JP2023009743A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】内部電極の層数差に起因する段差を低減し、信頼性の低下を抑制する積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】積層セラミックコンデンサ1は、層状に交互に積層された複数の誘電体14及び複数の内部電極15を有する積層体2と、積層体2の端面Cにそれぞれ配置された2つの外部電極3とを備える。誘電体14は、内部電極15の端部と重なる位置に、積層体2の主面Aの中央部と比較して積層方向Tの厚さが厚い肉厚部14Mを有する。積層方向Tからみて、複数の誘電体14における複数の肉厚部14Mのうちの一部の肉厚部14Mの位置は、複数の肉厚部14Mのうちの他の肉厚部14Mの位置に対してずれている。【選択図】図2

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
積層セラミックコンデンサは、層状の誘電体と内部電極とが交互に積層された積層体の両端に、それぞれ外部電極が配置された構造を有する(例えば、特許文献1参照)。内部電極は、積層方向に隣り合う内部電極同士で互いに対向する対向部と、対向部から長手方向の一方の外部電極に接続される引き出し部とを有する。引き出し部が引き出される方向は、隣り合う内部電極同士で交互になるため、対向部の長手方向の両側の部分では対向部と比較して内部電極が少ない。また、対向部の幅方向の両側のサイドギャップの部分には内部電極が存在しない。
内部電極が存在しない部分又は内部電極が少ない部分には、積層体のプレス工程の際に比較的大きな歪みが生じ、また誘電体の密着性が比較的に低いため、積層体の焼成時に生じる応力によって、デラミネーション又は微小クラック等の構造欠陥が生じることがある。このような構造欠陥は、積層セラミックコンデンサの信頼性を低下させる原因となる。
この点に関し、内部電極が存在しない部分にセラミックペーストを印刷して段差吸収層を形成し、この段差吸収層によって内部電極の有無による段差を低減する技術がある。しかし、内部電極が存在しない部分に段差吸収層を精度よく形成することは困難である。例えば、セラミックペーストの印刷工程では、印刷パターンの位置ずれ又は伸縮等に起因して、内部電極と段差吸収層との間に隙間が生じてしまうことがある。
この点に関し、本願発明者(ら)は、製造容易性の観点から、単に、内部電極の一部に段差吸収層の一部をオーバーラップさせることにより(肉厚部に相当)、内部電極と段差吸収層との間に隙間が生じることを低減することを考案している。しかし、オーバーラップさせた部分が厚くなってしまう。そこで、本願発明者(ら)及び特許文献1は、内部電極層の端部に傾斜面を形成し、この傾斜面に段差吸収層をオーバーラップさせることにより、内部電極と段差吸収層とのオーバーラップによる段差を低減することを考案している。
特開2006-278566号公報
しかし、製造精度の観点から、内部電極の傾斜面に段差吸収層を精度よく形成することは困難である。また、製造精度を上げようとすると、製造容易性が低下することが予想される。
本発明は、製造容易性を損なうことなく、段差を低減する積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明に係る積層セラミックコンデンサは、層状に交互に積層された複数の誘電体及び複数の内部電極を有する積層体であって、積層方向に相対する2つの主面、前記積層方向と交差する長さ方向に相対する2つの端面、及び、前記積層方向及び前記長さ方向と交差する幅方向に相対する2つの側面を有する積層体と、前記積層体の前記端面にそれぞれ配置された2つの外部電極と、を備える。前記誘電体は、前記内部電極の端部と重なる位置に、前記主面の中央部と比較して前記積層方向の厚さが厚い肉厚部を有する。前記積層方向からみて、前記複数の誘電体における複数の前記肉厚部のうちの一部の肉厚部の位置は、前記複数の肉厚部のうちの他の肉厚部の位置に対してずれている。
本発明によれば、積層セラミックコンデンサの製造容易性を損なうことなく、積層セラミックコンデンサの段差を低減することができる。特に、内部電極の有無による段差、及び、内部電極とセラミックペーストとのオーバーラップによる段差を低減することができる。
実施形態の積層セラミックコンデンサ1の概略斜視図である。 実施形態の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるII-II方向に切断した断面図である。 実施形態の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるIII-III方向に切断した断面図である。 内層部11の積層状態を説明する分解斜視図である。 積層セラミックコンデンサ1の製造方法を説明するフローチャートである。 セラミックグリーンシート101の表面に、内部電極15となる内部電極パターン103が印刷された素材シート203の斜視図である。 素材シート203上にセラミックペースト102が配置された状態を示す斜視図である。 図7の部分断面図である。 素材シート203の積層状態を説明する図である。 実施形態の変形例の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるII-II方向相当に切断した断面図である。 実施形態の変形例の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるIII-III方向相当に切断した断面図である。 実施形態の変形例の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるII-II方向相当に切断した断面図である。 実施形態の変形例の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるIII-III方向相当に切断した断面図である。
以下、本発明の実施形態の積層セラミックコンデンサ1について説明する。図1は、実施形態の積層セラミックコンデンサ1の概略斜視図である。図2は、実施形態の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるII-II方向に切断した断面図である。図3は、実施形態の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるIII-III方向に切断した断面図である。
(積層セラミックコンデンサ1)
積層セラミックコンデンサ1は、積層体2と積層体2の両端に設けられた一対の外部電極3とを備える。積層体2は、層状の誘電体14と層状の内部電極15とを複数組含む内層部11と、外層部12とを備える。
なお、以下の説明では、積層セラミックコンデンサ1の向きを表わす用語として、積層セラミックコンデンサ1において、誘電体14と内部電極15とが積層されている方向を積層方向Tとする。積層セラミックコンデンサ1において、積層方向Tと交差し、一対の外部電極3が設けられている方向を長さ方向Lとする。長さ方向L及び積層方向Tのいずれにも交差する方向を幅方向Wとする。なお、実施形態においては、積層方向Tと、長さ方向Lと、幅方向Wとは、互いに直交している。
また、図2は、積層セラミックコンデンサ1の長さ方向Lと積層方向Tとを通るLT断面(第2断面)であり、図3は、積層セラミックコンデンサ1の幅方向Wと積層方向Tとを通るWT断面(第1断面)である。
更に、以下の説明において、積層体2の6つの外表面のうち、積層方向Tに相対する一対の外表面を第1積層体主面Aaと第2積層体主面Abとし、幅方向Wに相対する一対の外表面を第1側面Baと第2側面Bbとし、長さ方向Lに相対する一対の外表面を第1端面Caと第2端面Cbとする。
なお、第1積層体主面Aaと第2積層体主面Abとを特に区別して説明する必要のない場合、まとめて積層体主面Aとし、第1側面Baと第2側面Bbとを特に区別して説明する必要のない場合、まとめて側面Bとし、第1端面Caと第2端面Cbとを特に区別して説明する必要のない場合、まとめて端面Cとして説明する。
更に、積層セラミックコンデンサ1全体としての第1積層体主面Aa側の面を第1主面Sa、第2積層体主面Ab側の面を第2主面Sbとし、特に区別して説明する必要のない場合、まとめて主面Sとして説明する。
また、内層部11の第1積層体主面Aa側の面を第1内層部主面Na、第2積層体主面Ab側の面を第2内層部主面Nbとし、特に区別して説明する必要のない場合、まとめて内層部主面Nとして説明する。
(積層体2)
積層体2は、内層部11と、内層部11の積層方向Tの両側に配置される外層部12とを備える。積層体2の寸法は、特に限定されないが、長さ方向L寸法が0.2mm以上10mm以下、幅方向W寸法が0.1mm以上10mm以下、積層方向T寸法が0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。
(内層部11)
内層部11は、積層方向Tに沿って交互に積層された誘電体14と内部電極15とを複数組含む。
(内部電極15)
内部電極15は、複数の第1内部電極15Aと、複数の第2内部電極15Bとを備える。第1内部電極15Aと第2内部電極15Bとは交互に配置されている。なお、第1内部電極15Aと第2内部電極15Bとを特に区別して説明する必要のない場合、まとめて内部電極15として説明する。
内部電極15は、例えばNi、Cu、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等に代表される金属材料により形成されていることが好ましい。内部電極15の枚数は、第1内部電極15A及び第2内部電極15Bを合わせて15枚以上2000枚以下であることが好ましい。
内部電極15は、対向部15aと、対向部15aから端面Cまで延びて外部電極3に接続される引き出し部15bとを有している。このような構成により、第1内部電極15Aは、第1外部電極3Aまで延びており、第2外部電極3Bと離間している。また、第2内部電極15Bは、第2外部電極3Bまで延びており、第1外部電極3Aと離間している。
(誘電体14)
誘電体14は、セラミック材料で製造されている。セラミック材料としては、例えば、BaTiOを主成分とする誘電体セラミックが用いられる。また、セラミック材料として、これらの主成分にMn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物等の副成分や、希土類のうちの少なくとも一つを添加したものを用いてもよい。なお、誘電体14の枚数は、上部外層部12a及び下部外層部12bも含めて15枚以上2000枚以下であることが好ましい。
誘電体14と内部電極15との界面であって、誘電体14の一部には、スズ(Sn)を含む界面層が存在していてもよい。例えば、誘電体の前駆体となるグリーンシートにSnの酸化物を加えることにより、積層体の焼成の際に、このような界面層を形成することができる。このような界面層を設けることで、積層セラミックコンデンサの高温負荷寿命が改善され、信頼性が向上する。
図4は、内層部11の積層状態を説明する分解斜視図である。後に詳述するが、積層セラミックコンデンサ1の製造時において、素材シート203として、誘電体14となるセラミックグリーンシート101に内部電極15となる内部電極パターン103を印刷したシートを準備し、素材シート203上の、内部電極パターン103が印刷されていない領域に、セラミックペースト102が印刷されている。そして、セラミックペースト102は、内部電極15の周縁部も覆っている。この内部電極15の周縁部にセラミックペースト102が印刷された素材シート203を積層したものが内層部11となる。
このように、セラミックペースト102が内部電極15の周縁部を覆って内部電極15とオーバーラップしているので、図2及び図3に示すように、誘電体14は、内部電極15の端部と重なる位置に、内層部主面N、すなわち積層体主面Aの中央部と比較して積層方向Tの厚さが厚い肉厚部14Mを有する。肉厚部14Mの詳細は後述する。これにより、内層部主面Nには、中央部を挟んだ一方と他方とに、中央部から内層部主面Nの外周側に向かうにつれて、積層方向Tの厚みが厚くなるように盛り上がった、内層盛り上がり部MNがそれぞれ形成されている。
すなわち、内層盛り上がり部MNは、内層部主面Nにおける、内部電極15の幅方向Wの両端部の位置に形成され、内層部主面Nにおける長さ方向Lに延びている。
また、内層盛り上がり部MNは、内層部主面Nにおける、対向部15aの、長さ方向Lの両端部の位置にも形成され、内層部主面Nにおける幅方向Wに延びている。
(外層部12)
外層部12は、内層部11の一方に配置される上部外層部12aと、内層部11の積層方向Tの他方に側に配置される下部外層部12bとを備える。上部外層部12aと下部外層部12bとを特に区別して説明する必要がない場合、合わせて外層部12として説明する。
外層部12は、内層部11の誘電体14と同じ材料で製造されている。そして、外層部12の厚みは例えば200μm以下であり、20μm以下であることがより好ましい。
なお、上部外層部12a及び下部外層部12bは、内層部の積層方向の両側にそれぞれ一定の厚みで配置されている。実施形態では上部外層部12a及び下部外層部12bは同じ厚みであるがこれに限定されず、異なっていてもよい。
このため、上部外層部12a及び下部外層部12bが配置された積層体2においても、内層盛り上がり部MNの影響で、積層体主面Aは、中央部を挟んだ一方と他方とに、中央部から、積層体主面Aの外周側に向かうにつれて、積層方向Tの厚みが厚くなるように盛り上がった、積層体盛り上がり部MSがそれぞれ形成されている。
すなわち、積層体盛り上がり部MSは、積層体主面Aにおける、積層方向Tの内部に内部電極15の幅方向Wの両端部が存在する位置に形成され、積層体主面Aにおける長さ方向Lに延びている。
また、積層体盛り上がり部MSは、積層体主面Aにおける、積層方向Tの内部に対向部15aの長さ方向Lの両端部が存在する位置にも形成され、積層体主面Aにおける幅方向Wに延びている。
(外部電極3)
第1内部電極15Aの引き出し部15bの端部は第1端面Caに露出し、第1外部電極3Aに電気的に接続されている。第2内部電極15Bの引き出し部15bの端部は第2端面Cbに露出し、第2外部電極3Bに電気的に接続されている。これにより、第1外部電極3Aと第2外部電極3Bとの間は、複数のコンデンサ要素が電気的に並列に接続された構造となっている。
また、外部電極3は、端面Cだけでなく、積層体主面A及び側面Bの端面C側の一部も覆い、積層体盛り上がり部MSの部分も覆っている。
そして、外部電極3が設けられた積層セラミックコンデンサ1においても、内層盛り上がり部MN及び積層体盛り上がり部MSの影響で、積層方向Tに設けられた相対する2つの主面Sにおいて、主面Sの中央部を挟んだ一方と他方とに、中央部から、主面Sの外周側に向かうにつれて、積層方向Tの厚みが厚くなるように盛り上がった、盛り上がり部Mがそれぞれ形成されている。
具体的には、盛り上がり部Mは、主面Sにおける、積層方向Tの内部に内部電極15の幅方向Wの両端部が存在する位置に形成され、主面Sにおける長さ方向Lに延びている。更に、盛り上がり部Mは、主面Sにおける、積層方向Tの内部に対向部15aの長さ方向Lの両端部が存在する位置に形成され、主面Sにおける幅方向Wに延びている。
ここで、例えば、積層セラミックコンデンサの外周部の厚みが中央部より薄い場合は、積層セラミックコンデンサを基板上に配置した時に、積層セラミックコンデンサが左右又は前後に揺動しやすく、姿勢が安定しない。
しかし、積層セラミックコンデンサ1によると、基板上に配置した時に、左右前後のいずれの方向においても揺動することなく、姿勢を安定させることができる。
また、端面Cに露出した内部電極15の引き出し部15bの端部は外部電極3で覆われている。ここで、外部電極3と積層体2との境界部から水分や水蒸気が侵入する可能性もある。しかし、実施形態において外部電極3は、端面Cだけでなく、積層体主面Aまで延びて積層体盛り上がり部MSの部分も覆っている。
したがって、仮に、主面S側から積層体2と外部電極3との境界部に水分が入り込んだ場合であっても、隙間の内部には積層体盛り上がり部MSが形成されている。したがって水分が積層体盛り上がり部MSを乗り越えて端面C側へと回り込んで内部電極15へ侵入することが困難となる。ゆえに、内部電極15と誘電体14との境界部への水分の侵入が抑制される。
(肉厚部)
上述したように、誘電体14の肉厚部14Mは、セラミックペースト102が内部電極15の端部とオーバーラップすることによって形成される(図4、7~9参照)。これにより、図2及び図3に示すように、肉厚部14Mは、セラミックペースト102を含む誘電体14において、内部電極15の端部と重なる位置に形成される。例えば、図3に示すように、肉厚部14Mは、内部電極15の幅方向Wの両側の端部と重なる位置に形成されている。また、図2に示すように、肉厚部14Mは、内部電極15の長さ方向Lの両側の端部と重なる位置に形成されている。
図3に示すように、肉厚部14Mは、内部電極15の端から幅方向Wに10μm以上90μm以下、好ましくは20μm以上80μm以下、より好ましくは30μm以上70μm以下、の帯幅DMを有し、長さ方向Lに延びている。また、図2に示すように、肉厚部14Mは、内部電極15の端から長さ方向Lに10μm以上90μm以下、好ましくは20μm以上80μm以下、より好ましくは30μm以上70μm以下、の帯幅DMを有し、幅方向Wに延びている。肉厚部14Mにおける最も厚い最厚部14MMは、内部電極15の端と重なる位置に形成されることとなる。
肉厚部14Mにおける最厚部14MMの厚さは、内層部主面N、すなわち積層体主面Aの中央部の誘電体14の厚さの1.05倍以上1.30倍以下である。各厚さは、マイクロスコープ又はSEMにより観察できる。また、中央部の誘電体14の厚さとしては、内部電極の両側の端から、100μmの部分、又は内部電極の幅寸法の10%の部分、を除いた範囲を5等分して測定した厚みの平均値としてもよい。
図2及び図3に示すように、積層方向Tからみて、一部の肉厚部14Mの位置は、他の肉厚部14Mの位置に対してずれている。例えば、図3に示すように、内部電極15の幅方向Wの端部と重なる肉厚部14Mの位置は、幅方向Wにずれている。また、図2に示すように、内部電極15の長さ方向Lの端部と重なる肉厚部14Mの位置は、長さ方向Lにずれている。
例えば、積層方向Tに隣り合う肉厚部14Mの位置が互いにずれていてもよいし、積層方向Tに隣り合う肉厚部14Mの位置がずれていなくとも、全体として、一部の肉厚部14Mの位置が他の肉厚部14Mの位置に対してずれていてもよい。また、図2及び図3の例では、肉厚部14Mの位置が2か所に規則的にずれているが、本発明はこれに限定されない。例えば、肉厚部14Mの位置は、3か所以上にずれていてもよいし、ランダムにずれていてもよい。
肉厚部14Mの位置をずらすとは、最厚部14MMの位置をずらすことを意味してもよいし、帯幅DMの全体の位置をずらすことを意味してもよい。
上述したように、肉厚部14Mの最厚部14MMは、内部電極15の端と重なる位置に形成されることから、具体的には、図2及び図3に示すように、積層方向Tからみて、一部の内部電極15の端部の位置が、他の内部電極15の端部の位置に対してずれている。例えば、図3に示すように、第1内部電極15A及び第2内部電極15Bの幅方向Wの端部の位置が幅方向Wにずれている。また、図2に示すように、第1内部電極15Aの長さ方向Lの端部の位置が幅方向Wにずれており、第2内部電極15Bの長さ方向Lの端部の位置が幅方向Wにずれている。
(積層セラミックコンデンサ1の製造方法)
次に、実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法の一例について説明する。図5は、積層セラミックコンデンサ1の製造方法を説明するフローチャートである。
(内部電極パターン形成工程S1)
まず、誘電体14となるセラミックグリーンシート101に、導電性ペーストにより内部電極15となる内部電極パターン103を形成する。図6は、セラミックグリーンシート101の表面に内部電極15となる内部電極パターン103が印刷された素材シート203の斜視図である。
(セラミックグリーンシート101)
セラミックグリーンシート101は、セラミックス粉末、バインダ及び溶剤を含むセラミックスラリーがキャリアフィルム上においてダイコータ、グラビアコータ、マイクログラビアコータ等を用いてシート状に成形された帯状のシートである。
(内部電極パターン103)
内部電極パターン103は、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷等の印刷によって形成される。これらの中でもスクリーン印刷が好ましい。スクリーン印刷によれば、印刷パターンが形成されたスクリーン印刷版の周辺にテンションを印加し、スクリーン印刷版に印加するテンションを周辺の任意の位置ごとに調整することにより、印刷パターンの位置ずれ又は伸縮等に起因する内部電極パターンの位置の変位及び形状の歪み等を低減することができる。
ここで、内部電極パターン103は、セラミックグリーンシート101上において、その厚みによる段差104が形成される。実施形態で段差104は傾斜面である。
(オーバーラップ誘電体配置工程S2)
次いで、内部電極パターン103の厚みによる段差104を埋め、且つ内部電極パターン103の外周部にオーバーラップする誘電体層を形成するセラミックペースト102を素材シート203上に配置する。図7は、素材シート203上にセラミックペースト102が配置された状態を示す斜視図である。図8は、図7のX-Xに沿った断面図である。
なおセラミックペースト102は、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷等の印刷によって付与する。これらの中でもスクリーン印刷が好ましい。スクリーン印刷によれば、印刷パターンが形成されたスクリーン印刷版の周辺にテンションを印加し、スクリーン印刷版に印加するテンションを周辺の任意の位置ごとに調整することにより、印刷パターンの位置ずれ又は伸縮等に起因するセラミックペーストの位置の変位及び形状の歪み等を低減することができる。
セラミックペースト102は、セラミックグリーンシート101の材料としての誘電体との成分比が異なっていてもよく、同じ成分比であってもよく、異なる成分を含むものであってもよい。例えば、セラミックペースト102のグレイン(セラミック粒子)とセラミックグリーンシート101のグレイン(セラミック粒子)とは、異なっていてもよいし、同じであってもよい。また、セラミックペースト102のグレインの量とセラミックグリーンシート101のグレインの量とは、異なっていてもよいし、同じであってもよい。
セラミックペースト102は、内部電極15の周縁部に所定幅で重なるように付与される。重なりの幅は、例えば100μm以下であり、好ましくは、10μm以上90μm以下である。これにより、焼成後、上述したように内部電極15の端から10μm以上90μm以下の帯幅DMを有する肉厚部14Mが形成される。
また、図8に示すように、内部電極パターン103の段差104は傾斜面であるので、セラミックペースト102は徐々に内部電極パターン103上に乗り上げる。ゆえに、セラミックペースト102の上面は滑らかになる。
なお、本実施形態では、内部電極パターン103をセラミックグリーンシート101上に先に配置し、後からセラミックペースト102をオーバーラップすることにより、図2及び図3に示す断面構成を有する積層セラミックコンデンサ1が得られる。しかし、本実施形態はこれに限定されず、内部電極パターン103が形成される予定の外周部に誘電体層を形成するセラミックペースト102をセラミックグリーンシート101上に先に配置し、後から内部電極パターン103をオーバーラップするように内部電極を配置してもよい。これにより、図10及び図11に示す断面構成を有する積層セラミックコンデンサ1が得られる。
(積層工程S3)
図9は素材シート203の積層状態を説明する図である。素材シート203は、図9に示すように、積層方向Tに隣り合う内部電極パターン103が、長さ方向Lに交互に位置がずれるように配置される。このとき、積層方向Tにおいて、一部の内部電極パターン103の端部の位置が他の内部電極パターン103の端部の位置に対してずれるように、すなわち、一部の肉厚部14Mの位置が他の肉厚部14Mの位置に対してずれるように、素材シート203が配置される。
更に、複数枚積層された素材シート203の一方の側に、上部外層部12aとなる上部外層部用セラミックグリーンシート212が積み重ねられ、他方の側に下部外層部12bとなる下部外層部用セラミックグリーンシート213が積み重ねられる。
(マザーブロック形成工程S4)
続いて、上部外層部用セラミックグリーンシート212と、積み重ねられた複数の素材シート203と、下部外層部用セラミックグリーンシート213とを熱圧着してマザーブロックを形成する(積層体のプレス工程)。
(マザーブロック分割工程S5)
次いで、マザーブロックを、図9に示す位置Zで切断し、積層チップを切り出す。なお、長さ方向Lの切断位置Zのみ示すが、積層チップは幅方向に延びる位置Zと直交する長さ方向Lにおいても切断される。
(焼成工程S6)
そして、設定された焼成温度で、窒素雰囲気中で所定時間、積層チップを加熱する。これにより、矩形の積層体2が複数製造される。
(外部電極形成工程S7)
次に、積層体2の両端部に外部電極3が形成される。
(焼成工程S8)
そして、設定された焼成温度で、窒素雰囲気中で所定時間加熱する。これにより、外部電極3が積層体2に焼き付けられ、図1に示す積層セラミックコンデンサ1が製造される。
以上説明したように、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、誘電体14は、内部電極15の端部と重なる位置に、内層部主面N、すなわち積層体主面Aの中央部と比較して積層方向Tの厚さが厚い肉厚部14Mを有する。すなわち、内部電極15の端部には、セラミックペースト102がオーバーラップしている。これにより、製造容易性を損なうことなく、単に、内部電極15の端部にセラミックペースト102の一部をオーバーラップさせることにより、内部電極15とセラミックペースト102との間に隙間が生じることを低減することができる。
また、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、積層方向Tからみて、複数の誘電体14における複数の肉厚部14Mのうちの一部の肉厚部14Mの位置は、他の肉厚部14Mの位置に対してずれている。これにより、内部電極15の有無による段差を低減しつつ、内部電極15とセラミックペースト102とのオーバーラップによる盛り上がり(内層盛り上がり部MN、積層体盛り上がり部MS、盛り上がり部M)、すなわち段差を低減することができる。
ここで、内部電極15とセラミックペースト102とのオーバーラップによる盛り上がり、すなわち段差が大きくなると、上述した内部電極の有無による段差と同様の問題が考えられる。すなわち、盛り上がり以外の部分には、積層体のプレス工程の際に比較的大きな歪みが生じ、また誘電体の密着性が比較的に低いため、積層体の焼成時に生じる応力によって、デラミネーション又は微小クラック等の構造欠陥が生じることがある。このような構造欠陥は、積層セラミックコンデンサの信頼性を低下させる原因となる。
この点に関し、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1によれば、積層方向Tからみて、複数の誘電体14における複数の肉厚部14Mのうちの一部の肉厚部14Mの位置が、複数の肉厚部14Mのうちの他の肉厚部14Mの位置に対してずれている。これにより、内部電極15とセラミックペースト102とのオーバーラップによる盛り上がり(内層盛り上がり部MN、積層体盛り上がり部MS、盛り上がり部M)、すなわち段差を低減することができる。そのため、盛り上がり以外の部分に、積層体のプレス工程の際に比較的大きな歪みが生じることを低減でき、また誘電体の密着性の低下を低減できる。そのため、積層体の焼成時に生じる応力によって、デラミネーション又は微小クラック等の構造欠陥が生じることを抑制することができる。そのため、積層セラミックコンデンサ1の信頼性の低下を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば以下に示すような種々の変形が可能である。
(変形例)
図12は、実施形態の変形例の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるII-II方向相当に切断した断面図である。図13は、実施形態の変形例の積層セラミックコンデンサ1の図1におけるIII-III方向相当に切断した断面図である。
図12及び図13に示す変形例の積層セラミックコンデンサ1では、図2及び図3に示す積層セラミックコンデンサ1において更に、セラミックペースト102は、内部電極15よりも薄く形成されてもよい。
図12に示すように、積層方向Tに隣り合う第1内部電極15A、15A間の距離T11、T12のうち、内層部主面Nすなわち積層体主面Aの中央部において積層方向Tに第2内部電極15Bと重なる第1内部電極15A、15A間の距離T11は、第2内部電極15Bを含む距離である。一方、第1外部電極3A側において積層方向Tに第2内部電極15Bと重ならない第1内部電極15A、15A間の距離T12は、第2内部電極15Bよりも薄いセラミックペースト102からなる誘電体14を含む距離である。したがって、距離T11は距離T12よりも大きい。
また、積層方向Tに隣り合う第2内部電極15B、15B間の距離のうち、内層部主面Nすなわち積層体主面Aの中央部において積層方向Tに第1内部電極15Aと重なる第2内部電極15B、15B間の距離T21は、第1内部電極15Aを含む距離である。一方、第2外部電極3B側において積層方向Tに第1内部電極15Aと重ならない第2内部電極15B、15B間の距離T22は、第1内部電極15Aよりも薄いセラミックペースト102からなる誘電体14を含む距離である。したがって、距離T21は距離T22よりも大きい。
各距離は、マイクロスコープ又はSEMにより観察できる。また、中央部の内部電極15間の距離としては、内部電極の両側の端から、100μm以下の部分、もしくは内部電極の幅寸法の10%以下の部分、を除いた範囲を5等分して測定した距離の平均値としてもよい。
また、図12に示すように、第1外部電極3A側において、第2内部電極15Bの端部と、第2内部電極15Bの端部に対して積層方向Tの一方側に隣り合う第1内部電極15Aとの距離をT13とし、第2内部電極15Bの端部と、第2内部電極15Bの端部に対して積層方向Tの他方側に隣り合う第1内部電極15Aとの距離をT14とする。すると、誘電体14ごとの肉厚部14Mの有無のアンバランスによって、距離T13は距離T14よりも大きい。
また、第2外部電極3B側において、第1内部電極15Aの端部と、第1内部電極15Aの端部に対して積層方向Tの一方側に隣り合う第2内部電極15Bとの距離をT23とし、第1内部電極15Aの端部と、第1内部電極15Aの端部に対して積層方向Tの他方側に隣り合う第2内部電極15Bとの距離をT24とする。すると、誘電体14ごとの肉厚部14Mの有無のアンバランスによって、距離T23は距離T24よりも大きい。
一方、図13に示すように、幅方向Wにおいて、第2内部電極15Bの端部と、第2内部電極15Bの端部に対して積層方向Tの一方側に隣り合う第1内部電極15Aとの距離をT13Wとし、第2内部電極15Bの端部と、第2内部電極15Bの端部に対して積層方向Tの他方側に隣り合う第1内部電極15Aとの距離をT14Wとする。すると、誘電体14ごとの肉厚部14Mの存在のバランスによって、距離T13Wと距離T14Wとはほぼ同じになる。
また、幅方向Wにおいて、第1内部電極15Aの端部と、第1内部電極15Aの端部に対して積層方向Tの一方側に隣り合う第2内部電極15Bとの距離をT23Wとし、第1内部電極15Aの端部と、第1内部電極15Aの端部に対して積層方向Tの他方側に隣り合う第2内部電極15Bとの距離をT24Wとする。すると、誘電体14ごとの肉厚部14Mの存在のバランスによって、距離T23Wと距離T24Wとはほぼ同じになる。
ここで、図12に示すように、第1外部電極3A側において、距離T13と距離T14との差を、積層方向の距離差(T13-T14)とする。また、図13に示すように、幅方向Wにおいて、距離T13Wと距離T14Wとの差を、積層方向の距離差(T13W-T14W)とする。すると、距離差(T13-T14)は、距離差(T13W-T14W)よりも大きい。
また、図12に示すように、第2外部電極3B側において、距離T23と距離T24との差を、積層方向の距離差(T23-T24)とする。また、図13に示すように、幅方向Wにおいて、距離T23Wと距離T24との差を、積層方向の距離差(T23W-T24W)とする。すると、距離差(T23-T24)は、距離差(T23W-T24W)よりも大きい。
各距離は、マイクロスコープ又はSEMにより観察できる。また、各距離としては、内部電極の端における距離、すなわち肉厚部14Mの最厚部14MMにおける距離であればよい。
セラミックペーストの厚さは内部電極15の厚さの40%以上90%以下であってもよい。距離差(T13-T14)及び距離差(T23-T24)は、セラミックペースト1つ分の差であるので、距離差(T13-T14)及び距離差(T23-T24)は、内部電極15の厚さの40%以上90%以下である。
上述したように、内部電極の厚さは、0.2μm以上0.6μm以下であり、好ましくは0.2μm以上0.4μm以下である。
また、内部電極15は、上述したように15枚以上200枚以下であることが好ましく、大容量化の観点から20枚以上2000枚以下であると更に好ましい。
この場合、全ての内部電極15に対してセラミックペーストを設けると、内部電極15とセラミックペースト102とのオーバーラップによる盛り上がり(内層盛り上がり部MN、積層体盛り上がり部MS、盛り上がり部M)、すなわち段差が大きくなることが考えられる。
この点に関し、内部電極15の一部のみに対してセラミックペーストを設けることが考えられる。例えば、積層方向Tにおいて複数の内部電極の全てを含む領域を100%とすると、積層方向Tの中央部の30%の領域の内部電極において、距離差(T13-T14)は距離差(T13W-T14W)よりも大きく、距離差(T23-T24)は距離差(T23W-T24W)よりも大きい。
これにより、内部電極15とセラミックペースト102とのオーバーラップによる盛り上がり(内層盛り上がり部MN、積層体盛り上がり部MS、盛り上がり部M)、すなわち段差をより低減することができる。
そのため、盛り上がり以外の部分に、積層体のプレス工程の際に比較的大きな歪みが生じることをより低減でき、また誘電体の密着性の低下をより低減できる。そのため、積層体の焼成時に生じる応力によって、デラミネーション又は微小クラック等の構造欠陥が生じることをより抑制することができる。そのため、積層セラミックコンデンサ1の信頼性の低下をより抑制することができる。
また、上述した実施形態及び変形例では、誘電体14の肉厚部14Mが、内部電極15の幅方向Wの両側の端部と重なる位置(図3)、及び、内部電極15の長さ方向Lの両側の端部と重なる位置(図2)に形成される形態を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、誘電体14の肉厚部14Mが、内部電極15の幅方向Wの両側の端部と重なる位置(図3)、及び、内部電極15の長さ方向Lの両側の端部と重なる位置(図2)のいずれか一方に形成される形態であってもよい。
例えば、積層体2の幅方向Wの側面B(Ba,Bb)におけるサイドギャップの誘電体を後から付与する工法によれば、積層体2の幅方向Wに相当する方向では、内部電極パターンの段差を埋めるセラミックペースト102を用いる必要がなく、内部電極の幅方向の両側の端部と重なる位置に、誘電体14の肉厚部14Mが形成されない。また、内部電極の幅方向の両側の端部が揃う(例えば5μmの誤差で揃う)。この場合でも、内部電極15の長さ方向Lの両側の端部と重なる位置には、誘電体14の肉厚部14Mが形成されてもよい。また、積層方向Tからみて、内部電極15の長さ方向Lの端部と重なる肉厚部14Mの位置が、長さ方向Lにずれていてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1~図3に示す本実施形態の積層セラミックコンデンサを実施例1として作製した。実施例1の積層セラミックコンデンサの主な構成は以下の通りである。
誘電体14の厚さ(積層体主面Aの中央部):0.6μm
内部電極15の厚さ:0.6μm
内層部11における、誘電体14の枚数、すなわち内部電極15の枚数:400枚
外層部12の厚さ:20μm
サイドギャップの幅(図3における内部電極の端部から積層体の側面Bまでの幅):15μm
誘電体14の肉厚部14Mの厚さ:表1の通り
なお、積層方向Tに隣り合う内部電極15の幅方向Wの端部の位置を幅方向Wにずらすことにより、積層方向Tに隣り合う肉厚部14Mの位置を幅方向Wにずらした。また、積層方向Tに隣り合う第1内部電極15Aの長さ方向Lの端部の位置を長さ方向Lにずらすことにより、積層方向Tに隣り合う第2内部電極15Bの長さ方向Lの端部の位置を長さ方向Lにずらすことにより、積層方向Tに隣り合う肉厚部14Mの位置を長さ方向Lにずらした。
更に、図12及び図13に示すように、セラミックペースト102の厚さは、内部電極の厚さの60%とした。
(実施例2~4)
実施例2~4の積層セラミックコンデンサは、実施例1と比較して、誘電体14の肉厚部14Mの厚さが異なる。肉厚部14Mの厚さは表1の通りである。
(比較例1)
比較例1の積層セラミックコンデンサは、実施例1と比較して、誘電体の肉厚部の厚さが異なる。肉厚部の厚さは表1の通りである。
(比較例2)
比較例1の積層セラミックコンデンサは、実施例1と比較して、誘電体の肉厚部がない、すなわち、セラミックペーストがない点で異なる。
なお、誘電体14の肉厚部14Mの厚さを異ならせるため、スクリーン印刷の版厚さを変えながらセラミックペースト102を印刷した。
(評価)
ここで、上述したように、内部電極15とセラミックペースト102とのオーバーラップによる盛り上がり、すなわち段差が大きくなると、上述した内部電極の有無による段差と同様の問題が考えられる。すなわち、盛り上がり以外の部分には、積層体のプレス工程の際に比較的大きな歪みが生じ、また誘電体の密着性が比較的に低いため、積層体の焼成時に生じる応力によって、デラミネーション又は微小クラック等の構造欠陥が生じることがある。このような構造欠陥は、積層セラミックコンデンサの信頼性を低下させる原因となる。
そこで、実施例及び比較例の積層セラミックコンデンサの信頼性試験として、HALT(Highly Accelerated Limit Test)を行った。
HALTとは、仕様を超える温度及び振動等のストレスを試験対象物に加え、稼動限界及び/又は破壊限界、換言すれば仕様に対する稼動マージン及び/又は破壊マージンを明らかにする試験、いわゆる加速試験及び/又は破壊試験、である。HALTにより、仕様に対するマージン、すなわち信頼性を、短期間に試験することができる。
HALTの条件は表1の通りである。
評価結果は、試験対象100個中、所定の仕様に対してマージがない初期故障となった個数が2個未満である場合に〇、所定の仕様に対してマージがない初期故障となった個数が3個以上である場合に×とする。
Figure 2023009743000002
A 積層体主面
B 側面
C 端面
M 盛り上がり部
MS 積層体盛り上がり部
MN 内層部盛り上がり部
N 内層部主面
S 主面
T 積層方向
W 幅方向
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層体
3 外部電極
11 内層部
12 外層部
14 誘電体
14M 肉厚部
14MM 最厚部
15 内部電極
15a 対向部
15b 引き出し部
100 印刷装置
101 セラミックグリーンシート
102 セラミックペースト
103 内部電極パターン
104 段差
203 素材シート

Claims (9)

  1. 層状に交互に積層された複数の誘電体及び複数の内部電極を有する積層体であって、積層方向に相対する2つの主面、前記積層方向と交差する長さ方向に相対する2つの端面、及び、前記積層方向及び前記長さ方向と交差する幅方向に相対する2つの側面を有する積層体と、
    前記積層体の前記端面にそれぞれ配置された2つの外部電極と、
    を備える積層セラミックコンデンサであって、
    前記誘電体は、前記内部電極の端部と重なる位置に、前記主面の中央部と比較して前記積層方向の厚さが厚い肉厚部を有し、
    前記積層方向からみて、前記複数の誘電体における複数の前記肉厚部のうちの一部の肉厚部の位置は、前記複数の肉厚部のうちの他の肉厚部の位置に対してずれている、
    積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記積層方向からみて、前記複数の肉厚部のうち、前記積層方向に隣り合う肉厚部の位置は互いにずれている、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記内部電極の端部は前記幅方向の端部であり、
    前記肉厚部の位置は前記幅方向にずれている、
    請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記内部電極の端部は前記長さ方向の端部であり、
    前記肉厚部の位置は前記長さ方向にずれている、
    請求項1又は2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記肉厚部は、前記内部電極の端から前記幅方向に10μm以上80μm以下の帯幅を有し、前記長さ方向に延びている、請求項3に記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記肉厚部は、前記内部電極の端から前記長さ方向に10μm以上80μm以下の帯幅を有し、前記幅方向に延びている、請求項4に記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記肉厚部の位置は、前記肉厚部における最も厚い最厚部の位置である、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  8. 前記肉厚部の位置は、前記内部電極の端と重なる位置である、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  9. 前記肉厚部における最も厚い最厚部の厚さは、前記誘電体の前記主面の中央部の厚さの1.05倍以上1.30倍以下である、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
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