JP7245642B2 - 血液処理用ビーズを収容するための容器の充填口の封止のための中栓 - Google Patents

血液処理用ビーズを収容するための容器の充填口の封止のための中栓 Download PDF

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Description

本発明は、血液処理用ビーズを収納するための熱可塑性樹脂製筒状容器の側面に設けられた該ビーズを充填するための筒状充填口の封止のための密閉性、安全性、コストダウン、自動化に寄与する中栓、及び該中栓を用いた封止構造を有する血液処理モジュール用容器、並びに該血液処理モジュール用容器に、封入液とともに血液処理用ビーズが封入された血液処理モジュールに関する。
血液透析、血液透析濾過、血液濾過、血漿分離などの体外循環式の血液浄化処理、腹水などの体腔液処理、血液製剤のウィルス除去・処理などにおいて、リン酸、凝集物、白血球などの好ましくない成分、すなわち、被除去成分を吸着・除去することができる粒状成形体(ビーズ)を充填したモジュールが用いられている。特に、輸血用の全血製剤、赤血球製剤、血小板製剤、血漿製剤などから副作用の原因となる微小凝集物や白血球を除去する目的で、使い捨てのビーズ充填モジュールが用いられている。
かかる使い捨てモジュールのハウジング(容器)としては、被充填物がビーズではなく中空糸膜であるものの、筒状容器(ケーシング)本体の両端にヘッダー(血液導出入部材)を、取り付け密閉性を確保するものが知られている(以下の特許文献1参照)。
以下の特許文献2には、被充填物がビーズではなく中空糸膜であるものの、筒状容器本体の両端にヘッダーを超音波溶着により溶着して密閉性を確保するものが開示されている。しかしながら、特許文献2には、ヘッダーを筒状容器本体に対して相対的に押し込みながら超音波溶着するシェアジョイントにおいて、押し込み止めを形成することにより、中空糸膜のポッティング部の破損を防止する技術が開示されているにすぎない。
また、特許文献3には、溶着部がシェアジョイント構造であると、ヘッダー押し込み時にヘッダーが広がり、容器本体側面が滑り、一定の圧力で加圧力が低下し、一定の位置で超音波エネルギーを集中することができず、溶融量が低下し、耐圧強度が低下するという問題があるところ、ヘッダーと筒状容器本体との超音波溶着において少なくとも2箇所の領域を順次溶着して、ヘッダーと筒状容器本体との接合強度を向上し、液漏れや耐圧強度不足を解決する技術が開示されている。しかしながら、特許文献3では、上記少なくとも2箇所の領域は、ヘッダー突出部の同一面に存在し、また、充填物が中空糸膜であるため、容器内部のどの位置でフィルターを保持しているかの開示はなく、超音波溶着のために適用される超音波エネルギーがフィルター部材の破損に及ぼす影響についても全く検討されていない。
他方、図1、2に示すように、血液処理用ビーズを収納した血液処理モジュールを製造しようとする場合、血液処理用ビーズを収納するためのフィルター付き熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に該ビーズを充填するための充填口(20)を有する略円形断面の筒状容器本体(2)、及び該筒状容器本体(2)の両端に配置され、流体出入口(50)を有するヘッダー(5)から構成され、その内部に血液処理用ビーズが充填され、その後、封入液で満たされ、筒状容器本体(2)の内周面(26)と充填口(20)の内壁とで画される空間にシリコーンゴム等の弾性体(31)を詰めて(又は充填口(20)に押し込んで)、使用時の血液漏れや血液及びエアー滞留を防ぐべく密閉性を高め、筒状容器本体(2)の内周面(26)を略面一にした後に、安全性を考慮して充填口(20)をキャップ(3)で封止した後、滅菌処理することが想定される。しかしながら、シリコーンゴムを詰めたり押し込んだりしても、使用時に外れる可能性もあり、このような封止構造は、密閉性や安全性に関して、また、シリコーンゴムは高価であることからコスト面でも理想的なものとはいえない。尚、血液処理モジュールは、ネジ構造を有する流体出入口(50)に外部チューブ(配管)(図示せず)を接続することで使用され、封止されたビーズ充填口(20)はその後、開封されることはない。
特開平4-231965号公報 特開2018-58033号公報 特開2018-58034号公報
前記した従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、血液処理用ビーズを収容するための使い捨て筒状容器において、製造時にのみ使用される該ビーズ充填口の十分な密閉性、安全性を有し、コストダウン、自動化に寄与する封止構造としての中栓、該封止構造を有する熱可塑性樹脂製の血液処理モジュール用容器、及び該容器に、封入液とともに血液処理用ビーズが封入された血液処理モジュールを提供することである。
本願発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、ビーズ筒状充填口の外壁面が固定爪を備え、該筒状充填口の内壁面が、容器の内壁面に向かって窄まっており、該窄まった内壁面に150μm以下の隙間で向かい合う面を有するテーパー部、該容器の内壁面に略面一で沿う先端面を有する底部、及び鍔部を有する熱可塑性樹脂製中栓が、該筒状充填口の縁部と該鍔部で溶着されており、かぶせ栓が、取り外し困難な状態で該固定爪と嵌合することで該溶着された中栓を包み込んでいる封止構造に使用可能な、該中栓を提供することにより、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]血液処理用ビーズを収納するための熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に設けられた該ビーズを充填するための筒状充填口(20)の封止構造において、該筒状充填口(20)の外壁面が固定爪(203)を備え、該筒状充填口(20)の内壁面(202)が、該容器(1)の内壁面に向かって窄まっており、該窄まった内壁面に150μm以下の隙間で向かい合う面を有するテーパー部(312)、該容器(1)の内周面(26)に略面一で沿う先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓(31)が、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該鍔部(311)で溶着されており、かぶせ栓(3)が、取り外し困難な状態で該固定爪(203)と嵌合することで該溶着された中栓(31)を包み込んでいる封止構造に使用可能な、該テーパー部(312)、該先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓。
[2]前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂が、同種のポリプロピレン系樹脂である、前記[1]に記載の中栓。
[3]前記かぶせ栓(3)が、前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂と同種のポリプロピレン系樹脂である、前記[1]又は[2]に記載の中栓(31)。
[4]前記筒状充填口(20)の縁部(201)と前記鍔部(311)との間の溶着が、該縁部(201)の同心円状の凸部又は凹部と、これと嵌合する該鍔部(311)の凹部又は凸部との間で、同心円状に連続して1又は2箇所でなされている、前記[1]~[3]のいずれかに記載の中栓。
[5]前記隙間が100μm以下である、前記[1]~[4]のいずれかに記載の中栓。
[6]前記隙間が70μm以下である、前記[5]に記載の中栓。
[7]前記中栓(31)は、前記鍔部(311)が開口し、前記テーパー部(312)と底部に囲まれる空洞を有する、前記[1]~[6]のいずれかに記載の中栓。
[8]血液処理用ビーズを収納するための熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に設けられた該ビーズを充填するための筒状充填口(20)の封止構造において、該筒状充填口(20)の外壁面が固定爪(203)を備え、該筒状充填口(20)の内壁面(202)が、該容器(1)の内壁面に向かって窄まっており、該窄まった内壁面に150μm以下の隙間で向かい合う面を有するテーパー部(312)、該容器(1)の内周面(26)に略面一で沿う先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓(31)が、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該鍔部(311)で溶着されており、かぶせ栓(3)が、取り外し困難な状態で該固定爪(203)と嵌合することで該溶着された中栓(31)を包み込んでいる封止構造を有することを特徴とする血液処理モジュール用容器。
[9]前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂が、同種のポリプロピレン系樹脂である、前記[8]に記載の血液処理モジュール用容器。
[10]前記かぶせ栓(3)が、前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂と同種のポリプロピレン系樹脂である、前記[8]又は[9]に記載の血液処理モジュール用容器。
[11]前記筒状充填口(20)の縁部(201)と前記鍔部(311)との間の溶着が、該縁部(201)の同心円状の凸部又は凹部と、これと嵌合する該鍔部(311)の凹部又は凸部との間で、同心円状に連続して1又は2箇所でなされている、前記[8]~[10]のいずれかに記載の血液処理モジュール用容器。
[12]前記隙間が100μm以下である、前記[8]~[11]のいずれかに記載の血液処理モジュール用容器。
[13]前記隙間が70μm以下である、前記[12]に記載の血液処理モジュール用容器。
[14]前記中栓(31)は、前記鍔部(311)が開口し、前記テーパー部(312)と底部に囲まれる空洞を有する、前記[8]~[13]のいずれかに記載の血液処理モジュール用容器。
[15]前記[8]~[14]のいずれかに記載の血液処理モジュール用容器に、封入液とともに血液処理用ビーズが封入された血液処理モジュール。
[16]前記[8]~[14]のいずれかに記載の血液処理モジュール用容器の筒状容器本体(2)の側面にある筒状充填口(20)から、分散媒に分散された血液処理用ビーズを注入し、該筒状容器本体(2)の両端に固定されたヘッダー(5)の流体出入口(50)から、該分散媒を排出する工程、該流体出入口(50)を仮封止した後、該筒状充填口(20)から封入液を注入し、該筒状充填口(20)に前記中栓(31)を挿入し、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該中栓(31)の鍔部(311)とを溶着し、前記かぶせ栓(3)を、取り外し困難な状態で前記筒状充填口(20)の外壁面の固定爪(203)と嵌合させ、該溶着された中栓(31)を包み込んで封止する工程、次いで、これを包装した後、ガンマ線で滅菌処理する工程を含む、血液処理用ビーズが封入液とともに充填された血液処理モジュールの製造方法。
本発明に係る中栓は、血液処理用ビーズを収容するための使い捨て筒状容器において、製造時にのみ使用される該ビーズ充填口の十分な密閉性、安全性を有し、コストダウン、自動化が可能な封止構造に適したものである。さらに、本発明に係る中栓とかぶせ栓を用いた封止構造では、十分な密閉性と安全性を確保することができ、また、シリコーンゴムを用いず低コストであり、かつ、締め付け等の管理が不要であり、組み立てに手間がかからず、さらに組み立てを自動化することができる。
本実施形態の血液処理用ビーズを収納するためのフィルター付き筒状容器のビーズ収納後の状態を示す斜視図である。 本実施形態の筒状容器の構成要素の配置を説明する斜視図である。 本実施形態の中栓の斜視図である。 筒状容器の血液処理用ビーズの筒状充填口と、本実施形態の中栓との関係を示す断面図である。 筒状容器の血液処理用ビーズの筒状充填口と、本実施形態の中栓と、かぶせ栓との間の、溶着、封止状態を説明するための説明図である。 かぶせ栓と、筒状充填口の外壁面の固定爪との、嵌合状態構造を説明するための斜視図である。筒状充填口の外壁面の固定爪と嵌合するためのかぶせ栓爪部の開孔の拡大図を図面中央に示す。尚、図面右側の筒状充填口には、中栓は挿入されていない。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。尚、便宜上、図面中、符号20は、血液処理用ビーズの筒状充填口、又は本発明に係る外壁面の固定爪を有する筒状充填口を、符号3は、血液処理用ビーズの充填口20の封止キャップ、又は本発明に係るかぶせ栓を、そして符号31は、弾性体、又は本発明に係る熱可塑性樹脂製中栓を示す。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、本発明に係る部材の実際の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
本発明の1の実施形態は、血液処理用ビーズを収納するための熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に設けられた該ビーズを充填するための筒状充填口(20)の封止構造において、該筒状充填口(20)の外壁面が固定爪(203)を備え、該筒状充填口(20)の内壁面(202)が、該容器(1)の内周面(26)に向かって窄まっており、該窄まった内壁面に150μm以下の隙間で向かい合う面を有するテーパー部(312)、該容器(1)の内壁面に略面一で沿う先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓(31)が、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該鍔部(311)で溶着されており、かぶせ栓(3)が、取り外し困難な状態で該固定爪(203)と嵌合することで該溶着された中栓(31)を包み込んでいる封止構造に使用可能な、該テーパー部(312)、該先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓である。
本発明の他の実施形態は、血液処理用ビーズを収納するための熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に設けられた該ビーズを充填するための筒状充填口(20)の封止構造において、該筒状充填口(20)の外壁面が固定爪(203)を備え、該筒状充填口(20)の内壁面(202)が、該容器(1)の内壁面に向かって窄まっており、該窄まった内壁面に150μm以下の隙間で向かい合う面を有するテーパー部(312)、該容器(1)の内周面(26)に略面一で沿う先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓(31)が、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該鍔部(311)で溶着されており、かぶせ栓(3)が、取り外し困難な状態で該固定爪(203)と嵌合することで該溶着された中栓(31)を包み込んでいる封止構造を有することを特徴とする血液処理モジュール用容器である。
本発明のさらに他の実施形態は、前記血液処理モジュール用容器に、封入液とともに血液処理用ビーズが封入された血液処理モジュールである。
本発明のさらに他の実施形態は、前記血液処理モジュール用容器の筒状容器本体(2)の側面にある筒状充填口(20)から、分散媒に分散された血液処理用ビーズを注入し、該筒状容器本体(2)の両端に固定されたヘッダー(5)の流体出入口(50)から、該分散媒を排出する工程、該流体出入口(50)を仮封止した後、該筒状充填口(20)から封入液を注入し、該筒状充填口(20)に前記中栓(31)を挿入し、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該中栓(31)の鍔部(311)とを溶着し、前記かぶせ栓(3)を、取り外し困難な状態で前記筒状充填口(20)の外壁面の固定爪(203)と嵌合させ、該溶着された中栓(31)を包み込んで封止する工程、次いで、これを包装した後、ガンマ線で滅菌処理する工程を含む、血液処理用ビーズが封入液とともに充填された血液処理モジュールの製造方法である。
[血液処理用ビーズ]
血液処理用ビーズは、その用途、形状、大きさ等に関して特に制限されないが、例えば、リン、ホウ素、フッ素、ヒ素等を除去するための有機高分子樹脂及び無機イオン吸着体を含む、平均粒形100~2500μmの球状粒子形態の多孔性成形体であることができる。
[筒状容器]
前記したように、図1、2に示すように、血液処理用ビーズを収納した血液処理モジュールを製造しようとする場合、血液処理用ビーズを収納するためのフィルター付き熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に該ビーズを充填するための充填口(20)を有する略円形断面の筒状容器本体(2)、及び該筒状容器本体(2)の両端に配置され、流体出入口(50)を有するヘッダー(5)から構成され、その内部に血液処理用ビーズが充填され、その後、封入液で満たされ、筒状容器本体(2)の内周面(26)と充填口(20)の内壁とで画される空間にシリコーンゴム等の弾性体(31)を詰めて(又は充填口(20)に押し込んで)、使用時の血液漏れや血液及びエアー滞留を防ぐべく密閉性を高め、筒状容器本体(2)の内周面(26)を略面一にした後に、安全性を考慮して充填口(20)をキャップ(3)で封止した後、滅菌処理することが想定される。しかしながら、シリコーンゴムを詰めたり押し込んだりしても、使用時に外れる可能性もあり、このような封止構造は、密閉性や安全性に関して、また、シリコーンゴムは高価であることからコスト面でも理想的なものとはいえない。尚、血液処理用モジュールは、ネジ構造を有する流体出入口(50)に外部チューブ(配管)(図示せず)を接続することで使用され、封止されたビーズ充填口(20)はその後、開封されることはない。
そこで、本実施形態においては、かかるシリコーンゴム等の弾性体に代えて、図4に示すような、熱可塑性樹脂製の鍔部(311)を有する中栓(31)を使用し、図5に示すように、該鍔部の下面と、ビーズを充填するための筒状充填口(20)の熱可塑性樹脂製の縁部(201)の上面との間を、超音波溶着により溶着し、さらに、かぶせ栓(3)で、溶着された中栓を、取り外し困難な状態で該筒状充填口の外壁面の固定爪(203)と嵌合させ、包み込んで封止する。筒状充填口(20)の縁部(201)と中栓の鍔部(311)を同素材である熱可塑性樹脂、好ましくはポリプロピレン製として溶着することが、生産コスト、密封の確実性の観点から好ましい。尚、かぶせ栓(3)は、中栓と同素材である必要はないが、生産コスト、寸法安定性の観点から、同素材でることが好ましい。
筒状容器(1)の内部には、流体処理用ビーズが充填されるため、図2に示すように、フィルター付きリング(4)をヘッダー(5)付近に配置して、モジュールの使用時に、ヘッダーの流体出入口(50)から流体処理用ビーズが漏れ出ないようにする必要がある。
[筒状容器本体の構造]
図2に示すように、筒状容器本体(2)の端部は、特に制限はないが、径方向に広がる板状の天面部(21)を有し、ヘッダー(5)に向かって中心軸(P)断面において略矩形の2重に円筒状に突出する容器突出部としての内側突出部(23)と他の容器突出部としての外側突出部(22)とを有するものであることができる。内側突出部(23)と外側突出部(22)は、それぞれ、中心軸(P)を軸心とする円筒形状を有し、同心円状に配置されている。中心軸(P)方向の内側突出部(23)の突出長さは、外側突出部(22)の突出長さと同じであることができる。内側突出部(23)外側突出部(22)の間には、中心軸(P)に対して垂直の環状の平坦部が存在し、内側突出部(23)の内側に、中心軸(P)に対して垂直の環状の平坦部が存在する。この平坦部は、筒状容器本体(2)の内周面(26)と垂直に交わり、以下に説明するように、フィルター付きリング(4)の外周縁に接合されたリング(41)のフィルター側の略平坦面と接して配置されることができる。
[ヘッダーの構造]
ヘッダー(5)は、筒状容器本体(2)の両端部に蓋材として配置される。ヘッダー(5)は、特に制限はなく、中心軸(P)上に設けられ流体出入口(管状ノズル)(50)と、環状ノズル(50)から径方向に広がる板状の天面部(51)と、該天面部(51)の外周縁付近から筒状容器本体(2)側に向かって突出するヘッダー突出部(52)を有するものであることができる。
図2に示すように、環状ノズル(50)は、外部チューブを接続するためのネジ構造を有している。ヘッダー突出部(52)の外側には、中心軸(P)に対して垂直の環状の外側平坦面、内側には、中心軸(P)に対して垂直の環状の内側平坦面が、それぞれ、存在する。
[ヘッダーと筒状容器本体の接合構造]
中心軸(P)断面において略矩形のヘッダー突出部(52)は、筒状容器本体の内側突出部(23)と外側突出部(22)の間に嵌合するように当接された後に、超音波ホーン(100)をヘッダー天面部(51)に押し付けることにより超音波溶着されることができる。ここで、筒状容器本体の外側突出部(22)と内側突出部(23)中心軸(P)方向の突出長さは略同じであることができ、外側突出部(22)の先端にある中心軸(P)に対して垂直な環状の平坦面が、ヘッダー突出部の外側の平坦面に当接するか、又は、内側突出部(23)の先端にある中心軸(P)に対して垂直な環状の平坦面が、ヘッダー突出部の内側の平坦面に当接するかのいずれでもよい。超音波溶着時には、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)とは、平坦面が向かい合うように当接されるため、溶着時におけるヘッダー(5)又は筒状容器本体(2)の変形は起こりにくい。
ヘッダー突出部(52)の外周面と、筒状容器本体の外側突出部(22)の内周面とが近接し、及び、ヘッダー突出部(52)の内周面と、筒状容器本体の内側突出部(23)の外周面とが近接し、少なくともこれらの2箇所で、周方向全体で、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)とが、フィルター付きリング(4)を保持しつつ、気密又は液密状態で該熱可塑性樹脂の溶融により溶着されていることが好ましい。このように、ヘッダー突出部(52)の内周面と外周面という、ヘッダー突出部(52)の先端にある中心軸(P)に対して垂直な環状の平坦面を隔てて分離された異なる2つの面において、周方向全体に溶着されていることで、モジュールの使用時における圧力に十分に耐えうる気密・液密状態を確保することができる。尚、血液(浄化)処理器の一種であるダイアライザー(透析器)の耐性圧は、一般に、66kPa(500mmHg)程度が保証値となっているが、この値は、血液浄化器、血液処理モジュールの物理的な限界値ではない。
[フィルターの構造、配置]
図2に示すように、フィルター付きリング(4)は、特に制限はなく、フィルター(40)が、中心軸(P)断面において略矩形の熱可塑性樹脂製環状リング(41)に該リング(41)の筒状容器本体(2)側面で、該熱可塑性樹脂の溶融により溶着されたものであることができる。例えば、フィルター付きリング(4)を構成するフィルター(40)は、ポリエステル系樹脂のメッシュであり、該リング(41)を構成するポリプロピレン系樹脂の溶融により埋め込まれて溶着され、該筒状容器本体(2)側に略平坦面が形成されたものであることができる。より低い溶融温度のポリプロピレン系樹脂にポリエステル系樹脂のメッシュが埋め込まれて溶着されていることにより、リング(41)からのフィルター(40)の脱落や、剥がれを防止することができる。
このようなフィルター付きリング(4)は、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)との間に保持されることができる。例えば、リング(41)の外周面は、内側の筒状容器本体突出部(23)の内周面に対向し、環状リング(41)のヘッダー側の中心軸(P)に対して垂直の環状の平坦面は、ヘッダー突出部(52)の内側にある中心軸(P)に対して垂直の環状の平坦面と対向し、該平坦面の内側からフィルター付きリング(4)側に向かって突出するヘッダー突出部の外周面は、該リングの内周面に対向し、さらに該リングの平坦面と反対側の略平坦面は、前記内側の筒状容器本体突出部の内側にある中心軸(P)に対して垂直の環状の平坦面に対向して配置されることができる。
これらの4つの対向箇所においては、2つの対向する面同士が近接し、面間に処理流体のデッドスペースが生じないようにすることが好ましいが、筒状容器本体(2)とヘッダー(5)の溶着時における組立てプロセスに支障を来すことがない程度の僅かな隙間は必要である。
また、前記したように、フィルター付きリング(4)のリング(41)の内周面は、ヘッダー突出部(55)の外周面に接することで、筒状容器本体の内周面(26)は、ヘッダー突出部(55)の内面に沿って、環状ノズル(50)の内面に繋がり、ビーズの隙間を通過した流体が、その流れが乱されずにフィルター(40)を通過することが可能となる。
[筒状容器本体(2)、ヘッダー(5)、及び本実施形態の中栓(31)の材質]
筒状容器本体(2)、ヘッダー(5)、及び本実施形態の中栓(31)は、同種の熱可塑性樹脂を、例えば、射出成形して製造されたものであることができる。尚、フィルター付きリング(4)のリング(41)、かぶせ栓(3)も同一素材であることができる。熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、例えば、結晶性樹脂として、エチレンとα-オレフィンとの共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、プロピレン単体の重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体、プロピレンとエチレンと他のα―オレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂が挙げられる。また、非晶性樹脂として、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン‐ブタジエン共重合体(SBS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等の樹脂が挙げられ、これらは単体で用いられてもよく、混合物であってもよい。筒状容器本体(2)、ヘッダー(5)、中栓(3)、かぶせ栓(31)の材質としては、剛性、耐熱性、コスト、生体適合性、成形容易性、超音波溶着性、寸法安定性等の観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、中でもプロピレンとエチレンのランダム共重合体が好ましく、エチレン含量が1~8質量%に調整されたプロピレンとエチレンのランダム共重合体がより好ましい。
[ヘッダー、筒状容器本体、中栓の超音波溶着]
筒状容器は、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)とを、フィルター付きリング(4)を保持しつつ、ヘッダーの径方向に広がる板状の天面部(51)に超音波ホーン(100)を押し当てる超音波溶着により、気密又は液密状態で、前記熱可塑性樹脂の溶融により溶着する工程を含む方法により製造することができる。超音波ホーン(100)が、ヘッダー(5)を中心軸(P)方向の外側から筒状容器本体(2)側に押圧しながら、ヘッダー(5)に向けて超音波振動を発振すると、超音波溶着(電気エネルギーを機械的振動エネルギーに変換し、加圧を同時に加えることによって、溶着される2つのパーツの接合面に強力な摩擦熱を発生させ、プラスチックを溶融し、接合させる技術)により、ヘッダー突出部(52)の外周面と筒状容器本体の外側突出部(22)の内周面との間、及び、ヘッダー突出部(52)の内周面と筒状容器本体の内側突出部(23)の外周面との間の少なくとも2箇所で、周方向全体で、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)とが、フィルター付きリング(4)を保持しつつ、気密又は液密状態で該熱可塑性樹脂の溶融により溶着されることができる。
筒状容器(2)の筒状充填口(20)の縁部(201)と熱可塑性樹脂製中栓(31)の鍔部(311)との間の溶着も、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)との間の溶着と基本的に同じである。但し、中栓の溶着に際しては、図5に示すように、筒状充填口(20)を挟み込むように金属製の固定冶具(101)で固定しつつ、超音波ホーン(100)を、中栓の鍔部(311)の上面に押圧することが好ましい。筒状充填口(20)の縁部(201)と中栓の鍔部(311)との間の溶着は、筒状充填口の縁部(201)の上面に設けた同心円状の凸部又は凹部と、これと嵌合する中栓の鍔部(311)の凹部又は凸部との間で、同心円状に連続して1又は2箇所でなされることが好ましい。但し、図5中、溶着箇所は1箇所である。これにより、確実な封止構造が得られ、密閉性が確実になる。
超音波ホーン(100)が発振する超音波振動については、周波数、圧力、振幅、時間が重要である。例えば、周波数15kHz、20kHz、30kHz、40kHz、50kHz、70kHz、振幅20~125μm、圧力50N~3000N、時間0.1~1秒であるが、溶着するに足りるものであれば特に制限はないが、状況に応じて比較的低い周波数(例えば、一般的に周波数20kHz程度の超音波が利用される場合における15kHz程度の低周波数)の超音波振動としてもよく、この場合、超音波ホーン(100)からより離れた位置にまで超音波振動が届きやすくなる。溶着をより強固にしたい場合、振幅、圧力、時間の一部又は全てを大きくすることができるが、超音波振動が強すぎて筒状容器本体(2)、ヘッダー(5)、中栓(31)が損傷するおそれがある場合には、より高い周波数を採用してもよい。
前記したように、超音波溶着時には、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)とは、平坦面が向かい合うように当接されるため、溶着時におけるヘッダー(5)又は筒状容器本体(2)の変形が起こりにくい。また、同様の理由により、超音波溶着におけるヘッダー(5)が筒状容器本体(2)に向かって押し込まれていく速度は、極めて遅いか又はゼロであるため、溶着部での摩擦熱による溶融量が増加して接合強度が増し、ヘッダー突出部(52)の外周面と筒状容器本体の外側突出部(22)の内周面との間、及び、ヘッダー突出部(52)の内周面と筒状容器本体の内側突出部(23)の外周面との間の少なくとも2箇所で、周方向全体で、ヘッダー(5)と筒状容器本体(2)とが、両者の間にフィルター付きリング(4)を保持しつつ、確実な気密又は液密状態での溶着が可能となる。但し、溶着に必要なエネルギーが過大であると、超音波ホーン接触面に傷が発生したり、溶着機の出力不足によるオーバーロードが発生したり、摩擦熱が過剰となって炭化が生じたり、フィルター付きリング(4)におけるフィルター(40)とリング(41)との間の溶着を破損したりするおそれがあるため、溶着に必要なエネルギーは適切に調整する必要がある。
また、筒状容器(2)の筒状充填口(20)の縁部(201)と熱可塑性樹脂製中栓(31)の鍔部(311)との間の溶着においては、該縁部の厚みが筒状容器と同様に2mm程度と広い平坦面を確保することが難しく、また、中栓(311)を挿入する際、封止液が溢れてくるおそれもあるため、溶着に必要なエネルギーをより厳密に調整する必要がある。
以上の筒状容器本体(2)、ヘッダー(5)、中栓(31)の超音波溶着は、自動化された製造装置を用いて実施することができる。
「中栓]
本実施形態の中栓(31)は、図2に示すシリコーンゴム等の弾性体(31)に代えて使用するものである。図3は、中栓(31)の斜視図であり、溶着される鍔部(311)とテーパー部(312)を有している。図4は、図2に示す筒状容器本体(2)の血液処理用ビーズの筒状充填口(20)と、本実施形態の中栓(31)との関係を示す断面図である。筒状充填口(20)の外壁面は、固定爪(203)を備え、筒状充填口(20)の内壁面(202)が、該筒状容器本体(2)の内周面(26)に向かって窄まっており、該テーパー部(312)は、該窄まった内壁面(202)に150μm以下の隙間で向かい合う面を有している。かかる隙間(図5中、A)は、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは70μm以下である。隙間がこの範囲でれば、血流の乱れや、滞留による処理効率の悪化のおそれはなく、また、十分な密閉性を確保することができる。
尚、図4に示すように、テーパー部(312)は、中栓の底部に向かって先細る(窄まる)ように傾いているが、中栓の底部においては傾かず、前記筒状容器本体(2)の中心軸に対して垂直にストレート状になっていることが好ましい。そうすることで、中栓の底部(先端部)は、前記筒状充填口(20)の内壁面(202)と極めて小さい隙間で嵌合し、簡単に外れなくなる。かかるストレート状部分の長さは、特に制限ないが、テーパー部の傾いた部分を相対的に長くすれば、中栓の挿入が容易になる。中栓の底部の厚みは、容器本体の厚みと略同等とすることがきる。また、中栓の底部は、容器本体(2)の内周面(26)に略面一で沿う先端面(313)を有する。ここで、「略面一」とは、筒状充填口(20)に中栓が(31)が挿入されたときに、使用時の血流を実質的に乱さない程度の段差や、血液滞留箇所や、エアー滞留箇所を生じさせない程度の状態をいう。図4に示すように、筒状容器の壁は円弧状であるため、厳密に、面一にするためには、中栓の底部の先端面(313)も円弧状に湾曲している必要がある。しかしながら、使用時の血流を実質的に乱さない程度の段差であれば、使用上問題はないため、先端面(313)は、平面であってもよい。
図3~5に示すように、中栓(31)は、鍔部(311)が開口し、テーパー部(312)と底部に囲まれる空洞を有することができるが、空洞は必ずしも必要でない。但し、空洞があれば、中栓の素材量を低減できるため、コスト面で有利である。
[かぶせ栓]
図6は、かぶせ栓(3)と、筒状充填口の外壁面の固定爪との、嵌合状態構造を説明するための斜視図である。図6中央は、筒状充填口の外壁面の固定爪と嵌合するためのかぶせ栓爪部の開孔の拡大図である。図6に示すかぶせ栓(3)は、あくまで一例にすぎず、これに制限されない。また、かぶせ栓(3)の材質も特に制限ない。但し、中栓(31)、筒状充填口(20)と同一素材であれば、寸法安定性、コスト面から有利である。
かぶせ栓(3)は、取り外し困難な状態で、筒状充填口(20)の固定爪(203)と嵌合することで、前記したように溶着された中栓(31)を包み込む。図5に、筒状充填口(20)と、中栓と、かぶせ栓との間の、溶着、封止状態を示す。
かぶせ栓(3)は、溶着された中栓(31)を包み込むこむことで、使用時モジュール内の圧力が過度に高まり、溶着部に過度な力が加わることで、溶着部が破損し、密閉性が破綻することを防止するとともに、かりに密閉性が破綻したとしても、血液の漏れ等のおそれを回避し、モジュールの安全性を高めるためのものである。
図5中、符号Bは、かぶせ栓下面と中栓鍔部上面の間の隙間であり、特に限定されないが、作業性、安全性の観点から、0.5mm程度であることができる。同様に、符号Cは、筒状充填口外壁面とかぶせ栓内壁面の間の隙間であり、特に限定されないが、作業性、安全性の観点から、0.5mm程度であることができる。
[ビーズの充填、血液処理モジュールの製造]
前記した血液処理モジュール用容器の筒状容器本体(2)の側面にある筒状充填口(20)から、分散媒に分散された血液処理用ビーズを注入し、該筒状容器本体(2)の両端に固定されたヘッダー(5)の流体出入口(50)から、該分散媒を排出する工程、該流体出入口(50)を仮封止した後、該筒状充填口(20)から封入液を注入し、該筒状充填口(20)に前記中栓(31)を挿入し、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該中栓(31)の鍔部(311)とを溶着し、前記かぶせ栓(3)を、取り外し困難な状態で前記筒状充填口(20)の外壁面の固定爪(203)と嵌合させ、該溶着された中栓(31)を包み込んで封止する工程、次いで、これを包装した後、ガンマ線で滅菌処理する工程を含む方法により、血液処理用ビーズが封入液とともに充填された血液処理用モジュールを製造することができる。封入液としては、特に制限はないが、生理食塩水であることができる。中栓挿入時に、封入液が溢れだし、超音波溶着に悪影響を及ぼすことがないように、また、安全性の観点から、エアーがモジュール内に残らないように留意する必要がある。但し、血液処理モジュユール内にエアーが多少残ったとしても、モジュールのプライミングにより、脱気することは可能である。
このような血液処理用ビーズの充填、血液処理モジュールの製造は、自動化された製造装置を用いて実施することができる。尚、筒状容器(1)に、分散媒に分散された血液処理用ビーズを注入する前に、該筒状容器(1)の内面を生体適合性材料でコーティングしておいてもよく、滅菌処理の方法や、仮封止の手段に特に制限はない。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に制限されず、特許請求の範囲に記載された技術思想の範疇における各種の変更例又は修正例も、当然に本発明の技術的範囲に属するものである。
本発明に係る中栓は、血液処理用ビーズを収容するための使い捨て筒状容器において、製造時にのみ使用される該ビーズ充填口の十分な密閉性、安全性を有し、コストダウン、自動化が可能な封止構造に適したものである。さらに、本発明に係る中栓とかぶせ栓を用いた封止構造では、十分な密閉性と安全性を確保することができ、また、シリコーンゴムを用いず低コストであり、かつ、締め付け等の管理が不要であり、組み立てに手間がかからず、さらに組み立てを自動化することができる。よって、本発明に係る中栓は、かぶせ栓と相俟って、血液透析、血液透析濾過、血液濾過、血漿分離などの体外循環式の血液浄化処理、腹水などの体腔液処理、血液製剤のウィルス除去・処理などにおいて、リン酸、凝集物、白血球などの好ましくない成分、すなわち、被除去成分を吸着・除去することができる粒状成形体(ビーズ)を充填した使い捨て血液処理モジュールの容器の封止構造として好適に利用可能である。
1 血液処理用ビーズを収納するためのフィルター付き筒状容器(血液処理モジュール)
2 血液処理モジュール用筒状容器本体
20 血液処理用ビーズの筒状充填口、又は本発明に係る外壁面の固定爪を有する筒状充填口
201 筒状充填口(20)の縁部
202 筒状充填口(20)の内壁面
203 筒状充填口(20)の外壁面の固定爪
21 径方向に広がる板状の天面部
22 天面部21の外周縁からヘッダー5側に向けて突出する筒状容器本体突出部(外側)
23 天面部21のヘッダー5側に向けて突出する筒状容器本体突出部(内側)
26 筒状容器本体2の内周面
3 流体処理用ビーズの充填口20の封止キャップ、又は本発明に係るかぶせ栓
301 筒状充填口の外壁面の固定爪と嵌合するためのかぶせ栓爪部の開孔
31 弾性体、又は本発明に係る熱可塑性樹脂製中栓
311 本発明に係る熱可塑性樹脂製中栓の鍔部
312 本発明に係る熱可塑性樹脂製中栓のテーパー部
313 本発明に係る熱可塑性樹脂製中栓の底部の先端面
4 フィルター付きリング
40 フィルター
41 フィルター40の外周縁に接合されたリング
5 ヘッダー
50 流体出入口(管状ノズル)
51 径方向に広がる板状の天面部
52 天面部51の外周縁付近から筒状容器本体2側に向けて突出するヘッダー突出部
100 超音波ホーン
101 金属製の固定冶具
A 隙間(筒状充填口内壁面と中栓のテーパー部の間)
B 隙間(かぶせ栓下面と中栓鍔部上面の間)
C 隙間(筒状充填口外壁面とかぶせ栓内壁面の間)

Claims (16)

  1. 血液処理用ビーズを収納するための熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に設けられた該ビーズを充填するための筒状充填口(20)の封止構造において、該筒状充填口(20)の外壁面が固定爪(203)を備え、該筒状充填口(20)の内壁面(202)が、該容器(1)の内壁面に向かって窄まっており、該窄まった内壁面に150μm以下の隙間で向かい合う面を有するテーパー部(312)、該容器(1)の内周面(26)に略面一で沿う先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓(31)が、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該鍔部(311)で溶着されており、かぶせ栓(3)が、取り外し困難な状態で該固定爪(203)と嵌合することで該溶着された中栓(31)を包み込んでいる封止構造に使用可能な、該テーパー部(312)、該先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓。
  2. 前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂が、同種のポリプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の中栓。
  3. 前記かぶせ栓(3)が、前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂と同種のポリプロピレン系樹脂である、請求項1又は2に記載の中栓(31)。
  4. 前記筒状充填口(20)の縁部(201)と前記鍔部(311)との間の溶着が、該縁部(201)の同心円状の凸部又は凹部と、これと嵌合する該鍔部(311)の凹部又は凸部との間で、同心円状に連続して1又は2箇所でなされている、請求項1~3のいずれか1項に記載の中栓。
  5. 前記隙間が100μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の中栓。
  6. 前記隙間が70μm以下である、請求項5に記載の中栓。
  7. 前記中栓(31)は、前記鍔部(311)が開口し、前記テーパー部(312)と底部に囲まれる空洞を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の中栓。
  8. 血液処理用ビーズを収納するための熱可塑性樹脂製筒状容器(1)の側面に設けられた該ビーズを充填するための筒状充填口(20)の封止構造において、該筒状充填口(20)の外壁面が固定爪(203)を備え、該筒状充填口(20)の内壁面(202)が、該容器(1)の内壁面に向かって窄まっており、該窄まった内壁面に150μm以下の隙間で向かい合う面を有するテーパー部(312)、該容器(1)の内周面(26)に略面一で沿う先端面(313)を有する底部、及び鍔部(311)を有する熱可塑性樹脂製中栓(31)が、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該鍔部(311)で溶着されており、かぶせ栓(3)が、取り外し困難な状態で該固定爪(203)と嵌合することで該溶着された中栓(31)を包み込んでいる封止構造を有することを特徴とする血液処理モジュール用容器。
  9. 前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂が、同種のポリプロピレン系樹脂である、請求項8に記載の血液処理モジュール用容器。
  10. 前記かぶせ栓(3)が、前記筒状充填口(20)、及び前記中栓(31)を構成する熱可塑性樹脂と同種のポリプロピレン系樹脂である、請求項8又は9に記載の血液処理モジュール用容器。
  11. 前記筒状充填口(20)の縁部(201)と前記鍔部(311)との間の溶着が、該縁部(201)の同心円状の凸部又は凹部と、これと嵌合する該鍔部(311)の凹部又は凸部との間で、同心円状に連続して1又は2箇所でなされている、請求項8~10のいずれか1項に記載の血液処理モジュール用容器。
  12. 前記隙間が100μm以下である、請求項8~11のいずれか1項に記載の血液処理モジュール用容器。
  13. 前記隙間が70μm以下である、請求項12に記載の血液処理モジュール用容器。
  14. 前記中栓(31)は、前記鍔部(311)が開口し、前記テーパー部(312)と底部に囲まれる空洞を有する、請求項8~13のいずれか1項に記載の血液処理モジュール用容器。
  15. 請求項8~14のいずれか1項に記載の血液処理モジュール用容器に、封入液とともに血液処理用ビーズが封入された血液処理モジュール。
  16. 請求項8~14のいずれか1項に記載の血液処理モジュール用容器の筒状容器本体(2)の側面にある筒状充填口(20)から、分散媒に分散された血液処理用ビーズを注入し、該筒状容器本体(2)の両端に固定されたヘッダー(5)の流体出入口(50)から、該分散媒を排出する工程、該流体出入口(50)を仮封止した後、該筒状充填口(20)から封入液を注入し、該筒状充填口(20)に前記中栓(31)を挿入し、該筒状充填口(20)の縁部(201)と該中栓(31)の鍔部(311)とを溶着し、前記かぶせ栓(3)を、取り外し困難な状態で前記筒状充填口(20)の外壁面の固定爪(203)と嵌合させ、該溶着された中栓(31)を包み込んで封止する工程、次いで、これを包装した後、ガンマ線で滅菌処理する工程を含む、血液処理用ビーズが封入液とともに充填された血液処理モジュールの製造方法。
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