JP7208860B2 - 非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの製造方法 - Google Patents
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Description
また、絶縁性を必要としない場所に用いられる放熱材料として、特許文献2には、不飽和基含有オルガノポリシロキサン100質量部にシリカ及び銀、金、ケイ素等の熱伝導性粉末を60~500質量部配合した組成物が開示されている。
(A)1分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分に含有されるアルケニル基と(B)成分に含まれるSiH基のモル比(SiH基/アルケニル基)が0.05/1~2/1の範囲となる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属の質量換算で0.1~1000ppmの範囲となる量、
(D)熱伝導性充填剤:前記組成物全体の25~95質量%
前記熱伝導性シリコーンゴムシートへの前記電子線の照射線量を前記特定の範囲とすると、前記非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの表面の粘着性をより簡便且つ安定して調整できる。
前記電子線を前記所定の酸素濃度以下の雰囲気下で前記熱伝導性シリコーンゴムシートに照射すると、前記熱伝導性シリコーンゴムシートの被照射線量の低下とオゾン生成を抑制しながら、前記非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートを簡便且つ安定して製造できる。
本発明で使用する熱伝導性シリコーンゴムシートはアスカーC硬度が1~80であれば、特に制限されないが、(A)1分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中にケイ素原子に直接結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)白金族金属系硬化触媒、(D)熱伝導性充填剤を含有する組成物の硬化物が好ましく、特に、(A)成分に含有されるアルケニル基と(B)成分に含有されるSiH基のモル比(SiH基/アルケニル基)が0.05/1~2/1の範囲であり、(D)成分の配合割合が前記組成物全体の25~95質量%であることが好ましい。
モールド成形:金型中に未硬化の液状組成物を流し込み、金型を締めてから熱プレス機により圧力と熱をかけて液状組成物を硬化させる。
射出成形:射出成形機上の加熱した金型の中にノズルから未硬化の液状組成物を射出して金型のキャビティ内に充填する。硬化後に金型を開けてシートを取り出す。
コーティング成形:コーティング装置に連続的にセパレータフィルム(例えば、PET)を供給し、この上に未硬化の液状組成物をナイフコータ等により一定の厚さに塗布してから、加熱炉を通して液状組成物を硬化させる。
本発明においては、シートの被照射線量の低下とオゾン生成を抑制するため、熱伝導性シリコーンゴムに電子線を照射する際の雰囲気は、酸素濃度1000ppm以下が好ましく、500ppm以下がより好ましく、300ppm以下がさらに好ましい。
(A)成分:平均組成が下記式で示されるオルガノポリシロキサン。
(D)成分:水酸化アルミニウムまたはアルミナ。
(D)成分として、水酸化アルミニウムを83質量%含有させたシートをシートa、アルミナを91質量%含有させたシートをシートb、アルミナを94質量%含有させたシートをシートcとする。
<硬度>
下記実施例1~10及び比較例1~6で得られた熱伝導性シリコーンゴムシートを複数枚重ねて12mm厚以上になるようにしアスカーC硬度計で測定した。
<タック力(粘着力)>
下記実施例1~10及び比較例1~6で得られた熱伝導性シリコーンゴムシートを25℃環境下でタック力測定器(商品名:タッキネステスターTK-1、(株)Malcom製)で測定した。
1mm厚に成形したシートaの保護フィルムを剥がし、シート表面に表1に示す条件で電子線を照射し、シート表面のアスカーC硬度とタック力を測定した。
シートaの電子線未照射品のアスカーC硬度とタック力を実施例1~5と併せて表1に示す。
対して実施例1~5の非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートのタック力は比較例1の熱伝導性シリコーンゴムシートのものと比べて3割から5割小さかった。
実施例1~5および比較例1に示されるように、熱伝導性シリコーンゴムシート表面に電子線を照射することで、アスカーC硬度を大きく変化させることなく粘着力を低下させることができる。
1mm厚に成型したシートbおよびシートcに、保護フィルムをつけたまま表2に示す条件で電子線を照射した後、保護フィルムを除去しシート表面のアスカーC硬度とタック力を測定した。
1mm厚に成型したシートbおよびシートcの未照射品のアスカーC硬度とタック力を実施例6、7と併せて表2に示す。
実施例6、7および比較例2、3に示されるように電子線の加速電圧を調整することで保護フィルム越しでも熱伝導性シリコーンゴムシートの表面に電子線を供給し表面の粘着力を低減することができる。電子線処理のために保護フィルムを剥がす工程が不要で異物付着などにより品質を低下させることがないため量産性に優れた処理であるといえる。
3mm厚に成型したシートcに、保護フィルムをつけたまま表3に示す条件で電子線を照射した後、保護フィルムを除去しシート表面のアスカーC硬度とタック力を測定した。
3mm厚に成型したシートcの電子線未照射品および表3に示す条件で電子線を照射した後、保護フィルムを除去しシート表面のアスカーC硬度とタック力を測定した。
比較例4のように電子線が照射されなかったり、比較例5のように加速電圧が不十分であったりすると、熱伝導性シリコーンシートの粘着力低減効果が得られない。一方、比較例6のように加速電圧が大きすぎる場合、粘着力は低減するものの深部まで硬化が進行しシートの柔軟性が低下する。
このため実施例8~10のように適切な加速電圧で熱伝導性シリコーンゴムシートへ電子線を照射することが肝要となる。
Claims (4)
- アスカーC硬度が1~80の熱伝導性シリコーンゴムシートに加速電圧10~150kVの電子線を照射し、前記熱伝導性シリコーンゴムシートの表面の硬化を進行させる工程を含むことを特徴とする非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの製造方法。
- 前記熱伝導性シリコーンゴムシートとして、下記(A)~(D)成分を含有する組成物をシート状に成形して硬化したものを使用することを特徴とする請求項1に記載された非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの製造方法。
(A)1分子中にアルケニル基を平均して0.5個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上含んでいるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分に含有されるアルケニル基と(B)成分に含まれるSiH基のモル比(SiH基/アルケニル基)が0.05/1~2/1の範囲となる量、
(C)白金族金属系触媒:(A)成分に対して白金族金属の質量換算で0.1~1000ppmの範囲となる量、
(D)熱伝導性充填剤:前記組成物全体の25~95質量% - 前記熱伝導性シリコーンゴムシートへの前記電子線の照射線量を10~1000kGyとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の非粘着熱伝導性シリコーンゴムシート製造方法。
- 前記電子線を酸素濃度1000ppm以下の酸素濃度の雰囲気下で前記熱伝導性シリコーンゴムシートに照射することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの製造方法。
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