JP2018015904A - 複合シート及びその製造方法 - Google Patents

複合シート及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018015904A
JP2018015904A JP2016145341A JP2016145341A JP2018015904A JP 2018015904 A JP2018015904 A JP 2018015904A JP 2016145341 A JP2016145341 A JP 2016145341A JP 2016145341 A JP2016145341 A JP 2016145341A JP 2018015904 A JP2018015904 A JP 2018015904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
silicone rubber
group
conductive silicone
thermally conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016145341A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6539234B2 (ja
Inventor
奥村 智之
Tomoyuki Okumura
智之 奥村
慎二 山田
Shinji Yamada
慎二 山田
舞 杉江
Mai Sugie
舞 杉江
俊夫 猿山
Toshio Saruyama
俊夫 猿山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Polymer Industries Co Ltd
Original Assignee
Fuji Polymer Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Polymer Industries Co Ltd filed Critical Fuji Polymer Industries Co Ltd
Priority to JP2016145341A priority Critical patent/JP6539234B2/ja
Priority to TW106109142A priority patent/TWI676550B/zh
Priority to CN201710351186.9A priority patent/CN107650466A/zh
Publication of JP2018015904A publication Critical patent/JP2018015904A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6539234B2 publication Critical patent/JP6539234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B25/00Layered products comprising a layer of natural or synthetic rubber
    • B32B25/20Layered products comprising a layer of natural or synthetic rubber comprising silicone rubber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B25/00Layered products comprising a layer of natural or synthetic rubber
    • B32B25/10Layered products comprising a layer of natural or synthetic rubber next to a fibrous or filamentary layer
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/28Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising synthetic resins not wholly covered by any one of the sub-groups B32B27/30 - B32B27/42
    • B32B27/281Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising synthetic resins not wholly covered by any one of the sub-groups B32B27/30 - B32B27/42 comprising polyimides
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/36Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyesters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B33/00Layered products characterised by particular properties or particular surface features, e.g. particular surface coatings; Layered products designed for particular purposes not covered by another single class

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

【課題】熱伝導性シリコーンゴム表面の平滑性を改善し、樹脂フィルムなどの基材シートと一体性を高めた複合シートを提供する。【解決手段】樹脂シート及び金属シートから選ばれる少なくとも一つの基材シート(3)と、熱伝導性シリコーンゴムシート層(2)とを含む層が積層一体化されている複合シート(1)であって、熱伝導性シリコーンゴムシート層(2)の熱伝導率は0.6W/m・K以上であり、両シートは共有結合により積層一体化されている。この複合シートは、熱伝導性シリコーンゴムシート(2)の少なくとも積層面を平滑面としておき、表面活性化し、基材シートの積層面に窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物をコーティングし、圧着することにより、両シートは共有結合により一体化し、積層面の剥離部は凝集破壊するほどの強力な一体化構造となる。【選択図】図1

Description

本発明は補強シートと、熱伝導性シリコーンゴムシート層とを含む層が積層されている複合シートに関する。
シリコーンエラストマーとプラスチックフィルム又は金属シート等の基材シートとの複合シートとして、基材シート上にシリコーン組成物を接触させ、シリコーン組成物を硬化させた複合シートは知られている。例えば特許文献1〜3には樹脂などの基材とゴムをアルコキシシラン含有トリアジンチオール化合物からなる接着剤により熱圧着することが提案されている。特許文献4には樹脂とシリコーンゴムの接着面にコロナ放電、紫外線照射又はプラズマ処理をすることが提案されている。
特開2007−119752号公報 特開2007−329302号公報 特許第5083926号公報 特開2014−062224号公報
しかし、熱伝導性シリコーンゴムは多量の熱伝導性フィラーを含有しているため、シリコーンポリマー相が少なく、一例として20体積%以下であり、硬化成形後のシート表面は平滑性が無く、基材シートとの積層一体化が困難であった。
本発明は前記従来の問題を解決するため、熱伝導性シリコーンゴム表面の平滑性を改善し、樹脂フィルムなどの基材シートと一体性を高めた複合シートを提供する。
本発明の複合シートは、樹脂シート及び金属シートから選ばれる少なくとも一つの基材シートと、熱伝導性シリコーンゴムシート層とを含む層が積層一体化されている複合シートであって、前記熱伝導性シリコーンゴムシート層の熱伝導率は0.6W/m・K以上であり、前記基材シートと前記熱伝導性シリコーンゴムシート層とは共有結合により積層一体化されており、積層面の剥離部は凝集破壊する状態であることを特徴とする。
本発明の複合シートの製造方法は、前記複合シートを製造する方法であって、熱伝導率が0.6W/m・K以上の熱伝導性シリコーンゴムシートをカレンダー加工し、少なくとも積層面を平滑面とし、前記平滑面をコロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理及び電子線処理から選ばれる少なくとも一つの表面活性化処理し、基材シートの積層面に窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物をコーティングし、樹脂シート及び金属シートから選ばれる少なくとも一つの基材シートと前記熱伝導性シリコーンゴムシート層を圧着して積層一体化することを特徴とする。
本発明の複合シートは、熱伝導性シリコーンゴムシートの少なくとも積層面を平滑面としておき、表面活性化し、基材シートの積層面に窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物をコーティングし、両者を圧着することにより、熱伝導性シリコーンゴムシートと基材シートは共有結合により一体化し、積層面の剥離部は凝集破壊するほどの強力な一体化構造の複合シートにすることができる。
図1Aは本発明の一実施形態の複合シートの斜視図、図1Bは図1AのI−I線拡大断面図である。 図2Aは同、熱伝導性シリコーンゴムシートのカレンダー加工による平滑処理を示す断面図、図2Bはカレンダー加工後の熱伝導性シリコーンゴムシートの断面図である。 図3A−Eは同、バーコーターによるポリイミドフィルムの表面処理の説明図である。 図4A−Dは同、カレンダー加工による平滑処理とコロナ処理による表面活性化処理後の熱伝導性シリコーンゴムシートと、表面処理後のポリイミドフィルムを圧着する説明図である。 図5は本発明の一実施例の塗布溶液中のA-TES濃度と接着力を示すグラフである。 図6は本発明の一実施例の接着時間と接着力を示すグラフである。
本発明は、樹脂シート及び金属シートから選ばれる少なくとも一つの基材シートと、熱伝導性シリコーンゴムシート層とを含む層が積層一体化されている複合シートである。熱伝導性シリコーンゴムシート層には織物層などの補強層を入れても良い。熱伝導性シリコーンゴムシート層の熱伝導率は0.6W/m・K以上である。一例として、シリコーンポリマー20体積%以下、熱伝導性粒子を80体積%以下とすることもできる。本発明の熱伝導性シリコーンゴムシートは、ゲル状の熱伝導性シリコーンゴムシートを含む。
基材シートと熱伝導性シリコーンゴムシート層とは共有結合により積層一体化されている。共有結合は、窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物による共有結合が好ましい。より好ましくは、窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物は、アルコキシシリル基とアミノ基又はアジド基を含む化合物である。アミノ基又はアジド基は基材シートと共有結合しやすく、アルコキシシリル基は熱伝導性シリコーンゴムシートと共有結合し易い。
積層面の剥離部は凝集破壊するほどの強力な一体化構造である。積層面の凝集破壊は熱伝導性シリコーンゴムシート層側で発生するのが好ましい。熱伝導性シリコーンゴムシート層のシリコーンポリマー相は少なく、この部分が凝集破壊し易い。この凝集破壊は薄膜状に凝集破壊するものも含む。
基材シートと熱伝導性シリコーンゴムシート層との共有結合は、単分子接着又は複数分子接着の状態であるのが好ましい。このような状態とするには、接着分子を希薄溶液に溶解又は分散し、薄膜状態にコーティングすることにより得られる。接着分子を薄膜状態にコーティングすることにより、積層面を剥離したとき、凝集破壊するほどの強力な一体化構造が得られる。
樹脂シートはポリイミドフィルムであるのが好ましい。ポリイミドフィルムは前記接着分子のアミノ基又はアジド基と共有結合し易い。
本発明の複合シートを製造する方法は、熱伝導率が0.6W/m・K以上の熱伝導性シリコーンゴムシートをカレンダー加工し、少なくとも積層面を平滑面とする。次いで、前記平滑面をコロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射処理及び電子線処理から選ばれる少なくとも一つの表面活性化処理をする。次に、基材シートの積層面に窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物をコーティングし、基材シートと熱伝導性シリコーンゴムシート層を積層一体化する。これにより基材シートとの強力な積層一体化構造が得られる。
熱伝導性シリコーンゴムシート層の平滑面は、算術平均粗さRaが3μm以下であるのが好ましく、より好ましい算術平均粗さRaは2m以下である。算術平均粗さRaが2m以下になると光沢を有する平滑面となる。平滑であるほど強力な一体化ができる。
前記窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物は、アルコキシシリル基とアミノ基又はアジド基を含む化合物であるのが好ましい。アミノ基又はアジド基は基材シートと共有結合しやすく、アルコキシシリル基は熱伝導性シリコーンゴムシートと共有結合し易い。例えば、Si(OR)3−A−NH2(但し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、Aは任意の有機基)の化合物の場合、熱伝導性シリコーンゴムシート−O−Si(OR)2−A−NH−基材シートの形で共有結合する。
前記窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物は、水及び有機溶媒から選ばれる少なくとも一つの希釈液で希釈してコーティングするのが好ましい。希釈液中の前記化合物の濃度は0.005質量%以上が好ましい。より好ましくは0.05〜1質量%である。前記化合物の単位面積当たりの塗布量は乾燥質量で0.0011g/m2以上が好ましく、より好ましくは0.0011〜0.2275g/m2である。有機溶媒としてはエタノール又はエタノール−水混合液が好ましい。
基材シートと熱伝導性シリコーンゴムシート層の積層一体化は、ロール加圧及びプレート加圧から選ばれる少なくとも一つの加圧で一体化するのが好ましい。プレート加圧は少量生産に好適であり、ロール加圧は大量生産に好適である。基材シートと熱伝導性シリコーンゴムシート層の積層一体化は、下記の条件が好ましい。
(a)圧力:0.01〜0.1MPaが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.09MPaである。
(b)温度:40〜130℃が好ましく、さらに好ましくは45〜125℃である。
(c)時間:0.2〜10時間が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5時間である。
熱伝導性シリコーンゴムシートの主成分であるシリコーンポリマーは、一般的には線状のポリジオルガノシロサキンである。かかる線状ポリジオルガノシロキサンは、ジオルガノシロキサン単位で構成され、ポリマーの末端は、水酸基、水素原子、1価の有機基、トリメトキシシリル基などの加水分解性基を有するシリル基などで封鎖されている。一部にモノオルガノシロキサン単位も含む分岐状ポリシロキサンを使用することもできる。基材用組成物の主成分であるシリコーンポリマーには、トリオルガノシロキサン単位、ジオルガノシロキサン単位、モノオルガノシロキサン単位、SiO2単位で構成される網目状ポリシロキサン、樹脂状ポリシロキサンを使用することもできる。
かかるシリコーンポリマーの有機基には、メチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基、1,1,1-トリフルオロプロピル基などの置換アルキル基、ビニル基などのアルケニル基などが使用される。特に大部分の有機基はメチル基であるのが一般的である。過酸化物による硬化をコントロールしたり、ヒドロシリル化反応による付加硬化させるためにはビニル基などのアルケニル基を適切な量使用する。高屈折率の基材や低温でゴム状を維持できる基材を形成する場合には、フェニル基を使用する。表面張力を低くする、耐油性を向上させるためには1,1,1-トリフルオロプロピル基などを使用する。
マトリックス樹脂がオルガノポリシロキサンの場合は、一例として下記組成のコンパウンドを硬化して得る。
(A)ベースポリマー成分:1分子中に平均2個以上かつ分子鎖両末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有する直鎖状オルガノポリシロキサン
(B)架橋成分:1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、前記A成分中のケイ素原子結合アルケニル基1モルに対して、1モル未満の量
(C)白金系金属触媒:A成分に対して重量単位で0.01〜1000ppm
(D)熱伝導性粒子:マトリックス樹脂100重量部に対して100〜2000重量部
(E)その他の成分
(1)ベースポリマー成分(A成分)
ベースポリマー成分(A成分)は、一分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有するオルガノポリシロキサンであり、アルケニル基を2個含有するオルガノポリシロキサンは本発明のシリコーンゴム組成物における主剤(ベースポリマー成分)である。このオルガノポリシロキサンは、アルケニル基として、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6の、ケイ素原子に結合したアルケニル基を一分子中に2個有する。粘度は25℃で10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sであることが作業性、硬化性などから望ましい。
具体的には、下記一般式(化1)で表される1分子中に平均2個以上かつ分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンを使用する。側鎖はトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状オルガノポリシロキサンである。25℃における粘度は10〜1000000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
式中、R1は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R2はアルケニル基であり、kは0又は正の整数である。ここで、R1の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換の一価炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、並びに、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノエチル基等が挙げられる。R2のアルケニル基としては、例えば炭素原子数2〜6、特に2〜3のものが好ましく、具体的にはビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。一般式(1)において、kは、一般的には0≦k≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦k≦2000、より好ましくは10≦k≦1200を満足する整数である。
A成分のオルガノポリシロキサンとしては一分子中に例えばビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8、特に2〜6のケイ素原子に結合したアルケニル基を3個以上、通常、3〜30個、好ましくは、3〜20個程度有するオルガノポリシロキサンを併用しても良い。分子構造は直鎖状、環状、分岐状、三次元網状のいずれの分子構造のものであってもよい。好ましくは、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、25℃での粘度が10〜1000000mPa・s、特に100〜100000mPa・sの直鎖状オルガノポリシロキサンである。
アルケニル基は分子のいずれかの部分に結合していればよい。例えば、分子鎖末端、あるいは分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合しているものを含んでも良い。なかでも下記一般式(化2)で表される分子鎖両末端のケイ素原子上にそれぞれ1〜3個のアルケニル基を有し(但し、この分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基が、両末端合計で3個未満である場合には、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合したアルケニル基を、(例えばジオルガノシロキサン単位中の置換基として)、少なくとも1個有する直鎖状オルガノポリシロキサンであって、上記でも述べた通り25℃における粘度が10〜1,000,000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
式中、R3は互いに同一又は異種の非置換又は置換一価炭化水素基であって、少なくとも1個がアルケニル基である。R4は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基であり、R5はアルケニル基であり、l,mは0又は正の整数である。ここで、R3の一価炭化水素基としては、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基等が挙げられる。
また、R4の一価炭化水素基としても、炭素原子数1〜10、特に1〜6のものが好ましく、上記R1の具体例と同様のものが例示できるが、但しアルケニル基は含まない。R5のアルケニル基としては、例えば炭素数2〜6、特に炭素数2〜3のものが好ましく、具体的には前記式(化1)のR2と同じものが例示され、好ましくはビニル基である。
l,mは、一般的には0<l+m≦10000を満足する0又は正の整数であり、好ましくは5≦l+m≦2000、より好ましくは10≦l+m≦1200で、かつ0<l/(l+m)≦0.2、好ましくは、0.0011≦l/(l+m)≦0.1を満足する整数である。
(2)架橋成分(B成分)
本発明のB成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤として作用するものであり、この成分中のSiH基とA成分中のアルケニル基とが付加反応(ヒドロシリル化)することにより硬化物を形成するものである。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を2個以上有するものであればいずれのものでもよく、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は2〜1000、特に2〜300程度のものを使用することができる。
水素原子が結合するケイ素原子の位置は特に制約はなく、分子鎖の末端でも非末端(途中)でもよい。また、水素原子以外のケイ素原子に結合した有機基としては、前記一般式(化1)のR1と同様の脂肪族不飽和結合を有さない非置換又は置換一価炭化水素基が挙げられる。
B成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては下記構造のものが例示できる。
上記の式中、Phはフェニル基、エポキシ基、アクリロイル基、メタアクリロイル基、アルコキシ基の少なくとも1種を含む有機基である。Lは0〜1,000の整数、特には0〜300の整数であり、Mは1〜200の整数である。)
(3)触媒成分(C成分)
C成分の触媒成分は、本組成物の硬化を促進させる成分である。C成分としては、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。C成分の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。A成分に対して金属原子重量として0.01〜1000ppm添加する。
(4)熱伝導性粒子(D成分)
D成分の熱伝導性粒子を加える場合は、マトリックス成分100重量部に対して100〜2000重量部添加する。これにより熱伝導率を上げることができる。熱伝導粒子としては、アルミナ,酸化亜鉛,酸化マグネシウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、水酸化アルミ及びシリカから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。形状は球状,鱗片状,多面体状等様々なものを使用できる。アルミナを使用する場合は、純度99.5重量%以上のα−アルミナが好ましい。熱伝導性粒子の比表面積は0.06〜10m2/gの範囲が好ましい。比表面積はBET比表面積であり、測定方法はJIS R1626にしたがう。平均粒子径を用いる場合は、0.1〜100μmの範囲が好ましい。粒子径の測定はレーザー回折光散乱法により、50%粒子径を測定する。この測定器としては、例えば堀場製作所製社製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950S2がある。
熱伝導性粒子は平均粒子径が異なる少なくとも2つの無機粒子を併用するのが好ましい。このようにすると大きな粒子径の間に小さな粒子径の熱伝導性無機粒子が埋まり、最密充填に近い状態で充填でき、熱伝導性が高くなるからである。
無機粒子は、R(CH3aSi(OR’)3-a(Rは炭素数1〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるシラン化合物、もしくはその部分加水分解物で表面処理するのが好ましい。R(CH3aSi(OR’)3-a(Rは炭素数1〜20の非置換または置換有機基、R’は炭素数1〜4のアルキル基、aは0もしくは1)で示されるアルコキシシラン化合物(以下単に「シラン」という。)は、一例としてメチルトリメトキシラン,エチルトリメトキシラン,プロピルトリメトキシラン,ブチルトリメトキシラン,ペンチルトリメトキシラン,ヘキシルトリメトキシラン,ヘキシルトリエトキシシラン,オクチルトリメトキシシラン,オクチルトリエトキシラン,デシルトリメトキシシラン,デシルトリエトキシシラン,ドデシルトリメトキシシラン,ドデシルトリエトキシシラン,ヘキサドデシルトリメトキシシラン,ヘキサドデシルトリエトキシシシラン,オクタデシルトリメトキシシラン,オクタデシルトリエトキシシシラン等のシラン化合物がある。前記シラン化合物は、一種又は二種以上混合して使用することができる。表面処理剤として、アルコキシシランと片末端シラノールシロキサンを併用してもよい。ここでいう表面処理とは共有結合のほか吸着なども含む。平均粒子径2μm以上の粒子は、粒子全体を100重量%としたとき50重量%以上添加するのが好ましい。
(6)その他の成分
本発明の組成物には、必要に応じて前記以外の成分を配合することができる。例えばベンガラなどの無機顔料、フィラーの表面処理等の目的でアルキルトリアルコキシシランなどを添加してもよい。フィラー表面処理などの目的で添加する材料として、アルコキシ基含有シリコーンを添加しても良い。
アルコキシシリル基とアミノ基又はアジド基を含む化合物の一例として、下記(化6)に示すトリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4-エチレンジアミン(以下「A-TES」という)、下記(化7)に示すトリエトキシシリルプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4-アジド(以下「P-TES」という)、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン:(CH3O)3SiCH2CH2CH2NHCH2CH2NH3等がある。
前記(化6)に示す化合物は下記(化8)に示すように基材シートと反応し共有結合する(但し、nは1以上の整数)。前記(化7)に示す化合物は下記(化9)に示すように基材シートと反応し共有結合する。とくに下記(化9)に示す反応は強力であり、ほとんどの樹脂に適用でき、金属にも適用できる。化8〜9において、アルコキシシリル基は、熱伝導性シリコーンゴムと反応し共有結合する。アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランも(化8)と同様な化学反応により共有結合する。
以下図面により説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1Aは本発明の一実施形態の複合シートの斜視図、図1Bは図1AのI−I線拡大断面図である。この複合シート1は巻芯4にロール状に巻かれている。一例として、幅150mmの長尺状のロール体である。断面図において、基材シート3の表面に熱伝導性シリコーンゴムシート2が積層一体化されている。一例として基材シート3の厚さは0.025mm、熱伝導性シリコーンゴムシート2の厚さは0.175mm、トータル厚さは0.20mmである。
図2Aは同、熱伝導性シリコーンゴムシートのカレンダー加工による平滑処理を示す断面図、図2Bはカレンダー加工後の熱伝導性シリコーンゴムシートの断面図である。所定のクリアランスを有する一対のカレンダーロール7a,7bに、成形硬化後の熱伝導性シリコーンゴムシート2と、その表面側に表面が平滑のポリエチレンテレフタレートフィルム5と、裏面側にはエンボス加工したポリエチレンテレフタレートフィルム6を配置して供給し、カレンダー加工する。このようなカレンダー加工をすると、ポリエチレンテレフタレートフィルム5の平滑面が熱伝導性シリコーンゴムシート2に転写され、熱伝導性シリコーンゴムシート2の表面2aが平滑面になる。カレンダー加工前の通常の熱伝導性シリコーンゴムシートの表面2aは、算術平均粗さRaが5μm程度であるが、カレンダー加工後の算術平均粗さRaは4μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。下限値は小さい程好ましいが、実用的には0.1μm以上である。熱伝導性シリコーンゴムシート2の裏面2bはエンボスによる凹凸面となる。その後、巻き取り体8とする。エンボスによる凹凸面の算術平均粗さRaは取扱い性の良さから、5μm〜20μmが好ましい。
図3A−Eは同、バーコーターによるポリイミドフィルムの表面塗布処理の説明図である。一例として、縦300mm,横200mm、厚さ50μmのポリイミドフィルム3を用意し(図3A)、上辺に樹脂テープ13を貼り付け、ポリイミドフィルム3の表面にスポイト11で接着化合物:A−TESをエタノール−水混合液で希釈した希釈液12を所定量垂らす(図3B)。次いでバーコーター14で薄膜15に伸ばす(図3C)。風乾後、カッターを使用して縦50mm,横100mmにカットする(図3D)。16a−fはカット線である。得られた表面塗布処理フィルム17を図3Eに示す。
図4A−Dは同、カレンダー加工による平滑処理とコロナ処理による表面活性化処理後の熱伝導性シリコーンゴムシート18と、表面処理後のポリイミドフィルム17を圧着する説明図である。熱伝導性シリコーンゴムシート18として、例えば富士高分子工業社製、商品名"サーコンTR"(縦50mm,横100mm,厚さ0.18mm)を使用し、カレンダー加工後の例えば算術平均粗さRa1〜1.5μmの平滑面に、コロナ処理する。コロナ処理は、例えば信光電気計装社製、商品名"コロナスキャナーASA-4"を使用し、14kV、速度1.8m/分、3回処理する。得られた熱伝導性シリコーンゴムシート18のコロナ処理面の一端部に、離形紙19(縦15mm,横100mm)を載せ、前記フィルム17の表面処理面側を貼り合わせる(図4A)。貼り合わせはゴムローラー掛けによって行った。次いで、貼り合わせ体24の外側にアクリル樹脂板20a,20bを重ね、その外側に鉄板21a,21bを重ね、ボルトとナット22a,22bで圧着する。このときの圧力は、例えば3.6cN(0.03MPa)である(図4B)。次いで、所定温度のオーブンに入れ1時間加熱する。連続生産の場合は、加熱室の中に加圧手段を備えた加熱加圧装置を使用する。このようにして圧着した複合シート25をオーブンから取り出し、カット線23a−dのようにカットし(図4C)、縦50mm、横25mmの複合シートサンプル26とした。複合シートサンプル26は、複合シート25の部分と離形紙19の部分からなり、離形紙19の部分は剥離試験の時の保持部分にするために使用する。通常の製品には離形紙19の部分は無い。
以下実施例を用いて説明する。本発明は実施例に限定されるものではない。
<平均粗さの測定方法>
キーエンス社製、商品名"レーザフォーカス変位計 LT-8010"を使用して表面の粗さを測定した。測定数は3とし、その平均値を求めた。
<剥離試験>
JIS K6854−2に従い、引張試験機により剥離した。測定数は3とし、その平均値を求めた。
(実施例1〜6、比較例1)
(1)接着化合物
接着分子として、前記(化6)に示すA−TESを使用した。希釈用液は工業用70%エタノール−水混合液とし、A−TES濃度0.001〜0.1質量%の希薄溶液に調整して使用した。1質量%(実施例1)、0.5質量%(実施例2)、0.01質量%(実施例3)、0.005質量%(実施例4)、0.001質量%(実施例5)、0.005質量%(実施例6)、0.001質量%(比較例1)とした。
(2)基材シートとその表面塗布処理
基材シートとして、ポリイミドフィルム:東レ・デュポン社製、商品名"カプトン200H"(厚さ50μm)を使用した。このポリイミドフィルムを図3A−Eに示すように縦300mm,横200mmにカットし、上辺に樹脂テープを貼り付け、ポリイミドフィルム3の表面にスポイト11で接着化合物:A−TESを工業用70%エタノール−水混合液で希釈した希釈液12を所定量垂らした(図3B)。次いでバーコーター(安田精機製作所製、No.3)14で薄膜15に伸ばした(図3C)。風乾後、カッターを使用して縦50mm,横100mmにカットした(図3D)。工業用70%エタノール−水混合液で希釈したA−TES濃度が0.1質量%のサンプルの乾燥後のA−TESの塗布厚みは、6.9nmであり、同0.01質量%のサンプルの乾燥後の厚みは0.69nmであった。
(3)熱伝導性シリコーンゴムシートとその平滑処理及び表面活性化処理
熱伝導性シリコーンゴムシートとして、富士高分子工業社製、商品名"サーコンTR"(厚さ0.18mm)を使用した。この熱伝導性シリコーンゴムシートの熱伝導率は1.2W/m・Kである。この熱伝導性シリコーンゴムシートを図2Aに示す方法でカレンダー加工し、積層面側の算術平均粗さRaを1.2μmとした。この面は光沢を有する平滑面であった。非積層面側はエンボス加工した。次に、熱伝導性シリコーンゴムシートを縦50mm,横100mmにカットし、平滑面にコロナ処理した。コロナ処理は、信光電気計装社製、商品名"コロナスキャナーASA-4"を使用し、14kV、速度1.8m/分、3回処理した。
(4)積層一体化
得られた熱伝導性シリコーンゴムシートのコロナ処理面の一端部に、離形紙19(縦15mm,横100mm)を載せ、ポリイミドフィルムの表面処理面側を貼り合わせた(図4A)。貼り合わせはゴムローラー掛けによって行った。次いで、貼り合わせ体の外側にアクリル樹脂板を重ね、その外側に鉄板を重ね、ボルトとナットで圧着した。このときの圧力は3.6cN(0.03MPa)とした(図4B)。次いで、120℃の温度のオーブンに入れ1時間加熱した。このようにして圧着した複合シートをオーブンから取り出し、カット線23a−dのようにカットし(図4C)、縦50mm、横25mmの複合シートサンプル26とした。複合シートサンプル26は、複合シート25の部分と離形紙19の部分からなり、離形紙19の部分は剥離試験の時の保持部分にするために使用した。結果を表1及び図5にまとめて示す。
(実施例7〜12、比較例2)
圧着温度を100℃とした以外は実施例1〜4、比較例1と同様に実施した。結果を表2及び図5にまとめて示す。なお、A-TES濃度とA-TES乾燥質量(塗布量)の関係は表1と同じであるので以下の表では省略する。
(実施例13〜18、比較例3)
圧着温度を70℃とした以外は実施例1〜4、比較例1と同様に実施した。結果を表3及び図5にまとめて示す。
表1〜3及び図5に示すとおり、実施例1〜8は剥離状態が凝集破壊であり、接着力も高いことが確認できた。これに対して比較例1〜3はいずれも界面破壊であり、接着力はゼロであった。図5に示す通り、A-TEA濃度が0.001質量%以下も同様に界面破壊であり、接着力はゼロであった。
(実施例19〜22)
熱伝導性シリコーンゴムシートとして、富士高分子工業社製、商品名"サーコンTR"(厚さ1.2mm)を使用し、プレス成形により両面とも算術平均粗さRa1.2μmの平滑面とした。この平滑面は光沢を有していた。積層面側をコロナ処理した。コロナ処理は、信光電気計装社製、商品名"コロナスキャナーASA-4"を使用し、14kV、速度1.8m/分、1回処理した。A−TESは工業用70%エタノール−水混合液で希釈し濃度0.1質量%とし、この溶液中にポリイミドフィルムを浸漬し、取り出して風乾した。圧着条件は45℃で0.2〜5時間、圧力は0.03MPaとした。結果を表4及び図6にまとめて示す。
(比較例4)
熱伝導性シリコーンゴムシートとして、富士高分子工業社製、商品名"サーコンTR"(厚さ0.18mm)をそのまま使用し、表面平滑処理はしなかった。それ以外は実施例4と同様に実験した。得られた積層体の接着力は0kgf/25mmであり、界面剥離であった。
(実施例23〜31)
接着分子として、東レダウコーニング社製、商品名"OFS-6020":アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン:(CH3O)3SiCH2CH2CH2NHCH2CH2NH3(アミノシランという)を使用し、イオン交換水で希釈しシラン濃度1.0質量%とした。さらに1.0質量%のシラン水溶液を工業用エタノール(純度70質量%)で希釈し、シラン濃度0.1質量%と0.01質量%とした。それ以外は実施例1と同様とした。条件と結果を表5に示す。
表5に示す通り、アミノシラン濃度が0.01質量%のものは界面破壊の比率が高かったが、それ以外は凝集破壊であった。以上の結果から、アミノシランも効果が認められることが分かる。
本発明の複合シートは、寸法安定性、耐久性が高いことから、加熱加圧プレスの加圧部材と被プレス品との間に介在させるクッション材等に有用である。
1 複合シート
2 熱伝導性シリコーンゴムシート
2a 平滑面
2b エンボス面
3 基材シート(ポリイミドフィルム)
4 巻芯
5 表面平滑ポリエチレンテレフタレートフィルム
6 エンボスポリエチレンテレフタレートフィルム
7a,7b カレンダーロール
8 巻き取り体
11 スポイト
12 接着化合物希釈液
13 樹脂テープ
14 バーコーター
15 薄膜
16a−16f,23a−23d カット線
17 表面処理後のポリイミドフィルム
18 表面活性化処理後の熱伝導性シリコーンゴムシート
19 離形紙
20a,20b アクリル樹脂板
21a,21b 鉄板
22a,22b ボルトとナット
24 貼り合わせ体
25 複合シート
26 複合シートサンプル
熱伝導性シリコーンゴムシート層の平滑面は、算術平均粗さRaが3μm以下であるのが好ましく、より好ましい算術平均粗さRaは2μm以下である。算術平均粗さRaが2μm以下になると光沢を有する平滑面となる。平滑であるほど強力な一体化ができる。
アルケニル基は分子のいずれかの部分に結合していればよい。例えば、分子鎖末端、あるいは分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合しているものを含んでも良い。なかでも下記一般式(化2)で表される分子鎖両末端のケイ素原子上にそれぞれ1〜3個のアルケニル基を有し(但し、この分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基が、両末端合計で3個未満である場合には、分子鎖非末端(分子鎖途中)のケイ素原子に結合したアルケニル基を、(例えばジオルガノシロキサン単位中の置換基として)、少なくとも1個有する直鎖状オルガノポリシロキサンであって、上記でも述べた通り25℃における粘度が10〜1,000,000mPa・sのものが作業性、硬化性などから望ましい。なお、この直鎖状オルガノポリシロキサンは少量の分岐状構造(三官能性シロキサン単位)を分子鎖中に含有するものであってもよい。
()その他の成分
本発明の組成物には、必要に応じて前記以外の成分を配合することができる。例えばベンガラなどの無機顔料、フィラーの表面処理等の目的でアルキルトリアルコキシシランなどを添加してもよい。フィラー表面処理などの目的で添加する材料として、アルコキシ基含有シリコーンを添加しても良い。
表1〜3及び図5に示すとおり、実施例1〜8は剥離状態が凝集破壊であり、接着力も高いことが確認できた。これに対して比較例1〜3はいずれも界面破壊であり、接着力はゼロであった。図5に示す通り、A-TE濃度が0.001質量%以下も同様に界面破壊であり、接着力はゼロであった。

Claims (12)

  1. 樹脂シート及び金属シートから選ばれる少なくとも一つの基材シートと、熱伝導性シリコーンゴムシート層とを含む層が積層一体化されている複合シートであって、
    前記熱伝導性シリコーンゴムシート層の熱伝導率は0.6W/m・K以上であり、
    前記基材シートと前記熱伝導性シリコーンゴムシート層とは共有結合により積層一体化されており、積層面の剥離部は凝集破壊する状態であることを特徴とする複合シート。
  2. 前記積層面の凝集破壊は熱伝導性シリコーンゴムシート層側で発生する請求項1に記載の複合シート。
  3. 前記基材シートと前記熱伝導性シリコーンゴムシート層との積層一体化は、窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物による共有結合である請求項1又は2に記載の複合シート。
  4. 前記窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物は、アルコキシシリル基と、アミノ基又はアジド基を含む化合物である請求項3に記載の複合シート。
  5. 前記基材シートと前記熱伝導性シリコーンゴムシート層との共有結合は、単分子接着又は複数分子接着の状態である請求項1〜4のいずれかに記載の複合シート。
  6. 前記樹脂シートはポリイミドフィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の複合シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の複合シートを製造する方法であって、
    熱伝導率が0.6W/m・K以上の熱伝導性シリコーンゴムシートをカレンダー加工し、少なくとも積層面を平滑面とし、
    前記平滑面をコロナ、プラズマ、紫外線及び電子線照射から選ばれる少なくとも一つの表面活性化処理し、
    樹脂シート及び金属シートから選ばれる少なくとも一つの基材シートの積層面に窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物をコーティングし、
    前記基材シートと前記熱伝導性シリコーンゴムシート層を圧着して積層一体化することを特徴とする複合シートの製造方法。
  8. 前記熱伝導性シリコーンゴムシート層の平滑面は、算術平均粗さRaが3μm以下である請求項7に記載の複合シートの製造方法。
  9. 前記窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物は、アルコキシシリル基と、アミノ基又はアジド基を含む化合物である請求項7又は8に記載の複合シートの製造方法。
  10. 前記窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物は、水及び有機溶媒から選ばれる少なくとも一つの希釈液で希釈してコーティングする請求項7〜9のいずれかに記載の複合シートの製造方法。
  11. 前記窒素(N)と珪素(Si)を含む化合物の単位面積当たりの塗布量は、乾燥質量で0.0011g/m2以上である請求項7〜10のいずれかに記載の複合シートの製造方法。
  12. 前記基材シートと前記熱伝導性シリコーンゴムシート層の積層一体化は、ロール加圧及びプレート加圧から選ばれる少なくとも一つの加圧で一体化する請求項7〜11のいずれかに記載の複合シートの製造方法。
JP2016145341A 2016-07-25 2016-07-25 複合シート及びその製造方法 Active JP6539234B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016145341A JP6539234B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 複合シート及びその製造方法
TW106109142A TWI676550B (zh) 2016-07-25 2017-03-20 複合片及其製造方法
CN201710351186.9A CN107650466A (zh) 2016-07-25 2017-05-18 复合片材及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016145341A JP6539234B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 複合シート及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018015904A true JP2018015904A (ja) 2018-02-01
JP6539234B2 JP6539234B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=61074982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016145341A Active JP6539234B2 (ja) 2016-07-25 2016-07-25 複合シート及びその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6539234B2 (ja)
CN (1) CN107650466A (ja)
TW (1) TWI676550B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200080757A (ko) * 2018-12-27 2020-07-07 (주)티디엘 금속 메쉬 기반 실리콘 시트의 제조 방법
CN111662648A (zh) * 2020-07-04 2020-09-15 深圳市鸿富诚屏蔽材料有限公司 一种导热硅胶垫片的制造工艺及其使用的背胶系统
JP2020189929A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 信越化学工業株式会社 非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの製造方法
JP2021115708A (ja) * 2020-01-22 2021-08-10 大日本印刷株式会社 積層体およびその製造方法
WO2021257573A1 (en) * 2020-06-19 2021-12-23 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Composite article and method of forming a composite article
US11845230B2 (en) 2019-07-01 2023-12-19 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Profile connection

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109397708A (zh) * 2018-09-25 2019-03-01 维灵(杭州)信息技术有限公司 一种硅胶和pet的粘合工艺
JP7142738B2 (ja) * 2021-03-02 2022-09-27 日機装株式会社 積層装置及び積層方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001018330A (ja) * 1999-07-07 2001-01-23 Shin Etsu Chem Co Ltd 耐熱熱伝導性シリコーンゴム複合シート及びその製造方法
JP2007119752A (ja) * 2005-09-28 2007-05-17 Iwate Univ 樹脂とゴムとを接着するための分子接着剤,樹脂とゴムとの接着方法及び樹脂とゴムとの接着複合製品
WO2016111359A1 (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 株式会社朝日Fr研究所 可撓性ペルチェデバイス及び温度調整装置
WO2016111358A1 (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 株式会社朝日Fr研究所 複合発熱材及びその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050228097A1 (en) * 2004-03-30 2005-10-13 General Electric Company Thermally conductive compositions and methods of making thereof
WO2010032728A1 (ja) * 2008-09-16 2010-03-25 株式会社朝日ラバー 三次元化シリコーンゴム接着体
JP5574532B2 (ja) * 2009-10-08 2014-08-20 信越化学工業株式会社 熱伝導性シリコーンゴム複合シート
JP5557186B2 (ja) * 2010-01-25 2014-07-23 株式会社朝日Fr研究所 金属箔付き反射シート
JP5381964B2 (ja) * 2010-11-17 2014-01-08 信越化学工業株式会社 熱圧着用シリコーンゴムシート
JP6660397B2 (ja) * 2014-11-03 2020-03-11 サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド 複合材料の接着

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001018330A (ja) * 1999-07-07 2001-01-23 Shin Etsu Chem Co Ltd 耐熱熱伝導性シリコーンゴム複合シート及びその製造方法
JP2007119752A (ja) * 2005-09-28 2007-05-17 Iwate Univ 樹脂とゴムとを接着するための分子接着剤,樹脂とゴムとの接着方法及び樹脂とゴムとの接着複合製品
WO2016111359A1 (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 株式会社朝日Fr研究所 可撓性ペルチェデバイス及び温度調整装置
WO2016111358A1 (ja) * 2015-01-09 2016-07-14 株式会社朝日Fr研究所 複合発熱材及びその製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200080757A (ko) * 2018-12-27 2020-07-07 (주)티디엘 금속 메쉬 기반 실리콘 시트의 제조 방법
KR102153536B1 (ko) 2018-12-27 2020-09-08 (주)티디엘 금속 메쉬 기반 실리콘 시트의 제조 방법
JP2020189929A (ja) * 2019-05-22 2020-11-26 信越化学工業株式会社 非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの製造方法
JP7208860B2 (ja) 2019-05-22 2023-01-19 信越化学工業株式会社 非粘着熱伝導性シリコーンゴムシートの製造方法
US11845230B2 (en) 2019-07-01 2023-12-19 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Profile connection
US11904552B2 (en) 2019-07-01 2024-02-20 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Profile connection
JP2021115708A (ja) * 2020-01-22 2021-08-10 大日本印刷株式会社 積層体およびその製造方法
JP7484179B2 (ja) 2020-01-22 2024-05-16 大日本印刷株式会社 積層体およびその製造方法
WO2021257573A1 (en) * 2020-06-19 2021-12-23 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Composite article and method of forming a composite article
US11878476B2 (en) 2020-06-19 2024-01-23 Saint-Gobain Performance Plastics Corporation Composite article and method of forming a composite article
CN111662648A (zh) * 2020-07-04 2020-09-15 深圳市鸿富诚屏蔽材料有限公司 一种导热硅胶垫片的制造工艺及其使用的背胶系统

Also Published As

Publication number Publication date
TWI676550B (zh) 2019-11-11
TW201829179A (zh) 2018-08-16
CN107650466A (zh) 2018-02-02
JP6539234B2 (ja) 2019-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018015904A (ja) 複合シート及びその製造方法
JP5574532B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム複合シート
JP5673444B2 (ja) 熱圧着用シリコーンゴムシート及び電気・電子機器部品の接合方法
JP4572243B2 (ja) 熱伝導性積層体およびその製造方法
JP6662458B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム複合シート
JP5683848B2 (ja) 硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなる硬化層を備えたシート状物品およびその製造方法
TWI496687B (zh) Thermal conductive silicone rubber composite sheet
JP5381964B2 (ja) 熱圧着用シリコーンゴムシート
JPH01154740A (ja) 粘着性構造体
TW200536895A (en) Silicone rubber sheet for thermocompression bonding and method for manufacturing the same
TW201829622A (zh) 剝離紙用或剝離薄膜用矽氧組成物
TWI839465B (zh) 有機聚矽氧烷固化物薄膜、其用途、製造方法及製造裝置
JP6674590B1 (ja) 熱伝導性シート、これを用いた実装方法及びこれを用いた接合方法
JP7376479B2 (ja) オルガノポリシロキサン硬化物フィルム、その用途および製造方法
CN115038757B (zh) 固化性弹性体组合物及换能器设备的设计方法
CN113330073B (zh) 膜形成用固化性聚有机硅氧烷组合物以及聚有机硅氧烷固化物膜的制造方法
JP7453155B2 (ja) フィルム形成用硬化性オルガノポリシロキサン組成物およびオルガノポリシロキサン硬化物フィルムの製造方法
CN105086464B (zh) 一种有机硅导热复合片材
KR20040038653A (ko) 열 압착용 이형 시트 및 그 제조 방법
CN117693558A (zh) 换能器用有机聚硅氧烷组合物、由其固化物膜组成的层叠体、其用途及其制造方法
JP2019026724A (ja) シリコーン吸着フィルム
JP7470863B2 (ja) フレキシブルデバイス用基材・接着剤層一体型シート、及びフレキシブルデバイスの製造方法
WO2024075661A1 (ja) トランスデューサー用硬化性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物および当該硬化物を備えたトランスデューサー等
JP2021098812A (ja) エラストマー部材、およびエラストマー部材の製造方法
WO2024071150A1 (ja) 電極層形成性硬化性オルガノポリシロキサン組成物、電極層を備えた積層体、その用途、およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6539234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250