JP7226161B2 - 電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品に関する。
電子部品の構成を開示した先行文献として、特開2017-11142号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載の電子部品は、内部電極を内設したセラミック素体の両端部に下地電極層を、該下地電極層上にめっき層を形成して端子電極を形成するセラミック電子部品である。下地電極層の表面にはNiめっき層が形成され、このNiめっき層上にはSnめっき層が形成されている。
特開2017-11142号公報
従来の電子部品においては、下地電極層にNiめっき層を形成したときに、水素原子が発生する。この水素原子は、下地電極層中を拡散した後、さらに本体部に浸入する。これにより、電子部品の電気特性を低下させる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、本体部への水素原子の拡散を抑制することで、電気的特性の低下を抑制できる、電子部品を提供することを目的とする。
本発明に基づく電子部品は、本体部と、外部電極とを備えている。外部電極は、本体部の表面に設けられている。外部電極は、下地電極層と、第1Ni(ニッケル)めっき層と、上側めっき層とを含んでいる。第1Niめっき層は、下地電極層上に形成されている。上側めっき層は、第1Niめっき層の上方に形成されている。第1Niめっき層は、平均粒径が52nm以下のNi粒子で構成されている。
本体部への水素原子の拡散を抑制することで、電気的特性の低下を抑制できる。
本発明の実施形態1に係る電子部品の外観を示す斜視図である。 図1の電子部品をII-II線矢印方向から見た断面図である。 図1の電子部品をIII-III線矢印方向から見た断面図である。 図2の電子部品のIV部におけるNiめっき層のNi粒子を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態1に係る電子部品における、Ni粒子の平均粒径の測定方法を示した模式的な部分断面図である。 本発明の第1の実験例における比較例に係る電子部品において、外部電極の表面からの深さに対する、外部電極中の水素原子濃度の変化を測定した結果の一例を、模式的に示すグラフである。 本発明の第1の実験例における実施例に係る電子部品において、外部電極の表面からの深さに対する、外部電極中の水素原子濃度の変化を測定した結果の一例を、模式的に示すグラフである。 本発明の実施形態2に係る電子部品を示す断面図である。
以下、本発明の各実施形態に係る電子部品について図を参照して説明する。以下の各実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電子部品の外観を示す斜視図である。図2は、図1の電子部品をII-II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図1の電子部品をIII-III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2の電子部品のIV部におけるNiめっき層のNi粒子を示す模式的な断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る電子部品100は、積層セラミックコンデンサであるが、電子部品100は、たとえば積層型NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ、積層型インダクタまたはセラミック電池(全固体電池)であってもよい。
図1から図3に示すように、本発明の実施形態1に係る電子部品100は、本体部110と、外部電極120とを備えている。本実施形態において、本体部110は積層体であり、積層方向Tに沿って1層ずつ交互に積層された複数の誘電体層130および複数の内部電極層140を含んでいる。
本体部110は、積層方向Tにおいて相対する第1主面111および第2主面112と、積層方向Tに直交する幅方向Wにおいて相対する第1側面113および第2側面114と、積層方向Tおよび幅方向Wの両方に直交する長さ方向Lにおいて相対する第1端面115および第2端面116とを含んでいる。
図1および図2に示すように、外部電極120は、本体部110の表面に設けられている。本実施形態に係る電子部品100においては、外部電極120は、第1外部電極120Aと、第2外部電極120Bとを含んでいる。第1外部電極120Aは、第1端面115に設けられている。第2外部電極120Bは、第2端面116に設けられている。
複数の内部電極層140は、第1外部電極120Aに接続された複数の第1内部電極層140A、および、第2外部電極120Bに接続された複数の第2内部電極層140Bを含んでいる。図2に示すように、第1内部電極層140Aは、第2内部電極層140Bと対向している対向部141A、および、第1端面115に引き出されている引出部142Aとを含む。また、第2内部電極層140Bは、第1内部電極層140Aと対向している対向部141B、および、第2端面116に引き出されている引出部142Bを含んでいる。
図1~図3に示すように、積層体である本体部110は、内層部Cと第1外層部X1と第2外層部X2と、第1サイドマージン部S1と第2サイドマージン部S2と第1エンドマージン部E1と第2エンドマージン部E2とに区画される。
内層部Cは、第1内部電極層140Aの対向部141Aおよび第2内部電極層140Bの対向部141Bが積層方向Tに積層されていることにより静電容量を有している。第1外層部X1は、積層方向Tにおいて内層部Cの第1主面111側に位置する。第2外層部X2は、積層方向Tにおいて内層部Cの第2主面112側に位置している。
第1サイドマージン部S1は、幅方向Wにおいて内層部Cの第1側面113側に位置する。第2サイドマージン部S2は、幅方向Wにおいて内層部Cの第2側面114側に位置する。第1エンドマージン部E1は、長さ方向Lにおいて内層部Cの第1端面115側に位置している。第2エンドマージン部E2は、長さ方向Lにおいて内層部Cの第2端面116側に位置している。
第1サイドマージン部S1の幅方向Wの寸法、第2サイドマージン部S2の幅方向Wの寸法、第1エンドマージン部E1の長さ方向Lの寸法、および、第2エンドマージン部E2の長さ方向Lの寸法の各々は、電子部品100を小型化するという観点から、電子部品100の絶縁抵抗が低下しない程度に小さくすることが好ましい。本実施形態においては、後述するように、電子部品100の絶縁抵抗の低下が抑制できるため、上記の各寸法を比較的小さくすることができる。たとえば、第1エンドマージン部E1の長さ方向Lの寸法および第2エンドマージン部E2の長さ方向Lの寸法の各々は、10μm以上30μm以下であることが好ましい。
内層部Cに含まれる複数の誘電体層130の各々の厚さは、0.4μm以上0.6μm以下であることが好ましく、0.4μm以上0.45μm以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態においては、電子部品100は、長さ方向Lの寸法が2.0mm以下であり、幅方向Wの寸法が1.25mm以下であり、積層方向Tの寸法が1.25mm以下である。電子部品100の外形寸法は、電子部品100を光学顕微鏡によって観察することにより測定することができる。
誘電体層130は、BaまたはTiを含むペロブスカイト型化合物で構成されている。誘電体層130を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物、Al化合物、V化合物または希土類化合物などが添加された材料を用いてもよい。誘電体層130を構成する材料の比誘電率は1000以上である。
複数の内部電極層140の各々の厚さは、0.3μm以上1.0μm以下であることが好ましい。複数の内部電極層140の各々が誘電体層130を隙間なく覆っている被覆率は、50%以上95%以下であることが好ましい。
内部電極層140を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、PdおよびAuからなる群より選ばれる1種の金属、または、この金属を含む合金で構成されており、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。内部電極層140は、誘電体層130に含まれる誘電体セラミックスと同一組成系の誘電体の粒子を含んでいてもよい。
図2に示すように、本実施形態において、外部電極120は、下地電極層121と、第1Ni(ニッケル)めっき層122と、第2Niめっき層123と、上側めっき層124とを含んでいる。
本実施形態において、下地電極層121は、積層体である本体部110に導電性ペーストが塗布されて焼き付けられた、焼き付け層である。下地電極層121は、金属とガラスとを含んでいる。下地電極層121に含まれる上記金属は、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)、または、これらのいずれかを有する合金を含んでいる。本実施形態において、上記金属は、具体的にはCuである。上記ガラスは、たとえば、Siを含んでいる。
下地電極層121は、BaTiO3などの金属酸化物をさらに含んでいてもよい。また、下地電極層121は、樹脂成分をさらに含んでいてもよい。樹脂成分としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。樹脂成分は、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂であることが好ましい。下地電極層121が金属と樹脂成分とを含む場合、下地電極層121は、たとえば、金属のフィラーを有する樹脂電極層である。
下地電極層121は、積層された複数の層で構成されていてもよい。下地電極層121は、内部電極層140と同時に焼成された層であってもよい。
第1Niめっき層122は、下地電極層121上に形成されている。第1Niめっき層122は、実質的に金属Niのみで構成されている。なお、第1Niめっき層122の形成過程上、第1Niめっき層122には不可避不純物としてNiO(ニッケル酸化物)が含まれる場合がある。図4に示すように、第1Niめっき層122は、平均粒径が52nm以下のNi粒子122Gで構成されている。
図2に示すように、第2Niめっき層123は、第1Niめっき層122と上側めっき層124との間に位置している。第2Niめっき層123は、実質的に金属Niのみで構成されている。なお、第2Niめっき層123の形成過程上、第2Niめっき層123には不可避不純物としてNiO(ニッケル酸化物)が含まれる場合がある。また、図4に示すように、第2Niめっき層123は、平均粒径が99nm以上のNi粒子123Gで構成されている。本実施形態において、第2Niめっき層123を構成するNi粒子123Gの平均粒径は、第1Niめっき層122を構成するNi粒子122Gの平均粒径の2.3倍以上である。
本実施形態において、第1Niめっき層および第2Niめっき層の合計平均厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがより好ましく、3.7μm以下であることがさらに好ましい。また、後述するように、第1Niめっき層122が、より多くの水素原子を吸蔵するという観点から、第1Niめっき層122の厚さは、第2Niめっき層123の厚さより厚いことが好ましい。第1Niめっき層122の厚さが比較的厚いことにより、第1Niめっき層122でより多くの水素原子をトラップすることができる。ひいては、絶縁抵抗が低下することを抑制しつつ、外部電極120の全体の平均厚さをより薄くして電子部品100を小型化することができる。本実施形態において、第1Niめっき層122の厚さは、第2Niめっき層123の厚さの0.03倍以上14.5倍以下である。
なお、第2Niめっき層123は、外部電極120に含まれていなくてもよい。外部電極120が第2Niめっき層123を含んでいない実施形態については後述する。
上側めっき層124は、第1Niめっき層122の上方に形成されている。具体的には、上側めっき層124は、第2Niめっき層123上に形成されている。本実施形態においては、上側めっき層124は、Snめっき層である。Snめっき層は、実質的にSnのみで構成されている。本実施形態において、上側めっき層124の厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがさらに好ましい。
ここで、本発明の実施形態1における第1Niめっき層122を構成するNi粒子122Gおよび第2Niめっき層123を構成するNi粒子123Gの各々の測定方法について説明する。
図1、図2および図4に示すように、まず、電子部品100を研磨し、幅方向Wに直交する断面を露出させた後、この断面を観察する。電子部品100の研磨においては、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)装置を用いる。断面の観察においては、マイクロスコープを用いて、第1Niめっき層122を構成するNi粒子122Gおよび第2Niめっき層123を構成するNi粒子123Gの各々の平均粒径を測定する。
図2および図4に示すように、第1Niめっき層122のNi粒子122Gの測定位置P1は、積層方向Tの中央部であって、長さ方向Lにおいて下地電極層121から100nm離れた部分である。
図5は、本発明の実施形態1に係る電子部品における、Ni粒子の平均粒径の測定方法を示した模式的な部分断面図である。図5に示すように、測定位置P1上において、第1Niめっき層122にて互いに隣接する10個のNi粒子122Gの合計長さを測定する。この合計長さを10で割ることにより、第1Niめっき層122のNi粒子122Gの平均粒径を算出する。
図2および図4に示すように、第2Niめっき層123のNi粒子123Gの測定位置P2は、積層方向Tの中央部であって、長さ方向Lにおいて上側めっき層124から100nm離れた部分である。この測定位置P2上において、第2Niめっき層123にて互いに隣接する10個のNi粒子123Gの合計長さを測定する。この合計長さを10で割ることにより、第2Niめっき層123のNi粒子123Gの平均粒径を算出する。
次に、各構成の寸法の測定方法について説明する。
内層部Cに含まれる誘電体層130および内部電極層140の各々の厚さは、以下のように測定する。まず、電子部品100を研磨し、長さ方向Lに直交する断面を露出させる。露出させた断面を走査型電子顕微鏡で観察する。次に、露出させた断面の中心を通過する積層方向Tに沿った中心線、およびこの中心線から両側に等間隔に2本ずつ引いた線の合計5本の線上における誘電体層130および内部電極層140の各々の厚さを測定する。誘電体層130の5つの測定値の平均値を、誘電体層130の厚さとする。内部電極層140の5つの測定値の平均値を、内部電極層140の厚さとする。
なお、露出させた断面を積層方向Tにおいて4等分する境界線上に位置する上部、中央部および下部の各々において、上記5本の線上における誘電体層130および内部電極層140の各々の厚さを測定し、誘電体層130の測定値の平均値を誘電体層130の厚さとし、内部電極層140の測定値の平均値を内部電極層140の厚さとしてもよい。
積層体である本体部110の幅方向Wの寸法、および、本体部110の積層方向Tの寸法の各々は、本体部110において第1外部電極120Aおよび第2外部電極120Bに覆われていない部分を、光学顕微鏡によって観察することにより測定する。測定位置は、長さ方向Lの中央部とする。
積層体である本体部110の長さ方向Lの寸法は、以下のように測定する。まず、電子部品100を研磨し、幅方向Wに直交する断面を露出させる。露出させた断面をマイクロスコープで観察して上記寸法を測定する。測定位置は、積層方向Tの中央部とする。
第1外層部X1の積層方向Tの寸法、および、第2外層部X2の積層方向Tの寸法の各々は、以下のように測定する。まず、電子部品100を研磨し、幅方向Wに直交する断面を露出させる。露出させた断面をマイクロスコープで観察して上記の各寸法を測定する。測定位置は、長さ方向Lの中央部とする。
第1エンドマージン部E1の長さ方向Lの寸法、および、第2エンドマージン部E2の長さ方向Lの寸法の各々は、以下のように測定する。まず、電子部品100を研磨し、幅方向Wに直交する断面を露出させる。露出させた断面をマイクロスコープで観察して上記の各寸法を測定する。測定位置は、露出させた断面を積層方向Tにおいて4等分する境界線上に位置する上部、中央部および下部とする。これら3箇所における第1エンドマージン部E1の測定値の平均値を、第1エンドマージン部E1の長さ方向Lの寸法とし、これら3箇所における第2エンドマージン部E2の測定値の平均値を、第2エンドマージン部E2の長さ方向Lの寸法とする。
第1サイドマージン部S1および第2サイドマージン部S2の各々の厚さは、以下のように測定する。まず、電子部品100を研磨し、長さ方向Lに直交する断面を露出させる。露出させた断面をマイクロスコープで観察して測定する。測定位置は、露出させた断面を積層方向Tにおいて4等分する境界線上に位置する上部、中央部および下部とする。これら3箇所における第1サイドマージン部S1の測定値の平均値を、第1サイドマージン部S1の幅方向Wの寸法とし、これら3箇所における第2サイドマージン部S2の測定値の平均値を、第2エンドマージン部E2の長さ方向Lの寸法とする。
下地電極層121の厚さは、以下のように測定する。まず、電子部品100を研磨し、幅方向Wに直交する断面を露出させる。露出させた断面をマイクロスコープで観察して測定する。測定位置は、積層方向Tの中央部とする。
また、第1Niめっき層122、第2Niめっき層123および上側めっき層124の各々の厚さについては、以下のように測定する。まず、電子部品100をFIB装置により研磨し、幅方向Wに直交する断面を露出させる。露出させた断面をマイクロスコープで観察して、上記の各々の厚さを測定する。測定位置は、積層方向Tの中央部とする。なお、上側めっき層124の厚さについては、蛍光X線膜厚計を用いて測定してもよい。
以下、本発明の実施形態1に係る電子部品100の製造方法について説明する。なお、以下に示す電子部品100の製造方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法であって、製造過程の途中段階まで一括して加工処理を行なうことでマザー積層体を製作し、その後にマザー積層体を分断して個片化し、個片化後の軟質積層体にさらに加工処理を施すことによって複数の積層セラミックコンデンサを同時に大量に生産する方法である。
積層セラミックコンデンサである電子部品100を製造する際には、まず、セラミックスラリーが調製される。具体的には、セラミックス粉末、バインダおよび溶剤などが所定の配合比率で混合され、これによりセラミックスラリーが形成される。
次に、セラミックグリーンシートが形成される。具体的には、セラミックスラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコータ、または、マイクログラビアコータなどを用いてシート状に成形されることにより、セラミックグリーンシートが形成される。
次に、マザーシートが形成される。具体的には、セラミックグリーンシートに導電性ペーストが所定のパターンを有するようにスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いて印刷されることにより、セラミックグリーンシート上に所定の導電パターンが設けられたマザーシートが形成される。
なお、マザーシートとしては、導電パターンを有するマザーシートの他に、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートも準備される。
次に、マザーシートが積層される。具体的には、第1外層部X1を構成する、導電パターンが形成されていないマザーシートが所定枚数積層され、その上に、内層部Cを構成する、導電パターンが形成された複数のマザーシートが順次積層され、その上に、第2外層部X2を構成する、導電パターンが形成されていないマザーシートが所定枚数積層されることにより、マザーシート群が構成される。
次に、マザーシート群が圧着される。静水圧プレスまたは剛体プレスによってマザーシート群が積層方向Tに沿って加圧されて圧着されることにより、マザー積層体が形成される。
次に、マザー積層体が分断される。具体的には、押し切りまたはダイシングによってマザー積層体がマトリックス状に分断され、複数の軟質積層体に個片化される。
次に、軟質積層体がバレル研磨される。具体的には、軟質積層体が、セラミック材料よりも硬度の高いメディアボールとともにバレルと呼ばれる小箱内に封入され、当該バレルを回転させることにより、軟質積層体の角部および稜線部に曲面状の丸みがもたされる。
次に、軟質積層体が焼成される。具体的には、軟質積層体が所定の温度に加熱され、これにより誘電体セラミックス材料が焼成される。焼成温度は、誘電体セラミックス材料の種類に応じて適宜設定され、たとえば、900℃以上1300℃以下の範囲内で設定される。
次に、積層体である本体部110の表面に下地電極層が形成される。具体的には、第1外部電極120Aおよび第2外部電極120Bの各々の下地電極層121が、各種の薄膜形成法、各種の印刷法またはディップ法などにより形成される。たとえば、ディップ法により下地電極層を形成する場合、本体部110の第1端面115および第2端面116に導電性ペーストを塗布した後、導電性ペーストを焼き付ける。導電性ペーストは、有機溶剤と金属粒子とガラスとを含む。本実施形態においては、焼付け温度は、840℃である。
次に、めっき処理により下地電極層121を覆うように第1Niめっき層122、第2Niめっき層123および上側めっき層124が順次電解めっきにより形成される。上記各電極が形成されることにより、第1外部電極120Aおよび第2外部電極120Bが構成される。
本実施形態において、第1Niめっき層122および第2Niめっき層123は、バレル電気めっき装置を用いた電解めっきにより形成される。第1Niめっき層122の第1Ni粒子122Gおよび第2Niめっき層123の第2Ni粒子123Gの各々の平均粒径は、上記電解めっきで用いるめっき液中の金属イオン濃度、めっき液に含まれる添加剤の種類および濃度、電解めっき時に印加する電流の電流値、処理温度、または、めっき液の攪拌の強度などの加工条件を制御することによって、適宜設定することができる。たとえば、めっき液中における添加剤の濃度が大きいほど、Ni粒子の平均粒径は小さくなる。印加する電流の電流値が大きいほど、Ni粒子の平均粒径は小さくなる。めっき液の温度が高いほど、Ni粒子の平均粒径は小さくなる。
バレル電気めっき装置を用いた電解めっきの加工条件を制御することで、Niめっきの平均粒径を設定するときの加工条件の一例を下記表1に示す。なお、下記表1において、使用した添加剤はサッカリンである。
Figure 0007226161000001
表1に示すように、加工条件1、加工条件2および加工条件3の各々は、印加する電流の電流値が互いに異なっている。表1に示すように、電流値が大きいほど、形成されるNiめっきのNi粒子の粒径が小さくなっていることがわかる。
なお、添加剤としては、サッカリンの他に、ベンゼンスルホン酸、ベンゾチアゾール、チオ尿素、ベンゼルアセトン、ポリエチレングリコール、ブチンジオール、または、プロパルギルアルコール等を用いることができる。
なお、第1Niめっき層および第2Niめっき層を電解めっきにより形成した際には、水素イオンの還元反応により水素原子が生じる。この水素原子が、第1Niめっき層122および第2Niめっき層の各々に吸蔵される。吸蔵された水素原子は、外部電極120中を自由に移動することが可能となる。
上記の一連の工程を経ることにより、積層セラミックコンデンサである、本発明の実施形態1に係る電子部品100が製造される。
以下、電子部品において、第1Niめっき層122のNi粒子122Gの平均粒径DN1、第2Niめっき層123のNi粒子123Gの平均粒径DN2、第1Niめっき層122の厚さTN1、および、第2Niめっき層123の厚さTN2の各々を変更したときの、電子部品100における加速試験後の絶縁抵抗およびはんだ濡れ性の変化を評価した、第1の実験例について説明する。
本実験例においては、各実施例および各比較例に係る電子部品の長さ方向Lの寸法が1.10mm、幅方向Wの寸法が0.600mm、積層方向Tの寸法が0.600mmとなるように、電子部品を製造した。また、各実施例および各比較例に係る電子部品は、内層部Cに含まれる複数の誘電体層130の各々の厚さが0.60μm、内層部Cに含まれる複数の内部電極層140の各々の厚さが0.50μm、第1エンドマージン部E1の長さ方向Lの寸法および第2エンドマージン部E2の長さ方向Lの寸法の各々が40μm、第1サイドマージン部S1および第2サイドマージン部S2の幅方向Wの寸法の各々が20μm、第1外層部X1の積層方向Tの寸法および第2外層部X2の積層方向Tの寸法の各々が30μmとなるように製造した。
本実験例においては、Ni粒子の平均粒径の測定に用いるFIB装置として、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の「SMI-3050R」を使用した。
また、加速試験は、高温高湿度の槽内にて、電子部品に電圧を印加することにより行った。まず、各実施例および各比較例に係る電子部品を、125℃、相対湿度95%RHの雰囲気を有する槽内に設置した。そして、槽内に設置した電子部品について、1Vの直流電圧を第1外部電極120Aと第2外部電極120Bとの間に印加した状態で、100時間維持した。このように処理された電子部品について、絶縁抵抗値を測定し、加速試験前の状態での絶縁抵抗値に対して90%以下となった電子部品を「不良」と判定した。
はんだ濡れ性の評価は、株式会社レスカ製のソルダーチェッカー(品番:SAT-5100)を使用して、はんだ小球平衡法により行なった。なお、エージングは、不飽和型PCT装置を用いて、温度が105℃、相対湿度が100%以下RH、気圧が1.22×105Paの雰囲気下で4時間行った。また、はんだの組成はSn-3.0Ag-0.5Cu、はんだの質量は25±2.5mg、鉄芯の直径は2mm、フラックスは、ロジンを25wt%と2-プロパノール(イソプロピルアルコール)とを含むもの、はんだ側のフラックスの量は20±1μL、浸漬速度は1mm/s、浸漬深さは0.1mm、浸漬時間は10秒、測定レンジは5mN、試験温度は230±3℃とした。上記条件のもと、はんだ接触時から、はんだとの接触角が90度に戻るまでの時間T0を測定した。測定の結果、時間T0が4.0秒以下のものを「良好」、4.0秒超のものを「不良」と判定した。
各実施例および各比較例に係る電子部品について、加速試験後の絶縁抵抗およびはんだ濡れ性を評価した結果を下記表2から表4に示す。表2から表4においては、各実施例および各比較例について10個のサンプルの絶縁抵抗値を測定した結果、「不良」と判定された数が0個の場合に「A」、1個以上3個以下の場合に「B」、4個以上の場合に「C」として、加速試験後の絶縁抵抗の評価結果を示している。また、表2から表4においては、各実施例および各比較例について10個のサンプルの時間T0を測定した結果、「不良」と判定された数が0個だった場合に「A」、1個以上3個以下だった場合に「B」、4個以上だった場合に「C」として、はんだ濡れ性の評価結果を示している。
Figure 0007226161000002
Figure 0007226161000003
Figure 0007226161000004
表2から表4に示すように、第1Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN1が52nm超である比較例1~8、および、第1Niめっき層を有さない比較例9および10においては、加速試験後の絶縁抵抗の評価が「B」または「C」となっている。すなわち、各比較例に係る電子部品は、絶縁抵抗が低下する傾向がある。
絶縁抵抗が低くなる原因としては、以下のことが考えられる。上述したように、第1Niめっき層および第2Niめっき層を電解めっきにより形成した際に、水素原子が生じる。上記の各比較例に係る電子部品においては、この水素原子が、金属成分を有する外部電極中を自由に移動可能であり、水素原子は本体部内にも拡散する。本体部内に拡散した水素原子は、本体部の絶縁抵抗の低下を生じさせる。
しかしながら、表2から表4に示すように、第1Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN1が、52nm以下である実施例1~実施例26は、加速試験後の絶縁抵抗の評価が「A」となっている。すなわち、各実施例に係る電子部品は、絶縁抵抗が低下することが抑制されている。
絶縁抵抗の低下が抑制されている理由は、以下のように考えられる。
図6は、本発明の第1の実験例における比較例に係る電子部品において、外部電極の表面からの深さに対する、外部電極中の水素原子濃度の変化を測定した結果の一例を、模式的に示すグラフである。図7は、本発明の第1の実験例における実施例に係る電子部品において、外部電極の表面からの深さに対する、外部電極中の水素原子濃度の変化を測定した結果の一例を、模式的に示すグラフである。
図6および図7においては、第1Niめっき層および第2Niめっき層の両方を有する電子部品について測定した結果を示している。当該水素原子濃度は、たとえば、ダイナミック二次イオン質量分析法(D-SIMS:Dynamic-Secondary Ion Mass Spectrometry)により測定することができる。本実験例において、水素原子濃度は、Cameca社製の「IMS-6f」を用いて、ダイナミック二次イオン質量分析法(D-SIMS:Dynamic-Secondary Ion Mass Spectrometry)により測定した。
図6に示すように、比較例に係る電子部品については、外部電極内において、第1Niめっき層の水素原子濃度と第2Niめっき層の水素原子濃度とが略同一となっている。これに対して、図7に示すように、各実施例に係る電子部品については、外部電極内において、第1Niめっき層の水素原子濃度が最も高くなっている。さらに、図6および図7に示すように、比較例に係る電子部品の下地電極層の水素原子濃度より、実施例に係る電子部品の下地電極層の水素原子濃度が、低くなっている。
したがって、図6および図7に示すように、本実験例における各実施例に係る電子部品においては、第1Niめっき層122が水素原子をトラップするため、下地電極層121に拡散する水素原子が比較的少なくなり、ひいては、下地電極層121を介して本体部110に拡散する水素原子が比較的少なくなっていると考えられる。本体部110中の水素原子が少なければ、誘電体層130を拡散する水素原子も少なくなる。このようにして、上記各実施例に係る電子部品100においては、絶縁抵抗の低下が抑制されていると考えられる。
また、表2から表4に示すように、各実施例においては、第1Niめっき層は、Ni粒子の平均粒径が52nm以下であり、比較的小さい粒径のNi粒子で構成されている。すなわち、各実施例における第1Niめっき層は、Ni粒子の粒界面積が大きい。このため、各実施例において、外部電極120中を拡散している水素原子は、第1Niめっき層のNi粒子の界面上に溜まりやすくなると考えられる。
次に、はんだ濡れ性の評価結果について説明する。また、表2に示すように、第2Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN2が、第1Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN1の2.3倍以上である実施例1~5、7、8に係る電子部品は、はんだ濡れ性の評価が「A」である。一方、第2Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN2が、第1Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN1の2.3倍未満である実施例6、9に係る電子部品は、はんだ濡れ性の評価が「C」となっている。すなわち、第2Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN2が、第1Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN1の2.3倍以上であると、はんだ濡れ性が向上していることがわかる。
はんだ濡れ性が向上している理由については以下のように考えられる。外部電極120にはんだを付着させる際、はんだは、上側めっき層124を溶融させた後、第2Niめっき層123上を濡れ広がる。ここで、実施例1~5、7、8に係る電子部品は、上記の構成により、第2Niめっき層123を構成するNi粒子123Gの平均粒径が比較的大きくなっているため、第2Niめっき層123では、Niの酸化が抑制されている。このため、酸化が抑制された第2Niめっき層123の表面上においては、濡れ性が向上するものと考えられる。ひいては、外部電極120にはんだを付着させた際のはんだ濡れ性が向上するものと考えられる。
また、表3および表4に示すように、第1Niめっき層の厚さTN1が、第2Niめっき層の厚さTN2の0.03倍以上である実施例11~18、20~26に係る電子部品は、絶縁抵抗の低下が抑制されている。第1Niめっき層の厚さTN1が、第2Niめっき層の厚さTN2の14.5倍以下である実施例10~26に係る電子部品は、はんだ濡れ性が向上している。
表2に示すように、第2Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN2が99nm以上である実施例1~5、7、8に係る電子部品は、第2Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN2が99nm未満である実施例6、9に係る電子部品と比較して、はんだ濡れ性が向上している。
以上のように、本発明の実施形態1に係る電子部品100は、第1Niめっき層122が、平均粒径が52nm以下のNi粒子で構成されている。
これにより、第1Niめっき層122から本体部110へ水素原子が拡散することを抑制することができる。ひいては、電子部品100の電気的特性低下を抑制することができる。
本実施形態において、第2Niめっき層123を構成するNi粒子123Gの平均粒径は、第1Niめっき層122を構成するNi粒子の平均粒径の2.3倍以上である。
これにより、第2Niめっき層123の表面では酸化が抑制されることで、はんだ濡れ性が向上する。ひいては、外部電極120のはんだ濡れ性を向上させることができる。
本実施形態において、第1Niめっき層122の厚さは、第2Niめっき層123の厚さの0.03倍以上である。
これにより、水素原子のトラップが可能な第1Niめっき層122が、所定の厚さを有するように設けられているため、より多くの水素原子をトラップすることができる。ひいては、電子部品100の電気的特性の低下を抑制することができる。
本実施形態において、第1Niめっき層122の厚さは、第2Niめっき層123の厚さの14.5倍以下である。
これにより、第2Niめっき層123が所定の厚さを確保できるため、上側めっき層124がはんだの付着によって溶融したときに、第2Niめっき層123とともに第1Niめっき層122が露出することを抑制できる。よって、外部電極120のはんだ濡れ性が低下することを抑制することができる。
本実施形態において、第2Niめっき層123は、平均粒径が99nm以上のNi粒子で構成されている。
これにより、第2Niめっき層123のNi粒子123G表面酸化が抑制され、第2Niめっき層123のはんだ濡れ性が向上する。よって外部電極120のはんだ濡れ性を向上させることができる。
本実施形態において、下地電極層121は、金属を含んでいる。これにより、下地電極層121において所定の電気伝導率を確保できる。
本実施形態において、下地電極層121は、金属酸化物をさらに含んでいてもよい。これにより、本体部110と下地電極層121とを同時に焼成することにより形成する場合においては、下地電極層121と本体部110との固着力を向上させることができる。ひいては、外部電極120全体の厚さを薄くすることができる。
本実施形態において、下地電極層121は、ガラスをさらに含んでいる。これにより、導電性ペーストを本体部110に塗布して下地電極層121を設ける際に、上記ガラスが、導電性ペーストに含まれる焼結助剤と本体部110とを、互いに十分な強度で固着させることができる。
本実施形態において、下地電極層121は、樹脂成分をさらに含んでいてもよい。これにより、電子部品100が基板に実装された際に、基板のたわみに対して下地電極層121の強度を向上させることができる。
本実施形態において、下地電極層121に含まれる上記金属は、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)、または、これらのいずれかを有する合金を含んでいる。
これにより、下地電極層121に比較的高い導電性を付与することができる。
本実施形態に係る電子部品100は、積層セラミックコンデンサである。
本実施形態における電子部品100は、下地電極層121中への水素原子の拡散が抑制されている。よって、積層セラミックコンデンサの本体部110に含まれるセラミックスが水素原子で還元されることを抑制できる。ひいては、水素原子によるセラミックスの還元によって積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗が低下することを、抑制することができる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係る電子部品について説明する。本発明の実施形態2に係る電子部品は、外部電極が第2Niめっき層を含んでいない点で、本発明の実施形態1に係る電子部品100と異なる。よって、本発明の実施形態1に係る電子部品と同様である構成については説明を繰り返さない。
図8は、本発明の実施形態2に係る電子部品を示す断面図である。なお、図8においては、図2と同一の断面視にて図示している。図8に示すように、本発明の実施形態2に係る電子部品200においては、上側めっき層124は、第1Niめっき層222上に形成されている。
次に、本実施形態に係る電子部品200における加速試験後の絶縁抵抗を評価した第2の実験例について説明する。第2の実験例における各測定条件および絶縁抵抗の評価方法は、本発明の実施形態1における第1の実験例と同様である。
第2の実験例において、各実施例および各比較例に係る電子部品について、加速試験後の絶縁抵抗を評価した結果を下記表5に示す。
Figure 0007226161000005
表5に示すように、第1Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN1が52nm超である比較例11~15においては、加速試験後の絶縁抵抗の評価が「B」または「C」となっている。一方、第1Niめっき層のNi粒子の平均粒径DN1が、52nm以下である実施例27~実施例32は、加速試験後の絶縁抵抗の評価が「A」となっている。すなわち、第2の実験例においても、各実施例に係る電子部品は、絶縁抵抗の低下が抑制されている。
以上により、本発明の実施形態2においても、第1Niめっき層222は、平均粒径が52nm以下のNi粒子122Gで構成されているため、第1Niめっき層222から本体部110へ水素原子が拡散することを抑制することができる。ひいては、電子部品100の特性低下を抑制することができる。
上述した実施形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,200 電子部品、110 本体部、111 第1主面、112 第2主面、113 第1側面、114 第2側面、115 第1端面、116 第2端面、120 外部電極、120A 第1外部電極、120B 第2外部電極、121 下地電極層、122,222 第1Niめっき層、122G,123G Ni粒子、123 第2Niめっき層、124 上側めっき層、130 誘電体層、140 内部電極層、140A 第1内部電極層、140B 第2内部電極層、141A,141B 対向部、142A,142B 引出部、C 内層部、E1 第1エンドマージン部、E2 第2エンドマージン部、P1,P2 測定位置、S1 第1サイドマージン部、S2 第2サイドマージン部、X1 第1外層部、X2 第2外層部。

Claims (16)

  1. 本体部と、
    前記本体部の表面に設けられた外部電極とを備え、
    前記外部電極は、下地電極層と、該下地電極層上に形成された第1Ni(ニッケル)めっき層と、該第1Niめっき層の上方に形成された上側めっき層とを含み、
    前記第1Niめっき層は、平均粒径が52nm以下のNi粒子で構成されており、
    前記外部電極は、前記第1Niめっき層と前記上側めっき層との間に位置する第2Niめっき層をさらに含み、
    前記第2Niめっき層を構成するNi粒子の平均粒径は、前記第1Niめっき層を構成するNi粒子の平均粒径の2.3倍以上であり、かつ、前記第1Niめっき層および前記第2Niめっき層の合計平均厚さが、0.5μm以上3.7μm以下であり、
    前記外部電極内において、各層の水素原子濃度のうち前記第1Niめっき層の水素原子濃度が最も高くなっている、電子部品。
  2. 前記第1Niめっき層の厚さは、前記第2Niめっき層の厚さの0.03倍以上である、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記第1Niめっき層の厚さは、前記第2Niめっき層の厚さの14.5倍以下である、請求項2に記載の電子部品。
  4. 本体部と、
    前記本体部の表面に設けられた外部電極とを備え、
    前記外部電極は、下地電極層と、該下地電極層上に形成された第1Ni(ニッケル)めっき層と、該第1Niめっき層の上方に形成された上側めっき層とを含み、
    前記第1Niめっき層は、平均粒径が52nm以下のNi粒子で構成されており、
    前記外部電極は、前記第1Niめっき層と前記上側めっき層との間に位置する第2Niめっき層をさらに含み、
    前記第2Niめっき層は、平均粒径が99nm以上のNi粒子で構成されており、かつ、前記第1Niめっき層および前記第2Niめっき層の合計平均厚さが、0.5μm以上3.7μm以下であり、
    前記外部電極内において、各層の水素原子濃度のうち前記第1Niめっき層の水素原子濃度が最も高くなっている、電子部品。
  5. 前記第1Niめっき層の厚さは、前記第2Niめっき層の厚さの0.03倍以上である、請求項4に記載の電子部品。
  6. 前記第1Niめっき層の厚さは、前記第2Niめっき層の厚さの14.5倍以下である、請求項5に記載の電子部品。
  7. 前記下地電極層は、金属を含む、請求項1または請求項4に記載の電子部品。
  8. 前記下地電極層は、金属酸化物をさらに含む、請求項7に記載の電子部品。
  9. 前記下地電極層は、ガラスをさらに含む、請求項7に記載の電子部品。
  10. 前記下地電極層は、金属酸化物をさらに含む、請求項9に記載の電子部品。
  11. 前記下地電極層は、樹脂成分をさらに含む、請求項7に記載の電子部品。
  12. 前記下地電極層は、金属酸化物をさらに含む、請求項11に記載の電子部品。
  13. 前記下地電極層は、ガラスおよび樹脂成分をさらに含む、請求項7に記載の電子部品。
  14. 前記下地電極層は、金属酸化物をさらに含む、請求項13に記載の電子部品。
  15. 前記金属は、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)、または、これらのいずれかを有する合金を含んでいる、請求項7に記載の電子部品。
  16. 前記電子部品は、積層セラミックコンデンサである、請求項1または請求項4に記載の電子部品。
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