JP7235515B2 - 高分子重合体組成物 - Google Patents
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Description
そして、この樹脂としては、各種の樹脂やその水素添加物であってもよいとの記載がある(同特許文献の段落「0024」)。
しかしながら、同特許文献において、樹脂として、スチレン系樹脂の水素添加物の具体的な記載はない。
また、本発明は、ゴム成分に、水添スチレン系樹脂を配合することにより、これまでよりもさらに高温領域で優れ、かつ、安定した制振性能を発揮しうる制振ゴムを提供することにある。
<請求項1>
(A)(A-1)共役ジエン系ゴムおよび/または(A-2)熱可塑性エラストマーからなる高分子重合体成分100重量部に対し、(B)GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が500~10,000である水添スチレン系樹脂1~200重量部を配合した高分子重合体組成物。
<請求項2>
(A)成分100重量部に対し、さらに(C)無機充填剤を5~500重量部配合してなる請求項1記載の高分子重合体組成物。
<請求項3>
(A)成分100重量部に対し、さらに(D)架橋剤を1~100重量部配合してなる、請求項1または2記載の高分子重合体組成物。
<請求項4>
(A-1)共役ジエン系ゴムが、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソブチレン-イソプレンゴム(IIR)の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1~3いずれかに記載の高分子重合体組成物。
<請求項5>
(A-2)熱可塑性エラストマーが、水添1,2-ポリブタジエン、水添スチレン-ブタジエン共重合体、水添スチレン-イソプレン共重合体、エチレン-プロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン-プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、およびエチレン系アイオノマー樹脂の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1~4いずれかに記載の高分子重合体組成物。
<請求項6>
(B)水添スチレン系樹脂が、スチレン系樹脂を水素化して、芳香環の少なくとも一部を脂環に変化させたものである、請求項1~5いずれかに記載の高分子重合体組成物。
<請求項7>
(C)無機充填剤が、ガラス繊維、表面化学処理ガラス繊維、カーボン繊維、グラファイト、金属繊維、および酸化チタンの群から選ばれた少なくとも1種の繊維状充填剤、もしくはガラスバルーン、フライアッシュバルーン、およびシリカバルーンの群から選ばれた少なくとも1種の中空充填剤、あるいは軟質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、硫酸バリウム、天然ケイ素、合成ケイ素、シリカ、およびカーボンブラックの群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1~6いずれかに記載の高分子重合体組成物。
<請求項8>
(D)架橋剤が、硫黄系架橋剤であり、硫黄と加硫促進剤との組み合わせからなる、請求項1~7いずれかに記載の高分子重合体組成物。
<請求項9>
請求項1~8いずれかに記載の高分子重合体組成物をトレッド部材に用いたタイヤ。
<請求項10>
請求項1~8いずれかに記載の高分子重合体組成物からなる制振材。
<請求項11>
請求項1~8いずれかに記載の高分子重合体組成物を用いたゴムベルト。
また、本発明によれば、特定のゴム成分および/またはエラストマー成分に対して、水添スチレン系樹脂を特定量配合してなり、従来に比して顕著に高い温度領域で優れた制振性能を発揮する制振材用の高分子重合体組成物を提供することができる。
(A-1)共役ジエン系ゴム
(A-1)としては、例えば天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソブチレン-イソプレンゴム(IIR)などの共役ジエン系重合体が挙げられるが、共役ジエン系ゴムの範疇に入るものはすべて含まれる。
(A-1)共役ジエン系ゴムのポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常、200,000~400,000程度である。
ここで、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による測定値を基に標準ポリスチレン換算で測定した値である。
(A)成分中、(A-1)共役ジエン系ゴムの割合は、100~0重量%、好ましくは90~60重量%[ただし、(A-1)+(A-2)=100重量%]である。
ここで、(A)成分中に、(A-1)共役ジエン系ゴムが100重量%の場合には、得られる組成物はタイヤトレッドなどに好適であり、60~90重量%の場合には、得られる組成物はタイヤサイドウォールや制振ゴム、防振ゴム、防音材などに好ましい。
(A-2)熱可塑性エラストマーとしては、例えば、水添1,2-ポリブタジエン、水添スチレン-ブタジエン共重合体、水添スチレン-イソプレン共重合体、エチレン-プロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン-プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、およびエチレン系アイオノマー樹脂などが挙げられるが、そのほか、熱可塑性エラストマーの範疇に属するものはすべて含まれると広義に解釈すべきである。
ここで、(A)成分中に、(A-2)熱可塑性エラストマーが0重量%の場合には、得られる組成物はタイヤトレッドなどに好適であり、10~40重量%の場合には、得られる組成物はタイヤサイドウォールや制振ゴム、防振ゴム、防音材などに好ましい。
本発明の組成物中に、(B)水添スチレン系樹脂を配合することにより、従来のテルペン樹脂、石油系樹脂、ロジン系樹脂や、テルペンフェノール樹脂を添加する手法に比べて、ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能及び耐久性を高次元にバランスよく改善することができる。
すなわち、(B)水添スチレン系樹脂は、水素添加により二重結合やスチレン由来の芳香環が少なくなるため、ジエン系ゴム中の該樹脂の分散性が大きく高まると共に、架橋剤の硫黄を吸着せずにゴムの架橋を促進し、ゴムポリマー間の架橋位置を均一化して加硫後のゴム組成物のモジュラスを大きくする。更に、ゴムの架橋が均一かつタイトになることにより耐久性、ブロー性も良好となる。
例えば、本発明に用いる(B)水添スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を(共)重合させた後、水素添加反応させて、分子中の不飽和結合を飽和結合に変えたものであることが好ましい。水素添加反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。水素化触媒としては、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジクロリド/n-ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリド/sec-ブチルリチウム、テトラブトキシチタネート/ジメチルマグネシウムのごとき遷移金属化合物/アルキル金属化合物の組合せからなる均一系触媒;ニッケル、パラジウム、白金などの不均一系金属触媒;ニッケル/シリカ、ニッケル/けい藻土、ニッケル/アルミナ、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/けい藻土、パラジウム/アルミナのごとき金属触媒を担体に担持してなる不均一系固体担持触媒などが挙げられる。
芳香環の水素添加率は特に限定されないが、0.1~100%、好ましくは1~90%である。芳香環の水素添加率0.1%未満では、水素添加による特性が十分発現されない。
ここで、芳香環の水素添加率(水添率)は、IR(赤外線分光光度計)によるスチレン化合物由来の吸光度のピーク高さから、下記式により、算出される値である。
水添率(%)={(C-D)/C}×100
C:水素添加前の芳香環由来の吸光度ピーク高さ
D:水素添加後の芳香環由来の吸光度ピーク高さ
なお、(B)水添スチレン系樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の高分子重合体組成物は、(A)(A-1)共役ジエン系ゴムおよび/または(A-2)可塑性エラストマーならびに(B)水添スチレン系樹脂を主成分とするが、これに加えて、さらに(C)充填剤を配合することができる。
本発明の組成物において、補強用の(C)充填剤としては、ガラス繊維、表面化学処理ガラス繊維、カーボン繊維、グラファイト、金属繊維、および酸化チタンの群から選ばれた少なくとも1種の繊維状充填剤、もしくはガラスバルーン、フライアッシュバルーン、およびシリカバルーンの群から選ばれた少なくとも1種の中空充填剤、あるいは軟質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、硫酸バリウム、天然ケイ素、合成ケイ素、シリカ、およびカーボンブラックの群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
これら補強性充填剤は、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)充填剤の配合量は、マトリックス成分である(A)成分100重量部に対し、5~500重量部、好ましくは20~200重量部である。5重量部未満であると、ゴム組成物への強度と耐久性の改善効果が低い。一方、500重量部を超える場合には加工性が悪く充填剤の分散性の低下を招き均一な強度と耐久性を保てなくなる。
本発明の組成物には、さらに(D)架橋剤を配合することができる。
本発明で使用する(D)架橋剤としては、例えば硫黄を用いることが出来る。硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄などが使用でき、また加熱によって硫黄を生成させる化合物としてテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどが使用できる。
有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンおよびt-ジブチルヒドロペルオキシド等を例示できる。これらのうち、ジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシドおよびジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
有機過酸化物の配合量は、(A)成分100重量部に対し、通常、1~15重量部、好ましくは1~10重量部程度である。
加硫助剤の配合量は、使用する有機過酸化物1モルに対して、通常0.5~2モル、好ましくは0.5~1.5モル、より好ましくはほぼ等モルの量とするのが望ましい。
本発明の組成物は、上記(A)~(B)成分、さらに(C)~(D)成分など、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
<スチレン系樹脂aの合成>
フラスコにトルエン500g、塩化アルミニウム触媒15gを仕込み、窒素気流下攪拌を行い、1時間かけてスチレン500gを滴下した。その間フラスコ内の温度を20℃に保った。滴下終了後、水洗により脱触媒を行い、得られた反応油を減圧蒸留してトルエンを留去させ、樹脂500gを得た。重量平均分子量は2,500、軟化点は101℃であった。
<水添スチレン系樹脂(1)~(3)の合成>
水添スチレン系樹脂(1)
上記で得られたスチレン系樹脂aを500g、シクロヘキサンを1000g、および粉末状の安定化ニッケル触媒10gをオートクレーブに仕込み、次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガスを導入した。そして攪拌しながら加熱し、150℃となったところで、水素の圧力を50kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を50kg/cm2に保ちながら8時間反応させた。反応後触媒をろ過し、減圧蒸留にて溶媒を留去して、水添スチレン系樹脂を得た。軟化点は117℃、芳香環の水添率は75%であった。
水添スチレン系樹脂(2)
水添スチレン系樹脂(1)と同様にして、水素添加反応を4時間行った。軟化点は、111℃、芳香環の水添率は50%であった。
水添スチレン系樹脂(3)
水添スチレン系樹脂(1)と同様にして、水素添加反応を3時間行った。軟化点は、107℃、芳香環の水添率は25%であった。
フラスコにトルエン500g、塩化アルミニウム触媒15gを仕込み、窒素気流下攪拌を行い、1時間かけてスチレン350gとα-メチルスチレン150gの混合液を滴下した。その間フラスコ内の温度を20℃に保った。滴下終了後、水洗により脱触媒を行い、得られた反応油を減圧蒸留してトルエンを留去させ、樹脂500gを得た。重量平均分子量は1,660、軟化点は90℃であった。
水添スチレン系樹脂(4)
上記で得られたスチレン系樹脂bを500g、シクロヘキサンを1,000g、および粉末状の安定化ニッケル触媒10gをオートクレーブに仕込み、次いで、これを密閉し、雰囲気を窒素ガスで置換した後、水素ガスを導入した。そして攪拌しながら加熱し、150℃となったところで、水素の圧力を50kg/cm2とし、吸収された水素を補うことで圧力を50kg/cm2に保ちながら8時間反応させた。反応後触媒をろ過し、減圧蒸留にて溶媒を留去して、水添スチレン系樹脂を得た。軟化点は106℃、芳香環の水添率は75%であった。
水添スチレン系樹脂(5)
水添スチレン系樹脂(4)と同様にして、水素添加反応を4時間行った。軟化点は、99℃、芳香環の水添率は50%であった。
水添スチレン系樹脂(6)
水添スチレン系樹脂(4)と同様にして、水素添加反応を2時間行った。軟化点は、94℃、芳香環の水添率は25%であった。
以下に実施例および比較例において用いた各種薬品を示す。
E-SBR(乳化重合SBR):JSR製 1502 結合スチレン量23.5% ムーニー粘度ML1+4(100℃)=52(M)
BR:JSR製 T700 cis1,4結合95% ムーニー粘度ML1+4(100℃) =42(M)
カーボンブラック:CABOT製 ショウブラックN-330L HAF N2SA 75m2/g DBP102ml/100g
シリカ:EVONIK製 ULTRASIL VN3 N2SA 175m2/g
老化防止剤:川口化学製 アンテージ6C(6PPD)、川口化学製 アンテージRD (TMQ)
酸化亜鉛:和光純薬製試薬 純度99%
ステアリン酸:和光純薬製試薬 純度95%
シランカップリング剤:EVONIK製 Si75 ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
粘着付与樹脂:水添スチレン系樹脂(1)~(6)
硫黄粉末:和光純薬製試薬 純度98%
加硫促進剤:川口化学製 アクセルCZ(CBS)、アクセルD(DPG)
得られた未加硫ゴム組成物を150℃の条件下で30分間プレス加硫することにより、実施例1~6の加硫ゴム組成物を作製し、粘弾性試験および引張り試験を行った。
比較のために粘着付与樹脂に、YSレジンPX1000、YSレジンSX100、あるいはSYLVARES SA85をそれぞれ使用した以外は、全て実施例と同じ条件で行った。
作成した試験片を幅4.5mm、長さ40mm、厚さ0.5mmに切り出し(株)ユービーエム製 粘弾性装置DVE-V4を用いて、JIS K 6394に基づき、周波数10Hz、平均歪み3.0%、歪み振幅±0.5、チャック間距離10mmで-75℃~180℃の温度範囲で0℃及び60℃での損失正接tanδを測定した。0℃でのtanδが大きいほどウェットグリップ特性において優れていることを示し、60℃のtanδが小さいほど転がり抵抗が低く省燃費特性において優れることを示す。
加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張り特性の求め方」に準じて引張り試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定した。EBが大きいほど、フィラーが分散しゴム強度に優れ、耐久性に優れることを示す。
実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実施例7~12
以下に実施例および比較例において用いた各種薬品を示す。
IIR:JSR製 BUTYL065 ムーニー粘度ML1+4(125℃)=32(M)
SIPS:クラレ製 ポリスチレン-ビニルポリイソプレンブロック共重合体 ハイブラー5127 スチレン量 20%
粘着付与樹脂:水添スチレン系樹脂(1)~(6)
酸化亜鉛:和光純薬製試薬 純度99%
ステアリン酸:和光純薬製試薬 純度95%
加硫剤:川口化学製 アクターQ(QO)
加硫促進剤:川口化学製 アクセルDM(MBTS)
得られた未加硫ゴム組成物を150℃の条件下で30分間プレス加硫することにより、実施例7~12の加硫ゴム組成物を作製し、動的粘弾性を測定した。
比較のために粘着付与樹脂として、YSレジンPX1000、YSレジンSX100、SYLVARES SA85をそれぞれ使用した以外は、全て実施例と同じ条件で行った。
作成した試験片を幅4.5mm、長さ40mm、厚さ1mmに切り出し(株)ユービーエム製 粘弾性装置DVE-V4を用いて、周波数100Hz、初期歪み0.2%、チャック間距離10mmで-75℃~180℃の温度範囲で測定した。その結果を表3および4に示す。損失正接tanδが高く、温度領域が広いほど振動減衰特性において優れることを示す。
また、本発明の高分子重合体組成物は、オイルホース、燃料ホース、ガスホース、ブレーキホース等のホース類、これらホースのカバー類、パッキング、ガスケット、O-リング、ベルト、ライニング、オイルシール、ダストブーツ等の工業用部品、航空機、自動車の部品の製造に好適に用いられる。また、自動車のバンパー、外装用モール、ウィンドシール用ガスケット、ドアシール用ガスケット、トランクシール用ガスケット、ルーフサイドレール、エンブレム、インナーパネル、コンソールボックス等の内外装表皮材、ウエザーストリップ、レザーシート、航空機・船舶用のシール材及び内外装表皮材等、土木・建築用のシール材、内外装表皮材あるいは防水シート材等、一般機械・装置用のシール材等、弱電部品のパッキンあるいはハウジング等、医療用機器部品、電線、日用雑貨品、スポーツ用品等の一般加工品にも幅広く利用することができる。
さらに、本発明の高分子重合体組成物は、トレッドのほか、サイドウォール、カーカスなどのタイヤ用途などの成形品として好適に用いることができ、また、本発明の組成物からなる成形品は、ベルト、ホース、防振ゴム、制振材、防音材、電線被覆材、各種履き物、おもちゃ、まな板や(包丁)グリップなどの家庭・雑貨用品、カーマット、バンパー、マッドガード、イナパネ表皮やサイドモールなどの自動車内・外装用品や、さらには本発明の組成物を織布および/または不織布と一体化させた自動車内装構成物、タイルやカーマット、絨毯などに使われるバッキング材、輸液チューブやシリンジなどの医療用品などのその他の工業用品にも好適に用いることができる。
さらにまた、本発明の組成物を用いて、大きな衝撃の加わる環境下や激しい振動が伴う環境下など、高度なクッション性、耐衝撃性あるいは制振性が要求される分野の製品・部材などの成形品、住宅の免震用ゴム、バイク・自転車のハンドルグリップ、ステップ、動力工具のグリップ、道路工事用の空圧削岩機、地固め用ランマ等のグリップ、ゴルフクラブ、テニスラケット、野球バットなどの打撃を伴う各種スポーツ用具のグリップ、歩行用杖の路面との接触時に生じる衝撃吸収用などに好適に使用できる。さらに、弾球遊技機における遊技球の過度の反発に対する防止用に好適に使用できる。
Claims (7)
- (A)(A-1)共役ジエン系ゴムおよび/または(A―2)熱可塑性エラストマーからなる高分子重合体成分100重量部に対し、(B)GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)法のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が500~10,000である水添スチレン系樹脂であって、かつ当該水添スチレン系樹脂がスチレン系樹脂を水素化して、芳香環の少なくとも一部を脂環に変化させたものであり、かつ当該スチレン系樹脂がスチレンを付加重合することによって得られる水添スチレン系樹脂1~200重量部、(C)無機充填剤を5~500重量部、さらに(D)架橋剤として、硫黄と加硫促進剤との組み合わせからなり、かつ硫黄の配合量が1~100重量部、あるいは、有機過酸化物と加硫助剤との組み合わせからなり、有機過酸化物の配合量が1~15重量部、を配合してなる、高分子重合体組成物。
- (A-1)共役ジエン系ゴムが、天然ゴム(NR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、イソブチレン-イソプレンゴム(IIR)の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の高分子重合体組成物。
- (A-2)熱可塑性エラストマーが、水添1,2-ポリブタジエン、水添スチレン-ブタジエン共重合体、水添スチレン-イソプレン共重合体、エチレン-プロピレンエラストマー、スチレングラフトエチレン-プロピレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、およびエチレン系アイオノマー樹脂の群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の高分子重合体組成物。
- (C)無機充填剤が、ガラス繊維、表面化学処理ガラス繊維、カーボン繊維、グラファイト、金属繊維、および酸化チタンの群から選ばれた少なくとも1種の繊維状充填剤、もしくはガラスバルーン、フライアッシュバルーン、およびシリカバルーンの群から選ばれた少なくとも1種の中空充填剤、あるいは軟質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、クレー、硫酸バリウム、天然ケイ素、合成ケイ素、シリカ、およびカーボンブラックの群から選ばれた少なくとも1種である、請求項1~3いずれかに記載の高分子重合体組成物。
- 請求項1~4いずれかに記載の高分子重合体組成物をトレッド部材に用いたタイヤ。
- 請求項1~4いずれかに記載の高分子重合体組成物からなる制振材。
- 請求項1~4いずれかに記載の高分子重合体組成物からなるゴムベルト。
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