JP7223159B2 - 強化樹脂組成物、成形品及び高温時引張強度の向上方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強化樹脂組成物、成形品及び高温時引張強度の向上方法に関する。
半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、機械的強度、耐熱性、及び耐薬品性といった特性に優れていることが期待され、種々の開発が行われている。
しかしながら半芳香族ポリアミド樹脂組成物は結晶性のため成形収縮率が大きく、また吸水による寸法変化が大きいため、精密な寸法精度を必要とする用途への展開は限定されていた。
そこで、半芳香族ポリアミドに吸水率が低く非晶性樹脂であるポリフェニレンエーテルを配合することによって、成形収縮率と吸水による寸法変化を低減したポリアミドアロイが提案されている(特許文献1~4)。
特開2007-182550号公報 特開2007-217620号公報 特開2011-46781号公報 特表2016-509121号公報
しかしながら、近年、リレーブロックや、コネクター等に代表される高い寸法精度が求められるSMT(surface Mount Technology)対応部品は、情報処理量の増加に伴い、SMT対応部品に隣接する電子回路からの発熱量が増加しており、そのため高温時の高い機械的物性が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、高温下での機械的強度に優れた強化樹脂組成物及び当該強化樹脂組成物を含む成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定のポリアミドを組み合わせ、ΔHTcMt及びΔHMpMtを特定範囲にすることにより高温下での機械的強度に優れた強化樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
テレフタル酸単位を90~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する(A)ポリアミド、
イソフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する(B)ポリアミド、
(C)ポリフェニレンエーテル、及び
(D)無機フィラー
を含む強化樹脂組成物であって、
前記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計100質量部に対して、前記成分(C)の質量割合が20~50質量部であり、
DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の結晶化エンタルピーをΔHTcとしたときに
ΔHTcMt=ΔHTc×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
で表されるΔHTcMtが10J/g以上であり、かつ
DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の融解エンタルピーをΔHMpとしたときに、
ΔHMpMt=ΔHMp×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
で表されるΔHMpMtが35J/g以下である、
ことを特徴とする、強化樹脂組成物。
[2]
前記成分(B)の前記ジカルボン酸単位(c)が、イソフタル酸単位を70~100モル%含む、[1]に記載の強化樹脂組成物。
[3]
前記成分(B)が、イソフタル酸単位を75~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する、[1]又は[2]に記載の強化樹脂組成物。
[4]
前記成分(A)が、テレフタル酸単位を90~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9-ノナンジアミン単位及び/又は2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する、[1]~[3]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[5]
前記成分(A)中の1,9-ノナンジアミン単位と2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位とのモル比(1,9-ノナンジアミン単位/2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位)が100/0~20/80である、[4]に記載の強化樹脂組成物。
[6]
前記成分(A)及び前記成分(B)の合計100質量%に対して、前記成分(A)の質量割合が50~90質量%である、[1]~[5]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[7]
前記成分(B)の重量平均分子量が15000~35000である、[1]~[6]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[8]
前記成分(B)の重量平均分子量が20000~27000である、[1]~[7]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[9]
前記成分(D)が繊維状無機フィラー又は針状無機フィラーを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[10]
前記繊維状無機フィラーがガラス繊維を含む、[9]に記載の強化樹脂組成物。
[11]
前記成分(D)が板状無機フィラーを含む、[1]~[8]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[12]
前記板状無機フィラーがガラスフレークを含む、[11]に記載の強化樹脂組成物。
[13]
(E)相容化剤をさらに含む、[1]~[12]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[14]
前記強化樹脂組成物100質量部に対する前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計質量割合が40~80質量部である、[1]~[13]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[15]
前記成分(B)の末端アミノ基濃度が1~80μmol/gである、[1]~[14]のいずれかに記載の強化樹脂組成物。
[16]
[1]~[15]のいずれかに記載の強化樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形品。
[17]
(C)ポリフェニレンエーテルを含有する樹脂組成物の70℃における引張強度を向上させる方法であって、
テレフタル酸単位を90~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する(A)ポリアミド、イソフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する(B)ポリアミド、及び(D)無機フィラー、を前記樹脂組成物に添加して、前記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計100質量部に対して、前記成分(C)の質量割合が20~50質量部である強化樹脂組成物とし、
DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の結晶化エンタルピーをΔHTcとしたときに
ΔHTcMt=ΔHTc×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
で表されるΔHTcMtが10J/g以上とし、かつ
DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の融解エンタルピーをΔHMpとしたときに、
ΔHMpMt=ΔHMp×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
で表されるΔHMpMtが35J/g以下とする、
ことを特徴とする、方法。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
〔強化樹脂組成物〕
本実施形態に係る強化樹脂組成物は、テレフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する(A)ポリアミド(以下、成分(A)ともいう)、イソフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する(B)ポリアミド(以下、成分(B)ともいう)、(C)ポリフェニレンエーテル(以下、成分(C)ともいう)、及び(D)無機フィラー(以下、成分(D)ともいう)を含む強化樹脂組成物であって、前記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計100質量部に対して、前記成分(C)の質量割合が20~50質量部であり、DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の結晶化エンタルピーをΔHTcとしたときにΔHTcMt=ΔHTc×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}で表されるΔHTcMtが10J/g以上であり、かつDSCによって測定される前記強化樹脂組成物の融解エンタルピーをΔHMpとしたときに、ΔHMpMt=ΔHMp×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}で表されるΔHMpMtが35J/g以下である。
上記強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量は、以下の方法で測定する。後述の実施例に記載の条件で作製した強化樹脂組成物のペレット100gを凍結粉砕し、粉砕された粉末をヘキサフルオロ-2-プロパノールに溶解し、ろ過を行う。その不溶分を真空乾燥後、不溶分の質量を測定する。強化樹脂組成物の質量100gから不溶分の質量を引いた値をマトリックス成分の質量とする。
本明細書における結晶化エンタルピーおよび融解エンタルピーは、DSC測定装置を用いて各3回測定した値の平均値を採用する。具体的測定方法としては、まず、DSCを用い、後述の実施例に記載の条件で作製した強化樹脂組成物のペレット試料を330℃まで加熱し、3分間保持する。その後、10℃/minの降温速度で100℃まで冷却する。さらに、10℃/minの昇温速度で340℃まで再加熱する。このときに現れる吸熱ピークのピークトップを融点とし、このピークより融解エンタルピーを計算する。その後さらに、10℃/minの降温速度で100℃まで冷却する。このときに現れる発熱ピークのピークトップを結晶化ピークとし、このピークより結晶化エンタルピーを計算する。なお、吸熱ピークが複数観測される場合は、エンタルピーが1J/g以上あるピークのうち最も高温域にある吸熱ピークのピークトップを融点とする。
ΔHTcMtは10J/g以上であり、10J/g以上45J/g以下であることが好ましく、より好ましくは20J/g以上45J/g以下、さらに好ましくは25J/g以上45J/g以下である。ΔHTcMtがこの範囲であれば、適切な結晶性が保たれ高温下での機械的強度に優れ、かつ成形時の表面外観に優れた樹脂組成物が得られる。ΔHTcMtは上記成分(A)の質量割合が多いほど、値が大きくなる傾向がある。
ΔHMpMtは35J/g以下であり、3J/g以上35J/g以下であることが好ましく、より好ましくは3J/g以上25J/g以下、さらに好ましくは3J/g以上20J/g以下である。ΔHMpMtがこの範囲であれば、適切なモルフォロジーが形成され、高温下での機械的強度に優れた樹脂組成物が得られる。ΔHMpMtは上記成分(B)の質量割合が多いほど、値が小さくなる傾向がある。
[(A)ポリアミド]
本実施形態に係る(A)ポリアミドは、テレフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する。
[[ジカルボン酸単位(a)]]
本実施形態におけるジカルボン酸単位(a)は、当該単位(a)中、テレフタル酸単位を60~100モル%含有し、好ましくは70~100モル%含有し、より好ましくは80~100モル%含有し、さらに好ましくは90~100モル%含有し、さらにより好ましくは100モル%含有する。当該モル比率がこの範囲にあると、耐熱性に優れた樹脂組成物となる。また、複雑な形状あるいは大型の成形品を成形する際、ハイサイクル成形性に優れる傾向にある。
ジカルボン酸単位(a)は、テレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位を含有していてもよい。かかるジカルボン酸単位としては、以下に制限されないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びスベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、及び1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;並びに、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,4-フェニレンジオキシジ酢酸、1,3-フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’-オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-4,4’-ジカルボン酸、及び4,4’-ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;から誘導される単位が挙げられる。
これらの単位は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
上記のテレフタル酸単位以外のジカルボン酸単位は、ジカルボン酸単位(a)中に40モル%以下の範囲で含まれていてもよく、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以下、さらにより好ましくは10モル%以下、最も好ましくは0モル%である。
上記ポリアミド(A)中のジカルボン酸単位(a)のモル割合は、ポリアミド(A)100モル%に対して、40~60モル%であることが好ましい。
[[ジアミン単位(b)]]
本実施形態におけるジアミン単位(b)は、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有し、好ましくは70~100モル%含有し、より好ましくは80~100モル%含有し、さらに好ましくは90~100モル%含有し、さらにより好ましくは100モル%含有する。炭素数及びジアミン単位のモル比率が上記範囲にあることで、低吸水性と耐熱性のバランスに優れた樹脂組成物となる。
上記ジアミン単位(b)は、高温下での機械的強度に一層優れる観点から、炭素数が9~10の脂肪族ジアミン単位が好ましく、炭素数が9の脂肪族ジアミン単位がより好ましい。
ジアミン単位(b)は、直鎖であっても分岐していてもよい。
上記ジアミン単位(b)を構成する直鎖の脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,9-ノナンジアミン(ノナメチレンジアミンともいう。)、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンが挙げられる。
上記ジアミン単位(b)を構成する、主鎖から分岐した置換基を持つ脂肪族ジアミン単位を構成する脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン(2-メチルオクタメチレンジアミンともいう。)、及び2,4-ジメチルオクタメチレンジアミンが挙げられる。
上記ジアミン単位(b)として、1,9-ノナンジアミン単位及び/又は2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位を含むことが、機械的強度、低吸水性、耐熱性のバランスの観点から好ましい。中でも、1,9-ノナンジアミン単位及び2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位を併用することが好ましい。
上記ジアミン単位(b)として、1,9-ノナンジアミン単位及び/又は2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位を含む場合の、1,9-ノナンジアミン単位と2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位とのモル比(1,9-ノナンジアミン単位/2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位)は、100/0~20/80の範囲であることが好ましい。当該モル比は、95/5~60/40であることがより好ましく、90/10~75/25であることがさらに好ましい。当該モル比がこの範囲にあると、特に耐熱性に優れた樹脂組成物となる傾向にある。
ジアミン単位(b)は、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位以外のジアミン単位を含有していてもよい。かかるジアミン単位としては、以下に制限されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、及び2-メチルペンタメチレンジアミン(2-メチル-1,5-ジアミノペンタンともいう。)等の脂肪族ジアミン;1,4-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、及び1,3-シクロペンタンジアミン等の脂環族ジアミン;並びに、メタキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン;から誘導される単位が挙げられる。
これらの単位は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
上記の炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位以外のジアミン単位は、ジアミン単位(b)中に40モル%以下の範囲で含まれていてもよく、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以下、さらにより好ましくは10モル%以下、最も好ましくは0モル%である。
上記ポリアミド(A)中のジアミン単位(b)のモル割合は、ポリアミド(A)100モル%に対して、40~60モル%であることが好ましい。
本実施形態の(A)ポリアミドの好ましい例としては、ポリアミド9,T、10,T等が挙げられる。
また、本実施形態の(A)ポリアミドは、本実施形態の目的を損なわない範囲で、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε-カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、及びウンデカノラクタム等のラクタム単位、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、及び12-アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸単位、ビスヘキサメチレントリアミン等の3価以上の多価アミン単位、並びに、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸単位を含んでもよい。
これらの単位は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
これらの単位の(A)ポリアミド中の合計割合(モル%)は、ポリアミド全体に対して、20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、5モル%以下であることがさらに好ましい。
[(A)ポリアミドの含有量]
本実施形態の強化樹脂組成物において、成分(A)、(B)、及び(C)の合計を100質量%としたときに、成分(A)の含有量は、25~75質量%であることが好ましく、より好ましくは30~75質量%、さらに好ましくは30~70質量%、さらにより好ましくは35~65質量%である。成分(A)の含有量がこの範囲にあると、高温時の機械的強度、低吸水性、寸法精度、及びウェルド強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。
また、本実施形態の強化樹脂組成物において、成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とした場合、成分(A)の含有量は、50~95質量%であり、好ましくは50~90質量%であり、さらに好ましくは60~90質量%である。成分(A)の含有量がこの範囲にあると、高温時の機械的強度、低吸水性、寸法精度、及びウェルド強度に優れた樹脂組成物を得ることができる。
[(A)ポリアミドの製造方法]
(A)ポリアミドの製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、以下の種々の方法が挙げられる。
1)ジカルボン酸及びジアミンの水溶液又は水の懸濁液、又はジカルボン酸及びジアミン塩とラクタム及び/又はアミノカルボン酸等の他の成分との混合物(以下、これらを、「その混合物」と略称する場合がある。)の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」ともいう。);
2)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーと取り出す方法(「プレポリマー法」);
3)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(「熱溶融重合・固相重合法」);
4)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにニーダー等の押出機で再び溶融して、その重合度を上昇させる方法(「プレポリマー・押出重合法」);
5)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物の水溶液又は水の懸濁液を加熱し、析出したプレポリマーをさらにポリアミドの融点以下の温度で固体状態を維持して、その重合度を上昇させる方法(「プレポリマー・固相重合法」);
6)ジカルボン酸及びジアミン又はその混合物を、固体状態を維持したまま重合させる方法(「モノマー・固相重合法」);
7)「ジカルボン酸及びジアミンの塩」又はその混合物を、固体状態を維持したまま重合させる方法(「塩・固相重合法」);
8)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド及びジアミンを用いて重合させる方法(「溶液法」)。
(A)ポリアミドの製造方法における重合形態は、特に限定されるものではなく、例えば、バッチ式、連続式が挙げられる。
重合装置としては、特に限定されず、公知の装置(例えば、オートクレーブ型反応器、タンブラー型反応器、ニーダー等の押出機型反応器等)を用いることもできる。
[(B)ポリアミド]
本実施形態に係る(B)ポリアミドは、イソフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する。
[[ジカルボン酸単位(c)]]
本実施形態におけるジカルボン酸単位(c)は、当該単位(c)中、イソフタル酸単位を60~100モル%含有し、好ましくは70~100モル%含有し、より好ましくは75~100モル%含有し、さらに好ましくは80~100モル%含有し、さらにより好ましくは90~100モル%含有し、特に好ましくは100モル%含有する。当該モル比率がこの範囲にあると、寸法精度、及びウェルド強度に優れた樹脂組成物となる。
ジカルボン酸単位(c)は、イソフタル酸単位以外のジカルボン酸単位を含有していてもよい。かかるイソフタル酸単位以外のジカルボン酸単位としては、以下に制限されないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2-メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタル酸、3,3-ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びスベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3-シクロペンタンジカルボン酸、及び1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;並びに、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,4-フェニレンジオキシジ酢酸、1,3-フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’-オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルスルホン-4,4’-ジカルボン酸及び4,4’-ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;から誘導される単位が挙げられる。
これらの単位は1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
上記のイソフタル酸単位以外のジカルボン酸単位は、ジカルボン酸単位(c)中に40モル%以下の範囲で含まれていてもよく、より好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは25モル%以下、さらにより好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下、最も好ましくは0モル%である。
上記ポリアミド(B)中のジカルボン酸単位(c)のモル割合は、ポリアミド(B)100モル%に対して、40~60モル%であることが好ましい。
[[ジアミン単位(d)]]
本実施形態におけるジアミン単位(d)は、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有し、好ましくは90~100モル%含有し、より好ましくは100モル%含有する。当該モル比率がこの範囲にあると、耐衝撃性や引っ張り伸び等の機械的特性が優れた樹脂組成物となる。
上記ジアミン単位(d)は、高温下での機械的強度に一層優れる観点から、炭素数が4~6の脂肪族ジアミン単位が好ましく、炭素数が6の脂肪族しアミン単位がより好ましい。
ジアミン単位(d)は、直鎖であっても分岐していてもよい。
上記ジアミン単位(d)を構成する直鎖の脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、1,9-ノナンジアミン、デカメチレンジアミンが挙げられる。
上記ジアミン単位(d)を構成する、主鎖から分岐した置換基を持つ脂肪族ジアミン単位を構成する脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、2-メチルペンタメチレンジアミン(2-メチル-1,5-ジアミノペンタンともいう。)、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン(2-メチルオクタメチレンジアミンともいう。)、及び2,4-ジメチルオクタメチレンジアミンが挙げられる。
上記ジアミン単位(d)として、上記の中でもヘキサメチレンジアミン単位を含むことが好ましい。
ジアミン単位(d)は、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位以外のジアミン単位を含有していてもよい。かかるジアミン単位としては、以下に制限されないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、及びドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,4-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、及び1,3-シクロペンタンジアミン等の脂環族ジアミン;並びに、メタキシリレンジアミン等の芳香族ジアミンから誘導される単位が挙げられる。
これらの単位は1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
上記の炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位以外のジアミン単位は、ジアミン単位(d)中に20モル%以下の範囲で含まれていてもよく、好ましくは10モル%以下、より好ましくは0モル%である。
上記ポリアミド(B)中のジアミン単位(d)のモル割合は、ポリアミド(B)100モル%に対して、40~60モル%であることが好ましい。
本実施形態の(B)ポリアミドの好ましい例としては、ポリアミド6,I、ポリアミド6,I/6,T、ポリアミド6,I/6,6等が挙げられる。
また、(B)ポリアミドは、本実施形態の目的を損なわない範囲で、ブチロラクタム、ピバロラクタム、ε-カプロラクタム、カプリロラクタム、エナントラクタム、及びウンデカノラクタム等のラクタム単位、6-アミノカプロン酸、11-アミノウンデカン酸、及び12-アミノドデカン酸等のアミノカルボン酸単位、ビスヘキサメチレントリアミン等の3価以上の多価アミン単位、並びに、トリメリット酸、トリメシン酸、及びピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸単位を含んでもよい。
これらの単位は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
これらの単位のポリアミド(B)中の合計割合(モル%)は、ポリアミド全体に対して、20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましく、5モル%以下であることがさらに好ましい。
[(B)ポリアミドの分子量]
本実施形態において、成分(B)の重量平均分子量(以下、Mwと称する場合がある)は、好ましくは10000~50000であり、より好ましくは15000~45000であり、さらに好ましくは15000~35000であり、よりさらに好ましくは20000~40000であり、特に好ましくは25000~35000である。成分(B)のMwがこの範囲にあると、高温時下での機械的強度、及びウェルド強度に優れたものとなる。
なお、Mwは、後述の実施例に記載するように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定することができる。
[(B)ポリアミドの含有量]
本実施形態の強化樹脂組成物において、成分(A)、(B)、及び(C)の合計を100質量%としたときに、成分(B)の含有量は、3~40質量%であることが好ましく、より好ましくは5~40質量%、さらに好ましくは5~35質量%である。成分(B)の含有量がこの範囲にあると、機械的強度、低吸水性、寸法精度、及びウェルド強度に優れた樹脂を得ることができる。
また、本実施形態の強化樹脂組成物において、成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とした場合、成分(B)の含有量は、5~50質量%であり、好ましくは5~40質量%であり、さらに好ましくは10~40質量%である。成分(B)の含有量がこの範囲にあると、高温時の機械的強度、低吸水性、寸法精度、ウェルド強度に優れた樹脂組成物となる。
[(B)ポリアミドの製造方法]
(B)ポリアミドの製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、上述の(A)ポリアミドの製造方法で示した種々の方法を用いることができる。
[成分(A)及び成分(B)の物性]
本実施形態の樹脂組成物に含まれるポリアミドの末端基は、後述する(C)ポリフェニレンエーテルとの反応に関与する。通常、ポリアミド系樹脂は、末端基として、アミノ基やカルボキシル基を有している。一般的に、末端カルボキシル基濃度が高くなると、耐衝撃性が低下し、流動性が向上する傾向にある。また、一般的に、末端アミノ基濃度が高くなると、耐衝撃性が向上し、流動性が低下する傾向にある。但し、本実施形態の樹脂組成物の物性はこれらの傾向に限定されない。
本実施形態の樹脂組成物の特性バランスを一層良好にする観点から、成分(A)及び(B)のそれぞれの末端アミノ基濃度の末端カルボキシル基濃度に対する割合は、1.0以下であることが好ましく、0.05~0.8であることがより好ましい。ポリアミドの末端アミノ基濃度の末端カルボキシル基濃度に対する割合を上記範囲とすることにより、樹脂組成物の流動性と耐衝撃性のバランスを一層高いレベルで維持することができる。
成分(A)及び(B)のそれぞれの末端アミノ基濃度は、1~80μmol/gであることが好ましく、5~60μmol/gであることがより好ましく、10~45μmol/g未満であることが更に好ましく、20~40μmol/gであることがより更に好ましい。末端アミノ基濃度を上記範囲とすることにより、本実施形態の樹脂組成物の流動性と耐衝撃性とのバランスを一層高いレベルで維持することができる。
成分(A)及び(B)のそれぞれの末端カルボキシル基濃度は、20~150μmol/gであることが好ましく、30~130μmol/gであることがより好ましい。末端カルボキシル基濃度を上記範囲とすることにより、本実施形態の樹脂組成物の流動性と耐衝撃性とのバランスを一層高いレベルで維持することができる。
これらのポリアミドの各末端基の濃度は、公知の方法を用いて調整することができる。例えば、ポリアミドの重合時に所定の末端基濃度となるように、ジアミン化合物、モノアミン化合物、ジカルボン酸化合物、及びモノカルボン酸化合物等から選ばれる1種以上を添加する方法等が挙げられる。
末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度は、種々の方法により測定可能である。例えば、1H-NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求める方法が、精度、簡便さの観点から好ましい。例えば、ポリアミド系樹脂の末端基濃度の定量方法の具体例としては、特開平07-228689号公報の実施例に記載された方法が挙げられる。具体的には、各末端基の数は、1H-NMR(500MHz、重水素化トリフルオロ酢酸中、50℃で測定)により、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。末端封止剤によって封止された末端の特性シグナルが同定できない場合には、ポリアミドの極限粘度[η]を測定し、下記式の関係を用いて分子鎖末端基総数を算出することができる。
Mn=21900[η]-7900 (Mnは数平均分子量を表す)
分子鎖末端基総数(eq/g)=2/Mn
成分(A)及び成分(B)のポリアミドにおいて、分子鎖の末端基の10~95%が末端封止剤により封止されていることが好ましい。ポリアミドの分子鎖の末端基が封止されている割合(末端封止率)の下限値は、40%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。末端封止率を上記下限値以上とすることにより、本実施形態の樹脂組成物を成形する際の粘度上昇を抑制することができる。また、末端封止率の上限値は、95%以下であることが好ましく、90%以下であることがより好ましい。末端封止率を上記上限値以下とすることにより、耐衝撃性や成形品の表面外観が一層向上する。
ポリアミドの末端封止率は、当該ポリアミドに存在する末端カルボキシル基、末端アミノ基及び末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ測定し、下記の式(1)に従って求めることができる。
末端封止率(%)=[(α-β)/α]×100 (1)
(式中、αは分子鎖の末端基の総数(単位=モル;これは、通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい。)を表し、βは封止されずに残ったカルボキシル基末端及びアミノ基末端の合計数(単位=モル)を表す。)
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基又はカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に限定されないが、反応性及び封止末端の安定性等の観点から、モノカルボン酸、モノアミンが好ましく、取扱いの容易性等の観点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他にも、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコ-ル類等を末端封止剤として使用することができる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に限定されず、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α-ナフタレンカルボン酸、β-ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物;等が挙げられる。これらの中でも、反応性、封止末端の安定性、及び経済性等の観点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましく、酢酸、安息香酸がより好ましい。
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に限定されず、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物;等が挙げられる。これらの中でも、反応性、沸点、封止末端の安定性、及び経済性等の観点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましく、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミンがより好ましい。
本実施形態の効果を損なわない範囲で、上記したポリアミド成分以外のポリアミドを必要に応じて任意の段階で添加してもよい。
かかる付加的成分としては、以下に制限されないが、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド5,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6,T、ポリアミド6,T/6,I、ポリアミドMXD,6(メタキシレンアジパミド)等が挙げられる。
樹脂組成物の耐熱安定性を一層向上させる目的で、ポリアミド中だけでなく遷移金属やハロゲンを樹脂組成物中に存在させてもよい。
遷移金属の種類は、特に限定されず、例えば、鉄、銅、セリウム、ニッケル、コバルト等が挙げられ、これらの中でも、長期熱安定性の観点から銅が好ましい。また、ハロゲンの種類は、特に限定されないが、生産設備等の腐食防止の観点から、臭素、ヨウ素が好ましい。
遷移金属の含有量は、本実施形態の成分(A)、成分(B)、及び後述する成分(C)の合計を100質量%としたとき、質量基準で1ppm以上200ppm未満であることが好ましく、5ppm以上100ppm未満であることがより好ましい。また、ハロゲンの含有量は、本実施形態の成分(A)、成分(B)、及び後述する成分(C)の合計を100質量%としたとき、質量基準で500ppm以上1500ppm未満であることが好ましく、700ppm以上1200ppm未満であることがより好ましい。
これら遷移金属やハロゲンを樹脂組成物に添加する方法としては、特に限定されず、例えば、ポリアミドと、後述する成分(C)とを溶融混練する工程においてこれらを粉体として添加する方法;ポリアミドの重合時に添加する方法;高濃度で遷移金属やハロゲンを添加したポリアミドのマスターペレットを製造した後、このポリアミドのマスターペレットを樹脂組成物へ添加する方法等が挙げられる。これらの方法の中で好ましい方法は、ポリアミドの重合時に添加する方法、ポリアミドに遷移金属及び/又はハロゲンを高濃度で添加したマスターペレットを製造した後、添加する方法である。
[(C)ポリフェニレンエーテル]
本実施形態における(C)ポリフェニレンエーテルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-エチル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2-メチル-6-フェニル-1,4-フェニレンエーテル)、ポリ(2,6-ジクロロ-1,4-フェニレンエーテル)等が挙げられる。さらに、2,6-ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52-017880号公報に記載されている、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体や、2,6-ジメチルフェノールと2-メチル-6-ブチルフェノールとの共重合体等)のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。これらの中でも、機械的強度の観点から、ポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル)、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノールとの共重合体、これらの混合物が好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(C)ポリフェニレンエーテルの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することもできる。例えば、米国特許第3306874号明細書、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、米国特許第3257358号明細書、特開昭50-051197号公報、特公昭52-017880号公報、及び特開昭63-152628号公報等に記載された製造方法等が挙げられる。
(C)ポリフェニレンエーテルの還元粘度(0.5g/dLクロロホルム溶液、30℃、ウベローデ型粘度管で測定)の下限値は、0.30dL/g以上であることが好ましく、0.35dL/g以上であることがより好ましく、0.38dL/g以上であることが更に好ましい。ポリフェニレンエーテルの還元粘度の上限値は、0.80dL/g以下であることが好ましく、0.75dL/g以下であることがより好ましく、0.55dL/g以下であることが更に好ましい。ポリフェニレンエーテルの還元粘度の下限値と上限値の組合せとしては、0.30~0.80dL/gであることが好ましく、0.35~0.75dL/gであることがより好ましく、0.38~0.55dL/gであることが更に好ましい。(C)ポリフェニレンエーテルの還元粘度が上記範囲であると、耐衝撃性及び耐熱性が一層向上する。
(C)ポリフェニレンエーテルは、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルの混合物であってもよい。
また、(C)ポリフェニレンエーテルの還元粘度は、重合時の触媒量、重合時間等の生産条件等により制御することができる。
(C)ポリフェニレンエーテルの安定化のために、公知の各種安定剤を樹脂組成物に配合してもよい。安定剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の金属系安定剤;ヒンダードフェノール系安定剤、リン系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤等の有機安定剤が挙げられる。
安定剤の含有量は、(C)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して、5質量部未満であることが好ましい。
さらに、上述した安定剤以外に、(C)ポリフェニレンエーテルに添加可能なその他の添加剤等も、樹脂組成物に配合することができる。その場合、その他の添加剤の含有量は、合計で、(C)ポリフェニレンエーテル100質量部に対して10質量部未満であることが好ましい。
[成分(C)の含有量]
本実施形態の強化樹脂組成物において、(C)ポリフェニレンエーテルの含有量は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計を100質量%としたとき、20~50質量%であり、好ましくは25~50質量%であり、より好ましくは25~45質量%であり、更に好ましくは25~40質量%である。
通常半芳香族ポリアミドに非晶性のポリアミドを配合すると、半芳香族ポリアミドの結晶性を阻害するため、高温での機械的強度は大きく低下するが、成分(C)の含有量が上記範囲であると、高温下での機械的強度、耐熱性、成形性、及び耐衝撃性に優れた樹脂組成物が得られる。
なお、成分(C)の含有量は、フーリエ変換型赤外分光(FT-IR)測定による検量線法によって、求めることができる。
本実施形態の難燃性熱可塑性樹脂組成物における(C)ポリフェニレンエーテルの好ましい分散形態としては、耐熱性、機械的強度、及び成形性のバランスの観点から、成分(A)及び/又は成分(B)を含む相が連続相を形成し、(C)ポリフェニレンエーテルを含む相が分散相を形成する形態であることが好ましい。その際の(C)ポリフェニレンエーテルを含む相の平均粒子径としては、透過型電子顕微鏡で1万倍の倍率で観察した際に、(C)ポリフェニレンエーテルを含む相が平均粒子径0.1~5μmの分散相として存在する形態であることが好ましい。(C)ポリフェニレンエーテルを含む相の平均粒子径は、より好ましくは0.1~3μmであり、さらに好ましくは0.1~2μmである。
[(D)無機フィラー]
本実施形態における樹脂組成物は、(D)無機フィラーを含む。
本実施形態の(D)無機フィラーとしては、以下に制限されないが、例えば、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、及びボロンウィスカ繊維等の繊維状無機フィラー;マイカ、タルク、カオリン、焼成カオリン、ガラスフレーク等の板状無機フィラー;酸化チタン、アパタイト、ガラスビーズ、シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の粒状無機フィラー;及びウォラストナイト、ゾノトライト等の針状無機フィラー;が挙げられる。これらの中でも、好ましくは繊維状無機フィラー、板状無機フィラー、及び針状無機フィラーであり、より好ましくは、タルク、ウォラストナイト、ガラスフレーク及びガラス繊維であり、さらに好ましくはガラスフレーク及びガラス繊維であり、よりさらに好ましくはガラス繊維である。
これらの無機フィラーは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、無機フィラーは、シランカップリング剤等の表面処理剤を用いて公知の方法により表面処理したものを使用してもよい。
(D)無機フィラーの含有量は、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)の合計を100質量%としたとき、好ましくは10~60質量%であり、より好ましくは10~50質量%であり、さらに好ましくは20~50質量%である。
[(E)相容化剤]
本実施形態における樹脂組成物は、ポリアミド及びポリフェニレンエーテルの相容性を向上させる観点から、(E)相容化剤をさらに含むことが好ましい。(E)相容化剤を使用する主な目的は、ポリアミド及びポリフェニレンエーテルの混合物の物理的性質を改良することである。
(E)相容化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、又はこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を意味する。かかる相互作用は、化学的(例えば、グラフト化)であってもよく、物理的(例えば、分散相の表面特性の変化)であってもよい。いずれにしても、得られるポリアミド及びポリフェニレンエーテルの混合物の相容性は向上する。
(E)相容化剤の例としては、特開平8-48869号公報及び特開平9-124926号公報等に記載されているものが挙げられ、これら公知の相容化剤はすべて使用可能であり、さらに2種以上の併用も可能である。
前記した種々の(E)相容化剤の中でも、好ましくは、クエン酸、マレイン酸、イタコン酸、及びそれらの無水物からなる群より選択される1種以上である。中でも、無水マレイン酸及び/又はクエン酸がより好ましい。
(E)相容化剤の含有量は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計を100質量部とした時、好ましくは0.01~10質量部であり、より好ましくは0.10~5質量部、さらに好ましくは0.10~2質量部である。
[付加的成分]
本実施形態では、上記した成分以外であっても、本実施形態の効果を損なわない範囲で、必要に応じて付加的成分を任意の段階で添加してもよい。
かかる付加的成分としては、以下に制限されないが、例えば、ポリエステル及びポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、可塑剤(低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、及び脂肪酸エステル類等)、帯電防止剤、核剤、流動性改良剤(例えば、ステアリン酸金属塩として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、及びステアリン酸リチウム)、充填剤、補強剤、各種の過酸化物、展着剤、銅系熱安定剤、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等のアルカリ金属のハロゲン化塩、ヒンダードフェノール系酸化劣化防止剤に代表される有機系熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤(公知の無機顔料、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄系顔料、群青、コバルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン、クロム酸鉛系顔料、カドミウム系顔料、有機顔料としては、例えば、アゾレーキ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアリリド顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料;アジン系染料等)等が挙げられる。
これらの各々の付加的成分の添加量は、全樹脂組成物100質量%中に、好ましくは10質量%以下である。より好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは3質量%以下である。
本実施形態の強化樹脂組成物(100質量部)中の、成分(A)及び成分(B)の合計質量割合は、10~80質量部であることが好ましく、より好ましくは20~70質量部、さらに好ましくは30~60質量部である。
本実施形態の強化樹脂組成物(100質量部)中の、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計質量割合は、20~100質量部であることが好ましく、より好ましくは30~90質量部、さらに好ましくは40~80質量部である。
本実施形態の強化樹脂組成物(100質量部)中の、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)の合計質量割合は、80質量部以上であることが好ましく、より好ましくは90質量部以上である。
〔強化樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の強化樹脂組成物は、上述した成分(A)~成分(D)、必要に応じて成分(E)及び付加的成分を用いて、従来公知の溶融混練法により製造することができる。
例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等を用いて溶融混練する方法が挙げられるが、中でも二軸押出機を用いた方法が好ましく、特に、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機を用いた方法がさらに好ましい。
溶融混練温度としては、280~360℃の範囲内が好ましい。
〔成形品及びその製造方法等〕
本実施形態の強化樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形及び流延成形等の、従来公知の成形方法を用いて成形することにより、成形品を製造することができる。すなわち、本実施形態の成形品は、強化樹脂組成物を含むものである。
成形方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、射出成形機のシリンダー内で強化樹脂組成物を溶融させ、所定の形状の金型内に射出することによって、所定の形状の成形品を製造することができる。
また、シリンダー温度を制御した押出機内で強化樹脂組成物を溶融させて、口金ノズルよりこれを紡出することによって、繊維状の成形品を製造することができる。
さらに、シリンダー温度を制御した押出機内で強化樹脂組成物を溶融させて、Tダイからこれを押し出すことによって、フィルム状やシート状の成形品を製造することができる。
さらにまた、このような方法で製造された成形品は、表面に、塗料、金属や他種のポリマー等からなる被覆層を形成させてもよい。すなわち、本実施形態の成形品と、この成形品の表面の少なくとも一部に形成された被覆層と、を備える積層体とすることもできる。被覆層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。積層方法としては、特に限定されず、その使用目的は成形品の形状等に鑑み、適宜好適な方法を採用することができる。
〔70℃における引張強度の向上方法〕
本発明の70℃の引張強度を向上させる方法は、(C)ポリフェニレンエーテルを含む樹脂組成物において、70℃における引張強度を向上させる方法である。
上記方法は、(C)ポリフェニレンエーテルを含有する樹脂組成物の70℃における引張強度を向上させる方法であって、テレフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する(A)ポリアミド、イソフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する(B)ポリアミド、及び(D)無機フィラー、を上記樹脂組成物に添加して、上記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計100質量部に対して、上記成分(C)の質量割合が20~50質量部である強化樹脂組成物とし、
DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の結晶化エンタルピーをΔHTcとしたときに
ΔHTcMt=ΔHTc×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
で表されるΔHTcMtが10J/g以上とし、かつ
DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の融解エンタルピーをΔHMpとしたときに、
ΔHMpMt=ΔHMp×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
で表されるΔHMpMtが35J/g以下とする、
方法であることが好ましい。
上記樹脂組成物は、成分(C)以外に他の成分(例えば、上述の付加的成分)を含んでいてもよい。上記樹脂組成物は、成分(A)又は成分(B)を含まないことが好ましい。また、上記樹脂組成物は、成分(D)を含まないことが好ましい。上記樹脂組成物100質量部に対する成分(C)の質量割合としては、8~45質量部が好ましい。
本実施形態の方法において、上記樹脂組成物に、成分(A)と成分(B)とを同時に添加し、そのあと成分(D)を添加することが好ましい。二軸押出等により混錬することが好ましい。
上記ΔHTcMtを10J/g以上に調整する方法としては、例えばポリアミド(A)中のジカルボン酸単位(a)におけるテレフタル酸単位含有量、ポリアミド(B)中のジカルボン酸単位(c)におけるイソフタル酸単位含有量、及びポリアミド(A)とポリアミド(B)の比率を調整する方法が挙げられる。
上記ΔHMpMtを35J/g以下に調整する方法としては。(例えばポリアミド(A)中のジカルボン酸単位(a)におけるテレフタル酸単位含有量、ポリアミド(B)中のジカルボン酸単位(c)におけるイソフタル酸単位含有量、ポリアミド(A)中の及びポリアミド(A)とポリアミド(B)の比率を調整する方法)が挙げられる。
例えば、上記ΔHTcMtを10J/g以上と上記ΔHMpMtを35J/g以下とを同時に達成する方法としては、ポリアミド(A)中のジカルボン酸単位(a)におけるテレフタル酸単位含有量が100モル%、ポリアミド(B)中のジカルボン酸単位におけるイソフタル酸単位含有量が100モル%であった場合、成分(A)と成分(B)との合計を100質量%とした場合、成分(B)の含有量を5~50質量%の範囲とする方法が挙げられる。
特に、上記結晶化エンタルピーと上記融解エンタルピーを特定範囲内とすることにより、ポリアミドとポリフェニレンエーテルとを含む強化樹脂組成物において、ポリフェニレンエーテルを含まないポリアミド樹脂組成物に比べて優れた低吸水性を維持しながら、高温時強度の向上を図ることができる。
以下、本実施形態について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に用いた測定方法及び原材料を以下に示す。
〔特性の測定方法〕
((1)成形サイクル性)
後述する実施例及び比較例で製造した樹脂組成物ペレットを用い、射出成形機(東芝機械(株)製:EC75SXII)により、シリンダー温度を320℃、金型温度を110℃に設定して、JIS K7162-5A試験片を以下の条件で成形した。試験片が金型に張り付いて取り出せない場合には冷却時間を5秒刻みで延長し、試験片が取り出せた冷却時間(秒)を求めた。
平均射出成形速度:100mm/sec
射出圧力:ショートショット圧力(金型内に樹脂が完全に充填されない圧力の最大値)を求め、これにショートショット圧力の20%を加算
((2)ノッチ付シャルピー衝撃強さ)
後述する実施例及び比較例で製造した樹脂組成物ペレットを用い、射出成形機(東芝機械(株)製:EC75SXII)により、シリンダー温度を320℃、金型温度を110℃に設定して、JIS K7139 A型の多目的試験片を成形した。当該多目的試験片からさらに80mm×10mm×4mmの試験片を切り出し、ISO179に準じて23℃の温度条件下でシャルピー衝撃強さ(kJ/m2)を測定した。
評価基準としては、測定値が高い値であるほど、耐衝撃性に優れていると判定した。
((3)引張強度)
上記(2)で成形したJIS K7139 A型多目的試験片を用いて、ISO527に準じて70℃の温度条件下、5mm/minの速度で引張降伏強さ(MPa)を測定し、高温時の引張強度を評価した。また、同様にして作製したJIS K7139 A型多目的試験片を用いて、ISO527に準じて23℃の温度条件下、5mm/minの速度で引張降伏強さ(MPa)を測定し、引張強度(23℃)を評価した。
評価基準としては、測定値が高い値であるほど、各温度の機械的強度に優れていると判定した。
((4)ウェルド強度)
後述する実施例及び比較例で製造した樹脂組成物ペレットを用い、射出成形機(東芝機械(株)製:EC75SXII)により、シリンダー温度を330℃、金型温度を160℃に設定して、JIS K7139 A型の多目的試験片を、両端ゲート金型を用いて以下の条件で成形した。
平均射出成形速度:30mm/sec
保圧:最大射出ピーク圧の80%
射出時間:50秒
保圧時間:20秒
当該試験片を用いて、ISO527に準じて23℃の温度条件下、5mm/minの速度で引張降伏強さ(MPa)を測定した。
評価基準としては、測定値が高い値であるほど、ウェルド強度に優れていると判定した。
〔実施例及び比較例で使用した原材料〕
((A)ポリアミド)
<(A-1)ポリアミド9,T(以下、「PA9T」と記載する。)>
テレフタル酸9743.5g、1,9-ノナンジアミン8072.3g、2-メチル-1,8-オクタンジアミン1424.6g、安息香酸329.7g、次亜リン酸ナトリウム一水和物19.6g(原料に対して0.1質量%)、及び蒸留水5Lを40Lオートクレーブに入れ、窒素置換した。
100℃で30分間撹拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温した。この時、オートクレーブは22kg/cm2まで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2に保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2まで下げ、更に1時間反応させて、極限粘度[η]が0.25dL/gのプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕した。これを230℃、0.1mmHg下にて、10時間固相重合し、融点が306℃、極限粘度[η]が0.80dL/gのポリアミドを得た。
また、特開平7-228689号公報の実施例に記載されている末端アミノ基濃度の測定方法に従い測定した結果、末端アミノ基濃度は20μmol/gであった。
上記ポリアミドは、テレフタル酸単位を100モル%含有するカルボン酸単位と、1,9-ノナンジアミン単位を80モル%、2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位を20モル%含有するジアミン単位とを有していた。
((B)ポリアミド)
<(B-1)ポリアミド6,I(以下、「PA6I」と記載する。)>
イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1500g、及び全等モル塩成分に対して1.5モル%過剰のイソフタル酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの50質量%均一水溶液を作製し、5Lオートクレーブに入れた。
50質量%均一水溶液を110~150℃の温度下で撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。その後、内部温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。そのまま1時間、内部温度が245℃になるまで、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら反応させた。
次に、30分かけて圧力を降圧した。その後、オートクレーブ内を真空装置で650torrの減圧下に10分維持した。このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、窒素で加圧し、下部紡口(ノズル)からストランド状に押し出し、水冷、カッティングによりペレット状にして、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミド(ジカルボン酸単位中のイソフタル酸単位の割合:100モル%)を得た。
得られたポリアミドの重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、東ソー株式会社製、HLC-8020、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒、及びPMMA(ポリメチルメタクリレート)標準サンプル(ポリマーラボラトリー社製)換算)を用いて測定した結果、Mw=20000、Mw/Mn=2であった。
また、上記測定方法に従い測定した結果、末端アミノ基濃度は8μmol/gであった。
上記ポリアミドは、イソフタル酸単位を100モル%含有するカルボン酸単位と、ヘキサメチレンジアミン単位を100モル%含有するジアミン単位とを有していた。
<(B-2)ポリアミド6,I/6,T(以下、「PA6I/6T」と記載する。)>
ポリアミド6I/6T(エムス社製「グリボリー21」、Mw=27000、Mw/Mn=2.2、ジカルボン酸単位中のイソフタル酸単位の割合:70モル%、ジアミン単位中のヘキサメチレンジアミン単位の割合:100モル%)
<(C)ポリフェニレンエーテル(以下、「PPE」と記載する。)>
重合槽底部に酸素含有ガス導入のための鉄製スパージャー、ステンレス製撹拌タービン翼及びステンレス製バッフルを備え、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた2000リットルのジャケット付きのステンレス製重合槽に、13NL/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、160.8gの酸化第二銅、1209.0gの47%臭化水素水溶液、387.36gのジ-t-ブチルエチレンジアミン、1875.2gのジ-n-ブチルアミン、5707.2gのブチルジメチルアミン、826kgのトルエン、124.8kgの2,6-ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ反応器の内温が25℃になるまで撹拌した。
次に、重合槽へ1312NL/分の速度で乾燥空気をスパージャーより導入し始め、重合を開始した。110分間通気し、重合終結時の内温が40℃になるようコントロールした。重合終結時の重合液は溶液状態であった。
上記乾燥空気の通気を停止し、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の2.5質量%水溶液を100kg添加し、70℃で150分間重合混合物を撹拌した後静置し、液-液分離(GEA製ディスク型遠心分離機)により有機相と水相とを分離した。
得られた有機相を室温にした後、メタノールを過剰に加えてポリフェニレンエーテルを析出したスラリーを作製した。その後、バスケットセントル(タナベウィルテック製0-15型)を用い濾過した。
濾過後、過剰のメタノールをバスケットセントル内にいれ、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテルを得た。次に、湿潤ポリフェニレンエーテルを、10mmの丸穴メッシュをセットしたフェザミル(ホソカワミクロン社製FM-1S)に投入し粉砕後、コニカルドライヤーを用い150℃、1mmHgで1.5時間保持し、乾燥状態のポリフェニレンエーテル粉体を得た。このPPEの還元粘度は0.40dL/g(0.5g/dL、クロロホルム溶液、30℃測定)であった。
<(D)無機フィラー>
ガラス繊維(日本電気硝子社製「ECS03-T747」、繊維径13μm、チョップ長3mm)。
<(E)相容化剤>
無水マレイン酸(特級試薬)(和光純薬製)
<付加的成分>
1)過酸化物(Peroxide)(日本油脂株式会社製「パーヘキサ25B-40」)
2)ヨウ化カリウム(以下、「KI」と表記する)(和光純薬製)
3)黒色顔料(主成分:カーボンブラック)(三菱化学(株)製「#960」、平均一次粒子径16mg、DBP吸油量64mL/100g)
〔実施例1~4及び比較例1~3〕
原料の流れ方向に対し、上流側、中央、下流側に3ヶ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK-26MC、コペリオン社製(ドイツ)]を用いた。供給口位置は、押出機シリンダーの全長を1.0とした時、上流からL=0の位置の供給口を上流供給口、L=0.4の位置の供給口を中央供給口、L=0.6の位置の供給口を下流供給口とし、上流供給口、中央供給口、及び下流供給口への原料供給方法は、ホッパーを用いて供給する方法とした。上流供給口から中央供給口までを320℃、中央供給口よりも下流側を310℃に設定し、スクリュー回転数は300回転/分、吐出量は15kg/hとした。
また、中央供給口のあるシリンダーブロックの直前のブロックと、ダイ直前のシリンダーブロックにそれぞれ開口部を設け、真空吸引することにより残存揮発分及びオリゴマーの除去を行った。この時の真空度(絶対圧力)は60Torrであった。
下記表1に記載の組成に従い、それぞれの原材料を供給し、溶融混練した。
押出機ダイ先端から押出したストランドは、冷却用水を張ったSUS製ストランドバスにて冷却を行った。その後、ストランドカッターにて切断して樹脂組成物ペレットを得た。
得られた樹脂組成物ペレットの水分率を調整するため、押出後、80℃に設定した除湿乾燥機中で1時間乾燥した後、アルミニウムコートされた防湿袋に入れた。この時の樹脂組成物ペレットの水分率は、概ね200~300ppmであった。
得られた樹脂組成物ペレットを用いて、上述の各評価を行った。その結果を下記表1に示す。
Figure 0007223159000001
実施例1~4においては、高温時の引張強度に優れていることが分かった。一方、比較例1~3はΔHTcMtまたはΔHMpMtが本発明の値の範囲外のため、高温時の引張強度の劣ったものとなった。
本発明の強化樹脂組成物は、高温時の機械的強度、低吸水性、及びウェルド強度に優れるため、特に、各種電気・電子用部材、各種電池用部材、各種光学用途用部材等に好適に用いることができる。

Claims (17)

  1. テレフタル酸単位を90~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する(A)ポリアミド、
    イソフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する(B)ポリアミド、
    (C)ポリフェニレンエーテル、及び
    (D)無機フィラー
    を含む強化樹脂組成物であって、
    前記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計100質量部に対して、前記成分(C)の質量割合が20~50質量部であり、
    DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の結晶化エンタルピーをΔHTcとしたときに
    ΔHTcMt=ΔHTc×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
    で表されるΔHTcMtが10J/g以上であり、かつ
    DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の融解エンタルピーをΔHMpとしたときに、
    ΔHMpMt=ΔHMp×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
    で表されるΔHMpMtが35J/g以下である、
    ことを特徴とする、強化樹脂組成物。
  2. 前記成分(B)の前記ジカルボン酸単位(c)が、イソフタル酸単位を70~100モル%含む、請求項1に記載の強化樹脂組成物。
  3. 前記成分(B)が、イソフタル酸単位を75~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する、請求項1又は2に記載の強化樹脂組成物。
  4. 前記成分(A)が、テレフタル酸単位を90~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9-ノナンジアミン単位及び/又は2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  5. 前記成分(A)中の1,9-ノナンジアミン単位と2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位とのモル比(1,9-ノナンジアミン単位/2-メチル-1,8-オクタンジアミン単位)が100/0~20/80である、請求項4に記載の強化樹脂組成物。
  6. 前記成分(A)及び前記成分(B)の合計100質量%に対して、前記成分(A)の質量割合が50~90質量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  7. 前記成分(B)の重量平均分子量が15000~35000である、請求項1~6のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  8. 前記成分(B)の重量平均分子量が20000~27000である、請求項1~7のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  9. 前記成分(D)が繊維状無機フィラー又は針状無機フィラーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  10. 前記繊維状無機フィラーがガラス繊維を含む、請求項9に記載の強化樹脂組成物。
  11. 前記成分(D)が板状無機フィラーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  12. 前記板状無機フィラーがガラスフレークを含む、請求項11に記載の強化樹脂組成物。
  13. (E)相容化剤をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  14. 前記強化樹脂組成物100質量部に対する前記成分(A)、前記成分(B)及び前記成分(C)の合計質量割合が40~80質量部である、請求項1~13のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  15. 前記成分(B)の末端アミノ基濃度が1~80μmol/gである、請求項1~14のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物。
  16. 請求項1~15のいずれか一項に記載の強化樹脂組成物を含むことを特徴とする、成形品。
  17. (C)ポリフェニレンエーテルを含有する樹脂組成物の70℃における引張強度を向上させる方法であって、
    テレフタル酸単位を90~100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、炭素数が9~12の脂肪族ジアミン単位を60~100モル%含有するジアミン単位(b)とを有する(A)ポリアミド、イソフタル酸単位を60~100モル%含有するジカルボン酸単位(c)と、炭素数が4~10の脂肪族ジアミン単位を80~100モル%含有するジアミン単位(d)とを有する(B)ポリアミド、及び(D)無機フィラー、を前記樹脂組成物に添加して、前記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)の合計100質量部に対して、前記成分(C)の質量割合が20~50質量部である強化樹脂組成物とし、
    DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の結晶化エンタルピーをΔHTcとしたときに
    ΔHTcMt=ΔHTc×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
    で表されるΔHTcMtが10J/g以上とし、かつ
    DSCによって測定される前記強化樹脂組成物の融解エンタルピーをΔHMpとしたときに、
    ΔHMpMt=ΔHMp×{(強化樹脂組成物の質量)/(強化樹脂組成物のマトリックス成分の質量)}
    で表されるΔHMpMtが35J/g以下とする、
    ことを特徴とする、方法。
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