JP7245687B2 - 工程フィルム - Google Patents
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Description
本実施形態に係る工程フィルムは、基材と、当該基材の片面側に設けられた剥離剤層とを備えて構成される。なお、剥離剤層は、基材の片面に直接積層されていてもよく、または、その他の層を介して基材の片面に積層されていてもよい。
(1)基材
本実施形態における基材は、剥離剤層を積層することができれば特に限定されるものではない。かかる基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられ、単層であってもよいし、同種または異種の2層以上の多層であってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、さらには二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
本実施形態における剥離剤層を形成するための材料としては、所望の剥離性を達成することができるとともに、充填剤の含有量、厚さおよび突出谷部高さsvkが前述した通りとなる剥離剤層を形成することができる限り、特に限定されない。それらの条件を満たし易いという観点から、本実施形態における剥離剤層は、剥離成分および充填剤を含有する剥離剤組成物を用いて形成されることが好ましい。
剥離剤組成物が剥離成分を含有することで、形成される剥離剤層は、所望の剥離性を達成し易いものとなる。また、当該剥離成分は、剥離剤層中に充填剤を保持する作用を果たすこともできる。
(1)低極性でそれ自身が剥離性を示すポリマー化合物、
(2)化学修飾されることにより剥離性を付与されたポリマー材料、
(3)ポリマー材料に剥離性の低分子またはオリゴマー成分を添加して剥離性を付与された組成物
等が挙げられる。
剥離剤組成物に配合される充填剤は、前述した突出谷部高さsvkを達成できるとともに、剥離剤層が所定の剥離性を有するものとなる限り、特に限定されない。特に、これらの条件を満たし易いという観点から、充填剤は、不定形のものであることが好ましく、特に不定形無機粒子であることが好ましい。
本実施形態における剥離剤組成物は、上述した剥離成分および充填剤以外にその他の成分を含有していてもよい。例えば、本実施形態における剥離剤組成物は、硬化剤、架橋剤、反応開始剤、触媒等を含有してもよい。
剥離剤組成物は、剥離成分と、充填剤と、所望によりその他成分とを混合することで調製することができる。このような剥離剤組成物は、希釈溶媒により希釈し、剥離剤組成物の塗布液としてもよい。この場合、当該塗布液は、剥離成分を希釈溶媒で希釈した後、充填剤を添加し、十分に混合して分散させ、さらに所望によりその他の成分を添加・混合することで得ることが好ましい。
本実施形態に係る工程フィルムでは、その剥離面についての測定角度85°における光沢度は、工程フィルムにより製造される樹脂フィルムの表面マット感を良好にするために、例えば、25%以下であることが好ましく、特に20%以下であることが好ましく、さらには15%以下であることが好ましい。ただし、工程フィルムの表面の光沢度は、転写される樹脂フィルムの面に同等の光沢度として現れにくい。特に、測定角度が大きいほどその差は顕著になる。なお、剥離剤層における充填剤の含有量、厚さおよび突出谷部高さsvkが前述した通りであることにより、工程フィルムにより製造される樹脂フィルムの転写面のマット感を向上させることができる。上記光沢度の下限値については特に限定されず、例えば、0.01%以上であってよく、特に0.1%以上であってよく、さらには1%以上であってよい。上記光沢度の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載の通りである。
本実施形態における工程フィルムの製造方法は、前述した充填剤の含有量、厚さおよび突出谷部高さsvkを満たす剥離剤層を形成することができる限り、特に制限されない。例えば、基材の一方の面に、前述した剥離剤組成物および所望により有機溶剤を含有する塗布液を塗工した後、得られた塗膜を硬化させて剥離剤層を形成し、これにより工程フィルムを得ることができる。
本実施形態における工程フィルムは、樹脂フィルムを製造するために使用することが好適である。特に、本実施形態における工程フィルムは、表面に所定のマット感を有する樹脂フィルムを製造するために使用することが好適である。このような、表面に所定のマット感を有する樹脂フィルムの例としては、電子部品に対して使用されるフィルム、合成皮革フィルム、プリプレグ等が挙げられる。電子部品に対して使用されるフィルムの例としては、電子部品の保護フィルム等が挙げられる。
剥離成分としてのシリコーン変性アルキド樹脂(日立化成ポリマー社製,製品名「TA31-209E」)100質量部を、希釈溶媒としてのトルエン480質量部とメチルエチルケトン320質量部との混合溶媒中に混合した後、充填剤としての不定形シリカ粒子(東ソー・シリカ社製,製品名「ニップシールSS-50B」,平均粒子径:2.0μm)32.1質量部を添加し、ディスパーを用いて2,000rpmで20分間分散した。さらに、硬化触媒としてのp-トルエンスルホン酸メタノール2.8質量部を添加し、ディスパーを用いて1,500rpmで5分間撹拌した。これによって、剥離剤組成物の塗布液を得た。なお、上記塗布液中における固形成分(剥離成分、充填剤および硬化触媒)に対する充填剤の含有量を計算すると23.8質量%となる。
剥離剤層の厚さおよび充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として不定形シリカ粒子(東ソー・シリカ社製,製品名「ニップシールSS-50A」,平均粒子径:3.0μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として不定形シリカ粒子(東ソー・シリカ社製,製品名「ニップシールSS-50F」,平均粒子径:1.3μm)を用いるとともに、剥離剤層の厚さを表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
剥離剤層の厚さを表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
剥離剤層の厚さおよび充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として球形シリコーン粒子(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン社製,製品名「トスパール120」,平均粒子径:2.0μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として不定形シリカ粒子(東ソー・シリカ社製,製品名「ニップシールSS-50F」,平均粒子径:1.3μm)を用いるとともに、剥離剤層の厚さおよび充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として球形シリコーン粒子(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン社製,製品名「トスパール120」,平均粒子径:2.0μm)を用いるとともに、充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として球形シリコーン粒子(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン社製,製品名「トスパール140」,平均粒子径:4.5μm)を用いるとともに、充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として不定形シリカ粒子(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン社製,製品名「トスパール240*」,平均粒子径:4.0μm)を用いるとともに、充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として不定形シリカ粒子(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン社製,製品名「トスパール240*」,平均粒子径:4.0μm)を用いるとともに、剥離剤層の厚さおよび充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
充填剤として不定形シリカ粒子(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン社製,製品名「トスパール240*」,平均粒子径:4.0μm)を用いるとともに、充填剤の含有量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして工程フィルムを得た。
実施例および比較例にて製造した工程フィルムの剥離面について、走査型白色干渉顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製,製品名「VS1550」)を用いて、突出谷部高さsvk(μm)を測定した。結果を表1に示す。
実施例および比較例にて製造した工程フィルムの剥離面について、光沢度計(日本電色工業社製,製品名「VG7000」)を用いて、測定角度60°および85°の光沢度を測定した。結果を表1に示す。
実施例および比較例にて製造した工程フィルムの剥離面に対し、学振試験機(大栄科学精器製作所製,製品名「RT-200」)を用いて、加重1kg、30往復の条件で、無延伸ポリプロピレンフィルムを摩擦させた。
○:充填剤の脱落が確認できなかった。
×:充填剤の脱落が確認できた。
実施例および比較例にて製造した工程フィルムの剥離面に、熱硬化性アクリル樹脂(東亜合成社製,製品名「UC-3000」)を塗工し、塗膜と工程フィルムとの積層体を得た。続いて、当該積層体を160℃で30秒加熱することにより、塗膜を硬化させた。これにより、工程フィルム上に厚さ約3μmのアクリル樹脂フィルムを製造した。
測定角度60°
○:測定値が5%未満
×:測定値が5%以上
測定角度85°
○:測定値が30%未満
×:測定値が30%以上
Claims (5)
- 基材と、前記基材の片側に設けられた剥離剤層とを備えた工程フィルムであって、
前記剥離剤層が、15質量%以上、25質量%以下で充填剤を含有し、
前記剥離剤層の厚さが、1.5μm以上、8.0μm以下であり、
前記剥離剤層における前記基材とは反対側の面における突出谷部高さsvkが、0.2μm以上、1.0μm以下である
ことを特徴とする工程フィルム。 - 前記充填剤の平均粒子径は、1.5μm以上、8.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の工程フィルム。
- 前記充填剤は、不定形無機粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の工程フィルム。
- 前記不定形無機粒子は、不定形シリカであることを特徴とする請求項3に記載の工程フィルム。
- 前記剥離剤層は、前記充填剤およびシリコーン変性アルキド樹脂を含有する剥離剤組成物から形成されたものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の工程フィルム。
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