JP7243430B2 - 内燃機関用のスパークプラグ及び内燃機関 - Google Patents
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Description
かかる内燃機関は、副室において混合気に着火することにより火炎を形成する。そして、副室内にて生じた火炎を、副室と主燃焼室とを連通させる噴孔から噴出させる。これにより、主燃焼室内に火炎を伝搬させて混合気を燃焼させる。
特許文献1においては、副室内の気流の跳ね返り効果を利用して、火炎の成長を促進することが開示されている。
該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内側に保持されると共に、該絶縁碍子の先端側に突出した中心電極(4)と、
該中心電極に外周側から対向して、上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(5)と、
上記ハウジングの先端部に設けられた副室形成部(6)と、を有し、
上記副室形成部の内側には、上記放電ギャップが配置される副室(60)が形成されており、
上記副室形成部は、上記副室と上記副室形成部の外部とを連通させる複数の噴孔(61)を有し、
上記複数の噴孔のうちの少なくとも一つは、プラグ中心軸(C)に対して上記放電ギャップが配される側に形成されたギャップ側噴孔(611)であり、
上記接地電極は、上記副室の内壁面(62)から突出すると共に、プラグ軸方向の基端側の面に、上記プラグ中心軸に近付くほど、プラグ軸方向の先端側へ向かうように傾斜した接地傾斜面(52)を有し、
上記接地傾斜面のプラグ中心軸側の端縁である斜面先端縁(521)は、上記中心電極との間に上記放電ギャップを形成しており、
上記接地傾斜面は、傾斜方向に沿った傾斜溝部(523)を有し、該傾斜溝部は、上記斜面先端縁に近付くほど幅が小さくなるように形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(10)にある。
上記放電ギャップは、上記プラグ中心軸よりも、上記内燃機関の主燃焼室(11)内における気流(A)の上流側に配置されている、内燃機関にある。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
内燃機関及びスパークプラグに係る実施形態について、図1~図9を参照して説明する。
本形態の内燃機関1は、図1に示すごとく、スパークプラグ10が取り付けられた内燃機関である。
なお、副室60は、中心電極4の周辺における、ハウジング2の先端部の内周側の空間をも含む。したがって、副室60の内壁面62は、副室形成部6の内面の他、ハウジング2の先端部の内面をも含む。
主燃焼室11を構成するシリンダ内に、ピストン14が摺動可能に配置されている。
そして、「主燃焼室11内の気流」或いは「主室気流」というときは、特に断らない限り、上述の、点火タイミングにおける、スパークプラグ10の先端部付近の気流を意味する。また、単に「上流側」、「下流側」というときは、特に断らない限り、上記「主燃焼室11内の気流」すなわち上記「主室気流」における、上流側、下流側を意味する。
下流側のポケット部15に入ったガスの主流は、ポケット部15内において上流側に向きを変えると共に、上流側のポケット部15に沿って、先端側へ向かう。そして、ガスの一部は、放電ギャップGを先端側へ向かって通過する。
以上のガスの流れ(すなわち気流A1)は、あくまでも主流であり、必ずしもすべてのガスがそのような流れとなるとは限らない。
上記内燃機関1において、放電ギャップGは、プラグ中心軸Cよりも、主室気流Aの上流側に配置されている。それゆえ、スパークプラグ10のギャップ側噴孔611も、主室気流Aの上流側を向かせることができ、ギャップ側噴孔611から副室60内へ気流が導入されやすい。そして、副室60内に導入された気流A1は、副室60内にて循環して、プラグ中心軸Cよりも主室気流Aの上流側の位置においてプラグ軸方向Xの先端側へ向かう。接地電極5は、接地傾斜面52を有する。それゆえ、副室60内におけるプラグ軸方向Xの先端側へ向かう気流の一部は、接地傾斜面52によってガイドされ、プラグ中心軸C側へ向かう。そうすると、放電ギャップGに生じた放電Sを、副室60の中央付近に向って引き伸ばすことができる(図9参照)。それゆえ、副室60内における着火性を向上させることができる。その結果、副室60内の燃焼が促進され、噴孔61から主燃焼室11への火炎噴出を強化することができる。
本形態は、図10~図13に示すごとく、接地傾斜面52の斜面先端縁521を、凹状曲線状に形成した形態である。
すなわち、図13に示すごとく、プラグ軸方向Xから見て、斜面先端縁521が凹状曲線状となっている。
その他は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本形態は、図14に示すごとく、接地電極5における接地先端側面53を、プラグ径方向に平行に形成した形態である。
すなわち、接地電極5は、Y方向から見て、略直角三角形状を有する。
その他は、実施形態1と同様である。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本形態は、図15~図18に示すごとく、接地電極5を、プラグ軸方向Xから見て、略扇形状とした形態である。
これに伴い、接地傾斜面52も、略扇形形状となっている。
その他は、実施形態1と同様である。
また、接地傾斜面52が傾斜溝部523を有し、傾斜溝部523は斜面先端縁521に近付くほど幅が小さくなるように形成されている。これにより、基端側から接地傾斜面52にガイドされる気流A1は、より斜面先端縁521に集まりやすくなる(図17の矢印A1参照)。その結果、放電ギャップGを斜め先端側に向って吹き抜ける気流A1の速度を向上させることができる。その結果、放電の引き伸ばし効果をより得やすい。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本形態は、図19~図21に示すごとく、プラグ軸方向Xを含む平面による断面形状において、接地傾斜面52を、凹状の曲線形状とした形態である。
また、この接地傾斜面52は、実施形態4と同様に、傾斜溝部523をも構成している。つまり、接地傾斜面52が、プラグ周方向の両端よりも、その内側の方がプラグ先端側へ凹んだ形状となるように形成されている。そして、この傾斜溝部523は、斜面先端縁521に近付くほど幅が狭くなる形状に形成されている。また、傾斜溝部523は、幅方向及びプラグ軸方向Xに沿った断面における曲率半径も、斜面先端縁521に近付くほど小さくなるような形状に、形成されている。
その他は、実施形態4と同様である。
本形態は、図22~図24に示すごとく、接地先端側面53を、ギャップ側噴孔611の開口方向の延長線L1に平行に形成した形態である。
特に本形態においては、ギャップ側噴孔611の基端面の延長線L3に沿うように、接地先端側面53を形成している。
その他は、実施形態4と同様である。
本形態は、図25に示すごとく、中心電極4の電極突出部41の突出端面に、傾斜面411を設けた形態である。
この傾斜面411は、プラグ軸方向Xの先端側へ向かうにつれてプラグ中心軸Cに近付くような傾斜となっている。
その他は、実施形態1と同様である。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
本形態は、図26、図27に示すごとく、中心電極4の先端部に、直径の大きい大径部42を設けた形態である。
すなわち、中心電極4の先端部を、その全周にわたり、径方向に突出させている。これにより、放電ギャップGの位置をプラグ中心軸Cから遠ざけている。そして、ポケット部15からの気流A1が放電ギャップGを先端側へ通過するように構成している。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態は、図28、図29に示すごとく、副室60内に、傾斜隆起部7を形成した形態である。
傾斜隆起部7は、ギャップ側噴孔611から遠ざかるほど基端側へ向かうように傾斜したギャップ側傾斜面71を基端側に備えている。また、ギャップ側傾斜面71は、プラグ軸方向Xに直交する断面の形状が、直線状である
その他は、実施形態1と同様である。
10 スパークプラグ
4 中心電極
5 接地電極
52 接地傾斜面
521 斜面先端縁
6 副室形成部
60 副室
61 噴孔
611 ギャップ側噴孔
Claims (5)
- 筒状のハウジング(2)と、
該ハウジングの内側に保持された筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内側に保持されると共に、該絶縁碍子の先端側に突出した中心電極(4)と、
該中心電極に外周側から対向して、上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(5)と、
上記ハウジングの先端部に設けられた副室形成部(6)と、を有し、
上記副室形成部の内側には、上記放電ギャップが配置される副室(60)が形成されており、
上記副室形成部は、上記副室と上記副室形成部の外部とを連通させる複数の噴孔(61)を有し、
上記複数の噴孔のうちの少なくとも一つは、プラグ中心軸(C)に対して上記放電ギャップが配される側に形成されたギャップ側噴孔(611)であり、
上記接地電極は、上記副室の内壁面(62)から突出すると共に、プラグ軸方向の基端側の面に、上記プラグ中心軸に近付くほど、プラグ軸方向の先端側へ向かうように傾斜した接地傾斜面(52)を有し、
上記接地傾斜面のプラグ中心軸側の端縁である斜面先端縁(521)は、上記中心電極との間に上記放電ギャップを形成しており、
上記接地傾斜面は、傾斜方向に沿った傾斜溝部(523)を有し、該傾斜溝部は、上記斜面先端縁に近付くほど幅が小さくなるように形成されている、内燃機関用のスパークプラグ(10)。 - 上記接地電極は、プラグ軸方向の先端側の面である接地先端側面(53)を有し、該接地先端側面は、プラグ径方向に平行、又は、プラグ中心軸に近付くほど基端側に向かうように傾斜している、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ(10)。
- プラグ軸方向から見たとき、上記接地電極と上記中心電極との対向方向に直交する方向において、上記接地傾斜面の幅が、上記中心電極の幅以上である、請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
- 上記斜面先端縁は、プラグ軸方向において、上記中心電極の先端部に対して同等の位置又は先端側の位置に配置されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグを備えた内燃機関(1)であって、
上記放電ギャップは、上記プラグ中心軸よりも、上記内燃機関の主燃焼室(11)内における気流(A)の上流側に配置されている、内燃機関。
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