JP2006070923A - 真空断熱材および冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】 板状芯材を被覆する外被材の内部を減圧し密封するときに発生する耳のしわと耳の折り曲げ線とが重ならない構造の真空断熱材とこの真空断熱材を用いる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】 板状芯材31とこの板状芯材を被覆する外被材32とからなり、外被材32の内部を減圧密封したときに板状芯材31の周囲よりも外側に形成される耳33を有し、耳33を真空断熱材30の表面側に重ね合わせるように折り曲げて形成される真空断熱材30において、板状芯材31の角部31cが面取りされている真空断熱材30を提案する。 外被材32の内部を減圧密封するときに発生する耳33のしわ33e,33fが分散され、しかも、しわ33e,33fの大きさが小さくなるので、耳33の折り返しによる外被材31のピンホールなどの傷付きが少ない真空断熱材30と、この真空断熱材30を用いた冷蔵庫が得られる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、真空断熱材およびこの真空断熱材を用いた冷蔵庫に係り、特に、真空断熱材を減圧密封したときに外被材に生じるしわと折り曲げ部との干渉に関する。
従来の真空断熱材を用いた冷蔵庫は、無機繊維集合体を芯材とし、ガスバリア性の外被材で芯材を被覆し、外被材の内部を減圧密封し、外被材の芯材の周囲よりも外側に形成された耳を真空断熱材自身の表面側に折り曲げて形成した真空断熱材を用いていた。
ウレタンなどの発泡断熱材で形成する断熱壁内や仕切り板壁内にこの真空断熱材を配置し、庫内温度の上昇を抑制し、省エネルギ化していた(例えば、特許文献1参照)。
また、断熱性能を有する芯材と、芯材を包装して密封する2枚の包装フィルムとで真空断熱材を形成し、包装フィルムの最終封止部分に内側熱溶着部と外側熱溶着部とを備え、2枚の包装フィルムを密封するときに発生する包装フィルムのしわに起因する溶着不良を防止し、真空度が高く断熱性能の高い真空断熱材としていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−165557号公報 (第5頁〜第6頁、図2) 特開平11−210983号公報 (第4頁、図2)
特許文献1の技術においては、冷蔵庫の断熱壁内や仕切り板壁内に高断熱性能の真空断熱材を配置し、真空断熱材の芯材を被覆するガスバリア性の外被材内部を減圧密封する際に外被材の芯材の周囲よりも外側に形成された耳が、壁内にウレタンなどの発泡断熱材を充填するときに、ウレタンなどの発泡断熱材の充填流動を阻害し、壁内に未充填箇所または充填比重の異なる断熱壁層を形成してしまうことを防止するために、外被材の耳を真空断熱材の表面側に折り曲げていた。
外被材は、ガスバリア性を確保するためにアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層を含む複層のラミネートフィルムで形成されているため、外被材自身に伸びが無く、しかも、剛性があるので、外被材内部を減圧密封したとき、耳にしわが生じることがあった。
このしわが生じた耳を従来のように折り曲げると、折り曲げ部としわとが交差した部分に大きな内部応力が加わるために、この交差部に微細なピンホールができ、真空断熱材の断熱性能を低下させてしまうことがあった。
特許文献2の技術においては、図8に示すように、真空断熱材1は、断熱性能を有する芯材2と、芯材2を被覆する複層のラミネートフィルムで形成されたガスバリア性の外被材3とからなる。外被材3は、真空断熱材を高真空度に保持できるように、中間層にガスバリア性を確保するためのアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層などを含み、その最外層に耐突き刺し性を示すナイロン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂などの層を有し、その最内層に高密度ポリエチレン樹脂などの熱溶着可能な合成樹脂層を有している。
したがって、複層のラミネートフィルムで形成されているので、外被材3は、材料としての伸びが無く、それ自身で剛性を持っている。
袋状に形成するための第1の熱溶着部4により三辺を熱溶着した袋状の外被材3中に、芯材2を挿入した後、所定の真空度になるまで袋状外被材3および芯材2を減圧し、第2の熱溶着部8を熱溶着すると、密封状態の真空断熱材1となる。
第2の熱溶着部8は、しわ7が外側熱溶着部8bに達しないように、十分に幅広の内側熱溶着部8aと外側溶着部8bとからなる。
しわ7は、所定の真空度になるまで袋状外被材および芯材を減圧し密封したときに芯材の四隅の外被材3の耳に発生する。外被材3自身に材料としての伸びが無く、それ自身で剛性を持っているために、しわ7自身もかなりの剛性を示す。
したがって、耳3の四辺を真空断熱材表面側に折り曲げる場合に、長辺の耳の折り曲げ線6aおよび短辺の耳の折り曲げ線6bが交差する交点6cとしわ7とが交差すると、この交差部分の外被材3には大きな内部応力が加わり、この交差部分に微細なピンホールが生じ、真空断熱材1の断熱性能を低下させてしまう。
また、芯材2は、通常、ポリウレタンを発泡させてパネル状にしたり、無機繊維集合体をシート状にしたりして形成するので、芯材2の角部が弱くなり、角部に万一他の部品などが当接すると、この部分が変形し部品不良が発生したり、この部分から発生する微細粉が作業環境を悪化させるという問題があった。
本発明の課題は、真空断熱材の断熱性能の低下を防止し、併せて、作業環境の改善に寄与する真空断熱材およびこの真空断熱材を用いた冷蔵庫を提供することである。
本発明は、真空断熱材の板状芯材を被覆する外被材の内部を減圧密封するときに発生する耳のしわと耳の折り曲げ線とが重ならない構造とするために、板状芯材と板状芯材を被覆する外被材とからなり、外被材の内部を減圧密封したときに板状芯材の周囲よりも外側に形成される耳を有し、耳を真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げて形成される真空断熱材において、板状芯材の四隅部のうち少なくとも2つの角部が、90°を超える角度に面取りされまたは丸みを有する形状に形成されている真空断熱材を提案する。
前記板状芯材の稜角部を面取りしてもよい。
板状芯材の四隅部のうち少なくとも2つの角部が、90°を超える角度に面取りされまたは丸みを有する形状に形成されているので、板状芯材を被覆する外被材の内部を減圧密封するときに発生する耳のしわが分散され、かつ、小さくなり、耳の折り曲げによる外被材自身のピンホールなどの傷付きが少ない真空断熱材が得られる。
板状芯材の最も弱い角部が面取りされているので、真空断熱材自身の製造工程や運搬・保管工程などでの取り扱い時に、万一他の部品などが角部に当接しても、変形が生じにくい。また、角部からは、微細粉がほとんど発生せず、作業環境を悪化させない。
外被材内部を減圧密封するときに、板状芯材の角部が面取りされていると、外被材に発生する引っ張り応力が小さくなる。したがって、外被材自身の傷付きが少ない真空断熱材を提供できる。
さらに、袋状外被材を採用した場合は、袋状外被材に板状芯材を挿入する挿入工程において、作業ばらつきなどにより、板状芯材の角部が袋状外被材内面に当接しても、板状芯材の四隅部のうち少なくとも2つの角部が、90°を超える角度に面取りされまたは丸みを有する形状に形成されているので、袋状外被材の傷付きが少ない真空断熱材が得られる。
板状芯材の最も弱い角部が面取りされているので、板状芯材の角部からは微細粉がそれほど発生しない。したがって、板状芯材を袋状外被材内に挿入する挿入する時に、袋状外被材の熱溶着部である開口部分に微細粉がほとんど付着せず、高真空度が長期間持続する真空断熱材を提供できる。
長手方向の折り曲げ線と他方の折り曲げ線との交点を外被材の熱溶着部に位置させたので、外被材の内部を減圧密封するときに発生する耳のしわと耳の折り返しによる折れ線とが交差する部分の外被材が熱溶着されており、強くなる。
面取りの形状または丸みの形状に合わせて板状芯材の角部に対応する斜めの溶着部を外被材に形成し、斜めの溶着部外側の外被材を削除し、長手方向の折り曲げ線と他方の折り曲げ線との仮想の交点を外被材の熱溶着部の外側に位置させた構造では、耳を二重に折り曲げる部分が存在しない。したがって、耳の折り返しによる外被材の傷付きが少ない真空断熱材が得られる。
上記いずれかの真空断熱材を採用した本発明の冷蔵庫では、板状芯材の四隅部のうち少なくとも2つの角部が、90°を超える角度に面取りされまたは丸みを有する形状に形成されているので、板状芯材を内包する真空断熱材の最も弱い角部が面取りされ、真空断熱材を冷蔵庫に組み込むときの製造工程や運搬・保管工程などでの取り扱い時に、万一他の部品などが角部に当接しても、変形や傷が生じにくく、組み立て効率が良い。また、高真空度を長期間維持でき省エネに優れた冷蔵庫を提供できる。
本発明においては、板状芯材と、板状芯材を被覆する外被材とからなり、外被材の耳を真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げて形成する真空断熱材において、板状芯材の稜角部を面取りしたので、板状芯材を被覆する外被材の内部を減圧密封するときに発生する耳のしわが分散され、しかも、しわの大きさが小さくなる。その結果、外被材に耳の折り返しによるピンホールなどの傷付きが少ない真空断熱材およびこの真空断熱材を用いた冷蔵庫が得られる。
また、板状芯材の最も弱い角部が面取りされているので、製造工程や運搬・保管工程などでの取り扱い時に、他の部品などが万一角部に当接しても、この部分に変形が生じにくい。
さらに、角部からの微細粉の発生が抑制され、作業環境を悪化させないから、取り扱い易い真空断熱材およびこの真空断熱材を用いた冷蔵庫を提供できる。
本発明によれば、真空断熱材の板状芯材を被覆する外被材の内部を減圧密封するときに発生する耳のしわと耳の折り曲げ線とが重ならない構造を実現できる。
次に、図1〜図7を参照して、本発明による真空断熱材およびそれを用いた冷蔵庫の実施例を説明する。
図1は、本発明による冷蔵庫の実施例の構造を示す縦断面図であり、図2は、図1の冷蔵庫のA−A線に沿った構造を示す横断面図である。
冷蔵庫箱体10は、外板11と内板12とを備え、外板21と内板12とによって形成される空間の外板側または内板側に真空断熱材30および50を貼り付け、真空断熱材30および50以外の空間に発泡断熱材13を充填してある。
冷蔵庫箱体10は、その内部に冷蔵温度室14と製氷室や冷凍室を有する冷凍温度室15とをそれぞれ区画し形成してある。冷蔵庫内を所定温度に冷却する冷却器18は、配管19により圧縮機20に接続され、一連の冷凍サイクルの一部を形成している。送風機16は、配線コード17を通じて給電され、冷却器18により冷却した冷気を冷蔵庫庫内で循環させ所定の低温を保持する。
本発明の対象となる真空断熱材30は、ウレタンなどの発泡断熱材13よりも熱伝導率の小さい真空断熱材である。真空断熱材30は、板状芯材31と板状芯材31を被覆する外被材32とからなる。
外被材32は、その内部を減圧密封されて、板状芯材31の周囲よりも外側に形成された耳33を有し、耳33を真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げ、折り曲げ部の耳36がウレタンなどの発泡断熱材13側となるように、ウレタンなどの発泡断熱材13内に設置されている。
図3は、本発明による真空断熱材の実施例1の構造を示す図である。図3(a)は耳33を折り曲げる前の状態を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)の要部の断面図である。
板状芯材31は、断熱性を有する繊維材料で形成されており、外被材32は、ガスバリア性を有する複層のラミネートフィルムで形成され、板状芯材31を被覆する。外被材32は、真空断熱材30を高真空度に保持できるように、中間層にガスバリア性を確保するためのアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層などを有し、その最外層に耐突き刺し性を示すナイロン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂などの層を有し、その最内層に高密度ポリエチレン樹脂やポリアクリロニトリル樹脂などの熱溶着可能な合成樹脂層を有している。
耳33は、外被材32が、その内部を減圧密封されたときに、板状芯材31の周囲よりも外側に形成された部分である。熱溶着部34は、外被材32の内部を減圧し密封するために耳33の周縁に確保されている。熱溶着部34は、外被材32の最内層を形成する高密度ポリエチレン樹脂などの熱溶着可能な合成樹脂層を熱溶着することにより形成される。
耳33の折り曲げ線35aと35bとは、交点35cで交差する。耳33のしわ33e,33fは、外被材32の内部を減圧密封するときに、板状芯材31の外表面積と、板状芯材31を覆う外被材32の内表面積との違いにより、板状芯材31の角部に対応して発生するしわである。本発明においては、しわ33e,33fが折り曲げ線の交点35cと交わらないようにしてある。
板状芯材31の四隅部は、図3に示すように、2つの角部を備え、その2つの角度は、いずれも90°を超える角度に形成されている。この角度の大きさ、すなわち、長辺31aと短辺31bとを結ぶ面取り部31cの位置と大きさは、面取り部31cと板状芯材の長辺31aとの交点である角部31eに対応して発生する耳のしわ33eが、折り曲げ線の交点35cと交わらない位置と大きさに設定してある。
同様に、面取り部31cの位置と大きさは、面取り部31cと板状芯材の短辺31bとの交点である角部31fに対応して発生する耳のしわ33fが、折り曲げ線の交点35cと交わらない位置と大きさに設定してある。
すなわち、板状芯材31の四隅に面取り部31cを形成し、新たに生じた8箇所の角部31e(4箇所)、31f(4箇所)に対応して、発生する耳のしわ33e,33fが、折り曲げ線の交点35cと交わらないように、面取り部31cの位置と大きさを設定してある。
なお、折り曲げ線の交点35cは、通常、熱溶着部34の耳33内に位置するが、2辺を折り曲げたピロー形の袋形状に外被材32を形成したとき、または、筒状形状に外被材を形成したときは、熱溶着部34の耳33内に位置するとは限らない。その場合の対策については、他の実施例で後述する。
図4は、図3の真空断熱材の耳を折り曲げた状態を示す図である。図4(a)は耳33を折り曲げた後の状態を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)の要部の断面図である。
板状芯材31は、角部31gを面取りした板状芯材であり、真空断熱材表面側に重ね合わせるように、板状芯材31を覆い芯材の周囲よりも外側に形成された耳を折り曲げ、密着耳36を形成してある。密着耳の長辺耳36aは、耳の長辺の折り曲げ線である35aから折り曲げられている。密着耳の短辺耳36bは、耳の短辺の折り曲げ線である35bから折り曲げられている。交点35cは、折り曲げ線35aと35bとの交点である。
実施例1においては、板状芯材31を覆う外被材32の耳33を真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げて、板状芯材31の角部31gを面取りしたので、板状芯材31を被覆する外被材32の内部を減圧密封するときに発生する耳33のしわ33e,33fが分散され、しかも、小さくなるので、耳33の折り曲げによる外被材32自身にピンホールなどの傷が付きにくい真空断熱材が得られる。
板状芯材31の最も弱い角部31gが面取りされているので、真空断熱材30自身の製造工程や運搬・保管工程などでの取り扱い時に、角部31gに他の部品などが万一当接しても、この部分の変形が生じにくく、また、角部31gからの微細粉の発生が抑制され、作業環境を悪化させないから、取り扱い易い真空断熱材が得られる。
外被材内部を減圧密封するときに、板状芯材31の角部31gが面取りされているので、外被材に発生する引っ張り応力が小さくなる。したがって、外被材32の傷付きが少ない真空断熱材30を製造できる。
外板11と内板12とにより形成される断熱壁内に板状芯材31の角部31gを面取りした真空断熱材30を配置したので、板状芯材31を内包する真空断熱材30の最も弱い角部31gが面取りされており、真空断熱材30を冷蔵庫に組み込むときの製造工程や運搬・保管工程などでの取り扱い時に、角部31gに、冷凍サイクルの配管19や送風機の配線コード17などの他の部品などが万一当接しても、この部分に変形や傷が生じにくく、組み立て効率が良く、また、高真空度を長期間保持でき省エネに優れた冷蔵庫を提供できる。
また、角部31gを板状芯材31の厚み方向に面取りすると、上記の効果が大きくなる。すなわち、板状芯材31の稜角部を面取りすれば、厚み方向の角度も90°を超える角度となり、真空度の保持に優れたものとすることができる。
図5は、本発明による真空断熱材の実施例2の構造を示す図である。図5(a)は耳43を折り曲げる前の状態を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)の要部の断面図である。
板状芯材41は、ホウ酸やリン酸などの無機バインダを付けた繊維材料で形成され、四隅の角部41cは、所定の大きさで面取りされている。
外被材42は、板状芯材41を被覆するガスバリア性を有する複層のラミネートフィルムで形成され、真空断熱材40を高真空度に保持できるように、中間層にガスバリア性を確保するためのアルミニウム箔やアルミニウム蒸着層などを有し、その最外層に耐突き刺し性を示すナイロン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂などの層を有し、その最内層に高密度ポリエチレン樹脂やポリアクリロニトリル樹脂などの熱溶着可能な合成樹脂層を有している。
板状芯材41と外被材42とを組み合わせて真空断熱材40を製造するには、まず、熱溶着可能な合成樹脂層で略矩形状原料シートを2枚作る。2枚のシートを向かい合わせて、任意の一辺に開口部を形成し、開口部以外の周縁を熱溶着可能な合成樹脂層で熱溶着して略矩形袋状の外被材42を形成する。例えば、図5に示すように、外被材の任意の短辺42b1側を開口部として、短辺42b1以外の外被材周縁を熱溶着して略矩形状の袋にする。
次に、袋状外被材の開口部42b1から板状芯材41を挿入し、袋状外被材42および板状芯材41を所定の真空度まで減圧し、袋状外被材42の開口部42b1を熱溶着部44bで密封し、所定の真空度の真空断熱材40を製造する。
上記製造工程において、外被材42の内部を減圧密封したときに、外被材42は大気圧により板状芯材41に密着する。板状芯材41の外表面積よりも外被材42の内表面積が大きいので、外被材42は板状芯材41表面の周囲よりも外側となる耳43を形成する。耳43は、実施例1と同様に、その後、真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げられる。
熱溶着部44は、熱溶着可能な合成樹脂層部で熱溶着した部分であり、耳43の一部として形成されている。
折り曲げ線45aは、真空断熱材40の表面側に重ね合わせるように、外被材42の長辺耳43aを折り曲げるときの折り曲げ線であり、折り曲げ線45bは、真空断熱材表面側に重ね合わせるように、外被材42の短辺耳43bを折り曲げるときの折り曲げ線である。
交点45cは、折り曲げ線45aと45bとの交点を示している。熱溶着部44cおよび44fは、耳43の折り曲げ線45a,45bが交差する交点45cを含んで、芯材角部に形成した面取り41cと略平行に形成された熱溶着部である。熱溶着部44cおよび44fは、熱溶着可能な合成樹脂層を有する2枚の外被材を熱溶着して形成されている。
熱溶着部44fは、袋状外被材内を減圧密封するときに熱溶着部44bと同時に形成してもよく、熱溶着部44bとは別なときに形成してもよい。また、熱溶着部44cは、袋状外被材を形成するときに同時に形成してもよく、熱溶着部44fと同時に形成してもよい。
外被材42の内部を減圧密封するときに、外被材42の芯材41表面の周囲より外側に形成された耳43が平面状態のうちに、耳43の折り曲げ予定線45aおよび45bを事前に設定し、折り曲げ予定線45aと45bの交点45cを事前に設定しておき、交点45c部の2枚の外被材を事前に熱溶着して、熱溶着部44cまたは熱溶着部44fを形成し、外被材42自身の曲げ強度を高めておく。
図5には、熱溶着部44cの外縁を形成する外被材を面取りして表示してあるが、面取り部42cを設けないで、この部分を真空断熱材自身の製造時に製品搬送治具の支持部として転用することも可能である。
実施例2では、二つの耳の折り曲げ線45aと45bとが交差する交点45cは、まず最初長辺耳43aにより折り曲げられて、次に短辺耳45bにより二重に折り曲げられるので、交点45cを形成する外被材42にはかなり大きな曲げ応力が加わる。
しかし、交点45cは、2枚の外被材42が熱溶着されているので、強くなり、耳43の折り曲げによる外被材42自身のピンホールなどの傷付きが少ない真空断熱材が得られる。
二重に折り曲げたときに、この部分にピンホールなどの傷が万一生じても、その周辺では2枚の外被材が熱溶着されているので、この部分からのガス漏れを防止できる。
板状芯材41の角部が面取りされているので、袋状外被材42に板状芯材41を挿入する際に、作業ばらつきなどにより、板状芯材の角部が袋状外被材内面に当接しても、袋状外被材42の傷付きが少ない真空断熱材40が得られる。
板状芯材41の最も弱い角部が面取りされており、板状芯材41の角部からは微細粉がそれほど発生しないので、板状芯材を袋状外被材内に挿入する際に、袋状外被材の熱溶着部である開口部分に微細粉が付着しない。したがって、高真空度を長期間維持できる真空断熱材を提供できる。
また、角部41cを板状芯材41の厚み方向に面取りすると、上記の効果が大きくなる。すなわち、板状芯材41の稜角部を面取りすれば、厚み方向の角度も90°を超える角度となり、真空度の保持に優れたものとすることができる。
図6は、本発明による真空断熱材の実施例3の構造を示す図である。図6(a)は耳53を折り曲げる前の状態を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)の要部の断面図である。
板状芯材51は、四隅の角部51cが、所定の大きさで面取りされている。外被材52は、板状芯材51を被覆するガスバリア性を有する複層のラミネートフィルムで形成されている。耳53は、外被材52が、その内部を減圧密封されて、板状芯材51表面の周囲より外側に形成された部分である。
耳53は、実施例1と同様に、その後、真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げられる。折り曲げ線55aは、真空断熱材表面側に重ね合わせるように、外被材52の長辺耳53aを折り曲げるときの折り曲げ線であり、折り曲げ線55bは、真空断熱材表面側に重ね合わせるように、外被材52の短辺耳53bを折り曲げるときの折り曲げ線である。
交点55cは、折り曲げ線55aと55bとの仮想の交点を示している。面取り52cは、耳の折り曲げ線が交差する仮想の交点55cを含んで、芯材角部の面取り51cと略平行に形成された面取りである。
外被材52が、その内部を減圧密封されるときに、芯材51表面の周囲より外側に形成された耳53が平面状態のうちに、耳の折り曲げ予定線55aおよび55bを事前に設定し、折り曲げ予定線55aと55bとの交点55cを事前に仮定しておき、この仮想の交点55c部を含むように、外被材52の角部に面取り52cを事前に形成しておく。なお、面取り部52cは、外被材52自身の原材料に形成しておく方が望ましいが、この方法には限定されない。
実施例3は、二つの耳の折り曲げ線が交差する交点を含んで、外被材の角部を面取りしたので、耳の折り返し部が重ならない。したがって、耳53の折り返しによる外被材52自身の傷付きが少ない真空断熱材が得られる。
また、角部51cを板状芯材51の厚み方向に面取りすると、上記の効果が大きくなる。すなわち、板状芯材51の稜角部を面取りすれば、厚み方向の角度も90°を超える角度となり、真空度の保持に優れたものとすることができる。
図7は、本発明による真空断熱材の実施例4の構造を示す図である。図7(a)は耳63を折り曲げる前の状態を示す平面図であり、図7(b)は図7(a)のB−B線に沿った要部の断面図である。
外被材62は、板状芯材61を被覆するガスバリア性を有する複層のラミネートフィルムで形成された外被材である。耳63は、外被材62がその内部を減圧密封されたときに、板状芯材61表面の周囲より外側に形成された部分である。
耳63は、実施例1と同様に、その後、真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げられる。
板状芯材61は、板状芯材61を平面図上で四隅の角部61aを略円弧状に所定の大きさで面取りしてあり、面取り部61aの断面形状の角61bは、所定の大きさで面取りされている。
外被材62の内部を減圧密封するときに、板状芯材61の外表面積と板状芯材61を覆う外被材62の内表面積との違いにより生じる板状芯材61の角部に対応して発生する耳63のしわが無くなるかまたは小さくなるように板状芯材61の角部を立体的に面取りしてある。
なお、耳63のしわが無くなるかまたは小さくなるようにするために、平面形状的面取り61aの形状を直線的な面取りとし、断面形状の面取り61bを略円弧状の曲線状面取りにしてもよく、または、板状芯材61の角部全体を略1/4の球面形状としてもよい。
実施例4によれば、板状芯材を覆う外被材の耳を真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げる真空断熱材において、板状芯材の角部を面取りしたので、板状芯材を被覆する外被材の内部を減圧密封するときに発生する耳のしわが小さくなり、耳の折り曲げによる外被材自身のピンホールなどの傷付きが少ない真空断熱材を提供できる。
なお、上記実施例では、板状芯材の角部を面取りする構造を説明したが、しわの発生位置を分散させるには、直角に近い角部をなくせばよいので、平面図上で形状が円弧になる単純な(すなわち図7(b)の面取りをしない)丸みをつけた形状や六角形以上の角弧にしてもよい。
本発明による冷蔵庫の実施例の構造を示す縦断面図である。 図1の冷蔵庫のA−A線に沿った構造を示す横断面図である。 本発明による真空断熱材の実施例1の構造を示す図である。 図3の真空断熱材の耳を折り曲げた状態を示す図である。 本発明による真空断熱材の実施例2の構造を示す図である。 本発明による真空断熱材の実施例3の構造を示す図である。 本発明による真空断熱材の実施例4の構造を示す図である。 従来例の真空断熱材の一例の構造を示す平面図である。
符号の説明
10 冷蔵庫箱体
11 外板
12 内板
13 発泡断熱材
14 冷蔵温度室
15 冷凍温度室
16 送風機
17 配線コード
18 冷却器
19 配管
20 圧縮機
21 側板
22 背面板
30,40,50 真空断熱材
31,41,51 板状芯材
31a,41a,51a 面取り部
31c 面取り部
31e,31f,31g 角部
32,42,52 外被材
33,43,53 耳
33a,33b しわ
34,44,54 熱溶着部
35 交点
35a,35b 折り曲げ線
35c,35d 交点
36 密着耳部
36a 長辺耳部
36b 短辺耳部

Claims (5)

  1. 板状芯材と前記板状芯材を被覆する外被材とからなり、前記外被材の内部を減圧密封したときに前記板状芯材の周囲よりも外側に形成される耳を有し、前記耳を真空断熱材表面側に重ね合わせるように折り曲げて形成される真空断熱材において、
    前記板状芯材の四隅部のうち少なくとも2つの角部が、90°を超える角度に面取りされまたは丸みを有する形状に形成されていることを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1に記載の真空断熱材において、
    前記板状芯材の稜角部が、面取りされていることを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1または2に記載の真空断熱材において、
    長手方向の前記折り曲げ線と他方の折り曲げ線との交点を前記外被材の熱溶着部に位置させたことを特徴とする真空断熱材。
  4. 請求項1または2に記載の真空断熱材において、
    前記面取りの形状または丸みの形状に合わせて前記板状芯材の角部に対応する斜めの溶着部を前記外被材に形成し、
    前記斜めの溶着部外側の外被材を削除し、
    長手方向の前記折り曲げ線と他方の折り曲げ線との仮想の交点を前記外被材の熱溶着部の外側に位置させたことを特徴とする真空断熱材。
  5. 外板と内板と間に位置するように前記外板側または前記内板側に真空断熱材を固定し、前記真空断熱材の周囲の空間に発泡断熱材を充填し断熱壁とした冷蔵庫において、
    前記真空断熱材が、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の真空断熱材であることを特徴とする冷蔵庫。
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