JP2021019018A - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層セラミック電子部品の耐湿性を向上する。【解決手段】本発明に基づく積層セラミック電子部品100において、積層体110は、第1外層部141と、第1外側内部電極層151と含んでいる。第1外層部141は、複数の誘電体層140のうち、第1主面111を構成している。第1外側内部電極層151は、複数の内部電極層150のうち、第1外層部141と互いに隣接している。第1外側内部電極層151は、第1端面115において第1外部電極120と接している。第1端面115における第1外層部141の厚さは、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さより厚い。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミック電子部品およびその製造方法に関する。
積層セラミック電子部品の構成を開示した文献として、特開2001−210545号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された積層セラミック電子部品は、電子部品素体と、第1および第2の外部電極とを備えている。電子部品素体は、長手方向寸法が略0.6mm以下、幅方向寸法が略0.3mm以下、厚み方向寸法が略0.3mm以下である。電子部品素体は、長さ方向両端に位置する第1および第2の端面を有している。第1および第2の外部電極の各々は、電子部品素体の第1および第2の端面を覆い、かつ電子部品素体の端面に隣接する他の面に至る電極被り部を有するように、形成されている。第1および第2の外部電極の各々は、焼結金属層と、焼結金属層上に形成されたNiメッキ層とを含んでいる。
特開2001−210545号公報
従来の積層セラミック電子部品においては、外部電極中の下地電極層は、ディップ法により設けられる。具体的には、積層体の長さ方向が重力方向に沿っている状態で、積層体を導電性ペーストに浸漬することで、下地電極層が設けられる。積層体の稜線部上に設けられた導電性ペーストは、重力によって積層体の端面の中央部に向かって流れるとともに、表面張力によって積層体の主面側および側面側に集まる。これにより、稜線部上に設けられた外部電極は、厚さが比較的薄くなっている。
また、従来の積層セラミック電子部品においては、積層体の稜線部が丸みを帯びているため、内部電極層のうち最も外側に位置する内部電極層が、稜線部に比較的近接している。よって、厚さが比較的薄くなっている稜線部上に設けられた外部電極を通って、内部電極層のうち最も外側に位置する内部電極層の誘電体層との界面に、水分が浸入しやすくなっている。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、耐湿性を向上できる積層セラミック電子部品を提供することを目的とする。
本発明に基づく積層セラミック電子部品は、積層体と、第1外部電極と、第2外部電極とを備えている。積層体は、積層方向に沿って交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含んでいる。積層体は、第1主面および第2主面と、第1側面および第2側面と、第1端面および第2端面とを含んでいる。第1主面および第2主面は、上記積層方向において相対する。第1側面および第2側面は、上記積層方向に直交する幅方向において相対する。第1端面および第2端面は、上記積層方向および幅方向の両方に直交する長さ方向において相対する。第1外部電極は、第1端面から第1主面、第2主面、第1側面および第2側面の各々にわたって設けられている。第2外部電極は、第2端面から第1主面、第2主面、第1側面および第2側面の各々にわたって設けられている。積層体は、第1外層部と、第1外側内部電極層とを含んでいる。第1外層部は、複数の誘電体層のうち、第1主面を構成している。第1外側内部電極層は、複数の内部電極層のうち、第1外層部と互いに隣接している。第1外側内部電極層は、第1端面において第1外部電極と接している。第1端面における第1外層部の厚さは、長さ方向の中央部における第1外層部の厚さより厚い。
本発明に基づく積層セラミック電子部品の製造方法は、圧縮前のマザー積層体を形成する工程と、圧縮する工程と、研削工程と、切断工程と、焼成する工程と、研磨する工程と、外部電極形成工程とを備えている。圧縮前のマザー積層体を形成する工程は、内層部を形成する工程と、第1外層誘電体部を形成する工程と、第1被研削部を形成する工程とを含んでいる。内層部を形成する工程においては、内部電極用導電性ペーストが塗布された複数の誘電体シートを積層する。第1外層誘電体部を形成する工程においては、内層部における積層方向の一方側に複数の誘電体シートをさらに積層する。第1被研削部を形成する工程においては、第1外層誘電体部における積層方向の一方側に複数の誘電体シートをさらに積層する。圧縮する工程においては、圧縮前のマザー積層体を、上記積層方向にプレスする。研削工程においては、圧縮されたマザー積層体の、第1被研削部を研削することにより、平面状の第1主面を形成する。切断工程においては、第1主面および上記積層方向において第1主面と相対する第2主面が形成されたマザー積層体から、積層体を切り出す。積層体は、第1側面および第2側面と、第1端面および第2端面とを含んでいる。第1側面および第2側面は、積層方向に直交する幅方向において相対する。第1端面および第2端面は、上記積層方向および幅方向の両方に直交する長さ方向において相対する。焼成する工程においては、積層体を焼成する。研磨する工程においては、積層体の複数の角部および複数の稜線部を研磨する。外部電極形成工程においては、第1外部電極を形成し、かつ、第2外部電極を形成する。第1外部電極は、第1端面から第1主面、第2主面、第1側面および第2側面の各々にわたって形成される。第2外部電極は、第2端面から第1主面、第2主面、第1側面および第2側面の各々にわたって形成される。
本発明によれば、積層セラミック電子部品の耐湿性を向上できる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品の外観を示す斜視図である。 図1の積層セラミック電子部品をII−II線矢印方向から見た断面図である。 図2の積層セラミック電子部品のIII部を拡大して示す拡大断面図である。 図2の積層セラミック電子部品のIV部を拡大して示す部分拡大図である。 図1の積層セラミック電子部品をV−V線矢印方向から見た断面図である。 図1の積層セラミック電子部品をVI−VI線矢印方向から見た断面図である。 本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法を示すフローチャートである。 圧縮される前のマザー積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。 圧縮された後のマザー積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。 圧縮された後に、一部が研削された状態のマザー積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。 圧縮かつ研削された状態のマザー積層体から切り出された複数の積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。 比較例に係る積層セラミック電子部品の構成を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品およびその製造方法について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品の外観を示す斜視図である。図2は、図1の積層セラミック電子部品をII−II線矢印方向から見た断面図である。図3は、図2の積層セラミック電子部品のIII部を拡大して示す拡大断面図である。図4は、図2の積層セラミック電子部品のIV部を拡大して示す部分拡大図である。図5は、図1の積層セラミック電子部品をV−V線矢印方向から見た断面図である。図6は、図1の積層セラミック電子部品をVI−VI線矢印方向から見た断面図である。なお、図5においては、後述する第1側面に沿って外部電極の断面を示している。
図1から図6に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100は、積層体110と、第1外部電極120と、第2外部電極130とを備えている。積層体110は、積層方向Tに沿って交互に積層された複数の誘電体層140および複数の内部電極層150を含んでいる。
積層体110は、第1主面111および第2主面112と、第1側面113および第2側面114と、第1端面115および第2端面116とを含んでいる。
第1主面111および第2主面112は、積層方向Tにおいて相対する。第1側面113および第2側面114は、積層方向Tに直交する幅方向Wにおいて相対する。第1端面115および第2端面116は、積層方向Tおよび幅方向Wの両方に直交する長さ方向Lにおいて相対する。
本実施形態において、積層体110は、複数の稜線部117と複数の角部118とをさらに含んでいる。図2に示すように、複数の稜線部117は、第1主面111と第1端面115とが交わる部分、第1主面111と第2端面116が交わる部分、第2主面112と第1端面115とが交わる部分、および、第2主面112と第2端面116とが交わる部分である。図5に示すように、複数の角部118は、積層体110の3面が交わる部分である。
図1に示すように、積層体110は、略直方体の外形を有している。積層体110の長さ方向Lの寸法は、積層体110の幅方向Wの寸法より大きい。積層体110の長さ方向Lの寸法は、積層体110の積層方向Tの寸法より大きい。本実施形態においては、積層体110の幅方向Wの寸法と、積層体110の積層方向Tの寸法とが同等である。また、積層体110の幅方向Wの寸法と、積層体110の積層方向Tの寸法とは、互いに異なっていてもよい。なお、寸法と同等とは、互いの寸法差が5%以内の範囲を含む。
図1および図2に示すように、第1外部電極120は、第1端面115から第1主面111、第2主面112、第1側面113および第2側面114の各々にわたって設けられている。第2外部電極130は、第2端面116から第1主面111、第2主面112、第1側面113および第2側面114の各々にわたって設けられている。
第1外部電極120は、第1端面115上において、積層方向Tの両側から中央部に向かうにしたがって厚くなっている。第2外部電極130は、第2端面116上において、積層方向Tにおける両側から中央部に向かうにしたがって厚くなっている。
図2および図6に示すように、積層体110は、第1外層部141と、第2外層部142と、第1外側内部電極層151と、第2外側内部電極層152とを含んでいる。第1外層部141および第2外層部142の各々は、複数の誘電体層140のうちの1つの層であり、第1外側内部電極層151および第2外側内部電極層152の各々は、複数の内部電極層150のうちの一つの層である。
第1外層部141は、複数の誘電体層140のうち、第1主面111を構成している。第1外側内部電極層151は、複数の内部電極層150のうち、第1外層部141と互いに隣接している。第1外側内部電極層151は、第1端面115において第1外部電極120と接している。
第1外側内部電極層151は、第1端面115に向かうにしたがって第1主面111から離れるように湾曲している。また、本実施形態において、第1主面111における稜線部117は、比較的角張った形状を有している。このため、第1端面115における第1外層部141の厚さTE1は、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さTC1より厚い。
なお、第1主面111における稜線部117は、第1端面115における第1外層部141の厚さTE1が、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さTC1より厚くなっている限り、丸みを帯びるように湾曲していてもよい。本実施形態において、幅方向Wの中央部において、積層体110の複数の稜線部117の各々の曲率半径は、5μm以上25μm以下である。稜線部117が丸みを帯びるように湾曲している場合、第1端面115における第1外層部141の厚さTE1は、稜線部117を構成する湾曲面の第1端面115側の端部から、第1端面115における第1外側内部電極層151までの距離として測定される。
本実施形態においては、具体的には、第1端面115における第1外層部141の厚さTE1は、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さTC1の、1.5倍超である。
図2および図3に示すように、本実施形態においては、幅方向Wの中央部において、第1外部電極120のうち第1外側内部電極層151と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLA1は、第1外部電極120のうち第1主面111と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLB1より厚い。具体的には、第1外部電極120のうち第1外側内部電極層151と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLA1は、4μm以上である。
図2に示すように、第2外層部142は、複数の誘電体層140のうち、第2主面112を構成している。第2外側内部電極層152は、複数の内部電極層150のうち、第2外層部142と互いに隣接している。第2外側内部電極層152は、第2端面116において第2外部電極130と接している。
第2外側内部電極層152は、第2端面116に向かうにしたがって第2主面112から離れるように湾曲している。また、本実施形態において、第2主面112における稜線部117は比較的角張った形状を有している。このため、第2端面116における第2外層部142の厚さTE2は、長さ方向Lの中央部における第2外層部142の厚さTC2より厚い。
なお、第2主面112における稜線部117は、第2端面116における第2外層部142の厚さTE2が、長さ方向Lの中央部における第2外層部142の厚さTC2より厚くなっている限り、丸みを帯びるように湾曲していてもよい。稜線部117が丸みを帯びるように湾曲している場合、第2端面116における第2外層部142の厚さTE2は、稜線部117を構成する湾曲面の第2端面116側の端部から、第2端面116における第2外側内部電極層152までの距離として測定される。
本実施形態においては、具体的には、第2端面116における第2外層部142の厚さTE2は、長さ方向Lの中央部における第2外層部142の厚さTC2の1.5倍超である。
図2および図4に示すように、本実施形態においては、幅方向Wの中央部において、第2外部電極130のうち第2外側内部電極層152と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLA2は、第2外部電極130のうち第2主面112と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLB2より厚い。具体的には、第2外部電極130のうち第2外側内部電極層152と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLA2は、4μm以上である。
第1外側内部電極層151から第2外側内部電極層152の間に位置する複数の誘電体層140の各々の厚さは、0.4μm以上5μm以下であることが好ましく、0.4μm以上2μm以下であることがより好ましい。
誘電体層140は、BaまたはTiを含むペロブスカイト型化合物で構成されている。誘電体層140を構成する材料としては、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3またはCaZrO3などを主成分とする誘電体セラミックスを用いることができる。また、これらの主成分に、副成分として、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物、Al化合物、V化合物または希土類化合物などが添加された材料を用いてもよい。誘電体層140を構成する材料の比誘電率は1000以上である。
複数の内部電極層150の各々の厚さは、0.3μm以上1.0μm以下であることが好ましい。複数の内部電極層150の各々が誘電体層140を隙間なく覆っている被覆率は、50%以上95%以下であることが好ましい。
内部電極層150を構成する材料としては、Ni、Cu、Ag、PdおよびAuからなる群より選ばれる1種の金属、または、この金属を含む合金で構成されており、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。内部電極層150は、誘電体層140に含まれる誘電体セラミックスと同一組成系の誘電体の粒子を含んでいてもよい。
図2および図5に示すように、第1外部電極120および第2外部電極130の各々は、下地電極層160と、めっき層170とを含んでいる。下地電極層160は、焼付け層、樹脂層および薄膜層の少なくとも1つを含んでおり、本実施形態において下地電極層160は、焼付け層で構成されている。下地電極層160の厚さは、幅方向Wの中央部かつ積層方向Tの中央部において、10μm以上50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましい。
焼付け層は、ガラスと金属とを含む。焼付け層を構成する金属材料としては、Ni、Cu、Ag、PdおよびAuからなる群より選ばれる1種の金属、または、この金属を含む合金で構成されており、たとえばAgとPdとの合金などを用いることができる。ガラスは、SiおよびZnを含む。焼付け層は、積層された複数の層で構成されていてもよい。焼付け層としては、積層体110に導電性ペーストが塗布されて焼き付けられた層、または、内部電極層150と同時に焼成された層であってもよい。
図5に示すように、本実施形態においては、複数の角部118の各々には、下地電極層160は設けられていない。すなわち、複数の角部118の各々は、下地電極層160から露出している。
めっき層170は、下地電極層160上に配置されている。めっき層を構成する材料としては、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ag(銀)、Pb(白金)、Au(金)からなる群より選ばれる1種の金属、または、この金属を含む合金で構成されており、たとえばAgとPbとの合金などを用いることができる。
本実施形態において、めっき層170は、下地電極層160側に位置するニッケル層と、下地電極層160側とは反対側に位置するスズ層とを有している。具体的には、めっき層170は、ニッケルめっき層の上にスズめっき層が形成された2層構造である。
ニッケル層の平均厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがより好ましく、3.7μm以下であることがさらに好ましい。スズ層の平均厚さは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、4.5μm以下であることがより好ましく、3.7μm以下であることがさらに好ましい。
図5に示すように、本実施形態においては、積層体110の複数の角部118の各々が下地電極層160から露出しているため、積層体110の複数の角部118の各々は、めっき層170によって直接被覆されている。
本実施形態に係る積層セラミック電子部品100は、具体的には積層セラミックコンデンサである。本実施形態においては、積層セラミック電子部品100は、長さ方向Lの寸法が3.2mm以下であり、幅方向Wの寸法は2.5mm以下であり、積層方向Tの寸法が2.5mm以下である。
次に、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100の製造方法について説明する。なお、以下に示す積層セラミック電子部品100の製造方法は、製造過程の途中段階まで一括して加工処理をおこなうことでマザー積層体を製作し、その後にマザー積層体を分断して個片化し、個片化後の軟質積層体にさらに加工処理を施すことによって複数の積層セラミック電子部品100を同時に大量に生産する方法である。
図7は、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法を示すフローチャートである。図7に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100の製造方法は、圧縮前のマザー積層体210を形成する工程S10と、圧縮する工程S20と、研削工程S30と、切断工程S40と、焼成する工程S50と、研磨する工程S60と、外部電極形成工程S70とを備えている。
図7に示すように、圧縮前のマザー積層体210を形成する工程S10においては、まず、セラミックスラリーの調製S11を行う。具体的には、セラミックス粉末、バインダ、樹脂および溶剤などが所定の配合比率で混合され、これによりセラミックスラリーが形成される。
次に、セラミックグリーンシートの形成S12を行う。具体的には、セラミックスラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコータ、または、マイクログラビアコータなどを用いてシート上に成形されることにより、セラミックグリーンシートが形成される。
次に、マザーシートの形成S13を行う。具体的には、セラミックグリーンシートに導電性ペーストが所定のパターンを有するようにスクリーン印刷法またはグラビア印刷法などを用いて印刷されることにより、セラミックグリーンシート上に所定の導電パターンが設けられたマザーシートが形成される。
なお、マザーシートとしては、導電パターンを有するマザーシートの他に、導電パターンが形成されていないセラミックグリーンシートも準備される。
次に、マザーシートの積層S14を行う。これにより、圧縮前のマザー積層体が形成される。図8は、圧縮される前のマザー積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。
図7および図8に示すように、圧縮前のマザー積層体210を形成する工程S10は、マザーシートの積層S14により、内層部211を形成する工程と、第1外層誘電体部212を形成する工程と、第2外層誘電体部213を形成する工程と、第1被研削部214を形成する工程と、第2被研削部215を形成する工程とを含んでいる。
内層部211を形成する工程においては、内部電極用導電性ペースト250が塗布された複数の誘電体シート240を積層する。具体的には、内部電極用導電性ペースト250の塗布により導電パターンが形成された複数のマザーシートが順次積層される。
第1外層誘電体部212を形成する工程においては、内層部211における積層方向Tの一方側に複数の誘電体シート240をさらに積層する。具体的には、導電パターンが形成されていない複数のマザーシートが順次積層される。
第2外層誘電体部213を形成する工程においては、積層方向Tの他方側に複数の誘電体シート240をさらに積層する。具体的には、導電パターンが形成されていない複数のマザーシートが順次積層される。
第1被研削部214を形成する工程においては、第1外層誘電体部212における積層方向Tの一方側に複数の誘電体シート240をさらに積層する。具体的には、具体的には、導電パターンが形成されていない複数のマザーシートが順次積層される。
第2被研削部215を形成する工程においては、第2外層誘電体部213における積層方向Tの他方側に複数の誘電体シート240をさらに積層する。具体的には、具体的には、導電パターンが形成されていない複数のマザーシートが順次積層される。
内層部211を形成する工程、第1外層誘電体部212を形成する工程と、第2外層誘電体部213を形成する工程と、第1被研削部214を形成する工程、および、第2被研削部215を形成する工程の順序は特に限定されない。たとえば、第1被研削部214を形成した後、第1被研削部214上に第1外層誘電体部212を形成し、次に、第1外層誘電体部212上に内層部211を形成し、次に、内層部211上に第2外層誘電体部213を形成し、次に、第2外層誘電体部213上に第2被研削部215を形成してもよい。
本実施形態においては、圧縮前のマザー積層体210を形成する工程S10において、第1被研削部214および第2被研削部215の各々を構成する誘電体シート240の材料は、第1外層誘電体部212および第2外層誘電体部213の各々を構成する誘電体シート240の材料より硬い。誘電体シート240の材料の硬度は、誘電体シート240に含まれる樹脂量を変更する、または、バインダーの種類を変更することにより適宜設定することが可能である。具体的には、セラミックスラリーにおける、樹脂の配合量、または、バインダの種類を適宜変更することにより、誘電体シート240の材料の硬度すなわちマザーシートの硬度を設定することができる。なお、圧縮前のマザー積層体210を形成する工程S10において、第1被研削部214および第2被研削部215の各々を構成する誘電体シート240の材料は、第1外層誘電体部212および第2外層誘電体部213を構成する誘電体シート240の材料と同一であってもよい。
図9は、圧縮された後のマザー積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。
図7および図9に示すように、圧縮する工程S20においては、圧縮前のマザー積層体210を、積層方向Tに沿ってプレスする。これにより、圧縮前のマザー積層体210を構成する内層部211、第1外層誘電体部212、第2外層誘電体部213、第1被研削部214、および、第2被研削部215の各々を構成するマザーシートが圧着されるとともに、圧縮前のマザー積層体210を構成する上記複数の部材が互いに圧着される。本実施形態においては、静水圧プレスによって圧縮前のマザー積層体210が圧縮される。
ここで、図8に示すように、マザー積層体210の内層部211は、内部電極用導電性ペースト250が密の部分と、疎の部分とを有している。内部電極用導電性ペースト250が疎の部分が、積層体110の第1端面115および第2端面116に対応する。圧縮前のマザー積層体210において、内部電極用導電性ペースト250は、誘電体シート240と比較して圧縮時の圧縮率が低い。このため、静水圧プレスによって圧縮前のマザー積層体210を圧縮したときに、内部電極用導電性ペースト250が疎の部分の圧縮率が、内部電極用導電性ペースト250が密の部分の圧縮率より高くなる。これにより、図9に示すように、当該疎の部分と対応する位置において、圧縮後のマザー積層体210の第1被研削部214および第2被研削部215には、複数の凹条部216が形成される。また、圧縮後のマザー積層体210の当該疎の部分においては、内部電極用導電性ペースト250が積層方向Tの中央部に向かって湾曲する。
本実施形態においては、圧縮後の第1被研削部214および圧縮後の第2被研削部215の各々の積層方向Tの厚さが、圧縮後のマザー積層体210の積層方向Tの厚さの1%以上10%以下となるように調整される。
図10は、圧縮された後に、一部が研削された状態のマザー積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。
図7、図9および図10に示すように、研削工程S30においては、圧縮されたマザー積層体210の積層方向両側に位置する、第1被研削部214および第2被研削部215をそれぞれ研削することにより、平面状の第1主面111および平面状の第2主面112を形成する。すなわち、研削工程S30においては、圧縮後のマザー積層体210において、第1被研削部214および第2被研削部215の各々に形成された複数の凹条部216の深さの寸法が、第1被研削部214および第2被研削部215の各々の厚さの寸法より小さくなるように、第1被研削部214および第2被研削部215が形成される。
第1被研削部214および第2被研削部215の各々は、平面研削盤を用いるなど公知の方法によって研削することができる。
図11は、圧縮かつ研削された状態のマザー積層体から切り出された複数の積層体を示す、積層セラミック電子部品の長さ方向Lに沿った断面図である。
図7、図10および図11に示すように、切断工程S40においては、第1主面111および上記積層方向Tにおいて第1主面111と相対する第2主面112が形成されたマザー積層体210から、積層体110を切り出す。具体的には、押し切りまたはダイシングによってマザー積層体210がマトリクス状に分断され、複数の軟質の積層体110に個片化される。本実施形態においては、内部電極用導電性ペースト250が積層方向の中央部に向かって湾曲している部分において、マザー積層体210が分断されて、第1端面115および第2端面116の各々が形成される。
図7に示すように、焼成する工程S50においては、上記の軟質の積層体110を焼成する。具体的には、軟質の積層体が所定の温度に加熱され、これにより誘電体セラミックス材料が焼成される。焼成温度は、誘電体セラミックする材料の種類に応じて適宜設定され、たとえば、900℃以上1300℃以下の範囲内で設定される。
次に、図7に示すように、研磨する工程S60において、積層体110の複数の角部118および複数の稜線部117を研磨する。具体的には、積層体110が、セラミック材料よりも硬度の高いメディアボールとともにバレルと呼ばれる小箱内に封入され、当該バレルを回転させることにより、積層体110の角部118および稜線部117の各々が角張った形状を有しつつ、稜線部117が所定の曲率半径を有する程度に、積層体110が研磨される。
なお、研磨する工程S60は、焼成する工程S50の前に実施してもよい。このとき、研磨する工程S60においては、軟質の積層体110が、上記メディアボールとともにバレルに封入され、当該バレルを回転させることにより、稜線部117が所定の曲率半径を有する程度に、積層体110が研磨される。
次に、図1、図2および図7に示すように、外部電極形成工程S70においては、第1外部電極120を形成し、かつ、第2外部電極130を形成する。第1外部電極120は、第1端面115から第1主面111、第2主面112、第1側面113および第2側面114の各々にわたって形成される。第2外部電極130は、第2端面116から第1主面111、第2主面112、第1側面113および第2側面114の各々にわたって形成される。
本実施形態においては、まず、第1外部電極120および第2外部電極130の各々の下地電極層160が、ディップ法により形成される。このとき、上記積層体110は、長さ方向Lが重力方向に沿うような状態、すなわち、第1端面115または第2端面116が下方を向いた状態で、導電性ペーストに浸漬される。本実施形態においては、このような状態で導電性ペーストが塗布されるため、図2に示すように、稜線部117に付近に塗布された導電性ペーストが、重力によって第1端面115または第2端面116の中央付近に流れ、かつ、表面張力によって第1主面111、第2主面112、第1側面113および第2側面114上に集まる。このように下地電極層160が形成されるため、複数の稜線部117近傍においては、下地電極層160および第1外部電極120が比較的薄くなっている。また、図3に示すように、本実施形態においては、上記のメカニズムと同様にして、複数の角部118の各々には下地電極層160が付着しない。
この後、マザー積層体210に塗布された導電性ペーストを焼き付ける。導電性ペーストは、有機溶剤と金属粒子とガラスとを含んでいる。本実施形態において、焼付け温度は、たとえば840℃である。
次に、図2に示すように、めっき処理により下地電極層160を覆うようにめっき層170が形成される。めっき層170が形成されることにより、第1外部電極120および第2外部電極130が構成される。なお、図3に示すように、複数の角部118においては、積層体110にめっき層170が直接被覆されている。複数の角部118上のめっき層170は、下地電極層160に被覆されためっき層170が延伸することで被覆される。
上記の一連の工程を経ることにより、図1から図6に示す積層セラミック電子部品100が製造される。
ここで、比較例に係る積層セラミック電子部品について説明する。図12は、比較例に係る積層セラミック電子部品の構成を示す断面図である。なお、図12においては、図2と同一の断面視にて図示している。
図12に示すように、比較例に係る積層セラミック電子部品900においては、稜線部917は丸みを帯びており、比較的大きな曲率半径を有している。第1端面115における第1外層部941の厚さTE9は、長さ方向Lの中央部における第1外層部941の厚さTC9より薄くなっている。このため、稜線部917上に位置する第1外部電極120の厚さが薄い部分と、第1外側内部電極層151のうち第1端面115において第1外部電極120と接している部分とが、近接している。これにより、積層セラミック電子部品900の外部に位置する水分が、稜線部917上の第1外部電極120が薄くなっている部分を介して第1外側内部電極層151に浸入しやすくなっている。
一方、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100においては、図2に示すように、第1端面115における第1外層部141の厚さTE1は、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さTC1より厚くなっている。このため、稜線部117上に位置する第1外部電極120の厚さが薄い部分と、第1外側内部電極層151のうち第1端面115において第1外部電極120と接している部分とが、比較的離れている。これにより、積層セラミック電子部品100の外部に位置する水分が、第1外部電極120が薄くなっている部分を介して第1外側内部電極層151に浸入することが抑制されている。本実施形態においては、積層セラミック電子部品100の耐湿性が向上している。
以下、さらに、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100において、PCBT(Pressure Cooker Bias Test)試験法による耐湿性を評価した実験例について説明する。本実験例で用いた各実施例に係る積層セラミック電子部品は、互いに、稜線部117の曲率半径、第1外部電極120のうち第1外側内部電極層151と接している部分の長さ方向Lの厚さLA1、または、第2外部電極130のうち第2外側内部電極層152と接している部分の長さ方向Lの厚さLA2が異なっている。
本実験例で用いた各実施例に係る積層セラミック電子部品のサイズは、長さ方向Lの寸法0.6mmであり、幅方向Wの寸法0.3mmであり、積層方向Tの寸法0.3mmである。本実験例で用いた各実施例に係る積層セラミック電子部品のその他の構成および製造方法は、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100と同様である。
PCBT試験法においては、まず、各実施例に係る積層セラミック電子部品を所定の基板に実装した。このように実装された積層セラミック電子部品を、125℃、相対湿度95%RHの雰囲気を有する槽内に設置した。そして、槽内に設置した積層セラミック電子部品について、1Vの直流電圧を第1外部電極120と第2外部電極130との間に印加した状態で、72時間維持した。このように処理された積層セラミック電子部品について、絶縁抵抗値を測定し、絶縁抵抗値が50×106Ω以下となったものを「不良」とした。
上記PCBT試験法に基づく試験結果について下記表1に示す。表1においては、各実施例について100個のサンプルを試験した結果、「不良」と判定された数を示している。
Figure 2021019018
上記表1に示すように、稜線部の曲率半径が5μm以上25μm以下、かつ、厚さLA1および厚さLA2が4μm以上である実施例1〜5、実施例9〜11および実施例13〜15に係る積層セラミック電子部品は、稜線部の曲率半径が25μm超である実施例6および7、および、厚さLA1および厚さLA2が4μm未満である実施例8および12の各々と比較して、「不良」の数が少ない。このため、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100においては、稜線部の曲率半径が5μm以上25μm以下、かつ、幅方向Wの中央部において、第1外部電極120のうち第1外側内部電極層151と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLA1および第2外部電極130のうち第2外側内部電極層152と接している部分の長さ方向Lにおける厚さLA2の各々が、4μm以上であることが好ましいことがわかる。
上記のように、本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100においては、積層体110が、第1外層部141と、第1外側内部電極層151と含んでいる。第1外層部141は、複数の誘電体層140のうち、第1主面111を構成している。第1外側内部電極層151は、複数の内部電極層150のうち、第1外層部141と互いに隣接している。第1外側内部電極層151は、第1端面115において第1外部電極120と接している。第1端面115における第1外層部141の厚さは、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さより厚い。これにより、積層セラミック電子部品100の耐湿性を向上できる。
本実施形態においては、第1端面115における第1外層部141の厚さは、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さの、1.5倍超である。これにより、稜線部117から、第1端面115における第1外側内部電極層151までの距離を十分大きくすることができるため、水分が第1外側内部電極層151の界面に浸入することをさらに抑制できる。ひいては、積層セラミック電子部品100の耐湿性を向上できる。
本実施形態においては、幅方向Wの中央部において、第1外部電極120のうち第1外側内部電極層151と接している部分の長さ方向Lにおける厚さは、第1外部電極120のうち第1主面111と接している部分の長さ方向Lにおける厚さより厚い。これにより、幅方向Wの中央部において、第1外部電極120のうち第1外側内部電極層151と接している部分の長さ方向Lにおける厚さが比較的厚くなっている。よって、長さ方向Lにおいて第1外部電極120を通って第1外側内部電極層151の界面に水分が浸入することを抑制でき、積層セラミック電子部品100の耐湿性を向上できる。
本実施形態においては、幅方向Wの中央部において、積層体110の複数の稜線部117の各々の曲率半径は、5μm以上25μm以下である。第1外部電極120のうち第1外側内部電極層151と接している部分の長さ方向Lにおける厚さは、4μm以上である。これにより、稜線部117の曲率半径を小さく抑えつつ、第1外部電極120の厚さを厚くできる。よって、稜線部117から、第1端面115における第1外側内部電極層151までの距離を大きくすることができ、積層セラミック電子部品100に、所定の耐湿信頼性を付与することができる。
本実施形態においては、積層体110は、第2外層部142と、第2外側内部電極層152とをさらに含んでいる。第2外層部142は、複数の誘電体層140のうち、第2主面112を構成している。第2外側内部電極層152は、複数の内部電極層150のうち、第2外層部142と互いに隣接している。第2外側内部電極層152は、第2端面116において第2外部電極130と接している。第2端面116における第2外層部142の厚さは、長さ方向Lの中央部における第2外層部142の厚さより厚い。
これにより、幅方向Wの中央部において、第2外部電極130のうち第2外側内部電極層152と接している部分の長さ方向Lにおける厚さが比較的厚くなっている。よって、長さ方向Lにおいて第2外部電極130を通って第2外側内部電極層152の界面に水分が浸入することを抑制でき、積層セラミック電子部品100の耐湿性をさらに向上できる。
本実施形態においては、第1外部電極120および第2外部電極130の各々は、焼付け層で構成される下地電極層160を含んでいる。これにより、簡便な方法で下地電極層160を形成することができる。
本実施形態においては、第1外部電極120および第2外部電極130の各々は、下地電極層160上に配置されためっき層170をさらに含んでいる。めっき層170は、下地電極層160側に位置するニッケル層と、下地電極層160側とは反対側に位置するスズ層とを有している。これにより、第1外部電極120および第2外部電極130の各々において、ニッケル層により、下地電極層160が積層セラミック電子部品100を実装する際の半田によって浸食されることを防止できる。また、スズ層により、積層セラミック電子部品100を実装する際の半田との濡れ性が向上し、積層セラミック電子部品100の実装を容易にすることができる。
本実施形態においては、積層体110の複数の角部118の各々は、めっき層170によって直接被覆されている。これにより、積層体110の複数の角部118の外形の形状が、そのまま第1外部電極120および第2外部電極130の各々に反映される。すなわち、第1外部電極120および第2外部電極130の各々は、角部118に対応する部分において突出部が形成される。積層セラミック電子部品100を基板に実装する際においては、上記突出部によって積層セラミック電子部品100の起立が抑制されるため、第1外部電極120および第2外部電極130の一方が基板から離れて積層セラミック電子部品100が起立した姿勢となる、いわゆるツームストーン現象の発生を抑制することができる。具体的には、積層セラミック電子部品100が起立する方向に傾いたときに、上記突出部が、基板などから、当該起立を抑制する方向に力を受ける。これにより、ツームストーン現象の発生を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミック電子部品100の製造方法は、マザー積層体210を形成する工程と、圧縮する工程と、研削工程とを備えている。マザー積層体210を形成する工程は、第1被研削部214を形成する工程を含んでいる。第1被研削部214を形成する工程においては、第1外層誘電体部212における積層方向Tの一方側に複数の誘電体シート240をさらに積層する。圧縮する工程においては、マザー積層体210を、上記積層方向Tにプレスする。研削工程においては、圧縮されたマザー積層体210の、第1被研削部214を研削することにより、平面状の第1主面111を形成する。
これにより、第1端面115における第1外層部141の厚さは、長さ方向Lの中央部における第1外層部141の厚さより厚くなる。ひいては、積層セラミック電子部品100の耐湿性を向上できる。
マザー積層体210を形成する工程において、第1被研削部214を構成する誘電体シート240の材料は、第1外層誘電体部212を構成する誘電体シート240の材料より硬い。
これにより、圧縮後の第1被研削部214が比較的硬くなり、第1被研削部214を研削したときに、稜線部117が丸みを帯びることを抑制することができる。そして、第1端面115における第1外層部141の厚さが比較的厚くなるため、積層セラミック電子部品100の耐湿性を向上できる。
マザー積層体210を形成する工程は、第2外層誘電体部を形成する工程、および、第2被研削部を形成する工程をさらに含んでいる。第2外層誘電体部を形成する工程においては、積層方向Tの他方側に複数の誘電体シート240をさらに積層する。第2被研削部を形成する工程においては、第2外層誘電体部における積層方向Tの他方側に複数の誘電体シート240をさらに積層する。研削工程において、圧縮されたマザー積層体210の、第2被研削部を研削することにより、平面状の第2主面112を形成する。
これにより、第2被研削部215を研削したときに、稜線部が丸みを帯びることを抑制することができる。そして、第2端面116における第2外層部142の厚さが比較的厚くなるため、積層セラミック電子部品100の耐湿性を向上できる。
上述した実施形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,900 積層セラミック電子部品、110 積層体、111 第1主面、112 第2主面、113 第1側面、114 第2側面、115 第1端面、116 第2端面、117,917 稜線部、118 角部、120 第1外部電極、130 第2外部電極、140 誘電体層、141,941 第1外層部、142 第2外層部、150 内部電極層、151 第1外側内部電極層、152 第2外側内部電極層、160 下地電極層、170 めっき層、210 マザー積層体、211 内層部、212 第1外層誘電体部、213 第2外層誘電体部、214 第1被研削部、215 第2被研削部、216 凹条部、240 誘電体シート、250 内部電極用導電性ペースト。

Claims (11)

  1. 積層方向に沿って交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含み、前記積層方向において相対する第1主面および第2主面と、前記積層方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面と、前記積層方向および前記幅方向の両方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面とを含む積層体と、
    前記第1端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々にわたって設けられた第1外部電極と、
    前記第2端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々にわたって設けられた第2外部電極とを備え、
    前記積層体は、前記複数の誘電体層のうちの前記第1主面を構成する第1外層部と、前記複数の内部電極層のうちの前記第1外層部と互いに隣接する第1外側内部電極層と含み、
    前記第1外側内部電極層は、前記第1端面において前記第1外部電極と接しており、
    前記第1端面における前記第1外層部の厚さは、前記長さ方向の中央部における前記第1外層部の厚さより厚い、積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1端面における前記第1外層部の前記厚さは、前記長さ方向の中央部における前記第1外層部の厚さの、1.5倍超である、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記幅方向の中央部において、前記第1外部電極のうち前記第1外側内部電極層と接している部分の前記長さ方向における厚さは、前記第1外部電極のうち前記第1主面と接している部分の前記長さ方向における厚さより厚い、請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記幅方向の中央部において、前記積層体の複数の稜線部の各々の曲率半径は、5μm以上25μm以下であり、前記第1外部電極のうち前記第1外側内部電極層と接している部分の前記長さ方向における厚さは、4μm以上である、請求項3に記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記積層体は、前記複数の誘電体層のうちの前記第2主面を構成する第2外層部と、前記複数の内部電極層のうちの前記第2外層部と互いに隣接する第2外側内部電極層とをさらに含み、
    前記第2外側内部電極層は、前記第2端面において前記第2外部電極と接しており、
    前記第2端面における前記第2外層部の厚さは、前記長さ方向の前記中央部における前記第2外層部の厚さより厚い、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
  6. 前記第1外部電極および前記第2外部電極の各々は、焼付け層で構成される下地電極層を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品。
  7. 前記第1外部電極および前記第2外部電極の各々は、前記下地電極層上に配置されためっき層をさらに含み、
    前記めっき層は、下地電極層側に位置するニッケル層と、前記下地電極層側とは反対側に位置するスズ層とを有している、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
  8. 前記積層体の複数の角部の各々は、前記めっき層によって直接被覆されている、請求項7に記載の積層セラミック電子部品。
  9. 内部電極用導電性ペーストが塗布された複数の誘電体シートを積層して内層部を形成する工程、前記内層部における積層方向の一方側に複数の誘電体シートをさらに積層して第1外層誘電体部を形成する工程、および、前記第1外層誘電体部における前記積層方向の一方側に複数の誘電体シートをさらに積層して第1被研削部を形成する工程を含む、圧縮前のマザー積層体を形成する工程と、
    圧縮前の前記マザー積層体を、前記積層方向にプレスして圧縮する工程と、
    圧縮された前記マザー積層体の、前記第1被研削部を研削することにより、平面状の第1主面を形成する、研削工程と、
    前記第1主面および前記積層方向において前記第1主面と相対する第2主面が形成された前記マザー積層体から、前記積層方向に直交する幅方向において相対する第1側面および第2側面と、前記積層方向および前記幅方向の両方に直交する長さ方向において相対する第1端面および第2端面とを含む積層体を切り出す切断工程と、
    前記積層体を焼成する工程と、
    前記積層体の複数の角部および複数の稜線部を研磨する工程と、
    前記第1端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々にわたって第1外部電極を形成し、かつ、前記第2端面から前記第1主面、前記第2主面、前記第1側面および前記第2側面の各々にわたって第2外部電極を形成する、外部電極形成工程とを備える、積層セラミック電子部品の製造方法。
  10. 圧縮前の前記マザー積層体を形成する工程において、前記第1被研削部を構成する誘電体シートの材料は、前記第1外層誘電体部を構成する誘電体シートの材料より硬い、請求項9に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  11. 圧縮前の前記マザー積層体を形成する工程は、前記積層方向の他方側に複数の誘電体シートをさらに積層して第2外層誘電体部を形成する工程、および、前記第2外層誘電体部における前記積層方向の他方側に複数の誘電体シートをさらに積層して第2被研削部を形成する工程をさらに含み、
    前記研削工程において、圧縮された前記マザー積層体の、前記第2被研削部を研削することにより、平面状の前記第2主面を形成する、請求項9に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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