JP2021184787A - カラム用連結部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルを有するカラム内を通水することにより滅菌をした後、封止状態を維持したまま、カラムを個別に取り出すことが可能な部材を提供する。【解決手段】カラムと連結するためのカラム連結部9、カラム用連結部材同士あるいはカラム用連結部材と通水設備を接合するための接合部4、内部を通水することが可能な通水部、及び通水部を溶着することのできる溶着部3を有することを特徴とするカラム用連結部材。【選択図】図1

Description

本発明は、カラム用連結部材に関する。
医療分野や浄化器分野の液体を処理する器具の容器は、内圧が高くなっても液漏れを起こさない様に、高い気密性や耐圧強度が要求されている。その容器には、安全性が高いためルアーロック型のノズルが広く利用されており、その場合は、一般的に、ルアーロック構造をもつ容器の凹ねじに対応するねじ部を有する栓体が、該容器に具備される。
特許文献1には、ルアーロック接続機構が設けられた血液の供給・排出ポートを有する血液浄化器が複数直列に接続されてなる血液浄化システムについて開示されている。
また、特許文献2には、第1部材と第2部材とを容易に接続することができる医療用コネクタについて開示されている。
さらに、特許文献3には、透析液容器、および患者の腹膜腔の中に挿入されるカテーテルに簡単にかつ容易に取り付け可能なコネクタおよびキャップについて開示されており、コネクタおよびキャップは、例えば使用中の取り扱いのために腹膜腔内における感染の可能性を最小にしながら、容器と腹膜腔との間で透析液が容易に輸送されることを可能にするなどの記載がある。
特開2017−64030号公報 特開2016−103号公報 特表2008−528173号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に記載のシステムは、ノズルを有するカラム内を通水することにより滅菌をした後、封止状態を維持したまま、当該カラムを個別にとりだすことができないなどの課題があった。
本発明は、上記の問題点を解決し、ノズルを有するカラム内を通水することにより滅菌をした後、封止状態を維持したまま、当該カラムを個別に取り出すことが可能な部材を提供することにある。
具体的には、本発明は以下の発明を包含する。
[1] カラムと連結することが可能なカラム用連結部材であって、前記カラム用連結部材は、前記カラムと連結するためのカラム連結部、前記カラム用連結部材同士あるいはカラム用連結部材と通水設備を接合するための接合部、内部を通水することが可能な通水部、及び通水部を溶着することのできる溶着部を有することを特徴とするカラム用連結部材。
[2] 前記カラム用連結部材が、射出成型で成形可能な材料で構成されていることを特徴とする、[1]に記載のカラム用連結部材。
[3] 前記射出成型で成形可能な材料が、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、[2]に記載のカラム用連結部材。
[4] 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする、[3]に記載のカラム用連結部材。
[5] 前記カラム用連結部材を、カラム同士を連結させるため、あるいはカラムと通水設備を連結させるために使用することを特徴とする、[1]〜[4]に記載のカラム用連結部材。
[6] 前記カラム連結部がねじリブを有することを特徴とする、[1]〜[5]に記載のカラム用連結部材。
[7] 前記溶着部の外側にリブを有することを特徴とする、[1]〜[6]に記載のカラム用連結部材。
[8] 前記リブを2本以上有することを特徴とする、[7]に記載のカラム用連結部材。
[9] 前記カラム用連結部材同士の接合が、カラム用連結部材(オス)の接合部(オス)とカラム用連結部材(メス)の接合部(メス)の接合であることを特徴とする、[1]〜[8]に記載のカラム用連結部材。
[10] 前記カラムが、白血球除去器、血液成分吸着材、プラズマセパレータ、人工腎臓、人工肝臓、人工肺、血漿分離器、限外濾過器、及び浄水器から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、[1]〜[9]に記載のカラム用連結部材。
[11] [1]〜[10]のカラム用連結部材が連結されたカラムであって、前記カラム用連結部材が前記溶着部において溶着されていることにより、前記カラムが封止されている、カラム。
[12] [1]〜[10]のカラム用連結部材によりカラムと通水設備を連結する工程、
前記カラムの内部を通水し滅菌をする工程、
前記カラム用連結部材の溶着部を溶着する工程、及び
前記カラム用連結部材の接合部を取り外し、封止されたカラムを得る工程、
を含む、カラムの製造方法。
ノズルを有するカラム内を通水することにより滅菌をした後、封止状態を維持したまま、当該カラムを個別に取り出すことができる。
本発明に係るカラム用連結部材(オス)の一実施形態の正面図である。 本発明に係るカラム用連結部材(オス)の一実施形態の右側面図である。 本発明に係るカラム用連結部材(オス)の一実施形態の平面図である。 本発明に係るカラム用連結部材(メス)の一実施形態の正面図である。 図1と図4のカラム用連結部材を接合させた時の図である。 図1と図4のカラム用連結部材を使用して、カラムを連結させた時の図である。
本発明のカラム用連結部材は、カラムと通水設備を連結させるために使用することができる。また、カラム同士を連結させるためにも使用することができる。
本発明のカラム用連結部材には、カラム用連結部材(オス)とカラム用連結部材(メス)の2種類があり、それらは互いに連結させることが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るカラム用連結部材の一実施形態について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、カラム用連結部材(オス)1を正面から見た図として示すものであり、カラム本体のノズルに挿入する前の状態を示している。図2は、カラム用連結部材(オス)1を右側面から見た状態を示している。この図では、接合部(オス)4を手前にしているものである。図3は、カラム用連結部材(オス)1を上面から見た状態を示しているものである。
カラム用連結部材(オス)1は、カラム連結部9、通水部、溶着部3、及び接合部(オス)4を有する。
カラム連結部9はカラムと連結する部分であり、カラムと連結可能であればその構造に特に制限はないが、ねじリブ6を有する構造であることが好ましい。ノズル側の内周壁に凹ねじが刻まれたカラムを使用した場合、該凹ねじにカラム用連結部材(オス)1のねじリブ6が螺合して両者(カラム本体とカラム用連結部材)を一体化することができる。また後述するが、接合部(オス)4をカラム用連結部材(メス)2の接合部(メス)7に接合することでシール性を生み出し、内液の通水が可能となる。
前記ねじリブ6の形状は、カラム本体のノズルと螺合するものであれば特に制限はないが、ルアーロック型のコネクタに使用可能な形状であることが好ましい。ここでルアーロックとは、ISO594−2で規定される固定方法であり、ねじ込み式で外れにくい特徴をもつ。
カラム用連結部材(オス)1の内部は、内液を通水できるような通水部を有している。これにより、カラム用連結部材によりカラムを通水装置と連結した際に、前記カラムに内液を通水し滅菌をすることができる。
前記通水部は、溶着が可能である溶着部3を有する。前記通水滅菌した後に溶着部3を溶着することにより、通水部が密封され、個々のカラムを封止状態とすることができる。
前記溶着方法としては、超音波溶着、熱溶着など種々の溶着方法が使用できるが、タクトタイムや仕上がりの観点から、超音波溶着が好ましい。
カラム用連結部材(オス)1の溶着部3の外側にはリブ5が配置されていることが好ましい。ここでリブとは補強材の役割を成すものであり、後述するが、滅菌中の高温高圧下においても溶着部3が変形しないよう支えている部材である。
さらに、前記リブが配置されていることにより、溶着部を溶着させた際に生じる溶着部のバリなどがリブの外側に露出することを防ぎ、個々の封止済みカラムを包装袋に包装する際にバリなどが包装袋に接触して、穴あきの発生源となることを防ぐことができる。また、個々の封止済みのカラムを現場で使用する際に、手指を溶着部のバリなどで痛めることを防ぐことができる。
前記リブの本数には特に制限はないが、前記バリの露出の抑制の効果を得る観点から、2本以上が好ましく、また溶着部の溶着のし易さの観点から4本以下が好ましい。特に好ましくは、2本である。
前記接合部(オス)4の形状は、後述する接合部(メス)7に接合することのできる形状であれば特に制限はないが、ルアーテーパが好ましい。ルアーテーパとはISO594−1に規定される形状である。
カラム用連結部材(オス)の材質に特に制限はないが、射出成形機で成形できるものが好ましい。ここで、射出成型機で成形できるとは、通常の一般的な条件で射出成型ができることを意味する。好ましい材質としては、ポリオレフィン樹脂が挙げられる。その中でも密封性や成形しやすさ及び低コストであることから、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂が好ましく用いられる。
カラム用連結部材(オス)を構成する材料は全て同一の材料であっても良いし、部分的に異なる材料を組み合わせても良い。好ましくは、全て同一の材料であることが、射出成型機で一体に成形することが可能となるため好ましい。
図4は、カラム用連結部材(メス)4を正面から見た図として示すものであり、カラム本体のノズルに挿入する前の状態を示している。
カラム用連結部材(メス)4は接合部(オス)4ではなく接合部(メス)7を有している点以外はカラム用連結部材(オス)1と構造、材料等の特徴は同じである。この接合部(メス)7を接合部(オス)4に接合することでシール性を生み出し、内液の通水を可能にしている。
接合部(メス)7の形状は、後述する接合部(オス)4に接合することのできる形状であれば特に制限はないが、ルアーテーパが好ましい。ルアーテーパとはISO594−1に規定される形状である。
図5は、カラム用連結部材(オス)1とカラム用連結部材(メス)2を接合した状態を示すものであり、接合部(オス)4を接合部(メス)7にはめ込んで、接合部(接合時)8のようになっている。この状態でカラム連結部9がカラムのノズルに接続していることで、内液通水を可能にするものである。
図6は、各カラム用連結部材を用いて複数のカラムを連結させた時の図である。内液を互いに通水できる状態で滅菌をした後、溶着部3を溶着し、その後接合部(オス)と接合部(メス)が接合した接合部(接合時)8を取り外すことで、封止状態を維持したまま、カラムを個別に取り出すことができる。
カラムを連結させた状態において、滅菌のためカラムを高温高圧環境下に曝した場合、カラムの自重により、カラム用連結部材が変形する恐れがある。この変形を回避するためにリブ5を設けており、変形に耐えうる強度を実現している。
カラム用連結部材同士を接合させるのに、本発明のカラム用連結部材を用いずに、塩化ビニルや熱可塑性エラストマーでできたチューブを使用して接合する方法も考えられる。チューブを使用すると、カラムの配置を柔軟に行えるなどメリットも挙げられるが通水滅菌後に当該チューブは不要となるため、廃棄物が増える観点から好ましくない。本発明のカラム用連結部材を用いると、当該チューブの費用が無くなる分、安価とすることができる。
また、チューブを用いないことにより、自動機(マシン)によるハンドリングしやすさが向上し、工程を自働化しやすくなるメリットが挙げられる。
本発明のカラム用連結部材が連結されたカラムに通水するための通水設備としては、特に制限はないが、カラム用連結部材が接合可能であるものであることが好ましい。例えば、通水設備にカラム用連結部材の接合部と接合可能な接合部を設けることにより、カラム用連結部材を通水設備と接合することが可能となり、通水設備とカラムを連結することができる。
本発明のカラム用連結部材が用いられ得るカラムとしては、例えば、白血球除去器、血液成分吸着材、プラズマセパレータ、人工腎臓、人工肝臓、人工肺、血漿分離器、限外濾過器、浄水器等が挙げられる。これらの機器の内部には、注射用蒸留水、イオン交換水、限外濾過水等の水、生理食塩水、緩衝液、輸液、透析液等の塩を含有する水溶液に例示される流体が充填される。
これらのうち、人工腎臓、人工肝臓、人工肺等の滅菌方法としては、高圧蒸気滅菌、加熱滅菌、放射線滅菌、電子線滅菌等が用いられる。これらは、いずれも加熱を伴い、医療用具内の内圧が内容液体の膨張のため上昇することから、高い耐圧気密性が要求される。
また、本発明のカラム用連結部材が使用できるコネクタは特に制限はないが、例えばルアーロック型のコネクタに使用でき、特にISO594−2ルアーロック型コネクタに好適に使用できる。このため、この規格のルアーロック型コネクタを有しているカラムに対して、本発明のカラム用連結部材(封止栓)を具備することが最も好ましい。
本発明のカラム用連結部材と、該カラム用連結部材を具備するカラムは、例えば、白血球除去器、血液成分吸着、プラズマセパレータ、人工腎臓、人工肝臓、人工肺、血漿分離器、限外濾過器、浄水器などの医療材料分野、浄水化技術分野などで利用することができる。
1:カラム用連結部材(オス)
2:カラム用連結部材(メス)
3:溶着部
4:接合部(オス)
5:リブ
6:ねじリブ
7:接合部(メス)
8:接合部(接合時)
9:カラム連結部

Claims (12)

  1. カラムと連結することが可能なカラム用連結部材であって、前記カラム用連結部材は、前記カラムと連結するためのカラム連結部、前記カラム用連結部材同士あるいはカラム用連結部材と通水設備を接合するための接合部、内部を通水することが可能な通水部、及び通水部を溶着することのできる溶着部を有することを特徴とするカラム用連結部材。
  2. 前記カラム用連結部材が、射出成型で成形可能な材料で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のカラム用連結部材。
  3. 前記射出成型で成形可能な材料が、ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする、請求項2に記載のカラム用連結部材。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする、請求項3に記載のカラム用連結部材。
  5. 前記カラム用連結部材を、カラム同士を連結させるため、あるいはカラムと通水設備を連結させるために使用することを特徴とする、請求項1〜4に記載のカラム用連結部材。
  6. 前記カラム連結部がねじリブを有することを特徴とする、請求項1〜5に記載のカラム用連結部材。
  7. 前記溶着部の外側にリブを有することを特徴とする、請求項1〜6に記載のカラム用連結部材。
  8. 前記リブを2本以上有することを特徴とする、請求項7に記載のカラム用連結部材。
  9. 前記カラム用連結部材同士の接合が、カラム用連結部材(オス)の接合部(オス)とカラム用連結部材(メス)の接合部(メス)の接合であることを特徴とする、請求項1〜8に記載のカラム用連結部材。
  10. 前記カラムが、白血球除去器、血液成分吸着材、プラズマセパレータ、人工腎臓、人工肝臓、人工肺、血漿分離器、限外濾過器、及び浄水器から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1〜9に記載のカラム用連結部材。
  11. 請求項1〜10のカラム用連結部材が連結されたカラムであって、前記カラム用連結部材が前記溶着部において溶着されていることにより、前記カラムが封止されている、カラム。
  12. 請求項1〜10のカラム用連結部材によりカラムと通水設備を連結する工程、
    前記カラムの内部を通水し滅菌をする工程、
    前記カラム用連結部材の溶着部を溶着する工程、及び
    前記カラム用連結部材の接合部を取り外し、封止されたカラムを得る工程、
    を含む、カラムの製造方法。
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