JP7172679B2 - 全固体電池 - Google Patents

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Description

本開示は、全固体電池に関する。
全固体電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。例えば、特許文献1には、少なくとも第1の電極の集電体、第1の電極の活物質層、固体電解質層、上記第1の電極の対極である第2の電極の活物質層、第2の電極の集電体、第2の電極の活物質層、固体電解質層、及び第1の電極の活物質層がこの順に積層された電池ユニットの2つ以上が積層されて成る全固体電池が開示されている。
また、特許文献2には、集電体の表裏両面に均一な活物質層を形成するために、表裏が平滑な金属箔の両表面に、表面粗度Rzが0.5~5μmの粗化処理層を有し、表裏の表面粗度Rzの差が2.5μm以下であるリチウムイオン二次電池電極の集電体用金属箔が開示されている。
特開2017-204377号公報 特開2013-012450号公報
全固体電池においては、導通を、全固体電池を構成する各層間の物理的な接触によっているため、各層間が密着していないと接触抵抗が高まり、良好な電池特性を発揮することができない。そのため、全固体電池は、各層を一体化した状態でプレスすることにより製造されるのが一般的である。大型のセルの場合は電極の面積が広いため、各層間を密着させるためにはプレス圧を高くする必要があるが、プレス圧を高くすると、構成部材が破損される可能性がある。特に、集電体の両面に、活物質層、固体電解質層、活物質層等が積層された電極積層体の外側に、後から集電体を貼り付けることにより全固体電池を製造する場合は、集電体上に活物質層形成用スラリーを塗布する場合よりも、各層間の接触抵抗が高くなる傾向にある。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、各層間の接触抵抗が抑制された全固体電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、第一集電体と、上記第一集電体の一方の面から、第一活物質層Aと、固体電解質層Aと、第二活物質層Aと、第二集電体Aとをこの順に有し、上記第一集電体の他方の面から、第一活物質層Bと、固体電解質層Bと、第二活物質層Bと、第二集電体Bとをこの順に有し、上記第二活物質層Aの、上記第二集電体A側の表面の表面粗さRaが0.4μm以下であり、上記第二集電体Aの、上記第二活物質層A側の表面の表面粗さRaが0.16μm以上、0.78μm以下の範囲内である、全固体電池を提供する。
本開示によれば、第二活物質層Aと、第二集電体Aとの界面において、互いに接触する表面の表面粗さRaの差が小さいため、界面における接触面積を増大させることができ、両層の接触抵抗を抑制することができる。
本開示においては、各層間の接触抵抗が抑制された全固体電池を提供できるという効果を奏する。
本開示の全固体電池の一例を示す概略断面図である。 集電体と、活物質層との接触状態を説明する模式図である。 本開示の全固体電池を製造する方法の一例を示す概略断面図である。 集電体の表面粗さと、集電体および活物質層間の接触抵抗との関係を示すグラフである。
以下、本開示について、詳細に説明する。なお、下記の説明において、「全固体電池」を「電池」と略する場合がある。また、第一集電体および第二集電体の総称、または、いずれか一方として「集電体」と、第一活物質層および第二活物質層の総称、または、いずれか一方として「活物質層」と称する場合がある。
本開示の全固体電池は、第一集電体と、上記第一集電体の一方の面から、第一活物質層Aと、固体電解質層Aと、第二活物質層Aと、第二集電体Aとをこの順に有し、上記第一集電体の他方の面から、第一活物質層Bと、固体電解質層Bと、第二活物質層Bと、第二集電体Bとをこの順に有する。
図1は、本開示の全固体電池の一例を示す概略断面図である。図1に例示するように、全固体電池10は、第一集電体1と、第一集電体1の一方の面から、第一活物質層2Aと、固体電解質層3Aと、第二活物質層4Aと、第二集電体5Aとをこの順に有し、第一集電体1の他方の面から、第一活物質層2Bと、固体電解質層3Bと、第二活物質層4Bと、第二集電体5Bとをこの順に有する。本開示においては、上記第二活物質層Aの、上記第二集電体A側の表面の表面粗さRaが所定の範囲内であり、上記第二集電体Aの、上記第二活物質層A側の表面の表面粗さRaが所定の範囲内であることを大きな特徴とする。
上記第一集電体は、正極集電体または負極集電体であることができる。第一集電体が正極集電体であるとき、その対極である第二集電体は負極集電体であり、第一集電体が負極集電体であるとき、第二集電体は正極集電体である。活物質層についても同様である。
また、本開示の全固体電池は、第一集電体の一方の面上、および、上記第一集電体の他方の面上に、それぞれ第一活物質層と、固体電解質層と、第二活物質層と、第二集電体とを有するものである。そのため、例えば、第一集電体の一方の面側に配置された第一活物質層を第一活物質層Aと、上記第一集電体の他方の面側に配置された第一活物質層を第一活物質層Bと称する。上記AおよびBは、第一集電体のいずれの面側に位置するかを区別するためのものであり、例えば、第一活物質層Aと、固体電解質層Aとは、第一集電体の同じ面側に位置していることを意味するものである。その他の構成部材についても、同様である。なお、第一集電体に対する位置を特定しない場合は、単に「第一活物質層」など、上記英字を付さずに表記する。
通常、活物質層の表面粗さに対し、集電体の表面粗さが大きいため、両層を貼り付ける際には、界面に非接触部分が存在する(図2(a)参照)。集電体上に活物質層形成用スラリーを塗布することにより製造する場合は、集電体の表面が荒くても、その凹凸に活物質層形成用スラリーが入り込むため、上述したような非接触部分はそれほど問題にはならない。しかしながら、集電体の両面に、活物質層、固体電解質層、活物質層等が積層された電極積層体の外側に、後から集電体を貼り付けることにより全固体電池を製造する場合は、上述したような非接触部分が多く存在するため、プレス圧を高くしない場合は、各層を密着させることは困難であった。
本開示によれば、第二活物質層Aと、第二集電体Aとの界面において、互いに接触する表面の表面粗さRaの差が小さいため、界面における接触面積を増大させることができ(図2(b)参照)、両層の接触抵抗を抑制することができる。なお、図2は、集電体と、活物質層との接触状態を説明する模式図である。本開示においては、第二活物質層Aと、第二集電体Aとの界面に加えて、上記第二活物質層Bの、上記第二集電体B側の表面の表面粗さRaを後述する第二活物質層Aと同様の範囲内とし、かつ、上記第二集電体Bの、上記第二活物質層B側の表面の表面粗さRaを後述する第二活物質層Aと同様の範囲内とすることにより、電池特性をより向上させることができる。
以下、本開示の全固体電池について、詳細に説明する。
1.集電体
集電体は、活物質層の集電を行う部材である。本開示において、第二集電体Aの、第二活物質層A側の表面の表面粗さRaは、通常0.16μm以上であり、0.2μm以上であってもよい。一方、第二集電体Aの、第二活物質層A側の表面の表面粗さRaは、通常0.78μm以下であり、0.5μm以下であってもよい。上記表面粗さが小さ過ぎても、大き過ぎても、後述する第二活物質層Aとの界面の接触面積を十分に増大させることができない可能性がある。第二集電体Aの、第二活物質層Aと反対側の表面の表面粗さRaや、第二集電体Bおよび第一集電体の表面の表面粗さRaは、積層される際の相手側の面の表面粗さRaに応じて、適宜調整することができる。
ここで、上記表面粗さRaは、JIS B0601に準拠して、例えばナノスケールハイブリッド顕微鏡(VN-8010、キーエンス社製)を用いて、粗さ曲線を描き、下式により算出することができる。下式において、Lは測定長さ、xは平均線から測定曲線までの偏差である。以下の説明における表面粗さについても同様である。
Figure 0007172679000001
第二集電体として用いられる集電体は、少なくとも第二集電体Aが所望の表面粗さを有するものであれば特に限定されるものではなく、第一集電体と同様に、一般的な全固体電池に用いられる集電体を用いることができる。集電体の例としては、金属箔などの金属を挙げることができ、正極集電体を構成し得る金属としては、ステンレス鋼、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn等を挙げることができる。また、負極集電体を構成し得る金属としては、ステンレス鋼、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、Zn等を挙げることができる。
また、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等の導電性炭素材料を含有する層を、金属箔上に有する部材を、集電体として用いてもよい。この際、端子と溶接するための、金属箔が露出した部分が設けられてもよい。上記二層構造の集電体は、上記導電性炭素材料と、後述する「2.活物質層」の項に例示されているバインダーと、溶媒などを含む塗工液を金属箔上に塗工することにより製造することができる。上記二層構造の集電体を活物質層上に配置する際は、導電性炭素材料を含有する層側が活物質層と接するように配置されても、金属箔側が活物質層と接するように配置されてもよく、中でも、導電性炭素材料を含有する層側が活物質層と接するように配置されることが好ましい。
集電体の表面粗さの調整は、集電体として用いられる金属箔の表面粗さを、公知の方法により調整することにより、行うことができる。また、上述した二層構造の集電体の場合、表面粗さが大きい集電体は、表面粗さが大きい粗化金属箔上に上述した塗工液を塗工することにより得ることができ、表面粗さが小さい集電体は、表面粗さが大きい集電体をロールプレスし、表面粗さを調整することにより、得ることができる。
2.活物質層
本開示において、第二活物質層Aの、第二集電体A側の表面の表面粗さRaは、通常0.4μm以下であり、0.2μm以下であってもよい。上記表面粗さが大き過ぎると、上述した第二集電体Aとの界面の接触面積を十分に増大させることができない可能性がある。なお、活物質層の表面粗さの調整は、活物質層を形成する際に用いる、金属箔等の基材の表面粗さを調整することにより、行うことができる。また、第二活物質層Aの、第二集電体Aと反対側の表面の表面粗さや、第二活物質層Bおよび第一活物質層の表面の表面粗さは、積層される際の相手側の面の表面粗さに応じて、適宜調整することができる。
第二活物質層として用いられる活物質層は、少なくとも第二活物質層Aが所望の表面粗さを有するものであれば特に限定されるものではなく、第一活物質層と同様に、一般的な全固体電池に用いられる活物質層を用いることができる。活物質層としては、例えば、活物質と、固体電解質と、バインダーとを含有する物を挙げることができ、導電助材をさらに含有していてもよい。
活物質は特に限定されるものではなく、一般的な全固体電池の活物質層に用いられている活物質を用いることができる。正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質等の酸化物活物質が挙げられる。負極活物質としては、例えば、リチウム箔などのリチウム金属、リチウムとアルミニウムやシリコン、スズ、マグネシウムなどとの合金であるリチウム合金の他、リチウムイオンを吸蔵放出できる金属酸化物、金属硫化物、炭素材料などを挙げることができる。
バインダーは、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル系のバインダー、ポリビニリデンフロライド(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素含有バインダー、ブタジエンゴム等のゴムバインダー等を挙げることができ、中でも、PVDFが好適に用いられる。また、ゴムバインダーとしては、特に限定されないが、水素添加したブタジエンゴムや、水素添加したブタジエンゴムの末端に官能基導入したものを好適に用いることができる。また、固体電解質は後述する「3.固体電解質層」の項において例示されている固体電解質を、導電助材としては上述した「1.集電体」の項に例示されている導電性炭素材料を用いることができる。
活物質層の形成方法としては、例えば、集電体を準備し、集電体上に、活物質、固体電解質、バインダー、導電助材、溶媒等を含有するスラリーを塗工し、塗工層を形成する塗工層形成工程と、塗工層を乾燥し、活物質層を形成する乾燥工程とを有する方法が挙げられる。
3.固体電解質層
固体電解質層に用いられる固体電解質は、全固体電池で使用可能な固体電解質であれば特に限定されない。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等の無機固体電解質が挙げられ、中でも、硫化物固体電解質が好適に用いられる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li元素、X元素(Xは、P、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの少なくとも一種である)、および、S元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。硫化物固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiS-P-LiPO、LiI-P-LiPO、LiS-P-LiI、LiS-P-LiI-LiBr、LiS-P-LiO、LiS-P-LiO-LiI、LiS-P、LiI-LiS-P、LiS-SiS、LiS-SiS-LiI、LiS-SiS-LiI-LiBr、LiS-SiS-LiBr、LiS-SiS-LiCl、LiS-SiS-B-LiI、LiS-SiS-P-LiI、LiS-B、LiS-P-Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS-GeS、LiS-SiS-LiPO、LiS-SiS-LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)が挙げられる。また、固体電解質の含有量は、全固体電池の用途に応じて適宜調製される。固体電解質層は、固体電解質と、任意に含有させるバインダーとを溶剤に入れて混練することによりスラリー状の固体電解質層形成用組成物を得た後、この固体電解質層形成用組成物を基材の表面に塗布し乾燥する等の過程を経ることにより作製することができる。
4.全固体電池
本開示の全固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、後者が好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、二次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型が挙げられる。また、全固体電池は、第一集電体の両面に、第一活物質層と、固体電解質層と、第二活物質層と、第二集電体とをこの順に有する二積層セル構造の発電要素を一つのみ有していてもよく、二以上有していてもよい。後者の場合、複数の発電要素は、並列接続されていてもよく、直列接続されていてもよい。
5.全固体電池の製造方法
本開示の全固体電池を製造する方法は、上述した層構成を有し、かつ、上述した表面粗さを有する全固体電池を得ることができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、第一集電体の両面に、第一活物質層と、固体電解質層と、第二活物質層とをこの順に有する電極積層体を形成し、当該電極積層体の両面に第二集電体を貼り合わせることにより製造することができる。第二集電体を第二活物質層に貼りつける場合、第二集電体上に第二活物質層形成用組成物を塗工する場合よりも、第二集電体と第二活物質層との界面抵抗が大きくなりやすく、本開示を用いることによる利点が大きい。
図3は、本開示の全固体電池を製造する方法の一例を示す概略断面図である。まず、第一集電体1を準備し(図3(a))、第一集電体1の一方の表面上に第一活物質層2Aを形成する(図3(b))。次に、同様の処理に行い、第一集電体1の他方の表面上に第一活物質層2Bを形成する(図3(c))。その後、第一集電体1の両面に形成された第一活物質層2A、2B上に、それぞれ固体電解質層3A、3Bを形成し、(図3(d))。さらに、それぞれの固体電解質層3A、3B上に第二活物質層4A、4Bを形成することにより、第一集電体1の両面に第一活物質層2と、固体電解質層3と、第二活物質層4とをこの順に有する電極積層体20を得る(図3(e))。その後、電極積層体20のそれぞれの第二活物質層4A、4B上に、第二集電体5A、5Bを貼り付けることにより、全固体電池10を得ることができる(図3(f))。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、本開示の全固体電池について、実施例および比較例を用い、さらに具体的に説明する。なお、以下の実施例および比較例においては、第一集電体が負極集電体であり、第二集電体が正極集電体である例を示すが、本開示はこれに限定されるものではない。また、以下の実施例および比較例においては、負極集電体である第一集電体の両方の面側に、同様の材料、工程、条件により、同様の表面粗さの層をそれぞれ形成したため、各部材名に上記英字を付さずに表記する。
(正極活物質層の作製)
転動流動式コーティング装置(パウレック製)を用いて、大気雰囲気において正極活物質(Li1.15Ni1/3Co1/3Mn1/3を主相とする粒子)にニオブ酸リチウム(LiNbO)をコーティングした。その後、大気雰囲気において焼成を行い、正極活物質の表面にLiNbOを含有するコート層を形成した。これにより、表面にコート層を有する正極活物質を得た。
ポリプロピレン(PP)製容器に、PVDFと、上記で得られた正極活物質と、固体電解質(LiS-P系ガラスセラミックス)と、導電助材(気相成長炭素繊維、VGCF、昭和電工製)とを添加し、超音波分散装置(エスエムテー製UH-50)でPP製容器を30秒間撹拌した。次に、PP製容器を振とう器(柴田科学製、TTM-1)で3分間振とうさせ、さらに超音波分散装置で30秒間撹拌し、塗工液を得た。得られた塗工液を、Al箔(日本製箔製)基材上に、アプリケーターを用いて、ブレード法により塗工した。塗工層を、自然乾燥後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させ、Al箔基材の一方の表面上に正極活物質層を形成した。
上記の正極活物質層の作製において、表面粗さを変化させることで、種々の正極活物質層を作製した。下記表1にそれらの詳細を示す。表面粗さが異なる正極活物質層は、表面粗さが大きい粗化Al箔基材など、表面粗さが異なるAl箔基材上に塗工液を塗工することにより作製した。
(正極集電体の作製)
カーボンブラックとPVDF系バインダー(クレハ製)とを、重量%で30:70となるように秤量し、有機溶剤を添加して塗工液を得た。アプリケーターを用いて、ブレード法によりAl箔(厚さ:15μm)に塗工し、自然乾燥した後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、Al箔の一方の表面上に厚さ2μmのカーボン層を有する正極集電体を形成した。得られた正極集電体を、上記で得られた正極活物質層よりも大きいサイズとなるように、打ち抜いた。
上記の正極集電体の作製において、表面粗さを変化させることで、種々の正極集電体を作製した。下記表1にそれらの詳細を示す。なお、表面粗さが大きい正極集電体は、表面粗さが大きい粗化Al箔上に塗工することにより形成し、表面粗さが小さい正極集電体は、表面粗さが大きい正極集電体をロールプレスし、表面粗さを調整した。
(負極の作製)
PP製容器に、PVDF系バインダー(クレハ製)と、負極活物質(チタン酸リチウム(LTO))と、上述した固体電解質とを添加し、超音波分散装置(エスエムテー製UH-50)でPP製容器を30秒間撹拌し、塗工液を得た。次に、Cu箔(負極集電体)を準備し、得られた塗工液を、アプリケーターを用いて、ブレード法により塗工した。塗工した電極を、自然乾燥後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、Cu箔(負極集電体)の一方の表面上に負極活物質層を形成した。その後、同様の処理に行い、Cu箔(負極集電体)の他方の表面上に負極活物質層を形成し、負極を得た。
(固体電解質層の作製)
PP製容器に、酪酸ブチルと、上述した固体電解質とを添加し、超音波分散装置(エスエムテー製UH-50)でPP製容器を30秒間撹拌した。次に、PP製容器を振とう器(柴田科学製、TTM-1)で30分間振とうさせ、さらに超音波分散装置で30秒間撹拌し、塗工液を得た。Al箔(日本製箔製)基材上に、得られた塗工液を、アプリケーターを用いて、ブレード法により塗工し、自然乾燥後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させることにより、Al箔および固体電解質層を有する転写部材を得た。
(評価用電池の作製)
得られた2つの転写部材を、それぞれ、負極集電体の両面に形成された負極活物質層上に配置してプレスし、転写部材のAl箔基材を剥離した。これにより、負極活物質層上に固体電解質層を形成した。得られた積層体を、上記で得られた正極集電体よりも大きいサイズとなるように、打ち抜いた。次に、上記で得られた2つの正極活物質層を、それぞれ、負極の両面に形成された固体電解質層上に配置してプレスし、正極活物質層が形成されていたAl箔基材を、正極活物質層から剥離した。これにより、負極集電体の両面に負極活物質層と、固体電解質層と、正極活物質層とを有する電極積層体を得た。
次に、得られた電極積層体の両面に、バインダーを用いて正極集電体を貼り合わせた。これにより、上記電極積層体の両面に正極集電体が形成された二積層セル構造の全固体電池を得た。この際、正極集電体のカーボン層側が、電極積層体の正極活物質層と接するように配置した。さらに、得られた二積層セル構造を複数個積層して端子溶接後、ラミネートフィルムにより封止し、評価用電池を得た。
[接触抵抗評価]
上記で得られた評価用電池において、正極集電体と、正極活物質層との間の接触抵抗を測定した。結果を下記表1に示す。また、正極集電体の表面粗さと、上記接触抵抗との関係を図4に示す。
[セル抵抗評価]
上記で得られた評価用電池に対して、セル抵抗を測定した。測定は、1.6V~2.7Vの範囲内で、25℃、0.33Cで定電流定電圧充電後、2.27Vまで定電流定電圧放電し、3Cのレートで10秒間放電した時の電圧低下(ΔV)から、抵抗を算出した。結果を下記表1に示す。表1においては、比較例1のセル抵抗を100とした場合の、各セルの比セル抵抗(%)を示す。
Figure 0007172679000002
図4から、正極集電体の表面粗さが一定以上になると、正極集電体と、正極活物質層との間の接触抵抗が急激に増加していることが分かる。また、正極集電体の表面粗さが一定以化になると、正極集電体と、正極活物質層との間の接触抵抗が徐々に増加する傾向にあることが分かる。
実施例1~9においては、正極活物質層の表面粗さが変化しても、比セル抵抗値は低かった。これは、正極集電体の表面粗さと、正極活物質層の表面粗さとの差が小さいため、界面の接触面積が増加したためと推測され、比較例1~4において比セル抵抗値が大きいのは、上記表面粗さの差が大きいためと推測される。しかしながら、表面粗さの差が小さくても、正極活物質層の表面粗さが0.5μmになると、比セル抵抗値は悪化した(比較例5~7)。
上述した実施例および比較例においては、正極集電体の表面粗さを厳密に制御するために上述したカーボン層を有する金属箔を正極集電体として用いたが、表面粗さRaが0.16μmよりも小さな試料を作製することはできなかった。正極集電体の表面粗さを小さくすると、比セル抵抗は増加傾向にあるため、0.16μm未満では、比セル抵抗値が悪化することが推測される。
1 … 第一集電体
2A、2B … 第一活物質層
3A、3B … 固体電解質層
4A、4B … 第二活物質層
5A、5B … 第二集電体
10 … 全固体電池
20 … 電極積層体

Claims (1)

  1. 負極集電体と、
    前記負極集電体の一方の面から、負極活物質層Aと、固体電解質層Aと、正極活物質層Aと、正極集電体Aとをこの順に有し、
    前記負極集電体の他方の面から、負極活物質層Bと、固体電解質層Bと、正極活物質層Bと、正極集電体Bとをこの順に有する、全固体電池の製造方法であって、
    前記負極集電体の一方の面から、前記負極活物質層Aと、前記固体電解質層Aとをこの順に有し、前記負極集電体の他方の面から、前記負極活物質層Bと、前記固体電解質層Bとをこの順に有する、負極部材を準備する工程と、
    Al箔の一方の面に前記正極活物質層Aを有する、転写部材Aを準備し、かつ、Al箔の一方の面に前記正極活物質層Bを有する、転写部材Bを準備する工程と、
    前記固体電解質層Aおよび前記正極活物質層Aが接するように、前記負極部材および前記転写部材Aを配置し、前記固体電解質層Bおよび前記正極活物質層Bが接するように、前記負極部材および前記転写部材Bを配置して、積層体を得る工程と、
    前記積層体をプレスし、前記プレス後の積層体から前記転写部材Aの前記Al箔および前記転写部材Bの前記Al箔を剥離し、電極積層体を得る工程と、
    前記正極集電体Aと前記電極積層体の前記正極活物質層Aとを貼り合わせ、かつ、前記正極集電体Bと前記電極積層体の前記正極活物質層Bとを貼り合わせる工程とを有し、
    前記転写部材Aおよび前記転写部材Bは、それぞれ、前記Al箔の表面上に、正極活物質を含有する塗工液を塗工して、乾燥させて準備し、
    前記貼り合わせる工程において、
    前記正極活物質層Aの、前記正極集電体Aと張り合わせる側の表面の表面粗さRaが、0.4μm以下であり、
    前記正極集電体Aの、前記正極活物質層Aと張り合わせる側の表面の表面粗さRaが、0.16μm以上、0.78μm以下であり、
    前記正極活物質層Bの、前記正極集電体Bと張り合わせる側の表面の表面粗さRaが、0.4μm以下であり、
    前記正極集電体Bの、前記正極活物質層Bと張り合わせる側の表面の表面粗さRaが、0.16μm以上、0.78μm以下である、全固体電池の製造方法。
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