JP5600039B2 - フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、それからなるフレキシブルプリント回路補強板、およびそれらからなるフレキシブルプリント回路基板積層体 - Google Patents
フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、それからなるフレキシブルプリント回路補強板、およびそれらからなるフレキシブルプリント回路基板積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5600039B2 JP5600039B2 JP2010152888A JP2010152888A JP5600039B2 JP 5600039 B2 JP5600039 B2 JP 5600039B2 JP 2010152888 A JP2010152888 A JP 2010152888A JP 2010152888 A JP2010152888 A JP 2010152888A JP 5600039 B2 JP5600039 B2 JP 5600039B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- printed circuit
- flexible printed
- circuit board
- film
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Structure Of Printed Boards (AREA)
Description
1.二軸配向ポリエステルフィルム基材層を有するフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムであって、二軸配向ポリエステルフィルム基材層を構成するポリエステルが、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであり、該二軸配向ポリエステルフィルム基材層の重量を基準として2重量%以上50重量%以下のアスペクト比10以上の無機フィラーを含有し、230℃で10分間加熱処理したときの該補強用フィルムの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向の両方向において−0.5%以上0.5%以下であって、長手方向および幅方向の周波数1Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が、200℃において350〜2000MPaであることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
2.無機フィラーがカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維、人造黒鉛、窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記1に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
3.二軸配向ポリエステルフィルム基材層の少なくとも片面に、オキサゾリン基を有するアクリル樹脂を含む高分子バインダーを含む塗布層を有する上記1または2に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
4.塗布層における高分子バインダーの含有量が、塗布層の重量を基準として10重量%以上80重量%以下である上記3に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
5.オキサゾリン基を有するアクリル樹脂の含有量が、高分子バインダーの重量を基準として3重量%以上90重量%以下である上記3または4に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
6.上記1〜5のいずれかに記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムを用いたフレキシブルプリント回路補強板。
7.フレキシブルプリント回路基板に接着シートを介して上記6に記載のフレキシブルプリント回路補強板が貼り合わされたフレキシブルプリント回路基板積層体。
8.接着シートがエポキシ系接着シートまたはアクリル系接着シートである上記7に記載のフレキシブルプリント回路基板積層体。
9.フレキシブルプリント回路基板のベースフィルムがポリイミドまたはポリエステルである上記7または8に記載のフレキシブルプリント回路基板積層体。
本発明のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムは、二軸配向ポリエステルフィルム基材層を有する。該基材層を構成するポリエステルは、特に限定されないが、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルが好ましい。ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸等を例示することができる。ジオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール等を例示することができる。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルム基材層を構成するポリエステルとしては、ナフタレンジカルボン酸またはその誘導体とエチレングリコールとの重縮合によって得られるポリエチレンナフタレンジカルボキシレートが好ましく、中でもポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。ポリエステルとしてポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを用いることにより、フィルムの耐熱寸法安定性の向上効果を高めることができる。
本発明における二軸配向ポリエステル基材層は、アスペクト比10以上、好ましくは20以上、さらに好ましくは100以上の無機フィラーを含有することが好ましい。このような特定のアスペクト比を有する無機フィラーを含有することにより、200℃における貯蔵弾性率(E’)を本発明が規定する数値範囲とすることが容易となり、カール抑制の向上効果を高くすることができる。また、アスペクト比の上限は特に限定されないが、実質的には1500以下、好ましくは1000以下である。
(ア)ポリエステル合成時のエステル交換反応もしくはエステル化反応終了前に添加、もしくは重縮合反応開始前に添加する方法。
(イ)フィルム製膜時に、ポリエステルチップなどとともに押出機に投入し、溶融混練する方法。
(ウ)上記(ア)、(イ)の方法において、無機フィラーを多量添加したマスターペレットを製造し、これらと添加剤を含有しないポリエステルとを混練して所定量の添加物を含有させる方法。
(エ)上記(ウ)のマスターペレットをそのまま使用する方法。
一般的にこれら無機フィラーは、凝集して粗大凝集フィラーとなることが多く、粗大凝集フィラーの個数を減らすために、製膜時のフィルターとして線径15μm以下のステンレス鋼細線よりなる平均目開き10〜100μm、好ましくは平均目開き20〜50μmの不織布型フィルターを用い、溶融ポリマーを濾過することが好ましい。
基材層を構成するポリエステルには、その他の添加剤として、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤を本発明の目的を逸脱しない範囲内で、必要に応じて混合して含有させてもよい。これらの添加剤を含む場合、その含有量は基材層の重量を基準として5重量%以下であることが好ましく、さらに3重量%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。
本発明のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムは、上述の二軸配向ポリエステルフィルム基材層の少なくとも片面に、オキサゾリン基を有するアクリル樹脂を含む高分子バインダーを含有してなる塗布層を有することが好ましい。これにより、市販の接着シートとの密着性に優れ、はんだリフロー工程において、市販の接着シートを用いてFPC基板と補強板とを貼り合せた場合であっても、接着界面における部分的な剥がれや膨れの発生をさらに抑制することができる。
塗布層を構成する高分子バインダーは、オキサゾリン基を有するアクリル樹脂を含有する。かかる高分子バインダーを用いることにより、市販の接着シートを介してフレキシブルプリント回路基板とフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムとの接着性をさらに高めることができる。
オキサゾリン基を有するモノマーとしては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリンが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用することができる。これらの中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく好適である。
本発明の塗布層はフィルムの滑り性を高める目的で微粒子を含有することができる。微粒子の種類は特に制限されないが、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイ酸ソーダ、水酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化錫、三酸化アンチモン、カーボンブラック、二硫化モリブデン等の無機微粒子、アクリル系架橋重合体、スチレン系架橋重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂等の有機微粒子を挙げることができる。これらのうち、水不溶性の固体物質は、水分散液中で沈降するのを避けるため、比重が3を超えない微粒子を選ぶことが好ましい。
微粒子の含有量は、塗布層の重量を基準として10重量%未満の範囲が好ましい。10重量%を超えると塗膜の凝集力が低くなり接着性が悪化することがある。また微粒子の含有量の下限は、塗布層の重量を基準として0.1重量%であることが好ましい。
塗布層には、ブロッキングを防止する目的で脂肪族ワックスを添加してもよい。かかる目的で脂肪族ワックスを添加する場合、その含有量は塗布層の重量を基準として、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1重量%〜10重量%である。含有量が下限に満たない場合、フィルム表面の滑性が得られず、フィルム同士がブロッキングすることがある。一方、含有量が上限を超えるとポリエステルフィルム基材層および接着シートに対する接着性が不足する場合がある。
本発明においては塗布層を形成する成分として、上記成分以外に、塗布する場合の濡れ性を改良するために界面活性剤などの濡れ剤を用いてもよい。また、所望に応じてその他の成分を配合することができる。その他の配合剤としては、メラミン樹脂等の他の樹脂、帯電防止剤、着色剤、軟質重合体、フィラー、熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、レベリング剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、天然油、合成油、乳剤、充填剤、硬化剤、難燃剤などが挙げられ、その配合割合は、あくまで本発明の目的を損なわない範囲で選択される。
塗布層の形成については、例えば延伸可能なポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗膜を形成する成分を含む水溶液を塗布した後、乾燥、延伸し必要に応じて熱処理することにより積層することができる。塗布層の形成時期について、さらに具体的には、未延伸フィルム、縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、あるいは縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたフィルム(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)のいずれかの時期に塗布液を塗布することが好ましく、その後、さらに縦延伸および/または横延伸させる方法が挙げられる。
塗布方法としては、公知の任意の塗布方が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法およびカーテンコート法などを単独または組み合わせて用いることができる。
(貯蔵弾性率(E’))
本発明のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムは、長手方向および幅方向において、周波数1Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が、200℃において350〜2000MPaである。200℃における貯蔵弾性率(E’)が上記数値範囲にあると、はんだリフロー工程におけるカール発生を抑制することができる。200℃における貯蔵弾性率(E’)が低すぎる場合は、カール発生を抑制することができない。200℃における貯蔵弾性率(E’)が高いほどカール抑制の効果は高くなる傾向にあるが、一方で、200℃における貯蔵弾性率(E’)が2000MPaを超えるフィルムの製膜は現実的に困難性が高い。このような観点から、200℃における貯蔵弾性率(E’)は、400〜1500MPaが好ましく、500〜1100MPaがさらに好ましい。
本発明のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムは、230℃で10分間加熱処理したときの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向の両方向において−1%以上4%未満である。かかる熱収縮率の下限値は、好ましくは−0.5%、さらに好ましくは0%である。また、かかる熱収縮率の上限値は好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0%である。
本発明においては、後述の方法によって求められるカールが、20mm未満である。好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下、特に好ましくは3mm以下である。カールが上記数値範囲にあると、FPC基板とした際の反りが小さいことを意味し、品質の優れたFPC基板とすることができる。
本発明のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムのフィルム厚みは、50μm以上250μm以下であることが好ましく、かかる用途において適度なハンドリング性が得られる。
本発明のフィルムを得る方法を以下に具体的に述べるが、以下の例に特に限定されるものではない。
ポリエステルは所望に応じて乾燥後、押出機に供給してTダイよりシート状に成形される。
横延伸過程の昇温は連続的でも段階的(逐次的)でもよいが、通常は段階的に昇温する。例えば、ステンターの横延伸ゾーンをフィルム走行方向に沿って複数に分け、各ゾーンごとに所定温度の加熱媒体を流すことで昇温する。
本発明のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムとフレキシブルプリント回路基板とを貼りあわせるに際し、接着シートを介して貼りあわせることが好ましい。かかる接着シートとして市販の接着シートを用いることができ、例えばエポキシ系接着シートまたはアクリル系接着シートを用いることができる。これら市販の接着シートの具体例として、TFA−880CC35(京セラケミカル株式会社製)、SAFV(ニッカン工業株式会社製)、D3410(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製)が挙げられる。
本発明のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムを用いてフレキシブルプリント回路基板補強板に加工し、得られた補強板をフレキシブルプリント回路基板の補強が必要な部位に貼り合せて用いることができる。
フィルムサンプルに10cm間隔で標点をつけ、荷重をかけずに230℃のオーブンで10分間熱処理を実施し、熱処理後の標点間隔を測定して、フィルム連続製膜方向(MD)と、製膜方向に垂直な方向(TD)において、下記式にて熱収縮率を算出した。
熱収縮率(%)
={(熱処理前標点間距離−熱処理後標点間距離)/熱処理前標点間距離}×100
動的粘弾性測定装置((株)オリエンテック製R HEOVIBRON model DDV−01FP)を用い、サンプルを長手方向または幅方向にセットし、各方向について下記の条件設定にて測定した。
測定モード:温度特性 引張
試料寸法:チャック間=30mm、幅=3mm
静荷重:10g
測定温度:室温〜230℃
昇温速度:2℃/分
インターバール:2℃
加振モード:単一波形
定変位振幅:25μm
最小荷重振幅:0g
測定周波数:1Hz
はんだリフローは、株式会社タムラ製作所製のはんだリフロー炉(TNX25−537EM)を用いてピーク温度260℃で15秒間のリフロー処理を行い、処理後の外観評価を行った。なお評価にあたり、以下の方法で作成された二軸配向ポリエステルフィルム/市販の補強用フィルム接着用接着シート/ポリイミドフィルムを基材とした片面銅張積層板からなるフレキシブルプリント回路基板積層体を用いた。
作成した二軸配向ポリエステルフィルムの上に、市販の補強用フィルム接着用接着シート(SAFV(商品名):ニッカン工業株式会社製)、さらに接着シートの上にポリイミドフィルムを基材とした片面銅張積層板(F―30VC1(商品名):ニッカン工業株式会社製)をポリイミドフィルム側を接着シートに面するようにしてのせた。この積層体に温度100℃、圧力3MPaで5分間プレスした後、さらに温度を上げ160℃、圧力3MPaで5分間プレスし、そのまま60分間の熱処理を施した。その後室温まで冷却し取り出した。
(気泡、膨れ)
リフロー処理後のフレキシブルプリント回路基板積層体について、接着シートと補強板との界面に気泡や膨れの発生があるか補強板側から観察し、測定範囲5cm×5cm四方における気泡、膨れの発生面積を求めて下記の基準で評価した。
A: 気泡、膨れの発生した面積が10%未満
B: 気泡、膨れの発生した面積が10%以上15%未満
C: 気泡、膨れの発生した面積が15%以上
(基材の反り(カール))
試料寸法を15cm×15cmとし、リフロー処理後のフレキシブルプリント回路基板積層体サンプルを相対湿度55%、23℃の雰囲気下で24時間放置した後、フィルムのカールが下に凸となるように水平な盤上に置いた状態で、盤上からの4隅のカール高さ(mm)を測定し、最も大きい値を基材の反り(カール)とした。
無機フィラーの大きさは、以下の測定方法により求めた。
(平均粒径)
平均粒径は、HORIBA製LA−750パーティクルサイズアナライザー(Particle Size Analyzer)を用いて測定した。50マスパーセントに相当する粒径を読み取り、この値を平均粒径とした。
(平均厚み)
まず、エポキシ樹脂中に無機フィラーを10wt%程度分散させ、硬化させ、無機フィラーが包埋された包埋サンプルを作成した。このとき平板状の無機フィラーは、平板の面が上(または下)を向くように向きがほぼ揃う。次いで、かかる包埋サンプルから、平板状の無機フィラーにおける平板の面に対してできるだけ垂直な方向にスライスサンプルを切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観測し、50個の無機フィラーについて断面(平板の面に対してほぼ垂直方向に切断した断面)を観測し、厚みを測定し、それらの平均値を平均厚みとして求めた。
(平均粒径)
平均粒径は、HORIBA製LA−750パーティクルサイズアナライザー(Particle Size Analyzer)を用いて測定した。50マスパーセントに相当する粒径を読み取り、この値を平均粒径とした。
(アスペクト比)
アスペクト比は平均粒径、平均厚みを用いて次式にて計算した。
アスペクト比=平均粒径/平均厚み
(平均繊維径)
平均繊維径は、JIS R7607に準じ、黒鉛化炭素短繊維は光学顕微鏡、気相法炭素繊維および熱伝導性フィラーは走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて60本測定し、その平均値から求めた。
(平均繊維長)
平均繊維長は、個数平均繊維長であり、黒鉛化炭素短繊維は光学顕微鏡、気相法炭素繊維および熱伝導性フィラーは走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて2000本測定(10視野、200本ずつ測定)し、その平均値から求めた。倍率は糸長さに応じて適宜調整した。
(アスペクト比)
アスペクト比は平均繊維径、平均繊維長を用いて次式にて計算した。
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
実施例と比較例で用いた塗布層の組成と配合は、表1の通りである。
アクリル:メチルメタクリレート30モル%/2−イソプロペニル−2−オキサゾリン30モル%/ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリレート10モル%/アクリルアミド30モル%で構成されているアクリル樹脂(Tg=50℃)を用いた。なお、アクリル樹脂は次の方法で製造されたものであり、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じている。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水302部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、更にモノマー類である、メタクリル酸メチル23.3部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン22.6部、ポリエチレンオキシド(n=10)メタクリル酸40.7部、アクリルアミド13.3部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25%のアクリルの水分散体を得た。
ポリエステル:酸成分が2,6−ナフタレンジカルボン酸63モル%/イソフタル酸32モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル% 、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されているポリエステル(Tg=76℃、平均分子量12000)を用いた。なお、ポリエステルは次の方法で製造したものであり、特開平06−116487 号公報の実施例1に記載の方法に準じている。すなわち、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル42部、イソフタル酸ジメチル17部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4部、エチレングリコール33部、ジエチレングリコール2部を反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05部を添加して窒素雰囲気下で温度を230℃ にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステルを得た。
微粒子:シリカの無機粒子(平均粒子径:100nm)を用いた。
濡れ剤:ポリオキシエチレン(n=7)ラウリルエーテル(三洋化成株式会社製、商品名「ナロアクティーN−70」)を用いた。
添加剤:カルナバワックス(中京油脂株式会社製、商品名「セロゾール524」)を用いた。
平均繊維径80nm、平均繊維長10μmのアスペクト比125のカーボンナノファイバー(昭和電工(株)製、VGCF−S)を基材層の重量を基準として2重量%含有するポリエチレンナフタレンジカルボキシレート樹脂(固有粘度0.60dl/g(o−クロロフェノール中、35℃))を、290℃に加熱された押出機に供給し、290℃のダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度60℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを、140℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に3.0倍で延伸し、60℃のロール群で冷却した後、その片面に表1に記載の塗布層用組成物からなる塗剤1(固形分濃度3%の水性塗液)をロールコーターで均一に塗布した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き、150℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向(横方向)に3.0倍で延伸した。その後テンタ−内で250℃の熱固定を行い、240℃で2%の弛緩後、均一に除冷して、室温まで冷やして175μm厚みの二軸延伸フィルムを得た。さらに得られたフィルムをIRヒーターを用いて230度で1分間熱アニール処理を行った後、50度の温度雰囲気下で除冷した。得られたフィルムの特性を表2に示す。
塗剤種類、無機フィラーの種類および添加量、アニール処理温度を表2に示すとおりとする以外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
カーボンナノファイバーの含有量を、基材層の重量を基準として5重量%とし、延伸倍率を、長手方向(縦方向)に3.1倍、長手に垂直な方向(横方向)に3.2倍とし、熱固定温度を230℃とし、さらにIRヒーターを用いたアニール処理を実施しなかった以外は実施例1と同様の方法にてフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
塗剤種類、無機フィラーの種類および添加量、アニール処理温度を表2に示すとおりとする以外は、比較例2と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。
VGCF:平均繊維径80nm、平均繊維長10μm、アスペクト比125のカーボンナノファイバー(昭和電工(株)製、VGCF−S)
CF:平均繊維径8μm、平均繊維長200μm、アスペクト比25の炭素繊維(帝人(株)製、ラヒーマ R−301)
BN:平均厚み0.1μm、平均粒径8.9μm、アスペクト比89の窒化ホウ素(昭和電工(株)製、UHP−1)
人造黒鉛:平均厚み0.1μm、平均粒径10μm、アスペクト比100の人造黒鉛(昭和電工(株)製、UFG−30)
TiO2:平均粒径1.5μmの酸化チタン
Claims (9)
- 二軸配向ポリエステルフィルム基材層を有するフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムであって、二軸配向ポリエステルフィルム基材層を構成するポリエステルが、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートであり、該二軸配向ポリエステルフィルム基材層の重量を基準として2重量%以上50重量%以下のアスペクト比10以上の無機フィラーを含有し、230℃で10分間加熱処理したときの該補強用フィルムの熱収縮率がフィルム長手方向および幅方向の両方向において−0.5%以上0.5%以下であって、長手方向および幅方向の周波数1Hzにおける貯蔵弾性率(E’)が、200℃において350〜2000MPaであることを特徴とするフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
- 無機フィラーがカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維、人造黒鉛、窒化ホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
- 二軸配向ポリエステルフィルム基材層の少なくとも片面に、オキサゾリン基を有するアクリル樹脂を含む高分子バインダーを含む塗布層を有する請求項1または2に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
- 塗布層における高分子バインダーの含有量が、塗布層の重量を基準として10重量%以上80重量%以下である請求項3に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
- オキサゾリン基を有するアクリル樹脂の含有量が、高分子バインダーの重量を基準として3重量%以上90重量%以下である請求項3または4に記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のフレキシブルプリント回路基板補強用フィルムを用いたフレキシブルプリント回路補強板。
- フレキシブルプリント回路基板に接着シートを介して請求項6に記載のフレキシブルプリント回路補強板が貼り合わされたフレキシブルプリント回路基板積層体。
- 接着シートがエポキシ系接着シートまたはアクリル系接着シートである請求項7に記載のフレキシブルプリント回路基板積層体。
- フレキシブルプリント回路基板のベースフィルムがポリイミドまたはポリエステルである請求項7または8に記載のフレキシブルプリント回路基板積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010152888A JP5600039B2 (ja) | 2010-07-05 | 2010-07-05 | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、それからなるフレキシブルプリント回路補強板、およびそれらからなるフレキシブルプリント回路基板積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010152888A JP5600039B2 (ja) | 2010-07-05 | 2010-07-05 | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、それからなるフレキシブルプリント回路補強板、およびそれらからなるフレキシブルプリント回路基板積層体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012015441A JP2012015441A (ja) | 2012-01-19 |
JP5600039B2 true JP5600039B2 (ja) | 2014-10-01 |
Family
ID=45601487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010152888A Active JP5600039B2 (ja) | 2010-07-05 | 2010-07-05 | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、それからなるフレキシブルプリント回路補強板、およびそれらからなるフレキシブルプリント回路基板積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5600039B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230169340A (ko) | 2021-04-19 | 2023-12-15 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 아크릴계 점착제 조성물, 아크릴계 점착제, 점착 필름, 및 플렉시블 디바이스 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018016416A1 (ja) | 2016-07-19 | 2018-01-25 | 日東電工株式会社 | 粘着剤、粘着フィルム、粘着テープ、およびフィルム基板 |
JP6993543B1 (ja) * | 2020-05-20 | 2022-01-13 | 日東電工株式会社 | 保護フィルム、フォルダブルデバイス、および、ローラブルデバイス |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11168267A (ja) * | 1997-12-03 | 1999-06-22 | Teijin Ltd | フレキシブル回路基板用フィルム |
JP2003082202A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-03-19 | Toray Ind Inc | 二軸配向ポリエステルフィルム |
JP2003101166A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-04 | Toray Ind Inc | 補強用ポリエステルフィルム |
US7384690B2 (en) * | 2002-01-10 | 2008-06-10 | Toray Industries, Inc. | Biaxially oriented thermoplastic resin film |
JP3909268B2 (ja) * | 2002-03-01 | 2007-04-25 | 帝人デュポンフィルム株式会社 | 高透明易接着ポリエステルフィルム |
JP4916175B2 (ja) * | 2004-02-18 | 2012-04-11 | 三菱樹脂株式会社 | 接着剤及びそれを用いた電気資材用被覆フィルム |
JP2007109951A (ja) * | 2005-10-14 | 2007-04-26 | Bridgestone Corp | 接着剤付補強板及びフレキシブルプリント基板 |
-
2010
- 2010-07-05 JP JP2010152888A patent/JP5600039B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230169340A (ko) | 2021-04-19 | 2023-12-15 | 닛토덴코 가부시키가이샤 | 아크릴계 점착제 조성물, 아크릴계 점착제, 점착 필름, 및 플렉시블 디바이스 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012015441A (ja) | 2012-01-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4928188B2 (ja) | 輝度向上シート用ポリエステルフィルム | |
WO2003093008A1 (fr) | Film lamelle a usage optique | |
JP5221880B2 (ja) | 反射板用白色ポリエステルフィルム | |
JP2010540684A (ja) | コーティングされたポリエステルフィルム | |
JP5837411B2 (ja) | インモールド転写用ポリエステルフィルム | |
JP2007055217A (ja) | 光学用易接着性ポリエステルフィルム | |
JP2008036867A (ja) | 輝度向上シート用ポリエステルフィルム | |
JP5600039B2 (ja) | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、それからなるフレキシブルプリント回路補強板、およびそれらからなるフレキシブルプリント回路基板積層体 | |
JP5519260B2 (ja) | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、それからなるフレキシブルプリント回路補強板およびそれらからなるフレキシブルプリント回路基板積層体 | |
JP2013203958A (ja) | 基材レス両面粘着シート | |
JPH10286922A (ja) | 離型フィルム | |
JP5551549B2 (ja) | 実装用回路基板 | |
JP2009073057A (ja) | ゴム複合用積層ポリエステルフィルムおよびゴム・ポリエステルフィルム複合体 | |
JP5249796B2 (ja) | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、フレキシブルプリント回路基板補強板およびフレキシブルプリント回路基板積層体 | |
JP3647997B2 (ja) | 離形フィルム | |
JP2009262443A (ja) | インモールド転写箔用フィルム | |
JP2004035720A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2009214347A (ja) | 離型フィルム | |
JP4546786B2 (ja) | フレキシブルプリント回路基板用二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP2003101166A (ja) | 補強用ポリエステルフィルム | |
JP2009184331A (ja) | 離型フィルム | |
JP2010171052A (ja) | フレキシブルプリント回路基板補強用フィルム、フレキシブルプリント回路基板補強板およびフレキシブルプリント回路基板積層体 | |
JP5455831B2 (ja) | インモールド転写用フィルム | |
JP4845233B2 (ja) | プリント基板製造用離型フィルム | |
JP4401933B2 (ja) | 電気絶縁用二軸配向積層ポリエステルフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130426 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131224 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140220 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140722 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140814 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5600039 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |