JP7241919B2 - 真空断熱材及び断熱箱 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱性能の維持を図った真空断熱材、及び該真空断熱材を備えた断熱箱に関するものである。
冷蔵庫等の断熱材として用いられている従来の真空断熱材は、真空空間を保持する芯材と、該芯材を被覆している外包材とを備え、外包材の内部が減圧状態となっている。外包材の内部を真空状態とすることで、真空断熱材の熱伝導率を低くすることができる。このような真空断熱材は、外周部の少なくとも一部に、2枚の外包材が重ねられた封止部を備えている。具体的には、外包材は、熱溶着層を備えている。封止部は、2枚の外包材が熱溶着層を対向させて重ねられ、これらの外包材が熱溶着層で熱溶着されている箇所である。
長期間にわたって真空断熱材の熱伝導率を低く維持するためには、外包材の外部から外包材の内部に、水蒸気及び空気等のガスが侵入することを低減する必要がある。このため、断熱性能の維持を図った従来の真空断熱材には、封止部を通って外包材の内部にガスが侵入することを抑制するため、封止部に、該封止部の長手方向に延びる凹部を形成するものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2010-173700号公報
上述のように、封止部は、2枚の外包材が熱溶着層を対向させて重ねられ、これらの外包材が熱溶着層で熱溶着されることで形成される。ここで、従来、封止部を形成する際、封止部を構成することとなる2枚の外包材は、封止部の形成位置において、封止部の長手方向の長さが異なる場合がある。以下、封止部を構成する2枚の外包材のうち、封止部の形成位置において封止部の長手方向の長さが長い側の外包材を、長寸法側外包材と称する。また、封止部を構成する2枚の外包材のうち、封止部の形成位置において封止部の長手方向の長さが短い側の外包材を、短寸法側外包材と称する。
長寸法側外包材と短寸法側外包材とを重ね合わせて封止部を形成する際、長寸法側外包材と短寸法側外包材との封止部の長手方向の長さの差分だけ、封止部において長寸法側外包材に余剰部分が発生する。そして、長寸法側外包材のこの余剰部分は、封止部において重なりあってしまう場合がある。また、長寸法側外包材の余剰部分が重なり合った際、当該位置に、長寸法側外包材の熱溶着層と短寸法側外包材の熱溶着層とが熱溶着されていない未溶着部が形成されてしまう場合がある。このように封止部に未溶着部が形成されると、この未溶着部を通って外包材の内部にガスが侵入するため、長期間にわたって真空断熱材の熱伝導率を低く維持することができなくなり、真空断熱材の断熱性能が低下してしまう。
特許文献1に記載の真空断熱材を含む従来の真空断熱材は、長寸法側外包材の余剰部分の重なりに起因して発生する上述の断熱性能の低下に対して、何らの対策も講じられていない。このため、封止部を構成することとなる2枚の外包材が封止部の形成位置において封止部の長手方向に長さが異なる場合、従来の真空断熱材は、長期間にわたって真空断熱材の熱伝導率を低く維持することができない場合があるという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、封止部を構成することとなる2枚の外包材が封止部の形成位置において封止部の長手方向に長さが異なる場合でも、従来よりも長期間にわたって熱伝導率を低く維持することが可能な真空断熱材を提供することを第1の目的とする。また、本発明は、このような真空断熱材を備えた断熱箱を提供することを第2の目的とする。
本発明に係る真空断熱材は、芯材と、前記芯材を被覆している外包材とを備え、前記外包材の内部が減圧状態となっている真空断熱材であって、前記外包材は、熱溶着層を備え、当該真空断熱材は、外周部の少なくとも一部に封止部を備え、前記封止部は、2枚の前記外包材が前記熱溶着層を対向させて重ねられ、これらの前記外包材が前記熱溶着層で熱溶着されている箇所であり、前記封止部を構成する2枚の前記外包材のうちの一方を第1外包材とし、前記封止部を構成する2枚の前記外包材のうちの他方を第2外包材とした場合、前記封止部において前記第1外包材の表面の少なくとも一部は、前記封止部の短手方向の一端から前記封止部の前記短手方向の他端に向かって前記封止部の前記短手方向に直線的に延びる凹部及び凸部が前記封止部の長手方向に交互に並んで形成され、前記第2外包材の表面の凹凸よりも大きな凹凸の波形形状となっている。
また、本発明に係る断熱箱は、外箱と、前記外箱の内部に配置された内箱と、前記外箱と前記内箱との間に配置された本発明に係る真空断熱材と、を備えている。
本発明に係る真空断熱材においては、第1外包材の表面を上述のように波形形状とすることにより、封止部の長手方向に配置される第1外包材の長さを封止部の長手方向に配置される第2外包材の長さよりも長くすることができる。このため、上述の長寸法側外包材を第1外包材として本発明に係る真空断熱材を構成することにより、長寸法側外包材の余剰部分が重なって未溶着部が形成されることを従来よりも抑制できる。このため、本発明に係る真空断熱材は、封止部を構成することとなる2枚の外包材が封止部の形成位置において封止部の長手方向に長さが異なる場合でも、従来よりも長期間にわたって熱伝導率を低く維持することができる。
本実施の形態1に係る真空断熱材の縦断面図である。 本実施の形態1に係る真空断熱材の平面図である。 図1のA矢視図である。 本実施の形態1に係る真空断熱材の封止部の形成工程を説明するための図であり、真空断熱材の外周部近傍の縦断面図である。 図4のB-B断面図である。 熱溶着部に発生する熱溶着不良の様子を示す要部拡大図である。 実施例1に係るシールバーを示す図である。 比較例1に係るシールバーを示す図である。 実施例2に係るシールバーを示す図である。 実施例3に係るシールバーを示す図である。 本実施の形態2に係る断熱箱の概略構成を示す断面図である。
以下の実施の形態1において、本発明に係る真空断熱材の一例を説明する。なお、実施の形態1で用いられる図面では、本発明に係る真空断熱材の各構成の寸法及び形状等が、本発明を用いて実際に製造された真空断熱材の各構成の寸法及び形状等とは異なる場合がある。本発明を用いて実際に製造される真空断熱材の各構成の寸法及び形状等は、以下の説明を参酌した上で適宜決定されればよい。また、以下の実施の形態2において、本発明に係る断熱箱の一例を説明する。なお、実施の形態2で用いられる図面では、本発明に係る断熱箱の各構成の寸法及び形状等が、本発明を用いて実際に製造された断熱箱の各構成の寸法及び形状等とは異なる場合がある。本発明を用いて実際に製造される断熱箱の各構成の寸法及び形状等は、以下の説明を参酌した上で適宜決定されればよい。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る真空断熱材の縦断面図である。図2は、本実施の形態1に係る真空断熱材の平面図である。図3は、図1のA矢視図である。なお、図2では、凹部23の谷部を、一点鎖線で示している。また、図2では、凸部24の頂部を細い実線で示している。
真空断熱材1は、内部を真空に維持することで低い熱伝導率を実現する断熱材である。本実施の形態1では、真空断熱材1は、平面視概略長方形で平板状の形状を有している。この真空断熱材1は、芯材2と、この芯材2を被覆している外包材10とを備えている。本実施の形態1では、図1において真空断熱材1の上面部を構成する平面視概略長方形の外包材10と、図1において真空断熱材1の下面部を構成する平面視概略長方形の外包材10とで、芯材2を被覆している。また、これら2枚の外包材10は、外周部が熱溶着されている。これにより、芯材2は、これら2枚の外包材10によって密封されている。
2枚の外包材10の外周部が熱溶着されている構成を具体的に説明すると、外包材10のそれぞれは、後述のように熱溶着層13を備えている。また、これら2枚の外包材10は、熱溶着層13を対向させて重ねられ、熱溶着層13で熱溶着されている。以下、2枚の外包材10が熱溶着層13で熱溶着されている箇所を、封止部20と称する。本実施の形態1では、真空断熱材1の外周部の全てに、封止部20が設けられている構成となっている。なお、以下では、封止部20を構成する2枚の外包材10を区別して示す場合、封止部20を構成する2枚の外包材10のうちの一方を第1外包材21とし、封止部20を構成する2枚の外包材10のうちの他方を第2外包材22と称する。具体的には、封止部20を構成する2枚の外包材10のうち、該封止部20の長手方向において長さが長くなる方の外包材10を、第1外包材21とする。また、封止部20を構成する2枚の外包材10のうち、該封止部20の長手方向において長さが短くなる方の外包材10を、第2外包材22とする。本実施の形態1では、図1において真空断熱材1の上面部を構成する外包材10が、第1外包材21となっている。また、図1において真空断熱材1の下面部を構成する外包材10が、第2外包材22となっている。
また、真空断熱材1の製造工程の詳細は後述するが、2枚の外包材10で覆われる空間は、換言すると芯材2が設けられる空間は、次のように形成される。なお、芯材2が設けられる空間を説明するにあたり、図2に示すように、真空断熱材1の外周部に形成される封止部20のうちの一部を、封止部20aとする。まず、2枚の外包材10を重ね合わせ、図2に封止部20aとして示す箇所以外の外周部に、封止部20を形成する。これにより、封止部20aとなる箇所が開口した袋形状の外包材10が形成される。そして、封止部20aとなる箇所が開口した袋形状の外包材10の内部を減圧した状態で、開口部を熱溶着して封止部20aを形成することにより、2枚の外包材10で覆われる空間が形成される。つまり、外包材10の内部は、減圧状態となっている。換言すると、外包材10の内部は、真空状態となっている。
なお、本実施の形態1においては、真空断熱材1は、水分を吸着する吸着剤3も備えている。つまり、本実施の形態1に係る真空断熱材1においては、芯材2及び吸着剤3が、外包材10で被覆されている。
芯材2は、真空空間を保持する目的で使用される。芯材2を構成する材料は特に限定されず、従来の芯材に用いられている種々の材料で芯材2を構成することができる。例えば、芯材2として、グラスウール等の繊維集合体を用いることができる。また、芯材2を構成する繊維集合体は、加熱加圧成形をしたものであってもよく、内包材を用いて密封封止したものであってもよく、結合剤により結着したものであってもよい。
吸着剤3は、真空断熱材1の内部の水蒸気を吸着し、真空断熱材1の内部の真空度を保つことで、真空断熱材1の熱伝導率の上昇を抑制する。吸着剤3として用いられる材料は特に限定されず、従来の吸着剤に用いられている種々の材料を吸着剤3として用いることができる。例えば、吸着剤3として、酸化カルシウムを用いることができる。酸化カルシウムはCaOと略称されることもある。
外包材10は、複数の層が積層された多層構造をなすラミネートフィルムである。本実施の形態1に係る外包材10は、表面保護層11、ガスバリア層12及び熱溶着層13が順次積層されて構成されている。上述のように、熱溶着層13同士が対向するように2枚の外包材10で芯材2及び吸着剤3を挟み込むように覆い、芯材2及び吸着剤3の外周側において封止部20を形成することにより、外包材10は芯材2及び吸着剤3を被覆している。この際、外包材10の内部つまり2枚の外包材10の間の空間は、1Pa(パスカル)~3Pa程度の真空度に減圧された状態となっている。
表面保護層11は、真空断熱材1の表面を保護するものである。表面保護層11を構成する材料としては、熱溶着層13に用いられる材料の融点よりも融点が高くて耐傷付性に優れた材料であれば、従来の表面保護層として用いられている種々の材料を用いることができる。本実施の形態1では、熱溶着層13に用いられる材料として、融点が150℃以下となる材料が想定されている。このため、本実施の形態1では、融点が150℃よりも高く、耐傷付性に優れた材料で構成することができる。例えば、表面保護層11の材料として、延伸ナイロン等の延伸ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、及び延伸ポリプロピレン等を用いることができる。延伸ナイロンはONYと略称され、ポリエチレンテレフタレートはPETと略称され、延伸ポリプロピレンはOPPと略称されることもある。なお、表面保護層11の厚みは特に限定されないが、本実施の形態1では、表面保護層11の厚みを25μmとしている。
ガスバリア層12は、外包材10の外部から外包材10の内部に水蒸気及び空気等のガスが侵入することを低減するものである。つまり、ガスバリア層12は、2枚の外包材10の間の空間に水蒸気及び空気等のガスが侵入することを低減するものである。ガスバリア層12を構成する材料としては、熱溶着層13に用いられる材料の融点よりも融点が高くて水蒸気及び空気の遮断性に優れた材料であれば、従来のガスバリア層として用いられている種々の材料を用いることができる。ガスバリア層12は、例えば、金属箔で構成することができる。また例えば、ガスバリア層12は、熱可塑性樹脂に無機材料が蒸着されたフィルムで構成することもできる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート及びエチレンビニルアルコール等を用いることができる。また、蒸着される無機材料は、例えば、アルミニウム、アルミナ、及びシリカ等である。熱可塑性樹脂に2種類以上の無機材料を蒸着させてもよい。また、ガスバリア層12は、複数層で形成されていてもよい。例えば、12μmの厚みのフィルムを2枚重ねて、ガスバリア層12としてもよい。エチレンビニルアルコールは、EVOHと略称されることもある。
熱溶着層13を構成する材料としては、表面保護層11及びガスバリア層12に用いられる材料の融点よりも融点が低い材料であれば、従来の熱溶着層として用いられている種々の材料を用いることができる。上述のように、本実施の形態1では、熱溶着層13に用いられる材料として、融点が150℃以下となる材料を想定している。熱溶着層13として、例えば、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることができる。熱溶着層13を構成する材料は、弾性率が高くて水蒸気の遮断性に優れた高密度ポリエチレン及び無延伸ポリプロピレン等であれば更によい。低密度ポリエチレンはLDPEと略称され、直鎖状低密度ポリエチレンはLLDPEと略称され、高密度ポリエチレンはHDPEと略称され、無延伸ポリプロピレンはCPPと略称されることもある。
ここで、本実施の形態1に係る真空断熱材1においては、該真空断熱材1の外周部に設けられている封止部のうち、封止部20aは図2及び図3に示す形状となっている。なお、封止部20aは、図2において真空断熱材1の左辺となる部分に形成された封止部20部分である。詳しくは、封止部20aでは、第1外包材21の表面には、封止部20aの短手方向Xに延びる凹部23及び凸部24が封止部20aの長手方向Yに交互に並んで形成されている。このため、図3に示すように、封止部20aでは、第1外包材21の表面は、封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっている。なお、封止部20aでは、第2外包材22の表面は、平滑形状となっている。すなわち、封止部20aでは、第1外包材21の表面は、第2外包材22の表面の凹凸よりも大きな凹凸の波形形状となっている。
このように封止部20aを構成することにより、封止部20aの長手方向Yに配置される第1外包材21の長さを、封止部20aの長手方向Yに配置される第2外包材22の長さよりも長くすることができる。なお、本実施の形態1に係る封止部20aでは、第1外包材21の表面は、封止部20aの長手方向Yの全域にわたって、波形形状となっている。しかしながら、第1外包材21の表面は、封止部20aの長手方向Yの一部において、波形形状となっていてもよい。すなわち、封止部20aでは、第1外包材21の表面は、少なくとも一部が波形形状になっていればよい。このように封止部20aが構成されていても、封止部20aの長手方向Yに配置される第1外包材21の長さを、封止部20aの長手方向Yに配置される第2外包材22の長さよりも長くすることができる。また、封止部20aでは、第2外包材22の表面に凹凸が形成されていてもよい。封止部20aにおいて、第1外包材21の表面に形成された波形形状の凹凸が第2外包材22の表面の凹凸よりも大きくなっていれば、封止部20aの長手方向Yに配置される第1外包材21の長さを、封止部20aの長手方向Yに配置される第2外包材22の長さよりも長くすることができる。
次に、本実施の形態1に係る真空断熱材1の製造工程について説明する。
なお、以下では、第1外包材21と第2外包材22とが異なる種類の外包材である真空断熱材1の製造工程について説明する。具体的には、第1外包材21のガスバリア層12は、金属箔である。また、第2外包材22のガスバリア層12は、熱可塑性樹脂に無機材料が蒸着されたフィルムである。換言すると、図1において真空断熱材1の上面部を構成する外包材10のガスバリア層12は、金属箔である。また、図1において真空断熱材1の下面部を構成する外包材10のガスバリア層12は、熱可塑性樹脂に無機材料が蒸着されたフィルムである。
本実施の形態1に係る真空断熱材1の製造工程においては、まず、2枚の外包材10を重ね合わせ、図2に封止部20aとして示す箇所以外の外周部に、封止部20を形成する。これにより、封止部20aとなる箇所が開口した袋形状の外包材10が形成される。
その後、袋形状に形成された外包材10の内部に芯材2を挿入し、芯材2及び外包材10の乾燥が行われる。具体的には、芯材2及び外包材10を加熱処理し、芯材2及び外包材10から水分を除去する。芯材2及び外包材10を加熱処理する際の温度は、芯材2及び外包材10から水分を除去できれば、特に限定されない。本実施の形態1では、90℃~110℃の範囲で、芯材2及び外包材10を加熱処理している。
次に、袋形状に形成された外包材10の内部に、吸着剤3を挿入する。その後、外包材10の内部を1Pa~3Pa程度の真空度に減圧する。そして、この減圧状態で、後述する図4及び図5に示すように、袋形状に形成された外包材10の開口部を熱溶着して封止部20aを形成する。これにより、外包材10の内部が減圧された状態で、芯材2及び吸着剤3を外包材10で密封することができる。なお、芯材2及び外包材10を加熱処理する前に、袋形状に形成された外包材10の内部に吸着剤3を挿入してもよい。
図4は、本実施の形態1に係る真空断熱材の封止部の形成工程を説明するための図であり、真空断熱材の外周部近傍の縦断面図である。また、図5は、図4のB-B断面図である。
袋形状に形成された外包材10の開口部を熱溶着して封止部20aを形成する際、外包材10の封止部20aとなる箇所を加熱し、外包材10の封止部20aとなる箇所をシールバー51とシールバー52とで挟み込む。これにより、袋形状に形成された外包材10の開口部を熱溶着して封止部20aを形成する。
封止部20aを形成する際、シールバー51は、第1外包材21の封止部20aを構成する部分の表面をシールバー52に向かって押圧する。また、シールバー52は、第2外包材22の封止部20aを構成する部分の表面をシールバー51に向かって押圧する。上述のように、封止部20aにおいて第1外包材21の表面は、封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっている。このため、シールバー51における第1外包材21の表面と接触する箇所は、波形形状となっている。また、上述のように、封止部20aにおいて第2外包材22の表面は、平滑形状となっている。このため、シールバー52における第2外包材22の表面と接触する箇所は、平滑形状となっている。すなわち、シールバー51における第1外包材21の表面と接触する箇所は、第1外包材21の封止部20aを構成する部分の表面形状に対応する形状となっている。同様に、シールバー52における第2外包材22の表面と接触する箇所は、第2外包材22の封止部20aを構成する部分の表面形状に対応する形状となっている。
ここで、上述のように、封止部20は、第1外包材21と第2外包材22とが熱溶着層13を対向させて重ねられ、第1外包材21及び第2外包材22が熱溶着層13で熱溶着されることで形成される。ここで、封止部20を形成する際、封止部20を構成することとなる第1外包材21及び第2外包材22は、封止部20の形成位置において、封止部20の長手方向の長さが異なる場合がある。特に、第1外包材21と第2外包材22とが異なる種類の外包材である真空断熱材1の場合、封止部20を構成することとなる第1外包材21及び第2外包材22は、封止部20の形成位置において、封止部20の長手方向の長さが異なりやすい。
例えば、本実施の形態1に係る真空断熱材1においては、上述のように、第1外包材21のガスバリア層12は金属箔となっており、第2外包材22のガスバリア層12は熱可塑性樹脂に無機材料が蒸着されたフィルムとなっている。第1外包材21及び第2外包材22がこのように構成されている場合、芯材2及び外包材10の乾燥工程において第1外包材21及び第2外包材22が加熱処理された際、熱による収縮具合に差が生じ、封止部20aを構成することとなる第1外包材21及び第2外包材22は、封止部20aの形成位置において、封止部20aの長手方向Yの長さが異なってくる。
詳しくは、ガスバリア層12が熱可塑性樹脂に無機材料が蒸着されたフィルムとなっている第2外包材22は、ガスバリア層12が金属箔となっている第1外包材21と比べ、熱によって収縮しやすい。このため、芯材2及び外包材10の乾燥工程において第1外包材21及び第2外包材22が加熱処理された際、封止部20aの形成位置において、第2外包材22における封止部20aの長手方向Yの長さは、第1外包材21における封止部20aの長手方向Yの長さよりも短くなる。具体的には、第1外包材21及び第2外包材22を90℃で加熱処理した際、第1外包材21の収縮率と第2外包材22の収縮率とは、約0.15%異なった。また、第1外包材21及び第2外包材22を100℃で加熱処理した際、第1外包材21の収縮率と第2外包材22の収縮率とは、約0.2%異なった。また、第1外包材21及び第2外包材22を110℃で加熱処理した際、第1外包材21の収縮率と第2外包材22の収縮率とは、約0.3%異なった。
封止部20aの長手方向Yにおいてこのように第1外包材21及び第2外包材22の長さが異なっている場合、従来の真空断熱材と同様の形状で封止部20aを形成しようとすると、次のような熱溶着不良が発生しやすい。
図6は、熱溶着部に発生する熱溶着不良の様子を示す要部拡大図である。この図6は、封止部20aの長手方向Yにおいて長さが異なる第1外包材21及び第2外包材22に対して、従来の真空断熱材と同様の形状で封止部20aを形成した際に発生した熱溶着不良を示す図となっている。図6は、封止部20aの短手方向Xに熱溶着不良の発生箇所を観察した図となっている。
従来の真空断熱材と同様の形状で封止部20aを形成する場合、第1外包材21の表面及び第2外包材22の表面の双方が、平滑形状となる。このような形状に封止部20aを形成する場合、第1外包材21と第2外包材22との封止部20aの長手方向Yの長さの差分だけ、封止部20aにおいて第1外包材21に余剰部分が発生する。そして、図6に示すように、第1外包材21のこの余剰部分は、封止部20aにおいて重なりあってしまう場合がある。また、図6に示すように、第1外包材21の余剰部分が重なり合った際、当該位置に、第1外包材21の熱溶着層13と第2外包材22の熱溶着層13とが熱溶着されていない未溶着部25が形成されてしまう場合がある。このように封止部20aに未溶着部25が形成されると、この未溶着部25を通って外包材10の内部にガスが侵入する。このため、長期間にわたって真空断熱材1の熱伝導率を低く維持することができなくなり、真空断熱材1の断熱性能が低下してしまう。
しかしながら、本実施の形態1に係る真空断熱材1においては、上述のように、封止部20aを構成する第1外包材21の表面は、封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっている。また、封止部20aを構成する第1外包材21の表面は、封止部20aを構成する第2外包材22の表面の凹凸よりも大きな凹凸の波形形状となっている。このため、本実施の形態1に係る真空断熱材1においては、上述のように、封止部20aの長手方向Yに配置される第1外包材21の長さを、封止部20aの長手方向Yに配置される第2外包材22の長さよりも長くすることができる。したがって、本実施の形態1に係る真空断熱材1においては、封止部20aを形成する際、第1外包材21の余剰部分が重なって未溶着部25が形成されることを従来よりも抑制できる。このため、本実施の形態1に係る真空断熱材1は、封止部20aの長手方向Yにおいてこのように第1外包材21及び第2外包材22の長さが異なっている場合でも、従来よりも長期間にわたって熱伝導率を低く維持することができる。
なお、第1外包材21の熱溶着層13の厚み及び第2外包材22の熱溶着層13の厚みについては特に言及しなかったが、これらの厚みが同じであっても異なっていてもよい。これらの厚みにかかわらず、封止部20aにおいて第1外包材21の表面を上述の波形形状とすることで、未溶着部25の形成を従来よりも抑制でき、従来よりも長期間にわたって熱伝導率を低く維持することができる。また、真空断熱材1の各構成部材の寸法誤差等によって、封止部20a以外の封止部20においても、長手方向において第1外包材21及び第2外包材22の長さが異なる場合がある。このため、封止部20a以外の封止部20の第1外包材21の表面を、該封止部20の長手方向に延びる上述のような波形形状としてもよい。すなわち、封止部20を構成する第1外包材21の表面の少なくとも一部を上述のような波形形状とすることで、未溶着部25の形成を従来よりも抑制でき、従来よりも長期間にわたって熱伝導率を低く維持することができる。
また、本実施の形態1では、異なる種類の2枚の外包材10で芯材2を被覆したが、同じ種類の2枚の外包材10で芯材2を被覆してもよい。真空断熱材1の各構成部材の寸法誤差等によって、封止部20において、該封止部20の長手方向にこれらの外包材10の長さが異なる場合がある。このような場合、封止部20の長手方向において長さが長くなる方の外包材10を第1外包材21とし、第1外包材21の表面の少なくとも一部を上述のような波形形状とすればよい。これにより、未溶着部25の形成を従来よりも抑制でき、従来よりも長期間にわたって熱伝導率を低く維持することができる。
また、本実施の形態1では、2枚の外包材10を重ね合わせて、外包材10を袋形状とした。これに限らず、熱溶着層13が内側に配置されるように一枚の外包材10を折り曲げて、外包材10を袋形状としてもよい。芯材2を被覆することができれば、外包材10の枚数は限定されない。なお、一枚の外包材10を折り曲げて芯材2を被覆する場合、外包材10が折り曲げられた箇所には、封止部20が形成されない。すなわち、本実施の形態1に係る真空断熱材1は、外周部の少なくとも一部に封止部20が形成されている構成となる。
次に、本実施の形態1の真空断熱材1を実施例1~実施例3として作製し、比較例1との比較を行った。以下にその比較結果について説明する。
[実施例1]
実施例1では、第1外包材21及び第2外包材22を以下のように構成した。第1外包材21の表面保護層11は、ナイロンで形成した。第1外包材21のガスバリア層12として、アルミ箔を用いた。第1外包材21の熱溶着層13は、無延伸ポリプロピレンで形成した。第2外包材22の表面保護層11は、ナイロンで形成した。第2外包材22のガスバリア層12は、ポリエチレンテレフタレートにアルミニウムが蒸着されたフィルムと、エチレンビニルアルコールにアルミニウムが蒸着されたフィルムとを重ねて形成した。第1外包材21の熱溶着層13は、無延伸ポリプロピレンで形成した。
このように構成された第1外包材21及び第2外包材22を重ね合わせて、封止部20aとなる箇所が開口した袋状の外包材10を形成した。そして、袋形状に形成された外包材10の内部に芯材2を挿入し、芯材2及び外包材10を100℃で加熱処理した。この加熱処理により、封止部20aの形成位置において、第2外包材22における封止部20aの長手方向Yの長さは、第1外包材21における封止部20aの長手方向Yの長さと比べ、約0.2%多く収縮した。より詳しくは、実施例1では、封止部20aの長手方向Yの幅Wを700mmとした。このため、封止部20aの形成位置において、第2外包材22における封止部20aの長手方向Yの長さは、第1外包材21における封止部20aの長手方向Yの長さと比べ、1.4mm短くなった。なお、幅Wについては、図2を参照されたい。
上述の加熱処理の後、封止部20aとなる箇所が開口した袋状の外包材10に吸着剤3を挿入し、後述の図7に示すシールバー51及びシールバー52を用いて、袋形状に形成された外包材10の開口部を熱溶着して封止部20aを形成した。
図7は、実施例1に係るシールバーを示す図である。
図7に示すシールバー51及びシールバー52は、封止部20aを形成する際、紙面左右方向が封止部20aの長手方向Yに沿うように配置される。また、シールバー51は、紙面において下面となる面が第1外包材21の表面に接触し、第1外包材21をシールバー52に向かって押圧する。また、シールバー52は、紙面において上面となる面が第2外包材22の表面に接触し、第2外包材22をシールバー51に向かって押圧する。
図7に示すように、シールバー51における第1外包材21の表面と接触する箇所は、全域にわたって、封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっている。このため、実施例1に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第1外包材21の表面は、全域にわたって、封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となる。また、図7に示すように、シールバー52における第2外包材22の表面と接触する箇所は、平滑形状となっている。このため、実施例1に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第2外包材22の表面は、平滑形状となる。
実施例1に係る真空断熱材1を1000枚作製したところ、7枚の真空断熱材1に図6に示す未溶着部25が発生した。後述のように、比較例1に係る真空断熱材1を1000枚作製したところ、28枚の真空断熱材1に図6に示す未溶着部25が発生した。このことから、実施例1に係る真空断熱材1は、比較例1に係る真空断熱材1に比べ、未溶着部25の発生を抑制できることがわかる。
[比較例1]
比較例1と実施例1とで異なる点は、封止部20aを形成する際に用いられるシールバー51及びシールバー52の形状である。比較例1では、後述の図8に示すシールバー51及びシールバー52を用いて、袋形状に形成された外包材10の開口部を熱溶着して封止部20aを形成した。
図8は、比較例1に係るシールバーを示す図である。
図8に示すシールバー51及びシールバー52は、封止部20aを形成する際、紙面左右方向が封止部20aの長手方向Yに沿うように配置される。また、シールバー51は、紙面において下面となる面が第1外包材21の表面に接触し、第1外包材21をシールバー52に向かって押圧する。また、シールバー52は、紙面において上面となる面が第2外包材22の表面に接触し、第2外包材22をシールバー51に向かって押圧する。
図8に示すように、シールバー51における第1外包材21の表面と接触する箇所は、平滑形状となっている。このため、比較例1に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第1外包材21の表面は、平滑形状となる。また、図8に示すように、シールバー52における第2外包材22の表面と接触する箇所は、平滑形状となっている。このため、比較例1に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第2外包材22の表面は、平滑形状となる。
比較例1に係る真空断熱材1を1000枚作製したところ、封止部20aに、図6に示す第1外包材21の余剰部分の重なりが散見された。そして、比較例1に係る真空断熱材1は、1000枚のうちの28枚に、図6に示す未溶着部25が発生した。
[実施例2]
実施例2と実施例1とで異なる点は、封止部20aを形成する際に用いられるシールバー51及びシールバー52の形状である。実施例2では、後述の図9に示すシールバー51及びシールバー52を用いて、袋形状に形成された外包材10の開口部を熱溶着して封止部20aを形成した。
図9は、実施例2に係るシールバーを示す図である。
図9に示すシールバー51及びシールバー52は、封止部20aを形成する際、紙面左右方向が封止部20aの長手方向Yに沿うように配置される。また、シールバー51は、紙面において下面となる面が第1外包材21の表面に接触し、第1外包材21をシールバー52に向かって押圧する。また、シールバー52は、紙面において上面となる面が第2外包材22の表面に接触し、第2外包材22をシールバー51に向かって押圧する。
図9に示すように、シールバー51における第1外包材21の表面と接触する箇所は、一部が封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっている。このため、実施例2に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第1外包材21の表面は、一部が封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となる。また、図9に示すように、シールバー52における第2外包材22の表面と接触する箇所は、平滑形状となっている。このため、実施例2に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第2外包材22の表面は、平滑形状となる。
第1外包材21の表面の一部のみが封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっている場合でも、封止部20aの長手方向Yに配置される第1外包材21の長さを、封止部20aの長手方向Yに配置される第2外包材22の長さよりも長くすることができる。このため、実施例2に係る真空断熱材1では、比較例1に係る真空断熱材1に比べ、第1外包材21の余剰部分の重なりを抑制でき、図6に示す未溶着部25の発生を抑制できた。具体的には、実施例2に係る真空断熱材1を1000枚作製したところ、未溶着部25が発生した真空断熱材1の枚数を9枚に抑制できた。
[実施例3]
実施例3と実施例1とで異なる点は、封止部20aを形成する際に用いられるシールバー51及びシールバー52の形状である。実施例3では、後述の図10に示すシールバー51及びシールバー52を用いて、袋形状に形成された外包材10の開口部を熱溶着して封止部20aを形成した。
図10は、実施例3に係るシールバーを示す図である。
図10に示すシールバー51及びシールバー52は、封止部20aを形成する際、紙面左右方向が封止部20aの長手方向Yに沿うように配置される。また、シールバー51は、紙面において下面となる面が第1外包材21の表面に接触し、第1外包材21をシールバー52に向かって押圧する。また、シールバー52は、紙面において上面となる面が第2外包材22の表面に接触し、第2外包材22をシールバー51に向かって押圧する。
図10に示すように、シールバー51における第1外包材21の表面と接触する箇所は、全体的に、シールバー52から離れる方向に凹む曲面形状となっている。また、シールバー51における第1外包材21の表面と接触する箇所は、一部が封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっている。このため、実施例3に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第1外包材21の表面は、全体的にはシールバー52から離れる方向に凹む曲面形状となっており、一部が封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となる。また、図10に示すように、シールバー52における第2外包材22の表面と接触する箇所は、全体的に、シールバー51に向かって凸となる曲面形状となっている。また、シールバー52における第2外包材22の表面と接触する箇所は、滑らかな表面となっている。このため、実施例3に係る真空断熱材1の封止部20aでは、第2外包材22の表面は、全体的にはシールバー51に向かって凸となる曲面形状となっており、滑らかな表面となる。
なお、本実施の形態1では、平坦で滑らかな表面の形状を、平滑形状と表現してきた。しかしながら、本実施の形態1では、全体的には曲面形状となっていても、局所的な凹凸が無く滑らかな表面となっている形状を、平滑形状と表現することとする。このため、本実施の形態1では、実施例3に係る真空断熱材1の封止部20aにおける第2外包材22の表面も、平滑形状となる。
実施例3に係る真空断熱材1においても、第1外包材21の表面の一部が封止部20aの長手方向Yに延びる波形形状となっていることにより、封止部20aの長手方向Yに配置される第1外包材21の長さを、封止部20aの長手方向Yに配置される第2外包材22の長さよりも長くすることができる。このため、実施例3に係る真空断熱材1では、比較例1に係る真空断熱材1に比べ、第1外包材21の余剰部分の重なりを抑制でき、図6に示す未溶着部25の発生を抑制できた。具体的には、実施例3に係る真空断熱材1を1000枚作製したところ、未溶着部25が発生した真空断熱材1の枚数を8枚に抑制できた。
以上、本実施の形態1に係る真空断熱材1は、芯材2と、芯材2を被覆している外包材10とを備え、外包材10の内部が減圧状態となっている真空断熱材である。外包材10は、熱溶着層13を備えている。真空断熱材1は、外周部の少なくとも一部に封止部20を備えている。封止部20は、2枚の外包材10が熱溶着層13を対向させて重ねられ、これらの外包材10が熱溶着層13で熱溶着されている箇所である。封止部20を構成する2枚の外包材10のうちの一方を第1外包材21とし、封止部20を構成する2枚の外包材10のうちの他方を第2外包材22とする。このように第1外包材21及び第2外包材22を定義した場合、封止部20において第1外包材21の表面の少なくとも一部は、封止部20の短手方向に延びる凹部23及び凸部24が封止部20の長手方向に交互に並んで形成され、第2外包材22の表面の凹凸よりも大きな凹凸の波形形状となっている。
本実施の形態1に係る真空断熱材1においては、第1外包材21の表面を上述のように波形形状とすることにより、封止部20の長手方向に配置される第1外包材21の長さを封止部の長手方向に配置される第2外包材22の長さよりも長くすることができる。このため、封止部20の形成位置において封止部20の長手方向の長さが長くなる側の外包材10を第1外包材21とすることにより、第1外包材21の余剰部分が重なって未溶着部25が形成されることを従来よりも抑制できる。このため、本実施の形態1に係る真空断熱材1は、封止部20を構成することとなる2枚の外包材10が封止部20の形成位置において封止部20の長手方向に長さが異なる場合でも、従来よりも長期間にわたって熱伝導率を低く維持することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、実施の形態1に係る真空断熱材1を備えた断熱箱の一例について説明する。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図11は、本実施の形態2に係る断熱箱の概略構成を示す断面図である。断熱箱100は、例えば、長期間にわたって高い断熱性能が求められる冷蔵庫等に用いられる。
図11に示すように、断熱箱100は、外箱120と、該外箱120の内部に配置された内箱110とを備える。そして、内箱110と外箱120との間には、実施の形態1で説明した真空断熱材1が配置されており、内箱110と外箱120の間で断熱を行う。
真空断熱材1が配置される位置は、内箱110と外箱120との間で断熱できる位置であれば、特に限定されない。例えば、内箱110における外箱120と対向する面に接するように、真空断熱材1を配置してもよい。また例えば、外箱120における内箱110と対向する面に接するように、真空断熱材1を配置してもよい。また例えば、内箱110又は外箱120と真空断熱材1との間にスペーサ等を設け、内箱110及び外箱120と真空断熱材1とが接触しないように、内箱110と外箱120との間の空間に真空断熱材を配置してもよい。
ここで、真空断熱材1は、発泡ウレタン断熱材130等と比較して高い断熱性能を有する。このため、真空断熱材1を備えた断熱箱100は、発泡ウレタン断熱材130のみを用いた断熱箱よりも高い断熱性能を得られる。しかし、内箱110と外箱120との間の空間のうち、真空断熱材1以外の部分には発泡ウレタン断熱材130が充填されていてもよい。
なお、上記の説明において、一般的な冷蔵庫等に用いられている断熱箱と同等である部分については、図示及び説明を省略している。
以上、本実施の形態2に係る断熱箱100は、熱伝導率の低い真空断熱材1が設けられている。これにより、内箱110と外箱120との間の熱伝導率が低い状態に維持されるため、断熱箱100の断熱性能を高く維持することができる。例えば、断熱箱100を備えた冷蔵庫等においては、消費電力を削減することができる。
なお、本実施の形態2では、冷熱源を備える冷蔵庫の断熱箱として断熱箱100を用いる例について説明したが、断熱箱100の用途は冷蔵庫用の断熱箱に限定されない。例えば、温熱源を備える保温庫の断熱箱として、断熱箱100を用いてもよい。また例えば、冷熱源及び温熱源を備えない断熱箱として、断熱箱100を用いてもよい。冷熱源及び温熱源を備えない断熱箱とは、クーラーボックス等である。また、真空断熱材1の形状も上記の平板形状に限定されるものではない。また例えば、変形自在な外袋及び内袋を備えた断熱袋に真空断熱材1を設けてもよい。
1 真空断熱材、2 芯材、3 吸着剤、10 外包材、11 表面保護層、12 ガスバリア層、13 熱溶着層、20 封止部、20a 封止部、21 第1外包材、22
第2外包材、23 凹部、24 凸部、25 未溶着部、51 シールバー、52 シールバー、100 断熱箱、110 内箱、120 外箱、130 発泡ウレタン断熱材、X 短手方向、Y 長手方向、W 幅。

Claims (6)

  1. 芯材と、前記芯材を被覆している外包材とを備え、前記外包材の内部が減圧状態となっている真空断熱材であって、
    前記外包材は、熱溶着層を備え、
    当該真空断熱材は、外周部の少なくとも一部に封止部を備え、
    前記封止部は、2枚の前記外包材が前記熱溶着層を対向させて重ねられ、これらの前記外包材が前記熱溶着層で熱溶着されている箇所であり、
    前記封止部を構成する2枚の前記外包材のうちの一方を第1外包材とし、前記封止部を構成する2枚の前記外包材のうちの他方を第2外包材とした場合、
    前記封止部において前記第1外包材の表面の少なくとも一部は、前記封止部の短手方向の一端から前記封止部の前記短手方向の他端に向かって前記封止部の前記短手方向に直線的に延びる凹部及び凸部が前記封止部の長手方向に交互に並んで形成され、前記第2外包材の表面の凹凸よりも大きな凹凸の波形形状となっている
    真空断熱材。
  2. 前記封止部において前記第2外包材の表面は平滑形状となっている
    請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記第1外包材は、前記第2外包材とは異なる種類の外包材である
    請求項1又は請求項2に記載の真空断熱材。
  4. 前記第1外包材及び前記第2外包材は、ガスバリア層を備え、
    前記第1外包材の前記ガスバリア層は、金属箔であり、
    前記第2外包材の前記ガスバリア層は、熱可塑性樹脂に無機材料が蒸着されたフィルムである
    請求項3に記載の真空断熱材。
  5. 前記第1外包材は、前記第2外包材よりも、前記封止部の前記長手方向において長い
    請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の真空断熱材。
  6. 外箱と、
    前記外箱の内部に配置された内箱と、
    前記外箱と前記内箱との間に配置された請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の真空断熱材と、
    を備えた断熱箱。
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