JP7024712B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP7024712B2
JP7024712B2 JP2018530628A JP2018530628A JP7024712B2 JP 7024712 B2 JP7024712 B2 JP 7024712B2 JP 2018530628 A JP2018530628 A JP 2018530628A JP 2018530628 A JP2018530628 A JP 2018530628A JP 7024712 B2 JP7024712 B2 JP 7024712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
parts
sulfur
silane coupling
coupling agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018530628A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018143111A1 (ja
Inventor
剛史 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Publication of JPWO2018143111A1 publication Critical patent/JPWO2018143111A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7024712B2 publication Critical patent/JP7024712B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L9/00Compositions of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons
    • C08L9/06Copolymers with styrene
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/0008Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts characterised by the tread rubber
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/54Silicon-containing compounds
    • C08K5/548Silicon-containing compounds containing sulfur
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/0008Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts characterised by the tread rubber
    • B60C2011/0016Physical properties or dimensions
    • B60C2011/0025Modulus or tan delta
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2205/00Polymer mixtures characterised by other features
    • C08L2205/02Polymer mixtures characterised by other features containing two or more polymers of the same C08L -group
    • C08L2205/025Polymer mixtures characterised by other features containing two or more polymers of the same C08L -group containing two or more polymers of the same hierarchy C08L, and differing only in parameters such as density, comonomer content, molecular weight, structure
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2205/00Polymer mixtures characterised by other features
    • C08L2205/03Polymer mixtures characterised by other features containing three or more polymers in a blend

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、環境への配慮から、タイヤ用ゴム材料には、低燃費性、耐摩耗性等の改善が望まれている。例えば、シリカ及びシランカップリング剤を用いて、シリカ分散性を向上し、諸性能を改善する技術が検討され、シリカ、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを含む配合等が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、性能の改善要求は厳しく、低燃費性、耐摩耗性の更なる改善が望まれている。
特許第4266248号
本発明は、前記課題を解決し、低燃費性を維持しつつ、耐摩耗性が顕著に改善されるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上であるシランカップリング剤と、硫黄とを含有し、ゴム成分100質量部に対する前記硫黄の含有量が1.5質量部以下であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
ゴム成分100質量部に対する前記シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、0.5~25質量部であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定のシランカップリング剤、所定量の硫黄を含むタイヤ用ゴム組成物であるので、低燃費性を維持しつつ、耐摩耗性が顕著に改善される。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上であるシランカップリング剤と、硫黄とを含有し、前記硫黄の含有量が所定量以下のものである。
本発明では、以下の作用機能により、低燃費性を維持しつつ、耐摩耗性が顕著に(相乗的に)改善されるものと推察される。
シランカップリング剤として、特に、アルコキシシリル基と硫黄原子とを連結する部分(以下、スペーサー部分とも称する)が長いシランカップリング剤を用いると、シリカとシランカップリング剤が結合する際の結合距離が、一般的なシランカップリング剤に比べ長くなる。そして、この長い結合距離によりシリカ周りの応力をバネのように受け止めることができ、ゴムにかかる応力が緩和されるため、汎用シランカップリング剤に比べ、耐摩耗性が顕著に改善され、低燃費性も維持されると推察される。
スペーサー部分が長い本願特定のシランカップリング剤は、耐摩耗性の他、硬度や加工性の向上効果も発揮される。各部材に応じて目標硬度があるため、硬度調整が必要となるが、硬度調整(硬度低下)の方法としては、オイルの増量、硫黄の減量、混練回数の増加等、種々の手法が考えられるが、本願特定のシランカップリング剤を用いた場合、特に硫黄の減量を用いた場合に限って、大幅な耐摩耗性の向上を実現できる。これは、硫黄の減量により、架橋部分の応力集中が緩和されるためであると推察される。
従って、本願特定のシランカップリング剤の使用及び硫黄の減量により、シランカップリング剤そのものによる耐摩耗性の向上効果、硫黄の減量で得られる架橋均一化による耐摩耗性の向上効果が相乗的に発揮されるものと推察される。また、シランカップリング剤による転がり抵抗低減効果を利用し、良好な低燃費性も確保できる。以上により、本発明で、優れた低燃費性を得つつ、耐摩耗性が相乗的に改善されるという効果を奏していると推察される。
前記ゴム組成物は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上であるシランカップリング剤を含有する。
前記シランカップリング剤としては、例えば、下記平均組成式(I)で表され、かつ硫黄原子の個数/珪素原子の個数が1.0~1.5である有機珪素化合物が挙げられる。
Figure 0007024712000001
(式中、xは、硫黄原子の平均個数を表す。mは、6~12の整数を表す。R~Rは、同一若しくは異なって炭素数1~6のアルキル基又はアルコキシ基を表し、R~Rの少なくとも1つ及びR~Rの少なくとも1つが前記アルコキシ基である。なお、R~Rは、前記アルキル基又は前記アルコキシ基が結合した環構造を形成したものでもよい。)
無機フィラーを含むゴム配合において、前記式(I)の有機珪素化合物をシランカップリング剤として用いることで、良好な低燃費性(低発熱性)が得られると共に、一般にシリカ配合で問題となる加工性や、低燃費性と背反する耐摩耗性をバランス良く改善することを見出した。
このような作用効果が得られた理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
有機珪素化合物(シランカップリング剤)によりシリカとゴムが架橋されるが、シランカップリング剤として、特に、硫黄原子と珪素原子の間の炭素原子の個数が6~12である上記式(I)の化合物を用いることで、シリカとゴムとの結合の長さが一般的なシランカップリング剤に比べ長くなる。そのため、架橋部位に、ある程度の柔軟性が付与され、その結果、ゴムの破壊に繋がる外部応力に対して、応力を緩和し易くなると考えられる。よって、一般的なシランカップリング剤に比べ、耐摩耗性を改善すると推察される。また、ケイ素と硫黄の間の炭素数が一般的なシランカップリング剤に比べ長くなると、シラニゼーションの速度がやや遅くなるため、混練中でシリカとゴムが過度に結合することが抑制され、良好な加工性も得られると、推察される。従って、良好な低燃費性を維持しつつ、耐摩耗性が顕著に改善される。また、良好な加工性も得られ、これらの性能をバランス良く改善できる。
xは、前記有機珪素化合物の硫黄数の平均値を表す。つまり、前記平均組成式(I)で表される有機珪素化合物は、異なる硫黄数を持つ化合物の混合物であり、ゴム組成物に含まれる前記有機珪素化合物の硫黄数の平均値がxである。xは、{2×(硫黄原子の個数)}/(珪素原子の個数)で表される。低燃費性、耐摩耗性の点から、xは、好ましくは2.0~2.4、より好ましくは2.0~2.3である。特に、xを上限未満とすることで、未加硫ゴムのムーニー粘度上昇を抑制し、良好な加工性が得られる。ここで、硫黄原子の個数、珪素原子の個数は、蛍光X線により組成物中の硫黄量、珪素量を測定しそれぞれの分子量より換算した値である。
mは、6~12の整数を表し、好ましくは6~10、より好ましくは8である。これにより前述の作用効果が発揮され、本発明の効果が充分に得られる。
アルキル基(R~R)は、低燃費性、耐摩耗性の点から、好ましくは炭素数1~6、より好ましくは炭素数1~4である。アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
アルコキシ基(R~R)は、低燃費性、耐摩耗性の点から、好ましくは炭素数1~6、より好ましくは炭素数1~4である。アルコキシ基中の炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基等が挙げられる。
~Rの少なくとも1つ及びR~Rの少なくとも1つが炭素数1~6のアルコキシ基であり、好ましくは、R~R、R~Rのそれぞれ2つ以上がアルコキシ基である。
なお、R~Rは、炭素数1~6のアルキル基、アルコキシ基が結合した環構造を形成したものでもよい。例えば、(i)Rがエトキシ基、Rがメチル基が結合した環構造、(ii)Rがエチル基、Rがメチル基が結合した環構造、を形成する場合、それぞれ、R及びRで「-O-C-CH-」、「-C-CH-」という2価の基が形成され、Siに結合した構造が挙げられる。
前記有機珪素化合物は、硫黄原子の個数/珪素原子の個数が1.0~1.5である。つまり、ゴム組成物に含まれる前記平均組成式(I)で表される有機珪素化合物は、全硫黄個数と全珪素個数の比が前記範囲のものである。
硫黄原子の個数/珪素原子の個数は、低燃費性、耐摩耗性の点から、好ましくは1.0~1.2、より好ましくは1.0~1.15である。
前記平均組成式(I)で表され、かつ所定範囲の硫黄原子の個数/珪素原子の個数を有する前記有機珪素化合物は、例えば、以下の製法により調製できる。
下記式(I-1)
Figure 0007024712000002
(式中、R~R及びmは、上記と同様である。Xは、ハロゲン原子を表す。)
で表されるハロゲン基含有有機珪素化合物、及びNaSで表される無水硫化ソーダ、更に必要により硫黄を反応させることにより、前記有機珪素化合物を製造できる。
X(ハロゲン原子)としては、Cl、Br、I等が例示される。
平均組成式(I)で示されるスルフィド鎖含有有機珪素化合物等の前記シランカップリング剤の例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0007024712000003
上記式(I-1)のハロゲン基含有有機珪素化合物の例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 0007024712000004
上記反応を行う際、スルフィド鎖の調整のため、硫黄の添加は任意であり、所望の平均組成式(I)の化合物となるように、式(I-1)の化合物と無水硫化ソーダとの配合量から決定すればよい。
例えば、平均組成式(I)の化合物のxを2.2にしたい場合、無水硫化ソーダ1.0molと、硫黄1.2molと、式(I-1)の化合物2.0molとを反応させればよい。
その際の溶媒の使用は任意であり、無溶剤でもよいが、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類等の溶媒を用いてもよく、特にテトラヒドロフラン等のエーテル、メタノール、エタノール等のアルコールを用いて反応させることが好ましい。
その際の反応温度は、特に限定されないが、室温~200℃程度でよく、特に60~170℃が好ましく、更に好ましくは60~100℃である。反応時間は30分以上であるが、2~15時間程度で反応は完結する。
本発明において、溶媒を使用した場合、反応終了後生成した塩を濾別する前、又は濾別した後に減圧下で留去すればよい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
前記シランカップリング剤の含有量は、シリカの含有量100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、6質量部以上が更に好ましい。0.5質量部以上にすることで、シランカップリング剤を介したゴムとシリカとの化学的な結合が充分に形成され、良好なシリカ分散性が得られるので、低燃費性、耐摩耗性が改善される。該シランカップリング剤は、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。25質量部以下にすることで、良好な加工性を確保できる。
前記ゴム組成物は、所定量の硫黄(硫黄架橋剤)を含む。
架橋剤としての硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1.5質量部以下、好ましくは1.3質量部以下、更に好ましくは1.2質量部以下である。1.5質量部以下にすることで、耐摩耗性を改善できる。一方、上記含有量の下限は、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。下限以上にすることで、所定の硬度が得られ、各種ゴム物性が確保できる。
前記ゴム組成物に使用可能なゴム成分としては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)等のジエン系ゴム;クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR);等が挙げられる。前記イソプレン系ゴムは、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR(脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等)、変性NR(エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等)、変性IR(エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等)等が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという点から、SBR、イソプレン系ゴム、BRが好ましく、SBR、BRがより好ましい。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合SBR(E-SBR)、溶液重合SBR(S-SBR)等を使用できる。BRとしては特に限定されず、ハイシス1,4-ポリブタジエンゴム(ハイシスBR)、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含むブタジエンゴム(SPB含有BR)、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)などが挙げられる。SBR、BRは、変性SBR、変性BRでもよく、主鎖、末端のいずれかが変性されたSBR、BRでも、両方が変性されたSBR、BRでもよい。変性基としては、シリカと相互作用又は反応性を有する窒素含有基などが挙げられる。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されている溶液重合SBR等を使用できる。
SBRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。20質量%以上にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。95質量%以下にすることで、良好な低発熱性が得られる傾向がある。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
BRの含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%以上にすることで、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。50質量%以下にすることで、良好なグリップ性能が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、良好な低燃費性、耐摩耗性が得られる点から、シリカを含むことが好ましい。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上が好ましく、150m/g以上がより好ましい。70m/g以上にすることで、耐摩耗性等が向上する傾向がある。該シリカのNSAは、500m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましい。500m/g以下にすることで、加工性が改善される傾向がある。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは60質量部以上である。5質量部以上にすることで、低燃費性等が改善される傾向がある。該含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは130質量部以下である。200質量部を超えると、加工性と低燃費性能のバランスが悪化する傾向がある。
前記ゴム組成物は、シリカの他、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、等の他の無機フィラーを含んでもよい。シリカ以外に他の無機フィラーを含む場合でも、無機フィラーの合計含有量は、上記範囲が好適である。
前記ゴム組成物は、耐摩耗性等の観点から、カーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックとしては、N110、N220、N330、N550等のグレード等を使用できる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは70m/g以上、より好ましくは90m/g以上である。該NSAは好ましくは150m/g以下、より好ましくは130m/g以下である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性が得られ、上限以下にすることで、良好なカーボンブラック分散が得られ、優れた低燃費性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS-K6217-2:2001に準拠して測定できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは8質量部以下である。1質量部以上にすることで、良好な耐摩耗性が得られ、15質量部以下にすることで、良好な低燃費性が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、固体樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)を含むことが好ましい。該固体樹脂としては、α-メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られるα-メチルスチレン系樹脂等の芳香族ビニル重合体などが挙げられる。該固体樹脂は、軟化点が60~120℃であることが好ましい。なお、固体樹脂の軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
α-メチルスチレン系樹脂としては、α-メチルスチレン若しくはスチレンの単独重合体又はα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。
固体樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3~30質量部、より好ましくは5~20質量部である。所定量の固体樹脂を配合することで、耐摩耗性等が向上する傾向がある。
固体樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、オイルを含むことが好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、プロセスオイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
前記ゴム組成物は、ワックスを含むことが好ましい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、老化防止剤を含むことが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミンがより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、大内新興化学工業(株)、三新化学工業(株)等の製品を使用できる。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、有機過酸化物;可塑剤、滑剤などの加工助剤;等を例示できる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。特に、スペーサー部分が長い本願特定のシランカップリング剤は、シリカとの反応速度が遅い。そのため、長時間の混練により、シランカップリング剤とシリカの反応が十分に進行してシリカの有機化量が増加し、更にシリカ分散性が向上すると考えられる。従って、耐摩耗性だけでなく、低燃費性、加工性の向上効果も得られ、これらの性能バランスの底上げに繋がる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材(サイドウォール、トレッド(キャップトレッド)、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチエイペックス、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー;ランフラットタイヤのサイド補強層;等)に好適に使用できる。なかでも、低燃費性、耐摩耗性が良好であるため、トレッド(キャップトレッド)に好適に適用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
本発明のタイヤは、乗用車用タイヤ、バス用タイヤ、トラック用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられる。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR
SBR:溶液重合非変性SBR(油展量37質量部/(ゴム100質量部)、スチレン量40質量部、ビニル量25質量%、Mw120万)
BR:溶液重合非変性BR(シス含量96質量%、ビニル量2質量%)
シリカ:NSA:175m/g
カーボンブラックN220:NSA:111m/g
シランカップリング剤1:下記製造例1で合成したシランカップリング剤
シランカップリング剤2:エボニックデグッサ社製のSi266(下記式:x=2.2)
Figure 0007024712000005
シランカップリング剤3:下記製造例2で合成したシランカップリング剤
シランカップリング剤4:下記製造例3で合成したシランカップリング剤
シランカップリング剤5:下記製造例4で合成したシランカップリング剤
オイル:パラフィン系プロセスオイル
樹脂:αメチルスチレン系樹脂(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Tg:43℃)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
ワックス:パラフィン系ワックス
老化防止剤:N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
加硫促進剤2:ジフェニルグアニジン
(製造例1:シランカップリング剤1の合成(x=2.2、m=8、R~R=OCHCH))
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、無水硫化ソーダ78.0g(1.0モル)、硫黄38.5g(1.2モル)およびエタノール480gを仕込み、80℃に加熱した。その中に、8-クロロオクチルトリエトキシシラン622g(2.0モル)を滴下投入し、80℃にて10時間加熱撹拌した。この反応液を、濾過板を用いて加圧濾過することで、反応の進行とともに生成した塩が除去された濾液を得た。得られた濾液を100℃まで加熱し、10mmHg以下の減圧下でエタノールを留去することで、反応生成物としてシランカップリング剤1を得た。
得られたシランカップリング剤1は、化合物中に含まれる硫黄量が10.8質量%(0.34モル)、珪素量が8.7質量%(0.31モル)であり、硫黄原子の個数/珪素原子の個数は1.1であった。
(製造例2:シランカップリング剤3の合成(x=2.0、m=8、R~R=OCHCH))
硫黄の量を32.1g(1.0モル)に変更した以外は、製造例1と同様の手順で合成し、反応生成物としてシランカップリング剤3を得た。
得られたシランカップリング剤3は、化合物中に含まれる硫黄量が10.0質量%(0.31モル)、珪素量が8.8質量%(0.31モル)であり、硫黄原子の個数/珪素原子の個数は1.0であった。
(製造例3:シランカップリング剤4の合成(x=2.4、m=8、R~R=OCHCH))
硫黄の量を45.0g(1.4モル)に変更した以外は、製造例1と同様の手順で合成し、反応生成物としてシランカップリング剤4を得た。
得られたシランカップリング剤4は、化合物中に含まれる硫黄量が11.9質量%(0.37モル)、珪素量が8.7質量%(0.31モル)であり、硫黄原子の個数/珪素原子の個数は1.2であった。
(製造例4:シランカップリング剤5の合成(x=2.2、m=8、R、R、R、R=OCHCH、R、R=CH))
8-クロロオクチルトリエトキシシランの代わりに8-クロロオクチルジエトキシメチルシラン562g(2.0モル)を用いた以外は、製造例1と同様の手順で合成し、反応生成物としてシランカップリング剤5を得た。
得られたシランカップリング剤5は、化合物中に含まれる硫黄量が11.0質量%(0.34モル)、珪素量が8.7質量%(0.31モル)であり、硫黄原子の個数/珪素原子の個数は1.1であった。
<実施例及び比較例>
(第一工程)
表1、2に示す配合内容に従い、硫黄及び加硫促進剤以外の材料をバンバリーミキサーに投入して混練し、第一混練物を得た。混練は、設定された反応温度にゴム温度が到達してから、ゴム温度が反応温度の±3℃となるように調整しながら実施し、所定の時間(反応時間)が経過した時点で終了した。各例の反応温度、反応時間は表1、2に示したとおりである。
(第二工程)
得られた第一混練物を、バンバリーミキサーに投入して更に混練し、第二混練物を得た。混練の条件は第一工程と同様である。
(第三工程)
得られた第二混練物、硫黄及び加硫促進剤をオープンロールに投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得た。混練は、ゴム温度が110℃になった時点で終了した。混練時間は5分であった。
(加硫工程)
得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、170℃の条件下で20分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:11×7.10-5)を得た。
上記で得られた試験用タイヤについて、下記の評価を行った。結果を表1、2に示す。なお、実施例1-1~1-10及び比較例1-1~1-3は比較例1-1、実施例2-1及び比較例2-1は比較例2-1を基準比較例とした。
(耐摩耗性)
試験用タイヤのトレッドから採取したサンプルを、ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件で摩耗量を測定し、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(基準比較例の摩耗量)/(各配合の摩耗量)×100
(低燃費性)
試験用タイヤのトレッドから採取したサンプルを、(株)上島製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪10%、動歪み2%、周波数10Hzの条件下で、60℃における損失正接(tanδ)を測定した。基準比較例のtanδを100とし、以下の計算式により指数表示した。指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
Figure 0007024712000006
Figure 0007024712000007
表1、2から、本願特定のシランカップリング剤の使用及び硫黄の減量の両方の構成を採用することで、良好な低燃費性を維持しつつ、耐摩耗性が顕著に改善された。特に、比較例1-1~1-3、実施例1-1から、該両方の構成により、耐摩耗性、ならびに、耐摩耗性および低燃費性の平均性能が相乗的に改善されることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上であるシランカップリング剤と、硫黄とを含有し、
    前記シランカップリング剤が、下記平均組成式(I)で表され、かつ硫黄原子の個数/珪素原子の個数が1.0~1.5である有機珪素化合物であり、
    ゴム成分100質量部に対する前記硫黄の含有量が1.5質量部以下であるタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0007024712000008
    (式中、xは、硫黄原子の平均個数を表す。mは、6~12の整数を表す。R ~R は、同一若しくは異なって炭素数1~6のアルキル基又はアルコキシ基を表し、R ~R の少なくとも1つ及びR ~R の少なくとも1つが前記アルコキシ基である。なお、R ~R は、前記アルキル基又は前記アルコキシ基が結合した環構造を形成したものでもよい。)
  2. ゴム成分100質量部に対する前記シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、0.5~25質量部である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
JP2018530628A 2017-02-02 2018-01-29 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Active JP7024712B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017017713 2017-02-02
JP2017017713 2017-02-02
PCT/JP2018/002609 WO2018143111A1 (ja) 2017-02-02 2018-01-29 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018143111A1 JPWO2018143111A1 (ja) 2019-11-21
JP7024712B2 true JP7024712B2 (ja) 2022-02-24

Family

ID=63040776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018530628A Active JP7024712B2 (ja) 2017-02-02 2018-01-29 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11124632B2 (ja)
EP (1) EP3567078A4 (ja)
JP (1) JP7024712B2 (ja)
CN (1) CN110234698B (ja)
WO (1) WO2018143111A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113710739A (zh) * 2019-05-28 2021-11-26 花王株式会社 橡胶用添加剂
CN111233916A (zh) * 2020-02-06 2020-06-05 南京曙光精细化工有限公司 长碳链含硫硅烷偶联剂及其制备方法和应用
JP7140310B1 (ja) * 2020-10-07 2022-09-21 住友ゴム工業株式会社 タイヤ
DE102020215465A1 (de) 2020-12-08 2022-06-09 Continental Reifen Deutschland Gmbh Schwefelvernetzbare Kautschukmischung, Vulkanisat und Fahrzeugreifen

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226532A (ja) 1999-12-08 2001-08-21 Dow Corning Toray Silicone Co Ltd 有機ゴム組成物
US20120234441A1 (en) 2009-04-29 2012-09-20 Mehlem Jeremey J Tread for heavy vehicle tires
JP2013249359A (ja) 2012-05-31 2013-12-12 Bridgestone Corp ゴム組成物及びタイヤ

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5580919A (en) 1995-03-14 1996-12-03 The Goodyear Tire & Rubber Company Silica reinforced rubber composition and use in tires
US5534592A (en) 1995-09-22 1996-07-09 The Goodyear Tire & Rubber Company High performance blend for tire treads
US6053226A (en) * 1998-03-13 2000-04-25 The Goodyear Tire & Rubber Company Rubber composition reinforced with silica and tire with tread thereof
US5994448A (en) 1998-08-12 1999-11-30 The Goodyear Tire & Rubber Company High performance tire tread rubber composition
CA2282955A1 (en) 1998-10-13 2000-04-13 The Goodyear Tire & Rubber Company Tire tread compound
JP4266248B2 (ja) 1999-01-29 2009-05-20 住友ゴム工業株式会社 ゴム組成物の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001226532A (ja) 1999-12-08 2001-08-21 Dow Corning Toray Silicone Co Ltd 有機ゴム組成物
US20120234441A1 (en) 2009-04-29 2012-09-20 Mehlem Jeremey J Tread for heavy vehicle tires
JP2013249359A (ja) 2012-05-31 2013-12-12 Bridgestone Corp ゴム組成物及びタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018143111A1 (ja) 2018-08-09
CN110234698A (zh) 2019-09-13
EP3567078A4 (en) 2020-07-22
US20190375920A1 (en) 2019-12-12
CN110234698B (zh) 2022-06-24
US11124632B2 (en) 2021-09-21
EP3567078A1 (en) 2019-11-13
JPWO2018143111A1 (ja) 2019-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6848490B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7024712B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP7238402B2 (ja) トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2020100847A (ja) ゴム組成物
US11772422B2 (en) Tire rubber composition and tire
JP6838638B1 (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
EP4035905A1 (en) Rubber composition and tire
WO2020110940A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2021021024A (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP7103458B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
US11866586B2 (en) Rubber composition for tires and tire
JP6819695B2 (ja) 空気入りタイヤ及びタイヤ用ゴム組成物
JP2022018873A (ja) タイヤ
JP2023111992A (ja) 加硫ゴム組成物及びタイヤ
JP2022016108A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2021080406A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022094021A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2023081017A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2023082444A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022019301A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2023088023A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2023092136A (ja) クローラ用ゴム組成物及びゴムクローラ
JP2023081568A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ
JP2022019299A (ja) タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7024712

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150