料からなる被覆部133であるものとすることができる。この例では、膨出部311の高さh1は、被覆部133の高さh2よりも高い。これにより、膨出部311が接触可能な相手側は、弾性材料からなる被覆部133となる。図5Bを参照して検討すれば、この例では、例えば、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1は、クローラ幅方向のストッパ面として機能することができる。これに対し、膨出部311が接触可能な相手側のストッパ面としては、例えば、被覆部133のクローラ幅方向内側に配置された、当該被覆部133のクローラ幅方向側面(以下、「被覆部133のクローラ幅方向内側側面」ともいう。)133b1が、相手側のストッパ面として機能することができる。
膨出部311が接触可能な相手側を転輪130の被覆部133とした場合も、被覆部133のクローラ幅方向内側側面133b1は、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1に対してほぼ平行な面とすることができる。例えば、被覆部133のクローラ幅方向内側側面133b1の、転輪通過面11aに対する傾斜角度をA3(0°<A3<180°)とした場合、傾斜角度A1と傾斜角度A3は同一角度である。しかしながら、傾斜角度A1及び傾斜角度A3は、異なる角度とすることもできる。
膨出部311が接触可能な相手側を転輪130の本体部131の外周面に設けられた被覆部133とした場合、転輪130が突起3に接近しても、膨出部311は、転輪130の本体部131ではなく、弾性材料からなる被覆部133と接触する。転輪130の被覆部133は一般的に、転輪130の本体部131よりも軟質な材料、例えば、ゴムからなる。即ち、転輪130が突起3に接近するとき、膨出部311は、転輪130の本体部131よりも軟質な被覆部133と接触することになる。従って、この例では、膨出部311、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
ところで、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、それぞれ、1つの弾性突起32に対して1つずつ埋設されている。本実施形態では、樹脂部材31は、その外表面が突起3の外表面を構成している。
詳細には、図5Aに示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311は、樹脂部材31の一部として構成されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31は、膨出部311を備えている。本実施形態では、樹脂部材31は、2つの膨出部311を備えており、当該2つの膨出部311は、クローラ幅方向に間隔を置いて配置されている。本実施形態では、膨出部311は、クローラ本体2の内周面21に固定されている。図5Bに示すように、本実施形態では、膨出部311の最下端311eは、クローラ本体2の内周面21と一致している。
また、図5A等に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31の一部は、突起3のクローラ幅方向側面3b1に露出し、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1を構成している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、クローラ幅方向に配置されたクローラ幅方向側壁部312を備えている。本実施形態では、樹脂部材31は、2つのクローラ幅方向側壁部312を備えており、当該2つのクローラ幅方向側壁部312は、クローラ幅方向に間隔を置いて配置されている。図5Bに示すように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、突起3のクローラ幅方向側壁部を構成すると共に、膨出部311に繋がっている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に固定されている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、それぞれ、弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に接着又は埋設されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1が、樹脂部材31の一部として、突起3のクローラ幅方向側面3b1に露出し、当該突起3のクローラ幅方向側面3b1を構成している。樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312は、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を突起3のクローラ幅方向側壁部とすることで、突起3の耐久性を更に向上させることができる。
また、図5A等に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aにおいて、樹脂部材31の他の一部は、突起3の頂面3aに露出し、当該突起3の頂面3aを構成している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、クローラ内周側に配置された頂壁部313を備えている。図5Aに示すように、樹脂部材31の頂壁部313は、突起3の頂壁部を構成すると共に、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に繋がっている。本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313は、2つのクローラ幅方向端縁を有し、当該クローラ幅方向端縁のそれぞれに、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312が繋がっている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31の頂壁部313は、弾性突起32の頂面32aに固定されている。本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313は、弾性突起32の頂面32aに接着又は埋設されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313の頂面313aが、樹脂部材31の他の一部として、突起3の頂面3aに露出し、当該突起3の頂面3aを構成している。樹脂部材31の頂壁部313は、転輪130が弾性突起32の頂面32aに接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31の頂壁部313を突起3の頂壁部とすることで、突起3の耐久性を更に向上させることができる。
加えて、図4に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31の更に他の一部は、突起3のクローラ周方向側面3b2に露出し、当該突起3のクローラ周方向側面3b2を構成している。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、クローラ周方向に配置されたクローラ周方向側壁部314を備えている。本実施形態では、樹脂部材31は、弾性突起32を挟んだ2つのクローラ周方向側壁部314を備えており、当該2つのクローラ周方向側壁部314は、クローラ周方向に間隔を置いて配置されている。図4に示すように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、突起3のクローラ周方向側壁部を構成すると共に、樹脂部材31の頂壁部313に繋がっている。本実施形態では、樹脂部材31の頂壁部313は、2つのクローラ周方向端縁を有し、当該クローラ周方向端縁のそれぞれに、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314が繋がっている。
本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に固定されている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、それぞれ、弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に接着又は埋設されている。即ち、本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2が、樹脂部材31の一部として、突起3のクローラ周方向側面3b2に露出し、当該突起3のクローラ周方向側面3b2を構成している。樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、転輪130が弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を突起3のクローラ周方向側壁部とすることで、突起3の耐久性を更に向上させることができる。
更に、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311を樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に連結させている。本実施形態では、膨出部311の頂面311aを樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1に連結させている。この場合、図3に示すように、膨出部311の頂面311aと樹脂部材31のクローラ幅方向側面312b1との間には、クローラ周方向に延びる突起3のクローラ周方向端縁として、クローラ周方向に延びるクローラ周方向稜線31L1が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方と膨出部311とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、膨出部311が転輪130等によってクローラ幅方向から受ける力を、クローラ幅方向側壁部312で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1に接触することを防ぐことができる。このように、膨出部311を樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に繋ぐことで、膨出部311と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、膨出部311を樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312に繋ぎ、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を突起3のクローラ幅方向側壁部として構成すれば、突起3及び膨出部311の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
なお、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、膨出部311のクローラ幅方向側面311b1と、当該膨出部311のクローラ周方向側面311b2との間は、クローラ厚さ方向視で、外向きに凸の曲線で形作られた、当該膨出部311のクローラ幅方向隅部311cが形成されている。本実施形態では、膨出部311のクローラ幅方向隅部311cの凸の曲線は、曲率半径rで形作られている。また、図3に示すように、本実施形態では、膨出部311のクローラ周方向側面311b2は、クローラ厚さ方向視で、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2と一致している。本実施形態では、膨出部311のクローラ周方向側面311b2と、樹脂部材31のクローラ周方向側面314b2とは、クローラ幅方向に延びている。
更に、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を頂壁部313に連結させている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1を、当該樹脂部材31の頂壁部313の頂面313aに連結させている。この場合、図3に示すように、樹脂部材31のクローラ幅方向側面312b1と、当該樹脂部材31の頂面313aとの間には、クローラ周方向に延びる突起3のクローラ周方向端縁として、クローラ周方向に延びるクローラ周方向稜線31L2が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方と、当該樹脂部材31の頂壁部313とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1及び当該弾性突起32の頂面32aに接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぐことで、樹脂部材31と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。特に、本実施形態のように、樹脂部材31の頂壁部313がクローラ幅方向に間隔を置いて配置された当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312を連結するようにすれば、例えば、当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312の一方がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313を介して、当該樹脂部材31の他方のクローラ幅方向側壁部312で受けることができる。このように、本実施形態によれば、クローラ幅方向から受ける力に対してより大きな耐性を得られるため、樹脂部材31と共に突起3の耐久性をより更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぎ、当該樹脂部材31の頂壁部313を突起3の頂壁部として構成すれば、樹脂部材31と共に突起3の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
同様に、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を当該樹脂部材31の頂壁部313に連結させている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2を当該樹脂部材31の頂壁部313の頂面313aに連結させている。この場合、図3に示すように、樹脂部材31のクローラ周方向側面314b2と当該樹脂部材31の頂面313aとの間には、クローラ幅方向に延びる突起3のクローラ幅方向端縁として、クローラ幅方向に延びるクローラ幅方向稜線31L4が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314の少なくともいずれか一方と当該樹脂部材31の頂壁部313とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314がクローラ周方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ周方向側面32b2及び当該弾性突起32の頂面32aに接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぐことで、樹脂部材31と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。特に、本実施形態のように、樹脂部材31の頂壁部313がクローラ周方向に間隔を置いて配置された当該樹脂部材31の2つのクローラ周方向側壁部314を連結するようにすれば、例えば、当該樹脂部材31の2つのクローラ周方向側壁部314の一方がクローラ周方向から受ける力を、当該樹脂部材31の頂壁部313を介して、当該樹脂部材31の他方のクローラ周方向側壁部314で受けることができる。このように、本実施形態によれば、クローラ周方向から受ける力に対してより大きな耐性を得られるため、樹脂部材31と共に突起3の耐久性をより更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を当該樹脂部材31の頂壁部313に繋ぎ、当該樹脂部材31の頂壁部313を突起3の頂壁部として構成すれば、樹脂部材31と共に突起3の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
また、図3に示すように、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312と、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314とを連結させている。本実施形態では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314のクローラ周方向側面314b2を、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312のクローラ幅方向側面312b1に連結させている。この場合、図3に示すように、樹脂部材31のクローラ幅方向側面312b1と当該樹脂部材31のクローラ周方向側面314b2との間には、クローラ厚さ方向に延びる突起3のクローラ厚さ方向端縁として、クローラ厚さ方向に延びるクローラ厚さ方向稜線31L3が形成される。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方のうち、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312の少なくともいずれか一方のクローラ周方向側と当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314とを連結し、1つの剛体である樹脂部材31の一部として構成すれば、例えば、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314で受けることができ、更に、転輪130が弾性突起32のクローラ幅方向側面32b1及び当該弾性突起32のクローラ周方向側面32b2に接触することを防ぐことができる。このように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314に繋ぐことで、樹脂部材31と共に突起3の耐久性を更に向上させることができる。特に、本実施形態のように、樹脂部材31の2つのクローラ周方向側壁部314と、当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312とを互いに連結するようにすれば、例えば、当該樹脂部材31の2つのクローラ幅方向側壁部312の一方がクローラ幅方向から受ける力を、当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314を介して、当該樹脂部材31の他方のクローラ幅方向側壁部312で受けることができる。このように、本実施形態によれば、クローラ幅方向から受ける力に対してより大きな耐性を得られるため、樹脂部材31と共に突起3の耐久性をより更に向上させることができる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1Aのように、樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312を当該樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314に繋げば、樹脂部材31と共に突起3の耐久性、ひいては、当該弾性クローラ1Aの耐久性を向上させることができる。
ところで、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、樹脂部材31は、弾性突起32の外表面を覆う被覆部材として構成されている。このように、弾性突起32の外表面が樹脂部材31で覆われている場合、駆動輪(スプロケット)110のピン110Pが弾性突起32のと係合した際に、樹脂部材31は、ゴムより摩擦係数が小さいため、ピン110Pとの駆動がよい。但し、樹脂部材31は、図1~図5に示した被覆部材に限定されるものではない。
図6は、弾性クローラ1Aに係る突起3に適用可能な樹脂部材31の他の例を示す平面図である。この例では、樹脂部材31は、クローラ幅方向に間隔を配置した2つのクローラ幅方向側壁部312の間を頂壁部313で繋いだ部材である。この例では、樹脂部材31のクローラ周方向側壁部314は、当該樹脂部材31のクローラ幅方向側壁部312及び頂壁部313の一部と繋がっており、クローラ幅方向中心部分では取り除かれている。この場合、樹脂部材31がゴム(弾性突起32)に覆いかぶさっているため、突起3の耐久性が向上し、当該突起3を壊れ難くすることができる。
図7は、弾性クローラ1Aに採用可能な突起3の他の例を、図3のB-B断面に相当する断面で模式的に示す断面図である。この例では、突起3は、樹脂部材31のみで構成されている。従って、この例では、弾性突起32は、突起3に含まれていない。
図8は、弾性クローラ1Aに採用可能な突起3の他の例を、図3のB-B断面に相当する断面で模式的に示す断面図である。この例では、突起3は、樹脂部材31と弾性突起32との二層構造で構成されている。この例では、樹脂部材31は、突起3の下層部を構成し、弾性突起32は、突起3の上層部を構成している。詳細には、樹脂部材31は、膨出部311の、頂面311a、クローラ幅方向側面311b1及びクローラ周方向側面311b2と、突起3のクローラ幅方向側面3b1及びクローラ周方向側面3b2の一部を構成し、弾性突起32は、突起3のクローラ幅方向側面3b1及びクローラ周方向側面3b2の残りの残部と、突起3の頂面3aを構成している。この場合、樹脂部材31が弾性突起32から抜け難くなる。これによって、耐久性が向上する。
ところで、上述した実施形態及びその変形例に係る弾性クローラ1Aを転輪130等の前記回転体に対して巻き掛けたとき、クローラ本体2は、膨出部311のクローラ周方向側面311b2の下端隅部を基点に曲がることで、前記回転体に対して巻き掛けることができる。このため、クローラ本体2には、膨出部311のクローラ周方向側面311b2の下端隅部付近に、当該クローラ本体2の曲げによる応力集中が生じ得る。こうした応力集中は、クローラ本体2、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性に影響を与える。
これに対し、本実施形態に係る弾性クローラ1Aでは、図9Aに示すように、膨出部311のクローラ周方向側面311b2と、膨出部311の最下端311eとの間に配置されたクローラ周方向下端隅面311dの形状は、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線であるものとすることができる。この例では、膨出部311の最下端311eは、突起3の最下端3eである。この例では、膨出部311の最下端311eは、平面である。この例では、図9Bに示すように、膨出部311の最下端311eは、クローラ本体2の内周面21と一致する、当該突起3の仮想結合面である。クローラ周方向下端隅面311dを形作る前記凸の曲線は、曲率半径R1で形作られている。即ち、この例では、膨出部311の下端311fは、クローラ幅方向視で、曲率半径R1で形作られた2つのクローラ周方向下端隅面311dと、クローラ周方向に延びた最下端311eとで構成されている。
これに対し、クローラ本体2は、当該クローラ本体2の内周面21からクローラ内周方向に突出している凸部211を備えている。この例では、クローラ本体2の凸部211は、クローラ周方向に間隔を置いて配置されている。また、この例では、凸部211は、クローラ幅方向視で、内向きに凹の曲線で形作られた曲面211dを有している。曲面211dを形作る前記凹の曲線の形状は、膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状と一致している。本実施形態では、クローラ本体2の凸部211を形作られた曲面211dの曲線も、曲率半径R1で形作られている。
一方、図9Cに示すように、膨出部311の下端311fは、クローラ本体2に対して、当該クローラ本体2の内周面21に対して埋め込むこともできる。この例では、膨出部311の下端311f、ひいては、クローラ周方向下端隅面311dは、クローラ本体2の内周面21よりもクローラ外周側に埋め込まれている。
膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状が、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線である場合、クローラ本体2における、膨出部311のクローラ周方向下端隅面に生じ得る、応力集中を緩和することができる。従って、この場合、クローラ本体2、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性をより向上させることができる。
図10Aは、膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状が、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線である場合の他の例である。この例においても、図10Aに示すように、膨出部311のクローラ周方向側面311b2と、膨出部311の最下端311eとの間に配置されたクローラ周方向下端隅面311dの形状は、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線である。この例では、クローラ周方向下端隅面311dの凸の曲線は、クローラ幅方向視で、曲率半径R2で形作られている。また、この例では、膨出部311の最下端311eは、2つのクローラ周方向下端隅面311dの接続点である。即ち、この例では、膨出部311の下端311fは、クローラ幅方向視で、曲率半径R2で形作られた外向きに凸の曲線である。また、この例では、図10Bに示すように、膨出部311の最下端311eは、クローラ本体2の内周面21と一致している点である。
これに対し、クローラ本体2は、当該クローラ本体2の内周面21からクローラ内周方向に突出している凸部212を備えている。この例では、クローラ本体2の凸部212は、図10Bに示すように、クローラ幅方向視で、内向きに凹の曲線で形作られた曲面212dを有している。曲面212dを形作る前記凹の曲線の形状は、膨出部311の下端311f、ひいては、クローラ周方向下端隅面311dの形状と一致している。本実施形態では、クローラ本体2の凸部212に形作られた曲面212dの曲線も、曲率半径R2で形作られている。
一方、図10Cに示すように、膨出部311の下端311fは、クローラ本体2に対して、当該クローラ本体2の内周面21に対して埋め込むこともできる。この例では、膨出部311の下端311f、ひいては、クローラ周方向下端隅面311dは、クローラ本体2の内周面21よりもクローラ外周側に埋め込まれている。
これらの例の場合も、膨出部311のクローラ周方向下端隅面311dの形状が、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線であるため、クローラ本体2における、膨出部311のクローラ周方向下端隅面に生じ得る、応力集中を緩和することができる。従って、この場合、クローラ本体2、ひいては、弾性クローラ1Aの耐久性をより向上させることができる。
また、本実施形態に係るクローラ走行装置100は、上述したいずれかの弾性クローラ1Aと、弾性クローラ1Aが巻き掛けられる前記回転体とを備える。本実施形態に係るクローラ走行装置100によれば、上述のとおり、耐久性に優れた、新規な弾性クローラ1Aを備えたクローラ走行装置となる。
従って、本実施形態に係る弾性クローラ1A、当該弾性クローラ1Aに適用可能な上述の各例及びクローラ走行装置100によれば、耐久性に優れた新規な弾性クローラ及び当該弾性クローラを備えたクローラ走行装置を提供することができる。
上述したところは、本発明のいくつかの実施形態を開示したにすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、上述した実施形態及び各例に採用された様々な構成は、互いに組み合わせて使用することができる。また、上述した実施形態及び各例に採用された様々な構成は、相互に適宜、置き換えることができる。
1A:弾性クローラ, 2:クローラ本体, 3:突起, 3a:突起の頂面, 3b:突起の側面, 3b1:突起のクローラ幅方向側面, 3b2:突起のクローラ周方向側面, 3e:突起の最下端, 4;ラグ, 31:樹脂部材, 311:膨出部, 311e:膨出部の最下端, 311a:膨出部の頂面, 311b1:膨出部のクローラ幅方向側面, 311b2:膨出部のクローラ周方向側面, 311c:膨出部のクローラ幅方向隅部, 311d:膨出部のクローラ周方向下端隅面, 312:樹脂部材のクローラ幅方向側壁部, 312b1:樹脂部材のクローラ幅方向側壁部のクローラ幅方向側面, 313:樹脂部材の頂壁部, 311a:樹脂部材の頂壁部の頂面, 314:樹脂部材のクローラ周方向側壁部, 314b2:樹脂部材のクローラ周方向側壁部のクローラ周方向側面,32:弾性突起, 32a:弾性突起の頂面, 32b1:弾性突起のクローラ幅方向側面, 32b2:弾性突起のクローラ周方向側面, 100:クローラ走行装置, 110:駆動輪(回転体), 110P:ピン, 120:従動輪(回転体), 130:転輪(回転体), 131:転輪の本体部, 133:転輪の被覆部, H:突起3の高さ, h1:突起の基部の高さ, h2:被覆部の高さ

Claims (5)

  1. 弾性クローラと、
    前記弾性クローラが巻き掛けられる回転体をと備える、クローラ走行装置であって、
    前記弾性クローラは、無端帯状に形作られており、弾性材料からなるクローラ本体と、
    前記クローラ本体の内周面に配置されたゴムからなる弾性突起と、
    を備えており、
    前記弾性突起の少なくともクローラ幅方向側面に、樹脂部材が覆いかぶさっており、
    前記樹脂部材は、前記弾性突起の基部からクローラ幅方向に延びている樹脂材料からなる膨出部を備え
    前記膨出部のクローラ幅方向側壁部が回転体に接触可能とされているクローラ走行装置
  2. 前記樹脂部材は、当該樹脂部材の前記クローラ幅方向側壁部に繋がっている頂壁部を備え、
    前記樹脂部材の前記頂壁部は、前記弾性突起及び前記樹脂部材からなる突起の頂壁部を構成している、請求項に記載のクローラ走行装置
  3. 前記膨出部が接触可能な相手側は、前記回転体の本体部である、請求項1又は2に記載のクローラ走行装置
  4. 前記膨出部が接触可能な相手側は、前記回転体の本体部の外周面に設けられた、弾性材料からなる被覆部である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のクローラ走行装置
  5. 前記膨出部のクローラ周方向側面と当該膨出部の最下端との間に配置されたクローラ周方向下端隅面の形状は、クローラ幅方向視で、外向きに凸の曲線である、請求項1乃至のいずれか1項に記載のクローラ走行装置
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