JP7207494B2 - 進退駆動用チェーン及びチェーン要素 - Google Patents

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Description

本発明は、撓み部を有する進退駆動用チェーン及びその進退駆動用チェーンを構成するチェーン要素に関する。
従来、進退移動可能なチェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンの一例として、例えば特許文献1に記載のリニア・アクチュエータが知られている。このリニア・アクチュエータは、その長さがチェーン部材の全長に相当する撓み部としての作動ベルトを一対備えている。一対の作動ベルトにおける進退移動時に互いに向き合う面には、複数のブロック部としてのスタッドが作動ベルトの長さ方向にスタッド1つ分の間隔をおいて等間隔に配置されている。そして、リニア・アクチュエータは、一対の作動ベルト同士が進行方向に移動して互いのスタッドが噛み合うことで直棒状に一体化し、一体化した噛合状態から作動ベルト同士が退行方向に移動して互いのスタッドが噛み外れることで分岐する構成とされている。
特表2004-530855号公報
ところで、上記のリニア・アクチュエータのような進退駆動用チェーンは、大小様々な動力機構において使用されるが、各動力機構の仕様ごとに適合するチェーン部材の長さは様々である。そのため、上記のリニア・アクチュエータでは、撓み部としての作動ベルトがチェーン部材の全長に相当する一定の長さであるため、その一定の長さの作動ベルトが適合する1つの仕様の動力機構にしか使用できないという課題があった。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する進退駆動用チェーンは、進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、前記チェーン部材が直線的に進退移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して直棒状になる。
この構成によれば、長尺のチェーン部材を構成するために直列に連結するチェーン要素の数を調整することにより、チェーン部材の長さを使用予定の動力機構の仕様に適合した最適長さにできる。したがって、仕様ごとに適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
上記進退駆動用チェーンは、少なくとも一対の前記チェーン部材を有し、対をなす前記チェーン部材同士が進行方向に移動することで、互いの前記ブロック部同士が噛み合って直棒状に一体化する一方、その直棒状に一体化した噛合状態から前記チェーン部材同士が退行方向に移動することで、前記ブロック部同士が相互に噛み外れて分岐する構成であることが好ましい。
この構成によれば、対をなすチェーン部材同士が進行方向への移動時に噛み合う一方で退行方向への移動時に噛み外れる所謂噛合チェーン態様の進退駆動用チェーンを、適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン部材は、前記チェーン要素の前記撓み部が撓み変形することで前記チェーン要素の前記直列方向と交差する方向の一方側には屈曲可能である一方、その逆の他方側には前記チェーン要素における前記撓み部よりも前記他方側に位置する前記ブロック部が前記直列方向で隣り合う他の前記ブロック部と直棒状をなすように当接することで屈曲不能とされる構成であることが好ましい。
この構成によれば、チェーン要素の直列方向と交差する方向の一方側には屈曲するが、逆の他方側にはブロック部同士が当接して屈曲しない所謂ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンを、チェーン部材の長さが異なる複数の仕様の動力機構に使用できる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン要素は、前記撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、を有し、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部との連結時に、前記第1連結部の外形の一部と前記第2連結部の外形の一部とが繋がった形状となって前記ブロック部の外形を形成することが好ましい。
この構成によれば、直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素の第1連結部と他方側のチェーン要素の第2連結部とを連結することで、第1連結部の外形と第2連結部の外形とが繋がった外形のブロック部を容易に形成できる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン要素は、前記撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、を有し、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部及び他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部のうち何れか一方の外形が前記ブロック部の外形を構成し、当該ブロック部の外形を形成する表面部分以外の部分で前記第1連結部と前記第2連結部とが連結されることが好ましい。
この構成によれば、直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素の第1連結部と他方側のチェーン要素の第2連結部とを連結することで、第1連結部又は第2連結部により、撓み部よりも直列方向と交差する方向の一方側にブロック部を容易に形成することができる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン要素は、前記撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、前記撓み部及び前記第1連結部及び前記第2連結部とは別体の構成とされた前記ブロック部と、を有し、当該ブロック部が前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部とに対して両者を連結する態様で組み付けられることが好ましい。
この構成によれば、直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素の第1連結部と他方側のチェーン要素の第2連結部とを並べた状態において、両者に別体構成のブロック部を組み付けることで、第1連結部と第2連結部とをブロック部を形成しつつ容易に連結できる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン要素は、前記撓み部が、前記進退移動方向と交差する方向の一方側に予め湾曲していることが好ましい。
この構成によれば、チェーン部材が曲線的に進退移動するときに撓み部に発生する応力を小さくできるため、撓み変形する撓み部の屈曲半径を小さくでき、チェーン部材の進退移動経路が占有するスペースを小さくできる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン要素は、前記撓み部が、当該撓み部以外の部分よりも相対的に可撓性の高い材質で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、チェーン部材が曲線的に進退移動するときに撓み部を容易に撓み変形させることができる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン要素は、前記撓み部が、当該撓み部以外の部分に対して着脱可能な別体で形成されていることが好ましい。
この構成によれば、相対的に可撓性の高い材質であることが好ましい撓み部と、相対的に剛性が高い材質であることが好ましいブロック部等の撓み部以外の部分とを、別々にして容易に製造することができる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン要素は、少なくとも前記ブロック部の表面が軟質であることが好ましい。
この構成によれば、チェーン部材が直線的に進退移動するときには、その進退移動方向で隣り合うブロック部同士が当接するが、その当接時における騒音の発生を抑制できる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、一対の前記チェーン部材における一方の前記チェーン部材を構成する複数の前記チェーン要素における前記ブロック部と、他方の前記チェーン部材を構成する複数の前記チェーン要素における前記ブロック部とは、互いに異なる材質で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、互いに噛み合う一対のチェーン部材のブロック部同士が同じ材質である場合よりも、チェーン部材が凝着摩耗する虞を低減できる。
上記進退駆動用チェーンは、前記チェーン部材における進行方向側の端部に接続される引張部材を有し、前記引張部材は、前記チェーン部材を退行方向側に引っ張ることにより、前記チェーン部材に対して進行方向への移動に抗する力を付与可能であることが好ましい。
この構成によれば、チェーン部材が進退移動方向で隣り合うブロック部同士を当接させた直棒状の態様で直線的に進行方向に移動するときには、チェーン部材における進行方向側の端部が引張部材によって進行方向とは反対の退行方向に引っ張られる。すると、そのチェーン部材は進退移動方向で隣り合うブロック部同士を当接させた直棒状の部分が進退移動方向に沿って圧縮されたような状態となり、ブロック部同士を当接させた直棒状の状態が維持される。
上記課題を解決するチェーン要素は、直列に配置され、直列方向で隣り合う一方側の端部と他方側の端部が連結されることで長尺状のチェーン部材を構成するチェーン要素であって、前記チェーン部材の長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの撓み部と、当該撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、前記直列方向で隣り合う2つの前記チェーン要素における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部との連結時に前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置するブロック部と、を有する。
この構成によれば、上記構成の進退駆動用チェーンと同様の作用効果を奏し得る。
また、上記課題を解決する進退駆動用チェーンは、進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、前記チェーン部材が進退移動方向における進行方向に移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して棒状になる。
この構成によれば、長尺のチェーン部材を構成するために直列に連結するチェーン要素の数を調整することにより、チェーン部材の長さを使用予定の動力機構の仕様に適合した最適長さにできる。したがって、仕様ごとに適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
上記進退駆動用チェーンは、少なくとも一対の前記チェーン部材を有し、対をなす前記チェーン部材同士が前記進行方向に移動することで、互いの前記ブロック部同士が噛み合って曲棒状に一体化する一方、その曲棒状に一体化した噛合状態から前記チェーン部材同士が退行方向に移動することで、前記ブロック部同士が相互に噛み外れて分岐する構成であることが好ましい。
この構成によれば、対をなすチェーン部材同士が進行方向への移動時に噛み合う一方で退行方向への移動時に噛み外れる所謂噛合チェーン態様の進退駆動用チェーンを、適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
上記進退駆動用チェーンにおいて、前記チェーン部材は、前記チェーン要素の前記撓み部が撓み変形することで前記チェーン要素の前記直列方向と交差する方向の一方側には屈曲可能である一方、その逆の他方側には前記チェーン要素における前記撓み部よりも前記他方側に位置する前記ブロック部が前記直列方向で隣り合う他の前記ブロック部と曲棒状をなすように当接する。
この構成によれば、チェーン要素の直列方向と交差する方向の一方側には屈曲するが、逆の他方側にはブロック部同士が当接して屈曲しない所謂ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンを、チェーン部材の長さが異なる複数の仕様の動力機構に使用できる。
本発明によれば、仕様ごとに適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
第1実施形態の進退駆動用チェーンを使用した可動体移動装置の全体構成を概略的に示す一部切欠斜視図。 第1実施形態のチェーン要素を一方向から見た場合の斜視図。 図2に示すチェーン要素を別の方向から見た場合の斜視図。 チェーン要素を分割した場合の一方側分割片の斜視図。 チェーン要素を分割した場合の他方側分割片の斜視図。 複数のチェーン要素が直列に連結された状態のチェーン部材を示す正面図。 第1チェーン部材と第2チェーン部材が噛み合って直棒状に一体化した状態を示す正面図。 第1チェーン部材及び第2チェーン部材のブロック部同士が噛み合い始めた直後の状態を示す正面図。 第1チェーン部材及び第2チェーン部材のブロック部同士が噛み合いを完了する直前の状態を示す正面図。 第2実施形態の進退駆動用チェーンを使用した可動体移動装置の全体構成を概略的に示す一部切欠正面図。 第2実施形態のチェーン要素を一方向から見た場合の斜視図。 図11に示すチェーン要素を別の方向から見た場合の斜視図。 変形例の進退駆動用チェーンを使用した可動体移動装置の全体構成を概略的に示す正面図。 変形例のチェーン要素の斜視図。 変形例の進退駆動用チェーンの一部を拡大して示す正面図。 変形例の噛合チェーンの噛合状態を示す斜視図。 変形例の噛合チェーンの噛合状態を示す斜視図。 (a)は変形例の噛合チェーンの噛合状態を示す正面図、(b)はその一部を拡大して示す図。 変形例の噛合チェーンの噛合状態を示す斜視図。 変形例の噛合チェーンの噛合状態を示す斜視図。 変形例のチェーン要素の正面図。 変形例のチェーン部材の斜視図。 変形例のチェーン要素の斜視図。 変形例のチェーン部材の斜視図。 変形例のチェーン要素の斜視図。 変形例のチェーン要素の斜視図。 変形例のチェーン要素の斜視図。 変形例のチェーン部材の斜視図。 変形例のチェーン部材の一部を示す正面図。 図29におけるA-A線矢視の断面図。 変形例のチェーン部材の一部を示す正面図。 変形例のチェーン要素の斜視図。 変形例のチェーン部材の斜視図。 変形例のチェーン部材の斜視図。 変形例の進退駆動用チェーンを使用した可動体移動装置の全体構成を概略的に示す正面図。 変形例の進退駆動用チェーンを使用した可動体移動装置の全体構成を概略的に示す一部切欠正面図。
(第1実施形態)
以下、動力機構の一種である可動体移動装置において使用される進退駆動用チェーンの第1実施形態について、図を参照して説明する。
図1に示すように、可動体移動装置11は、長さ方向に沿って進退移動可能な進退駆動用チェーンの一例である噛合チェーン12と、進退移動する噛合チェーン12を出入自在に収容可能な収容部13とを備えている。噛合チェーン12は、互いに噛合可能な一対のチェーン部材である第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15を有している。第1チェーン部材14と第2チェーン部材15は、直列に配置される複数のチェーン要素16を有し、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成されている。なお、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15は、図1では上端部となる互いの先端部に位置するチェーン要素16同士がジョイント部17を介して連結されている。そして、ジョイント部17には、例えば昇降動作する天板や開閉動作する扉等の機能性部材を支持した状態で噛合チェーン12と共に進退移動する可動体18が取り付けられている。
噛合チェーン12は、対をなすチェーン部材同士である第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が長さ方向において各々の先端が位置する方向である進行方向に各々移動することで相互に噛み合って直棒状に一体化する。その一方、噛合チェーン12は、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が相互に噛み合って直棒状に一体化した噛合状態から進行方向とは反対の退行方向に各々移動することで相互に噛み外れて分岐する。そして、噛合チェーン12は、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が退行方向に移動した場合に、その長さ方向で基端から先端側に連なる所定長さの部分が収容部13内に収容される。その一方、噛合チェーン12は、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が進行方向に移動した場合に、その長さ方向で先端から基端側に連なる所定長さの部分が収容部13外に露出する。
なお、以下の記載では、ジョイント部17に取り付けられた可動体18を移動させる際の噛合チェーン12の進退移動方向をZとする。この場合、図1では上方向となる噛合チェーン12の進行方向をZ1とし、図1では下方向となる噛合チェーン12の退行方向をZ2とする。また、噛合チェーン12の長さ方向でもある進退移動方向Zと直交する方向のうち、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15が相互に噛み合って一体化した噛合状態から退行方向Z2への移動に伴い相互に噛み外れて分岐する方向を分岐方向Xとする。さらに、進退移動方向Z及び分岐方向Xの両方と直交する方向をチェーン要素16の幅方向でもある奥行方向Yとする。
図1に示すように、収容部13は噛合チェーン12の長さ方向の一部を収容可能に構成されている。収容部13内の上部における分岐方向Xの中央部には、例えばモーター等の駆動源から回転動力を付与されることで奥行方向Yに沿う軸を回転中心にして正逆両方向に回転駆動されるスプロケット19が設けられている。本実施形態の場合、スプロケット19は、噛合チェーン12における第1チェーン部材14と第2チェーン部材15とが互いに噛合して直棒状となる部分に対して分岐方向Xで第2チェーン部材15が位置する側から歯先が噛み合うように配置されている。そして、スプロケット19の回転駆動に伴い、噛合チェーン12が進退移動方向Zに沿って進退移動することにより、可動体18が進退移動方向Zへ移動するようになっている。
また、収容部13は、奥行方向Yに所定の間隔をおいて対向する略同一の矩形状をなす前板20と後板21を備えている。前板20及び後板21は、奥行方向Yに沿う不図示の連結体により連結され、噛合チェーン12及びスプロケット19は、前板20と後板21との間の空間領域に配置される。前板20と後板21の内側面には、噛合状態から分岐した第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15を曲線的に移動するように誘導する一対の湾曲した誘導溝22が分岐方向Xの両側へ分かれるように設けられている。
次に、チェーン要素16について説明する。
図2及び図3に示すように、チェーン要素16は、所定長さの帯板状をなす撓み部23と、撓み部23における長さ方向の第1端側に位置する塊状の第1連結部24と、撓み部23における長さ方向の第2端側に位置する塊状の第2連結部25を備えている。なお、以下における所定の部材の説明で「第1端側」「第2端側」という表現を用いる場合は、その部材と共にチェーン要素16を構成する撓み部23の長さ方向に沿った方向での当該部材における「第1端側」「第2端側」を示しているものとする。
チェーン要素16において、撓み部23は、その板厚が前板20と後板21の内側面に形成された誘導溝22の溝幅よりも僅かに薄い厚さである一対の弾性変形可能な帯板状の部材で構成されている。撓み部23は、チェーン要素16が収容部13内を移動する際、その長手方向に沿う側辺部を誘導溝22に摺動させる。そのため、撓み部23は、誘導溝22の曲線部分に摺動して移動する際には、その誘導溝22の曲線部分に沿うように湾曲する。
また、チェーン要素16において、第1連結部24は、奥行方向Yから見た場合の外形となる外面形状の一部が連続した段差面形状をなしている。一方、第2連結部25は、第1連結部24よりも相対的に大きな塊状をなし、その一部には第1連結部24の段差面形状をなす一部の外面形状と対応した段差面形状の内面形状を有する切欠状の係合部26が形成されている。すなわち、チェーン要素16における第2連結部25の係合部26には、当該チェーン要素16と直列方向で隣り合う他のチェーン要素16における第1連結部24がその外面の一部を嵌合させた状態で係合可能である。なお、切欠状の係合部26における第2端側の開口縁の部分は、その係合部26の内面に外面の一部を嵌合させて係合した状態にある他のチェーン要素16の第1連結部24に対して第2端側から係止可能な爪状の係止部27を構成している。
チェーン要素16は、金属製であってもよいが、本実施形態では、耐摩耗性及び自己潤滑性に優れ、金属の代替品として用いられることが多い樹脂系の素材であるエンジニア・プラスチックを原材料にして成形されている。一般に、エンジニア・プラスチックは、耐熱性が摂氏100度以上、強度が50MPa以上、曲げ弾性率が2.4GPa以上の素材である。本実施形態のチェーン要素16は、エンジニア・プラスチックの一例であるポリアセタール(POM)により、撓み部23と第1連結部24と第2連結部25が一体成形されている。そのため、チェーン要素16における帯板状の撓み部23は、その長さ方向と交差する方向である板厚方向に曲げ応力が発生すると、その曲げ応力が働く方向に撓み変形する。
図4及び図5に示すように、チェーン要素16は、一例として帯板状をなす撓み部23の短手方向である奥行方向Yにおいて二つに分割された状態から奥行方向Yで接合されることにより一体化される一方側分割体28と他方側分割体29を含んで構成されている。図4に示す一方側分割体28は、帯板状をなす一方側撓み部30と、一方側撓み部30の第1端側に位置する板片状の一方側第1連結部31及び一方側撓み部30の第2端側に位置する板片状の一方側第2連結部32を有している。同様に、図5に示す他方側分割体29も、帯板状をなす他方側撓み部33と、他方側撓み部33の第1端側に位置する板片状の他方側第1連結部34及び他方側撓み部33の第2端側に位置する板片状の他方側第2連結部35を有している。
まず、一方側分割体28について説明する。
図4に示すように、一方側分割体28において、一方側第1連結部31と一方側第2連結部32は、各々の板厚寸法が一方側撓み部30の短手方向に沿う幅寸法とほぼ同一の板片である。一方側第1連結部31は、一方側分割体28と他方側分割体29との接合時に他方側分割体29と対向する面を有している。そして、その面内において、一方側第2連結部32に近い側となる第2端側の縁辺に沿う領域には、一方側第1小隆起部36が形成されている。また、その一方側第1小隆起部36における他方側分割体29と対向する面には、一方側第1小凸部37が形成されている。
一方側第2連結部32も、一方側第1連結部31と同様に、一方側分割体28と他方側分割体29との接合時に他方側分割体29と対向する面を有している。そして、その面内において、一方側第1連結部31から遠い側となる第2端側の縁辺に沿う領域には、一方側第2小隆起部38が形成されている。一方側第2小隆起部38は、一方側撓み部30の板厚方向に沿う方向の長さが同方向における一方側第1小隆起部36の長さと略等しい。また、その一方側第2小隆起部38における他方側分割体29と対向する面には、一方側第2小凸部39が形成されている。
さらに、一方側第2連結部32における他方側分割体29と対向する面内において一方側第1連結部31に近い側となる第1端側の縁辺に沿う領域には、一方側大隆起部40が形成されている。また、その一方側大隆起部40における他方側分割体29と対向する面には、一方側大凸部41が短い凸条をなすように形成されている。ちなみに、一方側大隆起部40は、一方側撓み部30の板厚方向に沿う方向の長さが、同方向における一方側第1小隆起部36の長さと一方側第2小隆起部38の長さとの合計の長さに略等しい。
次に、他方側分割体29について説明する。
図5に示すように、他方側分割体29においても、他方側第1連結部34と他方側第2連結部35は、各々の板厚寸法が他方側撓み部33の短手方向に沿う幅寸法とほぼ同一の板片である。また、他方側第1連結部34も、一方側分割体28と他方側分割体29との接合時に一方側分割体28と対向する面を有している。そして、その面内において、他方側第2連結部35に近い側となる第2端側の縁辺に沿う領域には、他方側第1小隆起部42が形成されている。また、その他方側第1小隆起部42における一方側分割体28と対向する面には、一方側分割体28と他方側分割体29との接合時に一方側第1小凸部37を挿入可能とする他方側第1小凹部43が溝状をなすように切欠形成されている。
他方側第2連結部35も、他方側第1連結部34と同様に、一方側分割体28と他方側分割体29との接合時に一方側分割体28と対向する面を有している。そして、その面内において、他方側第1連結部34から遠い側となる第2端側の縁辺に沿う領域には、他方側第2小隆起部44が形成されている。他方側第2小隆起部44は、他方側撓み部33の板厚方向に沿う方向の長さが同方向における他方側第1小隆起部42の長さと略等しい。また、その他方側第2小隆起部44における一方側分割体28と対向する面には、一方側分割体28と他方側分割体29との接合時に一方側第2小凸部39を挿入可能とする他方側第2小凹部45が溝状をなすように切欠形成されている。
さらに、他方側第2連結部35における一方側分割体28と対向する面内において他方側第1連結部34に近い側となる第1端側の縁辺に沿う領域には、他方側大隆起部46が形成されている。また、その他方側大隆起部46における一方側分割体28と対向する面には、一方側分割体28と他方側分割体29との接合時に一方側大凸部41を挿入可能とする他方側大凹部47が長穴状をなすように形成されている。ちなみに、他方側大隆起部46は、他方側撓み部33の板厚方向に沿う方向の長さが、同方向における他方側第1小隆起部42の長さと他方側第2小隆起部44の長さとの合計の長さに等しい。
本実施形態では、図4に示す一方側分割体28と図5に示す他方側分割体29とを接合することで、図2及び図3に示すチェーン要素16が形成される。このとき、チェーン要素16の第1端側には、一方側第1連結部31、他方側第1連結部34、一方側第1小隆起部36及び他方側第1小隆起部42によって、第1端側を開放した状態で撓み部23の板厚方向に第1連結部24を貫通する溝部48が形成される。また、チェーン要素16の第2端側には、一方側第2連結部32、他方側第2連結部35、一方側第2小隆起部38、他方側第2小隆起部44、一方側大隆起部40及び他方側大隆起部46によって、撓み部23の板厚方向に第2連結部25を貫通する貫通孔49が形成される。
図6に示すように、チェーン要素16は、直列に配置された複数のチェーン要素16の直列方向で隣り合うチェーン要素16同士が連結されることで長尺状をなす第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15を形成する。すなわち、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士は、図6では右側となる一方側のチェーン要素16の第1連結部24が図6では左側となる他方側のチェーン要素16の第2連結部25の係合部26に外面の一部を嵌合させて係合することで連結される。そして、その状態において、一方側のチェーン要素16の第1連結部24は、他方側のチェーン要素16の第2連結部25の係合部26における第2端側の開口縁の係止部27が第2端側から係止することで、係合部26からの抜け止めが図られる。
また、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士が連結された状態になることで、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15の長さ方向には、所定の間隔をおいて複数のブロック部50が形成される。すなわち、直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素16の第1連結部24と他方側のチェーン要素16の第2連結部25とが連結されることで、外形が第1連結部24の外形の一部と第2連結部25の外形の一部とが繋がった形状のブロック部50が形成される。この場合、各ブロック部50は、チェーン要素16同士が連結される直列方向と交差する方向において、撓み部23から見たときに、図6では上側となる一方側へ塊状に形成される。
図7及び図1に示すように、噛合チェーン12を構成する第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15は、進退移動方向Zに沿って各々が直線的に進退移動するとき、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士が当接して直棒状に一体化される。すなわち、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15は、各ブロック部50における進行方向Z1側の第1側面51と相手側のブロック部50における退行方向Z2側の第2側面52とが当接した状態となって、直線的に進退移動する。ブロック部50は、その進行方向Z1側の第1側面51が第2連結部25の進行方向Z1側の側面で構成され、その退行方向Z2側の第2側面52が第1連結部24の退行方向Z2側の側面と第2連結部25の退行方向Z2側の側面とが繋がった面で構成される。
ブロック部50における進行方向Z1側の第1側面51及び退行方向Z2側の第2側面52は、進退移動方向Zに対して直交する平面同士ではなく、進退移動方向Zに対しては所定の傾きでもって交差する曲面同士で構成されている。すなわち、ブロック部50は、進行方向Z1側の第1側面51が進行方向Z1に対する傾きが正となる曲面で構成される一方、退行方向Z2側の第2側面52が進行方向Z1に対する傾きが負となる曲面で構成されている。そして、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15を直棒状に一体化させるとき、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士は、一方のブロック部50の第1側面51と他方のブロック部50の第2側面52とが互いの凸面部分と凹面部分を面接触させる。また、この場合、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15の各ブロック部50は、各々の平面状をなす天面53が相手側のチェーン部材のチェーン要素16における帯板状の撓み部23に当接することで進退移動方向Zと交差する方向での位置決めがされる。
なお、ブロック部50は、進行方向Z1側の第1側面51と退行方向Z2側の第2側面52の各々が、それぞれ凸面部分と凹面部分の両方を含んで構成されていてもよい。この場合、進行方向Z1側の第1側面51は、進行方向Z1に対する傾きが正となる曲面部分と負となる曲面部分が繋がった曲面で構成される。一方、退行方向Z2側の第2側面52は、進行方向Z1に対する傾きが負となる曲面部分と正となる曲面部分が繋がった曲面で構成される。この構成によれば、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15のブロック部50同士が当接するとき、第1側面51の凸面部分及び凹面部分と第2側面52の凹面部分及び凸面部分とが食い込むように当接する。そのため、互いに当接するブロック部50同士が進退移動方向Zと交差する方向に位置ずれする虞を効果的に抑制できる。
また、ブロック部50は、進行方向Z1側の第1側面51及び退行方向Z2側の第2側面52のうち少なくとも一方の側面が、進行方向Z1に対して傾きを有する曲面で構成されていてもよい。例えば、進行方向Z1側の第1側面51及び退行方向Z2側の第2側面52のうち、一方の側面が進行方向Z1に対して傾きを有する曲面で構成され、他方の側面が進行方向Z1に対して傾きを有する平面で構成されていてもよい。一例として、第1チェーン部材14のブロック部50は、進行方向Z1側の第1側面51を進行方向Z1に対する傾きが正又は負となる曲面で構成し、退行方向Z2側の第2側面52を進行方向Z1に対して傾きを有する平面で構成する。その一方、第2チェーン部材15のブロック部50は、進行方向Z1側の第1側面51を進行方向Z1に対して傾きを有する平面で構成し、退行方向Z2側の第2側面52を進行方向Z1に対する傾きが負又は正となる曲面で構成する。このように構成した場合も、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15のブロック部50同士が当接するとき、相互に曲面で構成した第1側面51と第2側面52とが食い込むように当接する。そのため、互いに当接するブロック部50同士が進退移動方向Zと交差する方向に位置ずれする虞を効果的に抑制できる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
さて、複数のチェーン要素16を用いて所定長さの第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15を作る際には、まず複数のチェーン要素16が直列に配置される。そして、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士における一方側のチェーン要素16の第1連結部24と他方側のチェーン要素16の第2連結部25とが連結される。その際、一方側のチェーン要素16の第1連結部24は他方側のチェーン要素16の第2連結部25の係合部26に対してチェーン要素16の幅方向でもある奥行方向Yの何れか一方の側から嵌め込まれる。すると、図6に示すように、複数のチェーン要素16が直列方向に連結された所定長さの第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15が形成される。この場合、直列に連結されるチェーン要素16の個数を調整すれば、噛合チェーン12を構成する第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15の長さが任意の長さに調整可能とされる。
また、以上の第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15を作る際において、必要とされる部材点数は、撓み部23と第1連結部24と第2連結部25とが一体成形された1種類のチェーン要素16だけで済む。例えば、直列に配置された複数のリンクプレートにおける直列方向で隣り合うリンクプレート同士を連結ピンによって回動可能に連結する構成では、リンクプレート以外に連結ピンという連結用部材が必要になる。これに対し、本実施形態では、第1連結部24と第2連結部25とが撓み部23に一体成形されているため、そうした連結ピンのような連結用部材は不要とされる。
また、以上の第1チェーン部材14と第2チェーン部材15で構成される噛合チェーン12は、図1に示すように、スプロケット19の回転に伴い、チェーン要素16における撓み部23が収容部13内で湾曲状をなす誘導溝22にガイドされて進退移動する。その際、スプロケット19は、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15のブロック部50同士が噛合して直棒状をなす部分のブロック部50における第1連結部24の溝部48と第2連結部25の貫通孔49の組み合わせで形成される穴に歯先が噛合する。そして、そのスプロケット19の回転に伴い、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15は、収容部13内において、チェーン要素16における弾性変形可能な撓み部23が湾曲状の誘導溝22に倣って湾曲する。
また、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15が共に進行方向Z1に移動し、互いのブロック部50同士が噛み合うときは、進行方向Z1側に位置するブロック部50の第2側面52に退行方向Z2側に位置するブロック部50の第1側面51が当接する。そして、その際において、互いに当接するブロック部50の第1側面51及びブロック部50の第2側面52が、共に平面同士である場合には、例えば手と手を打ち合わせたときのような衝撃音が発生してしまう。これに対し、本実施形態では、互いに当接するブロック部50の第1側面51及びブロック部50の第2側面52が共に曲面同士であるため、互いの曲面同士が滑らかに噛み合って、そのような衝撃音の発生が抑制される。
以下、図8及び図9を参照して、進行方向Z1側に位置するブロック部50の第2側面52に対して退行方向Z2側に位置するブロック部50の第1側面51が噛み合い始めてから噛み合いを完了するまでの状態について説明する。なお、図8及び図9では、進行方向Z1への移動に伴って噛み合う関係にある進退移動方向Zで隣り合う一対のブロック部50同士だけを実線で図示し、その他の部材については二点鎖線で図示している。
まず、図8に示すように、噛み合い開始直後は、進行方向Z1側に位置するブロック部50の第2側面52における天面53に近い側の凸面部分と、退行方向Z2側に位置するブロック部50の第1側面51における天面53に近い側の凹面部分とが接触する。そして、その状態から、スプロケット19が図8における時計回り方向に更に回転すると、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15が図8の状態から更に進行方向Z1に移動する。すると、図9に示すように、進行方向Z1側に位置するブロック部50の第2側面52における天面53に近い側の凸面部分が退行方向Z2側に位置するブロック部50の第1側面51を撓み部23に近い側まで滑らかに摺動する。そして、その状態から、スプロケット19が図9における時計回り方向に更に回転すると、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15は、互いのブロック部50同士が図7に示すように面接触した状態となるように当接して直棒状に一体化される。
この場合、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15の互いに噛み合うブロック部50同士は、摺動して当接する第1側面51及び第2側面52が進退移動方向Zに対して所定の傾きで交差する曲面同士である。そのため、進退移動方向Zで隣り合う一方側のブロック部50の第1側面51と他方側のブロック部50の第2側面52は、摺動時に各々の傾きの方向へ滑るように相対移動する。そして、互いのチェーン部材におけるブロック部50の天面53が相手側のチェーン部材の撓み部23の内側の面に当接することで、互いに当接するブロック部50同士は、進退移動方向Zと交差する方向での位置決めがなされる。また、互いに当接するブロック部50同士は、第1側面51及び第2側面52の凸面部分と凹面部分が食い込むように当接することで、進退移動方向Zと交差する方向での位置ずれが抑制される。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1-1)長尺の第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15を構成するために直列に連結するチェーン要素16の数を調整することにより、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15の長さを使用予定の動力機構の仕様に適合した最適長さにできる。したがって、仕様ごとに適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
(1-2)対をなす第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が進行方向Z1への移動時に噛み合う一方で退行方向Z2への移動時に噛み外れる所謂噛合チェーン12を、適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
(1-3)直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素16の第1連結部24と他方側のチェーン要素16の第2連結部25とを連結することで、第1連結部24の外形と第2連結部25の外形とが繋がった外形のブロック部50を容易に形成できる。
(1-4)チェーン要素16は、撓み部23と第1連結部24と第2連結部25が樹脂系の素材であるエンジニア・プラスチックで一体成形されているため、静音化と無給油化を図りつつ、撓み部23を曲げ応力の発生時には容易に撓み変形させることができる。
(第2実施形態)
次に、進退駆動用チェーンの第2実施形態について、図を参照して説明する。なお、本実施形態において第1実施形態と共通する構成の部材については、第1実施形態と同一の符号を付すことにし、それらについての重複説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の可動体移動装置11は、スプロケット19の回転に伴い長さ方向に沿って進退移動する進退駆動用チェーンが、第1実施形態のような互いに噛み合う一対のチェーン部材ではなく、1本のチェーン部材60で構成されている。この1本のチェーン部材60は、直列に配置される複数のチェーン要素16を有し、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成されている。チェーン部材60における図1では上端部となる先端部に位置するチェーン要素16の上側の側面には可動体18が取り付けられている。
図11及び図12に示すように、本実施形態のチェーン要素16は、所定長さの帯板状の撓み部23と、撓み部23における長さ方向の第1端側に位置する第1連結部24と、撓み部23における長さ方向の第2端側に位置する第2連結部25を備えている。第1連結部24は、その全体形状が箱体形状であり、その外形により直方体状をなすブロック部50の外形を構成している。一方、第2連結部25は、その全体形状がチェーン要素16の幅方向でもある奥行方向Yに沿って延びる断面L字状の凸条である。なお、本実施形態におけるチェーン要素16も、樹脂系のエンジニア・プラスチックの一例であるポリアセタール(POM)により、撓み部23と第1連結部24と第2連結部25が一体成形されている。
ブロック部50において、図11及び図12では上側となる第1端側の第1側面51及び同じく下側となる第2端側の第2側面52は、チェーン要素16の長さ方向でもある進退移動方向Zに対して直交する平面で構成されている。また、ブロック部50において、撓み部23が位置する側の面54とは反対側の面である天面53には、スプロケット19の歯先を噛合させる穴61が穿設されている。一方、ブロック部50の撓み部23が位置する側の面54における第1端と第2端との中間の位置には、断面矩形状の隆起部62がチェーン要素16の幅方向でもある奥行方向Yに沿って延びるように形成されている。
隆起部62における第2端側の部分には、帯板状の撓み部23が、その第1端側の縁部を接合させた状態で、その第2端側に連なる部分がブロック部50よりも第2端側に張り出す片持ち梁状をなすように支持されている。また、隆起部62において、撓み部23の第1端側の縁部が接合された部分に第1端側から隣接する部分には、断面形状が第2連結部25と同一のL字状をなす凹条63がチェーン要素16の幅方向でもある奥行方向Yに沿って延びるように形成されている。
さて、本実施形態の進退駆動用チェーンであるチェーン部材60を作る際には、直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素16の第1連結部24と他方側のチェーン要素16の第2連結部25とが連結される。すなわち、一方側のチェーン要素16の第1連結部24に形成された凹条63に対して、他方側のチェーン要素16の凸条をなす第2連結部25が、チェーン要素16の幅方向でもある奥行方向Yの何れか一方の側から嵌め込まれる。これにより、箱体形状の第1連結部24におけるブロック部50の外形を構成する表面部分以外の部分で、一方側のチェーン要素16の第1連結部24と他方側のチェーン要素16の第2連結部25とが連結される。
また、図10に示すように、本実施形態の進退駆動用チェーンであるチェーン部材60は、チェーン要素16の撓み部23が撓み変形することで、チェーン要素16の直列方向と交差する方向の一方側、すなわち、図10では左側に屈曲可能である。その一方、その逆の図10では右側となる他方側には、チェーン部材60を構成する各チェーン要素16における撓み部23よりも他方側に位置するブロック部50が直列方向で隣り合う他のブロック部50と直棒状をなすように当接することで屈曲不能とされる。
本実施形態によれば、第1実施形態の(1-4)に示す効果以外に、以下のような効果を享受できる。
(2-1)進退駆動用チェーンである長尺のチェーン部材60を構成するために直列に連結するチェーン要素16の数を調整することにより、1本のチェーン部材60の長さを使用予定の動力機構の仕様に適合した最適長さにできる。したがって、仕様ごとに適合するチェーン部材の長さが様々である複数の仕様の動力機構に対して使用できる。
(2-2)チェーン要素16の直列方向と交差する方向の一方側には屈曲するが、逆の他方側にはブロック部50同士が当接して屈曲しない所謂ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンを、チェーン部材60の長さが異なる複数の仕様の動力機構に使用できる。
(2-3)直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素16の第1連結部24と他方側のチェーン要素16の第2連結部25とを連結することで、撓み部23よりも直列方向と交差する方向の一方側に第1連結部24でブロック部50を容易に形成することができる。
なお、上記の実施形態は以下に示す変形例のように変更してもよい。また、実施形態に含まれる構成と下記変形例に含まれる構成とを任意に組み合わせてもよいし、下記変形例に含まれる構成同士を任意に組み合わせてもよい。
・図13に示すように、所謂噛合チェーン12の態様の進退駆動用チェーンを採用する可動体移動装置11においては、収容部13の内面に形成される誘導溝22が図1に示す第1実施形態の場合よりも曲率半径の小さい曲線を描く構成であってもよい。この構成によれば、収容部13内で誘導溝22の長さを長くする必要がある場合でも、噛合チェーン12の分岐方向Xにおける収容部13の長さを短くでき、その分、可動体移動装置11をコンパクトにできる。
・図14に示すように、チェーン要素16における撓み部23は、進退移動方向Zと交差する方向の一方側、すなわち、連結時にブロック部50を形成する第1連結部24及び第2連結部25が位置する側とは反対側に予め湾曲していてもよい。この構成によれば、撓み部23が平らな帯板状の場合よりも、第1チェーン部材14、第2チェーン部材15及びチェーン部材60が曲線的に進退移動するときに撓み部23に発生する応力を小さくできるため、撓み変形する撓み部23の屈曲半径を小さくできる。そのため、第1チェーン部材14、第2チェーン部材15及びチェーン部材60の進退移動経路が占有するスペースを小さくできる。
・図15に示すように、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15のブロック部50同士が進行方向Z1への移動に伴い当接して直棒状に一体化される際に、ブロック部50の天面53が相手側のチェーン部材の撓み部23の内側の面に当接しなくてもよい。すなわち、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士の第1側面51と第2側面52とが面接触して直棒状に一体化された際、各ブロック部50の天面53と当該天面53が対向する撓み部23の内側の面との間に隙間64が形成される構成でもよい。この構成によれば、撓み部23に対してブロック部50が側面から当接することによる撓み部23の撓み変形を抑制でき、撓み部23の板厚方向に加わる応力を低減して、撓み部23の強度を向上させることができる。
・図16又は図17に示すように、チェーン要素16の撓み部23は、例えばブロック部50等の当該チェーン要素16における撓み部23以外の部分に対して着脱可能な構成であってもよい。すなわち、第1連結部24と第2連結部25が一体化された撓み部23は、ブロック部50と別体の構成とされる。この場合、撓み部23は、その第1端側に位置する第1連結部24及び第2端側に位置する第2連結部25がブロック部50の一側面に形成された係止凹部65及び係止凹部66に奥行方向Yの一方側から嵌め込まれることで、ブロック部50と一体化される。すなわち、ブロック部50は、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士における一方側のチェーン要素16の第1連結部24と他方側のチェーン要素16の第2連結部25とに対して両者を連結する態様で組み付けられる。この構成によれば、相対的に可撓性の高い材質であることが好ましい撓み部23と、相対的に剛性が高い材質であることが好ましいブロック部50等の撓み部23以外の部分とを、別々にして容易に製造することができる。また、直列方向で隣り合う一方側の第1連結部24と他方側の第2連結部25とを並べた状態において、両者に別体構成のブロック部50を組み付けることで、第1連結部24と第2連結部25とをブロック部50を形成しつつ容易に連結できる。
・図18(a)、図18(b)に示すように、撓み部23の第1端側の第1連結部24がブロック部50を兼用し、撓み部23の第2端側の第2連結部25がブロック部50の側面に形成された係止凹部66に隙間67を介在させて嵌合する構成でもよい。この構成によれば、第1連結部24が兼用するブロック部50に形成された係止凹部66と第2連結部25との連結箇所に隙間67による僅かな弛みや遊びができるので、撓み部23を大きく撓み変形させなくても、チェーン部材を曲線状に曲げることができる。そのため、チェーン要素16の撓み部23の歪み量が小さくなると共に、撓み変形により応力も小さくなるので、撓み部23の強度、例えば屈強度、撓み強度、曲げ強度などを向上できる。
・図19に示すように、チェーン要素16は、第1連結部24を兼用するブロック部50における奥行方向Yの両側の側面に進退移動方向Zに沿う段差状溝68を形成すると共に、その進行方向Z1の側面に奥行方向Yに沿う係止凹部66を形成してもよい。この場合、ブロック部50の奥行方向Yのs両側面から退行方向Z2に向けて延びる一対の撓み部23は、両側の段差状溝68を介してブロック部50を挟んだ態様で、撓み部23の先端である第2端側に位置する第2連結部25を係止凹部66に対して係止させる。この構成によれば、撓み部23がブロック部50における奥行方向Yの両側の側面に沿って延びることになるため、ブロック部50において例えばスプロケット19の歯先などの駆動機構が係合する面域を大きくとれる。
・図20に示すように、チェーン要素16は、撓み部23の長さ方向の中央にブロック部50を一体形成し、撓み部23の長さ方向の第1端及び第2端に蟻継ぎ構造により連結される第1連結部24と第2連結部25を一体形成してもよい。
・図21に示すように、チェーン要素16は、撓み部23の第1端に第1連結部24を形成すると共に、撓み部23の第2端に第2連結部25を形成し、第1連結部24と第2連結部25との間に少なくとも一つのブロック部50を形成してもよい。この構成によれば、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15を構成するためのチェーン要素16の数を少なくすることができる。また、こうしたチェーン要素16を直列に連結した構成のチェーン部材の場合は、チェーン部材の長さ方向において連結箇所を少なくできるため、チェーン部材の強度、例えば屈強度、撓み強度、曲げ強度などを向上できる。
・図22に示すように、例えば第1チェーン部材14等のチェーン部材は、奥行方向Yに複数のチェーン部材が多列構造をなすように並んだ構成であってもよい。こうした構成によれば、複数のチェーン部材を並列にしたことで、単列のチェーン部材の場合よりも、進退駆動用チェーンの強度を向上できる。なお、この場合、奥行方向Yに多列構造をなして並ぶ複数のチェーン部材は、奥行方向Yで隣り合うチェーン部材同士が各々の幅方向でもある奥行方向Yにおいて連結された構成であってもよい。
・図23に示すように、ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンにおけるチェーン要素16は、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士が連結されたときに互いの撓み部23の第1端と第2端とが接触せず、両者間には隙間69ができる構成でもよい。
・図24に示すように、ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンのチェーン要素16は、撓み部23の長さ方向の中央にブロック部50を形成し、撓み部23の長さ方向の第1端と第2端に蟻継ぎ構造の第1連結部24と第2連結部25を一体形成してもよい。
・図25に示すように、ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンにおけるチェーン要素16は、撓み部23が、例えばブロック部50等の当該チェーン要素16における撓み部23以外の部分に対して着脱可能な構成であってもよい。この場合、撓み部23の第1端側に位置する第1連結部24と第2端側に位置する第2連結部25は断面形状がL字状である。また、ブロック部50の一側面には断面形状が第1連結部24及び第2連結部25と同一のL字状をなす凹条63と凹条70がチェーン要素16の幅方向でもある奥行方向Yに沿って延びるように形成されている。そして、それらの凹条70と凹条63に第1連結部24と第2連結部25が奥行方向Yの一方側から嵌め込まれることで、撓み部23はブロック部50と一体化される。この構成によれば、相対的に可撓性の高い材質であることが好ましい撓み部23と、相対的に剛性が高い材質であることが好ましいブロック部50等の撓み部23以外の部分とを、別々にして容易に製造することができる。
・図26に示すように、ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンにおけるチェーン要素16は、その撓み部23が、図25に示したチェーン要素16の撓み部23よりも、一例として4倍など複数倍の長さとなる長尺の帯板状であってもよい。この場合、長尺の撓み部23の第1端には第1連結部24が形成され、その撓み部23の第2端には第2連結部25が形成される。また、撓み部23における第1端と第2端との間の複数箇所には第1連結部24と第2連結部25が対をなして隣り合うように形成される。そして、それら複数箇所の対をなす第1連結部24と第2連結部25に複数のブロック部50における凹条70と凹条63が奥行方向Yの一方側から嵌め込まれることで、長尺の撓み部23に複数のブロック部50が一体化される。
・図27に示すように、ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンにおけるチェーン要素16は、その撓み部23が、図11に示したチェーン要素16の撓み部23よりも、一例として4倍など複数倍の長さとなる長尺の帯板状であってもよい。この場合、長尺の撓み部23の第1端にはブロック部50を兼用する第1連結部24が形成され、その撓み部23の第2端には第2連結部25が形成される。そして、撓み部23における第1端と第2端との間の複数箇所には、複数のブロック部50が、進退移動方向Zにおいて隣り合うブロック部50同士が互いに当接するようにして、撓み部23に一体形成されている。この構成によれば、チェーン部材60を構成するためのチェーン要素16の数を少なくすることができる。また、こうしたチェーン要素16を直列に連結した構成のチェーン部材60の場合は、チェーン部材60の長さ方向において連結箇所を少なくできるため、チェーン部材60の強度を向上できる。
・図28に示すように、ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンにおけるチェーン部材60は、奥行方向Yに複数のチェーン部材60が多列構造をなすように並んだ構成であってもよい。こうした構成によれば、複数のチェーン部材60を並列にしたことで、単列のチェーン部材60の場合よりも、進退駆動用チェーンの強度を向上できる。なお、この場合、奥行方向Yに多列構造をなして並ぶ複数のチェーン部材60は、奥行方向Yで隣り合うチェーン部材60同士が各々の幅方向でもある奥行方向Yにおいて連結された構成であってもよい。
・図29~図31に示すように、進退駆動用チェーンが噛合チェーン12の場合、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15の先端同士を連結するジョイント部17に引張部材71の一端を取り付け、その引張部材71の他端側を垂れ下がらせてもよい。引張部材71としては、ワイヤーやロープ等の線材、ベルト等の帯状の部材を用いることができる。この場合、図30に示すように、チェーン要素16における第1連結部24の一方側第1小隆起部36及び他方側第1小隆起部42には、それらを奥行方向Yに少し離間させる第1スリット72が形成される。その一方、チェーン要素16における第2連結部25の一方側大隆起部40と他方側大隆起部46には、それらを奥行方向Yに少し離間させる第2スリット73が形成される。
ジョイント部17から第1チェーン部材14と第2チェーン部材15との間に進退移動方向Zに沿って直線的に延びるように垂れ下がった引張部材71は、第1スリット72と第2スリット73が進退移動方向Zで重なる領域に形成される孔部74に挿通される。そして、ジョイント部17から垂れ下がった引張部材71の下端である他端には、引張部材71を退行方向Z2に向けて付勢する付勢部材の一例として図示略のばね部材が接続されている。
こうした噛合チェーン12においては、図31に示すように、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が直線的に進行方向Z1に移動するとき、引張部材71に対しては進行方向Z1への移動に抗する力が付与される。すなわち、ばね部材の付勢力で引張部材71が図31に白抜き矢印で示す方向に引っ張られるため、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15のブロック部50同士を当接させた直棒状の部分が進行方向Z1とは反対方向に引っ張られる。すると、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15は、互いのブロック部50同士を当接させた直棒状の部分が進退移動方向Zに沿って圧縮されたような状態となり、ブロック部50同士を当接させた直棒状の状態が維持される。因みに、ばね部材を引張部材71の他端に接続する構成とはせずに、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が直線的に進行方向Z1に移動するときに引張部材71を進行方向Z1とは反対の退行方向Z2に引っ張るように構成してもよい。
なお、進退駆動用チェーンが図10に示すような1本のチェーン部材60で構成された所謂ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンである場合に、上記した引張部材71を1本のチェーン部材60における進行方向Z1の先端側に接続してもよい。この場合は、その1本のチェーン部材60において進行方向Z1の最先端に位置するブロック部50に引張部材71の一端が取り付けられ、そのブロック部50から垂れ下がった引張部材71の他端に上記した図示略のばね部材が取り付けられる。このような所謂ノーバックベンド態様の進退駆動用チェーンでも、チェーン部材60が直線的に進行方向Z1に移動するとき、そのチェーン部材60のブロック部50同士を当接させた直棒状の部分は、引張部材71により進行方向Z1とは反対方向に引っ張られる。そのため、チェーン部材60は、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士を当接させた直棒状の状態が維持される。
・引張部材71は、ワイヤー等の伸縮しない部材以外に、ゴム紐やコイルスプリング等の引っ張り抵抗を有した所定長さの弾性部材で構成してもよい。この場合は、所定長さの弾性部材で構成した引張部材71は、その一端がチェーン部材の進行方向Z1の先端側に接続され、その他端が収容部13内の底面等に固定される。
・図32及び図33に示すように、チェーン要素16は、例えば第2連結部25の側面など、その一部にアタッチメント75を取り付けてもよい。この構成によれば、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15の進退移動に伴い、各チェーン要素16のアタッチメント75に支持した多数の物品を同時に進退移動方向Zに移動させることができる。
・図34に示すように、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15は、直列方向で隣り合う一方側のチェーン要素16の第1連結部24を弾性変形させることで他方側のチェーン要素16の第2連結部25に嵌合させる構成としてもよい。この場合、チェーン要素16は、撓み部23、第1連結部24及び第2連結部25が樹脂で形成されている。第1連結部24は、その内面側に第2連結部25の一部の外面形状と対応した切欠形状の係合部76を有する弾性変形可能なフック形状をなしている。
第1連結部24の先端側は二股状の弾性片77となっており、各弾性片77の先端には爪状の係止部78が形成されている。また、第1連結部24における撓み部23側となる基端側の内面の一部には係止凹部79が形成されている。一方、第2連結部25は、第1連結部24における切欠形状の係合部76に外面の一部を面接触させて嵌合可能な塊状をなしている。そして、第2連結部25は、その先端側の外面の一箇所に第1連結部24側の係止部78を係止可能とする係止凹部80が形成される一方、その基端側の外面の他の一箇所に第1連結部24側の係止凹部79に係止可能な爪状の係止部81が形成されている。
この構成によれば、第1連結部24の係合部76に第2連結部25を嵌合させるとき、第2連結部25の外面上における先端側の曲面部分が第1連結部24における弾性片77の先端の係止部78に摺動し、弾性片77を外側に撓むように弾性変形させる。そして、第2連結部25が、基端側の係止部81を第1連結部24の係止凹部79に係止させ、更に、第1連結部24の係合部26内に入り込むと、弾性片77が弾性復帰し、第2連結部25の係止凹部80に第1連結部24の弾性片77の係止部78が係止する。その結果、こうした第1連結部24の弾性片77の弾性変形を利用して第1連結部24と第2連結部25とを連結したことにより、直列方向で隣り合うチェーン要素16同士をX軸、Y軸及びZ軸の何れの方向にも外れ難くすることができる。
・図35に示すように、可動体移動装置11における進退駆動用チェーンが噛合チェーン12の場合に、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が相互に噛み合った状態では曲棒状に一体化する構成でもよい。この変形例も、図1に示す第1実施形態の場合と同様に、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15が進行方向Z1に移動するときには進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士が当接して棒状になる。この点で、この変形例と第1実施形態とは技術的思想が共通している。但し、第1実施形態の場合は直棒状に一体化して直線的に進退移動する構成であるのに対し、この変形例の場合は曲棒状に一体化して例えば鉛直方向と交差する側方へ円弧を描くように曲線的に進退移動する構成である点で、両者は相違している。
すなわち、この変形例における噛合チェーン12は、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が進行方向Z1に移動することで、互いのブロック部50同士が噛み合って曲棒状に一体化する。その一方、この変形例における噛合チェーン12は、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が相互に噛み合って曲棒状に一体化した噛合状態から進行方向Z1とは逆の退行方向Z2に移動することで、互いのブロック部50同士が相互に噛み外れて分岐する。そして、収容部13内には、スプロケット19が噛合チェーン12における第1チェーン部材14と第2チェーン部材15とが互いに噛合して曲棒状となる部分に対して分岐方向Xで第2チェーン部材15が位置する側から歯先が噛み合うように配置されている。なお、収容部13内には、噛合状態から噛み外れて分岐した第1チェーン部材14と第2チェーン部材15を曲線的に移動するように誘導する誘導溝22が適宜な曲線形状を描くように設けられている。
また、この変形例で第1チェーン部材14と第2チェーン部材15を構成するチェーン要素16も、その基本的な構成は、第1実施形態におけるチェーン要素16とほぼ同様である。すなわち、この変形例におけるチェーン要素16も、帯板状の撓み部23と、撓み部23の第1端側に位置する塊状の第1連結部24と、撓み部23の第2端側に位置する塊状の第2連結部25とを有している。そして、直列方向で隣り合う一方のチェーン要素16の第1連結部24と他方のチェーン要素16の第2連結部25とが部分的に嵌合して連結されることで第1連結部24の外形の一部と第2連結部25の外形の一部が繋がった形状のブロック部50が形成される。
第1チェーン部材14と第2チェーン部材15を曲棒状に一体化させるとき、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士は、一方のブロック部50の進行方向Z1側の第1側面51と他方のブロック部50の退行方向Z2側の第2側面52とが面接触する。この場合、ブロック部50の第1側面51と第2側面52は、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士の第1側面51と第2側面52が面接触したときに進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士を曲棒状に一体化させ得る面形状に各々形成されている。このように構成された変形例の噛合チェーン12は、第1チェーン部材14と第2チェーン部材15が相互に噛み合って棒状に一体化した噛合状態のときに進行方向Z1側の端部に取り付けた可動体18を直線的にではなく曲線的に移動させたい場合に好適である。
・図36に示すように、進退駆動用チェーンが図10に示す第2実施形態と同様の所謂ノーバックベンド態様の場合にチェーン部材60の進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士が当接した状態では曲棒状に一体化する構成でもよい。この図36に示す変形例は、図10に示す第2実施形態との対比において、そのブロック部50の形状が異なっている。すなわち、図10に示す第2実施形態では、ブロック部50の第1端側の第1側面51及び第2端側の第2側面52が、それぞれ進退移動方向Zに対して直交する平面で構成されている。
これに対し、図36に示す変形例では、ブロック部50の第1端側の第1側面51及び第2端側の第2側面52が、それぞれ進退移動方向Zに対しては所定の傾きでもって交差する面同士で構成されている。すなわち、ブロック部50の第1側面51と第2側面52は、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士の第1側面51と第2側面52が面接触した際には進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士を当接させて曲棒状にし得る面形状に各々形成されている。この場合、ブロック部50の第1側面51と第2側面52の面形状は、進退移動方向Zに対して所定の傾きでもって交差する面形状であれば、各々が平面形状であっても曲面形状であってもよい。
図36に示すように、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士が当接したとき、チェーン部材60は、スプロケット19が噛み合う位置を境にして、例えば当該位置よりも下側は左方に屈曲する一方、当該位置よりも上側は右方に曲がった所謂S字状になる。なお、ブロック部50の第1端側の第1側面51及び第2端側の第2側面52の面形状を各々適宜に変更すれば、進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士が当接したとき、チェーン部材60を例えば正面から見て略C字状となるようにすることも可能である。
・チェーン要素16を成形する樹脂材料としては、ポリアセタール(POM)以外に、ポリアミド(PA)やポリブチレンテレフタレート(PBT)など、ある程度の変形能を有する樹脂材料が利用可能である。
・チェーン要素16は、撓み部23とブロック部50とで、それらを成形する樹脂材料を異ならせてもよい。例えばチェーン要素16において、撓み部23を、撓み部23以外の部分よりも相対的に可撓性の高い材質で構成すれば、チェーン部材が曲線的に進退移動するときに撓み部23を容易に撓み変形させることができる。例えば、撓み部23は、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)など、ある程度の変形能を有する樹脂材料とすることで、容易に撓み変形させることができる。ブロック部50は、スーパーエンジニア・プラスチックの一例であるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)や繊維強化プラスチックの一例であるPA6-GF30(ポリアミド6-ガラス繊維30%)等で縦弾性係数を大きくすることで自立性能を向上できる。
・チェーン要素16は、少なくともブロック部50の表面、特に進行方向Z1側の第1側面51及び退行方向Z2側の第2側面52が、他の部分の表面よりも軟質である構成であってもよい。この構成によれば、例えば第1チェーン部材14等のチェーン部材が直線的に進退移動するときには、その進退移動方向Zで隣り合うブロック部50同士が当接するが、その当接時における騒音の発生を抑制できる。
・進退駆動用チェーンが噛合チェーン12の場合、第1チェーン部材14及び第2チェーン部材15のうち一方のチェーン部材のチェーン要素16のブロック部50と他方のチェーン部材のチェーン要素16のブロック部50とは互いに異なる材質であってもよい。例えば、一方をポリアミド(PA)で他方をポリアセタール(POM)としたり、一方をポリアセタール(POM)で他方をポリブチレンテレフタレート(PBT)としたり、一方をポリブチレンテレフタレート(PBT)で他方をポリアミド(PA)としてもよい。この構成によれば、互いに噛み合う一対のチェーン部材のブロック部50同士が同じ材質である場合よりも、縦弾性係数が近い異なる2種類の材質であるため、チェーン部材同士が凝着摩耗する虞を低減できる。
・進退駆動用チェーンを進退移動させるための駆動機構は、スプロケット19以外でもよい。例えば図16~図20に示す噛合チェーン12の場合は、撓み部23又はブロック部50における分岐方向Xで外側となる面にラックを設け、そのラックに噛合するピニオンを配置してもよい。あるいは、チェーン部材にねじを切って、ねじ送りで駆動したり、チェーン部材にローラを摩擦係合させ、そのローラの回転で駆動したり、チェーン部材の末端にアクチュエータをつけて駆動したりしてもよい。
・チェーン要素16の撓み部23は、帯板状の樹脂に限らず、弾性変形可能な線材や、金属プレートなどで構成してもよく、更には、帯板状の樹脂に弾性変形可能な線材や金属プレートを埋設して強度を向上させてもよい。
・チェーン要素16におけるブロック部50の進行方向Z1側の第1側面51及び退行方向Z2側の第2側面52は、凸面部分と凹面部分がある曲面に限らず、凸面部分だけの曲面同士でもよく、あるいは平面同士でもよい。また、第1側面51及び第2側面52が平面同士である場合、それらの平面は、例えば図16~図19に示すように、進退移動方向Zに対して所定の傾きで交差する平面以外に、進退移動方向Zに対して直交する平面であってもよい。
・チェーン要素16の第1連結部24及び第2連結部25は、一方が撓み部23の一端に形成された奥行方向Yに延びる孔部又は断面C字状の溝部である一方、他方が前記孔部又は断面C字状の溝部に対して奥行方向Yで嵌め込まれる嵌合部であってもよい。要するに、チェーン要素16の第1連結部24及び第2連結部25は、互いに奥行方向Yで嵌め込まれることで、進退移動方向Zにおいて離間不能に係止する関係にあればよく、それらの形状は孔部や断面C字状の溝に限らない。
・チェーン要素16は、予め二つに分割された状態の一方側分割体28と他方側分割体29とが接合されることで一体化される構成に限らず、最初から一方側分割体28と他方側分割体29とが一体化した形態に成形された構成でもよい。
11…可動体移動装置
12…噛合チェーン
14…第1チェーン部材
15…第2チェーン部材
16…チェーン要素
17…ジョイント部
23…撓み部
24…第1連結部
25…第2連結部
60…チェーン部材
71…引張部材
Z…進退移動方向
Z1…進行方向
Z2…退行方向

Claims (11)

  1. 進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部との連結時に、前記第1連結部の外形の一部と前記第2連結部の外形の一部とが繋がった形状となって前記ブロック部の外形を形成し、
    前記チェーン部材が直線的に進退移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して直棒状になることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  2. 進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、前記撓み部及び前記第1連結部及び前記第2連結部とは別体で且つ前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    当該ブロック部が前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部とに対して両者を連結する態様で組み付けられ、
    前記チェーン部材が直線的に進退移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して直棒状になることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  3. 進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延
    びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    前記チェーン部材が直線的に進退移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して直棒状になる構成であり、
    前記撓み部は、前記進退移動方向と交差する方向の一方側であって且つ前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士の連結時に前記ブロック部が位置する側とは反対側に予め湾曲していることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  4. 進退移動可能な少なくとも一対のチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    対をなす前記チェーン部材同士が進行方向に移動することで、互いの前記ブロック部同士が噛み合って直棒状に一体化する一方、その直棒状に一体化した噛合状態から前記チェーン部材同士が退行方向に移動することで、前記ブロック部同士が相互に噛み外れて分岐する構成であり、
    対をなす前記チェーン部材における一方の前記チェーン部材を構成する複数の前記チェーン要素における前記ブロック部と、他方の前記チェーン部材を構成する複数の前記チェーン要素における前記ブロック部とは、互いに異なる材質で構成されていることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  5. 進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    前記チェーン部材が直線的に進退移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して直棒状になる構成であり、
    前記チェーン部材における進行方向側の端部に接続される引張部材を有し、前記引張部材は、前記チェーン部材を退行方向側に引っ張ることにより、前記チェーン部材に対して進行方向への移動に抗する力を付与可能であることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  6. 進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部との連結時に、前記第1連結部の外形の一部と前記第2連結部の外形の一部とが繋がった形状となって前記ブロック部の外形を形成し、
    前記チェーン部材が進退移動方向における進行方向に移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して曲棒状になることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  7. 進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、前記撓み部及び前記第1連結部及び前記第2連結部とは別体で且つ前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    当該ブロック部が前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方
    側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部とに対して両者を連結する態様で組み付けられ、
    前記チェーン部材が進退移動方向における進行方向に移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して曲棒状になることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  8. 進退移動可能なチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    前記チェーン部材が進退移動方向における進行方向に移動するときには、その進退移動方向で隣り合う前記ブロック部同士が当接して曲棒状になる構成であり、
    前記撓み部は、前記進退移動方向と交差する方向の一方側であって且つ前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士の連結時に前記ブロック部が位置する側とは反対側に予め湾曲していることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  9. 進退移動可能な少なくとも一対のチェーン部材を有し、前記チェーン部材の長さ方向に沿って延びる撓み部と、前記チェーン部材の長さ方向に所定の間隔をおいて位置する複数のブロック部と、を備えた進退駆動用チェーンであって、
    前記チェーン部材は、直列に配置される複数のチェーン要素を有し、直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士が順次に連結されることで長尺状をなすように構成され、
    前記チェーン要素は、前記長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの前記撓み部と、前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士を連結した状態において前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置する前記ブロック部と、を有し、
    対をなす前記チェーン部材同士が進行方向に移動することで、互いの前記ブロック部同士が噛み合って曲棒状に一体化する一方、その曲棒状に一体化した噛合状態から前記チェーン部材同士が退行方向に移動することで、前記ブロック部同士が相互に噛み外れて分岐する構成であり、
    対をなす前記チェーン部材における一方の前記チェーン部材を構成する複数の前記チェーン要素における前記ブロック部と、他方の前記チェーン部材を構成する複数の前記チェーン要素における前記ブロック部とは、互いに異なる材質で構成されていることを特徴とする進退駆動用チェーン。
  10. 直列に配置され、直列方向で隣り合う一方側の端部と他方側の端部が連結され
    ることで長尺状のチェーン部材を構成するチェーン要素であって、
    前記チェーン部材の長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの撓み部と、
    当該撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、
    前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、
    前記直列方向で隣り合う2つの前記チェーン要素における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部との連結時に、前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置するとともに、前記第1連結部の外形の一部と前記第2連結部の外形の一部とが繋がった形状の外形を形成するブロック部と、を有することを特徴とするチェーン要素。
  11. 直列に配置され、直列方向で隣り合う一方側の端部と他方側の端部が連結されることで長尺状のチェーン部材を構成するチェーン要素であって、
    前記チェーン部材の長さ方向と交差する方向に撓み変形可能とされた所定長さの撓み部と、
    当該撓み部における前記長さ方向の第1端側に位置する第1連結部と、
    前記撓み部における前記長さ方向の第2端側に位置する第2連結部と、
    前記撓み部及び前記第1連結部及び前記第2連結部とは別体で且つ前記直列方向で隣り合う2つの前記チェーン要素における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部との連結時に前記撓み部よりも前記直列方向と交差する方向の一方側に位置するブロック部と、を有し、
    当該ブロック部が前記直列方向で隣り合う前記チェーン要素同士における一方側の前記チェーン要素の前記第1連結部と他方側の前記チェーン要素の前記第2連結部とに対して両者を連結する態様で組み付けられることを特徴とするチェーン要素。
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