JP7213738B2 - ナトリウム含有穀類茶飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、穀類抽出物と電解質と有機酸とを含有する飲料に関する。より詳細には、穀類抽出物とナトリウムイオンを供給できる電解質を含有し、有機酸としてグルコン酸、クエン酸及びアスコルビン酸から選択される1種以上のヒドロキシカルボン酸を含む飲料に関する。
熱中症は、従来、高温環境下での運動や労働で頻発していたが、ヒートアイランド現象や地球温暖化の影響により、最近では日常生活においても発生が増加している。厚生労働省のホームページには、熱中症対策として、20~30分ごとにカップ1~2杯程度の水分を摂取すること、水分だけでなく塩分を合わせて摂取することが望ましいとされている。
塩分を含有する飲料として、スポーツドリンクが多数開発されている。スポーツドリンクは、通常、甘味料や果汁等が配合されたpH4.0以下の酸性飲料である。pH4.0以下の甘味料及び/又は果汁が配合された飲料は、適度な甘みと酸味で塩味等のミネラルに起因する味がマスキングされ、後味、すっきり感、飲みやすさのバランスがよくなり、嗜好性が向上されている(特許文献1)。
また、麦茶飲料が、体温を下げる、血流を改善する等の生理効果を有することなどの理由から、夏の暑熱時期や冬の乾燥時期の水分補給飲料としての需要が高まっている。そして、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムイオンの濃度を特定割合にした健康麦茶(特許文献2)や、飲料中のナトリウムイオン濃度を低く抑え、特定範囲のpHに調整し、かつ麦以外の穀類種子の抽出物を混合することで、焙煎麦由来の苦味・渋味等の角のある味を丸めて、まろやかな味にした麦茶飲料(特許文献3)等が報告されている。
特開2015-211652号公報 特開昭62-83847号公報 特開2015-008704号公報
麦茶飲料等の穀類茶飲料は、焙煎香とすっきりとした味わいが親しまれている飲料である。しかし、ナトリウムを強化した穀類茶飲料を製造しようとした場合、焙煎穀類由来の苦味・渋味等の角のある味が増強され、一度にゴクゴクと飲み難く、水分補給飲料として不適当な飲料となることが判明した。
本発明は、高濃度のナトリウムを含む、高いドリンカビリティ(Drinkability)を有する穀類茶飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ナトリウムを含有する穀類茶飲料に対し、塩化物イオン濃度を低減し、かつ特定量のヒドロキシカルボン酸を含有せしめることで、ナトリウム含有穀類茶飲料の角のある味を丸めて、まろやかな味にすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、これに限定されるものではないが、以下に関する。
[1]焙煎穀類抽出物と電解質と有機酸とを含有し、以下の(i)~(v):
(i)ピラジン類濃度が250~2500ppbである、
(ii)ナトリウム濃度が20~80mg/100mlである、
(iii)塩化物イオン濃度が30mg/100ml以下である、及び
(iv)グルコン酸、クエン酸及びアスコルビン酸から選択される1種以上のヒドロキシカルボン酸を含み、これらヒドロキシカルボン酸の合計濃度が20~800mg/100mlである、
を満たす穀類茶飲料。
[2]pHが4.5~7.5である、請求項1に記載の穀類茶飲料。
[3]炭水化物含有量が2.0g/100ml以下である、請求項1又は2に記載の穀類茶飲料。
本発明によって、熱中症対策や運動時(軽運動時を含む)の水分およびナトリウム補給飲料として、一度にゴクゴクと飲める(がぶ飲みできる)高いドリンカビリティを有する穀類茶飲料の提供が可能となる。
(穀類茶)
本明細書における穀類茶とは、原料となる焙煎穀類粒から水性溶媒により抽出される焙煎穀類の抽出物を含む飲料をいう。原料となる穀類としては、飲料として使用できる穀類であればよく、例えば、米(いり米、玄米など)、麦(大麦、はだか麦など)、ハト麦、そば(日本ソバ、韃靼種などのそば子実の穀粒)、ごま、大豆・黒豆、とうもろこし、麦芽等が挙げられ、これらの1種又は複数種類を用いることができる。穀類茶原料の穀粒の調製及び焙煎は従来通常に行われている方法で良い。
本発明のナトリウム含有飲料を熱中症対策や軽運動時の水分およびナトリウム補給の目的で飲用する場合、上記の穀類のうち、麦及び/又はハト麦の焙煎抽出物を主成分として飲料を調製することは、これらの焙煎抽出物に体温を下げる、血流を改善する等の生理効果があることから、好適な態様の一例であるといえる。ここで、麦及び/又はハト麦の焙煎抽出物を主成分とする飲料とは、食品表示法(平成27年4月施行)で表記される原材料表示において、「大麦」(焙煎大麦を含む)、「はと麦」などの麦又はハト麦が上位に記載される飲料をいう。好ましくは、原材料表示で上記の麦又はハト麦が1番目又は2番目に表記される飲料であり、より好ましくは1番目に表記される飲料である。
上記穀類の焙煎に関し、焙煎機、焙煎方法は特に限定されない。一般的な焙煎機として、連続流動式焙煎機や回転ドラム方式の焙煎機等があり、焙煎方法は、加熱方法により分類すれば、直火、熱風、遠赤外線、マイクロウェーブなどの方法がある。
また、上記焙煎穀類原料の抽出方法も特に限定されず、浸漬(ニーダー抽出)法、散水(カラム抽出)法等のいずれの方法を用いてもよい。抽出溶媒は、飲用可能で抽出に適する溶媒であれば特に限定されないが、好ましくは水性溶媒であり、最も簡便には水を用いることができる。水は、食品の処理に使用可能な水質であればよく、例えば、蒸留水、脱塩水、アルカリイオン水、海洋深層水、イオン交換水、脱酸素水或いは水溶性の有機化合物(例えば、アルコール類)や無機塩類を含む水などを用いることができるが、好ましくは純水を用いる。抽出溶媒の使用量は、穀類原料の種類や抽出溶媒の種類、抽出温度、所望される嗜好性等により異なるが、通常、穀類原料の重量を基準として、5~500重量部程度である。抽出液の温度は、穀類の香ばしい焙煎香を引き出すため高温であることが好ましく、具体的には60~100℃、好ましくは80~100℃程度である。抽出時間は、3~60分であり、好ましくは5~30分である。
抽出した後は、公知の固液分離手段、例えば濾別や遠心分離を用いて抽出液(穀類茶)を得る。抽出液は、液体のまま用いてもよいし、濃縮や乾燥を行って濃縮液や固体(粉末など)の形態であってもよい。
(ピラジン類)
本発明のナトリウム含有穀類茶飲料は、ナトリウムにより増強された、焙煎穀類由来の苦味・渋味等の角のある味を丸めて、まろやかな味にした飲料である。本発明の飲料は、角のある味わいを形成する成分の一つとして、焙煎穀類由来のピラジン類を含有する。ここで、本発明における「角のある味」とは、ピリッとしたり、イガッとしたりする口腔内や舌を直接刺激するような味を表わす。
本発明におけるピラジン類とは、ピラジン、メチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジンをいい、ピラジン類濃度とはこれら6成分の合計含有量を意味する。飲料中のピラジン類の含有量は、ガスクロマトグラフィー・質量分析法(GC-MS法)を用いて測定することができる。
本発明の穀類茶飲料におけるピラジン類含量は、250ppb以上、好ましくは500ppb以上である。ピラジン類含量が250ppb未満の飲料では、高濃度のナトリウムを配合しても角のある味とはならないので、本発明の課題が発生しない。一方、ピラジン類の上限は2500ppb以下であり、好ましくは2000ppb以下であり、より好ましくは1500ppb以下であり、より好ましくは1000ppb以下であり、より好ましくは940ppb以下である。ピラジン類が上記範囲よりも多いと、本発明の効果が十分に得られないことがある。
(ナトリウム)
本発明の飲料は、熱中症対策や軽運動時の水分およびナトリウム補給に有用な飲料であり、高濃度のナトリウムを含有する。ナトリウムを飲料に含有させる方法としては、例えば、ナトリウム塩の形態で飲料に添加する方法を挙げることができる。ナトリウム塩としては、飲用可能なナトリウム塩であればよく、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム等を用いることができるが、特にこれらに限定されない。好ましくはクエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムが用いられる。
本発明の飲料におけるナトリウムの濃度は、20~80mg/100mlである。ナトリウム濃度が低すぎる場合、発汗で喪失する水分および塩分の補給には不十分である。ナトリウム濃度の下限値は、22mg/100ml以上が好ましく、24mg/100ml以上がより好ましい。また、ナトリウム濃度が高過ぎる場合、本発明の効果が発揮されにくいことから80mg/100ml以下とする。好ましくは70mg/100ml以下、より好ましくは60mg/100ml以下である。なお、飲料中のナトリウム濃度は、原子吸光光度計を用いて分析することができる。また、ナトリウム塩として配合した場合には、ナトリウム元素の含有量として算出することができる。
(塩化物イオン)
本発明者らの検討によると、飲料中の塩化物イオン(Cl)濃度が高いと、後述する特定のヒドロキシカルボン酸による焙煎穀類由来の苦味・渋味の抑制作用を阻害する。一方、塩化物イオン濃度が特定範囲以下に抑えられていると、特定のヒドロキシカルボン酸と相乗的な作用を発現することを見出した。したがって、本発明の飲料における塩化物イオンの含有量は、30mg/100ml以下となるよう制御することが重要である。本発明の飲料における塩化物イオンの含有量は、25mg/100ml以下がより好ましく、20mg/100ml以下がさらに好ましく、15mg/100ml以下が特に好ましく、10mg/100ml以下がことさら好ましい。本発明の好ましい態様の一例として、上述のナトリウムの供給源として、塩化ナトリウム等の塩化物を配合しない飲料を挙げることができる。なお、飲料中の塩化物イオン濃度は、硝酸銀滴定法により分析することができる。また、塩化物として配合した場合には、塩化物中の塩素元素の含有量として算出することができる。
(ヒドロキシカルボン酸)
本発明の飲料は、ピラジン類と高濃度のナトリウムにより形成される「角のある味」を丸めて柔らかい味とするために、特定のヒドロキシカルボン酸、そのラクトン又はそれらの塩を配合する。ここで、特定のヒドロキシカルボン酸とは、具体的には、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸をいう。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。2種以上を組み合せて使用することは、よりまろやかな味となることから、好ましい。なお、塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられ、中でもアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
本発明の穀類茶飲料は、グルコン酸、クエン酸及びアスコルビン酸から選択される1種以上のヒドロキシカルボン酸を含み、その合計濃度が20~800mg/100mlである。特定のヒドロキシカルボン酸が、前記範囲より少ない場合は、穀類茶の角のある味を改善するのに充分な効果を得ることができないことがある。ヒドロキシカルボン酸の下限値は、30mg/100ml以上であることが好ましく、40mg/100ml以上であることがより好ましい。
また、特定のヒドロキシカルボン酸含有量が前記範囲より多い場合は、ヒドロキシカルボン酸特有の酸味が強くなり、飲料の風味に影響を与えることがある。ヒドロキシカルボン酸は、500mg/100ml以上を添加してもその効果は各段に高くなるものではないので、効果と香味の観点から、ヒドロキシカルボン酸の上限は700mg/100ml以下とすることが好ましく、600mg/100ml以下とすることがより好ましく、500mg/100ml以下とすることが特に好ましい。飲料中のヒドロキシカルボン酸濃度は、イオン排除クロマトグラフィーを分離モードとする高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析することができる。また、ヒドロキシカルボン酸又はその塩として配合した場合には、ヒドロキシカルボン酸に換算した濃度として算出することができる。
上記ヒドロキシカルボン酸の中でも、クエン酸は酸味が強く、飲料の風味に影響を与えることがある。したがって、ヒドロキシカルボン酸として、クエン酸を用いる場合、飲料中のクエン酸濃度は150mg/100ml以下となるように配合することが好ましく、100mg/100ml以下となるように配合することがより好ましい。ただし、クエン酸を単独で用いる場合には、その上限は、200mg/100ml程度となる。
ヒドロキシカルボン酸のうち、グルコン酸の濃度は、3種のヒドロキシカルボン酸の合計濃度が20~800mg/100mlとなるように配合されていればよく、特に限定されないが、好ましくは20mg/100ml以上であり、より好ましくは40mg/100ml以上であり、上限値は好ましくは600mg/100ml以下であり、より好ましくは470mg/100ml以下である。
ヒドロキシカルボン酸のうち、アスコルビン酸の濃度は、3種のヒドロキシカルボン酸の合計濃度が20~800mg/100mlとなるように配合されていればよく、特に限定されないが、好ましくは20mg/100ml以上であり、より好ましくは30mg/100ml以上であり、上限値は好ましくは270mg/100ml以下であり、より好ましくは200mg/100ml以下である。
(その他成分)
高濃度のナトリウム添加に伴う焙煎穀類の角のある味は、焙煎穀類抽出物及びナトリウム等の電解質以外の成分が少ない場合に顕著に知覚される。これは、角のある味を形成する苦味や渋味をマスキングする成分が少ないためと推測される。効果の顕著さの観点から、焙煎穀類抽出物及び電解質以外の成分が少ない飲料は、本発明の好適な態様の一例である。具体的には、酸味成分が少ない飲料、炭水化物含有量が低い飲料を例示できる。
酸味成分が少ない飲料としては、pHが略中性の飲料を挙げることができる。酸性飲料の場合、酸味成分が焙煎穀類抽出物に由来する苦味や渋味を効果的にマスキングするが、略中性の飲料の場合、そのような酸味成分が存在しないため、焙煎穀類抽出物に由来する苦味や渋味が顕著となり、角のある味が強く知覚される。したがって、効果の顕著さから、本発明の飲料の好ましいpH(20℃)は4.5~7.5であり、より好ましくは5.0~7.0である。飲料のpH調整は、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤を用いて適宜行うことができる。飲料のpHは市販のpHメーターを使用して容易に測定することができる。
炭水化物含有量が低い飲料としては、糖類(単糖、二糖、多糖、糖アルコール)や食物繊維を供給する成分が少ない飲料を挙げることができる。糖類が含まれる場合、甘み成分等により焙煎穀類抽出物に由来する苦味や渋味を効果的にマスキングすることができる。また、食物繊維が含まれる場合、焙煎穀類抽出物の香り立ちが抑制され、苦味や渋味も抑制される傾向にあるため、本発明の課題が発生しにくくなる。したがって、効果の顕著さから、本発明の飲料の好ましい炭水化物含有量は2.0g/100ml以下であり、より好ましくは1.5g/100ml以下、特に好ましくは1.0g/100ml以下である。本明細書でいう炭水化物含有量とは、フェノール硫酸法を用いて定量される値をいう。
本発明者らの検討によると、穀類茶飲料にカフェイン、カテキン、ナリンギン等の苦味成分が含まれる場合、焙煎穀類由来の苦味・渋味と相俟って角のある味わいを増強し、本発明の効果が得られにくくなることがある。したがって、本発明の飲料は、これら苦味成分が特定範囲以下に抑えられていることが好ましい。なお、カフェイン、カテキン及びナリンギンの含有量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる。
具体的には、本発明の飲料におけるカフェイン含有量は、0~20mg/100mlであることが好ましく、0~15mg/100mlであることがより好ましく、0~10mg/100mlであることがさらに好ましく、0~5mg/100mlであることが特に好ましく、0mg/100mlであることが最も好ましい。
また、本発明の飲料におけるカテキン含有量は、0~30mg/100mlであることが好ましく、0~20mg/100mlであることがより好ましく、0~15mg/100mlであることがさらに好ましく、0~10mg/100mlであることが特に好ましく、0mg/100mlであることが最も好ましい。ここで、カテキンの含有量とは、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートの合計量をいう。
さらに、本発明の飲料におけるナリンギン含有量は、0~10mg/100mlであることが好ましく、0~5mg/100mlであることがより好ましく、0~2mg/100mlであることがさらに好ましく、0~1mg/100mlであることが特に好ましい。
その他、本発明の飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の飲料と同様に、各種添加剤などを配合してもよい。各種添加剤としては、例えば、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、増粘剤、品質安定剤などを挙げることができる。
本発明の穀類茶飲料は、水分およびナトリウム補給飲料として、一気に大量をゴクゴク飲むことができるものであり、飲み飽きずにまた美味しく飲める性質を有するものである。したがって、1回当たりの飲用量を満たす容器、具体的には容量が350~2000ml(好ましくは500~1000ml)程度の容器に収容された本発明の飲料は、携帯性に優れ、簡便に水分およびナトリウムを補給できる点で好ましい。
以下、実験例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、本明細書において、特に記載しない限り、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。本実施例中、飲料中の各成分量等は以下の方法により測定した。
[ピラジン類の測定]
ピラジン類の含有量(ピラジン、メチルピラジン、2,5-ジメチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジンの合計含有量)は下記のように分析した。まず、試料液5mlをネジ付き20ml容ガラス瓶(直径18mm,ゲステル社製)に入れてPTFE製セプタム付き金属蓋(ゲステル社製)にて密栓し、固相マイクロ抽出法(SPME)にて香気成分の抽出を行った。定量は、GC/MSのEICモードにて検出されたピーク面積を用い、標準添加法にて行った。なお、各成分の保持時間は、標準品を分析することで確認できる。使用した機器及び条件を以下に示す。
・SPMEファイバー:StableFlex/SS,50/30μm DVB/CAR/PDMS,(スペルコ社製)
・全自動揮発性成分抽出導入装置:MultiPurposeSampler MPS2XL(ゲステル社製)
・予備加温:40℃5分間
・攪拌:なし
・揮発性成分抽出:40℃30分間
・揮発性成分の脱着時間:3分間
・GCオーブン:GC7890A(アジレントテクノロジーズ社製)
・カラム:VF-WAXms,60m×0.25mmi.d. df=0.50μm(アジレントテクノロジーズ社製)
・GC温度条件:40℃(5分間)→5℃/分→260℃(11分間)
・キャリアーガス:ヘリウム,1.2ml/分,流量一定モード
・インジェクション:スプリットレス法
・インレット温度:250℃
・質量分析装置:GC/MS Triple Ouad7000(アジレントテクノロジーズ社製)
・イオン化方式:EI(70eV)
・測定方式:スキャン測定、またはスキャン&SIM同時測定
・スキャンパラメータ:m/z35~350
・定量イオン
(ピラジン) m/z80、53、又は52(本実施例においては80)
(メチルピラジン) m/z94、67、又は93(本実施例においては94)
(2,5-ジメチルピラジン) m/z108、42、又は107(本実施例においては108)
(2,6-ジメチルピラジン) m/z108、42、又は107(本実施例においては108)
(エチルピラジン) m/z107、108、又は80(本実施例においては107)
(2,3-ジメチルピラジン) m/z108、67、又は107(本実施例においては108)
なお、本実施例においては上記の定量イオンを選択したが、ピーク形状、感度、または他の成分との分離が良好でない場合は、試料液の蒸留水による希釈、SIMモードの利用、標準品分析で得られた他のイオンの選択、の方策のうち1つ以上を用いることができる。
[ナトリウムの測定]
試料2~5gを抽出容器に分取し、1%塩酸溶液200mLを加え、室温下で30分間振とう抽出した。抽出液を遠心管に移して遠心分離し、上澄み液を測定用試験溶液とした。原子吸光光度計の測定波長を589nmに設定して測定用試験溶液の吸光度を検出し、予め作成した標準物質濃度による検量線に基づき、試験溶液の濃度を求めた。
[塩化物イオンの測定]
試料5gに0.01mol/Lの塩酸1gを添加した後、イオン交換水で50gまでメスアップして測定用試験溶液とし、「上水試験方法」(2011年版 日本水道協会)に規定されたモール法による硝酸銀滴定法に準じた方法で分析した。測定用試験溶液中の塩化物イオンの定量は、塩酸のみを添加したブランク測定との差分から算出した。
[ヒドロキシカルボン酸の測定]
試料を純水にて希釈し、メンブレンフィルターにて濾過後、HPLC分析に供した。分析条件は以下のとおり:
・カラム:Shodex RSpak KC-811 (8.0mmI.D.×300mm)
・移動相:10mmol/L リン酸
・流速:0.5mL/min
・検出波長:UV(210nm)
・カラム温度:40℃サンプル注入量:40μL
・注入量:20μL
上記の条件で、グルコン酸、クエン酸、及びアスコルビン酸の濃度を各々測定、算出した。また、これらの濃度を合計したものをヒドロキシカルボン酸の合計濃度とした。
[炭水化物の測定]
試験管に飲料1mLと、フェノール試薬(5%(W/V)フェノール水溶液)1mLとを加えてよく撹拌した後、濃硫酸(試薬特級)を5mL加え、すぐに10秒間激しく撹拌した。その後室温に20分以上放置して十分冷却してから、分光光度計で波長490nmの吸収を測定した。D-グルコースを標準物質として同様の操作にて作成した検量線を用いて、飲料中に含まれる全ての炭水化物の濃度を算出した。
[pHの測定]
pHは、試料の品温を20℃にした後、pHメーター(F21、HORIBA製)を使用して測定した。
実験1:ナトリウム含有穀類茶飲料の製造と評価(1)
市販の穀類茶飲料として、A社製品(食品表示法に基づく原材料表示:大麦、玄米、はと麦、海藻エキス)(試料1-1)、B社製品(食品表示法に基づく原材料表示:六条大麦)(試料1-8)、C社製品(食品表示法に基づく原材料表示:ハトムギ、大麦、ハブ茶、発芽大麦、黒豆(大豆)、とうもろこし、玄米、びわの葉、カワラケツメイ、たんぽぽの根、あわ、きび、エゴマの葉、桑の葉、昆布、ナツメ/ビタミンC)(試料1-15)、D社製品(食品表示法に基づく原材料表示:ハトムギ、玄米、大麦、どくだみ、はぶ茶、チコリー、月見草、ナンバンキビ、オオムギ若葉、明日葉、杜仲葉、ヨモギ)(試料1-22)を用いた。それぞれの飲料のピラジン類濃度は、A社製品:913ppb、B社製品:1420ppb、C社製品:360ppb、D社製品:294ppbであった。この市販飲料に対し、0.03~0.15g/100mlの塩化ナトリウムを配合して、種々のナトリウム濃度の穀類茶飲料(麦又はハト麦の焙煎抽出物を主成分とする茶飲料)を得た。
これらのナトリウム含有穀類茶飲料について、熟練した5人のパネルによる官能評価を実施した。官能評価は、「角のある味」を感じられるか否かを評価項目とし、角のある味を感じたパネルの人数を尺度として、5点:角のある味を強く感じる(角のある味を感じたパネル数:5人)、4点:角のある味を感じる(パネル数:4人)、3点:角のある味をやや感じる(パネル数:3人)、2点:角のある味がわずかにある(パネル数:2人)、1点:角のある味がない(パネル数:1人以下)、の5段階を設定した。
結果を表1に示す。ピラジン類を含有する穀類茶飲料において、ナトリウムにより苦味や渋味が増強される傾向にあり、ナトリウム含有量が20mg/100ml以上となると角のある味になることが確認された。
Figure 0007213738000001
実験2:ナトリウム含有麦茶飲料の製造と評価(2)
3gの大麦に対し熱水(80~90℃)1000mLを用いて5分間抽出処理を行った後、大麦を分離し、さらに200メッシュを通液させ、粉砕組織などの固形分を除去して、大麦抽出液を得た(試料2-1)。この大麦抽出液に、実験1と同様にして塩化ナトリウムを配合して、種々のナトリウム濃度のナトリウム含有麦茶飲料を得た(pH6.5(20℃)、ピラジン類含有量:910ppb)。これら麦茶飲料について、実験1と同様に評価した。
結果を表2に示す。実験1と同じ結果であり、ナトリウム含有量が20mg/100ml以上となると角のある味になることが確認された。
Figure 0007213738000002
実験3:炭水化物含有量の影響
実験2の試料2-6(ナトリウム含有量:39mg/100ml)の麦茶飲料に対して、表3の炭水化物含有量となるようにデキストリン(三和澱粉工業、サンデック#30)を添加した。炭水化物含有量が異なるナトリウム含有麦茶飲料について、実験1と同様に評価した。結果を表3に示す。炭水化物含有量が2.0g/100mlを超える飲料では、苦味や渋味が抑制される傾向にあり、角のある味を感じにくかった。
Figure 0007213738000003
実験4:pHの影響
実験2の試料2-6(ナトリウム含有量:39mg/100ml)の麦茶飲料に対して、表4のpHとなるようにリン酸又は水酸化ナトリウムを適量加えた。pHが異なるナトリウム含有麦茶飲料について、実験1と同様に評価した。結果を表4に示す。pHが4.0以下の飲料では、酸味により苦味や渋味が抑制される傾向にあり、角のある味を感じにくかった。また、pHが8.0以上の飲料では、飲料にぬめりが発生し、全ての香味が低減していた。
Figure 0007213738000004
実験5:塩化物イオンの影響
実験2の試料2-6(ナトリウム含有量:39mg/100ml、炭水化物含有量:0g/100ml)の麦茶飲料に対して、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸から選択されるヒドロキシカルボン酸の1種を、表5の配合で添加した(試料5-1、試料5-5、試料5-8)。また、実験2の試料2-1の大麦抽出液をベースとし、ナトリウム供給源として、塩化ナトリウムの一部を炭酸水素ナトリウムに変えたものも調製した(試料5-2~5-4、試料5-6~5-7、試料5-9~5-10)。麦茶飲料のpH(20℃)はいずれも6.5となるように、リン酸又は水酸化ナトリウムを用いてpH調整を行った。これらのヒドロキシカルボン酸を含有するナトリウム含有麦茶飲料について、実験1と同様に評価した。
結果を表5に示す。ヒドロキシカルボン酸の一つであるグルコン酸を添加すると、ナトリウム含有麦茶飲料の苦味・渋味が抑制される傾向にあった。このグルコン酸による苦味及び渋味抑制効果は、塩化物イオンの量を低減させるほど効果が高まり、塩化物イオンが30mg/100mlとなるように低減した飲料では、角のある味がほとんど感じられなかった。グルコン酸を、クエン酸、アスコルビン酸に変えた場合も同様の効果が得られた。ヒドロキシカルボン酸として、リンゴ酸、乳酸を用いた場合にも若干の効果は感じられたが、上記3種のヒドロキシカルボン酸ほど顕著な効果は得られなかった。
Figure 0007213738000005
実験6:ヒドロキシカルボン酸の効果(1)
実験2の試料2-1の大麦抽出液をベースとし、塩化ナトリウムと炭酸水素ナトリウムを用いてナトリウム含有量が約39mg/100ml(炭水化物含有量:0g/100ml)の麦茶飲料を調製した(試料6-1)。この麦茶飲料に対して、グルコン酸を表6の配合で添加した(試料6-2~試料6-8、6-11~6-14)。また、ナトリウム及びグルコン酸の供給源としてグルコン酸ナトリウムを用いたものも調製した(試料6-9~6-14)。これら飲料のpHは、水酸化ナトリウムとリン酸を用いてpHを6.0に調製した。これらのグルコン酸を含有するナトリウム含有麦茶飲料について、実験1と同様に評価した。
結果を表6に示す。グルコン酸を20mg/100ml以上配合した飲料は、焙煎穀類に由来する苦味や渋味が抑制され、角のある味がまろやかな味となった。グルコン酸塩を用いた場合にも同様の効果が確認された。飲料中のグルコン酸濃度が600mg/100mlを超える飲料は角のある味はないものの、グルコン酸による酸味がわずかに感じられた。グルコン酸濃度が800mg/100mlを超える飲料は、穀類茶飲料として後味に異味が感じられドリンカビリティに欠けると評価された。
Figure 0007213738000006
実験7:ヒドロキシカルボン酸の効果(2)
グルコン酸をクエン酸に、グルコン酸ナトリウムをクエン酸三ナトリウムに変える以外は、実験6と同様にしてナトリウム含有麦茶飲料を調製し、評価した(ナトリウム含有量:約39mg/100ml、炭水化物含有量:0g/100ml、pH6.0)。結果を表7に示す。クエン酸を20mg/100ml以上配合した飲料は、焙煎穀類に由来する苦味や渋味が抑制され、角のある味がまろやかな味となった。クエン酸塩を用いた場合にも同様の効果が確認された。飲料中のクエン酸濃度が200mg/100mlを超える飲料は角のある味はないものの、クエン酸の酸味が感じられた。
Figure 0007213738000007
実験8:ヒドロキシカルボン酸の効果(3)
グルコン酸をアスコルビン酸に、グルコン酸ナトリウムをアスコルビン酸ナトリウムに変える以外は、実験6と同様にしてナトリウム含有麦茶飲料を調製し、評価した(ナトリウム含有量:約39mg/100ml、炭水化物含有量:0g/100ml、pH6.5)。結果を表8に示す。アスコルビン酸を20mg/100ml以上配合した飲料は、焙煎穀類に由来する苦味や渋味が抑制され、角のある味がまろやかな味となった。アスコルビン酸塩を用いた場合にも同様の効果が確認された。飲料中のアスコルビン酸濃度が270mg/100mlを超える飲料は角のある味はないものの、アスコルビン酸の酸味が僅かに感じられ、アスコルビン酸濃度が800mg/100mlを超える飲料は明らかに異味を感じた。
Figure 0007213738000008
実験9:ヒドロキシカルボン酸の効果(4)
ヒドロキシカルボン酸として、グルコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムの2種以上を用いること以外は、実験6と同様にしてナトリウム含有麦茶飲料を調製(試料9-1~9-4)し、評価した(ナトリウム含有量:約40mg/100ml、炭水化物含有量:0g/100ml、pH6.5)。また、実験6~8で調製した試料6-8、試料7-5、試料8-6及び水をそれぞれ表10の割合で混合した麦茶飲料も調製(試料10-1~10-4)し、評価した。
結果を表9及び表10に示す。グルコン酸、クエン酸及びアスコルビン酸から選択されるヒドロキシカルボン酸を2種以上用いた場合にも、焙煎穀類に由来する苦味や渋味が抑制され、角のある味がまろやかな味となった。また、5名のパネルのうちの4名以上が、ヒドロキシカルボン酸を1種のみ用いた場合よりも2種以上を用いた方が、よりまろやかな味になると評価した。
Figure 0007213738000009
Figure 0007213738000010
実験10:ナトリウム濃度の影響
実験2で得た大麦抽出液(ピラジン類含有量:910ppb)に、表11の処方でヒドロキシカルボン酸(グルコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及びアスコルビン酸ナトリウム)を配合して、ナトリウム含有麦茶飲料を調製した。なお、飲料のpH(20℃)が6.0となるようにリン酸又は水酸化ナトリウムを用いてpH調整を行った。ナトリウム含有量の異なる各種麦茶飲料について、実験1と同様に評価した。結果を表11に示す。ナトリウム含有量が20~80mg/100mlの範囲では、ヒドロキシカルボン酸によって角のある味がまろやかな味になることが確認された。
Figure 0007213738000011
実験11:ピラジン類濃度の影響
実験10で調製した試料11-2(ピラジン類含有量:910ppb、pH6.0)に、表12の処方でピラジン標準液(富士フィルム和光純薬)を添加してピラジン含有量の異なる麦茶飲料を調製した(試料12-1~12-4)。また、試料11-2を水で2倍に希釈した飲料(試料12-5)を調製し、これにピラジン標準液を添加したものも調製した(表13)。ピラジン量の異なる各種麦茶飲料について、実験1と同様に評価した。結果を表12及び13に示す。ピラジン含有量が2500mg/100ml以下の範囲では、ヒドロキシカルボン酸によって角のある味がまろやかな味になることが確認された。
Figure 0007213738000012
Figure 0007213738000013
実験12:ヒドロキシカルボン酸の効果
実験1で用いた市販の穀類茶飲料に対して、表14の処方でナトリウム及びヒドロキシカルボン酸を配合して、ナトリウム含有穀類茶飲料を調製した。いずれの飲料もpHは4.5~7.5の範囲内であり、炭水化物含有量は2.0mg/100ml以下であった。いずれの飲料も穀類茶及びナトリウムに起因する角のある味が感じられない、まろやかな味を有する飲料であった。
Figure 0007213738000014

Claims (3)

  1. 焙煎穀類抽出物と電解質と有機酸とを含有し、以下の(i)~(v):
    (i)ピラジン類濃度が250~2500ppbである、
    (ii)ナトリウム濃度が20~80mg/100mlである、
    (iii)塩化物イオン濃度が30mg/100ml以下である、及び
    (iv)グルコン酸濃度が20~800mg/100mlである、
    を満たす穀類茶飲料。
  2. pHが4.5~7.5である、請求項1に記載の穀類茶飲料。
  3. 炭水化物含有量が2.0g/100ml以下である、請求項1又は2に記載の穀類茶飲料。
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