JP2020045073A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】 トレッドを有する空気入りタイヤであって、前記トレッドの動的弾性率(E*)をその測定温度に対してプロットして得られるE*の温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のE*が30MPa以下である空気入りタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来からタイヤには、低燃費性、グリップ性能、耐摩耗性、ゴム強度等、種々の性能が求められ、安全性の観点から、グリップ性能、耐摩耗性が重要視されている。
例えば、特定の官能性ジエンエラストマー、補強用無機充填剤及び特定の可塑化系を組み合わせて用いることで、タイヤの湿潤地面上でのグリップ性能、低転がり抵抗性を両立する方法(例えば、特許文献1参照)や、特定の可塑化系、特定量のスチレンとブタジエンをベースとするコポリマー、高含有量の補強用無機充填剤を組み合わせて用いることで、低転がり抵抗性、湿潤グリップ性能を両立する方法(例えば、特許文献2参照)等が提案されているが、更なる改善が望まれている。
特表2014−503619号公報 特表2013−544936号公報
本発明は、前記課題を解決し、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、トレッドを有する空気入りタイヤであって、上記トレッドの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが30MPa以下である空気入りタイヤに関する。
上記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、上記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが20MPa以下であることが好ましい。
上記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、上記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが16MPa以下であることが好ましい。
上記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、上記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが10MPa以下であることが好ましい。
上記トレッドの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、更に、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−30℃以上−10℃以下であり、かつ、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが700MPa以上であることが好ましい。
上記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−30℃以上−10℃以下であり、かつ、上記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが800MPa以上であることが好ましい。
上記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−30℃以上−10℃以下であり、かつ、上記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが1000MPa以上であることが好ましい。
上記トレッドは、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、シランカップリング剤と、樹脂とを含み、下記式(1)及び(2)を満たすゴム組成物を用いて作製したものであることが好ましい。
A≧30 (1)
43≦(A×B)/C≦1400 (2)
上記式(1)及び(2)中、Aは、ゴム成分の総スチレン量(質量%)を表す。
上記式(2)中、Bは、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)を表し、Cは、ゴム成分100質量部に対する樹脂の含有量(質量部)を表す。
上記ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量は、60質量%以上であることが好ましい。
上記ゴム組成物は更にオイルを含み、該オイルの含有量は上記ゴム成分100質量部に対して15質量部以下であることが好ましい。
上記スチレンブタジエンゴムは、重量平均分子量が40万以上であることが好ましい。
本発明は、トレッドを有する空気入りタイヤであって、上記トレッドの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが30MPa以下である空気入りタイヤであるので、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる。
トレッドゴムのEの温度分布曲線の一例を示す図である。
本発明の空気入りタイヤは、トレッドゴムの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが30MPa以下である。これにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる。
このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
トレッドゴムのEをその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点は、Eの温度依存性と、グリップ性能への寄与が高いと考えられる温度領域でのEの大小を示している。この交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、Eが30MPa以下であると、トレッドゴムの路面への追従性が高く、かつ、走行時の耐破壊特性が向上する。それにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる。
次に図1を用いて、接線の引き方等を説明する。
図1には、トレッドゴムのEの温度分布曲線C1の一例が描かれている。−20℃における温度分布曲線の接線とは、温度分布曲線C1上の温度−20℃の点P1における接線L1を意味する。同様に、30℃における温度分布曲線の接線とは、温度分布曲線C1上の温度30℃の点P2における接線L2を意味する。−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点は、接線L1と接線L2の交点であるPLに示す点を意味し、該交点の温度は、PLに示す点の温度を意味し、該交点のEは、PLに示す点のEを意味する。そして、PLに示す点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、PLに示す点のEが30MPa以下である場合、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる。
なお、接線の引き方は、トレッドゴムのEの温度分布曲線を関数で表現し、該関数に基づいて接線の式を算出することにより行えばよい。具体的には、トレッドゴムのEの温度分布曲線を表現する関数がy=f(x)の場合、該曲線の温度−20℃における接線、温度30℃における接線はそれぞれ、y=f′(−20)(x+20)+f(−20)、y=f′(30)(x−30)+f(30)となる。
本明細書において、トレッドゴム(加硫後)の動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線は、トレッドゴム(加硫後)について、粘弾性スペクトロメータを用い、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み2%、振幅±0.25%、及び、昇温速度3℃/分の条件下で、−120℃から70℃までの温度範囲で、Eの温度分布曲線を測定することにより得られる。
本発明では、トレッドのEの温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下である。これにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる。該交点の温度は−8℃以上が好ましく、−5℃以上がより好ましい。また、8℃以下が好ましく、5℃以下がより好ましい。
本発明では、トレッドのEの温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが30MPa以下である。これにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できる。該交点のEは20MPa以下が好ましく、16MPa以下がより好ましく、10MPa以下が更に好ましい。また、下限は特に限定されないが、例えば、1MPa以上が好ましく、5MPa以上がより好ましい。
上記トレッドの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、更に、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−30℃以上−10℃以下であり、かつ、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが700MPa以上であることが好ましい。これにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く更に顕著に改善できる。
このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
トレッドゴムのEをその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点は、Eの温度依存性と、グリップ性能への寄与が高いと考えられる温度領域でのEの大小を示している。この交点の温度が−30℃以上−10℃以下であり、かつ、Eが700MPa以上であると、トレッドゴムの路面への追従性が更に高く、かつ、走行時の耐破壊特性がより向上する。それにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く更に顕著に改善できる。
次に図1を用いて、接線の引き方等を説明する。
図1には、トレッドゴムのEの温度分布曲線C1の一例が描かれている。−50℃における温度分布曲線の接線とは、温度分布曲線C1上の温度−50℃の点P3における接線L3を意味する。同様に、−20℃における温度分布曲線の接線とは、温度分布曲線C1上の温度−20℃の点P1における接線L1を意味する。−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点は、接線L3と接線L1の交点であるPMに示す点を意味し、該交点の温度は、PMに示す点の温度を意味し、該交点のEは、PMに示す点のEを意味する。そして、PMに示す点の温度が−30℃以上−10℃以下であり、かつ、PMに示す点のEが700MPa以上である場合、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く更に顕著に改善できる。
なお、接線の引き方は、トレッドゴムのEの温度分布曲線を関数で表現し、該関数に基づいて接線の式を算出することにより行えばよい。具体的には、トレッドゴムのEの温度分布曲線を表現する関数がy=f(x)の場合、該曲線の温度−50℃における接線、温度−20℃における接線はそれぞれ、y=f′(−50)(x+50)+f(−50)、y=f′(−20)(x+20)+f(−20)となる。
上記トレッドのEの温度分布曲線において、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−30℃以上−10℃以下であることが好ましい。これにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く更に顕著に改善できる。該交点の温度は−28℃以上がより好ましく、−25℃以上が更に好ましい。また、−12℃以下がより好ましく、−15℃以下が更に好ましい。
上記トレッドのEの温度分布曲線において、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが700MPa以上であることが好ましい。これにより、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く更に顕著に改善できる。該交点のEは800MPa以上がより好ましく、1000MPa以上が更に好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば、10000MPa以下が好ましく、5000MPa以下がより好ましい。
トレッドゴムのEの温度分布曲線における、異なる2点の温度での接線の交点の温度、Eの目標値が定まれば、当業者であれば容易にこれらの目標値を満たすトレッドゴムを製造することができる。
具体的には、Eを変化させることができる種々の手法が使用でき、例えば、ゴム成分の種類や配合量を調節する方法、充填剤の種類や形状、配合量を調節する方法、軟化剤の配合量を調節する方法、樹脂の種類や配合量を調節する方法などを使用でき、これらの方法などを組み合わせることにより、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点における温度、Eや、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点における温度、Eを上記範囲内としたトレッドゴムを製造できる。
トレッドゴムにおいて、Eの温度分布曲線における、−20℃での温度分布曲線の接線と、30℃での温度分布曲線の接線との交点における温度、Eは、例えば、トレッドゴムを作製するゴム組成物に、後述する所定のゴム成分、所定量のシリカ、シランカップリング剤、所定量の樹脂を配合することで、上記範囲内とすることが可能であり、一例として、所定のゴム成分、所定量のシリカ、所定量の樹脂の併用が重要である。
更に、トレッドゴムにおいて、Eの温度分布曲線における、−50℃での温度分布曲線の接線と、−20℃での温度分布曲線の接線との交点における温度、Eは、例えば、トレッドゴムを作製するゴム組成物に、所定のゴム成分、所定量のシリカ、シランカップリング剤、所定量の樹脂を配合することで、上記範囲内とすることが可能であり、一例として、所定のゴム成分、所定量のシリカ、所定量の樹脂の併用が重要である。
本発明におけるトレッドは、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、シランカップリング剤と、樹脂とを含み、下記式(1)及び(2)を満たすゴム組成物を用いて作製したものであることが好ましい。これにより、トレッドのEの温度分布曲線における、−20℃での温度分布曲線の接線と、30℃での温度分布曲線の接線との交点における温度、Eを上記範囲内とすることができ、本発明の効果を好適に得ることができる。
A≧30 (1)
43≦(A×B)/C≦1400 (2)
上記式(1)及び(2)中、Aは、ゴム成分の総スチレン量(質量%)を表す。
上記式(2)中、Bは、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)を表し、Cは、ゴム成分100質量部に対する樹脂の含有量(質量部)を表す。
上記ゴム成分としては、例えば、ジエン系ゴムを使用できる。
上記ジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、上記以外のゴム成分としては、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ゴム成分としては、SBR、BR、イソプレン系ゴムが好ましく、BR、SBRがより好ましく、BRとSBRを併用するのが特に好ましい。
ここで、ゴム成分は、重量平均分子量(Mw)が20万以上が好ましく、より好ましくは35万以上のゴムである。Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは400万以下、より好ましくは300万以下である。
なお、本明細書において、Mw、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ゴム成分は、非変性ジエン系ゴムでもよいし、変性ジエン系ゴムでもよい。
変性ジエン系ゴムとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するジエン系ゴムであればよく、例えば、ジエン系ゴムの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ジエン系ゴム(末端に上記官能基を有する末端変性ジエン系ゴム)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性ジエン系ゴムや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性ジエン系ゴム(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性ジエン系ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ジエン系ゴム等が挙げられる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、40万以上が好ましく、より好ましくは100万以上、更に好ましくは、150万以上のゴムである。Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは400万以下、より好ましくは300万以下である。上記範囲内であると、耐摩耗性がより良好となり、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
SBRのスチレン含量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。上記範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。
SBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上である。また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。上記範囲内にすることで、良好なウェットグリップ性能が得られ、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、低シス含量の低シスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、シリカの分散及び分配が向上するという理由から、シス含量が40質量%以下の低シスBRが好ましい。
また、BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
BRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。上記範囲内にすることで、良好なウェットグリップ性能、耐摩耗性が得られる傾向がある。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ゴム成分は、総スチレン量が、下記式(1)を満たすことが好ましい。
A≧30 (1)
上記式(1)中、Aは、ゴム成分の総スチレン量(質量%)を表す。
上記式(1)において、Aは、31以上がより好ましく、32以上が更に好ましい。また、上限は特に限定されないが、例えば、60以下が好ましく、50以下がより好ましく、40以下が更に好ましい。上記範囲内であると、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と樹脂との相溶性が向上することとなり、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
ここで、ゴム成分の総スチレン量は、Σ(各スチレン含有ゴムの含有量×各スチレン含有ゴムのスチレン量/100)である。例えば、ゴム成分が、SBR(スチレン量40質量%)80質量%、BR20質量%からなる場合、ゴム成分の総スチレン量は、32質量%(=(80×40/100)である。
上記ゴム組成物は、前記性能バランスの観点から、充填剤としてシリカを含むことが好ましい。シリカとしては、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。市販品としては、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは70質量部以上、より好ましくは80質量部以上、更に好ましくは100質量部以上、特に好ましくは110質量部以上である。下限以上にすることで、良好なドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性、操縦安定性が得られる傾向がある。また、該含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。上限以下にすることで、良好な分散性が得られる傾向がある。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは70m/g以上、より好ましくは140m/g以上、更に好ましくは160m/g以上である。下限以上にすることで、良好なウェットグリップ性能、破壊強度が得られる傾向がある。また、シリカのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは500m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。上限以下にすることで、良好な分散性が得られる傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
(シランカップリング剤)
上記ゴム組成物がシリカを含む場合、更にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、スルフィド系、メルカプト系が好ましく、メルカプト系がより好ましい。
上記シランカップリング剤としては、下記式(I)で表されるシランカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、シリカの分散性を高め、低温域でのエネルギーロスを向上でき、耐摩耗性も向上し、本発明の効果がより更に良好に得られる。
Figure 2020045073
上記式(I)中、pは1〜3の整数、qは1〜5の整数、kは5〜12の整数である。
上記式(I)において、pは1〜3の整数であるが、2が好ましい。pが3以下であると、カップリング反応が速い傾向がある。qは1〜5の整数であるが、2〜4が好ましく、3がより好ましい。qが1〜5であると合成が容易である傾向がある。kは5〜12の整数であるが、5〜10が好ましく、6〜8がより好ましく、7が更に好ましい。
上記式(I)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。3質量部以上であると、良好な破壊強度等が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、前記性能バランスの観点から、充填剤としてカーボンブラックを含むことが好ましい。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、グリップ性能等が得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上限以下にすることで、ゴム組成物の良好な加工性が得られる傾向がある。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好な耐摩耗性、グリップ性能が得られる傾向がある。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
上記ゴム組成物は、シリカ、カーボンブラック以外の他の充填剤を配合してもよい。他の充填剤としては、特に限定されないが、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられる。
上記ゴム組成物は、可塑剤を配合してもよい。可塑剤としては特に限定されないが、オイル、液状ポリマー(液状ジエン系重合体)、液状樹脂などが挙げられる。これら可塑剤は、1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
可塑剤を含有する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましく、15質量部以下が特に好ましい。また、該含有量の下限は特に限定されず、配合しなくてもよいが、例えば、1質量部以上としてもよいし、3質量部以上としてもよい。上記可塑剤の含有量がこのような範囲であると、良好な低燃費性を確保しながら、優れたウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
可塑剤のなかでも、オイル、液状ポリマー、及び液状樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、加工性やウェットグリップ性能の観点からオイルが特に好ましい。
なお、上記可塑剤は、環境の面から、多環式芳香族含有量(PCA)が3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましい。該多環式芳香族含有量(PCA)は、英国石油学会346/92法に従って測定される。
上記オイルとしては、特に限定されず、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイル、TDAE、MES等の低PCA(多環式芳香族)プロセスオイル、植物油脂、及びこれらの混合物等、従来公知のオイルを使用できる。なかでも、グリップ性能の点では、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
上記液状ポリマー(液状ジエン系重合体)とは、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×10〜2.0×10であることが好ましく、3.0×10〜1.5×10であることがより好ましい。
なお、本明細書において、液状ジエン系重合体のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。
上記液状樹脂としては、特に制限されないが、例えば、液状の芳香族ビニル重合体、クマロンインデン樹脂、インデン樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂、またはこれらの水素添加物などが挙げられる。
液状芳香族ビニル重合体とは、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる樹脂であり、スチレンの単独重合体、α−メチルスチレンの単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体などの液状樹脂が挙げられる。
液状クマロンインデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれていてもよいモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどの液状樹脂が挙げられる。
液状インデン樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、インデンを含む液状樹脂である。
液状テルペン樹脂とは、αピネン、βピネン、カンフェル、ジペテンなどのテルペン化合物を重合して得られる樹脂や、テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料として得られる樹脂であるテルペンフェノールに代表される液状テルペン系樹脂である。
液状ロジン樹脂とは、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、これらのエステル化合物、または、これらの水素添加物に代表される液状ロジン系樹脂である。
上記ゴム組成物には、固体樹脂(常温(25℃)で固体状態のポリマー、本明細書においては、単に「樹脂」とも称する)を配合するのが好ましい。
固体樹脂を含有する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、より更に好ましくは10質量部以上、特に好ましくは15質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。上記範囲内であると、良好なドライグリップ性能、ウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
固体樹脂は、軟化点が100℃以上であることが好ましい。このような高軟化点の樹脂を用いることにより、スチレンブタジエンゴムとの相溶性が高まるために樹脂の分散性が向上し、また、高温域でのエネルギーロスを向上でき、本発明の効果がより更に良好に得られる。該軟化点としては、110℃以上がより好ましく、120℃以上が更に好ましい。他方、該軟化点は、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。
なお、本明細書において、樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
固体樹脂としては、特に限定されないが、例えば、固体状のスチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂(DCPD系樹脂)、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、テルペン系樹脂が好ましい。固体樹脂としてテルペン系樹脂を用いることにより、スチレンブタジエンゴムとの相溶性が高まるために樹脂の分散性が向上し、また、高温域でのエネルギーロスを向上できる。
固体状のスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いた固体状ポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体及びこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。
上記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1−ブテン、1−ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物;等が例示できる。
なかでも、固体状のα−メチルスチレン系樹脂(α−メチルスチレン単独重合体、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体等)が好ましい。
固体状のクマロンインデン樹脂としては、前述の液状状態のクマロンインデン樹脂と同様の構成単位を有する固体樹脂が挙げられる。
固体状のテルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂が好ましく、芳香族変性テルペン樹脂がより好ましい。
ポリテルペンは、テルペン化合物を重合して得られる樹脂及びそれらの水素添加物である。テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。
固体状のポリテルペンとしては、上述したテルペン化合物を原料とするα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β−ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂等の固体樹脂も挙げられる。
固体状のテルペンフェノールとしては、上記テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した固体樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した固体樹脂が挙げられ、具体的には、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びホルマリンを縮合させた固体樹脂が挙げられる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。
固体状の芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる固体樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した固体樹脂が挙げられる。なお、芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
固体状のp−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂としては、p−t−ブチルフェノールとアセチレンとを縮合反応させて得られる固体樹脂が挙げられる。
固体状のアクリル系樹脂としては特に限定されないが、不純物が少なく、分子量分布がシャープな樹脂が得られるという点から、無溶剤型アクリル系固体樹脂を好適に使用できる。
固体状の無溶剤型アクリル樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42−45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)が挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
固体状のアクリル系樹脂は、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないことが好ましい。また、上記アクリル系樹脂は、連続重合により得られる組成分布や分子量分布が比較的狭いものが好ましい。
上述のように、固体状のアクリル系樹脂としては、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないもの、すなわち、純度が高いものが好ましい。固体状のアクリル系樹脂の純度(該樹脂中に含まれる樹脂の割合)は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
固体状のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
また、固体状のアクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
固体状のアクリル系樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂であっても良い。
また、固体状のアクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてよい。
可塑剤、固体樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)、三共油化工業(株)等の製品を使用できる。
上記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤を含有する場合、老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.7質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
上記ゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ステアリン酸を含有する場合、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは5.0質量部以下、より好ましくは3.0質量部以下、更に好ましくは2.5質量部以下である。上記数値範囲内であると、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛を含有する場合、酸化亜鉛の含有量は、前記性能バランスの観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部である。
上記ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。なお、ワックスの含有量は、耐オゾン性、コストの点から、適宜設定すれば良い。
ワックスを含有する場合、ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
上記ゴム組成物は、硫黄を含むことが好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄を含有する場合、硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、前記効果が良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、良好なウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
上記ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、硫黄以外の加硫剤(例えば、有機架橋剤、有機過酸化物);等を例示できる。
上記ゴム組成物は、下記式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
A≧30 (1)
43≦(A×B)/C≦1400 (2)
上記式(1)及び(2)中、Aは、ゴム成分の総スチレン量(質量%)を表す。
上記式(2)中、Bは、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)を表し、Cは、ゴム成分100質量部に対する樹脂の含有量(質量部)を表す。
上記式(2)において、(A×B)/Cの下限値は、50以上がより好ましく、80以上が更に好ましく、100以上がより更に好ましく、150以上が特に好ましく、200以上が最も好ましい。また、(A×B)/Cの上限値は、1300以下がより好ましく、1000以下が更に好ましく、700以下がより更に好ましく、500以下が特に好ましく、300以下が最も好ましい。上記範囲内であると、ゴム組成物中の、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と樹脂との相溶性が向上するとともに、グリップ性能への寄与が高いと考えられる温度域でのEが小さくなり、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
上記ゴム組成物が、上記式(1)及び(2)を満たすことにより、当該ゴム組成物を用いて作製されたトレッドは、Eの温度分布曲線における、−20℃での温度分布曲線の接線と、30℃での温度分布曲線の接線との交点における温度、Eを上記範囲内とすることができ、本発明の効果を好適に得ることができる。
上記ゴム組成物が上記式(1)及び(2)を満たすためには、ゴム組成物に配合する、ゴム成分の種類及び配合量、並びに、シリカ、樹脂の配合量を適宜設定すればよい。
上記ゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常50〜200℃、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分、好ましくは1分〜30分である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常100℃以下、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤに好適に使用可能である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用する各種薬品について、まとめて説明する。
SBR1:溶液重合スチレンブタジエンゴム、トリンセオ社製のSPRINTAN SLR−6430(スチレン含量:40質量%、Mw:200万)
SBR2:溶液重合スチレンブタジエンゴム、旭化成(株)製のY031(スチレン含量:27質量%、Mw:80万)
BR:ブタジエンゴム、旭化成ケミカルズ(株)製のN103(シス含量:38質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストN220(NSA:114m/g)
シリカ1:デグッサ社製のウルトラシルVN3(NSA:172m/g)
シリカ2:ローディア社製のZeosil Premium 200MP(NSA:220m/g)
シリカ3:デグッサ社製のウルトラシル9000GR(NSA:240m/g)
シランカップリング剤1:Momentive社製のNXT(3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン)
シランカップリング剤2:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
樹脂1:ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンTO125(芳香族変性テルペン樹脂、軟化点:125℃)
樹脂2:ヤスハラケミカル(株)製のクリアロンM125(水添芳香族変性テルペン樹脂、軟化点:125℃)
可塑剤:三共油化工業(株)製のA/Oミックス(ナフテン系プロセスオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N−フェニル−p−フェニレンジアミン)
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(DPG、1,3−ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表1〜4に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製のバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。得られた試験用タイヤを用いて以下の評価を行い、結果を表1〜4に示した。
(動的弾性率(E)の温度分布曲線)
各試験用タイヤから切り出したトレッドゴム(加硫後)について、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、周波数10Hz、初期歪み10%、動歪み2%、振幅±0.25%、及び、昇温速度3℃/分の条件下で、−120℃から70℃までの温度範囲で、動的弾性率(E)の温度分布曲線を測定した。そして、得られたEの温度分布曲線を基に各数値を算出し、算出した値を表1〜4に示した。
(ドライグリップ性能)
各試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着して、ドライアスファルト路面(30℃)にて初速度100km/時からの制動距離を求め、基準比較例を100としたときの指数で表示した(ドライグリップ性能指数)。指数が大きいほど制動距離が短く、ドライグリップ性能に優れることを示す。指数は次式で求めた。
(ドライグリップ性能指数)=(基準比較例の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
(ウェットグリップ性能)
各試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面(30℃)にて初速度100km/時からの制動距離を求め、基準比較例を100としたときの指数で表示した(ウェットグリップ性能指数)。指数が大きいほど制動距離が短く、ウェットグリップ性能に優れることを示す。指数は次式で求めた。
(ウェットグリップ性能指数)=(基準比較例の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
(耐摩耗性)
各試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着して、ドライアスファルト路面(30℃)のテストコースにて実車走行を行った。走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、基準比較例を100としたときの指数で表示した(耐摩耗性指数)。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。指数は次式で求めた。
(耐摩耗性指数)=(各配合の走行距離)/(基準比較例の走行距離)×100
(総合性能)
表1〜4では、ドライグリップ性能指数、ウェットグリップ性能指数、耐摩耗性指数の合計を総合性能として評価した。
Figure 2020045073
Figure 2020045073
Figure 2020045073
Figure 2020045073
表1〜4より、トレッドの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が−10℃以上10℃以下であり、かつ、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが30MPa以下である実施例では、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、及び、耐摩耗性をバランス良く改善できることが明らかとなった。

Claims (11)

  1. トレッドを有する空気入りタイヤであって、
    前記トレッドの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、
    −20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が、−10℃以上10℃以下であり、かつ、−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが、30MPa以下である空気入りタイヤ。
  2. 前記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が、−10℃以上10℃以下であり、かつ、前記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが、20MPa以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が、−10℃以上10℃以下であり、かつ、前記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが、16MPa以下である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が、−10℃以上10℃以下であり、かつ、前記−20℃における温度分布曲線の接線と、30℃における温度分布曲線の接線との交点のEが、10MPa以下である請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記トレッドの動的弾性率(E)をその測定温度に対してプロットして得られるEの温度分布曲線において、更に、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が、−30℃以上−10℃以下であり、かつ、−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが、700MPa以上である請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が、−30℃以上−10℃以下であり、かつ、前記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが、800MPa以上である請求項5記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点の温度が、−30℃以上−10℃以下であり、かつ、前記−50℃における温度分布曲線の接線と、−20℃における温度分布曲線の接線との交点のEが、1000MPa以上である請求項5又は6記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記トレッドが、スチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、シリカと、シランカップリング剤と、樹脂とを含み、下記式(1)及び(2)を満たすゴム組成物を用いて作製したものである請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
    A≧30 (1)
    43≦(A×B)/C≦1400 (2)
    上記式(1)及び(2)中、Aは、ゴム成分の総スチレン量(質量%)を表す。上記式(2)中、Bは、ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)を表し、Cは、ゴム成分100質量部に対する樹脂の含有量(質量部)を表す。
  9. 前記ゴム成分100質量%中のスチレンブタジエンゴムの含有量が、60質量%以上である請求項8記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ゴム組成物は更にオイルを含み、該オイルの含有量が前記ゴム成分100質量部に対して15質量部以下である請求項8又は9記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記スチレンブタジエンゴムは、重量平均分子量が40万以上である請求項8〜10のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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