JP7237260B1 - ダブルラッセル編地及びそれを含む表皮材 - Google Patents

ダブルラッセル編地及びそれを含む表皮材 Download PDF

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Abstract

畝部を有するダブルラッセル編地において、畝部及び凹部の形状安定性、縫目強度、及び凹部の引張抵抗力に優れるダブルラッセル編地及びそれを含む表皮材を提供する。本発明に係るダブルラッセル編地は、表層と裏層の表裏二層の編地と、該表裏二層の編地同士を連結する連結糸とを含み、該表裏二層の編地の少なくとも一方に複数の畝部と該畝部に挟まれる凹部が形成されているダブルラッセル編地であって、該畝部は経方向に連なる編目列が2ウェール以上寄せ合って形成され、且つ該畝部がシンカーループによって少なくとも片側で隣り合う畝部と連結していることを特徴とする。

Description

本発明はダブルラッセル編地及び表皮材に関する。
従来、表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成されたダブルラッセル編地は、連結糸にモノフィラメントを使用することで厚み方向にクッション性を有し、さらに、表裏面の編地を畝構造とすることによって、意匠性の高いクッション材として、座席シートや寝具等の用途に幅広く使用されている。
例えば、以下の特許文献1にはダブルラッセル編地の表層の編地に畝状の意匠性を付与する際、一列の畝部につき一本の割合で配された挿入糸を、所定の振り幅でコース毎に畝部の端部に編成係止して挿入し、少なくとも一部のコースにおいて挿入糸を隣り合う二列の畝部に橋渡し挿入して両畝部の外側両端部に編成係止して、畝部を構成する編目列を結束するように編成することで、畝部にゆがみがなく、また、畝部がコース方向にずれることがなく、畝部の形態安定性の良好な畝状ダブルラッセル編地が開示されている。
特開2008-255508号公報
しかしながら、特許文献1のダブルラッセル編地は、畝部や凹部のコース方向(ヨコ方向)に強い引張り力がかかった際に挿入糸がスリップしやすいため、縫目強度や凹部の引張抵抗力等の耐久性を満足するものではなかった。
以上の従来技術の問題点に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、畝部を有するダブルラッセル編地において、畝部及び凹部の形状安定性、縫目強度、及び凹部の引張抵抗力に優れるダブルラッセル編地及びそれを含む表皮材を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、表裏二層の編地と、該表裏二層の編地同士を連結する連結糸とを含み、該表裏二層の編地の少なくとも一方に複数の畝部が形成されているダブルラッセル編地であって、該畝部は経方向に連なる編目列が2ウェール以上寄せ合って形成され、且つ該畝部がシンカーループによって少なくとも片側で隣り合う畝部と連結したダブルラッセル編地が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]表層と裏層の表裏二層の編地と、該表裏二層の編地同士を連結する連結糸とを含み、該表裏二層の編地の少なくとも一方に複数の畝部と該畝部に挟まれる凹部が形成されているダブルラッセル編地であって、該畝部は経方向に連なる編目列が2ウェール以上寄せ合って形成され、且つ該畝部がシンカーループによって少なくとも片側で隣り合う畝部と連結していることを特徴とする、ダブルラッセル編地。
[2]前記畝部において、左半分の編目列が該畝部の右隣の畝部と、右半分の編目列が該畝部の左隣の畝部と、それぞれ、0~1個の編目を挟んで、シンカーループで連結している、前記[1]に記載のダブルラッセル編地。
[3]前記畝部において、左半分の編目列が該畝部の右隣の畝部と、右半分の編目列が該畝部の左隣の畝部と、それぞれ、編目を挟まずに、シンカーループで連結している、前記[2]に記載のダブルラッセル編地。
[4]前記畝部が形成されている側の編地に、凹部の存在しない編組織からなるコースが2コース以上連続して形成される非畝部を複数含み、経方向に隣り合う該非畝部が2コース以上離れている、前記[1]~[3]のいずれかに記載のダブルラッセル編地。
[5]前記畝部において、9コース当たり1コース以上がシンカーループによって隣り合う畝部と連結している、前記[1]~[4]のいずれかに記載のダブルラッセル編地。
[6]前記畝部において、3コース当たり1コース以上が、0~1個の編目を挟んで、シンカーループによって隣り合う畝部と連結している、前記[5]に記載のダブルラッセル編地。
[7]前記畝部において、全コースが、0~1個の編目を挟んで、シンカーループによって隣り合う畝部と連結している、前記[5]に記載のダブルラッセル編地。
[8]前記裏層側から前記表層側の編地に向かって透過する通気度が、50cc/cm2/sec以上である、前記[1]~[7]のいずれかに記載のダブルラッセル編地。
[9]前記[1]~[8]のいずれかに記載のダブルラッセル編地を含む、表皮材。
[10]前記畝部において、全コースが、シンカーループによって隣り合う畝部と連結している、前記[3]に記載のダブルラッセル編地を含む、表皮材。
本発明の畝状ダブルラッセル編地及びそれを含む表皮材は、畝部及び凹部の形状安定性、縫目強度、及び凹部の引張抵抗力に優れる。
表層の編地が畝部を形成している一例の模式図である。(ただし、一部のシンカーループの図示は省略している。) 表層の編地が畝部と非畝部を形成している一例の模式図である。(ただし、一部のシンカーループの図示は省略している。) 実施例1のダブルラッセル編地の編成図である。左半分の編目列が該畝部の右隣の畝部と、右半分の編目列が該畝部の左隣の畝部と、0個の編目を挟んで(編目を挟まずに)、シンカーループで連結している。 実施例2のダブルラッセル編地の編成図である。左半分の編目列が該畝部の右隣の畝部と、右半分の編目列が該畝部の左隣の畝部と、1個の編目(開き目)を挟んで、シンカーループで連結している。 比較例1のダブルラッセル編地の編成図である。隣り合う畝同士をシンカーループで連結していない。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の1の実施形態は、表層と裏層の表裏二層の編地と、該表裏二層の編地同士を連結する連結糸とを含み、該表裏二層の編地の少なくとも一方に複数の畝部と該畝部によって挟まれる凹部が形成されているダブルラッセル編地であって、該畝部は経方向に連なる編目列が2ウェール以上寄せ合って形成され、且つ該畝部がシンカーループによって少なくとも片側で隣り合う畝部と連結していることを特徴とする、ダブルラッセル編地である。
本実施形態のダブルラッセル編地は、表裏二層の編地と、該二層の編地を連結する連結糸で構成されたダブルラッセル編地である。前記ダブルラッセル編地は、ダブルラッセル経編機によって編成され、編機のゲージは18~28ゲージが好ましく用いられる。
本実施形態のダブルラッセル編地は、表裏二層の編地の少なくとも一方に複数の畝部と該畝部に挟まれる凹部が形成されている。本実施形態における畝部とは、表層又は裏層の編地において、経方向に連なる編目列が、一部又は全てのコースで、2ウェール以上寄せ合って形成されている部分である。また、隣り合う前記畝部がコース方向(ヨコ方向)に隙間を開けて凹部を形成している。畝部を形成する経方向の編目列は、2ウェール以上寄せ合っている必要があるが、形状保持性の観点からは4ウェール以上寄せ合っていることが好ましく、意匠性の観点からは4ウェール以上8ウェール以下寄せ合っていることが好ましい。また、隣り合う畝部の間隔(凹部の幅)は、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは0.8mm以上であると、視覚的に意匠性が高まる。
畝部は、シンカーループによって少なくとも片側で隣り合う畝部と連結している。このような構造をとることにより、畝部及び凹部の形態を安定させ、縫目強度や凹部の引張抵抗力が向上する。
畝部を形成するためには、任意の方法を用いることができる。例えば、編機の少なくとも2枚の筬を使用し、筬から糸を供給する際に、1イン1アウトや2イン2アウト等の糸抜き配列とし、2枚の筬から供給された編地の長さ方向(経方向)に連なる少なくとも2列以上の編目列において、2枚の筬の動きにより、左側の編目列を右方向に、右側の編目列を左方向に、直接又は間接的にシンカーループで引っ張る状態とすることにより、編目列を寄せて凸状の畝構造とする方法が好ましい。即ち、本実施形態の編地の畝部において、左半分の編目列が該畝部の右隣の畝部と、右半分の編目列が該畝部の左隣の畝部と、それぞれ、0~1個の編目を挟んで、シンカーループで連結していることが好ましい。また、隣り合う畝部に連結するシンカーループは、任意の編目列から隣の畝部の任意の編目列に連結してもよく、1つの編目から伸びる2本のシンカーループは、編目から同方向に伸びてもよく、左右逆方向に伸びてもよい。尚、本明細書において、「左」及び「右」という用語は、編地緯方向における相対的な位置関係を示す用語として用いている。また、1つの畝部を形成する編目列が奇数個の場合は、中心の編目列より左側の編目列が「左半分の編目列」、中心部の編目列より右側が「右半分の編目列」となり、中心の編目列は、「左半分の編目列」及び「右半分の編目列」のいずれにも属しない。
図1に、畝部が4列の編目列で形成された本実施形態の編地の一例を示す。シンカーループ8と13、及び6と11が畝部2の4列の編目列の左右2列ずつの編目列をそれぞれ左右逆方向に引張り、編目列を寄せ凸状の畝構造を形成し、シンカーループ6、7、8、9、10、11、12、13が隣り合う畝部を連結している状態を示す。
本実施形態の畝部は、9コース当たり1コース以上が、0~1個の編目を挟んで、シンカーループによって隣り合う畝部と連結していることが、畝部及び凹部の形態をより安定させ、縫目強度や凹部の引張抵抗力を向上する上で好ましく、3コースあたり1コース以上、隣り合う畝部と連結していることがより好ましく、全コースが、隣り合う畝部と連結していることが最も好ましい。
尚、表皮材としての性能を十分に発揮するためには縫目強度が500N以上であることが好ましく、又、形態保持の観点から、凹部の引張抵抗力を表す引張変形量が1.5mm以下であることが好ましい。
本実施形態において、畝部は、編地の全コースに渡って、すべて同一の畝構造であってもよく、一部のコースにおいて異なる編組織が組み合わされた構造であってもよい。
本実施形態において、畝部が形成されている側の編地に、凹部の存在しない編組織からなるコースが2コース以上連続して形成される非畝部を含み、経方向に隣り合う該非畝部が2コース以上離れている形態を作ることで、ブロック調や市松調の外観を付与することができる。
図2に、4列の縦方向の編目列で形成された畝部と、凹部の存在しない編組織からなる非畝部が繰り返した本実施形態の編地の一例を、表層の編地を連結層側からシンカーループ越しに見た図として示す。前記非畝部は任意の編組織であることができるが、目付を小さくする観点から1針振りの編組織が望ましい。経方向に隣り合う該非畝部は、間隔が広いほど畝の形状が際立って意匠性が高まり、間隔が狭いほど凹部に対するコース方向(ヨコ方向)の引っ張り抵抗力が向上するため、該2つの性質を考慮し、非畝部の間隔は4コースから8コース離れていることが好ましい。また、本実施形態の編地は、形状安定性の観点からは、非畝部を有しないことが好ましいが、非畝部を設ける場合、非畝部同士が離れているほど好ましく、具体的には、4コース以上離れていることが好ましく、8コース以上離れていることがより好ましい。
表層の編地に用いる繊維の素材は限定されるものではなく、単一素材であっても、複数の素材が混繊、合撚、混紡、交編等によって複合化されていてもよいが、原糸強度、耐光性の面から、ポリエチレンテレフタレート繊維の長繊維が好ましく用いられる。また、編地表面のぎらつきを抑えるという観点から、ポリエチレンテレフタレート繊維は、仮撚加工糸、インターレース加工糸、又は、撚糸であることが好ましい。
表層の編地に用いる繊維の繊度は、縫目強度を向上する上で、100デシテックス以上350デシテックス以下の繊度のものが好ましく用いられる。また、同様の観点より、表層の編地を形成する繊維からなる1つの編目の総繊度は150デシテックス以上800デシテックス以下が好ましい。
尚、表層の編地に用いる繊維がマルチフィラメントである場合、その単糸繊度は1デシテックス以上6デシテックス以下が好ましいが、単糸の強力がより高くなる3デシテックス以上6デシテックス以下がより好ましい。
連結糸に用いる繊維はモノフィラメントが好ましい。連結糸にモノフィラメントを用いる場合、その繊度は、編地表面へのモノフィラメントの突出を抑え、かつ、良好なクッション性を保つ上で、30デシテックス以上300デシテックス以下が好ましく、より好ましくは50デシテックス以上250デシテックス以下である。
本実施形態のダブルラッセル編地は、座席の表皮材として用いた際に着座時に人体からの熱や湿気を移動させて、清涼性、蒸れ防止性を良好にする上で、ダブルラッセル編地の表裏二層の編地の間の連結層(以下、単に「連結層」ともいう。)側から表層の編地に向かって透過する通気度が50cc/cm2/sec以上であることが好ましく、より好ましくは60cc/cm2/sec以上である。
本明細書中、用語「ダブルラッセル編地の表裏二層の編地の間の連結層側から表層の編地に向かって透過する通気度」とは、JIS L1096通気性試験方法(A法)の吸引条件に準じてダブルラッセル編地の通気性を測定する際に、ダブルラッセル編地の試験片サイズを15cm角とし、表層の編地を下側にして通気性試験機の開口部に置き、裏層の編地の外側面には厚さ3mm、20cm角のシリコンラバープレートを重ねることで裏層の編地を透過する空気を遮断し、ダブルラッセル編地の4辺の断面から入り連結層を通って表層の編地を透過する空気の通気度のことをいう。
ダブルラッセル編地の連結層側から表層の編地に向かって透過する通気度を高めるためには、特に、連結層を空気が通過する際の圧力損失を減らすことが有効であり、このためには、ダブルラッセル編地の連結層を形成する連結糸の本数を表層の編地の編目数に対して相対的に減らすことが好ましい。かかる観点から、本実施形態においては、ダブルラッセル編地の表層の編地に編込まれる連結糸の編目数が、表層の編地の総編目数の1/4以上1/2以下であることが好ましい。表層の編地の総編目数とは、表側編地2.54cm角の中にある編目数のことをいい、コース数/2.54cmとウェール数/2.54cmの積で求められる
尚、通常一般的なJIS L1096通気性試験方法(A法)で測定される、ダブルラッセル編地の裏層の編地から表層の編地を透過する通気度は、50cc/cm2/sec以上であることが好ましく、より好適である。
ダブルラッセル編地を構成する繊維には任意の素材を使用することができ、また、各種繊維素材が複合されていてもよいが、表層の編地、連結糸、裏層の編地ともに、ポリエチレンテレフタレート繊維100%であることがマテリアルリサイクルやケミカルリサイクル等、リサイクルのし易さの面で好ましい。これらの繊維は未染色であってもよいが、染色加工時のダブルラッセル編地の性量変動を抑える上で原着糸または先染糸を用いることが好ましい。さらには、染色工程を不要にできる顔料等を練り込んだ原着糸を用いることがより好ましい。
本実施形態のダブルラッセル編地の厚みは任意に設定できるが、表皮材としての縫製性や取り扱い性から、3mm以上12mm以下が好ましく、より好ましくは3mm以上8mm以下である。また、ダブルラッセル編地の目付は任意に設定できるが、好ましくは400~1000g/m2、より好ましくは400~900g/m2である。
本実施形態のダブルラッセル編地の仕上げ加工方法は、先染糸や原着糸を使用したダブルラッセル編地の場合、生機を精練、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができるが、工程簡略化の面でヒートセットのみで仕上げることがより好ましい。表裏二層の編地、または連結糸に用いる繊維のいずれかが未着色であるダブルラッセル編地の場合、生機をプレセット、精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができる。
本実施形態のダブルラッセル編地は座席シートや自動車の表皮材に用いられ、従来の表皮材のように、裏面にウレタンをラミネートすることができるが、ラミネートせずに使用することの方がリサイクル性の面で好ましい。
以下、本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
以下、実施例等において用いたダブルラッセル編地の各種物性の測定方法は以下の通りのものであった。
(a)隣り合う畝部の間隔A(mm)
キーエンス社製のワンショット3D測定マイクロスコープVR-3000を用い、倍率25倍~38倍で、得られたダブルラッセル編地の表層の編地の外側面をオートフォーカス、3D測定で撮影する。平面計測の2地点間距離機能を使用し、隣り合う編目列が隙間を開けて凹部を形成した隣り合う編目同士最短距離をマイクロスコープで測定し、最短のものを記録とする。測定は5カ所行い平均値を求める。凹部のコース数が5コース未満の場合は全ての隣り合う編目同士の最短距離を測定し、平均値を求める。
(b)縫目強さ
得られたダブルラッセル編地から試験片を幅100mm、長さ100mmの大きさでタテ・ヨコの合計2方向からそれぞれ2枚一組で三組準備する。2枚の試験片の長さ方向の向きを同一方向にして表側を重ね合わせ、端から6mmの位置を縫製する。縫製の際にはポリエステル#8のミシン糸とオルガン針KKの21番―Sのミシン針を使用し、縫目ピッチ25±2目/100mm条件で縫い合わせる。縫製した試験片はつかみ間隔76±1.0mmとし、表25.4×25.4mm、裏25.4mm×50.8mm幅の「つかみ」を使用して定速度伸長型の引張試験機に取り付ける。試験片を200mm/minで引張り、破断に要する荷重(N)を測定する。
(c)凹部の引張変形量(凹部の引張抵抗力)
得られたダブルラッセル編地から、タテ50mm、ヨコ260mmの試験片を3枚採取する。採取した試験片の隣り合う畝部の間隔を前記(a)項の方法で測定する。次に引張試験機を用いて、試験片を開いた状態でつかみ間隔100mmとしてつかみ、50mm/minの引張速度で147.1Nの荷重を与えた後、試験片をつかみから取り外し、1 時間保持後、再度前記(a)項の方法で隣り合う畝部の間隔を測定し、次式:
凹部の引張変形量(mm)=引張前の隣り合う畝部の間隔(mm)-引張後の隣り合う畝部の間隔(mm)
により凹部の変形量を算出し、3枚の平均値を結果とする。この引張変形量が小さいほど、凹部の引張抵抗力が高いことを示す。
(d)畝部及び凹部の意匠性(形状安定性)
得られたダブルラッセル編地の畝形状について目視にて評価し、以下の基準で等級判定を行い、形状安定性の評価とした。
○:畝形状の崩れなどがなく、明確に畝が形成されている
△:組織のずれなどでやや畝形状が崩れているが、意匠性に問題はない
×:畝形状が明らかに崩れ、意匠性に問題がある
[実施例1]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて2イン2アウト(L1)と2イン2アウト(L2)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2イン2アウト(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:1033/6733/(2イン2アウト)
L2:6733/1033/(2イン2アウト)
L3:1043/6734/(2イン2アウト)
L4:6734/1043/(2イン2アウト)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
[実施例2]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて2イン2アウト(L1)と2アウト2イン(L2)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2アウト2イン(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:1011/2344/6766/5433/(2イン2アウト)
L2:8988/7655/3233/4566/(2アウト2イン)
L3:6734/1043/(2イン2アウト)
L4:3265/8956/(2アウト2イン)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
[実施例3]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて2イン2アウト(L1)と2アウト2イン(L1)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3,L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2アウト2イン(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:1011/2322/1011/2322/
1011/2322/1011/2333/
6766/5455/6766/5455/
6766/5455/6766/5444/
(2イン2アウト)
L2:8988/7677/8988/7677/
8988/7677/8988/7666/
3233/4544/3233/4544/
3233/4544/3233/4555/
(2アウト2イン)
L3:6734/1043/(2イン2アウト)
L4:3265/8956/(2アウト2イン)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
[実施例4]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて2イン2アウト(L1)と2アウト2イン(L2)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3,L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2アウト2イン(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:1011/2344/6766/5433/
1011/2344/6766/5433/
1011/3233/
(2イン2アウト)
L2:8988/7655/3233/4566/
8988/7655/3233/4566/
8988/10111010/
(2アウト2イン)
L3:6734/1043/6734/1043/
6734/1043/6734/1043/
7689/7678/
(2イン2アウト)
L4:3265/8956/3265/8956/
3265/8956/3265/8956/
3256/6745
(2アウト2イン)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
[実施例5]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて2イン2アウト(L1)と2アウト2イン(L2)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3,L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2アウト2イン(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:1011/2344/6766/5433/
1011/3233/
(2イン2アウト)
L2:8988/7655/3233/4566/
8988/10111010/
(2アウト2イン)
L3:6734/1043/6734/1043/
7689/7678/
(2イン2アウト)
L4:3265/8956/3265/8956/
3256/6745/
(2アウト2イン)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
[実施例6]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて2イン2アウト(L1)と2アウト2イン(L2)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3,L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2アウト2イン(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:1011/2344/6766/5433/
1011/2344/6766/5433/1011/
3233/4566/8988/7655/
3233/4566/8988/7655/3233/
(2イン2アウト)
L2:8988/7655/3233/4566/
8988/7655/3233/4566/8988/
10111010/9877/5455/6788/
10111010/9877/5455/6788/10111010/
(2アウト2イン)
L3:6734/1043/6734/1043/
6734/1043/6734/1043/6765/
8956/3265/8956/3265/
8956/3265/8956/3265/6765/
(2イン2アウト)
L4:3265/8956/3265/8956/
3265/8956/3265/8956/3256
5487/101178/5487/101178/
5487/101178/5487/101178/5478/
(2アウト2イン)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
[実施例7]
6枚筬を装備した22ゲージ、釜間6mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて1イン1アウト(L1)と1アウト1イン(L2)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3、L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを1イン1アウト(L3)1イン1アウト(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを35コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:2111/4555/(1イン1アウト)
L2:3444/1000/(1アウト1イン)
L3:4521/4367/(1イン1アウト)
L4:4367/4521/(1イン1アウト)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:0034/4410/(オールイン)
[実施例8]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L1、L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて2イン2アウト(L1)と2アウト2イン(L2)の配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3,L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2アウト2イン(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:5455/6766/5455/6766/
5455/6766/5455/6766/5444/
1011/2322/1011/2322/
1011/2322/1011/2322/1033
(2イン2アウト)
L2:2322/1011/2322/1011/
2322/1011/2322/1011/2333/
6766/5455/6766/5455/
6766/5455/6766/5455/6744
(2アウト2イン)
L3:6734/1043/6734/1043/
6734/1043/6734/1043/
7689/7678/
(2イン2アウト)
L4:3265/8956/3265/8956/
3265/8956/3265/8956/
3256/6745
(2アウト2イン)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
[比較例1]
6枚筬を装備した18ゲージ、釜間7mmのダブルラッセル編機を用い、表層の編地を形成する2枚の筬(L2)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えてオールイン(L2)で供給し、該表層の編地に挿入糸を挿入する筬(L1)から222dtex72フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸を2本引き揃えて1イン3アウトの配列で供給し、連結部を形成する2枚の筬(L3,L4)から89dtexのポリエチレンテレフタレート繊維のモノフィラメントを2イン2アウト(L3)2アウト2イン(L4)の配列で供給し、更に、裏層の編地を形成する2枚の筬(L5、L6)から167dtex36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(黒原着糸)の仮撚加工糸をいずれもオールインの配列で供給した。
以下に示す編組織で、機上コースを30コース/2.54cmとしてダブルラッセル編地の生機を編成した。得られた生機を、幅出し率0%、オーバーフィード率0%、175℃×1分で乾熱ヒートセットし、以下の表1の諸物性を有するダブルラッセル編地を得た。
(編組織)
L1:0000/4444/0000/8888(1イン3アウト)
L2:1000/0111/(オールイン)
L3:6734/1043/(2イン2アウト)
L4:3265/8956/(2アウト2イン)
L5:0001/1110/(オールイン)
L6:2234/2210/(オールイン)
Figure 0007237260000001
表1の通り、表層の編地において隣り合う畝同士をシンカーループで連結した実施例1~8のダブルラッセル編地は、隣り合う畝同士をシンカーループで連結していない比較例1に対し、高い縫目強度と凹部の引張抵抗力を示すものであった。
また、非畝部を有せず、かつ畝部が4ウェール以上の編目列によって形成されている実施例1、2、3、及び、非畝部を有し、かつ、非畝部の間隔が8コース以上である実施例4、6において、畝部の形状安定性に特に優れたダブルラッセル編地が得られた。
本発明のダブルラッセル編地は、乗物や家具等の座席シートのウレタンパッド等のクッション部材の上に配置する表皮材、シートフレームに張設することで形成される座席シートの表皮材、及び乗物の天井やドアトリム等の内装材に用いることのできる表皮材として利用可能であり、編地表面に畝部による立体的な意匠性を呈するとともに、コース方向(ヨコ方向)に強い引っ張り荷負荷がかかっても畝部の崩れを抑制することができる。更に、座席シートとして使用した際には、着座の際に高い清涼性、蒸れ防止性を達成する表皮材として好適に利用可能である。
1 畝部を有する層の編地
2 畝部
3 凹部
4 凹部に面した一方の編目
5 凹部に面した他方の編目
6 シンカーループ
7 シンカーループ
8 シンカーループ
9 シンカーループ
10 シンカーループ
11 シンカーループ
12 シンカーループ
13 シンカーループ
14 非畝部
15 畝部と非畝部とを連結する組織のシンカーループ
16 畝部と非畝部とを連結する組織のシンカーループ
A 隣り合う畝部間隔

Claims (10)

  1. 表層と裏層の表裏二層の編地と、該表裏二層の編地同士を連結する連結糸とを含み、該表裏二層の編地の少なくとも一方に複数の畝部と該畝部に挟まれる凹部が形成されているダブルラッセル編地であって、該畝部は経方向に連なる編目列が2ウェール以上寄せ合って形成され、且つ該畝部がシンカーループによって少なくとも片側で隣り合う畝部と連結していることを特徴とする、ダブルラッセル編地。
  2. 前記畝部において、左半分の編目列が該畝部の右隣の畝部と、右半分の編目列が該畝部の左隣の畝部と、それぞれ、0~1個の編目を挟んで、シンカーループで連結している、請求項1に記載のダブルラッセル編地。
  3. 前記畝部において、左半分の編目列が該畝部の右隣の畝部と、右半分の編目列が該畝部の左隣の畝部と、それぞれ、編目を挟まずに、シンカーループで連結している、請求項2に記載のダブルラッセル編地。
  4. 前記畝部が形成されている側の編地に、凹部の存在しない編組織からなるコースが2コース以上寄せ合って形成される非畝部を複数含み、経方向に隣り合う該非畝部が2コース以上離れている、請求項1~3のいずれか1項に記載のダブルラッセル編地。
  5. 前記畝部において、9コース当たり1コース以上がシンカーループによって隣り合う畝部と連結している、請求項1~3のいずれか1項に記載のダブルラッセル編地。
  6. 前記畝部において、3コース当たり1コース以上が、0~1個の編目を挟んで、シンカーループによって隣り合う畝部と連結している、請求項5に記載のダブルラッセル編地。
  7. 前記畝部において、全コースが、0~1個の編目を挟んで、シンカーループによって隣り合う畝部と連結している、請求項5に記載のダブルラッセル編地。
  8. 前記裏層側から前記表層側の編地に向かって透過する通気度が、50cc/cm2/sec以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のダブルラッセル編地。
  9. 請求項1~3のいずれか1項に記載のダブルラッセル編地を含む、表皮材。
  10. 前記畝部において、全コースが、シンカーループによって隣り合う畝部と連結している、請求項3に記載のダブルラッセル編地を含む、表皮材。
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