JP2022075603A - 内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関 - Google Patents

内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関 Download PDF

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明光 杉浦
Akimitsu Sugiura
大祐 嶋本
Daisuke Shimamoto
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Shota Kinoshita
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Abstract

【課題】着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関を提供すること。【解決手段】内燃機関用のスパークプラグ1において、放電ギャップGは、中心電極4の先端部と接地電極6の基端面61とが、プラグ軸方向に互いに対向することにより形成されている。プラグカバー5には、大噴孔51と小噴孔52とが形成されている。大噴孔51は、プラグ軸方向に対して傾斜して開口している。プラグ中心軸Cを含む所定の平面Pによってスパークプラグ1を第一プラグ部11と第二プラグ部12とに2分割したとき、少なくとも2つの大噴孔51のいずれもが、第一プラグ部11に形成されている。プラグ軸方向から見たとき、第一プラグ部11において、接地電極6の固定端部62は、プラグ周方向における、少なくとも2つの大噴孔51のそれぞれの中心軸の延長線51L同士の間に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関に関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、先端に副燃焼室を備えたスパークプラグが知られている。当該スパークプラグにおいて、副燃焼室を覆うカバー部には、複数の噴孔が形成されている。これにより、噴孔を介して副燃焼室から主燃焼室に火炎を噴出させ、主燃焼室の混合気を燃焼させようとしている。
特開2020-009747号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスパークプラグは、副燃焼室内における混合気への着火、すなわち、初期火炎の形成自体については、考慮されていない。つまり、副燃焼室内の放電を引き伸ばして着火性を向上させることについては、何ら考慮されていない。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関を提供しようとするものである。
本発明の第1の態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子の先端側に先端突出部(41)を突出させた中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有する内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の基端面(61)とが、プラグ軸方向(Z)に互いに対向することにより形成されており、
上記プラグカバーには、少なくとも2つの大噴孔(51)と、該大噴孔よりも開口面積が小さい小噴孔(52)とが形成されており、
上記大噴孔と上記小噴孔とは、それぞれ上記副燃焼室と外部とを連通させており、
上記大噴孔は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、プラグ軸方向に対して傾斜して開口しており、
プラグ中心軸(C)を含む所定の平面(P)によって上記スパークプラグを第一プラグ部(11)と第二プラグ部(12)とに2分割したとき、上記少なくとも2つの大噴孔のいずれもが、上記第一プラグ部に形成されており、
上記接地電極は、上記第一プラグ部における上記ハウジング又は上記プラグカバーに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、
プラグ軸方向から見たとき、上記第一プラグ部において、上記固定端部は、プラグ周方向における、少なくとも2つの上記大噴孔のそれぞれの中心軸の延長線(51L)同士の間に配置されている、内燃機関用のスパークプラグにある。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様にかかる内燃機関用のスパークプラグを備えた内燃機関(10)であって、
主燃焼室(101)と、
該主燃焼室に設けられた吸気弁(72)及び排気弁(73)と、
上記プラグカバーの外表面(53)が上記主燃焼室に面するように配置された上記スパークプラグと、を有し、
上記スパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも一つの上記大噴孔の外側開口部(511)が上記吸気弁側を向くように、配置されている、内燃機関にある。
本発明の第3の態様は、筒状の絶縁碍子(3)と、
該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子の先端側に先端突出部(41)を突出させた中心電極(4)と、
上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有する内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の基端面(61)とが、プラグ軸方向(Z)に互いに対向することにより形成されており、
上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる複数の噴孔(57)が形成されており、
上記接地電極は、上記ハウジング又は上記プラグカバーに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、
プラグ中心軸(C)を含むと共に、プラグ軸方向から見て上記接地電極の突出方向と直交する平面(P2)によって、上記スパークプラグを、上記固定端部を含む第一プラグ部(13)と、第二プラグ部(14)とに2分割したとき、該第一プラグ部の上記プラグカバーと該第二プラグ部の上記プラグカバーとの双方に上記噴孔が形成されており、
上記第一プラグ部に形成された上記噴孔を第一噴孔(571)とし、上記第二プラグ部に形成された上記噴孔を第二噴孔(572)としたとき、該第一噴孔の数は、該第二噴孔の数よりも多く、
上記第一噴孔は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、プラグ軸方向に対して傾斜して開口しており、
プラグ軸方向から見たとき、上記第一プラグ部において、上記固定端部は、プラグ周方向における、少なくとも2つの上記第一噴孔のそれぞれの中心軸の延長線(571L)同士の間に配置されている、内燃機関用のスパークプラグにある。
本発明の第4の態様は、上記第3の態様にかかる内燃機関用のスパークプラグを備えた内燃機関(10)であって、
主燃焼室(101)と、
該主燃焼室に設けられた吸気弁(72)及び排気弁(73)と、
上記プラグカバーの外表面(53)が上記主燃焼室に面するように配置された上記スパークプラグと、を有し、
上記スパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも一つの上記第一噴孔の外側開口部(575)が上記吸気弁側を向くように、配置されている、内燃機関にある。
上記第1の態様にかかる内燃機関用のスパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、第一プラグ部において、接地電極の固定端部が、プラグ周方向における、少なくとも2つの大噴孔のそれぞれの中心軸の延長線同士の間に配置されている。これにより、副燃焼室内に形成される気流が、接地電極の基端面に案内されることにより放電ギャップに向かいやすい。それゆえ、放電ギャップに形成された放電が伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
上記第2の態様にかかる内燃機関は、上記第1の態様にかかるスパークプラグを有する。そして、当該スパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも一つの大噴孔の外側開口部が吸気弁側を向くように、配置されている。これにより、プラグ軸方向から見たとき、大噴孔を介して、副燃焼室から主燃焼室の吸気弁側へ大きい火炎を噴出させることができる。それゆえ、プラグ軸方向から見て主燃焼室における吸気弁側の混合気の着火性を向上させることができる。それゆえ、主燃焼室全体の混合気をバランスよく燃焼させることができる。その結果、ノッキング等の原因となる燃焼異常の抑制を図ることができる。
上記第3の態様にかかる内燃機関用のスパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、第一プラグ部において、接地電極の固定端部が、プラグ周方向における、少なくとも2つの第一噴孔のそれぞれの中心軸の延長線同士の間に配置されている。また、第一噴孔の数は第二噴孔の数よりも多い。これにより、副燃焼室内に形成される気流が、接地電極の基端面に案内されることにより放電ギャップに向かいやすい。それゆえ、放電ギャップに形成された放電が伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
上記第4の態様にかかる内燃機関は、上記第3の態様にかかるスパークプラグを有する。そして、当該スパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも一つの第一噴孔の外側開口部が吸気弁側を向くように、配置されている。それゆえ、第一噴孔の外側開口部は、主燃焼室に形成される気流の上流側を向きやすい。これにより、第一噴孔を介して、主燃焼室から副燃焼室へと気流が導入されやすくなる。それゆえ、第一噴孔を介して副燃焼室に導入された気流によって、放電ギャップに生じた放電が確実に伸長しやすい。その結果、着火性を確実に向上させることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図であって、図2のI-I線矢視断面相当図。 図1のII-II線矢視断面相当図。 実施形態1における、大噴孔の中心軸の延長線と副燃焼室の内壁面との関係を説明する断面説明図であって、図2のIII-III線矢視断面相当図。 実施形態1における、大噴孔の形成位置を説明する、断面説明図。 実施形態1における、内燃機関の断面図であって、図6のV-V線矢視断面相当図。 図5のVI-VI線矢視断面相当図。 実施形態1における、圧縮行程時の、放電が伸長する前のスパークプラグの先端部付近の断面図。 実施形態1における、圧縮行程時の、放電が伸長したときのスパークプラグの先端部付近の断面図。 実施形態2における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図。 実施形態3における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図であって、図12のX-X線矢視断面相当図。 実施形態3における、プラグ軸方向から見たときの、接地電極の突出端部から突出側噴孔までの最短距離等を示す、断面説明図。 図10のXII-XII線矢視断面相当図。 実施形態3における、接地電極の突出端部の位置を説明する、断面説明図。 実施形態3における、膨張行程時の、放電が伸長する前のスパークプラグの先端部付近の断面図。 実施形態3における、膨張行程時の、放電が伸長したときのスパークプラグの先端部付近の断面図。 実施形態4における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。 実施形態5における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。 実施形態6における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。 実施形態7における、接地電極を、接地電極の突出方向から見た平面図。 実施形態8における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図。 実施形態9における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図。 実施形態10における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図。 実施形態11における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図であって、図25のXXIII-XXIII線矢視断面相当図。 図23のXXIV-XXIV線矢視断面相当図。 図23のXXV-XXV線矢視断面相当図。 実施形態11における、角度α3を示す断面図。 実施形態11における、内燃機関を先端側から見た図。 実施形態12における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図。 実施形態13における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図。 実施形態14における、スパークプラグの先端部の、プラグ軸方向に直交する断面図であって、図31のXXX-XXX線矢視断面相当図。 図30のXXXI-XXXI線矢視断面相当図。 実施形態15における、スパークプラグの先端部付近の、プラグ軸方向に沿った断面図。
(実施形態1)
内燃機関用のスパークプラグ及びこれを備えた内燃機関に係る実施形態について、図1~図8を参照して説明する。
本形態の内燃機関用のスパークプラグ1は、図1、図2に示すごとく、筒状の絶縁碍子3と、中心電極4と、筒状のハウジング2と、接地電極6と、プラグカバー5と、を有する。中心電極4は、絶縁碍子3の内周側に保持されると共に絶縁碍子3の先端側に先端突出部41を突出させている。ハウジング2は、絶縁碍子3を内周側に保持する。接地電極6は、中心電極4との間に放電ギャップGを形成する。プラグカバー5は、放電ギャップGが配される副燃焼室50を覆うようハウジング2の先端部に設けられている。
放電ギャップGは、中心電極4の先端部と接地電極6の基端面61とが、プラグ軸方向Zに互いに対向することにより形成されている。プラグカバー5には、少なくとも2つの大噴孔51と、大噴孔51よりも開口面積が小さい小噴孔52とが形成されている。大噴孔51と小噴孔52とは、それぞれ副燃焼室50と外部とを連通させている。大噴孔51は、図3に示すごとく、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、プラグ軸方向Zに対して傾斜して開口している。
図2に示すごとく、プラグ中心軸Cを含む所定の平面Pによってスパークプラグ1を第一プラグ部11と第二プラグ部12とに2分割したとき、少なくとも2つの大噴孔51のいずれもが、第一プラグ部11に形成されている。接地電極6は、第一プラグ部11におけるハウジング2又はプラグカバー5に固定された固定端部62から副燃焼室50内に突出している。図2に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、第一プラグ部11において、固定端部62は、プラグ周方向における、少なくとも2つの大噴孔51のそれぞれの中心軸の延長線51L同士の間に配置されている。
本形態のスパークプラグ1は、例えば、自動車、コージェネレーション等の内燃機関における着火手段として用いることができる。図5に示すごとく、ハウジング2の外周面に形成した取付ネジ部21を、シリンダヘッド76のプラグホール761の雌ネジ部に螺合して、スパークプラグ1が内燃機関10に取り付けられる。そして、スパークプラグ1の軸方向Zの一端を、内燃機関10の主燃焼室101に配置する。スパークプラグ1の軸方向Zにおいて、主燃焼室101に露出する側を先端側、その反対側を基端側というものとする。また、スパークプラグ1の軸方向Zを、適宜、プラグ軸方向Z、或いは単に、Z方向ともいう。また、図2に示すごとく、Z方向から見たときの固定端部62と先端突出部41との並び方向Yを、適宜、Y方向ともいう。なお、プラグ径方向とは、スパークプラグ1の中心軸Cに直交する平面上において、スパークプラグ1の中心軸Cを中心とする円の半径方向を意味する。また、プラグ周方向とは、スパークプラグ1の中心軸Cに直交する平面上において当該中心軸Cを中心とする円周方向をいうものとする。また、プラグ中心軸Cは、スパークプラグ1の中心軸Cを意味するものとする。
図1に示すごとく、プラグカバー5は、ハウジング2の先端部に溶接等によって接合されている。スパークプラグ1が内燃機関に取り付けられた状態において、プラグカバー5は、副燃焼室50を主燃焼室と区画している。
副燃焼室50は、中心電極4の先端突出部41の周辺における、ハウジング2の先端部の内周側の空間を含む。また、副燃焼室50は、後述するポケット部501をも含む。したがって、副燃焼室50の内壁面502は、プラグカバー5の内面の他、ハウジング2の先端部の内面を含む。
図1に示すごとく、絶縁碍子3は、先端側へ向かうほど縮径するテーパ状先端部31を有する。絶縁碍子3は、その外周面の一部においてハウジング2の内周面の一部に係止されている。この係止部よりも先端側の絶縁碍子3の部分が、テーパ状先端部31となっている。このテーパ状先端部31の外側面とハウジング2の内面との間に、環状のポケット部501が形成されている。つまり、ポケット部501は、プラグ径方向における、テーパ状先端部31とハウジング2との間に形成された環状の空間である。
また、プラグカバー5は、副燃焼室50の外周側の一部を覆う周壁部54と、副燃焼室50の先端側を覆う底壁部55と、周壁部54と底壁部55とをつなぐ角部56とを有する。大噴孔51及び小噴孔52は、それぞれ角部56に形成されている。
本形態において、プラグカバー5には、図2に示すごとく、2つの大噴孔51と、3つの小噴孔52とが形成されている。それぞれの噴孔51、52は、略円柱形状に形成されている。大噴孔51の内径は、例えば、小噴孔52の内径の1.2倍~1.4倍とすることができる。また、大噴孔51の開口面積は、例えば、小噴孔52の開口面積の1.4倍~2.0倍とすることができる。また、本形態において、複数の大噴孔51のそれぞれの開口面積は、互いに同等の大きさとなっている。
それぞれの噴孔51、52は、図1、図3に示すごとく、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、Z方向に対して傾斜して開口している。噴孔51、52は、図1~図3に示すごとく、開口方向が放射状となっている。
大噴孔51は、図2に示すごとく、Z方向から見たとき、2つの大噴孔51のそれぞれの中心軸の延長線51L同士によって接地電極6をプラグ周方向に挟むように、形成されている。また、本形態において、それぞれの大噴孔51は、大噴孔51の中心軸の延長線51Lが、プラグ中心軸Cを実質的に通過するように、形成されている。
図2に示すごとく、プラグ中心軸Cを含む所定の平面Pによってスパークプラグ1を2分割したとき、大噴孔51が形成されていると共に、接地電極6の固定端部62がある側が、第一プラグ部11となっている。つまり、Z方向から見たとき、複数の大噴孔51は、第一プラグ部11側に片寄って形成されている。言い換えると、平面Pによってスパークプラグ1を2分割した一方側に、複数の大噴孔51のいずれもが形成されている。
それぞれの大噴孔51の中心軸の延長線51Lは、図2、図3に示すごとく、第二プラグ部12における副燃焼室50の内壁面502と交差する。図3に示すごとく、プラグ中心軸Cと大噴孔51の中心軸の延長線51Lとの双方を含む断面において、当該延長線51Lと副燃焼室50の内壁面502との交差する角度α1は、当該延長線51Lの基端側において、鈍角となっている。
図4に示すごとく、Z方向から見たとき、Y方向に沿った直線を、直線YLとする。Z方向から見たとき、直線YLに対するそれぞれの大噴孔51の中心軸の延長線51Lの傾斜角度α2は、互いに同等の角度となっている。つまり、Z方向から見たときの接地電極6の突出方向に対する、それぞれの大噴孔51の中心軸の延長線51Lの傾斜角度は、互いに同等の角度となっている。角度α2は、例えば、15°~60°とすることができる。また、Z方向から見たときの、それぞれの大噴孔51の中心軸の延長線51L同士のなす角度は、例えば、30°~120°とすることができる。
また、本形態において、第二プラグ部12には、3つの小噴孔52が形成されている。なお、小噴孔52の個数や配置は、特に限定されるものではない。(後述する実施形態8~実施形態10等参照)
本形態において、一つの小噴孔52は、図2に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、接地電極6の突出方向の延長線6Lが通過する突出側噴孔521である。Z方向から見て、接地電極6の固定端部62と、突出側噴孔521とは、中心電極4の先端突出部41を挟んで互いに反対側に配されている。つまり、固定端部62と突出側噴孔521とは、Z方向から見たとき、副燃焼室50を挟んで互いに反対側の位置に配されている。
また、接地電極6は、図2に示すごとく、Z方向から見たとき、プラグ径方向に沿うように、第一プラグ部11に固定されている。本形態において、接地電極6の固定端部62は、第一プラグ部11のハウジング2に固定されている。そして、接地電極6をハウジング2に固定した後に、プラグカバー5をハウジング2に固定することによって、本形態のスパークプラグ1を製造することができる。
また、接地電極6の基端面61は、接地電極6の長手方向における、少なくとも、先端突出部41とZ方向に対向する部分から、突出端部63にわたって、平坦な面を有する。
本形態において、接地電極6は、略四角柱形状をなしている。つまり、接地電極6は、4つの平坦な側面を備えており、そのうちの一つが基端面61となっている。つまり、基端面61の全体が平坦な面となっている。また、基端面61は、図1に示すごとく、中心電極4の先端面411とZ方向に対向している。
また、接地電極6の基端面61は、傾斜面611を有する。傾斜面611は、接地電極6の突出端部63に近づくに従って先端側に向かうように、プラグ軸方向Zに対して傾斜している。
本形態は、基端面61の全体が、傾斜面611となっている。つまり、中心電極4の先端面411と傾斜面611とが互いにZ方向に対向することにより、放電ギャップGが形成されている。なお、Z方向において互いに対向する中心電極4の先端面411と接地電極6の基端面61とのそれぞれに、チップを接合することもできる(図示略)。つまり、中心電極4の先端面411に接合されたチップと接地電極6の基端面61に接合されたチップとの間に、放電ギャップGを形成することもできる。チップは、例えば、イリジウムや白金等の貴金属、又はこれらを主成分とする合金とすることができる。
次に、上記スパークプラグ1を備えた内燃機関10を、図5、図6に示す。
内燃機関10は、主燃焼室101と、主燃焼室101に設けられた吸気弁72及び排気弁73と、スパークプラグ1とを有する。スパークプラグ1は、プラグカバー5の外表面53が主燃焼室101に面するように配置されている。スパークプラグ1は、図6に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、少なくとも一つの大噴孔51の外側開口部511が吸気弁72側を向くように、配置されている。
また、本形態の内燃機関10は、図5に示すごとく、シリンダヘッド76と、シリンダブロック75と、シリンダ70内を往復運動するピストン74とを備える。そして、シリンダヘッド76、シリンダブロック75、及びピストン74に囲まれて、主燃焼室101が形成される。シリンダヘッド76には、吸気ポート721及び排気ポート731が形成されており、それぞれ吸気弁72又は排気弁73が備えられている。そして、シリンダヘッド76における吸気ポート721と排気ポート731との間に、スパークプラグ1が取り付けられる。詳細には、スパークプラグ1は、図6に示すごとく、シリンダヘッド76における、2つの吸気ポート721と2つの排気ポート731とに囲まれた位置に配設されている。
吸気ポート721及び排気ポート731は、図5に示すごとく、その開口方向が主燃焼室101の中心軸側に向かうように、ピストン74の進退方向に対して傾斜している。また、主燃焼室101の基端面は、スパークプラグ1から遠ざかるにつれて先端側へ向かうように傾斜している。
また、内燃機関10においては、ピストン74の往復運動に伴って、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程が順次繰り返される。内燃機関10の吸気行程において、2つの吸気ポート721からガスが主燃焼室101内に導入され、排気行程において、2つの排気ポート731から主燃焼室101内のガスが排出される。吸気行程における気流の導入のされ方等に起因して、主燃焼室101に所定の気流が形成され、圧縮行程においても、その気流は残る。
そして、主燃焼室101内においては、主として、図5の矢印AF1に示すごとく、ピストン74の摺動方向に直交する方向の軸周りの気流である、タンブル流が形成される。そして、この気流AF1は、図5、図6に示すごとく、主燃焼室101内のスパークプラグ1の先端部付近において、吸気弁72側から排気弁73側へ向かう向きとなる。より具体的には、図6に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、2つの吸気ポート721の中間位置から、2つの排気ポート731の中間位置へ向かう方向に沿った気流AF1が、スパークプラグ1の先端部付近の主な気流となる。
なお、主燃焼室101内の気流は、常に一定となっているわけではなく、サイクル間、或いは1サイクル中の異なるタイミングの間において、変動し得る。ただし、主な気流の向き、特に、点火タイミングにおける気流の向きは、概略定まっており、上述した気流AF1は、点火タイミングにおける主な気流を意味する。そして、「主燃焼室101の気流」というときは、特に断らない限り、上述の、点火タイミングにおける、スパークプラグ1の先端部付近の気流AF1を意味する。また、単に「上流側」、「下流側」というときは、特に断らない限り、上記「主燃焼室101の気流」における、上流側、下流側を意味する。
上記のように構成された内燃機関10においては、圧縮行程において、主燃焼室101のガスが、噴孔51、52を介して、副燃焼室50に導入される。ここで、大噴孔51は、小噴孔52に対して開口面積が大きいと共に、図5、図6に示すごとく、大噴孔51の外側開口部511が主燃焼室101の気流AF1の上流側を向いている。そのため、小噴孔52に対し、大噴孔51を介して、より多くのガスが副燃焼室50に導入される。
圧縮行程において、大噴孔51を介して副燃焼室50に導入されたガスの主流は、図7の矢印AF2に示すごとく、副燃焼室50の下流側の内壁面502に向かうと共に、当該内壁面502に沿うように基端側へ向かい、下流側のポケット部501に導入される。下流側のポケット部501に入ったガスの主流は、ポケット部501内において上流側に向きを変えると共に、上流側のポケット部501に沿って、先端側へ向かう。つまり、Z方向に直交する方向の軸周りの気流(すなわち、タンブル流)が形成される。そして、先端側へ向かう気流AF2は、接地電極6の基端面61に案内されることにより、放電ギャップGへと向かう。そのため、図7に示すごとく、圧縮行程において、放電ギャップGに形成された放電Sは、図8に示すごとく、気流AF2によって引き延ばされることとなる。以上の気流AF2は、あくまでも主流であり、必ずしもすべてのガスがそのような流れとなるとは限らない。
言い換えると、大噴孔51を介して副燃焼室50に導入されたガスの気流AF2は、第二プラグ部12の内壁面502に向かうと共に、第二プラグ部12のポケット部501に導入される。ポケット部501に導入された気流AF2は、第一プラグ部11側に向きを変えると共に、接地電極6の基端面61がある方向、すなわち先端側へ向かう。そして、気流AF2は、接地電極6の基端面61に案内されることにより、放電ギャップGへと向かうこととなる。
次に、本形態の作用効果を説明する。
上記内燃機関用のスパークプラグ1は、プラグ軸方向Zから見たとき、第一プラグ部11において、接地電極6の固定端部62が、プラグ周方向における、少なくとも2つの大噴孔51のそれぞれの中心軸の延長線51L同士の間に配置されている。これにより、副燃焼室50内に形成される気流が、接地電極6の基端面61に案内されることにより放電ギャップGに向かいやすい。それゆえ、放電ギャップGに形成された放電が伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
すなわち、大噴孔51の開口面積は、小噴孔52の開口面積よりも大きい。そのため、圧縮行程において、大噴孔51を介して副燃焼室50に導入されたガスの気流は、小噴孔52を介して副燃焼室50に導入されたガスの気流に対し、強くなりやすい。また、大噴孔51は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、Z方向に対して傾斜して開口している。それゆえ、大噴孔51を介して副燃焼室50に導入された強い気流は、第二プラグ部12の副燃焼室50の内壁面502に向かうと共に、副燃焼室50の基端側に向かいやすい。そして、副燃焼室50の基端側に向かった気流は、向きを変え、第一プラグ部11側において先端側へ向かいやすい。それゆえ、気流は、第一プラグ部11の接地電極6の基端面61に案内されることにより、放電ギャップGへと向かいやすい。その結果、放電ギャップGに生じた放電が伸長することにより、着火性を向上させることができる。
また、それぞれの大噴孔51は、角度α2(図4参照)が互いに同等となるように、形成されている。それゆえ、副燃焼室50内にタンブル流が確実に形成されやすい。それゆえ、接地電極6の基端面61に案内される気流を確実に形成しやすい。その結果、放電ギャップGに生じた放電が確実に伸長しやすい。
また、図7に示すごとく、圧縮行程において、放電ギャップGに形成された放電Sは、接地電極6の基端面61に案内された気流AF2により、図8に示すごとく、Y方向における、固定端部62がある側とは反対側に伸長しやすい。つまり、放電Sは、第二プラグ部12側に伸長しやすい。そして、第二プラグ部12側に伸長した放電Sは、第二プラグ部12の基端側に向かう気流AF2によって、基端側に向かって伸長しやすい。それゆえ、混合気の燃焼が、副燃焼室50における、より基端側の領域を起点に成長することで、火炎が噴孔51、52に到達する時点での副燃焼室50内の圧力を高くすることができる。その結果、主燃焼室101への火炎ジェットを強化することができる。
また、突出側噴孔521は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、Z方向に対して傾斜して開口している。それゆえ、図8に示すごとく、圧縮行程において、第二プラグ部12側に伸長した放電Sは、突出側噴孔521を介して副燃焼室50に導入された気流AF2によっても、基端側に伸長しやすい。その結果、混合気の燃焼を、副燃焼室50における、より基端側の領域を起点に成長させることができる。
また、接地電極6の基端面61は、平坦な面となっている。それゆえ、副燃焼室50の気流AF2が、基端面61によって一層案内されやすい。その結果、放電ギャップGに生じた放電が一層伸長しやすい。
接地電極6の基端面61は、傾斜面611を有する。それゆえ、副燃焼室50の気流の基端面61に対する流入角度が、鈍角になりやすい。それゆえ、基端面61によって、気流を放電ギャップG側に一層案内しやすい。それゆえ、放電ギャップGに形成された放電が一層伸長しやすい。その結果、着火性を一層向上させることができる。
内燃機関10は、上記スパークプラグ1を有する。そして、スパークプラグ1は、プラグ軸方向Zから見たとき、少なくとも一つの大噴孔51の外側開口部511が吸気弁72側を向くように、配置されている。これにより、プラグ軸方向Zから見たとき、大噴孔51を介して、副燃焼室50から主燃焼室101の吸気弁72側へ大きい火炎を噴出させることができる。それゆえ、プラグ軸方向Zから見て主燃焼室101における吸気弁72側の混合気の着火性を向上させることができる。それゆえ、主燃焼室101全体の混合気をバランスよく燃焼させることができる。その結果、ノッキング等の原因となる燃焼異常の抑制を図ることができる。
つまり、Z方向から見たとき、主燃焼室101における、高温のガスを排出する排気ポート731が設けられた排気弁73側と比較し、比較的低温のガスを主燃焼室101へ導入する吸気ポート721が設けられた吸気弁72側は、低温となりやすい。それゆえ、Z方向から見たとき、主燃焼室101における、排気弁73側の混合気に対し、吸気弁72側の混合気の燃焼が遅れることによって、主燃焼室101における混合気の燃焼のバランスが悪くなるおそれがある。しかし、本形態においては、上記のごとく、Z方向から見たとき、副燃焼室50から主燃焼室101の吸気弁72側へ大きい火炎を噴出させることができる。そのため、主燃焼室101全体の混合気をバランスよく燃焼させることができ、未燃燃料の局所的な残留も抑えることができる。その結果、ノッキング等の原因となる燃焼異常の抑制を図ることができる。
また、大噴孔51の外側開口部511は、Z方向から見たとき、吸気弁72側を向いている。それゆえ、大噴孔51の外側開口部511は、主燃焼室101の気流の上流側を向きやすい。それゆえ、大噴孔51を介して副燃焼室50にガスが導入されやすい。それゆえ、副燃焼室50に強い気流が生じやすい。その結果、放電ギャップGに生じた放電Sを、一層伸長させることができる。
以上のごとく、本形態によれば、着火性を向上させることができる内燃機関用のスパークプラグ1及びこれを備えた内燃機関10を提供することができる。
(実施形態2)
本形態は、図9に示すごとく、実施形態1に対し、大噴孔51の開口方向を変更した形態である。
すなわち、大噴孔51は、当該大噴孔51の中心軸の延長線51Lが、先端突出部41を通過しないように形成されている。プラグ軸方向Zから見たとき、少なくとも2つの大噴孔51のそれぞれの中心軸の延長線51L同士の交点を、交点Aとする。プラグ軸方向Zから見たとき、交点Aと大噴孔51とは、Y方向において、先端突出部41を挟んで互いに反対側に位置している。
本形態は、図9に示すごとく、Z方向から見たとき、交点Aが、接地電極6の突出方向の延長線6L上に位置している。
その他は、実施形態1と同様である。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
大噴孔51は、当該大噴孔51の中心軸の延長線51Lが、先端突出部41を通過しないように形成されている。また、Z方向から見たとき、交点Aと大噴孔51とは、Y方向において、先端突出部41を挟んで互いに反対側に位置している。それゆえ、大噴孔51を介して副燃焼室50に導入されたガスの気流が、先端突出部41に遮られ難くなり、タンブル流が形成されやすくなる。それゆえ、接地電極6の基端面61に案内される気流を強化することができる。その結果、放電ギャップGに形成された放電を、より伸長させることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態3)
本形態は、図10~図15に示すごとく、実施形態2に対し、接地電極6の突出端部63の位置を変更した形態である。
本形態において、少なくとも一つの小噴孔52は、図10に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、接地電極6の突出方向の延長線6Lが通過する突出側噴孔521である。プラグ軸方向Zから見たとき、先端突出部41と突出側噴孔521との間には、接地電極6の突出端部63の少なくとも一部が配置されている。
また、突出端部63の少なくとも一部は、Z方向から見たとき、接地電極6の長手方向の延長線上において、先端突出部41とプラグカバー5の周壁部54の内壁面502との間に、配置されている。
また、プラグ軸方向Zから見たとき、突出端部63は、先端突出部41よりも突出側噴孔521に近い位置に配置されている。
言い換えると、図11に示すごとく、Z方向から見たとき、突出端部63から突出側噴孔521までの最短距離D1は、突出端部63から先端突出部41までの最短距離D2よりも短い。
また、Z方向から見たとき、接地電極6の長手方向の延長線上において、突出端部63からプラグカバー5の周壁部54の内壁面502までの最短距離D3は、突出端部63から先端突出部41までの最短距離D2よりも短い。
接地電極6は、図12に示すごとく、接地電極6の長手方向における、固定端部62よりも突出端部63に近い側の一部が、突出端部63に近づくに従ってZ方向の幅が小さくなっている。そして、接地電極6の先細り形状となった部分の先端側の面は、プラグカバー5の底壁部55の内壁面502に沿って形成されている。
図13に示すごとく、突出側噴孔521の外側開口部522の基端と先端突出部41の先端部とを最短距離でつなぐ直線を、直線L1とする。突出端部63は、直線L1よりも先端側に配置されている。
また、突出側噴孔521の外側開口部522の中心と、先端突出部41の先端部とを最短距離でつなぐ直線を、直線L2とする。図13に示すごとく、突出端部63は、直線L2よりも先端側に配置されている。
突出側噴孔521の内側開口部523の先端と、先端突出部41の先端部とを最短距離でつなぐ直線を、直線L3とする。図13に示すごとく、突出端部63は、直線L3よりも先端側に配置されている。
また、放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも先端側に形成されている。すなわち、中心電極4の先端突出部41が、ハウジング2の先端よりも先端側に突出している。
その他は、実施形態2と同様である。
本形態のスパークプラグ1においては、プラグ軸方向Zから見たとき、先端突出部41と突出側噴孔521との間に、接地電極6の突出端部63の少なくとも一部が配置されている。それゆえ、膨張行程において、突出側噴孔521を介して副燃焼室50から導出される気流が、接地電極6の基端面61に案内されると共に、放電ギャップGを通過しやすい。
この点について、本形態のスパークプラグ1を備えた内燃機関(図示略)の膨張行程につき、考察してみる。膨張行程においては、ピストンが先端側に移動することにより、主燃焼室が副燃焼室50に対して陰圧となる。これにより、噴孔51、52を介して、副燃焼室50から主燃焼室へとガスが導出される。突出側噴孔521を介したガスの導出に伴って副燃焼室50に形成された気流AF2は、図14、図15に示すごとく、接地電極6の基端面61に案内され、突出側噴孔521へ向かうこととなる。そして、接地電極6の基端面61に案内される気流AF2は、放電ギャップGを通過する。
それゆえ、図14に示すごとく、膨張行程において、放電ギャップGに生じた放電Sが、図15に示すように、気流AF2によって突出側噴孔521に向かって伸長し易く、副燃焼室50内での着火性を向上できる。また、着火位置を突出側噴孔521に近付けやすいため、例えば、副燃焼室50の温度が低い運転条件などでは、冷損も抑制され、主燃焼室への火炎ジェットを強化することができる。さらに、放電ギャップGにて生じた放電S或いは放電プラズマ、又は初期火炎が、突出側噴孔521から噴出しやすいため、主燃焼室での着火性を向上させることができる。
また、図14に示すごとく、膨張行程において、放電ギャップGに生じた放電Sの接地電極6側の起点SPは、図15に示すごとく、突出側噴孔521を介して導出される気流AF2により、突出側噴孔521に向かって移動しやすい。それゆえ、放電Sは、突出側噴孔521に向かって伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
Z方向から見たとき、突出端部63は、先端突出部41よりも突出側噴孔521に近い位置に配置されている。それゆえ、膨張行程において、突出側噴孔521を介して副燃焼室50から導出される気流は、接地電極6の基端面61によって、一層案内されやすい。それゆえ、放電ギャップGに生じた放電Sは、突出側噴孔521に向かって一層伸長しやすい。その結果、着火性を一層向上させることができる。
突出端部63は、直線L1よりも先端側に配置されている。それゆえ、膨張行程において、放電ギャップGに生じた放電は、突出端部63によって短絡されることなく、突出側噴孔521及び主燃焼室に向かって確実に伸長しやすい。その結果、着火性を確実に向上させることができる。
つまり、仮に、突出端部63が直線L1よりも基端側にある場合を想定する。この場合、突出側噴孔521に向かって伸長する放電は、突出端部63よりも突出側噴孔521側に伸長しようとしたときに、突出端部63によって短絡されやすい。一方、本形態において、突出端部63は、上記の位置に配置されている。それゆえ、図14に示すごとく、膨張行程において、放電ギャップGに生じた放電Sは、図15に示すように、突出端部63よりも突出側噴孔521側に伸長したとしても、突出端部63によって短絡されにくい。その結果、着火性を向上させることができる。
また、突出端部63が上記の位置に配置されていることにより、放電Sの接地電極6側の起点SPは、図15に示すように、突出側噴孔521の内面に移りやすい。さらに、起点SPは、突出側噴孔521の外側開口部522に向かって移動しやすい。それゆえ、放電Sを主燃焼室側に一層伸長させやすい。その結果、主燃焼室の着火性を一層向上させることができる。
また、突出端部63は、直線L2よりも先端側に配置されている。それゆえ、放電ギャップGに生じた放電は、突出端部63によって短絡されることなく、突出側噴孔521及び主燃焼室に向かって一層確実に伸長しやすい。
また、突出端部63は、直線L3よりも先端側に配置されている。それゆえ、放電ギャップGに生じた放電は、突出端部63によって短絡されることなく、突出側噴孔521及び主燃焼室に向かって一層確実に伸長しやすい。
放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも先端側に形成されている。それゆえ、ハウジング2にプラグカバー5を固定する前において、ハウジング2に固定された接地電極6と中心電極4との間に形成された放電ギャップGを確認しやすい。それゆえ、放電ギャップGの調整を容易に行うことができる。その結果、スパークプラグ1を容易に製造することができる。
また、接地電極6は、接地電極6の長手方向における、固定端部62よりも突出端部63に近い側の一部が先細り形状となっている。そして、接地電極6における、プラグカバー5の底壁部55側の面が、接地電極の長手方向に対して傾斜している。それゆえ、突出端部63を、直線L1よりも先端側に配置しやすい。その結果、本形態のスパークプラグ1を容易に製造することができる。
その他、実施形態2と同様の作用効果を有する。
(実施形態4)
本形態は、図16に示すごとく、実施形態3に対し、接地電極6の形状を変更した形態である。
接地電極6の基端面61は、図16に示すごとく、接地電極6の長手方向における、固定端部62よりも突出端部63に近い側の一部が、基端面61の他の部分よりも、Z方向に直交する面に対する傾斜角度が大きくなっている。
その他の構成及び作用効果は、実施形態3と同様である。
(実施形態5)
本形態は、図17に示すごとく、実施形態1に対し、中心電極4の先端部の形状を変更した形態である。
すなわち、中心電極4の先端面411は、接地電極6の傾斜面611に沿って傾斜している。
本形態において、中心電極4の先端面411と接地電極6の傾斜面611とは、それぞれ平坦な面となっている。そして、図17に示すごとく、それぞれの平坦な面同士が、互いに略平行に対向配置されることにより、放電ギャップGが形成されている。
その他は、実施形態1と同様である。
中心電極4の先端面411は、接地電極6の傾斜面611に沿って傾斜している。それゆえ、中心電極4の先端面411と接地電極6の傾斜面611とを略平行にすることができる。これにより、中心電極4側の放電の起点位置を分散させやすい。そのため、中心電極4が局部的に摩耗することを抑制し、放電ギャップGの距離が拡大することを抑制することができる。その結果、スパークプラグ1の寿命を延ばすことができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態6)
本形態は、図18に示すごとく、実施形態5に対し、中心電極4の先端部の形状を変更した形態である。
本形態において、中心電極4の先端部は、図18に示すごとく、先端側に向かうに従って縮径したテーパ形状を有する。テーパ形状を有する中心電極4の先端部は、略円錐台形状を有する。なお、中心電極4の先端部は、略円錐形状、略四角錐台形状、略四角錐形状等とすることができる。
中心電極4におけるテーパ形状を有する先端部のテーパ面412は、環状に形成されている。テーパ面412の一部は、接地電極6の傾斜面611に沿って傾斜している。そして、テーパ面412と、接地電極6の傾斜面611との間に、放電ギャップGが形成されている。
その他は、実施形態5と同様である。
本形態は、テーパ面412と傾斜面611との間に、放電ギャップGが形成されている。それゆえ、本形態においても、中心電極4の局部的な摩耗を抑制し、放電ギャップGの距離が拡大することを抑制することができる。
その他、実施形態5と同様の作用効果を有する。
(実施形態7)
本形態は、図19に示すごとく、接地電極6の基端面61が、先端側に向かって凹んだ凹面を有する形態である。
接地電極6の基端面61は、図19に示すごとく、接地電極6の突出方向から見たとき、先端側に向かって凹んだ凹面を有する。
接地電極6の基端面61は、少なくとも、中心電極の先端部とZ方向に対向する部分と、そこから固定端部62側の一部までにわたって、凹面を有する。本形態は、基端面61の全体が凹面となっている。
その他は、実施形態1と同様である。
本形態においては、凹面状の接地電極6の基端面61が、気流を長手方向に沿ってガイドしやすくなる。それゆえ、一層、気流を放電ギャップGへ導きやすくすることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態8)
本形態は、図20に示すごとく、大噴孔51を3つ有する形態である。
本形態において、プラグカバー5には、図20に示すごとく、3つの大噴孔51と、3つの小噴孔52とが形成されている。
本形態において、複数の大噴孔51は、Z方向から見たとき、それぞれの大噴孔51の中心軸の延長線51Lが、小噴孔52を通るように形成されている。つまり、それぞれの大噴孔51は、Z方向から見たとき、小噴孔52とプラグ径方向に対向するように形成されている。それぞれの噴孔51、52は、Z方向から見たとき、プラグ周方向において、等間隔に配されている。
3つの大噴孔51は、第一プラグ部11に形成されている。また、3つの小噴孔52は、第二プラグ部12に形成されている。
また、接地電極6の幅は、先端突出部41の先端部の直径と略同じ大きさとなっている。
その他の構成及び作用効果は、実施形態1と同様である。
(実施形態9)
本形態は、図21に示すごとく、噴孔51、52が、第一プラグ部11側に偏って形成された形態である。
本形態において、プラグカバー5には、図21に示すごとく、3つの大噴孔51と、3つの小噴孔52とが形成されている。3つの大噴孔51は、第一プラグ部11に形成されている。2つの小噴孔52は、それぞれ第一プラグ部11と第二プラグ部12との双方にわたって形成されている。また、小噴孔52である突出側噴孔521は、第二プラグ部12に形成されている。
その他の構成及び作用効果は、実施形態8と同様である。
(実施形態10)
本形態は、図22に示すごとく、実施形態3に対し、小噴孔52の数を変更した形態である。
本形態において、プラグカバー5には、図22に示すごとく、2つの大噴孔51と、1つの小噴孔52とが形成されている。
その他の構成及び作用効果は、実施形態3と同様である。
また、小噴孔52の形成位置は、必ずしも第二プラグ部12に限られるものではなく、第一プラグ部11であってもよい。また、第二プラグ部12に小噴孔52が存在しない構成とすることも可能である。
(実施形態11)
本形態は、図23~図27に示すごとく、第一プラグ部13に形成された噴孔57の数を、第二プラグ部14に形成された噴孔57の数よりも多くした形態である。
本形態のスパークプラグ1において、プラグカバー5には、図23~図26に示すごとく、副燃焼室50と外部とを連通させる複数の噴孔57が形成されている。接地電極6は、ハウジング2又はプラグカバー5に固定された固定端部62から副燃焼室50内に突出している。
プラグ中心軸Cを含むと共に、プラグ軸方向Zから見て接地電極6の突出方向と直交する平面P2によって、スパークプラグ1を、固定端部62を含む第一プラグ部13と、第二プラグ部14とに2分割する。このとき、第一プラグ部13のプラグカバー5と第二プラグ部14のプラグカバー5との双方に噴孔57が形成されている。
第一プラグ部13に形成された噴孔57を第一噴孔571とし、第二プラグ部14に形成された噴孔57を第二噴孔572とする。このとき、第一噴孔571の数は、第二噴孔572の数よりも多い。
また、第一噴孔571は、図24に示すごとく、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、プラグ軸方向Zに対して傾斜して開口している。図23に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、第一プラグ部13において、固定端部62は、プラグ周方向における、少なくとも2つの第一噴孔571のそれぞれの中心軸の延長線571L同士の間に配置されている。
本形態において、プラグカバー5には、2つの第一噴孔571と、1つの第二噴孔572とが形成されている。本形態において、第一噴孔571の内径と、第二噴孔572の内径とは、互いに同等の大きさとなっている。つまり、それぞれの第一噴孔571の開口面積と、第二噴孔572の開口面積とは、互いに同等の大きさとなっている。また、すべての第一噴孔571の合計の開口面積は、すべての第二噴孔572の合計の開口面積よりも大きい。
また、本形態において、第一噴孔571は、第一噴孔571の中心軸の延長線571Lが、実質的にプラグ中心軸Cと交わるように、形成されている。
また、図26に示すごとく、Z方向から見たとき、直線YLに対するそれぞれの第一噴孔571の中心軸の延長線571Lの傾斜角度α3は、互いに同等の角度となっている。つまり、Z方向から見たときの接地電極6の突出方向に対する、それぞれの延長線571Lの傾斜角度は、互いに同等の角度となっている。角度α3は、例えば、15°~60°とすることができる。また、Z方向から見たときの、それぞれの延長線571L同士のなす角度は、例えば、30°~120°とすることができる。
また、本形態において、少なくとも一つの第二噴孔572は、図23に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、接地電極6の突出方向の延長線6Lが通過する突出側噴孔573である。プラグ軸方向Zから見たとき、先端突出部41と突出側噴孔573との間には、突出端部63の少なくとも一部が配置されている。また、突出端部63は、第二プラグ部14に配置されている。
突出側噴孔573は、図25に示すごとく、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、Z方向に対して傾斜して開口している。また、図23、図26に示すごとく、Z方向から見て、接地電極6の固定端部62と、突出側噴孔573とは、中心電極4の先端突出部41を挟んで互いに反対側に配されている。
また、接地電極6の基端面61は、図25に示すごとく、接地電極6の突出端部63に近づくに従って先端側に向かうようにプラグ軸方向Zに対して傾斜した傾斜面611を有する。
次に、上記スパークプラグ1を備えた内燃機関10について説明する。
内燃機関10において、スパークプラグ1は、図27に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、少なくとも一つの第一噴孔571の外側開口部575が吸気弁72側を向くように、配置されている。本形態において、スパークプラグ1は、Z方向から見たとき、すべての第一噴孔571の外側開口部575が吸気弁72側を向くように、配置されている。
その他は、実施形態1と同様である。
上記スパークプラグ1は、プラグ軸方向Zから見たとき、第一プラグ部13において、接地電極6の固定端部62が、プラグ周方向における、少なくとも2つの第一噴孔571のそれぞれの中心軸の延長線571L同士の間に配置されている。また、第一噴孔571の数は第二噴孔572の数よりも多い。これにより、副燃焼室50内に形成される気流が、接地電極6の基端面61に案内されることにより放電ギャップGに向かいやすい。それゆえ、放電ギャップGに形成された放電が伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
上記のごとく、第一噴孔571の数は第二噴孔572の数よりも多い。そのため、圧縮行程において、第一噴孔571を介して第一プラグ部13側から副燃焼室50に導入されたガスの気流は、第二噴孔572を介して第二プラグ部14側から副燃焼室50に導入されたガスの気流に対し、強くなりやすい。また、第一噴孔571は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、Z方向に対して傾斜して開口している。それゆえ、第一噴孔571を介して第一プラグ部13側から副燃焼室50に導入された強い気流は、第二プラグ部14の副燃焼室50の内壁面502に向かうと共に、副燃焼室50の基端側に向かいやすい。そして、副燃焼室50の基端側に向かった気流は、向きを変え、第一プラグ部13側において先端側へ向かいやすい。それゆえ、気流は、第一プラグ部13の接地電極6の基端面61に案内されることにより、放電ギャップGへと向かいやすい。その結果、放電ギャップGに生じた放電が伸長することにより、着火性を向上させることができる。
また、それぞれの第一噴孔571は、角度α3(図26参照)が互いに同等となるように、形成されている。それゆえ、副燃焼室50内にタンブル流が確実に形成されやすい。それゆえ、接地電極6の基端面61に案内される気流を確実に形成しやすい。その結果、放電ギャップGに生じた放電が確実に伸長しやすい。
接地電極6の基端面61は、傾斜面611を有する。それゆえ、基端面61によって、気流を放電ギャップG側に一層案内しやすい。それゆえ、放電ギャップGに形成された放電が一層伸長しやすい。その結果、着火性を一層向上させることができる。
少なくとも一つの第二噴孔572は、突出側噴孔573である。また、プラグ軸方向Zから見たとき、先端突出部41と突出側噴孔573との間には、突出端部63の少なくとも一部が配置されている。それゆえ、膨張行程において、放電ギャップGに生じた放電の接地電極6側の起点は、突出側噴孔573を介して導出される気流により、突出側噴孔573に向かって移動しやすい。それゆえ、放電は、突出側噴孔573に向かって伸長しやすい。その結果、着火性を向上させることができる。
内燃機関10は、上記スパークプラグ1を有する。そして、当該スパークプラグ1は、プラグ軸方向Zから見たとき、少なくとも一つの第一噴孔571の外側開口部575が吸気弁72側を向くように、配置されている。それゆえ、第一噴孔571の外側開口部575は、主燃焼室101に形成される気流の上流側を向きやすい。これにより、第一噴孔571を介して、主燃焼室101から副燃焼室50へと気流が導入されやすくなる。それゆえ、第一噴孔571を介して副燃焼室50に導入された気流によって、放電ギャップGに生じた放電が確実に伸長しやすい。その結果、着火性を確実に向上させることができる。
スパークプラグ1は、Z方向から見たとき、すべての第一噴孔571の外側開口部575が吸気弁72側を向くように、配置されている。また、すべての第一噴孔571の合計の開口面積は、すべての第二噴孔572の合計の開口面積よりも大きい。これにより、Z方向から見たとき、第一噴孔571を介して、副燃焼室50から主燃焼室101の吸気弁72側へ火炎を多く噴出させることができる。つまり、Z方向から見て、主燃焼室101の排気弁73側と比較し、主燃焼室101の吸気弁72側に火炎を多く噴出させることができる。それゆえ、Z方向から見て主燃焼室101における吸気弁72側の混合気の着火性を向上させることができる。それゆえ、主燃焼室101全体の混合気をバランスよく燃焼させることができる。その結果、ノッキング等の原因となる燃焼異常の抑制を図ることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を有する。
(実施形態12)
本形態は、図28に示すごとく、実施形態11に対し、噴孔57の数を変更した形態である。
本形態において、プラグカバー5には、図28に示すごとく、3つの第一噴孔571と、2つの第二噴孔572とが形成されている。3つの第一噴孔571のうち、1つの第一噴孔571は、接地電極6の先端側に形成された先端側噴孔576である。Z方向から見たとき、接地電極6と先端側噴孔576とは、互いに重なっている。
先端側噴孔576は、Z方向から見たとき、延長線571Lがプラグ径方向に沿うように、形成されている。また、Z方向から見たとき、先端側噴孔576の中心軸の延長線571Lは、接地電極6の突出方向に沿っている。
また、先端側噴孔576以外の第一噴孔571は、2つ形成されている。つまり、第一噴孔571の数は奇数となっており、先端側噴孔576以外の第一噴孔571の数は偶数となっている。Z方向から見て、先端側噴孔576以外の第一噴孔571は、接地電極6を挟んで互いに対称となる位置及び向きに形成されている。具体的には、Z方向から見て、2つの第一噴孔571は、接地電極6を挟んで互いに対称となる位置及び向きに形成されている。
その他は、実施形態11と同様である。
本形態のスパークプラグ1は、先端側噴孔576を有する。また、Z方向から見て、先端側噴孔576以外の第一噴孔571は、接地電極6を挟んで互いに対称となる位置及び向きに形成されている。それゆえ、それぞれの第一噴孔571から流入する気流同士は、合流して、第一プラグ部13から第二プラグ部14へと向かいやすい。それゆえ、副燃焼室50に形成されるタンブル流を強化することができる。その結果、放電ギャップGに生じた放電が一層伸長しやすい。
その他、実施形態11と同様の作用効果を有する。
(実施形態13)
本形態は、図29に示すごとく、実施形態11に対し、第一噴孔571の開口方向を変更した形態である。
第一噴孔571は、第一噴孔571の中心軸の延長線571Lが、先端突出部41を通過しないように形成されている。図29に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、少なくとも2つの第一噴孔571のそれぞれの中心軸の延長線571L同士の交点を交点A2とする。プラグ軸方向Zから見たとき、交点A2と、第一噴孔571とは、Y方向において、先端突出部41を挟んで互いに反対側に位置している。
本形態においては、Z方向から見たとき、交点A2は、先端突出部41と突出側噴孔573との間に位置している。また、Z方向から見たとき、交点A2は、突出端部63と突出側噴孔573との間に位置している。
その他は、実施形態11と同様である。
第一噴孔571は、延長線571Lが、先端突出部41を通過しないように形成されている。また、Z方向から見たとき、交点A2と、第一噴孔571とは、Y方向において、先端突出部41を挟んで互いに反対側に位置している。それゆえ、第一噴孔571を介して副燃焼室50に導入されたガスの気流が、先端突出部41に遮られ難くなり、タンブル流が形成されやすくなる。それゆえ、接地電極6の基端面61に案内される気流を強化することができる。その結果、放電ギャップGに形成された放電を、より伸長させることができる。
その他、実施形態11と同様の作用効果を有する。
(実施形態14)
本形態は、図30、図31に示すごとく、実施形態13に対し、接地電極6の突出端部63の位置を変更した形態である。
図30に示すごとく、プラグ軸方向Zから見たとき、突出端部63は、先端突出部41よりも突出側噴孔573に近い位置に配置されている。
言い換えると、Z方向から見たとき、突出端部63から突出側噴孔573までの最短距離D4は、突出端部63から先端突出部41までの最短距離D5よりも短い。
また、突出端部63は、図31に示すごとく、突出側噴孔573の外側開口部574の基端と先端突出部41の先端部とを最短距離でつなぐ直線L4よりも先端側に配置されている。
また、突出端部63は、突出側噴孔573の外側開口部574の中心と先端突出部41の先端部とを最短距離でつなぐ直線L5よりも先端側に配置されている。また、突出端部63は、突出側噴孔573の内側開口部577の先端と先端突出部41の先端部とを最短距離でつなぐ直線L6よりも先端側に配置されている。
また、図30に示すごとく、Z方向から見たとき、突出側噴孔573の中心軸の延長線573Lが、突出端部63と重なるように、突出側噴孔573は開口している。また、Z方向から見たとき、延長線573Lが、接地電極6の突出方向に沿うように、突出側噴孔573は開口している。
また、放電ギャップGは、図31に示すごとく、ハウジング2の先端よりも先端側に形成されている。
その他は、実施形態13と同様である。
プラグ軸方向Zから見たとき、突出端部63は、先端突出部41よりも突出側噴孔573に近い位置に配置されている。それゆえ、膨張行程において、放電の接地電極6側の起点は、突出側噴孔573を介して副燃焼室50から導出される気流によって、突出側噴孔573に向かって一層移動しやすい。それゆえ、放電は、突出側噴孔573に向かって一層伸長しやすい。その結果、着火性を一層向上させることができる。
突出端部63は、直線L4よりも先端側に配置されている。それゆえ、膨張行程において、放電ギャップGに生じた放電は、突出端部63によって短絡されることなく、突出側噴孔573及び主燃焼室に向かって確実に伸長しやすい。その結果、着火性を確実に向上させることができる。
また、突出端部63が上記の位置に配置されていることにより、放電ギャップGに生じた放電の接地電極6側の起点は、突出側噴孔573の内面に移りやすい。また、さらに、放電の接地電極6側の起点は、突出側噴孔573の外側開口部574に向かって移動しやすい。それゆえ、放電を、突出側噴孔573から主燃焼室側に伸長させやすい。その結果、主燃焼室の着火性を一層向上させることができる。
また、突出端部63は、直線L5よりも先端側に配置されている。それゆえ、放電は、突出端部63によって短絡されることなく、突出側噴孔573及び主燃焼室に向かって一層確実に伸長しやすい。
また、突出端部63は、直線L6よりも先端側に配置されている。それゆえ、放電は、突出端部63によって短絡されることなく、突出側噴孔573及び主燃焼室に向かって、より一層確実に伸長しやすい。
放電ギャップGは、ハウジング2の先端よりも先端側に形成されている。それゆえ、放電ギャップGの調整を容易に行うことができる。その結果、スパークプラグ1を容易に製造することができる。
その他、実施形態13と同様の作用効果を有する。
(実施形態15)
本形態は、図32に示すごとく、実施形態11に対し、中心電極4の先端部の形状を変更した形態である。
すなわち、中心電極4の先端面411は、接地電極6の傾斜面611に沿って傾斜している。
その他は、実施形態11と同様である。
中心電極4の先端面411は、接地電極6の傾斜面611に沿って傾斜している。それゆえ、中心電極4の先端面411と接地電極6の傾斜面611とを略平行にすることができる。その結果、中心電極4が局部的に摩耗することを抑制し、放電ギャップGの距離が拡大することを抑制することができる。
その他、実施形態11と同様の作用効果を有する。
上記実施形態11~15において、第一噴孔571の数と第二噴孔572の数との比は、2:1又は3:2となっている。ただし、第一噴孔571の数と第二噴孔572の数との比は、例えば、3:1、4:3、4:2等とすることができる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1…スパークプラグ、11…第一プラグ部、12…第二プラグ部、2…ハウジング、3…絶縁碍子、4…中心電極、41…先端突出部、5…プラグカバー、50…副燃焼室、51…大噴孔、52…小噴孔、6…接地電極、62…固定端部、61…基端面、51L…大噴孔の中心軸の延長線、G…放電ギャップ、Z…プラグ軸方向、C…プラグ中心軸、P…プラグ中心軸を含む所定の平面

Claims (18)

  1. 筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子の先端側に先端突出部(41)を突出させた中心電極(4)と、
    上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
    上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
    上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有する内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
    上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の基端面(61)とが、プラグ軸方向(Z)に互いに対向することにより形成されており、
    上記プラグカバーには、少なくとも2つの大噴孔(51)と、該大噴孔よりも開口面積が小さい小噴孔(52)とが形成されており、
    上記大噴孔と上記小噴孔とは、それぞれ上記副燃焼室と外部とを連通させており、
    上記大噴孔は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、プラグ軸方向に対して傾斜して開口しており、
    プラグ中心軸(C)を含む所定の平面(P)によって上記スパークプラグを第一プラグ部(11)と第二プラグ部(12)とに2分割したとき、上記少なくとも2つの大噴孔のいずれもが、上記第一プラグ部に形成されており、
    上記接地電極は、上記第一プラグ部における上記ハウジング又は上記プラグカバーに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、
    プラグ軸方向から見たとき、上記第一プラグ部において、上記固定端部は、プラグ周方向における、少なくとも2つの上記大噴孔のそれぞれの中心軸の延長線(51L)同士の間に配置されている、内燃機関用のスパークプラグ。
  2. 上記大噴孔は、当該大噴孔の中心軸の延長線が、上記先端突出部を通過しないように形成されており、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも2つの上記大噴孔のそれぞれの中心軸の延長線同士の交点(A)と、上記大噴孔とは、プラグ軸方向から見たときの上記固定端部と上記先端突出部との並び方向(Y)において、上記先端突出部を挟んで互いに反対側に位置している、請求項1に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  3. 上記接地電極の基端面は、上記接地電極の突出端部(63)に近づくに従って先端側に向かうようにプラグ軸方向に対して傾斜した傾斜面(611)を有する、請求項1又は2に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  4. 上記中心電極の先端面(411)は、上記接地電極の上記傾斜面に沿って傾斜している、請求項3に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  5. 少なくとも一つの上記小噴孔は、プラグ軸方向から見たとき、上記接地電極の突出方向の延長線(6L)が通過する突出側噴孔(521)であり、
    プラグ軸方向から見たとき、上記先端突出部と上記突出側噴孔との間には、上記接地電極の突出端部(63)の少なくとも一部が配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  6. プラグ軸方向から見たとき、上記突出端部は、上記先端突出部よりも上記突出側噴孔に近い位置に配置されている、請求項5に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  7. 上記突出端部は、上記突出側噴孔の外側開口部(522)の基端と上記先端突出部の先端部とを最短距離でつなぐ直線(L1)よりも先端側に配置されている、請求項5又は6に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  8. 上記放電ギャップは、上記ハウジングの先端よりも先端側に形成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグを備えた内燃機関(10)であって、
    主燃焼室(101)と、
    該主燃焼室に設けられた吸気弁(72)及び排気弁(73)と、
    上記プラグカバーの外表面(53)が上記主燃焼室に面するように配置された上記スパークプラグと、を有し、
    上記スパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも一つの上記大噴孔の外側開口部(511)が上記吸気弁側を向くように、配置されている、内燃機関。
  10. 筒状の絶縁碍子(3)と、
    該絶縁碍子の内周側に保持されると共に該絶縁碍子の先端側に先端突出部(41)を突出させた中心電極(4)と、
    上記絶縁碍子を内周側に保持する筒状のハウジング(2)と、
    上記中心電極との間に放電ギャップ(G)を形成する接地電極(6)と、
    上記放電ギャップが配される副燃焼室(50)を覆うよう上記ハウジングの先端部に設けられたプラグカバー(5)と、を有する内燃機関用のスパークプラグ(1)であって、
    上記放電ギャップは、上記中心電極の先端部と上記接地電極の基端面(61)とが、プラグ軸方向(Z)に互いに対向することにより形成されており、
    上記プラグカバーには、上記副燃焼室と外部とを連通させる複数の噴孔(57)が形成されており、
    上記接地電極は、上記ハウジング又は上記プラグカバーに固定された固定端部(62)から上記副燃焼室内に突出しており、
    プラグ中心軸(C)を含むと共に、プラグ軸方向から見て上記接地電極の突出方向と直交する平面(P2)によって、上記スパークプラグを、上記固定端部を含む第一プラグ部(13)と、第二プラグ部(14)とに2分割したとき、該第一プラグ部の上記プラグカバーと該第二プラグ部の上記プラグカバーとの双方に上記噴孔が形成されており、
    上記第一プラグ部に形成された上記噴孔を第一噴孔(571)とし、上記第二プラグ部に形成された上記噴孔を第二噴孔(572)としたとき、該第一噴孔の数は、該第二噴孔の数よりも多く、
    上記第一噴孔は、先端側へ向かうほどプラグ径方向の外側へ向かうように、プラグ軸方向に対して傾斜して開口しており、
    プラグ軸方向から見たとき、上記第一プラグ部において、上記固定端部は、プラグ周方向における、少なくとも2つの上記第一噴孔のそれぞれの中心軸の延長線(571L)同士の間に配置されている、内燃機関用のスパークプラグ。
  11. 上記第一噴孔は、当該第一噴孔の中心軸の延長線が、上記先端突出部を通過しないように形成されており、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも2つの上記第一噴孔のそれぞれの中心軸の延長線同士の交点(A2)と、上記第一噴孔とは、プラグ軸方向から見たときの上記固定端部と上記先端突出部との並び方向(Y)において、上記先端突出部を挟んで互いに反対側に位置している、請求項10に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  12. 上記接地電極の基端面は、上記接地電極の突出端部(63)に近づくに従って先端側に向かうようにプラグ軸方向に対して傾斜した傾斜面(611)を有する、請求項10又は11に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  13. 上記中心電極の先端面(411)は、上記接地電極の上記傾斜面に沿って傾斜している、請求項12に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  14. 少なくとも一つの上記第二噴孔は、プラグ軸方向から見たとき、上記接地電極の突出方向の延長線(6L)が通過する突出側噴孔(573)であり、
    プラグ軸方向から見たとき、上記先端突出部と上記突出側噴孔との間には、上記接地電極の突出端部(63)の少なくとも一部が配置されている、請求項10~13のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  15. プラグ軸方向から見たとき、上記突出端部は、上記先端突出部よりも上記突出側噴孔に近い位置に配置されている、請求項14に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  16. 上記突出端部は、上記突出側噴孔の外側開口部(574)の基端と上記先端突出部の先端部とを最短距離でつなぐ直線(L4)よりも先端側に配置されている、請求項14又は15に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  17. 上記放電ギャップは、上記ハウジングの先端よりも先端側に形成されている、請求項10~16のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグ。
  18. 請求項10~17のいずれか一項に記載の内燃機関用のスパークプラグを備えた内燃機関(10)であって、
    主燃焼室(101)と、
    該主燃焼室に設けられた吸気弁(72)及び排気弁(73)と、
    上記プラグカバーの外表面(53)が上記主燃焼室に面するように配置された上記スパークプラグと、を有し、
    上記スパークプラグは、プラグ軸方向から見たとき、少なくとも一つの上記第一噴孔の外側開口部(575)が上記吸気弁側を向くように、配置されている、内燃機関。
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