JP2022016108A - タイヤ用ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速での耐欠け性能を向上するタイヤ用ゴム組成物及びタイヤを提供する。【解決手段】シリカを含む充填材と、シランカップリング剤とを含み、前記シランカップリング剤は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含み、23℃における破断伸びEB〔%〕と、30℃における複素弾性率E*〔MPa〕との比(EB/E*)が、下記(式1)を満たすタイヤ用ゴム組成物。(式1)EB/E*≧70【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及びタイヤに関する。
自動車用タイヤには、種々の性能が要求され、シランカップリング剤によりゴム性能を向上する技術などが提案されている。例えば、特許文献1は、シリカ及びシランカップリング剤を用い、その投入方法を最適化することで、低燃費性、耐摩耗性を改善することを開示している。
特開2019-156930号公報
しかしながら、輸送の高速化に伴い、連続で高速走行することも珍しくなくなっており、そのような状況におけるトレッド部の耐欠け性能には改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決し、高速での耐欠け性能を向上するタイヤ用ゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、シリカを含む充填材と、シランカップリング剤とを含み、前記シランカップリング剤は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含み、
23℃における破断伸びEB〔%〕と、30℃における複素弾性率E*〔MPa〕との比(EB/E*)が、下記(式1)を満たすタイヤ用ゴム組成物に関する。
(式1)
EB/E*≧70
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が5~120質量部、シリカ100質量部に対する前記有機珪素化合物の含有量が5~15質量部であることが好ましい。
ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴム及び/又はイソプレン系ゴムとを含むことが好ましい。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が15~40質量%、スチレンブタジエンゴムの含有量が35~85質量%であることが好ましい。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が10~45質量%、イソプレン系ゴムの含有量が40~85質量%であることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が5~80質量部であることが好ましい。
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が、下記(式2)を満たすことが好ましい。
(式2)
ブタジエンゴムの含有量<シリカの含有量≦50
ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が下記式を満たすことが好ましい。
シリカの含有量-ブタジエンゴムの含有量≧20
ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量(質量部)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が、下記(式3)を満たすことが好ましい。
(式3)
カーボンブラックの含有量>シリカの含有量
ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量(質量部)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が、下記式を満たすことが好ましい。
カーボンブラックの含有量-シリカの含有量≧20
前記ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が5.0質量部以下であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物からなるタイヤ部材を有するタイヤに関する。
タイヤ部材がキャップトレッドであることが好ましい。
タイヤ部材がベーストレッドであることが好ましい。
本発明によれば、シリカを含む充填材と、シランカップリング剤とを含み、前記シランカップリング剤は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含み、23℃における破断伸びEB〔%〕と、30℃における複素弾性率E*〔MPa〕との比(EB/E*)が前記(式1)を満たすタイヤ用ゴム組成物であるので、高速での耐欠け性能を改善できる。
本発明は、EB/E*≧70でかつ、シリカを含む充填材とアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含むシランカップリング剤とを含むタイヤ用ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)である。前記ゴム組成物は、高速での耐欠け性能を向上できる。
前述の作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のメカニズムにより奏するものと推察される。
EB/E*≧70に調整することで、ゴム全体の変形も小さくし、かつ追従できる変形量を大きくすることが可能となるため、急な衝撃が加わった際に良好な耐欠け性能、耐剥離性を付与できる。更に、シランカップリング剤としてアルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物、すなわち長鎖のシランカップリング剤を用いることで、シリカ-ポリマー間の結合がフレキシブルな状態となり、入力の緩和が更に可能となる。従って、前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)を用いることで、高速での耐欠け性能が改善されると推察される。
このように、前記ゴム組成物は、「EB/E*≧70」でかつ、シリカを含む充填材とアルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含むシランカップリング剤とを含む構成にすることにより、高速での耐欠け性能を向上するという課題(目的)を解決するものである。すなわち、「EB/E*≧70」の構成は課題(目的)を規定したものではなく、本願の課題は、高速での耐欠け性能を向上することであり、そのための解決手段として当該パラメーターを満たすような構成にしたものである。
前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、23℃における破断伸びEB〔%〕と、30℃における複素弾性率E*〔MPa〕との比(EB/E*)が、下記(式1)を満たす。
(式1)
EB/E*≧70
高速での耐欠け性能の観点から、EB/E*は、80以上が好ましく、90以上がより好ましく、100以上が更に好ましい。上限は特に限定されないが、200以下が好ましく、150以下がより好ましく、130以下が更に好ましい。
前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、23℃における破断伸びEB〔%〕が150%以上が好ましく、300%以上がより好ましく、400%以上が更に好ましく、500%以上が特に好ましい。上限は、好ましくは900%以下、より好ましくは850%以下、更に好ましくは800%以下、特に好ましくは750%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
前記ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)は、30℃における複素弾性率E*が4.0MPa以上が好ましく、5.0MPa以上がより好ましく、7.0MPa以上が更に好ましく、8.0MPa以上が特に好ましい。上限は、好ましくは15.0MPa以下、より好ましくは12.0MPa以下、更に好ましくは10.0MPa以下、特に好ましくは9.0MPa以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
なお、ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)の破断伸びEB、複素弾性率E*は、ゴム組成物に配合される薬品(特に、ゴム成分、充填材、軟化剤、硫黄、加硫促進剤、シランカップリング剤)の種類や量により調整が可能である。例えば、複素弾性率E*は、軟化剤の減量、充填材の増量、硫黄の増量により大きくなる傾向がある。破断伸びEBは、軟化剤の増量、充填材の減量、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物の使用により大きくなる傾向がある。
ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)のEB/E*≧70を実現する方法は、例えば、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物の使用などが挙げられる。
なお、本明細書において、ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)の破断伸びEBは、JIS K 6251:2017に準拠し、7号ダンベル型の試験片を用いて、23℃で引張試験を実施することで測定される。ゴム組成物(加硫後のゴム組成物)の複素弾性率E*は、GABO社製のイプレクサーを用いて、周波数10Hz、初期歪5%、動歪1%、温度30℃の条件にて測定される。
(ゴム成分)
ゴム組成物に使用可能なゴム成分としては、例えば、ジエン系ゴムを使用できる。ジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなども挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、高速での耐欠け性能を向上できる観点から、BR、SBR、イソプレン系ゴムが好ましい。特に、キャップトレッドの場合はBRとSBRとの併用、ベーストレッドの場合はBRとイソプレン系ゴムとの併用が望ましい。
このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のメカニズムにより奏するものと推察される。
タイヤの低発熱化を目的に、ゴム成分の補強剤としてシリカが用いられているが、シリカはシランカップリング剤を介してポリマーと結合するため、ポリマーとシリカ界面ではカーボンブラックの様な粘りが生じない。そのため、高速での入力が加わった際に、結合部が一気に切断されてしまい、ゴム相の剥離が生じることが懸念される。そこで、例えば、ゴム成分として、ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴム及び/又はイソプレン系ゴムとを導入すると、スチレンブタジエンゴムを含有させた場合にはスチレン部とブタジエン(部/ゴム)による海島構造、イソプレン系ゴムを含有させた場合にはイソプレン系ゴムとブタジエンゴムとの海島構造を形成させ、入力を緩和することが可能となる。従って、高速での耐欠け性能が顕著に改善されるものと推察される。
上記ジエン系ゴムは、非変性ジエン系ゴムでもよいし、変性ジエン系ゴムでもよい。
変性ジエン系ゴムとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するジエン系ゴムであればよく、例えば、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴム(末端に上記官能基を有する末端変性ジエン系ゴム)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ジエン系ゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ジエン系ゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ジエン系ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ジエン系ゴム等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1~6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1~6のアルコキシシリル基)が好ましい。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、BRは、シス含量が90質量%以上のハイシスBRを含むことが好ましい。該シス含量は、95質量%以上がより好ましい。なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
また、BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。また、BRは、水素添加ブタジエン重合体(水添BR)も使用可能である。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。上限は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上である。上限は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。上限は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは45質量%以下、特に好ましくは40質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上である。該スチレン含有量は、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
なお、本明細書において、スチレン含有量は、H-NMR測定によって測定できる。
SBRのビニル結合量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは7質量%以上である。該ビニル結合量は、好ましくは25質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは13質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
なお、本明細書において、ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。また、SBRとして、水素添加スチレン-ブタジエン共重合体(水添SBR)も使用可能である。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは35質量%以上である。上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは75質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは35質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、特に好ましくは65質量%以上である。上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、特に好ましくは75質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上である。上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは60質量%以上である。上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
(シリカ)
ゴム組成物には、充填材としてシリカが配合される。使用可能なシリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。また、シリカのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは350m/g以下、より好ましくは250m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。特に、シリカの含有量を50質量部以下にする場合、海島構造内でシリカ同士による入力の伝播を遮ることが可能となるため、高速での耐欠け性能が顕著に改善されると推察される。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、特に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物は、高速での耐欠け性能の観点から、ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が下記(式2)を満たすことが好ましい。
(式2)
ブタジエンゴムの含有量<シリカの含有量≦50
ゴム組成物は、高速での耐欠け性能の観点から、ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が下記式を満たすことが好ましい。
シリカの含有量-ブタジエンゴムの含有量≧5
該シリカの含有量-該ブタジエンゴムの含有量は、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、20以上が更に好ましい。上限は、100以下が好ましく、60以下がより好ましく、50以下が更に好ましく、40以下が特に好ましい。上記範囲内にすることで、良好な劣化後のタイヤの耐久性が得られる傾向がある。
(シランカップリング剤)
ゴム組成物に使用されるシランカップリング剤は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含むものである。このような有機珪素化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記有機珪素化合物のなかでも、下記平均組成式(I)で表される有機珪素化合物が好ましい。
Figure 2022016108000001
(式中、xは、硫黄原子の平均個数を表し、3.5以上である。mは、6以上の整数を表す。R~Rは、同一若しくは異なって炭素数1~6のアルキル基又はアルコキシ基を表し、R~Rの少なくとも1つ及びR~Rの少なくとも1つが前記アルコキシ基である。なお、R~Rは、前記アルキル基又は前記アルコキシ基が結合した環構造を形成したものでもよい。)
xは、前記有機珪素化合物の硫黄原子の平均個数を表す。xは、3.5以上12以下が好ましい。ここで、硫黄原子の平均個数、珪素原子の個数は、蛍光X線により組成物中の硫黄量、珪素量を測定しそれぞれの分子量より換算した値である。
mは、6以上の整数を表し、好ましくは6以上14以下である。
アルキル基(R~R)の炭素数に関し、好ましくは炭素数1以上5以下である。アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
アルコキシ基(R~R)は、好ましくは炭素数1以上5以下である。アルコキシ基中の炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基等が挙げられる。
~Rの少なくとも1つ及びR~Rの少なくとも1つが炭素数1~6のアルコキシ基であり、好ましくは、R~R、R~Rのそれぞれ2つ以上が炭素数1~6のアルコキシ基である。
なお、R~Rは、炭素数1~6のアルキル基、アルコキシ基が結合した環構造を形成したものでもよい。例えば、(i)Rがエトキシ基、Rがメチル基が結合した環構造、(ii)Rがエチル基、Rがメチル基が結合した環構造、を形成する場合、それぞれ、R及びRで「-O-C-CH-」、「-C-CH-」という2価の基が形成され、Siに結合した構造が挙げられる。
前記有機珪素化合物は、例えば、特開2018-65954号公報に記載の製造方法で調製できる。具体的には、特開2018-65954号公報に記載の式(I-1)のハロゲン基含有有機珪素化合物、及びNaSで表される無水硫化ソーダ、更に必要により硫黄を反応させることにより、前記有機珪素化合物を製造することが可能である。上記反応を行う際、スルフィド鎖の調整のため、硫黄の添加は任意であり、所望の平均組成式(I)の化合物となるように、平均組成式(I-1)の化合物と無水硫化ソーダと必要により硫黄との配合量から決定すればよい。例えば、平均組成式(I)の化合物のxを3.5にしたい場合、無水硫化ソーダ1.0molと、硫黄2.5molと、式(I-1)の化合物2.0molとを反応させればよい。
そして、シランカップリング剤としてアルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物、すなわち、長鎖シランカップリング剤を用いると、化合物中のアルコキシ基がシリカ表面の水酸基と反応することで、シリカ表面を疎水化し、かつ該化合物の炭素鎖が長いことに起因して従来のシランカップリング剤よりも疎水化の影響が大きくなるため、シリカの分散性が顕著に向上する。また、長鎖構造により、シリカ-ポリマー間の結合がフレキシブルな状態となり、入力の緩和も可能となる。従って、このような長鎖シランカップリング剤を用いることで、高速での耐欠け性能の改善が可能となる。
ゴム組成物において、前記有機珪素化合物の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。なお、前記平均組成式(I)で表される有機珪素化合物の含有量も同様の範囲が望ましい。
ゴム組成物は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物以外の他のシランカップリング剤を含んでもよい。
他のシランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量(前記有機珪素化合物、他のシランカップリング剤の総量)は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、特に好ましくは7質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは15質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
(他の充填材)
シリカ以外の他の充填材としては特に限定されず、ゴム分野で公知の材料を使用でき、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの無機フィラー等が挙げられる。なかでも、カーボンブラックが好ましい。
ゴム組成物において、充填材の含有量(充填材の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは25質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは120質量部以下、特に好ましくは100質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、充填材の含有量(充填材の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは50質量部以上、特に好ましくは60質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、充填材の含有量(充填材の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは25質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物に使用可能なカーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、70m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、250m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましく、180m/g以下が更に好ましく、160m/g以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましく、120m/g以上が更に好ましく、130m/g以上が特に好ましい。また、上記NSAは、250m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましく、180m/g以下が更に好ましく、160m/g以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、30m/g以上が好ましく、50m/g以上がより好ましく、70m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、120m/g以下が好ましく、90m/g以下がより好ましく、80m/g以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは100質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、特に好ましくは30質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下、特に好ましくは60質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは40質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物は、高速での耐欠け性能の観点から、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量(質量部)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が下記(式3)を満たすことが好ましい。
(式3)
カーボンブラックの含有量>シリカの含有量
ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量(質量部)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が下記式を満たすことが好ましい。
カーボンブラックの含有量-シリカの含有量≧10
カーボンブラックの含有量-シリカの含有量は、20質量部以上がより好ましく、25質量部以上が更に好ましい。上限は、100質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、60質量部以下が更に好ましく、50質量部以下が特に好ましい。上記範囲内にすることで、良好な劣化後のタイヤの耐久性が得られる傾向がある。
(可塑剤)
ゴム組成物には、可塑剤を配合してもよい。可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、例えば、液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)、樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)等が挙げられる。
ゴム組成物において、可塑剤の含有量(可塑剤の総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、可塑剤の含有量(可塑剤の総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、ゴム組成物において、可塑剤の含有量(可塑剤の総量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物に使用可能な液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)としては特に限定されず、オイル、液状ポリマー(液状樹脂、液状ジエン系ポリマーなど)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物において、液体可塑剤の含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、液体可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、液体可塑剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。市販品としては、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)、日清オイリオグループ(株)等の製品を使用できる。なかでも、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等)、植物油が好ましい。
ゴム組成物において、オイルの含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。なお、オイルの含有量には、油展オイルに含まれるオイルも含まれる。
ゴム組成物をキャップトレッドに使用する場合、オイルの含有量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは7質量部以上、更に好ましくは10質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。なお、オイルの含有量には、油展オイルに含まれるオイルも含まれる。
ゴム組成物をベーストレッドに使用する場合、オイルの含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。なお、オイルの含有量には、油展オイルに含まれるオイルも含まれる。
液状樹脂としては、テルペン系樹脂(テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂を含む)、ロジン樹脂、スチレン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、クマロンインデン系樹脂(クマロン、インデン単体樹脂を含む)、フェノール樹脂、オレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。また、これらの水素添加物も使用可能である。
液状ジエン系ポリマーとしては、25℃で液体状態の液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)、液状スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(液状SBSブロックポリマー)、液状スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(液状SISブロックポリマー)、液状ファルネセン重合体、液状ファルネセンブタジエン共重合体等が挙げられる。これらは、末端や主鎖が極性基で変性されていても構わない。また、これらの水素添加物も使用可能である。
ゴム組成物に使用可能な上記樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)としては、例えば、常温(25℃)で固体状態の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、テルペン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。また、樹脂は、水添されていてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、芳香族ビニル重合体、石油樹脂、テルペン系樹脂が好ましい。
ゴム組成物が上記樹脂を含有する場合、上記樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。該含有量の上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、特に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
上記樹脂の軟化点は、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。上限は、160℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、115℃以下が更に好ましい。上記範囲内にすることで、高速での耐欠け性能を向上できる傾向がある。
なお、上記樹脂の軟化点は、JIS K6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
上記芳香族ビニル重合体は、芳香族ビニルモノマーを構成単位として含むポリマーである。例えば、α-メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂が挙げられ、具体的には、スチレンの単独重合体(スチレン樹脂)、α-メチルスチレンの単独重合体(α-メチルスチレン樹脂)、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、スチレンと他のモノマーの共重合体などが挙げられる。
上記クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂である。クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
上記クマロン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロンを含む樹脂である。
上記インデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、インデンを含む樹脂である。
上記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールと、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラールなどのアルデヒド類とを酸又はアルカリ触媒で反応させることにより得られるポリマー等の公知のものを使用できる。なかでも、酸触媒で反応させることにより得られるもの(ノボラック型フェノール樹脂など)が好ましい。
上記ロジン樹脂としては、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、これらのエステル化合物、これらの水素添加物に代表されるロジン系樹脂等が挙げられる。
上記石油樹脂としては、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂、ジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、これらの水素添加物などが挙げられる。なかでも、DCPD樹脂、水添DCPD樹脂が好ましい。
上記テルペン系樹脂は、テルペンを構成単位として含むポリマーであり。例えば、テルペン化合物を重合して得られるポリテルペン樹脂、テルペン化合物と芳香族化合物とを重合して得られる芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。また、これらの水素添加物も使用できる。
上記ポリテルペン樹脂は、テルペン化合物を重合して得られる樹脂である。該テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α-フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオールなどが挙げられる。
上記ポリテルペン樹脂としては、上述したテルペン化合物を原料とするピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、ピネン/リモネン樹脂などが挙げられる。なかでも、ピネン樹脂が好ましい。ピネン樹脂は、通常、異性体の関係にあるα-ピネン及びβ-ピネンの両方を含んでいるが、含有する成分の違いにより、β-ピネンを主成分とするβ-ピネン樹脂と、α-ピネンを主成分とするα-ピネン樹脂とに分類される。
上記芳香族変性テルペン樹脂としては、上記テルペン化合物及びフェノール系化合物を原料とするテルペンフェノール樹脂や、上記テルペン化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンスチレン樹脂などが挙げられる。また、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びスチレン系化合物を原料とするテルペンフェノールスチレン樹脂も使用できる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。また、スチレン系化合物としては、スチレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
上記アクリル系樹脂は、アクリル系モノマーを構成単位として含むポリマーである。例えば、カルボキシル基を有し、芳香族ビニルモノマー成分とアクリル系モノマー成分とを共重合して得られる、スチレンアクリル樹脂等のスチレンアクリル系樹脂などが挙げられる。なかでも、無溶剤型カルボキシル基含有スチレンアクリル系樹脂を好適に使用できる。
上記無溶剤型カルボキシル基含有スチレンアクリル系樹脂とは、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59-6207号公報、特公平5-58005号公報、特開平1-313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42-45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)である。なお、本明細書において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
上記アクリル系樹脂を構成するアクリル系モノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(2エチルヘキシルアクリレート等のアルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
上記アクリル系樹脂を構成する芳香族ビニルモノマー成分としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルが挙げられる。
また、上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体、芳香族ビニルと共に、他のモノマー成分を使用してもよい。
上記可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、ENEOS(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業等の製品を使用できる。
(他の材料)
前記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4’-ビス(α,α’-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。
ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは0.5~5質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。ゴム組成物において、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な性能を付与するという点で、硫黄を配合することが好ましい。
ゴム組成物において、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上である。該含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.0質量部以下である。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は特に制限はなく、要望する加硫速度や架橋密度に合わせて自由に決定すれば良いが、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上、更に好ましくは1.5質量部以上である。上限は、好ましくは8.0質量部以下、より好ましくは6.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下である。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、ベンゾチアゾール系加硫促進剤が好ましい。
ゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、離型剤等の材料を適宜配合してもよい。
前記ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常50~200℃、好ましくは80~190℃であり、混練時間は、通常30秒~30分、好ましくは1分~30分である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常100℃以下、好ましくは室温~80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120~200℃、好ましくは140~180℃である。
前記ゴム組成物を適用できる部材としては、キャップトレッド、ベーストレッド、サイドウォール、ビードエイペックス、クリンチエイペックス、インナーライナー、アンダートレッド、ブレーカートッピング、プライトッピング、インサート(サイドウォール補強層)等、空気入りタイヤの各部材に好適に使用できる。なかでも、キャップトレッド、ベーストレッドに好適に使用できる。
タイヤは、ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を未加硫の段階でキャップトレッド、ベーストレッド等の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、タイヤが得られる。
タイヤとしては、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤなどが挙げられる。なかでも、空気入りタイヤが好ましい。タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、レース用タイヤ(高性能タイヤ)、ランフラットタイヤなどに使用可能である。なかでも、乗用車用タイヤに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR3830:旭化成(株)製のタフデン3830(スチレン含有量33質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分37.5質量部含有)
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(シス含量97質量%)
NR:TSR20
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN134(NSA148m/g)
カーボンブラック2:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN330(NSA75m/g)
シリカ:エボニックデグッサ社製のウルトラジルVN3(NSA175m/g)
有機珪素化合物1:下記製造例1で合成したシランカップリング剤
有機珪素化合物2:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエースワックス
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)(6PPD)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスNH-70S(アロマ系プロセスオイル)
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤CBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS))
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3-ジフェニルグアニジン)
(製造例:有機珪素化合物1の合成)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、無水硫化ソーダ78.0g(1.0モル)、硫黄80.3g(2.5モル)およびエタノール480gを仕込み、80℃に加熱した。その中に、6-クロロヘキシルトリエトキシシラン566g(2.0モル)を滴下投入し、80℃にて10時間加熱撹拌した。この反応液を、濾過板を用いて加圧濾過することで、反応の進行とともに生成した塩が除去された濾液を得た。得られた濾液を100℃まで加熱し、10mmHg以下の減圧下でエタノールを留去することで、反応生成物として有機珪素化合物1(シランカップリング剤)を得た。得られた有機珪素化合物1は、化合物中に含まれる硫黄量が18.5質量%であり、有機珪素化合物1分子中に含まれる平均の硫黄の原子数Xは3.5であり、mの値は6であった。
<実施例及び比較例>
(キャップトレッドゴム組成物の製造)
表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練物を得た。次に、得られた混練物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫のキャップトレッドゴム組成物を得た。
得られた未加硫のキャップトレッドゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、キャップトレッドゴム組成物(加硫後のゴム組成物)を得た。
(試験用タイヤの製造(キャップトレッド))
上記で得られた未加硫のキャップトレッドゴム組成物をキャップトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材と共に貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で10分間加硫し、215/55R17サイズの試験用タイヤ(キャップトレッド)を得た。
(ベーストレッドゴム組成物の製造)
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練物を得た。次に、得られた混練物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫のベーストレッドゴム組成物を得た。
得られた未加硫のベースレッドゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、ベースレッドゴム組成物(加硫後のゴム組成物)を得た。
(試験用タイヤの製造(ベーストレッド))
上記で得られた未加硫のベーストレッドゴム組成物をベーストレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材と共に貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で10分間加硫し、215/55R17サイズの試験用タイヤ(ベーストレッド)を得た。
得られたキャップトレッドゴム組成物及び試験用タイヤ(キャップトレッド)を用いて、以下の物性測定、評価を行い、結果を表1に示した。また、得られたベースレッドゴム組成物及び試験用タイヤ(ベーストレッド)を用いて、同様に物性測定、評価を行い、結果を表2に示した。なお、表1、2の基準比較例は、それぞれ比較例1-1、2-1とした。
〔破断伸び〕
JIS K 6251:2017に準拠し、上記キャップトレッドゴム組成物、ベースレッドゴム組成物からなる7号ダンベル型の試験片を用いて、23℃で引張試験を実施し、破断伸びEB(%)を測定した。
〔粘弾性測定〕
GABO社製のイプレクサーを用いて、周波数10Hz、初期歪5%、動歪1%、温度30℃の条件下における上記キャップトレッドゴム組成物、ベースレッドゴム組成物の複素弾性率E*を測定した。
〔高速での耐欠け性能〕
国産2000CCの自動車の全輪に試験用タイヤを装着し、時速100kmで悪路(未舗装で、砂や石が散乱し、路面の凹凸が大きい悪路)を走行させ、走行終了時のトレッド部の欠け、剥離の総和を求め、逆数として指数化した(基準比較例:100)。指数が大きいほど、高速での耐欠け性能に優れている。
Figure 2022016108000002
Figure 2022016108000003
各表より、EB/E*≧70でかつ、シリカを含む充填材とアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含むシランカップリング剤とを含む実施例のタイヤは、高速での耐欠け性能に優れていた。

Claims (14)

  1. シリカを含む充填材と、シランカップリング剤とを含み、
    前記シランカップリング剤は、アルコキシシリル基及び硫黄原子を含み、かつアルコキシシリル基及び硫黄原子を連結する炭素原子の数が6個以上である有機珪素化合物を含み、
    23℃における破断伸びEB〔%〕と、30℃における複素弾性率E*〔MPa〕との比(EB/E*)が、下記(式1)を満たすタイヤ用ゴム組成物。
    (式1)
    EB/E*≧70
  2. ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が5~120質量部、
    シリカ100質量部に対する前記有機珪素化合物の含有量が5~15質量部である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. ブタジエンゴムと、スチレンブタジエンゴム及び/又はイソプレン系ゴムとを含む請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が15~40質量%、スチレンブタジエンゴムの含有量が35~85質量%である請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量が10~45質量%、イソプレン系ゴムの含有量が40~85質量%である請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が5~80質量部である請求項1~5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が、下記(式2)を満たす請求項1~6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (式2)
    ブタジエンゴムの含有量<シリカの含有量≦50
  8. ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量(質量%)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が下記式を満たす請求項1~7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    シリカの含有量-ブタジエンゴムの含有量≧20
  9. ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量(質量部)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が、下記(式3)を満たす請求項1~8のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    (式3)
    カーボンブラックの含有量>シリカの含有量
  10. ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量(質量部)、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)が、下記式を満たす請求項1~9のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    カーボンブラックの含有量-シリカの含有量≧20
  11. 前記ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が5.0質量部以下である請求項1~10のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  12. 請求項1~11のいずかに記載のゴム組成物からなるタイヤ部材を有するタイヤ。
  13. タイヤ部材がキャップトレッドである請求項12記載のタイヤ。
  14. タイヤ部材がベーストレッドである請求項12記載のタイヤ。
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