JP4630185B2 - 精製緑茶抽出物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、精製緑茶抽出物の製造方法及び該製造法で製造した精製緑茶抽出物を含有する容器詰緑茶飲料に関する。
緑茶抽出物に含まれるカテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用等が報告されている(特許文献1、2)。カテキン類のこのような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するために、飲料にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれている。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(特許文献3〜5)等を利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
しかしながら、非重合体カテキン類を高濃度に配合した容器詰茶飲料は、長期保存した ときに澱を生じ、外観を大きく損ねてしまう。従来の茶飲料、特に緑茶飲料でも保存中 に澱が生成することがあるが、非重合体カテキン類を高濃度に配合した容器詰茶飲料で は外観の悪化が著しい。緑茶飲料の沈殿の原因は茶葉由来の多糖類、タンパク質、ポリ フェノール類や金属イオン等の成分が水不溶性固形分を形成するためであるといわれて いる。沈殿の生成メカニズムは複雑であり、これまでに様々な対策が検討されてきた。 例えば緑茶中の高分子成分に着目した対策として、酵素処理によって水不溶性固形分形 成成分を分解・低分子化して澱の発生を抑制する方法(特許文献6、7)や、緑茶成分 を限外濾過膜によって分画し、分子量1万以上の高分子成分をほぼ除去することによっ て抑制する方法(特許文献8)が報告されている。一方、金属イオンに着目した方法と しては陽イオン交換樹脂処理とそれに続く微小濾過によって水色と濁りを抑制する方法 (特許文献9)が知られている。
しかしながら、限外ろ過や微小ろ過によって高分子成分をほとんど除去する方法では、茶の滋味成分が大幅に除かれてしまい、澱や沈殿は抑制されるものの茶特有の風味が乏しくなるという欠点がある。酵素処理を行うと、酵素自身の味によって茶本来の風味が変化してしまうことがある。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特開2002−142677号公報 特開平8−298930号公報 特開平8−109178号公報 特開平5−328901号公報 特開平11−308965号公報 特開平4−45744号公報 特許第3174065号明細書
本発明の目的は、長期間保存しても、澱や沈殿の発生が抑えられた高濃度で非重合体カテキン類を含有する精製緑茶抽出物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、長期保存しても、澱や沈殿の発生が抑えられた高濃度で非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物の製造方法に関して検討した結果、緑茶抽出物をキレート繊維で処理すると、長期間にわたって保存しても澱や沈殿の発生しない非重合体カテキン類を高濃度で含有する精製緑茶抽出物が得られ、これを容器詰緑茶飲料に用いると、非重合体カテキン類が高濃度に含有していても澱が生じることがなく、本来の風味を損なわず色相が安定した飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、緑茶抽出物を、キレート繊維で処理することを特徴とする精製緑茶抽出物の製造方法及び該製造方法により得られた精製緑茶抽出物を配合した容器詰緑茶飲料を提供するものである。
本発明により製造された精製緑茶抽出物は、長期間にわたって保存しても澱や沈殿が発生せず、しかも非重合体カテキン類を高濃度で含有する。これを容器詰緑茶飲料に用いると、非重合体カテキン類が高濃度に含有しているにもかかわらず、澱が生じることがなく、本来の風味を損なわず色相が安定した緑茶飲料が得られる。
本発明で非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称であり、非重合体であるカテキン類を指す。
このような非重合体カテキン類を含有する緑茶抽出物としては、緑茶の茶葉から得られた抽出液を乾燥又は濃縮したものなどが挙げられる。ここで使用する茶葉は、より具体的には、Camellia属、例えばC.sinensis、C.assamica、及びやぶきた種又はそれらの雑種などから得られる茶葉から製茶された茶葉が挙げられる。製茶された茶葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶などの緑茶類がある。
茶葉から緑茶抽出物を得る抽出方法は、攪拌抽出などの方法により行うことができる。抽出の際、水にあらかじめアスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸又は有機酸塩類を添加しても良い。また、煮沸脱気や窒素ガスなどの不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法を併用しても良い。このようにして得られた抽出液を必要により乾燥し、本発明に使用する緑茶抽出物を得る。緑茶抽出物の形態としては、液体、スラリー、半固体、固体の状態が挙げられる。エタノール中での分散性の観点から、スラリー、半固体、固体の状態が好ましい。
本発明に使用する緑茶抽出物は、茶葉から抽出した抽出液を乾燥して使用するかわりに茶抽出物の濃縮物を用いても、茶葉からの抽出液の乾燥物と茶抽出物の濃縮物とを併用しても良い。
ここで、茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報などに記載されている方法により製造したものをいう。茶抽出物の濃縮物の形態としては、水溶液など種々のものが挙げられる。特に水溶液が乾燥等の履歴が少なく好ましい。
緑茶抽出物の濃縮物は、具体的には、市販の三井農林社製の「ポリフェノン」、東京フードテクノ社製「ポリフェノン」、伊藤園社製「テアフラン」、太陽化学社製「サンフェノン」などの粗カテキン製剤を用いることもできる。
本発明の精製緑茶抽出物の製造で使用する緑茶抽出物としては、乾燥質量で非重合体カテキン類を10〜90質量%含有するのが、好ましくは10〜87質量%、更に好ましくは10〜85質量%、特に好ましくは10〜82質量%である。この範囲にあると、遊離アミノ酸等の風味をよくする働きを持つ微量成分等が残存するので好ましい。
また、本発明で用いる緑茶抽出物のカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなる総称ガレート体の全非重合体カテキン類中での割合が35〜100質量%の方が、非重合体カテキン類の生理効果の有効性上好ましい。調味のしやすさからは、35〜98質量%がより好ましく、35〜95質量%が特に好ましい。
キレート繊維とは、キレート能を有する官能基を付加した繊維をいい、たとえば、水酸基やアミノ基等の官能基を、合成繊維、天然繊維および再生繊維等の繊維に付加させたものをいう。
緑茶抽出物を処理するキレート繊維は、水酸基やアミノ基等の反応性官能基を分子中に有する繊維に、キレート形成官能基を有する化合物を反応させて、繊維にキレート形成性官能基を導入したものである。繊維としては、合成繊維、天然繊維及び再生繊維等が挙げられ、具体的には綿、麻等の植物性繊維;絹、羊毛等の動物性繊維;ビスコースレーヨン、アセテート等の再生繊維;ポリアミド、アクリル、ポリエステル等の合成繊維が挙げられる。繊維としては、セルロース系繊維が好ましい。
キレート形成官能基を有する化合物としては、D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミン、ジヒドロキシプロピルアミン等のアミン化合物;ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸及びこれらの無水物等のポリカルボン酸;グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸;イミノ二酢酸、イミノプロピオン酸、アミノ二コハク酸、エチレンジアミン二酢酸等のイミノ基とカルボキシル基を有する化合物;チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール基とカルボキシル基を有する化合物;アミノリン酸等が挙げられる。
キレート形成官能基は、繊維分子中のヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基、チオール基等の反応性官能基等に直接結合していてもよく、架橋結合を介して間接的に結合していてもよい。
このようなキレート繊維は、例えば商品名「キレストファイバーGRY」、「キレストファイバーGCP」、「キレストファイバーIRY」、「キレストファイバーICP」、「キレストファイバーICP−S」(以上キレスト株式会社製)、商品名「IEF−SC」(株式会社ニチビ製)として市販されており、容易に入手することができる。これら市販品のうち、セルロース繊維にR−N(CH3)CH2[CH(OH)]4CH2OHを導入したキレストファイバーGRY、セルロース繊維にR−N(CH2COOH)2を導入したキレストファイバーIRYが好ましい。
処理条件としては、キレート繊維の使用量は、抽出液に対して、0.005〜5倍量、好ましくは、0.005〜0.5倍量が沈殿の発生抑制の観点から好ましい。キレート繊維と抽出液が接する温度は、0℃〜85℃、好ましくは、味の点から、0℃〜50℃、特に好ましくは、0〜30℃が好ましい。キレート繊維による抽出液の処理方法としては、抽出液に直接、キレート繊維を添加する方法、キレート繊維をカラム等に充填して、抽出液を通液する方法が挙げられる。前者の場合には、抽出液とキレート繊維が接する時間は、 1〜10分、特に、5〜20分が好ましい。また後者の方法では、カラム効率の点から、通液速度は、10mL/min〜5L/minが好ましい。
キレート繊維処理前の抽出液のpHとしては、3〜9、好ましくは、4〜9、更に、4〜7に調整することが好ましい。このpHの調整においては、アスコルビン酸や炭酸水素ナトリウム等を添加することができる。
得られた精製緑茶抽出物中の非重合体カテキン類の含有量は、10〜90質量%、更に12〜80質量%、更に13〜70質量%、特に13〜40質量%であるのが容器詰緑茶飲料を製造する際の配合しやすさの点で都合がよく好ましい。必要により、この含有量範囲になるように水で希釈してもよい。
また、得られた精製緑茶抽出物の固形分中の非重合体カテキン類の含有量は、36〜99質量%、更に40〜80質量%、特に55〜70質量%であるのが好ましい。
得られた精製緑茶抽出物を他の成分と混合して容器詰緑茶飲料が製造される。本発明の容器詰緑茶飲料中には、水に溶解状態にある非重合体カテキン類を、好ましくは0.03〜0.5質量%、より好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.07〜0.5質量%、更に好ましくは0.08〜0.5質量%、特に好ましくは0.09〜0.4質量%、最も好ましくは0.1〜0.3質量%含有する。非重合体カテキン類含量がこの範囲にあると、多量の非重合カテキン類を容易に取り易く、飲料調製直後の色相の点からも好ましい。
本発明の容器詰緑茶飲料には、更にナトリウムイオンを含有させてもよい。ナトリウムイオンを含有させた本発明緑茶飲料は、スポーツ飲料、アイソトニック飲料等の飲料形態として有用である。
ナトリウムは水溶性無機塩電解質等添加のほか、果汁及び茶抽出物中にも存在する。本発明の容器詰緑茶飲料中における電解質又はイオン成分の量は、最終の飲用し得る容器詰緑茶飲料中の含有量である。電解質濃度はイオン濃度で示される。ナトリウムイオン成分は、ナトリウム塩化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手しうるナトリウム塩として、あるいは加えられた果汁又は茶の成分として配合できる。
ナトリウムイオンの濃度は、9.5mg/100g(緑茶飲料)以上、更に10〜15mg/100(緑茶飲料)、特に11〜15mg/100(緑茶飲料)であるのが好ましい。ここで、ナトリウムイオン濃度がこの範囲にあれば、効果的なミネラル補給ができ、塩類の味が強くならず味的にも適度であって長期間の飲用にも好ましい。
更に、カリウムを加えてもよく、水溶性無機塩電解質等添加のほか、果汁及び茶抽出物中にも存在する。カリウムイオン成分は、カリウム塩化物、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、クエン酸カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のような塩として、あるいは加えられた果汁又は茶の成分として配合できる。カリウムイオンは、0.001〜0.2質量%、更に0.002〜0.15質量%、特に0.003〜0.12質量%含有するのが好ましい。
カリウムイオンとナトリウムイオンが共存する場合の濃度の総量は、0.001〜0.7質量%、更に0.002〜0.6質量%、特に0.002〜0.35質量%であるのが好ましい。ここで、ナトリウムイオンやカリウムイオン濃度がこの範囲にあれば、効果的なミネラル補給ができ、塩類の味が強くならず味的にも適度であって長期間の飲用にも好ましい。
本発明の容器詰緑茶飲料には、緑茶抽出物由来等のカフェインを含有してもよい。カフェインを含有する場合には、非重合体カテキン類/カフェインの質量比は5〜10000が好ましく、より好ましくは6〜8000、更に好ましくは7〜6000、特に好ましくは10〜4000、最も好ましくは10〜1000である。緑茶抽出物中のカフェインに対する非重合体カテキン類の比率がこの範囲であると、飲料本来の外観、風味バランス等の点で好ましい。このカフェインには、原料として用いる緑茶抽出物のほか、香料、果汁及び他の成分中に天然で存在するカフェインと、新たに加えられるカフェインも包含される。
本発明の容器詰緑茶飲料には、味を改善する目的で、甘味料が用いられる。甘味料としては人工甘味料類、炭水化物類、グリセロール類(例えばグリセリン)が用いられる。これらの甘味料は、本発明容器詰緑茶飲料中に0.0001〜20質量%、更に0.001〜15質量%、最も好ましくは0.001〜10質量%含有する。前記下限未満であると、甘みがほとんどなく、酸味、塩味とのバランスがとれない。一方上限を超えると、甘すぎて喉にひっかかる感覚が強く、喉越しが低下する。
本発明の容器詰緑茶飲料における甘味料としては、人工甘味料を使用することが好ましい。中でも人工甘味料単独系、人工甘味料とグルコース系化合物、もしくは人工甘味料とフルクトース系化合物の組み合わせが好ましい。
本発明で使用できる人工甘味料の例にはサッカリン及びサッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセサルフェーム−K、スクラロース、ネオテーム等の高甘度甘味料、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコールを使用できる。商品としては、アスパルテームからなるスリムアップシュガー、エリスリトールを含んだラカントS、エリスリトールとアスパルテームからなるパルスイート等を適宜使用できる。
本発明の容器詰緑茶飲料における甘味料としては、目的とする容器容器詰緑茶飲料がエネルギー補給を兼ね備える場合には、炭水化物類の甘味料を使用する方が好ましい。本発明で使用できる炭水化物類甘味料としては可溶性炭水化物が用いられる。可溶性炭水化物には、甘味料とエネルギー源との役割がある。本発明飲料に使用する炭水化物を選択するにあたっては、十分な胃排出及び腸吸収速度を考慮することが重要である。炭水化物はグルコース及びフルクトースの混合物でも、あるいは消化管で加水分解するか又はグルコース及びフルクトースを形成する炭水化物であってもよい。炭水化物には、単糖、オリゴ糖、複合多糖及びそれらの混合物を含む。
ここで使用できる単糖にはテトロース、ペントース、ヘキソース及びケトヘキソースがある。ヘキソースの例は、ブドウ糖として知られるグルコースのようなアルドヘキソースである。容器詰緑茶飲料中のグルコースの量は、0.0001〜20質量%、更に0.001〜15質量%、特に0.001〜10質量%であるのが好ましい。果糖として知られるフルクトースはケトヘキソースである。本発明容器詰緑茶飲料中のフルクトースの量は0.0001〜20質量%、更に0.001〜15質量%、特に0.001〜10質量%であるのが好ましい。
本発明で使用できる炭水化物類甘味料としては可溶性炭水化物が用いられるが、オリゴ
糖としては、これら2種の単糖を体内で生成する炭水化物(即ち、スクロース、マルトデ
キストリン、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ)が挙げられる。このオリ
ゴ糖の重要なタイプは二糖である。二糖の例は、ショ糖又はテンサイ糖として知られるス
クロースである。本発明容器詰緑茶飲料中のスクロースの量は、0.001〜20質量%、更に0.001〜15質量%、特に0.001〜10質量%であるのが好ましい。
本発明の容器詰緑茶飲料に苦渋味抑制剤を配合すると飲用しやすくなり好ましい。苦渋味抑制剤としては、サイクロデキストリンが好ましい。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。サイクロデキストリンは容器詰緑茶飲料中に0.005〜0.5質量%、更に0.01〜0.3質量%含有するのが好ましい。
香料(フレーバー)や果汁(フルーツジュース)は嗜好性を高める目的で、本発明の容器詰緑茶飲料に配合される。天然又は合成香料や果汁が本発明で使用できる。これらはフルーツジュース、フルーツフレーバー、植物フレーバー又はそれらの混合物から選択できる。特に、フルーツジュースと一緒に茶フレーバー、好ましくは緑茶又は黒茶フレーバーの組合せが魅力的な味を有している。好ましい果汁はリンゴ、ナシ、レモン、ライム、マンダリン、グレープフルーツ、クランベリー、オレンジ、ストロベリー、ブドウ、キゥイ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴ、グァバ、ラズベリー及びチェリーである。シトラスジュース、好ましくはグレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、マンダリンと、マンゴ、パッションフルーツ及びグァバのジュース、又はそれらの混合物が最も好ましい。好ましい天然フレーバーはジャスミン、カミツレ、バラ、ペパーミント、サンザシ、キク、ヒシ、サトウキビ、レイシ、タケノコ等である。果汁は本発明飲料中に0.001〜20質量%、更に0.002〜10質量%含有するのが好ましい。フルーツフレーバー、植物フレーバー、茶フレーバー及びそれらの混合物も果汁として使用できる。特に好ましい香料はオレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー及びグレープフルーツフレーバーを含めたシトラスフレーバーである。シトラスフレーバー以外にも、リンゴフレーバー、ブドウフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバー等のような様々な他のフルーツフレーバーが使用できる。これらのフレーバーはフルーツジュース及び香油のような天然源から誘導しても、又は合成してもよい。 香味料には、様々なフレーバーのブレンド、例えばレモン及びライムフレーバー、シトラスフレーバーと選択されたスパイス(典型的コーラソフトドリンクフレーバー)等を含めることができる。このような香味料は本発明の容器詰緑茶飲料に0.0001〜5質量%、更に0.001〜3質量%を配合するのが好ましい。
本発明の容器詰緑茶飲料は酸味料を含有していてもよい。酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸又はそれらの混合物を含めた食用有機酸(フィチン酸を除く)等が挙げられる。酸味料は本発明飲料のpHを調整するために用いてもよい。pH調整剤としては、有機及び無機の食用酸を用いることができる。酸はそれらの非解離形で、あるいはそれらの各塩、例えばリン酸水素カリウム又はナトリウム、リン酸二水素カリウム又はナトリウム塩のような形態で用いてもよい。酸味料は飲料成分を安定化させる酸化防止剤としても役立つ。また常用される酸化防止剤の例には、アスコルビン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)及びそれらの塩、植物抽出エキス等が挙げられる。
本発明の容器詰緑茶飲料には、ビタミンを更に含有させることができる。好ましくは、ビタミンA、ビタミンC及びビタミンEが加えられる。ビタミンD及びビタミンBのような他のビタミンを加えてもよい。ミネラルも本発明の飲料に用いることができる。好ましいミネラルはカルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛である。特に好ましいミネラルはマグネシウム、リン及び鉄である。
更に、本発明の容器詰緑茶飲料には、酸化防止剤、香料、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、ガム、乳化剤、油、アミノ酸、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独、あるいは併用して配合できる。
本発明の容器詰緑茶飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。ここでいう容器詰緑茶飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
本発明の容器詰緑茶飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造されるが、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。殺菌処理としては、高温短時間殺菌(UHT殺菌)が好ましい。
カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した容器詰めされた飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mm×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法を用いて行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
濁度(NTU)測定
濁度計TN−100(Eutech Instruments社)を使用し、ネフロメトリック90°錯乱光方式で測定した。測定は、サンプルは飲料そのもの使用した。サンプルは、高品質ガラスのバイアル瓶に入れて測定を行った。
褐色度の測定
色相測定は、分光光度計Color Meter ZE2000(日本電飾製)を使用し、分光感度:XYZ方式で行った。測定は、サンプルは飲料そのものを測定し、1cm石英セルに入れて、L,a、bの測定を行った。褐色度としては、色相のb値を使用した。
実施例1
緑茶抽出物
緑茶葉44.5gに、65℃の水1335gを加え5分間保持した後、120r/minで30秒間、250r/minで130秒間撹拌し、ろ過して粗抽出液1168gを得た。該粗抽出液を25℃まで冷却し、2号ろ紙にてろ過し、キレート繊維(キレストファイバーIRY)14.6を添加して、処理した。その後、2号ろ紙にて、キレート繊維を除去後、表1に示す組成の緑茶飲料を調製し、PET容器充填し、138℃で30秒間UHT殺菌を行った。
実施例2
キレート繊維処理前の抽出液のpHをアスコルビン酸にて、pH4.0に調整した後、実施例1の操作を行った。
実施例3
キレート繊維処理前の抽出液のpHを重曹にて、pH7.0に調整した後、実施例1の操作を行った。
比較例1
実施例1において、 抽出液をそのまま使用した。
比較例2
実施例1において、抽出液のpHを5.0に調整し、そのまま使用した。
本発明の精製緑茶抽出物製造方法で精製した緑茶抽出物を使用した容器詰緑茶飲料は、経時的な澱の発生が少なく安定であった。

Claims (5)

  1. 緑茶抽出物を、キレート繊維で処理する精製緑茶抽出物の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法により得られた精製緑茶抽出物を配合した容器詰緑茶飲料。
  3. 非重合体カテキン類の含有量が、0.03〜0.5質量%である請求項2記載の容器詰緑茶飲料。
  4. UHT殺菌処理を施したものである請求項2又は3記載の容器詰緑茶飲料。
  5. ナトリウムを9.5mg/100g以上含有する請求項2〜4のいずれか1項記載の容器詰緑茶飲料。
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