JP7211880B2 - ナトリウム、カリウム、及びアスコルビン酸を含有する飲料 - Google Patents
ナトリウム、カリウム、及びアスコルビン酸を含有する飲料 Download PDFInfo
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[1]電解質と有機酸とを含有し、以下の(i)~(iv):
(i)ナトリウム濃度が20~80mg/100mlである、
(ii)塩化物イオン濃度が30mg/100ml以下である、
(iii)カリウム濃度が5~30mg/100mlである、
(iv)アスコルビン酸濃度が50~700mg/100mlである、及び
(v)pHが5.0~7.0である
を満たす飲料。
[2]カリウムに対するアスコルビン酸の含有量の割合が、1~70である、[1]に記載の飲料。
(ナトリウム)
本発明の飲料は、熱中症対策や軽運動時の水分およびナトリウム補給に有用な飲料であり、高濃度のナトリウムを含有する。ナトリウムを飲料に含有させる方法としては、例えば、ナトリウム塩の形態で飲料に添加する方法を挙げることができる。ナトリウム塩としては、飲用可能なナトリウム塩であればよく、例えば、塩化ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム等を用いることができるが、特にこれらに限定されない。好ましくはクエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムが用いられる。特に、L-アスコルビン酸ナトリウムは、後述するアスコルビン酸の供給源となり得ることから好適に用いられる。
本発明者らの検討によると、飲料中の塩化物イオン(Cl-)濃度が高いとナトリウムの塩味を増強し、本発明の効果が得られにくくなる。本発明の飲料における塩化物イオンの含有量は、30mg/100ml以下となるよう制御することが重要である。本発明の飲料における塩化物イオンの含有量は、25mg/100ml以下がより好ましく、20mg/100ml以下がさらに好ましく、15mg/100ml以下が特に好ましく、10mg/100ml以下がことさら好ましい。本発明の好ましい態様の一例として、上述のナトリウムやカリウムの供給源として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩化物を配合しない飲料を挙げることができる。なお、飲料中の塩化物イオン濃度は、硝酸銀滴定法により分析することができる。また、塩化物として配合した場合には、塩化物中の塩素元素の含有量として算出することができる。
本発明の飲料は、高濃度のナトリウムによる強い塩味を低減するために、アスコルビン酸とともにカリウムを用いることを特徴とする。カリウムを飲料に含有させる方法としては、例えば、カリウム塩の形態で飲料に添加する方法、水酸化カリウムの形態で飲料に添加する方法、水分散性に優れるカリウムを多く含有する食品原料を飲料に添加する方法を挙げることができる。カリウム塩としては、飲用可能なカリウム塩であればよく、例えば、塩化カリウム、クエン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二カリウム、酢酸カリウム等を用いることができるが、特にこれらに限定されない。
上述したとおり、本発明は、高濃度のナトリウムによる強い塩味を低減するために、アスコルビン酸とともにカリウムを用いることを特徴とする。本発明においてアスコルビン酸を飲料に含有させる方法としては、例えば、アスコルビン酸やその塩を添加する方法、アスコルビン酸含有食品原料(例えばアセロラやレモンの果汁を濃縮・固形化したもの等)を飲料に添加させる方法などを挙げることができる。アスコルビン酸塩としては、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。中でも、ナトリウムを同時に配合できるという理由からナトリウム塩が好適に用いられる。
(飲料)
本発明の飲料は、多様化する消費者の嗜好性に対して、略中性の新たな熱中症対策飲料を提供するものである。本明細書でいう「略中性」の飲料とは、具体的にはpH(20℃)が5.0~7.0の中性飲料である。pH5.0未満の場合は、酸味によりナトリウムの塩味をマスキングすることができるので、本発明の課題が発現しにくい。また、pH7.0を超える場合、本発明の所定量のアスコルビン酸を用いてもナトリウムの塩味を改善するのに充分な効果を得ることができないばかりか、pHが7.0を超えると、飲料中の溶存二酸化炭素が炭酸イオン(CO3 2-)となり、飲料が容器詰飲料である場合に開栓時の吹き零れ等を生じる原因になり得る。飲料のpH調整は、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤を用いて適宜行うことができる。飲料のpHは市販のpHメーターを使用して容易に測定することができる。
試料2~5gを抽出容器に分取し、1%塩酸溶液200mLを加え、室温下で30分間振とう抽出した。抽出液を遠心管に移して遠心分離し、上澄み液を測定用試験溶液とした。原子吸光光度計の測定波長を、ナトリウム:589nm、カリウム:766.5nmに設定して測定用試験溶液の吸光度を検出し、予め作成した標準物質濃度による検量線に基づき、試験溶液の濃度を求めた。
試料5gに0.01mol/Lの塩酸1gを添加した後、イオン交換水で50gまでメスアップして測定用試験溶液とし、「上水試験方法」(2011年版 日本水道協会)に規定されたモール法による硝酸銀滴定法に準じた方法で分析した。測定用試験溶液中の塩化物イオンの定量は、塩酸のみを添加したブランク測定との差分から算出した。
試料を純水にて希釈し、メンブレンフィルターにて濾過後、HPLC分析に供した。分析条件は以下のとおり:
・カラム:Shodex RSpak KC-811 (8.0mmI.D.×300mm)
・移動相:10mmol/L リン酸
・流速:0.5mL/min
・検出波長:UV(210nm)
・カラム温度:40℃サンプル注入量:40μL
・注入量:20μL。
「三訂 早わかり栄養表示基準」(新開発食品保健研究会監修中央法規出版(株))に記載の「1 たんぱく質(1)窒素定量換算法」に基づき、窒素・たんぱく質換算係数を6.25として測定した。
脂質量は酸分解法で求めた。試料を1g量りとり、塩酸を加え分解した後、ジエチルエーテル及び石油エーテルを加え、攪拌混和した。エーテル混合液層を取り出し、水洗した。溶媒を留去させ、乾燥させた後、重量を秤量することで脂質量を求めた。
フォーリン試薬を用い、吸光光度計(UV-1600(株式会社島津製作所製))により波長725nmにおける吸光度を測定し、該測定値からポリフェノール量を算出した。
pHは、試料の品温を20℃にした後、pHメーター(F21、HORIBA製)を使用して測定した。
表2に示す各種ナトリウム塩を純水(pH7.0)1Lに溶解して、ナトリウム含有飲料(ナトリウム含有量:35mg/100ml)を調製した。これら試料(10℃)について、熟練した5人のパネルによる官能評価を実施した。官能評価は、「後味の悪さ(後味嫌悪性)」について、塩味や雑味が飲用後も残存するか否かを評価項目とし、尺度として、5点:かなりある、4点:ある、3点:ややある、2点:わずかにある、1点:ない、の5段階を設定した。なお、評価はパネル5名が後味の悪さについて各自が実施した後、パネル全員で協議して決定し、上記の尺度を用いて0.5刻みで数値をつけ、3.0点以下を合格(○)とし、2.0点以下を好ましい(◎)とした。
表3に示す処方のナトリウム塩を純水1Lに溶解して、塩化物イオン濃度およびアスコルビン酸濃度が異なるナトリウム含有飲料を調製した。20℃におけるpHはいずれの試料も、5.0~7.0の範囲内であった。これら試料(10℃)について、熟練した5人のパネルによる官能評価を実施した。官能評価は試料2-1を対照飲料として、対照飲料において感じられる飲用時「塩味」が低減されているか否かを評価項目とし、-:対照飲料よりも塩味が強い、±:対照飲料と同程度、+:効果がある(対照飲料と比較して塩味が少ない)、++:非常に効果がある(対照飲料と比較して塩味が極めて少ない)、の4段階を設定した。なお、評価はパネル5名が塩味の強さについて各自が実施した後、パネル全員で協議して決定した。結果を表3に示す。ナトリウムを高濃度で含有する飲料に、アスコルビン酸を含有させることで塩味が低減できることが示唆された。
表4に示す処方のナトリウム塩及びカリウム塩を純水1Lに溶解して、アスコルビン酸濃度及びカリウム濃度が異なるナトリウム含有飲料(ナトリウム含有量:約34mg/100ml)を調製した。20℃におけるpHはいずれの試料も、5.0~7.0の範囲内であった。これらの試料(10℃)について、熟練した5人のパネルによる官能評価を実施した。官能評価は飲用時の「塩味」及び飲用後の塩味や雑味の後残り、すなわち「後味の悪さ(後味嫌悪性)」について、4点:強く感じる、3点:少し感じる、2点:ほとんど感じない、1点:感じない、の4段階を設定した。なお、評価はパネル5名が塩味の強さについて各自が実施した後、パネル全員で協議して決定し、総合評価としていずれの評価も2点以下を合格(○)とし、1点以下を特に好ましい(◎)とした。
実験3の試料3-3の飲料に、表5に示す処方のアスコルビン酸を混合し、pH調整剤として水酸化ナトリウム水溶液を適宜微量滴下してpH6.5~7.0に調整し、アスコルビン酸濃度が異なるナトリウム含有飲料(ナトリウム含有量:34mg/100ml)を調製した。これらの試料(10℃)について、実験3と同様にして官能評価を実施した。
配合を表6及び表7に示す処方とする以外は、実験4と同様にしてナトリウム含有飲料を調製し、官能評価を実施した。20℃におけるpHはいずれの試料も、5.0~7.0の範囲内であった。官能評価は、アスコルビン酸及びカリウムを含まない飲料を対照とし、ナトリウム含有量が同程度の飲料での相対評価とした(評価基準は実験2と同じ)。結果を表6及び表7に示す。ナトリウム含有量が約54mg/100ml、約25mg/100mlの各飲料において、特定量のアスコルビン酸及びカリウムを含有させることで、ナトリウムの塩味を効果的に低減できた。
Claims (3)
- 電解質と有機酸とを含有し、以下の(i)~(iv):
(i)ナトリウム濃度が20~80mg/100mlである、
(ii)塩化物イオン濃度が30mg/100ml以下である、
(iii)カリウム濃度が5~30mg/100mlである、
(iv)アスコルビン酸濃度が50~700mg/100mlである、及び
(v)pHが5.0~7.0である
を満たす飲料。 - カリウムに対するアスコルビン酸の含有量の割合が、5~50である、請求項1に記載の飲料。
- 甘味成分が配合されていない、請求項1または2に記載の飲料。
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