JP2021132166A - コンデンサ - Google Patents

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崇史 奥戸
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Abstract

【課題】軽量化及び優れた耐湿性を実現できる。【解決手段】コンデンサ10は、コンデンサ素子1と、第1外部電極21及び第2外部電極22と、第1金属キャップ31と、第2金属キャップ32と、を備える。第1外部電極21及び第2外部電極22は、コンデンサ素子1の両端の各々に設けられている。第1金属キャップ31は、第1外部電極21を被覆する。第2金属キャップ32は、第2外部電極22を被覆する。第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とは、互いに絶縁されており、かつ第1外部電極21が第2外部電極22に向く第1方向D1と直交する第2方向D2に見て、少なくとも一部が重なっている。【選択図】図1

Description

本開示は、一般にコンデンサに関し、より詳細にはコンデンサ素子を備えるコンデンサに関する。
コンデンサは、電荷を蓄えたり、放出したりする受動部品であり、電子機器の部品として用いられる。コンデンサは、吸湿により不良が生じることがあるため、優れた耐湿性を有するコンデンサが求められている。
例えば、特許文献1には、複数のコンデンサ素子を一端に外部接続用の端子部を設けたバスバーで接続し、これをケース内に収容して少なくとも上記バスバーの端子部を除いて樹脂モールドしたケースモールド型コンデンサにおいて、上記樹脂モールドを行うモールド樹脂がエポキシ樹脂を主体とし、これに中空で球状の無機物を3〜25wt%添加したケースモールド型コンデンサが開示されている。
特開2006−294788号公報
特許文献1では、コンデンサの耐湿性の向上は望めるものの、コンデンサを軽量化することが難しかった。
本開示の目的は、軽量化及び優れた耐湿性を実現できうるコンデンサを提供することである。
本開示の一態様に係る、コンデンサは、コンデンサ素子と、第1外部電極及び第2外部電極と、第1金属キャップと、第2金属キャップと、を備える。前記第1外部電極及び第2外部電極は、前記コンデンサ素子の両端の各々に設けられている。前記第1金属キャップは、前記第1外部電極を被覆する。前記第2金属キャップは、前記第2外部電極を被覆する。前記第1金属キャップと前記第2金属キャップとは、互いに絶縁されており、かつ前記第1外部電極が前記第2外部電極に向く第1方向と直交する第2方向に見て、少なくとも一部が重なっている。
本開示によれば、軽量化でき、かつ優れた耐湿性を有するコンデンサを実現できる。
図1Aは、本開示の一実施形態に係るコンデンサの概略断面図である。図1Bは、図1Aの一点鎖線で示す部分を拡大した概略断面図である。 図2Aは、本開示の一実施形態において、熱収縮チューブを備えるコンデンサの斜視図である。図2Bは、本開示の一実施形態において、熱収縮チューブを備えないコンデンサの斜視図である。 図3A〜Cは、本開示の一実施形態に係るコンデンサ素子を製造する工程の一部の一例を示す概略図である。 図4は、本開示の一実施形態に係るコンデンサの変形例の概略断面図である。 図5Aは、本開示の一実施形態に係るコンデンサの変形例において、熱収縮チューブを備えるコンデンサの斜視図である。図5Bは、本開示の一実施形態に係るコンデンサの変形例において、熱収縮チューブを備えないコンデンサの斜視図である。 図6Aは、巻回型コンデンサ素子の製造方法の一工程図(斜視図)である。図6Bは、上記巻回型コンデンサ素子の斜視図である。 図7Aは、積層型コンデンサ素子の製造方法の一工程図(斜視図)である。図7Bは、積層型コンデンサ素子の製造方法の一工程図(断面図)である。図7Cは、図7Bに示す積層型コンデンサ素子の一部破断した斜視図である。図7Dは、上記積層型コンデンサ素子の斜視図である。
1.概要
図1Aに示すように、本実施形態に係るコンデンサ10は、コンデンサ素子1と、一対の外部電極2と、一対の金属キャップ3とを備える。一対の外部電極2は、第1外部電極21及び第2外部電極22である。一対の金属キャップ3は、第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32である。第1外部電極21及び第2外部電極22の各々は、コンデンサ素子1の両端に各々設けられる。第1の金属キャップ31は、第1外部電極21を被覆し、第2金属キャップ32は、第2外部電極22を被覆する。
コンデンサ10は、特許文献1に記載されているような外装ケース及び外装ケース内に充填されたモールド樹脂を備えていない。すなわち、コンデンサ10は、いわゆるケースレス構造を採用している。そのため、コンデンサ10は、少なくとも従来の外装ケースに相当する分だけ、軽量化を実現することができる。
上述のように、コンデンサ10は、外部電極2を被覆する金属キャップ3を備えている。金属キャップ3は、外部電極2に比べて、水蒸気などのガスを透過させにくい。そのため、金属キャップ3を用いて外部電極2を被覆して、外部電極2が外気に直接触れないようにすることで、外部電極2による吸湿を防止しやすくなる。このように、本実施形態のコンデンサ10は、金属キャップ3を備えるため、優れた耐湿性を有することができる。
本実施形態のコンデンサ10における一対の金属キャップ3は、第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32である。第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とは、互いに絶縁されている。このため、コンデンサ10は短絡を生じにくくできる。さらに、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とは、第1外部電極21が第2外部電極22に向く第1方向D1と直交する第2方向D2に見て、少なくとも一部が重なっている(図1A及び図1B参照)。このため、コンデンサ10におけるコンデンサ素子1の内部に水分が侵入しにくくすることができる。すなわち、一対の金属キャップ3でコンデンサ素子1の両端部及び側面部が被覆され、また第1金属キャップ31の周縁部が第2金属キャップ32の周縁部(又は第2金属キャップ32の周縁部が第1金属キャップ31の周縁部)に覆われている。このため、コンデンサ10は、水分及びガス等の侵入をしにくくされている。これにより、コンデンサ10は、優れた耐湿性を有しうる。
したがって、本実施形態のコンデンサ10は、軽量化を実現でき、耐湿性を向上させることができ、かつコンデンサ10におけるESLを低減することができる。
さらに、本実施形態のコンデンサ10は、上記のとおり、一対の金属キャップ3の第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とが、第2方向に見て、少なくとも一部で重なっている。これにより、コンデンサ10におけるESL(Equivalent Series Inductance:等価直列インダクタンス)を低減することができる。これは、コンデンサ素子1に流れる電流と磁界とが変化し、この磁界の変化を打ち消す方向に、第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32が重なった箇所において、磁界が発生し、発生した磁界によって、誘導電流が流れることによるものと考えられる。近年では、電子機器等の高性能化に伴い、コンデンサにおいても高周波特性に優れることが要求されている。本実施形態のコンデンサ10は、上記のとおり、ESLを低減することができるため、高周波が要求される場合にも好適に用いることができる。
2.詳細
以下、図1A〜図3Cを参照して本実施形態に係るコンデンサ10について詳細に説明する。なお、図2Aは、本実施形態に係るコンデンサ10の斜視図である。図1Aは、図2Aの切断線L−Lにおけるコンデンサ10の断面図である。図1Bは、図1Aにおいて一点鎖線で示す部分を拡大した断面図である。また、図2Bは、図2Aに示すコンデンサ10から、熱収縮チューブ6を取り外した斜視図である。
本実施形態に係るコンデンサ10は、いわゆるケースレス構造を採用しており、特許文献1に記載されているような外装ケースを備えていない。つまり、コンデンサ10は、ケースレスコンデンサである。図1Aに示すように、コンデンサ10は、コンデンサ素子1と、一対の外部電極2(21,22)と、一対の金属キャップ3(31,32)と、を備える。好ましくは、コンデンサ素子1は、コンデンサ素子保護材51を更に備える。好ましくは、コンデンサ10は、介在部材52を更に備える。好ましくは、コンデンサ10は、熱収縮チューブ6を備える。以下、各構成要素について説明する。なお、本明細書において「A及び/又はB」という表現は、「A」、「B」、又は「A及びB」のいずれかを意味する。
<コンデンサ素子>
まずコンデンサ素子1(コンデンサ本体)について説明する。コンデンサ素子1は、プラスチックフィルムを誘電体として有する。コンデンサ素子1には、巻回型コンデンサ素子7(図6B参照)、及び積層型コンデンサ素子8(図7D参照)が含まれる。以下、巻回型コンデンサ素子7、及び積層型コンデンサ素子8について説明する。
<<巻回型コンデンサ素子>>
巻回型コンデンサ素子7は、例えば、次のようにして製造することができる。まず金属化フィルムを用意する。具体的には、金属化フィルムには、第1金属化フィルム71及び第2金属化フィルム72が含まれる(図6A参照)。
金属化フィルムは、誘電体フィルムと、導電層と、を有する。
具体的には、第1金属化フィルム71は、第1誘電体フィルム701と、第1導電層711と、を有する。第1誘電体フィルム701は、長尺状のフィルムである。第1誘電体フィルム701の片面に、第1マージン部721を除いて、第1導電層711が形成されている。第1マージン部721は、第1誘電体フィルム701が露出している部分である。第1マージン部721は、第1誘電体フィルム701の一方の長辺に沿って、第1導電層711よりも細い帯状に形成されている。
一方、第2金属化フィルム72は、第1金属化フィルム71と同様に形成されている。すなわち、第2金属化フィルム72は、第2誘電体フィルム702と、第2導電層712と、を有する。第2誘電体フィルム702は、第1誘電体フィルム701と同じ幅を有する長尺状のフィルムである。第2誘電体フィルム702の片面に、第2マージン部722を除いて、第2導電層712が形成されている。第2マージン部722は、第2誘電体フィルム702が露出している部分である。第2マージン部722は、第2誘電体フィルム702の一方の長辺に沿って、第2導電層712よりも細い帯状に形成されている。
第1誘電体フィルム701及び第2誘電体フィルム702は、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニルサルファイド又はポリスチレンなどで形成されている。第1導電層711及び第2導電層712は、蒸着法又はスパッタリング法などの方法で形成される。第1導電層711及び第2導電層712は、例えばアルミニウム、亜鉛及びマグネシウムなどで形成されている。
次に図6Aに示すように、第1金属化フィルム71及び第2金属化フィルム72の各々の2つの長辺を揃えて重ねる。このとき第1導電層711と第2導電層712との間に、第1誘電体フィルム701又は第2誘電体フィルム702を介在させる。さらに第1マージン部721が形成されている長辺と、第2マージン部722が形成されている長辺と、を逆にする。このように、第1金属化フィルム71及び第2金属化フィルム72を重ねた状態で巻き取ることによって、円柱状の巻回体73を得ることができる。次にこの巻回体73の側面を両側から押圧して、扁平状巻回体74に加工する(図6B参照)。扁平状巻回体74の断面形状は、長円状をなしている。このように扁平化することで、省スペース化を図ることができる。
以上のようにして、巻回型コンデンサ素子7が得られる。巻回型コンデンサ素子7の内部において、第1導電層711は第1内部電極となり、第2導電層712は第2内部電極となる。これらの一対の内部電極は、誘電体フィルム(第1誘電体フィルム701又は第2誘電体フィルム702)を介して対向している。
<<積層型コンデンサ素子>>
一方、積層型コンデンサ素子8は、例えば、次のようにして製造することができる。まず金属化フィルムを用意する。具体的には、金属化フィルムには、第1金属化フィルム81及び第2金属化フィルム82が含まれる(図7A参照)。
金属化フィルムは、誘電体フィルムと、導電層と、を有する。
具体的には、第1金属化フィルム81は、第1誘電体フィルム801と、第1導電層811と、を有する。第1誘電体フィルム801は、矩形状のフィルムである。第1誘電体フィルム801の片面に、第1マージン部821を除いて、第1導電層811が形成されている。第1マージン部821は、第1誘電体フィルム801が露出している部分である。第1マージン部821は、第1誘電体フィルム801の1つの辺に沿って、第1導電層811よりも細い帯状に形成されている。
一方、第2金属化フィルム82は、第1金属化フィルム81と同様に形成されている。すなわち、第2金属化フィルム82は、第2誘電体フィルム802と、第2導電層812と、を有する。第2誘電体フィルム802は、第1誘電体フィルム801と同じ大きさの矩形状のフィルムである。第2誘電体フィルム802の片面に、第2マージン部822を除いて、第2導電層812が形成されている。第2マージン部822は、第2誘電体フィルム802が露出している部分である。第2マージン部822は、第2誘電体フィルム802の1つの辺に沿って、第2導電層812よりも細い帯状に形成されている。
第1誘電体フィルム801及び第2誘電体フィルム802は、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニルサルファイド又はポリスチレンなどで形成されている。第1導電層811及び第2導電層812は、蒸着法又はスパッタリング法などの方法で形成される。第1導電層811及び第2導電層812は、例えばアルミニウム、亜鉛及びマグネシウムなどで形成されている。
次に、図7A及び図7Bに示すように、第1金属化フィルム81及び第2金属化フィルム82の四辺を揃えて交互に重ねる。このとき第1導電層811と第2導電層812との間に、第1誘電体フィルム801又は第2誘電体フィルム802を介在させる。さらに第1マージン部821が形成されている一辺と、第2マージン部822が形成されている一辺と、を逆にする。図7Aでは、第1マージン部821を後方(X軸の負の向き)に、第2マージン部822を前方(X軸の正の向き)に配置している。このように、複数の第1金属化フィルム81及び第2金属化フィルム82を積層して一体化することによって、図7B及び図7Cに示すような積層体83を得ることができる。さらに積層体83は、前面(X軸の正の向きに向いている面)及び後面(X軸の負の向きに向いている面)を除いて、保護フィルム84で被覆されている。保護フィルム84は、電気的絶縁性を有するフィルムである。
以上のようにして、積層型コンデンサ素子8が得られる。積層型コンデンサ素子8の内部において、第1導電層811は第1内部電極となり、第2導電層812は第2内部電極となる。これらの一対の内部電極は、誘電体フィルム(第1誘電体フィルム801又は第2誘電体フィルム802)を介して対向している。
<外部電極>
次に、外部電極2について説明する。図1Aに示すように、一対の外部電極2は、第1外部電極21及び第2外部電極22である。一対の外部電極2は、コンデンサ素子1の両端に設けられている。一対の外部電極2は、コンデンサ素子1の一対の内部電極の各々と電気的に接続されている。なお、本開示において、第1外部電極21と第2外部電極22とを区別しない場合は、単に外部電極2ということがある。
外部電極2は、例えば、メタリコン(金属溶射法)により形成することができる。外部電極2の材料は特に限定されないが、例えば亜鉛を含む。外部電極2は、亜鉛のみで形成されてもよく、亜鉛とスズなどの他の金属との混合物によって形成されていてもよい。さらに、外部電極2の材料としては、融点の低い材料を使用することが好ましい。この場合、メタリコンによって外部電極2を形成する際に、熱によってコンデンサ素子1に不良が生じにくくなる。外部電極2の材料は、例えば700℃以下の融点を有することが好ましく、450℃以下の融点を有することがより好ましい。
巻回型コンデンサ素子7の場合には、図6Bに示すように、メタリコンにより扁平状巻回体74の両端面に外部電極2(第1外部電極21及び第2外部電極22)を形成する。第1外部電極21は、第1導電層711(第1内部電極)に電気的に接続されている。第2外部電極22は、第2導電層712(第2内部電極)に電気的に接続されている。第1導電層711及び第2導電層712が一対の内部電極を構成している。
一方、積層型コンデンサ素子8の場合には、図7Dに示すように、メタリコンにより積層体83の前面及び後面に外部電極2(第1外部電極21及び第2外部電極22)を形成する。第1外部電極21は、第1導電層811(第1内部電極)に電気的に接続されている。第2外部電極22は、第2導電層812(第2内部電極)に電気的に接続されている。第1導電層811及び第2導電層812が一対の内部電極を構成している。
図1A〜図2Bに示すように、本実施形態に係るコンデンサ10は、コンデンサ素子1として、巻回型コンデンサ素子7を採用している。
<金属キャップ>
次に、金属キャップ3について説明する。本実施形態では、コンデンサ10は、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とを備えている。本開示において、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とを区別しない場合には、単に金属キャップ3ということもある。
金属キャップ3は、有底筒状をなす金属製のキャップである。金属キャップ3の開口部がコンデンサ素子1の両端部及び/又は外部電極2を覆うことで、外部電極2は、金属キャップ3で直接的又は間接的に被覆されうる。なお、本実施形態では、コンデンサ素子1が巻回型コンデンサ素子7であるため、金属キャップ3の開口部の形状は、長円形状をなしている。コンデンサ素子1が積層型コンデンサ素子8である場合には、金属キャップ3の開口部の形状は、矩形状をなしている。
一対の金属キャップ3は、上記のとおり、第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32である。一対の金属キャップ3は、コンデンサ素子1の両端に被せられている。このようにして、一対の金属キャップ3は、一対の外部電極2の各々を被覆する。本実施形態では、第1金属キャップ31が第1外部電極21を被覆し、第2金属キャップ32が第2外部電極22を被覆する。金属キャップ3の内底面と、外部電極2とは、電気的に接続されている。具体的には、第1金属キャップ31の内底面と、第2外部電極とが電気的に接続され、第2金属キャップ32の内底面と、第2外部電極とが電気的に接続されている。
また、本実施形態では、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とは、互いに絶縁されている。具体的には、第1金属キャップ31の外周面31aと第2金属キャップ32の内周面32bとは、互いに非接触である。このため、コンデンサ10は短絡を生じにくくできる。
さらに、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とは、第2方向D2に見て、少なくとも一部が重なっている。第2方向D2とは、第1方向D1と直交する方向である。第1方向D1は、第1外部電極21が第2外部電極22に向く方向である。このため、コンデンサ素子1の両端部及び側面部が一対の金属キャップ3で被覆され、また第1金属キャップ31の周面部の少なくとも一部が第2金属キャップ32の周面部(又は第2金属キャップ32の周面部の少なくとも一部が第1金属キャップ31の周縁部)に覆われていることで、水分及びガス等の侵入をしにくくなりうる。これにより、コンデンサ10は、優れた耐湿性を有しうる。さらに、コンデンサ10におけるESLを低減することができる。本開示において、第2方向D2は、第1方向D1と直交する面内に存在している。なお、図1Aでは、第1方向D1及び第2方向D2の一例として、側面断面視における方向を矢印で示している。また、本開示において、「第2方向に見て重なる」とは、一方の外周面の一部が他方の内周面の一部に物理的に接触して重ならず、非接触で重なっていることを意味する。本実施形態では、図1Aに示すように、第1金属キャップ31の外周面31aにおける開口縁31cが、第2金属キャップの内周面32bの開口縁32cに物理的に接触しておらず、非接触で重なっている。本実施形態では、図1Aに示すように、第1金属キャップ31の開口縁31cが、第2方向に見て、第2金属キャップ32の周面部(内周面32b)と少なくとも重なり、第2金属キャップ32の開口縁32cが、第2方向に見て、第1金属キャップの周面部(外周面31a)と少なくとも重なっている。第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とは、任意の第2方向D2に見て、重なっていることが好ましい。この場合、コンデンサ10の耐湿性を更に向上させやすく、またESRの低減にもより寄与しやすい。
金属キャップ3の寸法は、特に制限されないが、第1金属キャップ31の外周径(外周寸法)と第2金属キャップ32の外周径(外周寸法)は、互いに異なっていることが好ましい。第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とのうちいずれか一方の開口部の形状(開口縁31c,32cの形状)は、コンデンサ素子1の両端部の形状とほぼ同じか、又はコンデンサ素子1の両端部の形状よりも僅かに大きい周径を有する形状であることが好ましい。本実施形態では、金属キャップ3の外周径は、上記のとおり、コンデンサ素子1の外周径よりも大きい。そして、第1金属キャップ31の外周径と第2金属キャップ32の外周径とは異なる。具体的には、例えば第1金属キャップ31の外周径(外周寸法)は、第2金属キャップ32の外周寸法よりも小さいことが好ましい。例えば、一対の金属キャップ3が互いに有底円筒形状である場合において、第1金属キャップ31の半径が第2金属キャップ32の半径よりも小さい。この場合、コンデンサ素子1を第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32で被覆するにあたり、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32との絶縁を確保しやすい。
さらに、第1金属キャップ31の長さ寸法と、第2金属キャップ32の長さ寸法との和が、第1外部電極21から第2外部電極22までの長さよりも長く、かつ第1金属キャップ31の長さ寸法及び第2金属キャップの長さ寸法のいずれもが第1外部電極21から第2外部電極22までの長さより短いことが好ましい。この場合、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32とを、第2方向に見て、少なくとも開口縁31c,32cを重ならせることができる。各々の金属キャップは、金属キャップ3の周面の厚み、及び内底面の厚みを考慮して、一方の金属キャップ3の外周を他方の外周より大きく形成し、かつ一方の金属キャップ3の周縁部を他方の金属キャップ3の周縁部で被覆可能な長さに形成されていることが好ましい。なお、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32のうち外側に配置される一方の金属キャップ3の長さが、他方の金属キャップ3の長さが長く形成されていてもよい。
第1金属キャップ31は開口縁31cを有し、この開口縁31cは、コンデンサ素子1の外周面1a又は外周面1aより外側に位置する。第2金属キャップ32は開口縁32cを有し、この開口縁32cは、コンデンサ素子1の外周面1aより外側に位置する。また、本実施形態では、第2金属キャップ32の開口縁32cは、第1金属キャップの開口縁31cの外側に位置している。コンデンサ10において、第1金属キャップ31の開口縁31cは、コンデンサ素子1に接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
金属キャップ3は、内底面を有しているが、底面の形状は特に問わない。例えば第1外部電極21が第2外部電極22に向く方向(第1方向D1)に突出する凸部(不図示)を有して、内底面が形成されていてもよい。この場合、金属キャップ3と外部電極2との接触強度を高めることができる。
金属キャップ3の材料は、特に限定されない。金属キャップ3の材料は、外部電極2よりも、水蒸気などの水分及びガスを透過させにくい材料であればよい。この観点から、金属キャップ3の材料は、例えば銅を含む。第1金属キャップ31の材料と第2金属キャップ32の材料とは、同じであってよく、異なっていてもよい。
ここで、外部電極2がメタリコンにより形成される場合、外部電極2の厚みは均一ではないことがある。また、コンデンサ素子1の両端面(外部電極2が形成される面)は、第1金属化フィルム71及び第2金属化フィルム72の断面を複数含むため、平坦ではないことがある。そのため、外部電極2の表面には、微小な隙間及び外部電極2の層が薄くなる箇所が存在し得る。このような箇所から水蒸気などの水分及びガスが入り込むと、コンデンサ10に不良が生じたり、コンデンサ10の寿命が短くなったりするおそれがある。しかし、本実施形態では、金属キャップ3によって外部電極2が被覆されて、外部電極2が外気に直接触れないようにしていることで、水蒸気などの水分及びガスが入り込むことを抑制することができ、コンデンサ10の耐湿性を向上させることができる。
金属キャップ3は、コンデンサ素子1と一対の外部電極2の各々との境界部を被覆していてもよい。例えば、第2金属キャップ32よりも内側に配置される第1金属キャップ31がコンデンサ素子1の側面(外周面1a)の一部と、第1外部電極21との境界部を被覆していてもよい。この場合、金属キャップ3の開口縁の外周径は、コンデンサ素子1の外周径と同程度に形成されている。上述のように、外部電極2は、メタリコンによりコンデンサ素子1の両端面に形成されている。このコンデンサ素子1と外部電極2の各々との境界部には微小な隙間が存在するおそれがあり、この隙間から水蒸気などの水分及びガスが入り込むおそれがある。しかし、金属キャップ3によってこの境界部が被覆されていると、コンデンサ10の耐湿性を更に向上させることができる。なお、図1Aでは、後述するコンデンサ素子保護材51を介して、金属キャップ3は、コンデンサ素子1と外部電極2との境界部を被覆している。
コンデンサ10を作製するにあたり、金属キャップ3は、例えば次のようにしてコンデンサ素子1に装着される。ただし、金属キャップ3をコンデンサ素子1に装着する方法は、下記に限られない。
まず、コンデンサ素子1の両端の各々に第1外部電極21及び第2外部電極22が設けられたコンデンサ素子1と、第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32とを準備する。なお、図1Aでは、後述するコンデンサ素子保護材51でコンデンサ素子1を被覆した後に金属キャップ3を装着しているため、コンデンサ素子保護材51で被覆したコンデンサ素子1の端部の形状に合う大きさの第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32を用いている。特に、本実施形態では、図3A〜Cに示すように、第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32はいずれも、金属キャップ3(31,32)の開口縁3c(31c,32c)の外周径(外周寸法)がコンデンサ素子1の端部の外周径(外周寸法)よりも大きいものを用いている。図2A及び図2Bに示すように、巻回型コンデンサ素子7を用いる場合、金属キャップ3は、一方の底面が開口した楕円柱の形状を有する。金属キャップ3の形状は、楕円柱の形状に限られず、外部電極2を被覆するようにコンデンサ素子1の端部に装着可能な形状であればよい。例えば、積層型コンデンサ素子8を用いる場合、金属キャップ3は、一面が開口した直方体の形状を有していてもよい。
図3Aに示すように、コンデンサ素子1の一方の端部(第1外部電極21)側から第1金属キャップ31を移動させることにより、第1金属キャップ31を装着する。続いて、コンデンサ素子1の、前記とは反対側の端部(第2電極22)側から第2金属キャップ32を移動させることにより第2金属キャップ32を装着する(図3B参照)。
第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32の各々と、コンデンサ素子1の第1外部電極21及び第2外部電極22の各々との接続は、例えば次のようにして行うことができる。
第1外部電極21及び第2外部電極22の各々が設けられたコンデンサ素子1と、第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32を用意し、コンデンサ素子1に第1外部電極21側から第1金属キャップ31を被せる。続いて、第1外部電極21と、第1金属キャップ31とを溶接することで、第1外部電極21と、第1金属キャップ31とが接続される。続いて、第2外部電極22側から第2金属キャップ32を被せる。この際、先に溶接した第1金属キャップ31の開口縁31c及び第1金属キャップ31の外周面31aに接触しないように、第2金属キャップ32を第2外部電極22に被せる。続いて、第2外部電極22と第2金属キャップ32とを溶接することで、第2外部電極22と、第2金属キャップ32とが接続される。これにより、第1外部電極21と第1金属キャップ31、及び第2外部電極22と第2金属キャップ32の各々が電気的に接続されたコンデンサ10を得ることができる。溶接は、例えば抵抗溶接、超音波溶接、及びレーザー溶接等によって接着する方法が挙げられる。
第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32の各々と、コンデンサ素子1の第1外部電極21及び第2外部電極22の各々との接続は、次のように行ってもよい。
例えば、まずホットプレート上に第1金属キャップ31を並べる。このときホットプレートと第1金属キャップ31の底面(外側の底面)とが接するようにする。はんだボールを第1金属キャップ31の内部の内底面に配置した後、第1外部電極21が設けられた端部を第1金属キャップ31内に入れる。ホットプレートの熱ではんだボールが溶融し、第1外部電極21と第1金属キャップ31とが、溶融したはんだボールによって接着される。続いて、ホットプレート上に第2金属キャップ32を並べる。このとき、ホットプレートと第2金属キャップ32の底面とが接するようにする。はんだボールを第2金属キャップ32の内底面に配置した後、上記の第1金属キャップ31を第1外部電極21に接続したコンデンサ素子1の第2外部電極22が設けられた端部を第2金属キャップ32内に入れる。ホットプレートの熱ではんだボールが溶融し、第2外部電極22と第2金属キャップ32とが、溶融したはんだボールによって接着される。このようにして、第1金属キャップ31及び第2金属キャップを備えるコンデンサ10を得ることができる。外部電極2と金属キャップ3とは接しているため、電気的にも接続される。
コンデンサ10が、後述のバスバー9を備える場合(図4〜図5B参照)には、バスバー9を金属キャップ3に接着させることで接続してから、金属キャップ3を外部電極2と接続してもよい。バスバー9の接続方法については、後述する。
上記の説明では、図1Aを参照して、第1金属キャップ31の外周径(外周寸法)が第2金属キャップ32の外周径(外周寸法)よりも小さく、かつ第1金属キャップ31が第2金属キャップ32の内側に位置する場合について説明したがこれに限られない。なお、本実施形態において、第1と第2とは、説明の便宜上に設けた名称の差異に過ぎず、上記関係を満たす限り、適宜入れ替え可能である。
<コンデンサ素子保護材>
図1Aに示すように、コンデンサ10は、コンデンサ素子保護材51を備えることが好ましい。コンデンサ素子保護材51は、電気的絶縁性を有している。コンデンサ素子保護材51は、コンデンサ素子1の少なくとも一部を被覆して保護する部材である。この場合、コンデンサ素子1及び金属キャップ3と、外部機器との絶縁信頼性を向上できる。また、コンデンサ素子1の表面からの吸湿を防止しやすくなる。
本実施形態のコンデンサ10では、第1金属キャップ31及び第1外部電極21とコンデンサ素子1との間にコンデンサ素子保護材51が介在している。具体的には、コンデンサ素子保護材51は、コンデンサ素子1の外周面1a及び外部電極2の一部を被覆し、第1金属キャップ31の内周面31bと接触している。
コンデンサ素子1に金属キャップ3を装着するにあたり、コンデンサ素子保護材51を形成するには、例えば次のように行うことができる。
例えば、図3Aに示すように、圧縮可能な成形機などの装置の型内に、コンデンサ素子1の両端に第1外部電極21及び第2外部電極22を形成したコンデンサ素子1と、第1金属キャップ31及び第2金属キャップの各々とを配置してから、第1金属キャップ31が第1外部電極21を覆い、かつ第2金属キャップ32が第2外部電極22を覆うように両側から一対の金属キャップ3(第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32)を被せる(図3B参照)。この際、第2金属キャップ32は、第1金属キャップ31の開口縁31c及び第1金属キャップ31の外周面31aに接触しないように、第2外部電極22に接続される。また、第1金属キャップ31は、第2金属キャップ32の開口縁32c及び第2金属キャップ32の内周面32bに接触しないように、第1外部電極21に接続される。続いて、コンデンサ素子保護材51を作製するための絶縁材料を注入することで、絶縁材料を充填する。必要により、加熱及び加圧することで、絶縁材料を硬化させ、コンデンサ素子保護材51が形成される。これにより、コンデンサ素子1をコンデンサ素子保護材51で被覆できる(図3C参照)。なお、コンデンサ素子保護材51の作製するにあたっては、既に説明した通り、コンデンサ素子1に予め絶縁材料(絶縁フィルム等)を配置しておくことで、作製されていてもよい。配置する絶縁材料は、絶縁フィルムであってもよい。この状態で、コンデンサ素子1の両端部を覆うように両側から第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32の各々を被せてから、必要により加熱することで、絶縁材料を硬化させて、コンデンサ素子保護材51が作製できる。続いて、後述する介在部材52を作製するための材料を、第1金属キャップ31(の外周面31a)と第2金属キャップ32(の内周面32b)との間に充填し、必要により加熱することで、絶縁材料を硬化させて、介在部材52を作製してもよい。ただし、コンデンサ素子保護材51を形成する方法は前記に限られない。
コンデンサ素子保護材51の材料は特に限定されず、電気的絶縁性を有する材料であればよい。コンデンサ素子保護材51の材料として、コンデンサ素子1の表面よりも水蒸気などの水分及びガスを透過させにくい材料を用いることが好ましい。この場合、コンデンサ10の耐湿性をより向上させることができる。
コンデンサ素子保護材51は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、コンデンサ素子1の表面からの吸湿をより防止しやすくなり、コンデンサ10の耐湿性をより向上させることができる。
絶縁性フィルムは、特に限定されず、絶縁性を有するフィルムであればよい。絶縁性フィルムの材質の具体例は、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリイミド等を含む。
ガスバリアフィルムは、特に限定されず、絶縁性を有し、かつ水蒸気などのガスを透過させにくい性質を有するフィルムであればよい。ガスバリアフィルムとして、基材フィルムと、基材フィルム上に形成されたガスバリア層と、を有するフィルムを用いることができる。基材フィルムは、特に限定されない。基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(融点265℃、ガラス転移点80℃(TMA法))、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム(融点280℃、ガラス転移点100℃)、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム(ガラス転移点220℃)、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム(ガラス転移点220℃)、及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム(融点340℃、ガラス転移点140℃)などを用いることができる。これらのフィルムは、耐熱性にも優れているため、コンデンサ10の耐熱性を高めることもできる。なお、上記の融点及びガラス転移点は、DSC法(昇温速度:10℃/min)によるデータである。ガスバリア層は、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくともいずれかを含む。ガスバリア層は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、又はプラズマCVD法などにより形成可能である。
プリプレグの硬化物は、プリプレグが完全に硬化し、C−ステージ状態にあることを意味する。C−ステージとは不溶不融の状態であり、硬化反応の最終状態である。プリプレグは、補強材と、熱硬化性樹脂組成物と、を含む。
補強材としては、特に限定されないが、例えば有機繊維又は無機繊維の織布、又は不織布等が挙げられる。補強材は、例えばガラスクロス及びPET繊維の不織布を含む。
熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定されないが、例えば硬化反応前の常温(25℃)において、液状である熱硬化性樹脂を含有する組成物を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、は特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びポリイミド樹脂などが挙げられる。これらの中ではエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、耐熱性、耐薬品性、強靭性、電気絶縁性及び接着性などの特性に優れている。熱硬化性樹脂組成物の硬化温度は、120℃以下であることが好ましい。この場合、プリプレグを硬化させる際の熱によるコンデンサ素子1への影響を小さくすることができる。熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含有してもよい。無機充填材は特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化硼素、マグネシア、ベーマイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及びタルクなどが挙げられる。また、熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、公知の硬化剤及び触媒などを含有してもよい。
図1Aに示すように、コンデンサ素子保護材51は、コンデンサ素子1と一対の外部電極2の各々との境界部を被覆してもよい。コンデンサ素子保護材51の端部は、コンデンサ素子1と外部電極2との境界部よりも外側に延伸していてもよい。本実施形態では、特にコンデンサ素子保護材51がコンデンサ素子1と第1外部電極21との境界部を被覆している。上述のように、外部電極2は、メタリコンによりコンデンサ素子1の両端に形成されている。コンデンサ素子1と一対の外部電極2の各々との境界部には微小な隙間が存在するおそれがあり、この隙間から水蒸気などの水分及びガスが入り込むおそれがある。しかし、コンデンサ素子保護材51によってこの境界部が被覆されていれば、コンデンサ10の耐湿性を更に向上させることができる。図1Aでは、コンデンサ素子保護材51が、コンデンサ素子1と一対の外部電極2の各々との境界部を被覆し、さらにコンデンサ素子保護材51(及び/又は介在部材52)を介して一対の金属キャップ3が上記の境界部を被覆している。そのため、上記の境界部の隙間から水蒸気などの水分及びガスが入り込むことをより抑制することができる。
また、本実施形態では、コンデンサ素子1に第1金属キャップ31を装着した後に、コンデンサ素子1をコンデンサ素子保護材51で被覆する場合について説明しているが、この態様に限られない。例えば、コンデンサ素子1をコンデンサ素子保護材51で被覆した後に、金属キャップ3を装着してもよい。この場合、コンデンサ素子保護材51で被覆したコンデンサ素子1の端部の形状に合う大きさの金属キャップ3を用いることができる。またコンデンサ素子1を先にコンデンサ素子保護材51で被覆する場合には、第2金属キャップ32は、第1金属キャップ31と接触しないように、コンデンサ素子1を、絶縁性保護材5を介して装着することが好ましい。
<介在部材>
図1Aに示すように、コンデンサ10は、介在部材52を更に備えることが好ましい。介在部材52は、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32との間に介在する。介在部材52は、電気的絶縁性を有している。介在部材52は、第1金属キャップ31又は第2金属キャップ32のいずれか一方の内側で、間接的にコンデンサ素子1を被覆することが好ましい。この場合、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32との間の絶縁性を向上できる。すなわち、介在部材52によって、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32との絶縁をより良好に確保することができる。また、この場合、コンデンサ素子1の表面からの水分の吸湿を抑制することにも寄与しうる。本実施形態では、介在部材52は、第2金属キャップ32より内側で、第1金属キャップ31の外周面31aを被覆している。
介在部材52の材料は、既に述べたコンデンサ素子保護材51として使用可能な材料を用いることができる。コンデンサ10がコンデンサ素子保護材51及び介在部材52との両方を備える場合、コンデンサ素子保護材51と介在部材52とは同じ材料で形成されていてもよく、異なる材料で形成されていてもよい。
介在部材52は、コンデンサ素子保護材51と同様に、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。この場合、コンデンサ素子1の表面からの吸湿をより抑制しやすくなり、コンデンサ10の耐湿性をより向上させることができる。
コンデンサ10における金属キャップ3を装着するにあたっては、例えば次のようにしてコンデンサ素子1に装着されてもよい。コンデンサ素子1に第1の絶縁材料(例えば絶縁性フィルム)を巻くなどによりコンデンサ素子1を被覆することでコンデンサ素子保護材51を作製してから、第1金属キャップ31を被せる。続いて、第1金属キャップ31の外周面31aと、コンデンサ素子1のうち第1金属キャップ31に覆われていない部分(コンデンサ素子保護材51の外周面)と、を第2の絶縁材料で巻くなどにより、第1金属キャップ31を覆う介在部材52を作製してから、第2金属キャップ32を被せる。これにより、コンデンサ素子1の両端に一対の金属キャップ3(31,32)が装着されたコンデンサ10が得られる。
上記では、介在部材52を、コンデンサ素子保護材51とは区別して作製する場合(すなわち各々の材料により別体で形成される場合)について説明したが、コンデンサ素子保護材51と介在部材52とが一体に形成されることで、一体化されていてもよい。言い換えれば、コンデンサ10は、コンデンサ素子1を被覆し、かつ第1金属キャップ31と第2金属キャップ32との間に介在する絶縁性保護材5を備えていてもよい。この場合、絶縁性保護材5は、上述のコンデンサ素子保護材51と介在部材52との両方の機能を有する。また、この場合、コンデンサ素子保護材51と介在部材52とは、同じ材料で作製されうる。
絶縁性保護材5を作製するには、例えば、図3A〜Cに示すように、圧縮可能な成形機などの装置の型内に、コンデンサ素子1の両端に第1外部電極21及び第2外部電極22を形成したコンデンサ素子1と、第1金属キャップ31及び第2金属キャップの各々とを配置してから、第1金属キャップ31が第1外部電極21を覆い、かつ第2金属キャップ32が第2外部電極22を覆うように両側から一対の金属キャップ3(第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32)を被せる(図3B参照)。この際、第2金属キャップ32は、第1金属キャップ31の開口縁31c及び第1金属キャップ31の外周面31aに接触しないように、第2外部電極22に接続される。第1金属キャップ31は、第2金属キャップ32の開口縁32c及び第2金属キャップ32の内周面32bに接触しないように、第1外部電極21に接続される。この場合において、図3Bに示すように、各部材は、型内で隙間S1が開いた状態で固定されている。続いて、絶縁性保護材5を作製するための絶縁材料を、隙間S1に注入することで、絶縁材料を充填する。必要により、加熱及び加熱することで、充填した絶縁材料を硬化させることで、絶縁性保護材5が形成される。これにより、コンデンサ素子1を被覆し、かつ第1金属キャップ31と第2金属キャップ32との間に介在する絶縁性保護材5を備えるコンデンサ10が得られる。
なお、コンデンサ素子保護材51と介在部材52とは、一体に形成していなくても、例えば異なる絶縁材料から各々の保護材を作製する場合であっても、加熱により各々の絶縁材料が溶融することで混ざり合い、結果として一体化することもありうる。
<熱収縮チューブ>
図1A,B及び図2Aに示すように、コンデンサ10は、熱収縮チューブ6を更に備えることが好ましい。熱収縮チューブ6は、コンデンサ素子1の少なくとも一部を被覆する。好ましくは、熱収縮チューブ6は、コンデンサ素子1の側面全体を被覆する。熱収縮チューブ6は、チューブ状に形成された樹脂部材であり、熱を加えると収縮する性質を有する。例えば、熱収縮チューブ6をコンデンサ10とほぼ同じ長さに切り取り、切り取った熱収縮チューブ6をコンデンサ10にはめて加熱することで、熱収縮チューブ6が収縮し、これによってコンデンサ10に熱収縮チューブ6を密着させることができる。熱収縮チューブ6の材料、厚み、及び大きさは特に限定されない。熱収縮チューブ6としては、コンデンサ10の大きさに合わせて任意のものを用いることができる。コンデンサ10が熱収縮チューブ6を更に備えることで、コンデンサ素子1の内部に水蒸気などの水分及びガスが侵入することを更に抑制することができ、コンデンサ10はより優れた耐湿性を有し得る。なお、図1Aに示すように、熱収縮チューブ6は、コンデンサ10の最外層に装着されることが好ましい。
本実施形態では、図1A及び図2Aに示すように、コンデンサ10の最外層に熱収縮チューブ6が設けられている。しかし、上述のように、コンデンサ10は、熱収縮チューブ6を備えていなくてもよい。すなわち、コンデンサ10は、図2Bに示すように、熱収縮チューブ6を備えなくてもよい。図2Bでは、コンデンサ10には、コンデンサ素子1の側面(外周面1a)全体を被覆するコンデンサ素子保護材51と、第1外部電極21及び第2外部電極22の各々を被覆する第1金属キャップ31及び第2金属キャップ32と、第1金属キャップ31と第2金属キャップ32との間に介在する介在部材52と、が設けられている。
<バスバー>
図4〜図5Bを参照しながら、本実施形態に係るコンデンサ10の変形例の一例について説明する。図5Aは、バスバー9を備えるコンデンサ10の斜視図である。図4は、図5AのL−L線断面図である。図5Aは、熱収縮チューブを備えるコンデンサ10の斜視図であり、図5Bは、熱収縮チューブを備えないコンデンサ10の斜視図である。
図4に示すように、コンデンサ10は、一対のバスバー9を更に備えることが好ましい。一対のバスバー9は、第1バスバー91及び第2バスバー92である。本実施形態では、一対のバスバー9は、一対の金属キャップ3の各々に接着して、一対のバスバー9と一対の外部電極2とを、一対の金属キャップ3を介して、電気的に接続することができる。具体的には、第1バスバー91を第1金属キャップ31に接着することで、これらを電気的に接続する。続いて、第1バスバー91を接着した第1金属キャップ31を、第1外部電極21を備えるコンデンサ素子1に装着することで第1金属キャップ31と第1外部電極21とを電気的に接続する。同様に、第2バスバー92を第2金属キャップ32に接着することで、これらを電気的に接続する。続いて、第2バスバー92を接着した第2金属キャップ32を、第2外部電極22を備えるコンデンサ素子1に装着することで、第2金属キャップ32と第2外部電極22とを電気的に接続する。これにより、バスバー9を備えるコンデンサ10を得ることができる。
一対のバスバー9としては、特に限定されないが、例えば銅又は銅合金などが板状に形成されたものを用いることができる。一対のバスバーを一対の外部電極2の各々に接着する方法としては、特に限定されないが、例えば半田溶接、抵抗溶接、及び超音波溶接などによって接着する方法が挙げられる。
上記では、バスバー9を金属キャップ3に接着してから、外部電極2と電気的に接続することを説明したが、金属キャップ3にバスバー9を接続する順序はこれに限られず、例えば金属キャップ3を、外部電極2を備えるコンデンサ素子1に装着してから、金属キャップ3にバスバー9を接着してもよい。すなわち、例えば第1金属キャップ31を第1外部電極21に装着してから、第1金属キャップ31に第1バスバー91を接着してもよい。第2金属キャップに第2バスバー92を接続する順序についても同様、第2金属キャップ32を第2外部電極22に装着してから、第2金属キャップ32に第2バスバー92を接着してもよい。
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様に係るコンデンサ(10)は、コンデンサ素子(1)と、第1外部電極(21)及び第2外部電極(22)と、第1金属キャップ(31)と、第2金属キャップ(32)と、を備える。前記第1外部電極(21)及び前記第2外部(22)は、前記コンデンサ素子(1)の両端に各々設けられる。前記第1金属キャップ(31)は、前記第1外部電極(21)を被覆する。前記第2金属キャップ(32)は、前記第2外部電極を被覆する。前記第1金属キャップ(31)と前記第2金属キャップ(32)とは、互いに絶縁されており、かつ前記第1外部電極(21)が前記第2外部電極(22)に向く第1方向(D1)と直交する第2方向(D2)に見て、少なくとも一部が重なっている。
第1の態様によれば、コンデンサ(10)の軽量化が実現でき、またコンデンサ(10)は、優れた耐湿性を有する。また、この場合、コンデンサ(10)では、ESLを低減できうる。
第2の態様に係るコンデンサ(10)は、第1の態様において、前記第1金属キャップ(31)と前記第2金属キャップ(32)との間に介在する介在部材(52)を更に備える。
第2の態様によれば、介在部材(52)によって、第1金属キャップ(31)と第2金属キャップ(32)との絶縁をより良好に確保することができる。
第3の態様に係るコンデンサ(10)では、第2の態様において、前記介在部材(52)は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含む。
第3の態様によれば、コンデンサ素子(1)の表面からの吸湿をより防止しやすくなるとともに、短絡を防ぎやすくなる。
第4の態様に係るコンデンサ(10)では、第1から第3のいずれかの一つ態様において、前記コンデンサ素子(1)と、前記第1金属キャップ(31)と前記第2金属キャップ(32)とのうちの少なくとも一方又は両方と、の間に介在するコンデンサ素子保護材(51)を備える。
第4の態様によれば、コンデンサ素子(1)の表面からの吸湿をより防止しやすくなるとともに、短絡をより防ぎやすくなる。
第5の態様に係るコンデンサ(10)は、第4の態様において、コンデンサ素子保護材(51)は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含む。
第5の態様によれば、コンデンサ(10)の耐湿性を更に高めることができる。
第6の態様に係るコンデンサ(10)では、第1から第5のいずれか一つの態様において、前記コンデンサ素子(1)の少なくとも一部を被覆する熱収縮チューブ(6)を更に備える。
第6の態様によれば、コンデンサ(10)の耐湿性を更に高めることができ、コンデンサ(10)と外部機器との絶縁信頼性を更に高めやすい。
10 コンデンサ
1 コンデンサ素子
2 外部電極
21 第1外部電極
22 第2外部電極
3 金属キャップ
31 第1金属キャップ
32 第2金属キャップ
51 コンデンサ素子保護材
52 介在部材
6 熱収縮チューブ
D1 第1方向
D2 第2方向

Claims (6)

  1. コンデンサ素子と、
    前記コンデンサ素子の両端の各々に設けられた第1外部電極及び第2外部電極と、
    前記第1外部電極を被覆する第1金属キャップと、
    前記第2外部電極と被覆する第2金属キャップと、を備え、
    前記第1金属キャップと前記第2金属キャップとは、互いに絶縁されており、かつ前記第1外部電極が前記第2外部電極に向く第1方向と直交する第2方向に見て、少なくとも一部が重なっている、
    コンデンサ。
  2. 前記第1金属キャップと前記第2金属キャップとの間に介在する介在部材を更に備える、
    請求項1に記載のコンデンサ。
  3. 前記介在部材は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含む、
    請求項2に記載のコンデンサ。
  4. 前記コンデンサ素子と、前記第1金属キャップと前記第2金属キャップとのうちの少なくとも一方又は両方と、の間に介在するコンデンサ素子保護材を備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のコンデンサ。
  5. 前記コンデンサ素子保護材は、絶縁性フィルム、ガスバリアフィルム、及びプリプレグの硬化物からなる群から選択される少なくとも一種の材料を含む、
    請求項4に記載のコンデンサ。
  6. 前記コンデンサ素子の少なくとも一部を被覆する熱収縮チューブを更に備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のコンデンサ。
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