JP4266248B2 - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シランカップリング剤を用いてシリカを配合したゴム組成物の製造方法であって、加工性、転がり摩擦抵抗特性(燃費特性)、耐摩耗性にとくに優れたゴム組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
近年、自動車に対する安全性および低燃費性への要求にともなって、タイヤ用ゴム材料においてウェットスキッド特性、燃費特性、耐摩耗性の同時改良が望まれているが、お互いに二律背反の関係にあることはよく知られている。
【0003】
従来から、このような問題を解決する方法としては、低発熱化充填剤としてシリカを使用する方法などが知られている。
【0004】
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、分散が不充分となるために加工性に劣るなどの問題を生じる。
【0005】
従来、シリカの分散を向上させる方法としてシランカップリング剤を用いる方法が開発されている。
【0006】
しかし、シランカップリング剤系補強剤によってもゴム組成物の作用性および加工性を高水準なものとするには尚不充分である。
【0007】
前記タイヤ用ゴム材料の諸特性あるいは加工性の問題に対しては、たとえば特開平9−136996号公報に、スチレン−ブタジエンゴム、シリカ、カーボンブラックおよび天然樹脂系ロジンを含むゴム組成物からなるタイヤが開示されている。また、天然樹脂系ロジンとしては、ロジン、水素添加ロジンやロジンエステル類などのロジン誘導体を用い得ることが記載されている。これらは軟化剤として作用すると考えられるが、シリカの分散性などの点で満足のいくものではない。また、特開平9−328579号公報には、スチレン−ブタジエンゴム、天然ゴムおよびイソプレンゴムからなるジエン系ゴムに、ロジンを無水マレイン酸やフマル酸などとディールス−アルダー反応させた変性ロジンを配合したゴム組成物が開示されているが、加工性などに改善はみられるものの充分ではない。また、特開平10−87881号公報には、天然ゴムとイソプレンゴムからなるジエン系ゴムに、シリカ、カーボンブラックおよびポリシロキサン化合物を配合したゴム組成物からなるタイヤが開示されており、シランカップリング剤やロジン系樹脂(前記ロジン誘導体や変性ロジン)を含有し得ることが記載されているが、加工性などに一定の効果はあるものの充分ではない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記実情に鑑み、押し出しなどの加工において、作業性を低下させることのないシリカとゴムとの相溶性を高めたゴム組成物を得るべく鋭意検討した結果、pH8〜12の塩基性水溶液、とくに所定量のロジン酸セッケン水溶液を配合して製造したゴム組成物が、シリカの分散に効果的であるだけでなく、加工性、燃費特性、耐摩耗性に優れた特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、溶液重合により得られたゴム成分100重量部に対し、シリカ5〜100重量部、シリカ重量に対して2〜20重量%のシランカップリング剤およびシリカ重量に対して2〜20重量%のpHが8〜12の塩基性水溶液を配合して混練りすることを特徴とするゴム組成物の製造方法であって、塩基性水溶液をシリカおよびシランカップリング剤と同時に投入することを特徴とするゴム組成物の製造方法(請求項1)、塩基性水溶液が有機酸塩の水溶液である請求項1記載の製造方法(請求項2)、溶液重合により得られたゴム成分100重量部に対し、シリカ5〜100重量部、シリカ重量に対して2〜20重量%のシランカップリング剤およびロジン酸セッケン水溶液をロジン酸セッケンの配合量がシリカ重量に対して0.25〜5重量%になるように配合して混練りすることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物の製造方法(請求項3)および5重量%≦X+Y≦17重量%を満足し、Xがシリカ重量に対するシランカップリング剤の配合量であり、Yがシリカ重量に対するロジン酸セッケンの配合量である請求項3記載の製造方法(請求項4)に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物の製造方法では、溶液重合により得られた溶液重合ポリマーからなるゴム成分に、シリカ、シランカップリング剤およびシリカとシランカップリング剤との反応を促進させるために、塩基性水溶液、さらにロジン酸セッケン水溶液が配合されて混練りされる。
【0011】
前記ゴム成分としては、当業者に周知の溶液重合法により製造されるゴム工業で一般に使用されている種々の溶液重合ポリマーを単独で、またはブレンドして使用することができる。ゴム工業では、一般に乳化重合ポリマーなども使用されるが、とくに溶液重合ポリマーを用いるのは、塩基性水溶液の効果を阻害するような不純物が少ないため、本発明の効果を顕著に得ることができるためである。
【0012】
前記溶液重合ポリマーとしては、たとえば、溶液重合により得られたスチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)などがあげられる。
【0013】
前記シリカとしては、とくに制限はないが、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などがあげられ、湿式法シリカが好ましい。湿式法シリカの好適例としては、デグッサ社製のUltrasil VN3(商品名)、日本シリカ社製のニップシールVN3 AQ(商品名)などがあげられる。
【0014】
前記シリカの配合量は、前記ゴム成分100重量部(以下、部という)に対して5〜100部である。シリカの配合が5部未満になると、補強効果が小さくなり、100部をこえると、発熱性が増大し、作業性が低下するため好ましくない。低発熱性と作業性との両面から、シリカの配合量は、10〜85部が好ましい。
【0015】
前記シランカップリング剤は、従来からシリカ充填剤と併用されている任意のシランカップリング剤とすることができる。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどがあげられ、カップリング剤添加効果とコストとの両立の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが好ましい。
【0016】
前記シランカップリング剤の配合量は、シリカ重量に対し2〜20重量%(以下、%という)である。シランカップリング剤の配合量が2%未満になると、カップリング効果が小さくなり、20%をこえると、コストがあがる割にカップリング効果が小さく好ましくない。カップリング効果と分散効果との両面から、シランカップリング剤の配合量は4〜15%、さらには4〜12%が好ましい。とくに後述するロジン酸セッケン水溶液を用いる場合には、4〜12%が好ましい。
【0017】
前記塩基性水溶液のpHは8〜12、さらには8〜11である。塩基性水溶液のpHが8未満になると、シリカとシランカップリング剤との反応促進効果が小さくなり、pHが12をこえると、作業の安全性に問題が生じる。
【0018】
前記塩基性水溶液としては、無機化合物の水溶液および(または)有機酸塩の水溶液があげられる。
【0019】
前記無機化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
前記有機酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ロジン酸セッケンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
前記塩基性水溶液のうちでは、安全性および取扱いやすさの点から、ロジン酸セッケン水溶液、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムの水溶液が好ましい。
【0022】
前記塩基性水溶液中の無機化合物および(または)有機酸塩の濃度は5〜80%、さらには5〜60%が好ましい。前記濃度が5%未満になると、反応促進効果が小さくなる傾向が生じ、80%をこえると、シリカの分散効果が得られにくくなる傾向が生じる。
【0023】
前記塩基性水溶液の配合量は、シリカ重量に対し2〜20%である。塩基性水溶液の配合量が2%未満になると、シリカとシランカップリング剤との反応促進効果が小さくなり、20%をこえると、組成物の加工性に問題が生じるために好ましくない。シリカの分散効果の面から、塩基性水溶液の配合量は4〜15%が好ましい。したがって、前記無機化合物および(または)有機酸塩の配合量としては、シリカ重量に対し0.1〜16%、さらには0.1〜12%であるのが好ましい。
【0024】
また、前記ロジン酸セッケンを用いる場合の配合量は、シリカ重量に対し0.25〜5%であるのが好ましい。ロジン酸セッケンの配合量が0.25%未満になると、シリカの分散効果が小さくなる傾向が生じやすく、5%をこえると加工性に問題が生じる傾向がある。シリカの分散効果の面から、ロジン酸セッケンの配合量は1〜5%がさらに好ましい。
【0025】
なお、前記ロジン酸セッケンとしては、乳化重合用の乳化剤として使用される不均化ロジン酸セッケンなどがあげられる。具体的には不均化ロジン酸のナトリウム塩(以下、ロジン酸ナトリウムともいう)および不均化ロジン酸のカリウム塩(以下、ロジン酸カリウムともいう)、トール油セッケンなどがあげられる。
【0026】
さらに、シランカップリング剤およびロジン酸セッケンの配合量は式:
5%≦X+Y≦17%
(式中、Xはシランカップリング剤のシリカに対する%を示し、Yはロジン酸セッケンのシリカに対する%を示す
を満足することが好ましい。シランカップリング剤とロジン酸セッケンとの配合量の合計がシリカ重量に対して5%未満になると、カップリング効果および分散効果が小さくなりやすく、17%をこえると、コストがあがる割に効果が得られにくくなる。
【0027】
前記塩基性水溶液の配合のタイミングとしては、該塩基性水溶液がシリカとシランカップリング剤の反応を充分に促進することができるという点から、該塩基性水溶液とシリカおよびシランカップリング剤とを同時に投入することが好ましい。
【0028】
なお、前記のようにして配合された塩基性水溶液中の水は、通常、混練り中あるいは加硫中に蒸発する。その結果、得られるゴム組成物中に含まれる水分は、未加硫ゴムで1.0〜2.0%、加硫ゴムで0.5〜1.8%である。
【0029】
本発明の製造方法においては、前記のようにして塩基性水溶液を配合する以外は、通常のゴム組成物の製造方法と同様であり、配合されたゴム成分、シリカ、シランカップリング剤および塩基性水溶液からなる混合物を当業者に一般的な方法で混練りするなどしてゴム組成物が製造される。
【0030】
混練り方法としては、たとえばバンバリーミキサーなどを用いて加硫剤や加硫促進剤以外の成分を120〜200℃で混練りし、加硫剤や加硫促進剤を配合してからオープンロールなどを用いて混練りしてグリーンゴム組成物を得る方法などが一般的である。得られたグリーンゴム組成物は、140〜170℃でプレス加硫するなどして各種用途に用いられる。
【0031】
本発明のゴム組成物の製造方法は、さらに補強効果および低発熱性のために窒素吸着比表面積(以下、N2SAともいう)が30〜200m2/gで圧縮ジブチルフタレート吸油量(以下、24M4DBP吸油量ともいう)が30〜150ml/100gの範囲であるカーボンブラックを含ませたゴム組成物にも適用することができる。N2SAおよび24M4DBP吸油量が各々の下限値より小さい場合には、分散性改良効果や補強効果が小さくなる傾向が生じ、また上限値をこえる場合には、分散性が低下し、発熱性が増大する傾向が生じる。
【0032】
前記カーボンブラックの例としては、HAF、ISAF、SAFなどがあげられるが、とくに限定されるものではない。
【0033】
前記カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100部に対し、80部以下であることが好ましい。前記カーボンブラックの配合量が80部をこえると、発熱性が増大する傾向がある。補強性および低発熱性の面から、前記カーボンブラックの配合量は25〜60部が好ましい。
【0034】
本発明のゴム組成物の製造方法は、さらにシリカおよびカーボンブラック以外の無機充填剤を含むゴム組成物にも適用することができる。シリカおよびカーボンブラック以外の無機充填剤としては、クレー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナなどがあげられる。
【0035】
なお、本発明のゴム組成物の製造方法においては、前記ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤およびカーボンブラックやその他の無機充填剤以外に、必要に応じて、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を適宜配合することができる。
【0036】
本発明の製造方法により得られたゴム組成物は、シリカとゴム成分との相溶性が高められた結果、タイヤ、ホース、ベルトその他の各種工業用品などの機械的特性および耐摩耗性が要求されるゴム組成物として好適に使用することができる。
【0037】
【実施例】
つぎに、本発明の製造方法を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
なお、実施例および比較例で用いたゴム組成物の原料および評価方法を以下にまとめて示す。
【0039】
SL552:日本合成ゴム(株)製の溶液重合SBR
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(化学名:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
ロジン酸カリウム:荒川化学工業(株)製のロンジスK−25またはロンジスK−80
炭酸水素ナトリウム:和光純薬工業(株)製
リン酸水素二ナトリウム:和光純薬工業(株)製
炭酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製
純水:pH=7の水
塩基性水溶液1:炭酸水素ナトリウムの8%水溶液、pH=8.01
塩基性水溶液2:リン酸水素二ナトリウムに水の8%水溶液、pH=9.04塩基性水溶液3:ロンジスK−80を用いて調製した不均化ロジン酸セッケンの8%水溶液、pH=9.53
塩基性水溶液4:ロンジスK−25を用いて調製した不均化ロジン酸セッケンの8%水溶液、pH=10.0
塩基性水溶液5:炭酸ナトリウムの8%水溶液、pH=11.58
塩基性水溶液6:ロンジスK−25(不均化ロジン酸セッケンの25%水溶液)、pH=10.27
ロジン:荒川化学工業(株)製のガムロジン
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
老化防止剤 6C:大内新興化学工業(株)製のノクラック 6C(化学名:N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン)
加硫促進剤 TBBS:大内新興化学工業(株)製のノクセラー NS(化学名:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド)
加硫促進剤 DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラー D(化学名:N,N′−ジフェニル・グアニジン)
【0040】
(ムーニー粘度)
JIS K6301に準拠して、L型ローターを用い、予熱1分、測定時間4分、温度130℃にて測定し、対照物と対比した指数で表した。指数が小さい方がムーニー粘度が低く、加工性が優れている。
【0041】
(90%加硫時間(T90))
JIS K6301に準拠して、170℃で測定した。数値が小さい方が加硫時間が短い。
【0042】
(ランボーン摩耗指数)
ランボーン摩耗試験機を用い、温度20℃、スリップ率20%、試験時間5分間の測定条件にて測定し、各配合の容積損失を計算し、実施例1〜5および比較例2については比較例1、実施例6〜12および比較例4〜12については比較例3の損失量を100とし、下記計算式で指数表示した。指数が大きい方が耐摩耗性が優れる。
【0043】
ランボーン摩耗指数={比較例1または比較例3の損失量/各配合の損失量}×100
【0044】
(転がり抵抗指数)
各配合のtanδを粘弾性スペクトロメーター VES(岩本製作所製)を用い、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の測定条件にて測定し、実施例1〜5および比較例2については比較例1、実施例6〜12および比較例4〜12については比較例3のtanδを100とし、下記計算式で指数表示した。指数が大きい方が転がり抵抗特性が優れる。
【0045】
転がり抵抗指数={比較例1または比較例3のtanδ/各配合のtanδ}×100
【0046】
(ウェットスキッド指数)
スタンレー社製のポータブルスキッドテスターを用いてASTM E303−83の方法にしたがって測定し、実施例1〜5および比較例2については比較例1、実施例6〜12および比較例4〜12については比較例3の測定値を100とし、下記計算式で指数表示した。指数が大きい方がウェットスッキッド性能が優れる。
【0047】
ウェットスキッド指数={各配合の測定値/比較例1または比較例3の測定値×100}
【0048】
実施例1〜5および比較例1〜2
硫黄、加硫促進剤TBBSおよび加硫促進剤DPG以外の表1に示す原料を表1に示す組成になるように配合し、バンバリーミキサーで120〜180℃で4分間混練りした。ただし、比較例1以外は、純水または塩基性水溶液をシリカおよびシランカップリング剤と同時投入して配合した。
【0049】
つぎに、50℃で硫黄、加硫促進剤TBBSおよび加硫促進剤DPGを加え、オープンロールで5〜10分間混練りし、グリーンゴム組成物を得た。
【0050】
前記グリーンゴム組成物を用いてムーニ粘度、90%加硫時間を測定した。また、前記グリーンゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得、粘弾性試験を行ない、ランボーン摩耗指数、転がり抵抗指数、ウェットスキッド指数を求めた。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
実施例6〜14および比較例3〜10
硫黄、加硫促進剤TBBSおよび加硫促進剤DPG以外の表2、3に示す原料を表2、3に示す組成になるように配合し、バンバリーミキサーで120〜180℃で4分間混練りした。ただし、比較例3、4、8、9および10以外は、塩基性水溶液をシリカとシランカップリング剤と同時投入して配合した。
【0053】
つぎに、50℃で硫黄、加硫促進剤TBBSおよび加硫促進剤DPGを加え、オープンロールで5〜10分間混練りし、グリーンゴム組成物を得た。
【0054】
前記グリーンゴム組成物を用いてムーニ粘度を測定した。また、前記グリーンゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得、粘弾性試験を行ない、ランボーン摩耗指数、転がり抵抗指数、ウェットスキッド指数を求めた。結果を表2、3に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、シリカ配合ゴム組成物であって、耐摩耗性、低燃費性、ウェット性能、加工性・作業性に優れたゴム組成物を得ることができる。
Claims (5)
- 溶液重合により得られたゴム成分100重量部に対し、シリカ5〜100重量部、シリカ重量に対して2〜20重量%のシランカップリング剤およびシリカ重量に対して2〜20重量%のpHが8〜12の塩基性水溶液を配合して混練りすることを特徴とするゴム組成物の製造方法であって、
塩基性水溶液をシリカおよびシランカップリング剤と同時に投入することを特徴とするゴム組成物の製造方法。 - 塩基性水溶液が有機酸塩の水溶液である請求項1記載の製造方法。
- 溶液重合により得られたゴム成分100重量部に対し、シリカ5〜100重量部、シリカ重量に対して2〜20重量%のシランカップリング剤およびロジン酸セッケン水溶液をロジン酸セッケンの配合量がシリカ重量に対して0.25〜5重量%になるように配合して混練りすることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物の製造方法。
- 5重量%≦X+Y≦17重量%を満足し、Xがシリカ重量に対するシランカップリング剤の配合量であり、Yがシリカ重量に対するロジン酸セッケンの配合量である請求項3記載の製造方法。
- ゴム成分100重量部に対するシリカの配合量が10〜85重量部、シリカ重量に対するシランカップリング剤の配合量が4〜15重量%、シリカ重量に対する塩基性水溶液の配合量が4〜15重量%である請求項1記載の製造方法。
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