JP7243249B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本願は全固体電池を開示する。
従来から、電池性能を高めるために、複数の正極、固体電解質層、負極を積層した全固体電池が開発されている。
特許文献1は、正極集電箔および負極集電箔各々の集電箔の一方の面に合材を塗布した正極層及び負極層と、正極層と負極層との間に硫化物固体電解質層を備える全固体電池を開示している。また、同文献には正極集電箔としてCuを使用していることが開示されている。特許文献2は、複数の並列電極体および複数のバイポーラ電極を有し、複数の並列電極体は、それぞれ正極、固体電解質層、負極を有し、バイポーラ電極集電箔と、バイポーラ電極に対向して配置されている正極の正極集電箔及び負極の負極集電箔と、は、分離されている積層型全固体二次電池を開示している。
特開2017-4914号公報 特開2018-37247号公報
現在の全固体電池は、これを製造する際に、集電箔を合材層に配置し、高い圧力で拘束して、集電箔を張り付けることで製造されている。このように、高い圧力を付与しているため拘束部材が大型化する問題がある。一方で、集電箔を張り付ける際に、小型の拘束部材を用いて、低い圧力で拘束すると、電気抵抗が高くなる虞がある。
そこで、本願は電気抵抗の低い全固体電池を提供することを課題とする。
合材層の集電箔を配置する側の表面には局所的に見ると凹凸がある。図1に合材層のSEM画像を示した。そのため、従来では集電箔を合材層に配置して高い圧力で拘束することにより、合材層及び集電箔を変形させ、これらの界面の隙間を小さくし、密着させている(図2)。これにより、集電箔及び合材層間の電気抵抗は低くなる。
一方で、低い圧力で拘束すると、合材層及び集電箔が変形しない(拘束時に変形したとしても、拘束解除時に元に戻る)ため、これらの界面の隙間が大きく、合材層及び集電箔が十分に密着することができない(図3)。よって、低い圧力で拘束すると、集電箔及び合材層間の電気抵抗は高くなる虞がある。
このような事情を考慮し、本発明者らは鋭意検討した結果、集電箔の合材層と接触する面に接着機能を有する炭素材料層を被覆することで、集電箔(炭素材料層)及び合材層間の電気抵抗が小さくなることを見出した。これは集電箔に合材層が接着可能な炭素材料層を被覆することにより、低圧力で拘束された場合であっても、炭素材料層と合材層とが密着した状態を維持することができ、すなわち、炭素材料層と合材層とが変形した状態を維持することができ、炭素材料層と合材層との界面の隙間が小さくなるためと考えられる(図4)。
以上の知見に基づいて、本願は上記課題を解決するための一つの手段として、第1の集電箔、第1の合材層、固体電解質層、第2の合材層、第2の集電箔を備え、第2の集電箔の第2の合材層側の面には接着機能を有する炭素材料層が被覆されており、炭素材料層と第2の合材層とは密着している、全固体電池を開示する。
本開示によれば、電気抵抗の低い全固体電池を提供することができる。
一般的な合材層の集電箔側の表面を含む断面のSEM画像である。 集電箔と合材層とを高い圧力で拘束した場合の、これらの界面の様子を説明する概略図である。 集電箔と合材層とを低い圧力で拘束した場合の、これらの界面の様子を説明する概略図である。 集電箔に炭素材料層を被覆した場合において、集電箔と合材層とを低い圧力で拘束した場合の、これらの界面の様子を説明する概略図である。 全固体電池100の断面図である。 正極合材層4、炭素材料層5a、正極集電箔5に着目した拡大断面図である。
以下において、数値A及びBについて「A~B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。
[全固体電池]
本開示の全固体電池は、第1の集電箔、第1の合材層、固体電解質層、第2の合材層、第2の集電箔を備え、第2の集電箔の第2の合材層側の面には接着機能を有する炭素材料層が被覆されており、炭素材料層と第2の合材層とは密着していることを特徴としている。
以下、本開示の全固体電池について、一実施形態である全固体電池100を用いて説明する。全固体電池100では、第1の集電箔を負極集電箔とし、第1の合材層を負極合材層とし、第2の集電箔を正極集電箔とし、第2の合材層を正極合材層としている。図5は、全固体電池100の断面図である。ただし、本開示の全固体電池はこれに限定されず、第1の集電箔を正極集電箔とし、第1の合材層を正極合材層とし、第2の集電箔を負極集電箔とし、第2の合材層を負極合材層としてもよい。
全固体積層電池100は負極集電箔1、負極合材層2、固体電解質層3、正極合材層4、及び正極集電箔5をこの順で備えている。「この順で備え」とは、各層がこの順番に配置された形態であり、各層間に他の層が配置される形態を妨げない。言い換えると、各層が直接的にこの順で配置された形態のほか、各層間に他の層が配置され、間接的にこの順で配置された形態を含む。例えば、以下の炭素材料層5aが他の層に該当する。
具体的には、図5に示したとおり、全固体電池100は、負極集電箔1と、負極集電箔1の両面に配置された負極合材層2と、それぞれの負極合材層2に積層された固体電解質層3と、それぞれの固体電解質層3に積層された正極合材層4と、それぞれの正極合材層4に積層された正極集電箔5を有する電極体10を複数備える。ただし、本開示の全固体電池において電極体は少なくとも1つで良い。
また、全固体電池100の負極合材層側の端部には負極集電箔1が積層され、正極合材層側の端部には正極集電箔5が積層されている。なお、正極に含まれる正極集電箔1は1枚でもよく、2枚以上重なっていてもよい。また、負極も同様に、負極に含まれる負極集電箔5は1枚でもよく、2枚以上重なっていてもよい。
次に、各層を構成する材料について説明する。
負極合材層2は、少なくとも負極活物質を含む。負極合材層2には、負極活物質に加えて、任意に固体電解質、バインダー及び導電剤等を含ませることができる。負極活物質は公知の負極活物質を用いればよい。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、負極活物質としてSiやSi合金や酸化ケイ素等のシリコン系活物質;グラファイトやハードカーボン等の炭素系活物質;チタン酸リチウム等の各種酸化物系活物質;金属リチウムやリチウム合金等を用いることができる。負極合材層2に含まれ得る固体電解質は無機固体電解質が好ましい。有機ポリマー電解質と比較してイオン伝導度が高いためである。また、有機ポリマー電解質と比較して、耐熱性に優れるためである。好ましい無機固体電解質としては、例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2-X(PO、Li-SiO系ガラス、Li-Al-S-O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS-P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-SiS-P、LiS-P-LiI-LiBr、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiS-P-GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS-Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS-P-LiI-LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。負極合材層2に含まれ得るバインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。負極合材層2に含まれ得る導電剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック、気相法炭素繊維(VGCF)等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。負極合材層2における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。負極合材層2の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体積層電池100を容易に構成できる観点から、シート状の負極合材層が好ましい。この場合、負極合材層2の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上150μm以下であることがより好ましい。ただし、負極の容量が正極の容量よりも大きくなるように、負極合材層2の大きさ(面積や厚み)を決定することが好ましい。
固体電解質層3は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質層3には、固体電解質に加えて、任意にバインダーを含ませることができる。固体電解質は無機固体電解質が好ましい。例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2-X(PO、Li-SiO系ガラス、Li-Al-S-O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS-P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-SiS-P、LiS-P-LiI-LiBr、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiS-P-GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS-Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS-P-LiI-LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。バインダーとしては例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。固体電解質層3における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。固体電解質層3の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体積層電池100を容易に構成できる観点から、シート状の固体電解質層が好ましい。この場合、固体電解質層3の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
正極合材層4は、少なくとも正極活物質を含む。正極合材層4には、正極活物質に加えて、任意に固体電解質、バインダー及び導電剤等を含ませることができる。正極活物質は公知の正極活物質を用いればよい。例えば、リチウムイオン電池を構成する場合は、正極活物質としてコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、マンガン酸リチウム、スピネル系リチウム化合物等の各種のリチウム含有複合酸化物を用いることができる。正極活物質は表面がニオブ酸リチウム層やチタン酸リチウム層やリン酸リチウム層等の酸化物層で被覆されていてもよい。正極合材層4に含まれ得る固体電解質は無機固体電解質が好ましい。例えば、ランタンジルコン酸リチウム、LiPON、Li1+XAlGe2-X(PO、Li-SiO系ガラス、Li-Al-S-O系ガラス等の酸化物固体電解質;LiS-P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-SiS-P、LiS-P-LiI-LiBr、LiI-LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiS-P-GeS等の硫化物固体電解質を例示することができる。特に、硫化物固体電解質が好ましく、LiS-Pを含む硫化物固体電解質がより好ましく、LiS-P-LiI-LiBrを含む硫化物固体電解質がさらに好ましい。正極合材層4に含まれ得るバインダーとしては、例えば、ブタジエンゴム(BR)、ブチレンゴム(IIR)、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。正極合材層4に含まれ得る導電剤としてはアセチレンブラックやケッチェンブラック、気相法炭素繊維(VGCF)等の炭素材料やニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。正極合材層4における各成分の含有量は従来と同様とすればよい。正極合材層4の形状も従来と同様とすればよい。特に、全固体積層電池100を容易に構成できる観点から、シート状の正極合材層が好ましい。この場合、正極合材層4の厚みは、例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上150μm以下であることがより好ましい。
負極集電箔1及び正極集電箔5は、金属箔や金属メッシュ等により構成すればよい。特に金属箔が好ましい。正極集電箔1及び負極集電箔5を構成する金属としては、Cu、Ni、Cr、Au、Pt、Ag、Al、Fe、Ti、Zn、Co、ステンレス鋼等が挙げられる。特にCu、Alが好ましい。負極集電箔1及び正極集電箔5は、その表面に、抵抗を調整するための何らかのコート層を有していてもよい。負極集電箔1及び正極集電箔5の各々の厚みは特に限定されるものではない。例えば0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
(炭素材料層)
また、全固体電池100は正極集電箔5の正極合材層4側の面に接着機能を有する炭素材料層5aが被覆されており、炭素材料層5aと正極合材層4とは密着している。これにより、正極集電箔5(炭素材料層5a)及び正極合材層4間の電気抵抗が低くなる。図6に正極合材層4、炭素材料層5a、正極集電箔5に着目した拡大断面図を示した。
なお、正極集電体5の両面に正極合材層4が配置されている場合は、正極集電箔5の両面に炭素材料層5aを設けることが好ましい。また、負極集電箔1にも同様に炭素材料層5aが被覆されていてもよい。
ここで「接着機能」とは、負極集電箔1、負極合材層2、固体電解質層3、正極合材層4、及び正極集電箔5を有する電極積層体を積層方向に拘束する工程を経て、全固体電池100を製造する場合において、図4に示したように、拘束によって炭素材料層5aと正極合材層4とが変形した状態を維持することができる程度の接着性を意味する。好ましくは、後述の好ましい剥離強度である。
また、「炭素材料層5aと正極合材層4とは密着している」とは、拘束によって炭素材料層5aと正極合材層4とが変形し、炭素材料層5aと正極合材層4との界面の隙間が拘束工程前に比べて小さくなっている状態を意味する。好ましくは、さらに後述の好ましい電子伝導度を有した状態である。
正極集電箔5(炭素材料層5a)と正極合材層4との剥離強度は0.03N/cm以上であることが好ましい。正極集電箔5(炭素材料層5a)と正極合材層4との剥離強度が0.03N/cm以上であることにより、拘束によって炭素材料層5aと正極合材層4とが変形した状態を維持することができる。正極集電箔5(炭素材料層5a)と正極合材層4との剥離強度の上限は特に限定されないが、1N/cmであることが好ましい。
炭素材料層5aの電子伝導度(導電性)は20S/cm以上であることが好ましい。これにより、炭素材料層5aに適切な電子伝導性を付与することができる。炭素材料層5aの電子伝導度の上限は特に限定されないが200S/cmであることが好ましい。
炭素材料層5aは、少なくともバインダー及び導電剤含む。炭素材料層5aに含むことができるバインダーとしては、ガラス転移点が30℃以下のアクリル系バインダーが好ましい。また、炭素材料層5aに含むことができる導電剤としては、アセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック(FB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(VGCF)等の炭素材料が好ましい。
炭素材料層5aに含まれるバインダーの体積の割合をx(vol%)とし、導電剤の給油量をy(cm/100g)と表記したとき、x/yの値が0.0028以上であることが好ましい。x/yの値が0.0028以上であると、炭素材料層5aの正極合材層4側の表面に十分にバインダーが存在することができ、炭素材料層5aと正極合材層4との剥離強度が0.03N/cm以上となる。よって、x/yの値が0.0028以上であると、炭素材料層5aと正極合材層4とが密着した状態を維持可能となり、炭素材料層5aと正極合材層4との間の電気抵抗が低くなる。
一方で、x/yの値が0.0028未満であると、炭素材料層5aの表面に十分にバインダーが存在することができず、炭素材料層5aと正極合材層4との剥離強度が0.03N/cm未満になる虞がある。よって、x/yの値が0.0028未満であると、炭素材料層5aと正極合材層4とが密着した状態を維持が困難となり、炭素材料層5aと正極合材層4との間の電気抵抗が高くなる虞がある。
ここで、バインダーの体積の割合とは、バインダー及び導電剤の体積を100vol%としたときの、バインダーの体積の割合である。後述の導電剤の体積の割合も同様に、バインダー及び導電剤の体積を100vol%としたときの、導電剤の体積の割合である。
炭素材料層5aに用いた導電剤の体積の割合をz(vol%)とし、導電剤の給油量をy(cm/100g)と表記したとき、y×zの値が34以上であることが好ましい。y×zが34以上であると、炭素材料層5aの正極合材層4側の表面に十分に導電剤が存在することができ、炭素材料層5aの電子伝導度が20S/cm以上となる。よって、y×zが34以上であると、炭素材料層5aと正極合材層4との間の電気抵抗が低くなる。
一方で、y×zが34未満であると、炭素材料層5aの表面に十分に導電剤が存在することができず、炭素材料層5aの電子伝導度が20S/cm未満となる虞がある。よって、y×zが34未満であると、炭素材料層5aと正極合材層4との間の電気抵抗が高くなる虞がある。
以上より、全固体電池100を用いて本開示の全固体電池について説明した。本開示の全固体電池によれば、電気抵抗を低下させることができる。
[全固体電池の製造方法]
次に、本開示の全固体電池の製造方法について説明する。
本開示の全固体電池の製造方法は、正極集電箔に炭素材料層を形成する工程と、正極合材層、固体電解質層、負極合材層、及び負極集電箔をこの順で備えた積層体の正極合材層の面に炭素材料層が接するように上記正極集電箔を配置し、電極積層体を得る工程と、電極積層体を拘束する工程を備える。
正極集電箔に炭素材料層を形成する工程は、公知の方法により行うことができる。例えば、炭素材料層を構成する材料を含むペーストを正極集電箔に塗布することにより、製造することができる。ペーストの塗布方法は公知の方法を採用することができる。
正極合材層、固体電解質層、負極合材層、及び負極集電箔をこの順で備えた積層体の正極合材層の面に炭素材料層が接するように正極集電箔を配置し、電極積層体を得る工程は、公知の方法により行うことができる。例えば、積層体の正極合材層の面に炭素材料層が接するように正極集電箔を、単に張り付けるだけで良い。
電極積層体を拘束する工程は、少なくとも電極積層体の正極集電箔側の面に所定の圧力を負荷する工程である。例えば、電極積層体の正極集電箔側の面をプレスすることにより実施することができる。負荷する圧力は、従来の電池製造において負荷される圧力よりも低い圧力で良い。低い圧力とは正極合材層及び炭素材料層が一時的に変形可能な圧力であり、具体的には0Paより大きく1MPa以下、好ましくは0.5MPa以上1MPa以下の圧力である。本開示の全固体電池の製造方法は、負荷される圧力が低い圧力であっても、電気抵抗の低い全固体電池を製造することができることが特徴である。
ただし、電極積層体を拘束する工程において付加される圧力は低い圧力に限定されるものではなく、高い圧力(低い圧力を超える圧力)であってもよい。
なお、圧力を付加する際に、加熱されたプレス機を用いてもよい。加熱温度は適宜設定することができる。
以下、本開示の全固体電池について、実施例を用いてさらに説明する。
[全固体電池の作製]
(正極合材層の作製)
転動流動性コーティング装置(パウレック社製)を用いて、大気雰囲気下においてLi1.15Ni1/3Co1/3Mn1/3を主相とする粒子にニオブ酸リチウムをコーティングし、正極活物質を得た。
ポリプロピレン製容器に、上記正極活物質、硫化物固体電解質(LiS-P系セラミックス)、PVDF及び、VGCF(昭和電工製)を、重量比で81:16.5:0.6:1.9の割合で加え、超音波分散装置(エスエムテー社製UH-50)で30秒間撹拌した。次に容器を振とう器(柴田科学社製TTM-1)で3分間浸透させ、さらに超音波分散装置で30秒間撹拌した。次いで、振とう器で3分間浸透させた後、アプリケーターを使用してブレード法にてAl箔上に塗工した。その後、自然乾燥し、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させることにより、正極合材層を得た。
(負極の作製)
ポリプロピレン製容器に、負極活物質(LTO:チタン酸リチウム)、硫化物固体電解質(LiS-P系セラミックス)、PVDF及び、VGCF(昭和電工製)を、重量比で71:23.9:3.4:1.7の割合で加え、超音波分散装置で30分間撹拌した。そして得られたスラリーを、アプリケーターを使用したブレード法にて銅箔上に塗工した。その後、自然乾燥し、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させることにより、負極集電箔上に負極合材層が積層された負極を得た。
(固体電解質層の作製)
ポリプロピレン製容器に、硫化物固体電解質(LiS-P系セラミックス)及びブタジエンゴム(BR)を、重量比で99:1の割合で加え、さらにヘプタンを加えて超音波分散装置で30秒間撹拌した。次いで、振とう器で3分間振とうさせた後、アプリケーターを使用して、ブレード法にてAl箔上に塗工した。その後、自然乾燥し、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させることにより、固体電解質層を得た。
(正極集電箔の作製)
表1に記載した導電剤とバインダーとを、体積割合が表1の割合となるように秤量し、HOを加え、炭素材料層組成物を作製した。次に、炭素材料層組成物をAl箔に2μmの厚みで片面に塗工し、10℃で1時間乾燥して炭素材料層が形成された正極集電箔を得た。
(ガラス転移点tgの測定)
ここで、バインダーのガラス転移点tgの測定方法は次のとおりである。まずAl箔の上にバインダーを厚みが10μmになるように塗工した後、20枚重ね、Φ8mmに打ちぬきサンプルを得た。次に、熱機械分析装置(NETZSCH製 TMA 4000 SE)を用いて、測定温度-60℃~150℃、昇温速度20℃/min、加重を10gに設定し、計算方法JISK7121/JISK7122に従って、サンプルのガラス転移点tgを算出した。
(電極積層体の作製)
合材面積が7.2×7.2cmとなるように切り出された負極と、7.2×7.2cmとなるように切り出された固体電解質層とを、負極合材層と固体電解質層とが直接接触するように張り合わせ、1.6t/cmでプレスし、その後、固体電解質層の基材であるAl箔を剥がした。続いて、合材面積が7×7cmとなるように切り出された正極合材層を、正極合材層と固体電解質層とが直接接触するように張り合わせ、1.6t/cmでプレスした。その後、正極合材層の基材であるAl箔を剥がし、さらに5t/cmでプレスした。そして、正極合材層の固体電解質層とは反対側の面に上記の正極集電箔を配置し、電極積層体を得た。
(拘束工程)
得られた電極積層体の正極集電箔を150℃、1MPaで一軸プレスした。
(積層工程)
拘束工程を経た電極積層体を20個積層し、各端子を溶接後ラミネートセル化して全固体電池を作製した。
[評価]
(電池評価)
1.6V-2.7Vの範囲で、25℃、0.33Cにて、CC-CV充電を行った後、CC-CV放電を行った。全固体電池の電圧をSOC50%に調整し、3Cで10秒間放電し、そのときの電圧変化から抵抗を算出した。結果を表1に示した。
(剥離強度)
JIS Z 0237のテープ背面を試験板とした引きはがし粘着力試験方法に従って、
150℃、1MPaで一軸プレスして、上記の正極集電箔と正極合材層とを貼り付けた後、90°方向にピール試験を行い、剥離強度を測定した。
(電子伝導度)
正極集電箔を1cmに打ち抜き、炭素材料層の表面を、スパッタリングを用いて金メッキした。その後、金メッキ面同士を張り合わせ、0.1MPaで拘束後、抵抗を測定した。
Figure 0007243249000001
表1のとおり、導電剤にアセチレンブラックやファーネスブラックの炭素材料を用い、さらにx/y≧0.0028、かつ、y×z≧34である実施例1~8は、正極合材層と正極集電箔との剥離強度が0.03N/cm以上、炭素材料層の導電性が20S/cm以上となり、抵抗は低くなった。これは炭素材料層の固体電解質層側の表面に導電剤とバインダーとが十分に存在できたためと考えられる。
一方で、導電剤にアセチレンブラックやファーネスブラックの炭素材料を用いた場合であっても、x/y<0.0028である比較例2、4は、正極合材層と正極集電箔との接着力が小さかった。これは炭素材料層の固体電解質層側の表面にバインダーが十分に存在できなかったためであると考えられる。そのため正極合材層と正極集電箔とが密着せず、高抵抗となった。
また、導電剤にアセチレンブラックやファーネスブラックの炭素材料を用いた場合であっても、y×z<34である比較例1、3は、炭素材料層の導電性が20S/cm未満となった。これは炭素材料層の固体電解質側の表面に導電剤が十分に存在できなかったためと考えられる。そのため、高抵抗となった。
さらに、比較例5、6のように、ガラス転移点が30℃よりも低いアクリル系バインダーを用いていない場合は、x/y≧0.0028、かつ、y×z≧34であったとしても、高抵抗となった。これは正極集電箔と正極合材層が適切に密着できなかったためと考えられる。
1 負極集電箔
2 負極合材層
3 固体電解質層
4 正極合材層
5 正極集電箔
5a 炭素材料層
100 全固体電池

Claims (1)

  1. 第1の集電箔、第1の合材層、固体電解質層、第2の合材層、第2の集電箔を備え、
    前記第2の集電箔の前記第2の合材層側の面には接着機能を有する炭素材料層が被覆されており、
    前記炭素材料層は、少なくともバインダー及び導電剤を含み、
    前記バインダーが、ガラス転移点が30℃以下のアクリル系バインダーであり、
    前記炭素材料層に含まれるバインダーの体積の割合をx(vol%)とし、前記導電剤の油量をy(cm/100g)とし、前記導電剤の体積割合をz(vol%)としたとき、x/yが0.0028以上であり、かつ、y×zが34以上であり、
    前記炭素材料層と前記第2の合材層とは密着している、
    全固体電池。
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