JP2017011142A - セラミック電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、電子機器の高性能化、小型化に求められる小型電子部品の高密度実装性を確保するための積層セラミック電子部品を提供することである。【解決手段】本発明は、セラミックチップ素体の端面に端子電極が形成されたセラミック電子部品に関するもので、小型電子部品の高密度実装性を提供することで、前記小型電子部品が搭載される電子機器の実装スペース設計自由度向上や省スペース化を可能とし、前記小型電子部品が搭載される電子機器の高性能化、小型化を提供できるという効果を奏するものであり、特に、内部電極を内設したセラミック素体の両端部に下地電極層を、該下地電極層上に第一のメッキ層及び第二のメッキ層を順に重層して端子電極を形成するセラミック電子部品であって、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面は、変曲点を有さない形状であることを特徴とする、セラミック電子部品に関するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックコンデンサを代表とするセラミック電子部品に関するもので、特に、セラミックチップ素体の端面に端子電極が形成されたセラミック電子部品に関するものである。
電子機器の高性能化を背景に、電子部品は小型化しながらも、その容量を一層大きくすることが要請され、誘電体層の薄層化、誘電材料の比誘電率向上、内部電極層の薄層化が進められている。セラミックチップ素体の端面に端子電極が形成されたセラミック電子部品においては、端子電極の厚さを極力薄くし、誘電体層、電極層を含む有効素体体積を大きくすることで高容量化には有効である。
また電子機器の小型化を図り、電子部品を含む電気機器の小型化を図りつつ、高密度容量化が求められている。それにより、設計自由度の向上や省スペース化等の実現の要求が高まっている。そのため、電子機器の実装スペースを有効に活用するためには、小型電子部品を高密度に実装することが必要とされる。
積層セラミック電子部品のようなチップ状の電子部品は、実装基板上に表面実装された状態で用いられる。その場合、電子部品の実装工程において、吸着ノズルによって保持された電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻るとき、これに付着して電子部品が不所望にも持ち帰られるエラーを引き起こす場合がある。
そのため、特許文献1には、エラーの原因となる電子部品本体の側面でのめっき膜厚みを薄くしながらも、端面でのめっき膜厚を十分に得られる電子部品の製造方法に関する技術が開示されている。前記製造方法の特徴は、振動めっき工程において、めっき漕内の電子部品本体の導電性の下地層の総比表面積に対して、メディアの総比表面積が1.5〜3.5倍になるようにし、かつ、下地層側の単位面積あたりのめっき膜重量をA、メディア側の単位面積あたりのめっき膜重量をBとしたとき、{A/(A+B)}×100[%] で表される分配率が30〜50%となるようにすることにより、端面のめっき膜厚を十分確保している。これにより、吸着ノズルによって保持された電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻ろうとするとき、これに付着して電子部品が不所望にも持ち帰られるエラーを回避できることが記載されている。
また、電子部品の装着ヘッドへの吸着、脱離は真空吸着と気体吹き出しによって行っている。そのため、電子部品と装着ヘッドの間に、真空吸着漏れ、あるいは空気等の気体吹き出し時の気流乱れがあると、装着精度が低下してしまう。電子部品の装着ヘッドへの吸着、脱離においては、装着ヘッドは端子電極部分にも接触するため、電子部品の主面と端子電極の高低差が大きいと真空吸着漏れが発生してしまう。そのため、素体の長さが短いほど、端子電極間の距離が小さくなるため、吸着面の段差の影響が大きくなり、真空吸着漏れが発生しやすく、実装精度が低下するという課題があった。
この課題に対しては、セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の厚みを所望の厚みに制御することが重要である。このため、特許文献2では、セラミック素体に特別な加工を施さなくても、所望の膜厚分布を有する薄層の外部電極が得られる積層セラミック電子部品の外部電極構造として、端面部分及び回り込み部分に、凹部が形成された積層セラミック電子部品に関する技術が開示されている。
特開2005−333043号公報 特開2013−12561号公報
しかしながら、吸着ノズルによって保持された電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻ろうとするとき、吸着ノズルに付着して電子部品が持ち帰られるエラーを回避するためには、特許文献1の記載のような端面のめっき膜厚のコントロールだけでは不十分であり、下地層の厚みとめっき膜の厚み比率をコントロールすることが必要である。
また、吸着ノズルによって保持された電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻ろうとするとき、これに付着して電子部品が不所望にも持ち帰られるエラーを回避するためには、凹部が形成されていないことが好ましい。また精度よく実装するためには、凹部が形成されていないことが好ましい。
そこで、本発明の目的は、上記に鑑みてなされたものであって、電子部品の高性能化、小型化に求められるセラミック電子部品の実装性を向上できるセラミック電子部品を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明のセラミック電子部品は、内部電極を内設したセラミック素体の両端部に下地電極層を、該下地電極層上にメッキ層を形成して端子電極を形成するセラミック電子部品であって、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面は、変曲点を有さない形状であり、前記セラミック素体の両主面を覆う前記下地電極厚みをHsubとし、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極厚みをHとしたとき、0.2≦Hsub/H≦0.5の関係を満たすことを特徴としている。
前記変曲点とは、セラミック電子部品の主面に対して垂直な長さ方向の断面を観察した際、セラミック電子部品の主面を覆う端子電極の輪郭を曲率半径10μm以下の輪郭をカットした2次元の関数で近似した場合に、前記関数の2次導関数の符号が変化する点である。
セラミック電子部品の実装時に使用される表面実装機において、セラミック電子部品と接する装着ヘッドは、セラミックチップ素体の両主面を覆う前記端子電極の表面部に接触する。そのため、変曲点が無ければ、吸着ノズルの真空圧力や吸着ノズルとの接触圧力、あるいは、基板実装時の接触圧力が接触面に均等に加わるため、前記セラミック電子部品の端子電極に吸着ノズルが食い込むことがなく、吸着ノズルによって保持された電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻ろうとするとき、これに付着して電子部品が不所望にも持ち帰られるエラーの発生を抑制することが出来る。
また、前記セラミック素体の両主面を覆う前記下地電極厚みをHsubとし、前記前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極厚みをHとしたとき、0.2≦Hsub/H≦0.5の関係を満たすことにより、電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされたときに比較的硬い材質の吸着ノズルと下地電極層に挟まれる比較的軟らかい材質のめっき膜を押しつぶすことが無いため、前記セラミック電子部品の端子電極に吸着ノズルが食い込むことがなく、吸着ノズルによって保持された電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻ろうとするとき、これに付着して電子部品が不所望にも持ち帰られるエラーの発生を抑制することが出来る。
本発明のセラミック電子部品は、内部電極を内設したセラミック素体の両端部に下地電極層を、該下地電極層上にメッキ層を順に重層して端子電極を形成するセラミック電子部品であって、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面は、変曲点を有さない形状であり、前記端子電極を含む素体長手方向の長さをL、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極厚みをHとしたとき、0.015≦H/L≦0.035の関係を満たすことを特徴としている。なお、ここでいう変曲点とは、前述と同様である。
セラミック電子部品の実装時に使用される表面実装機の装着ノズルは、セラミック電子部品の端子電極に接触するため、特に真空吸着、真空吸着破壊、空気等の吹き出しによって、前記セラミック電子部品を着脱して実装する場合には、前記セラミック電子部品におけるセラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面に、変曲点が無ければ真空吸着が確保され、空気等の気体吹き出し時の気流乱れが無く、高い装着精度が得られる。
前記セラミック電子部品におけるセラミック素体の前記端子電極を含む素体長手方向の長さをLに対して、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の厚みHの比率が、0.015≦H/L≦0.035の関係を満たすことにより真空吸着漏れ、あるいは空気等の気体吹き出し時の気流乱れが無く、高い装着精度が得られる。
本発明では、電子部品の高性能化、小型化に求められる電子部品の実装性を向上することのできる積層セラミック電子部品を提供することができる。
図1は積層セラミック電子部品の代表例として、積層セラミックチップコンデンサの斜視図である。 図2は積層セラミック電子部品の代表例として、積層セラミックチップコンデンサの断面拡大断面図である。 図3は積層セラミック電子部品の代表例として、積層セラミックチップコンデンサの端部拡大断面図である。 図4は積層セラミック電子部品の代表例として、積層セラミックチップコンデンサの両主面を覆う端子電極において変曲点を有さない形状の一例 図5は積層セラミック電子部品の代表例として、積層セラミックチップコンデンサの両主面を覆う端子電極において変曲点を有する形状の一例 図6は積層セラミック電子部品の代表例として、積層セラミックチップコンデンサの両主面を覆う端子電極において変曲点を有する形状の一例
以下、本発明に係わる電子部品の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる電子部品の一実施形態を示す斜視図である。同図において、本実施形態の積層セラミック電子部品1は積層型セラミックチップコンデンサであり、実装基板2に実装される。なお、以下の実施形態に記載した内容により本発明が積層型セラミックチップコンデンサに限定されるものではなく、セラミック回路基板、圧電セラミック部品等のセラミック電子部品に適用することができる。電子部品1は、略直方体状のセラミック素体3と、このセラミック素体3の長手方向の両端部に設けられた1対の端子電極4A、4Bとを備えている。
セラミック素体3は、端面(3a、3b)、主面(3c、3d)、側面(3e、3f)とを有している。ここでは、セラミック素体3の主面3dを実装基板2に対する実装面としている。セラミック素体3の各角部5は丸みを有している。
セラミック素体3は、図2に示すように、複数の誘電体層6と複数の内部電極7Aと複数の内部電極7Bとが積層されてなる構造を有している。内部電極7Aと内部電極7Bとは、誘電体層6を介して交互に積層されている。内部電極7Aはセラミック素体3の端面3aに露出し、内部電極層7Bはセラミック素体3の端面3bに露出している。誘電体セラミック層6は、例えばBaTiO系セラミックやCaZrO系セラミック等で形成されている。内部電極層7A、7Bは、例えばPd、Ag/Pd合金、Ni、Ni合金等で形成されている。
端子電極4Aは、各内部電極層7Aと電気的に接合され、端子電極4B層は、各内部電極7Bと電気的に接合されている。端子電極4Aは、セラミック素体3の端面3aを覆うと共に当該端面3aから4つの角部5を介して主面(3c、3d)、側面(3e、3f)に回り込むように形成された下地電極層8Aを有している。焼付電極層8Aの表面にはNiめっき層9Aが形成され、このNiめっき層9A上にはSnめっき層10Aが形成されている。端子電極4Bは、セラミック素体3の端面3bを覆うと共に当該端面3bから4つの角部5を介して主面(3c、3d)、側面(3e、3f)に回り込むように形成された下地電極層8Bを有している。下地電極層8Bの表面にはNiめっき層9Bが形成され、このNiめっき層9B上にはSnめっき層10Bが形成されている。
下地電極層8A、8Bは、例えば銅ペーストや銀ペースト等の導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより形成される。Niめっき層9A、9Bは半田により電子部品1を実装基板2に実装する際に、下地電極層8A、8Bの半田喰われを防ぐための層である。Snめっき層10A、10Bは、半田により電子部品1を実装基板2に実装する際に、実装基板2上の電極バッド2aに端子電極4A、4Bが付きやすくするための層である。
このようなセラミック電子部品1において、図3に示すように、セラミック素体3の両主面を覆う下地電極層の厚みをHsubとし、セラミック素体3の両主面を覆う端子電極4A、4Bの厚みをHとしたときに、0.2≦Hsub/H≦0.5の関係を満たすことが好ましい。より好ましくは0.25≦Hsub/H≦0.5である。それにより、セラミック電子部品1が実装基板2上の所定の位置にマウントされたときに比較的硬い材質の吸着ノズルと下地電極層8A、8Bに挟まれる比較的軟らかい材質のめっき膜9A、9B、10A、10Bを押しつぶすことが無いため、前記セラミック電子部品1の端子電極4A、4Bに吸着ノズルが食い込むことがなく、吸着ノズルによって保持されたセラミック電子部品1が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻ろうとするとき、これに付着してセラミック電子部品1が不所望にも持ち帰られるエラーを抑制することが出来る。
また、セラミック電子部品1におけるセラミック素体3の前記端子電極4A、4Bを含むセラミック電子部品1の長手方向の長さをLとしたときに、前記セラミック素体3の両主面を覆う前記端子電極4A、4Bの厚みHの比率が、0.015≦H/L≦0.035の関係を満たすことにより真空吸着漏れ、あるいは空気等の気体吹き出し時の気流乱れが無く、装着精度が安定的に行う事が可能となる。より好ましくは.0.015≦H/L≦0.030である。それにより、セラミック電子部品1において、図3に示すように、セラミック素体3の前記端子電極4A、4Bの素体長手方向の長さをBとしたときに、長さBの50%未満の装着精度を満足する事ができる。
また、上記範囲のセラミック素体3の前記端子電極4A、4Bを含むセラミック電子部品1の長手方向の長さLに対する下地電極層8A、8B厚みをHsubとしたときに、0.0040≦Hsub/L≦0.015の関係を満たすこと好ましい。比較的硬い材質の下地焼き付け層の比率が0.0040≦Hsub/L≦0.015の関係を満たすことにより、セラミック電子部品1が実装基板2上の所定の位置にマウントされる際に、吸着ノズルによる応力に対してセラミック電子部品1の保形性が確保できるため、前記記載の持ち帰りエラーおよび装着精度を一層高めることが可能である。
また、図2に示すNiめっき層9A、9Bの厚みは、1μm〜5μmであり、Snめっき層10A、10Bの厚みは、1μm〜5μmであることが好ましい。
次に、積層セラミック電子部品1を製造する手段について説明する。まず、例えばシート積層方法によって、誘電体セラミック層6および内部電極7A、7Bを有するグリーン状態の素体を作製する。
続いて、グリーン状態の素体を純水と共にバレル機へ導入し、当該素体のバレル研磨を所定時間行うことにより、グリーン状態の素体の各角部を丸める。素体の各角部の曲率半径は、バレル研磨を行う時間(バレル時間)によって調整され、バレル時間が長くなるほど曲率半径が大きくなる。このとき、焼成後の各角部の曲率半径で10μm〜30μmとなるようにバレル研磨を行うことが好ましい。なお、バレル研磨を行わなくても本発明は実施することが可能である。次に、バレル研磨後の素体を所定温度で所定時間だけ焼成する。これにより、セラミック素体3が得られる。
本発明のセラミック電子部品1の所望の形状を設けるためには、前記セラミック素体3の表面張力をコントロールする処理を行うことや、下地電極層8A、8Bの厚みをコントロールすることが重要である。例えば、セラミック素体の表面張力のコントールするためには、グリスあるいはワックス等の鉱物油を炭化水素系有機溶剤や希釈した溶液に前記セラミック素体2を浸して乾燥する手法がある。また、前記セラミック素体3に空気、O、CF、C、C等プロセスガスを作用させプラズマ状態において生成するラジカルなどの活性種を作用させて行なう手法もある。他にも各種有機あるは無機あるいは有機無機混合撥水処理剤を含有させた液中に浸漬処理し、乾燥等の手法や前記セラミック素体3は熱処理を行って、セラミック素体の表面性をコントロールしてもよい。それらの手法を施すことにより、変曲点を生じさせない下地層を設ける事が可能となる。
続いて、セラミック素体3の両端部に端子電極4A,4Bを形成する。具体的には、例えばペースト浸漬法によって、セラミック素体3の端面(3a,3b)及び主面(3c、3d)、側面(3e、3f)の両端部分に導電ペーストを塗布する。そして、例えばブロット法により過剰の導電ペーストを除去する。そして、導電ペーストを所定時間乾燥させた後、導電ペーストを焼き付けることにより、下地電極層8A,8Bを形成する。続いて、例えば電気めっきによって、焼付電極層8A,8B上にNiめっき層9A,9B及びSnめっき層10A,10Bを順次形成する。以上により、上記の積層セラミックチップコンデンサ1が完成する。
実施形態1
本発明に係るセラミック電子部品の実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
まず、図1に示すようなセラミック素体3を準備する。セラミック素体は外部端子電極4A、4Bを形成した後の外形寸法が0.6mm×0.3mm×0.3mmとなるものを用いた。次に鉱物油を主成分とするグリースを炭化水素系有機溶剤で溶かした溶液にセラミック素体3を投入し、乾燥させることでセラミック素体3表面の撥水処理を行う。
他方、端子電極4A、4Bを形成するために用いる下地電極層8A、8Bのための導電性ペーストを準備する。導電性ペーストは金属粉末、樹脂および溶剤を含み、好ましくはガラス成分を含む。金属粉末としては、金属単体として含まれていてもよく、合金として含まれていてもよい。金属としては、Cu、Ni、Ag、Pd等を用いることが出来る。樹脂としては、アクリル、ブチラール、ポリビニルアルコール、エチルセルロース等を用いることが出来る。溶剤としては、エタノール、キシレン、ブチルカルビトール、ターピネオール等を用いることが出来る。ガラスは軟化温度が好ましくは700℃以下であることが好ましい。軟化温度の低いガラス粉末を用いることによって、下地電極層8A、8Bを形成する際の焼成温度を低くすることが可能となり、金属の酸化やセラミック素体3の性能低下を十分に抑制することが出来る。
次に、セラミック素体3の端面を電極ペーストの中に深さ60μmになるように浸漬し、引き上げ電極ペーストを乾燥させる。
次に、積層セラミック電子部品1の下地電極層8A、8Bを形成するため、電極ペーストが塗布されたセラミック素体3を800℃程度の温度で熱処理する。熱処理の雰囲気は必要に応じて例えば窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気とし、熱処理温度は、ペーストに含まれているガラス粉末の軟化点温度以上とする。具体的には熱処理温度は500℃〜850℃、より好ましくは550℃〜850℃とする。焼成時間は、好ましくは0.1時間〜10時間、より好ましくは0.5〜5時間とする。このような熱処理条件で熱処理することによって。熱や元素拡散によるセラミック素体3の性能低下を抑制しつつ、緻密な下地電極層8A、8Bを形成することが出来る。
次に、積層セラミック電子部品1の第1の金属めっき層9A、9B、第2の金属めっき層10A、10Bを形成する。第1の金属めっき層9A、9Bにははんだ食われを防止するためにNiを用い、第2の金属めっき層10A、10Bにははんだ付け性をよくするためにSnを用いる。
外部端子電極4A、4Bとして、下地電極層8A、8B、第1の金属めっき層9A、9B、第2の金属めっき層10A、10Bを備えた積層セラミック電子部品1の外形寸法を測定しところ、0.6mm×0.3mm×0.3mmであった。次にこの積層セラミック電子部品1の断面を研磨によって出し、積層セラミック電子部品1の両主面を覆う下地電極層8A、8Bの厚みHsub、セラミック電子部品1の両主面を覆う端子電極8A、8Bの厚みH、およびセラミック電子部品1の両主面を覆う端子電極8A、8Bの長さBをSEM観察によって測定したところ、変曲点を有さない形状であり、Hsub=2.4μm、H=10.4μm、B=150μmであった。
次に、積層セラミック電子部品1を表面実装装置いわゆるマウンタで基板への実装を行った。基板実装後にマイクロスコープで基板上の積層セラミック電子部品1を観察し、狙い位置からのずれ量である実装精度を計測したところ、実装精度は69μmであり、両主面を覆う端子電極4A、4Bの長さBの92%だった。実装精度に関しては、両主面を覆う端子電極4A、4Bの長さBの50%以下の実装精度であれば、実装基板の実装密度を損なうことが無い。
以下に、各項目の測定法を記述する。
[持ち帰りエラー率測定法]
基板に積層セラミック電子部品10000個の実装を行い、持ち帰りエラーが発生した個数を数え、持ち帰りエラー率とした。
[実装精度測定法]
基板に積層セラミック電子部品100個の実装を行い、実装基板にはんだ付けを行ったはんだ位置から、実装基板上に実装された積層セラミック電子部品の位置ずれ寸法を計測した平均値を実装精度とした。
Figure 2017011142
表1は外形寸法が0.6mm×0.3mm×0.3mmの積層セラミック電子部品を10000個ずつ用意し、セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の厚みHを10μm程度になるように金属めっき厚みを調整した積層セラミック電子部品の両主面を覆う下地電極層の厚みHsubが異なるサンプルの厚み測定結果、実装時の持ち帰りエラー率である。
Figure 2017011142
表2は外形寸法が0.4mm×0.2mm×0.2mmの積層セラミック電子部品を10000個準備し、表1、表2と同様の測定、評価を行ったものである。この際、セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の長さBを100μmになるようにした。
Figure 2017011142
表3は外形寸法が0.2mm×0.1mm×0.1mmの積層セラミック電子部品を10000個準備し、表1、表2と同様の測定、評価を行ったものである。この際、セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極4A、4Bの長さBを50μmになるようにした。
表1、表2および表3よりセラミック素体の端面に外部端子電極が形成されたセラミック電子部品において、セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面は、図4のように変曲点を有さない形状であり、積層セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の厚みHに対するセラミック素体の両主面を覆う下地電極層の厚みをHsubとしたとき
0.2≦Hsub/H≦0.5
の関係を満たせば、積層セラミック電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされたときに比較的硬い材質の吸着ノズルと下地電極層に挟まれる比較的軟らかい材質のめっき膜を押しつぶすことが無いため、前記セラミック電子部品の端子電極に吸着ノズルが食い込むことがなく、吸着ノズルによって保持されたセラミック電子部品が実装基板上の所定の位置にマウントされた後、吸着ノズルが戻ろうとするとき、これに付着してセラミック電子部品が不所望にも持ち帰られるエラーを抑制することが出来る。図5、図6は変曲点を有する形状の例である。
Figure 2017011142
表4は外形寸法が0.6mm×0.3mm×0.3mmの積層セラミック電子部品を100個ずつ用意し、セラミック電子部品の両主面を覆う下地電極層の厚みHsubおよびセラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の厚みHが異なる積層セラミック電子部品の厚み測定結果、および表面実装装置いわゆるマウンタで実装基板への実装を行った実装精度である。
Figure 2017011142
表5は外形寸法が0.4×0.2×0.2mmの積層セラミック電子部品を100個ずつ用意し、セラミック電子部品の両主面を覆う下地電極層の厚みHsubおよびセラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の厚みHが異なる積層セラミック電子部品の厚み測定結果、および表面実装装置いわゆるマウンタで基板への実装を行った実装精度である。
Figure 2017011142
表6は外形寸法が0.2mm×0.1mm×0.1mmの積層セラミック電子部品を100個ずつ用意し、セラミック電子部品の両主面を覆う下地電極層8A、8Bの厚みHsubおよびセラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の厚みHが異なる積層セラミック電子部品の厚み測定結果、および表面実装装置いわゆるマウンタで実装基板への実装を行った実装精度である。
表4、表5および表6よりセラミックチップ素体の端面に端子電極が形成されたセラミック電子部品において、セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面は、図4のように変曲点を有さない形状であり、端子電極を含むセラミック電子部品の長手方向の長さLに対する、セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極の厚みをHとしたとき、
0.015≦H/L≦0.035
の関係を満たせば実装精度の高い表面実装を行うことが出来る。図5、図6は変曲点を有する形状の例である。
表1、表2、表3、表4、表5、表6よりセラミックチップ素体の端面に端子電極が形成されたセラミック電子部品において、セラミック素体の前記端子電極を含むセラミック電子部品1の長手方向の長さLに対する下地電極層の厚みをHsubとしたときに、
0.0040≦Hsub/L≦0.015
の関係を満たすこと好ましい。比較的硬い材質の下地焼き付け層の比率が0.0040≦Hsub/L≦0.015の関係を満たすことにより、セラミック電子部品1が実装基板2上の所定の位置にマウントされる際に、吸着ノズルによる応力に対してセラミック電子部品1の保形性が確保できるため、前記記載の持ち帰りエラーおよび装着精度を一層高めることが可能である。
以上のように、本発明に係る積層型セラミック電子部品の製造方法は、小型大容量品の製造において特に有用である。
1:積層セラミック電子部品
2:実装基板
3:セラミック素体
3a,3b:端面
3c,3d:主面
3e,3f:側面
4A,4B:端子電極
5:角部
6:誘電体セラミック層
7A,7B:内部電極層
8A,8B:下地電極層
9A,9B:第一の金属めっき層
10A,10B:第二の金属めっき層
L:セラミック電子部品の端子電極4A,4Bを含む素体長手方向の長さ
W:セラミック電子部品の端子電極4A,4Bを含む素体幅手方向の長さ
T:セラミック電子部品の端子電極4A,4Bを含む素体高さ
H:セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極4A,4Bの厚み
Hsub:セラミック電子部品の両主面を覆う下地電極層8A,8Bの厚み
B:セラミック電子部品の両主面を覆う端子電極4A,4Bの素体長手方向の長さ

Claims (3)

  1. 内部電極を内設したセラミック素体の両端部に下地電極層を、該下地電極層上にメッキ層を形成して端子電極を形成するセラミック電子部品であって、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面は、変曲点を有さない形状であり、前記セラミック素体の両主面を覆う前記下地電極厚みをHsubとし、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極厚みをHとしたとき、
    0.2≦Hsub/H≦0.5
    であることを特徴とする、セラミック電子部品。
  2. 内部電極を内設したセラミック素体の両端部に下地電極層を、該下地電極層上にメッキ層を形成して端子電極を形成するセラミック電子部品であって、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極の表面は、変曲点を有さない形状であり、前記端子電極を含む素体長手方向の長さをL、前記セラミック素体の両主面を覆う前記端子電極厚みをHとしたとき、
    0.015≦H/L≦0.035
    の関係を満たすことを特徴とする、セラミック電子部品。
  3. 前記端子電極を含む素体長手方向の長さをL、前記セラミック素体の両主面を覆う前記下地電極厚みをHsubとしたとき、
    0.0040≦Hsub/L≦0.015
    の関係を満たすことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のセラミック電子部品。
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