JP7244032B2 - フィルムコンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、フィルムコンデンサに関する。
フィルムコンデンサは、誘電体フィルムの表面に金属層が設けられた金属化フィルムが巻回又は積層されたコンデンサ素子を有している。このようなコンデンサ素子は、例えば、2枚の金属化フィルムを重ねて巻回又は積層した後、その両端面上に一対の外部電極を形成することにより作製される。そして、外部電極と接続される外部引き出し端子を形成した後、コンデンサ素子を外装ケースに収納し、充填樹脂を外装ケース内に充填することがある。
このようなフィルムコンデンサを低温環境に移行させると、金属化フィルムの積層体(巻回体も含む)の線膨張係数が充填樹脂の線膨張係数よりも大きいため、外部電極が周囲の充填樹脂に拘束された状態で、金属化フィルムの積層体が収縮しようとする。そのため、外部電極に引張応力が生じ、クラックが発生してしまう。
一方、フィルムコンデンサを低温環境から高温環境に移行させると、外部電極の周囲の充填樹脂及び外装ケースが金属化フィルムの積層体よりも先に膨張し始める。そのため、外部電極に引張応力が生じ、クラックが発生してしまう。
以上のように、フィルムコンデンサにおいては、広い温度範囲で使用したときに外部電極にクラックが発生するという問題がある。特に、自動車等の車載用途においては、高い信頼性が広い温度範囲で求められているため、上記の問題を解決することが重要視されている。
上記の問題に対して、特許文献1には、上端面が開放されたケースと、このケース内に収納される、金属化フィルムを使用して両端にメタリコン電極を設けた単数又は複数のコンデンサ素子と、メタリコン電極に接続した外部引き出し端子と、ケース内に充填されたコンデンサ素子を埋没させる樹脂組成物とを備え、メタリコン電極を剥離材で被覆した、金属化フィルムコンデンサが開示されている。
特開2010-16160号公報
一方、フィルムコンデンサの高い信頼性を実現するためには、外部電極への水分の浸入を抑制することも重要である。これに対して、特許文献1に記載の金属化フィルムコンデンサでは、メタリコン電極が剥離材で被覆されているが、外部電極への水分の浸入を抑制する点で改善の余地がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、外部電極でのクラックの発生が抑制されつつ、外部電極への水分の浸入が抑制されたフィルムコンデンサを提供することを目的とするものである。
本発明のフィルムコンデンサは、誘電体フィルムの主面上に金属層が設けられた金属化フィルムを含むフィルムが積層方向に積層された積層体と、上記積層方向と直交する幅方向における上記積層体の両端面上に設けられた一対の外部電極と、を有するコンデンサ素子と、上記外部電極と接続された外部引き出し端子と、上記コンデンサ素子の一部及び上記外部引き出し端子の一部を覆う剥離材と、一端に開口が設けられ、上記コンデンサ素子を内部に収納する外装ケースと、上記外装ケース内に充填され、上記コンデンサ素子を埋没させる充填樹脂と、を備え、上記積層体は、上記外装ケースの上記開口側に位置する上面を有し、上記剥離材は、上記外部引き出し端子における上記外部電極との接続部と上記外部電極とを覆い、かつ、上記積層体の上記上面の少なくとも一部を覆わず、上記充填樹脂は、上記外部電極と上記外部引き出し端子と上記剥離材とで囲まれる領域、及び、上記剥離材と上記外装ケースとの間の領域に設けられる、ことを特徴とする。
本発明によれば、外部電極でのクラックの発生が抑制されつつ、外部電極への水分の浸入が抑制されたフィルムコンデンサを提供できる。
本発明のフィルムコンデンサの一例を示す斜視模式図である。 図1中のフィルムコンデンサを分解した状態を示す斜視模式図である。 図1中の線分A1-A2に対応する部分を示す断面模式図である。 図1中の線分B1-B2に対応する部分を示す断面模式図である。 図1中の線分C1-C2に対応する部分を示す断面模式図である。 図2中のコンデンサ素子を示す斜視模式図である。 図6中の線分D1-D2に対応する部分を示す断面模式図である。 本発明のフィルムコンデンサの製造方法における剥離材を設ける工程について、第1の方法を示す斜視模式図である。 本発明のフィルムコンデンサの製造方法における剥離材を設ける工程について、第1の方法を示す斜視模式図である。 本発明のフィルムコンデンサの製造方法における剥離材を設ける工程について、第2の方法を示す斜視模式図である。 本発明のフィルムコンデンサの製造方法における剥離材を設ける工程について、第2の方法を示す斜視模式図である。 実施例1及び比較例1のフィルムコンデンサに対する等価直列抵抗の変化率の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明のフィルムコンデンサについて説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
[フィルムコンデンサ]
本発明のフィルムコンデンサの一例として、誘電体フィルムの少なくとも一方の主面上に金属層が設けられた金属化フィルムを含むフィルムが積層された状態で巻回されてなる、いわゆる巻回型のフィルムコンデンサを以下に説明する。本発明のフィルムコンデンサは、上記フィルムが積層されてなる、いわゆる積層型のフィルムコンデンサであってもよい。
図1は、本発明のフィルムコンデンサの一例を示す斜視模式図である。図2は、図1中のフィルムコンデンサを分解した状態を示す斜視模式図である。図2は、外部引き出し端子付きのコンデンサ素子が外装ケースに収納される前の状態を示している。図3は、図1中の線分A1-A2に対応する部分を示す断面模式図である。図4は、図1中の線分B1-B2に対応する部分を示す断面模式図である。図5は、図1中の線分C1-C2に対応する部分を示す断面模式図である。
本明細書中、フィルムコンデンサにおける積層方向及び幅方向を、図1、図2、図3、図4、及び、図5に示すように、各々、矢印T及び矢印Wで定められる方向とする。なお、巻回型のフィルムコンデンサでは、積層方向が複数存在するとも言えるが、本明細書中では矢印Tで定められる方向とする。ここで、積層方向Tと幅方向Wとは、互いに直交している。
図1、図2、図3、図4、及び、図5に示すように、フィルムコンデンサ1は、コンデンサ素子5と、第1の外部引き出し端子61と、第2の外部引き出し端子62と、剥離材70と、外装ケース80と、充填樹脂90と、を有している。
<コンデンサ素子>
図6は、図2中のコンデンサ素子を示す斜視模式図である。図7は、図6中の線分D1-D2に対応する部分を示す断面模式図である。図6及び図7に示すように、コンデンサ素子5は、積層体10と、幅方向Wにおける積層体10の一方の端面上に設けられた第1の外部電極51と、幅方向Wにおける積層体10の他方の端面上に設けられた第2の外部電極52と、を有している。ここで、積層体10の両端面は、幅方向Wにおいて互いに対向している。
積層体10は、第1の外部電極51及び第2の外部電極52が設けられた両端面以外に、上面10Aと、下面10Bと、側面10Cと、を有している。図3及び図4に示すように、コンデンサ素子5が外装ケース80に収納された状態で見たとき、積層体10の上面10Aは、外装ケース80の開口81側に位置している。積層体10の下面10Bは、上面10Aと対向しており、外装ケース80の底面側に位置している。積層体10の側面10Cは、積層方向Tにおいて対向する一対の面である。図4に示すように、積層体10の上面10A及び下面10Bは、丸みを帯びていてもよい。
図7に示すように、積層体10は、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が積層方向Tに積層された状態で巻回された巻回体である。フィルムコンデンサ1は、このような巻回体でもある積層体10を有する巻回型のフィルムコンデンサである。
コンデンサ素子5においては、コンデンサ素子5の低背化の観点から、積層体10の断面形状が楕円又は長円のような扁平形状にプレスされ、積層体10の断面形状が真円であるときよりも厚みが小さい形状とされることが好ましい。
コンデンサ素子5は、円柱状の巻回軸を有していてもよい。巻回軸は、巻回状態の第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22の中心軸上に配置されるものであり、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22を巻回する際の巻軸となるものである。
第1の金属化フィルム21は、第1の誘電体フィルム31の一方の主面上に第1の金属層41が設けられたものである。
第1の金属層41は、幅方向Wにおいて、第1の金属化フィルム21の一方の側縁に届き、第1の金属化フィルム21の他方の側縁に届かないように設けられている。
第2の金属化フィルム22は、第2の誘電体フィルム32の一方の主面上に第2の金属層42が設けられたものである。
第2の金属層42は、幅方向Wにおいて、第2の金属化フィルム22の一方の側縁に届かず、第2の金属化フィルム22の他方の側縁に届くように設けられている。
積層体10においては、第1の金属層41における第1の金属化フィルム21の側縁に届いている側の端部が積層体10の一方の端面に露出し、第2の金属層42における第2の金属化フィルム22の側縁に届いている側の端部が積層体10の他方の端面に露出するように、隣り合う第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が幅方向Wにずれている。
積層体10は、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が積層方向Tに積層された状態で巻回されてなることから、第1の金属層41、第1の誘電体フィルム31、第2の金属層42、及び、第2の誘電体フィルム32が積層方向Tに順に積層された状態で巻回された巻回体である、とも言える。
積層体10においては、第1の金属化フィルム21が第2の金属化フィルム22の内側となり、第1の金属層41が第1の誘電体フィルム31の内側となり、第2の金属層42が第2の誘電体フィルム32の内側となるように、第1の金属化フィルム21及び第2の金属化フィルム22が積層方向Tに積層された状態で巻回されている。
第2の金属層42は、第2の誘電体フィルム32の一方の主面上ではなく、第1の誘電体フィルム31の他方の主面上に設けられていてもよい。この場合、積層体10においては、第1の誘電体フィルム31の一方の主面上に第1の金属層41が設けられ、かつ、他方の主面上に第2の金属層42が設けられた金属化フィルムと、第2の誘電体フィルム32とが積層方向Tに積層された状態で巻回されていることになる。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、硬化性樹脂を主成分として含有することが好ましい。ここで、主成分とは、重量百分率が最も大きい成分を意味し、好ましくは、重量百分率が50重量%よりも大きい成分を意味する。
硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、光硬化性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂とは、熱で硬化し得る樹脂を意味しており、硬化方法を限定するものではない。したがって、熱で硬化し得る樹脂である限り、熱以外の方法(例えば、光、電子ビーム等)で硬化した樹脂も熱硬化性樹脂に含まれる。また、材料によっては、材料自体が有する反応性によって反応が開始する場合があり、必ずしも外部から熱又は光等を与えずに硬化が進むものについても熱硬化性樹脂とする。光硬化性樹脂についても同様であり、光で硬化し得る樹脂である限り、硬化方法を限定するものではない。
硬化性樹脂は、ウレタン結合及びユリア結合の少なくとも一方を有していてもよいし、ウレタン結合及びユリア結合の両方を有していなくてもよい。なお、ウレタン結合及び/又はユリア結合の存在については、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて確認できる。
硬化性樹脂は、第1の有機材料と第2の有機材料との硬化物からなることが好ましい。このような硬化物としては、例えば、第1の有機材料が有する水酸基(OH基)と第2の有機材料が有するイソシアネート基(NCO基)とが反応して得られる硬化物等が挙げられる。このような反応によって硬化物を得る場合、出発材料の未硬化部分が誘電体フィルム中に残留する場合がある。例えば、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、水酸基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有していてもよい。この場合、第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、水酸基及びイソシアネート基の一方を含有していてもよいし、水酸基及びイソシアネート基の両方を含有していてもよい。なお、水酸基及び/又はイソシアネート基の存在については、フーリエ変換赤外分光光度計を用いて確認できる。
第1の有機材料は、分子内に複数の水酸基を有するポリオールであることが好ましい。ポリオールとしては、例えば、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール、フェノキシ樹脂等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。第1の有機材料として、複数種類の有機材料を併用してもよい。
第2の有機材料は、分子内に複数の官能基を有する、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、又は、メラミン樹脂であることが好ましい。第2の有機材料として、複数種類の有機材料を併用してもよい。
イソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ポリイソシアネート、等が挙げられる。イソシアネート化合物としては、これらのポリイソシアネートの変性体、例えば、カルボジイミド又はウレタン等を有する変性体であってもよい。
エポキシ樹脂としては、エポキシ環を有する樹脂であれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格エポキシ樹脂、シクロペンタジエン骨格エポキシ樹脂、ナフタレン骨格エポキシ樹脂等が挙げられる。
メラミン樹脂としては、構造の中心にトリアジン環、その周辺に3つのアミノ基を有する有機窒素化合物であれば特に限定されず、例えば、アルキル化メラミン樹脂等が挙げられる。メラミン樹脂としては、メラミンの変性体であってもよい。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、好ましくは、第1の有機材料及び第2の有機材料を含む樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理して硬化させることによって作製される。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、蒸着重合膜を主成分として含有していてもよい。蒸着重合膜は、ウレタン結合及びユリア結合の少なくとも一方を有していてもよいし、ウレタン結合及びユリア結合の両方を有していなくてもよい。なお、蒸着重合膜は、蒸着重合法により成膜されたものを指し、基本的には硬化性樹脂に含まれる。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、熱可塑性樹脂を主成分として含有していてもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート等が挙げられる。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、主成分以外の成分として、例えば、シリコーン樹脂、第1の有機材料及び第2の有機材料等の出発材料の未硬化部分等を含有していてもよい。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32は、各々、各種機能を付加するための添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、平滑性を付与するためのレベリング剤等が挙げられる。添加剤は、水酸基及び/又はイソシアネート基と反応する官能基を有し、硬化物の架橋構造の一部を形成するものであることが好ましい。このような添加剤としては、例えば、水酸基、エポキシ基、シラノール基、及び、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する樹脂等が挙げられる。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の厚みは、各々、好ましくは0.5μm以上、5μm以下である。第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の厚みは、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1の誘電体フィルム31及び第2の誘電体フィルム32の厚みについては、光学式膜厚計を用いて測定できる。
第1の金属層41及び第2の金属層42の構成材料としては、各々、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属が挙げられる。
第1の金属層41及び第2の金属層42の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1の金属層41及び第2の金属層42の厚みは、各々、好ましくは5nm以上、40nm以下である。
第1の金属層41の厚みについては、第1の金属化フィルム21の厚み方向における切断面を、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより特定できる。第2の金属層42の厚みについても同様に特定できる。
第1の外部電極51は、積層体10の一方の端面上に設けられ、第1の金属層41の露出端部と接触することで第1の金属層41と接続されている。
第1の金属層41と第1の外部電極51との接続性の観点から、積層体10の一方の端面において、第1の金属化フィルム21は、第2の金属化フィルム22に対して幅方向Wに突出していることが好ましい。
第2の外部電極52は、積層体10の他方の端面上に設けられ、第2の金属層42の露出端部と接触することで第2の金属層42と接続されている。
第2の金属層42と第2の外部電極52との接続性の観点から、積層体10の他方の端面において、第2の金属化フィルム22は、第1の金属化フィルム21に対して幅方向Wに突出していることが好ましい。
第1の外部電極51及び第2の外部電極52の構成材料としては、各々、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属が挙げられる。第1の外部電極51及び第2の外部電極52は、好ましくは、各々、積層体10の一方の端面上及び他方の端面上に、上述したような金属を溶射することにより形成される。
第1の外部電極51及び第2の外部電極52の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
積層体10の構成は、図7に示すような構成と異なっていてもよい。例えば、第1の金属化フィルム21において第1の金属層41が幅方向Wで2つの金属層に分断され、一方の金属層が第1の金属化フィルム21の一方の側縁に届き、他方の金属層が第1の金属化フィルム21の他方の側縁に届くように設けられていてもよい。この場合、第1の金属層41において、一方の金属層が第1の外部電極51と接続され、かつ、他方の金属層が第2の外部電極52と接続されつつ、第2の金属層42が第1の外部電極51及び第2の外部電極52の両方と接続されないように設けられると、第1の金属層41と第2の金属層42との間でコンデンサを構成できる。
<外部引き出し端子>
図2、図3、図4、及び、図5に示すように、第1の外部引き出し端子61は、第1の外部電極51と接続されている。第1の外部引き出し端子61は、例えば、はんだ層を介して第1の外部電極51と電気的に接続されていてもよい。第1の外部引き出し端子61は、外装ケース80の内部から外部に向かって突出している。
第1の外部引き出し端子61と第1の外部電極51との接続位置は、第1の外部電極51の中央部であってもよいし、特許第4733566号公報の図1に記載されているような外装ケース80の開口81に近い第1の外部電極51の端部であってもよい。
第2の外部引き出し端子62は、第2の外部電極52と接続されている。第2の外部引き出し端子62は、例えば、はんだ層を介して第2の外部電極52と電気的に接続されていてもよい。第2の外部引き出し端子62は、外装ケース80の内部から外部に向かって突出している。
第2の外部引き出し端子62と第2の外部電極52との接続位置は、第2の外部電極52の中央部であってもよいし、特許第4733566号公報の図1に記載されているような外装ケース80の開口81に近い第2の外部電極52の端部であってもよい。
第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62の構成材料としては、各々、例えば、銅、スズ、アルミニウム等の金属が挙げられる。
第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62の組成は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62の形状は、線状(棒状)であってもよく、板状であってもよい。
第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62の形状は、互いに異なっていてもよいが、互いに同じであることが好ましい。
<外装ケース>
図2、図3、及び、図4に示すように、外装ケース80は、一端に開口81が設けられ、コンデンサ素子5を内部に収納するものである。
外装ケース80の形状は、一端に開口81が設けられているものであれば特に限定されず、例えば、図2に示すような、四角筒状の側壁部を有する有底四角筒状であってもよく、円筒状の側壁部を有する有底円筒状であってもよい。
外装ケース80の構成材料としては、例えば、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、銅等の金属、これらの金属の合金、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー(LCP)等の樹脂、等が挙げられる。
外装ケース80の構成材料が上述したような金属又は合金である場合、外装ケース80の水蒸気バリア性が高まる。そのため、フィルムコンデンサ1を高温高湿環境下で使用しても、水分の浸入に起因する第1の金属層41及び第2の金属層42の水酸化反応が進行しにくくなり、結果的に、静電容量の低下が抑制される。その一方で、外装ケース80の導電性も高まることから、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62と外装ケース80との間の絶縁対策が必要となることがある。
外装ケース80の構成材料が上述したような金属又は合金である場合、外装ケース80は、例えば、インパクト成形等の方法により作製される。
外装ケース80の構成材料が、上述したような絶縁性の高い樹脂を含む樹脂組成物である場合、上述した絶縁対策は不要である。特に、外装ケース80を構成する樹脂組成物が液晶ポリマーを含む場合、外装ケース80の水蒸気バリア性が高まる。
樹脂組成物に含まれる液晶ポリマーとしては、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸及び6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸基を骨格に有する液晶ポリマー等が挙げられる。また、p-ヒドロキシ安息香酸及び6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸基以外にも、フェノール、フタル酸、エチレンテレフタレート等の各種成分を用いて、重縮合体を形成した液晶ポリマーを使用できる。また、液晶ポリマーを分類する場合、I型、II型、III型といった分類方法もあるが、材料としては、上記の構成要素から形成した液晶ポリマーと同じ材料を意味する。
樹脂組成物中の液晶ポリマーの含有量は、好ましくは40重量%以上、95重量%以下であり、より好ましくは40重量%以上、85重量%以下である。
樹脂組成物は、液晶ポリマーに加えて無機充填材を含むことが好ましい。無機充填材としては、液晶ポリマーよりも強度が高い材料を使用できる。無機充填材は、液晶ポリマーよりも融点が高い材料であることが好ましく、融点が680℃以上の材料であることがより好ましい。
無機充填材の形態としては、特に限定されず、例えば、繊維状又は板状等の長手方向を有する形態が挙げられる。このような形態の無機充填材として、複数種類の無機材料を併用してもよい。樹脂組成物は、無機充填材として、繊維状の無機材料及び板状の無機材料の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本明細書中、繊維状とは、充填材の長手方向における長手方向長さと、長手方向に垂直な断面における断面径との関係が、長手方向長さ/断面径≧5(すなわち、アスペクト比が5:1以上)である状態を意味する。ここで、断面径は、断面の外周上において最長となる2点間距離とする。断面径が長手方向で異なる場合、断面径が最大となる箇所で測定を行う。
本明細書中、板状とは、投影面積が最大となる面の断面径と、この断面に対して垂直方向における最大高さとの関係が、断面径/最大高さ≧3である状態を意味する。
樹脂組成物は、上述した繊維状及び板状の両方の条件を満たす無機充填材を含んでいてもよい。この場合、無機充填材としては1種類の無機材料しか含まれていない。しかし、この場合も「樹脂組成物は、無機充填材として、繊維状の無機材料及び板状の無機材料の両方を含む」と言うこととする。
無機充填材は、少なくともその一部が、外装ケース80の側部の各側壁において、底側から開口81に向かって配向している部分と、隣り合う側壁に向かって配向している部分とを有し、外装ケース80の内部において分散していることが好ましい。
無機充填材のサイズは、好ましくは、直径5μm以上、長さ50μm以上のサイズである。
無機充填材は、凝集することなく、外装ケース80全体に分散していることが好ましい。
無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、マイカ、タルク、各種酸化物、各種水酸化物等の無機材料が挙げられる。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは15重量%以上である。また、外装ケース80の成形性を確保する観点から、樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、好ましくは60重量%以下である。
樹脂組成物中の無機充填材の含有量は、20mm×20mm×0.5mm厚の試験片を使用して、灰分測定又は熱重量分析によって、残存成分を無機成分とみなして重量を測定し、測定された初期重量及び残存成分重量から算出できる。より具体的には、JIS K 7250 A法(直接灰化法)に基づき、有機材料を燃焼し、その燃焼残さを高温で恒量になるまで加熱する方法にて測定する。
外装ケース80の構成材料が上述したような樹脂を含む樹脂組成物である場合、外装ケース80は、例えば、射出成形等の方法により作製される。
<剥離材>
図2、図3、及び、図5に示すように、剥離材70は、コンデンサ素子5の一部と、第1の外部引き出し端子61の一部と、第2の外部引き出し端子62の一部とを覆っている。より具体的には、剥離材70は、第1の外部電極51及び第2の外部電極52において、外装ケース80の開口81側に位置する面の一部以外を覆っている。また、剥離材70は、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とを覆っている。ここで、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62が、各々、はんだ層を介して、第1の外部電極51及び第2の外部電極52と電気的に接続されている場合、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とは、各々、はんだ層を含む。
剥離材70が、第1の外部電極51と、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部電極52と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とを覆うことにより、第1の外部電極51と、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部電極52と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とが、後述する充填樹脂90に拘束されにくくなる。そのため、フィルムコンデンサ1を低温環境又は高温環境に移行させても、第1の外部電極51及び第2の外部電極52に引張応力が生じにくくなる。その結果、第1の外部電極51及び第2の外部電極52でのクラックの発生が抑制される。
図2及び図3に示すように、剥離材70は、積層体10の上面10Aの少なくとも一部を覆っていない。より具体的には、剥離材70は、積層体10の上面10Aの一部を覆っていない、又は、積層体10の上面10Aの全体を覆っていない。剥離材70は、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62付きのコンデンサ素子5を積層体10の上面10A側から見たとき、第1の外部引き出し端子61と第2の外部引き出し端子62とを結ぶ領域を覆っていなければよい。このような領域の幅は、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62の幅のうちの小さい方の幅と同等以上であることが好ましい。
剥離材70が積層体10の上面10Aの少なくとも一部を覆わないことにより、その上面10Aの一部が後述する充填樹脂90と接触する。そのため、外装ケース80の開口81から積層体10の上面10Aへの水分の浸入が抑制される。
剥離材70が積層体10の上面10Aの一部を覆っていない、すなわち、積層体10の上面10Aの一部を覆っている場合、剥離材70で覆われる積層体10の上面10Aの一部は、剥離材70と密着していてもよい。
図3に示すように、剥離材70は、積層体10の下面10Bの少なくとも一部を覆っていなくてもよい。より具体的には、剥離材70は、積層体10の下面10Bの一部を覆っていなくてもよく、積層体10の下面10Bの全体を覆っていなくてもよい。剥離材70が積層体10の下面10Bの少なくとも一部を覆わないことにより、その下面10Bの一部が後述する充填樹脂90と接触する。そのため、外装ケース80の開口81から積層体10の下面10Bへの水分の浸入が抑制される。
図2及び図5に示すように、剥離材70は、積層体10の側面10Cを覆っていてもよい。剥離材70が積層体10の側面10Cを覆うことにより、剥離材70が固定されやすくなる。また、積層体10の側面10Cが後述する充填樹脂90に拘束されにくくなるため、フィルムコンデンサ1を低温環境又は高温環境に移行させたときに、積層体10に生じる応力が緩和される。
剥離材70としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエステル粘着テープ(マイラーテープ)等が挙げられる。
剥離材70を設ける方法例としては、第1の外部電極51と、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部電極52と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とを覆い、かつ、積層体10の上面10Aの少なくとも一部を覆わないように、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62付きのコンデンサ素子5に巻き付けるように設ける方法が挙げられる。このように剥離材70を設ける方法の具体例については、後述する。
図1、図2、図3、図4、及び、図5では、単一の外装ケース80に単一のコンデンサ素子5が収納されている状態を例示したが、例えば、特許文献1に記載されているように、単一の外装ケース80に複数のコンデンサ素子5が収納されていてもよい。この場合、剥離材70は、複数のコンデンサ素子5に個別に設けられていてもよく、複数のコンデンサ素子5をまとめるように1つ設けられていてもよい。
剥離材70の厚みは、好ましくは12μm以上、50μm以下である。
剥離材70の厚みについては、光学式膜厚計を用いて測定できる。
<充填樹脂>
図1、図3、図4、及び、図5に示すように、充填樹脂90は、外装ケース80内に充填され、コンデンサ素子5を埋没させている。
図5に示すように、剥離材70は、第1の外部電極51の積層方向Tにおける一対の側面と幅方向Wにおける端面とが交わる角部と、第1の外部引き出し端子61とに少なくとも接触し、第1の外部電極51の端面に少なくとも接触していない。そのため、第1の外部電極51と第1の外部引き出し端子61と剥離材70とで囲まれる領域が存在する。同様に、剥離材70は、第2の外部電極52の積層方向Tにおける一対の側面と幅方向Wにおける端面とが交わる角部と、第2の外部引き出し端子62とに少なくとも接触し、第2の外部電極52の端面に少なくとも接触していない。そのため、第2の外部電極52と第2の外部引き出し端子62と剥離材70とで囲まれる領域が存在する。このような状態で、充填樹脂90は、外装ケース80の開口81から充填されるため、剥離材70で覆われていない積層体10の上面10Aの少なくとも一部から、第1の外部電極51と第1の外部引き出し端子61と剥離材70とで囲まれる領域、及び、第2の外部電極52と第2の外部引き出し端子62と剥離材70とで囲まれる領域に入り込む。よって、図5に示すように、フィルムコンデンサ1においては、充填樹脂90が、第1の外部電極51と第1の外部引き出し端子61と剥離材70とで囲まれる領域、及び、第2の外部電極52と第2の外部引き出し端子62と剥離材70とで囲まれる領域に設けられている。
上述したように、剥離材70は積層体10の下面10Bの少なくとも一部を覆っていなくてもよいが、この場合、充填樹脂90は、剥離材70で覆われていない積層体10の下面10Bの少なくとも一部からも、第1の外部電極51と剥離材70とで囲まれる領域(第1の外部引き出し端子61が設けられていない領域)、及び、第2の外部電極52と剥離材70とで囲まれる領域(第2の外部引き出し端子62が設けられていない領域)に入り込んでもよい。
充填樹脂90が第1の外部電極51と第1の外部引き出し端子61と剥離材70とで囲まれる領域に設けられることにより、第1の外部電極51が充填樹脂90と接触する。そのため、外装ケース80の開口81から第1の外部電極51への水分の浸入が抑制される。
充填樹脂90が第2の外部電極52と第2の外部引き出し端子62と剥離材70とで囲まれる領域に設けられることにより、第2の外部電極52が充填樹脂90と接触する。そのため、外装ケース80の開口81から第2の外部電極52への水分の浸入が抑制される。
ここで、第1の外部電極51と第1の外部引き出し端子61と剥離材70とで囲まれる領域、及び、第2の外部電極52と第2の外部引き出し端子62と剥離材70とで囲まれる領域に設けられている充填樹脂90は少量であるため、第1の外部電極51と、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部電極52と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とを拘束する程度の影響がない。そのため、フィルムコンデンサ1を低温環境又は高温環境に移行させても、第1の外部電極51及び第2の外部電極52に引張応力が生じにくくなる。その結果、第1の外部電極51及び第2の外部電極52でのクラックの発生が抑制されつつ、上述したように第1の外部電極51及び第2の外部電極52への水分の浸入が抑制される。
また、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とは小さいため、従来のフィルムコンデンサにおいては、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62に負荷がかかると、第1の外部引き出し端子61が第1の外部電極51から分離し、第2の外部引き出し端子62が第2の外部電極52から分離するおそれがある。これに対して、フィルムコンデンサ1においては、第1の外部電極51と第1の外部引き出し端子61と剥離材70とで囲まれる領域、及び、第2の外部電極52と第2の外部引き出し端子62と剥離材70とで囲まれる領域に充填樹脂90が設けられているため、第1の外部電極51と第1の外部引き出し端子61との接続部が補強され、第2の外部電極52と第2の外部引き出し端子62との接続部が補強される。これにより、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62に負荷がかかっても、第1の外部引き出し端子61が第1の外部電極51から分離することが抑制され、第2の外部引き出し端子62が第2の外部電極52から分離することが抑制される。
充填樹脂90は、外装ケース80の開口81から充填されるため、剥離材70と外装ケース80との間の領域にも入り込む。よって、図5に示すように、フィルムコンデンサ1においては、充填樹脂90が剥離材70と外装ケース80との間の領域に設けられている。
充填樹脂90が剥離材70と外装ケース80との間の領域に設けられることにより、外装ケース80の開口81からコンデンサ素子5全体への水分の浸入が抑制される。
図5に示すように、充填樹脂90は、積層体10の側面10Cと剥離材70との間の領域に設けられていてもよい。充填樹脂90が積層体10の側面10Cと剥離材70との間の領域に設けられることにより、積層体10の側面10Cが充填樹脂90と接触する。そのため、外装ケース80の開口81から積層体10の側面10Cへの水分の浸入が抑制される。
充填樹脂90としては、コンデンサ素子5への水分の浸入を抑制する観点から、透湿性が低い樹脂を適宜選択することが好ましく、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂の硬化剤としては、アミン硬化剤、イミダゾール硬化剤等が挙げられる。
充填樹脂90には、強度の向上を目的として補強剤を添加してもよい。補強剤としては、例えば、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
コンデンサ素子5への水分の浸入を抑制する観点から、外装ケース80の開口81における充填樹脂90の厚みは大きいことが好ましい。外装ケース80の開口81における充填樹脂90の厚みは、フィルムコンデンサ1全体の体積(体格)が許容される範囲で充分大きくすることが好ましく、具体的には、好ましくは2mm以上、より好ましくは4mm以上である。特に、外装ケース80の内部において、コンデンサ素子5を外装ケース80の開口81側よりも底面側に位置させることで、コンデンサ素子5に対する充填樹脂90の厚みを、外装ケース80の開口81側において底面側よりも大きくすることが好ましい。
充填樹脂90の厚みについては、非破壊状態であれば軟X線装置を用いて測定でき、破壊状態であればノギス等の測長装置を用いて測定できる。
充填樹脂90の高さと外装ケース80の高さとの関係は、外装ケース80の開口81における充填樹脂90の厚みを可能な限り大きくするとともに、外装ケース80の内部側の位置まででもよいし、すりきり一杯程度でもよいし、表面張力でやや溢れていてもよい。
[フィルムコンデンサの製造方法]
本発明のフィルムコンデンサは、例えば、以下の方法で製造される。
<コンデンサ素子を作製する工程>
まず、例えば、上述した第1の有機材料及び第2の有機材料、添加剤等を混合することにより、樹脂溶液を調製する。そして、得られた樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理して硬化させることによって、第1の誘電体フィルム及び第2の誘電体フィルムを作製する。
そして、第1の誘電体フィルムの一方の主面上に、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属を蒸着して第1の金属層を形成することにより、第1の金属化フィルムを作製する。この際、幅方向において、第1の金属化フィルムの一方の側縁に届き、第1の金属化フィルムの他方の側縁に届かないように第1の金属層を形成する。
また、第2の誘電体フィルムの一方の主面上に、例えば、アルミニウム、亜鉛、チタン、マグネシウム、スズ、ニッケル等の金属を蒸着して第2の金属層を形成することにより、第2の金属化フィルムを作製する。この際、幅方向において、第2の金属化フィルムの一方の側縁に届かず、第2の金属化フィルムの他方の側縁に届くように第2の金属層を形成する。
第2の金属層については、第2の誘電体フィルムの一方の主面上ではなく、第1の誘電体フィルムの他方の主面上に形成してもよい。この場合、本工程では、第1の誘電体フィルムの一方の主面上に第1の金属層が設けられ、かつ、他方の主面上に第2の金属層が設けられた金属化フィルムを作製することになる。この際、幅方向において、金属化フィルムの一方の側縁に届き、金属化フィルムの他方の側縁に届かないように第1の金属層を形成し、かつ、金属化フィルムの一方の側縁に届かず、金属化フィルムの他方の側縁に届くように第2の金属層を形成してもよい。
次に、第1の金属化フィルム及び第2の金属化フィルムを、幅方向に所定の距離だけずらした状態で重ねた後、巻回することにより積層体(巻回体)を作製する。なお、必要に応じて、得られた積層体を幅方向とは垂直な方向から挟んで楕円円筒形状にプレスしてもよい。
次に、積層体の一方の端面上に、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属を溶射することにより、第1の外部電極を第1の金属層と接続されるように形成する。
また、積層体の他方の端面上に、例えば、亜鉛、アルミニウム、スズ、亜鉛-アルミニウム合金等の金属を溶射することにより、第2の外部電極を第2の金属層と接続されるように形成する。
以上により、コンデンサ素子が作製される。
<外部引き出し端子を設ける工程>
第1の外部引き出し端子を、例えば、はんだ層を介して、第1の外部電極と接続されるように設ける。また、第2の外部引き出し端子を、例えば、はんだ層を介して、第2の外部電極と接続されるように設ける。第1の外部引き出し端子及び第2の外部引き出し端子の構成材料は、各々、例えば、銅、スズ、アルミニウム等の金属である。
<剥離材を設ける工程>
第1の外部電極と、第1の外部引き出し端子における第1の外部電極との接続部と、第2の外部電極と、第2の外部引き出し端子における第2の外部電極との接続部とを覆い、かつ、積層体の上面の少なくとも一部を覆わないように、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを、第1の外部引き出し端子及び第2の外部引き出し端子付きのコンデンサ素子に巻き付けるように設ける。このように剥離材を設ける方法の具体例としては、以下の2つの方法が挙げられる。
(第1の方法)
まず、第1の方法について、図8及び図9を参照しつつ説明する。図8及び図9は、本発明のフィルムコンデンサの製造方法における剥離材を設ける工程について、第1の方法を示す斜視模式図である。
図8に示すように、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等のシュリンクフィルム170を、端部同士をヒートシールで熱融着させることにより筒状にする。シュリンクフィルム170は、後に剥離材70となるものである。また、シュリンクフィルム170の幅Gは、積層方向T及び幅方向Wと直交する方向(図8では、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62の延びる方向)におけるコンデンサ素子5の長さよりも大きいことが好ましい。
そして、図9に示すように、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62付きのコンデンサ素子5を、筒状のシュリンクフィルム170の内部に挿入することにより、コンデンサ素子5がシュリンクフィルム170で覆いかぶされた状態にする。
その後、加熱処理でシュリンクフィルム170を収縮させることにより、図2に示すような、剥離材70が設けられた、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62付きのコンデンサ素子5を得る。より具体的には、第1の外部電極51と、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部電極52と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とを覆い、かつ、積層体10の上面10Aの少なくとも一部を覆わないように、剥離材70が設けられる。
剥離材70には、上述したようなシュリンクフィルム170のヒートシールの痕跡が残る。このようなヒートシールの痕跡は、剥離材70において、例えば、積層体10の側面10Cに対向する位置に存在する。また、ヒートシールの形状は、点状であってもよいし、面状であってもよい。
(第2の方法)
次に、第2の方法について、図10及び図11を参照しつつ説明する。図10及び図11は、本発明のフィルムコンデンサの製造方法における剥離材を設ける工程について、第2の方法を示す斜視模式図である。
図10に示すように、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等のシュリンクフィルム170の一端を、コンデンサ素子5の積層体10の側面10Cに、ヒートシールによる熱融着で固定する。ヒートシールの形状は、点状であってもよいし、面状であってもよい。また、シュリンクフィルム170の幅Gは、積層方向T及び幅方向Wと直交する方向(図10では、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62の延びる方向)におけるコンデンサ素子5の長さよりも大きいことが好ましい。
そして、図11に示すように、コンデンサ素子5を覆いかぶすように、シュリンクフィルム170を、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62付きのコンデンサ素子5に巻き付ける。この際、シュリンクフィルム170を1周分巻き付けてもよいし、2周分以上巻き付けてもよい。シュリンクフィルム170を巻き付けた後、シュリンクフィルム170の他端を、シュリンクフィルム170の一部、例えば、シュリンクフィルム170における積層体10の側面10Cに対向する位置に、ヒートシールによる熱融着で固定する。ヒートシールの形状は、点状であってもよいし、面状であってもよい。
その後、加熱処理でシュリンクフィルム170を収縮させることにより、図2に示すような、剥離材70が設けられた、第1の外部引き出し端子61及び第2の外部引き出し端子62付きのコンデンサ素子5を得る。より具体的には、第1の外部電極51と、第1の外部引き出し端子61における第1の外部電極51との接続部と、第2の外部電極52と、第2の外部引き出し端子62における第2の外部電極52との接続部とを覆い、かつ、積層体10の上面10Aの少なくとも一部を覆わないように、剥離材70が設けられる。
<コンデンサ素子を外装ケースに収納する工程>
まず、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー等の絶縁性の高い樹脂を含む樹脂組成物を用いて、射出成形により、一端に開口が設けられた外装ケースを作製する。あるいは、アルミニウム、マグネシウム、鉄、ステンレス、銅等の金属、又は、これらの合金を用いて、インパクト成形により、一端に開口が設けられた外装ケースを作製してもよい。
そして、剥離材が設けられた、第1の外部引き出し端子及び第2の外部引き出し端子付きのコンデンサ素子を、外装ケースの内部に収納する。
<充填樹脂を充填する工程>
外装ケースの開口から、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の充填樹脂を充填し、コンデンサ素子を埋没させる。この際、充填樹脂は、剥離材で覆われていない積層体の上面の少なくとも一部から、第1の外部電極と第1の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域、及び、第2の外部電極と第2の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域に入り込む。また、充填樹脂は、剥離材と外装ケースとの間の領域にも入り込む。よって、充填樹脂は、第1の外部電極と第1の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域、第2の外部電極と第2の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域、及び、剥離材と外装ケースとの間の領域に設けられることになる。
以上により、本発明のフィルムコンデンサが製造される。
以下、本発明のフィルムコンデンサをより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1のフィルムコンデンサを、以下の方法で製造した。
<コンデンサ素子を作製する工程>
まず、第1の有機材料としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂と第2の有機材料としてのジフェニルメタンジイソシアネートとを、重量比7:3で混合することにより、樹脂溶液を調製した。そして、得られた樹脂溶液をフィルム状に成形した後、熱処理して硬化させることによって、第1の誘電体フィルム及び第2の誘電体フィルムを作製した。第1の誘電体フィルム及び第2の誘電体フィルムの厚みは、3μmであった。
そして、第1の誘電体フィルムの一方の主面上に、アルミニウムを蒸着して第1の金属層を形成することにより、第1の金属化フィルムを作製した。この際、幅方向において、第1の金属化フィルムの一方の側縁に届き、第1の金属化フィルムの他方の側縁に届かないように第1の金属層を形成した。第1の金属層の厚みは、20nmであった。
また、第2の誘電体フィルムの一方の主面上に、アルミニウムを蒸着して第2の金属層を形成することにより、第2の金属化フィルムを作製した。この際、幅方向において、第2の金属化フィルムの一方の側縁に届かず、第2の金属化フィルムの他方の側縁に届くように第2の金属層を形成した。第2の金属層の厚みは、20nmであった。
次に、第1の金属化フィルム及び第2の金属化フィルムを、幅方向に所定の距離だけずらした状態で重ねた後、巻回することにより積層体(巻回体)を作製した。その後、得られた積層体を幅方向とは垂直な方向から挟んで楕円円筒形状にプレスした。
次に、積層体の一方の端面上に、亜鉛を溶射することにより、第1の外部電極を第1の金属層と接続されるように形成した。
また、積層体の他方の端面上に、亜鉛を溶射することにより、第2の外部電極を第2の金属層と接続されるように形成した。
以上により、コンデンサ素子を作製した。
<外部引き出し端子を設ける工程>
第1の外部引き出し端子を、はんだ層を介して、第1の外部電極と接続されるように設けた。また、第2の外部引き出し端子を、はんだ層を介して、第2の外部電極と接続されるように設けた。第1の外部引き出し端子及び第2の外部引き出し端子は、各々、構成材料が銅であり、表面にスズめっきが施されていた。
<剥離材を設ける工程>
上述した第1の方法により、第1の外部電極と、第1の外部引き出し端子における第1の外部電極との接続部と、第2の外部電極と、第2の外部引き出し端子における第2の外部電極との接続部とを覆い、かつ、積層体の上面の少なくとも一部を覆わないように、剥離材としての二軸延伸ポリプロピレンフィルムを、第1の外部引き出し端子及び第2の外部引き出し端子付きのコンデンサ素子に設けた。シュリンクフィルムを収縮させるための加熱処理については、ホットエアガン又はドライヤーを用いて120℃で3秒間行った。剥離材の厚みは、50μmであった。
<コンデンサ素子を外装ケースに収納する工程>
まず、液晶ポリマーを用いて、射出成形により、一端に開口が設けられた外装ケースを作製した。
そして、剥離材が設けられた、第1の外部引き出し端子及び第2の外部引き出し端子付きのコンデンサ素子を、外装ケースの内部に収納した。
<充填樹脂を充填する工程>
外装ケースの開口から、充填樹脂としてのエポキシ樹脂を充填し、コンデンサ素子を埋没させた。この際、充填樹脂は、剥離材で覆われていない積層体の上面の少なくとも一部から、第1の外部電極と第1の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域、及び、第2の外部電極と第2の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域に入り込んだ。また、充填樹脂は、剥離材と外装ケースとの間の領域にも入り込んだ。よって、充填樹脂は、第1の外部電極と第1の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域、第2の外部電極と第2の外部引き出し端子と剥離材とで囲まれる領域、及び、剥離材と外装ケースとの間の領域に設けられた。
以上のようにして、実施例1のフィルムコンデンサを5サンプル分製造した。
[比較例1]
剥離材を設ける工程を行わなかったこと以外、実施例1のフィルムコンデンサと同様にして、比較例1のフィルムコンデンサを5サンプル分製造した。
[評価]
実施例1及び比較例1のフィルムコンデンサに対して、-40℃以上、125℃以下の温度範囲でヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクル試験では、フィルムコンデンサを-40℃の低温環境から125℃の高温環境に移行させた後、125℃の高温環境から-40℃の低温環境に移行させるサイクルを1サイクルとした。そして、第1の外部電極及び第2の外部電極でのクラックの発生具合を評価する指標として、所定のサイクル数での等価直列抵抗(ESR)の変化率を測定した。図12は、実施例1及び比較例1のフィルムコンデンサに対する等価直列抵抗の変化率の測定結果を示すグラフである。図12では、実施例1のフィルムコンデンサの5サンプル分を、「実施例1-1」、「実施例1-2」、「実施例1-3」、「実施例1-4」、「実施例1-5」として示している。また、比較例1のフィルムコンデンサの5サンプル分を、「比較例1-1」、「比較例1-2」、「比較例1-3」、「比較例1-4」、「比較例1-5」として示している。
等価直列抵抗の変化率については、エヌエフ回路設計ブロック社製のLCRメータ「ZM2371」を用いて所定のサイクル数でのヒートサイクル試験前後の等価直列抵抗を測定し、下記式(F)に基づいて算出した。等価直列抵抗の測定条件については、測定周波数10kHz、測定電圧2Vとした。
100×[「ヒートサイクル試験後の等価直列抵抗」-「ヒートサイクル試験前の等価直列抵抗」]/「ヒートサイクル試験前の等価直列抵抗」 (F)
図12に示すように、実施例1のフィルムコンデンサでは、サイクル数が増加しても等価直列抵抗が安定しており、第1の外部電極及び第2の外部電極でのクラックの発生が抑制されていることが分かった。一方、比較例1のフィルムコンデンサでは、サイクル数が増加するにつれて等価直列抵抗の変化率が大きくなり、第1の外部電極及び第2の外部電極でのクラックの発生が抑制されていないことが分かった。
1 フィルムコンデンサ
5 コンデンサ素子
10 積層体
10A 積層体の上面
10B 積層体の下面
10C 積層体の側面
21 第1の金属化フィルム
22 第2の金属化フィルム
31 第1の誘電体フィルム
32 第2の誘電体フィルム
41 第1の金属層
42 第2の金属層
51 第1の外部電極
52 第2の外部電極
61 第1の外部引き出し端子
62 第2の外部引き出し端子
70 剥離材
80 外装ケース
81 外装ケースの開口
90 充填樹脂
170 シュリンクフィルム
G シュリンクフィルムの幅
T 積層方向
W 幅方向

Claims (3)

  1. 誘電体フィルムの主面上に金属層が設けられた金属化フィルムを含むフィルムが積層方向に積層された積層体と、前記積層方向と直交する幅方向における前記積層体の両端面上に設けられた一対の外部電極と、を有するコンデンサ素子と、
    前記外部電極と接続された外部引き出し端子と、
    前記コンデンサ素子の一部及び前記外部引き出し端子の一部を覆う剥離材と、
    一端に開口が設けられ、前記コンデンサ素子を内部に収納する外装ケースと、
    前記外装ケース内に充填され、前記コンデンサ素子を埋没させる充填樹脂と、を備え、
    前記積層体は、前記外装ケースの前記開口側に位置する上面を有し、
    前記剥離材は、前記外部引き出し端子における前記外部電極との接続部の全体と前記外部電極の全体とを前記幅方向から見たときに覆い、かつ、前記積層体の前記上面の少なくとも一部を覆わず、
    前記充填樹脂は、前記外部電極と前記外部引き出し端子と前記剥離材とで囲まれる領域、及び、前記剥離材と前記外装ケースとの間の領域に設けられる、ことを特徴とするフィルムコンデンサ。
  2. 前記積層体は、前記上面と対向する下面を有し、
    前記剥離材は、前記積層体の前記下面の少なくとも一部を覆わない、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3. 前記剥離材は、前記積層体の側面を覆う、請求項1又は2に記載のフィルムコンデンサ。
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