JP7205388B2 - 誘導性負荷制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導性の負荷の駆動を制御する誘導性負荷制御装置に関する。
例えば特許文献1などには、ステッピングモータなどの誘導性の負荷に対する定電流制御の方式として、所定の電流閾値に基づいて通電から非通電へ切り替えるとともに所定の基準周期毎に非通電から通電へ切り替えることにより平均電流を一定に保つ方式が開示されている。このような方式を採用した誘導性負荷制御装置では、負荷電流の電流値と周期とを一定にすることができることから、モータの動作が安定して脱調などの可能性を低減することができる。
特開2017-127079号公報
上記した方式が採用された従来の構成では、負荷電流が過大な値となる過電流を検出し、その過電流から負荷や誘導性負荷制御装置を保護すること、つまり過電流保護の実現が可能であった。しかし、上記従来の構成では、装置から負荷へと至る配線と電源系統などとの短絡が発生した際、上記配線の抵抗値、インダクタンス値などによっては、その短絡異常を検出することができない可能性があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置から負荷へと至る配線の短絡異常を精度良く検出することができる誘導性負荷制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の誘導性負荷制御装置は、誘導性の負荷を駆動するHブリッジ回路部(5、32)と、通電制御部(21、41)と、負荷電流検出部(7、33)と、回生電流検出部(8、9、37、38)と、短絡判定処理部(22、42)と、を備える。通電制御部は、所定の基準周期毎に、直流電源から負荷に対する通電が停止される回生状態から、直流電源から負荷に対する通電が実行される通電状態に転じるように、Hブリッジ回路部の動作を制御する。負荷電流検出部は、Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子(16~19)のうち通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出する。回生電流検出部は、Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子のうち回生状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である回生電流を検出する。短絡判定処理部は、負荷電流検出部による検出値である負荷電流値および回生電流検出部による検出値である回生電流値に基づいて、Hブリッジ回路部から負荷へと至る配線に短絡異常が生じているか否かを判定する。
上記構成において、通電制御部は、基準周期の開始時点から所定のマスク時間が経過した時点以降において負荷電流値が所定の第1閾値以上になると、通電状態から回生状態に転じるようにHブリッジ回路部の動作を制御する。そして、短絡判定処理部は、負荷電流値が第1閾値より高い値に設定された第2閾値以上であるか否かに基づいて短絡異常が生じているか否かを判定する。また、短絡判定処理部は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値に到達しないとき、回生状態における回生電流値に基づいて短絡異常が生じているか否かを判定する。さらに、短絡判定処理部は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値に到達しないとき、回生状態における回生電流値が所定の第3閾値未満である場合に短絡異常が生じていると判定する。
上記構成における配線が電源系統などと短絡した場合、その短絡箇所に応じて、短絡発生時の電流経路は様々なものとなる。そのため、短絡異常の発生時、その経路の抵抗値、インダンクタンス値などは様々な値となる可能性があり、その経路に流れる電流の態様も様々なものとなる可能性がある。短絡判定処理部は、負荷電流値だけでなく回生電流値にも基づいて短絡異常の判定を行うようになっているため、短絡異常の発生時、その経路に流れる電流の態様にかかわらず、その短絡異常の発生を検出することができる。したがって、上記構成によれば、装置から負荷へと至る配線の短絡異常を精度良く検出することができるという優れた効果が得られる。
第1実施形態に係る誘導性負荷制御装置の構成を模式的に示す図 第1実施形態に係る第1判定手法の具体的な処理手順の一例を示す図 第1実施形態に係る第2判定手法の具体的な処理手順の一例を示す図 第1実施形態に係る第3判定手法の具体的な処理手順の一例を示す図 第1実施形態に係る第4判定手法の具体的な処理手順の一例を示す図 第1実施形態に係る正常時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る正常時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る正常時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第1実施形態に係る天絡A発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡A発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡A発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第1実施形態に係る天絡B発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡B発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡B発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第1実施形態に係る天絡C発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡C発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡C発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートその1 第1実施形態に係る天絡C発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートその2 第1実施形態に係る天絡C発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートその3 第1実施形態に係る天絡D発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡D発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る天絡D発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第1実施形態に係るECU端子ショート発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係るECU端子ショート発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る負荷端子ショート発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第1実施形態に係る負荷端子ショート発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第2比較例に係る天絡D発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第2比較例に係る正常時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第2実施形態に係る第5判定手法の具体的な処理手順の一例を示す図 第2実施形態に係る天絡C発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートその1 第2実施形態に係る天絡C発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャートその2 第3実施形態に係る誘導性負荷制御装置の構成を模式的に示す図 第3実施形態に係る地絡A発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡A発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡A発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第3実施形態に係る地絡B発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡B発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡B発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第3実施形態に係る地絡C発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡C発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡C発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート 第3実施形態に係る地絡D発生時の通電状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡D発生時の回生状態において流れる電流の経路を説明するための図 第3実施形態に係る地絡D発生時の各部の動作タイミングを説明するためのタイミングチャート
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図1~図28を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の誘導性負荷制御装置1は、車両に搭載される電子制御装置として構成されている。なお、本明細書では、電子制御装置のことをECUと称することがある。この場合、ECUである誘導性負荷制御装置1は、回路基板に搭載されるASIC(Application Specific Integrated Circuit)2とマイクロコンピュータ3とを備えている。ASIC2は、マイクロコンピュータ3との間で通信可能に構成されている。なお、本明細書では、マイクロコンピュータのことをマイコンと称することがある。
誘導性負荷制御装置1は、車両に搭載される誘導性の負荷4の駆動を定電流制御する。この場合、負荷4は、ステッピングモータの巻線となっている。誘導性負荷制御装置1は、Hブリッジ回路部5、制御回路6、負荷電流検出部7、回生電流検出部8、9、コンパレータ10~13、基準周期回路14、マスク時間設定部15などを備えている。Hブリッジ回路部5は、図示しない直流電源から与えられる電源電圧VDDを用いて負荷4を駆動する。Hブリッジ回路部5は、負荷4に対して正負の通電を行うことができる構成となっている。
具体的には、Hブリッジ回路部5は、Hブリッジの回路形態となるように接続された4つのスイッチング素子16~19を備えている。スイッチング素子16は、Pチャネル型MOSFETであり、メインセル16aおよびセンスセル16bを備えている。スイッチング素子17は、Pチャネル型MOSFETであり、メインセル17aおよびセンスセル17bを備えている。メインセル16a、17aの各ソースは、共通接続されるとともに電源電圧VDDが与えられる電源線L1に接続されている。
メインセル16a、17aの各ドレインは、それぞれノードN1、N2に接続されている。ノードN1、N2は、Hブリッジ回路部5の出力ノードに相当するものであり、図示しないECUの端子および車両内に設けられた配線20を介して負荷4の各端子に接続されている。配線20には、抵抗成分である配線抵抗20a、20bおよびインダクタンス成分である配線インダクタンス20c、20dが含まれている。本実施形態において、配線インダクタンス20c、20dのインダクタンス値は、例えば数μHであり、負荷4のインダクタンス値(例えば数mH)に比べて非常に小さい値となっている。
センスセル16bは、メインセル16aに流れる電流を検出するためのものであり、そのソースはメインセル16aのソースと共通接続され、そのゲートはメインセル16aのゲートと共通接続されている。これにより、センスセル16bには、メインセル16aに流れる電流に応じた電流が所定の分流比で流れる。センスセル17bは、メインセル17aに流れる電流を検出するためのものであり、そのソースはメインセル17aのソースと共通接続され、そのゲートはメインセル17aのゲートと共通接続されている。これにより、センスセル17bには、メインセル17aに流れる電流に応じた電流が所定の分流比で流れる。なお、これらの分流比は、メインセル16aおよびセンスセル16bのサイズ比、メインセル17aおよびセンスセル17bのサイズ比などにより定まる。
スイッチング素子18、19は、いずれもNチャネル型MOSFETであり、それらの各ドレインは、それぞれノードN1、N2に接続されている。スイッチング素子18、19の各ソースは、共通接続されるとともに負荷電流検出部7を介して回路の基準電位であるグランド電位が与えられるグランド線L2に接続されている。スイッチング素子16~19の各ゲートには、制御回路6から出力される駆動信号がそれぞれ与えられている。これにより、スイッチング素子16~19の動作、ひいてはHブリッジ回路部5の動作は、制御回路6により制御される。
Hブリッジ回路部5は、上記直流電源から負荷4に対する通電が停止される回生状態および上記直流電源から負荷4に対する通電が実行される通電状態のうちいずれかとなるように制御される。回生状態では、ハイサイド側のスイッチング素子16、17がいずれもオンされるとともに、ローサイド側のスイッチング素子18、19がいずれもオフされ、それにより形成される経路に回生電流が流れる。
通電状態としては、第1通電状態および第2通電状態の2つが存在する。第1通電状態では、スイッチング素子16、19がオンされるとともにスイッチング素子17、18がオフされることにより形成される経路、具体的にはノードN1から負荷4を介してノードN2へと至る経路に負荷電流が流れる。第2通電状態では、スイッチング素子17、18がオンされるとともにスイッチング素子16、19がオフされることにより形成される経路、具体的にはノードN2から負荷4を介してノードN1へと至る経路に負荷電流が流れる。ここで、負荷4に対して正方向の通電を行う状態が第1通電状態であるとすると、第2通電状態は、負荷4に対して負方向の通電を行う状態となる。
負荷電流検出部7は、Hブリッジ回路部5を構成するスイッチング素子16~19のうち通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出する。負荷電流検出部7は、上記負荷電流が流れる経路に直列に介在するように設けられた抵抗R1により構成されている。この場合、抵抗R1の端子間電圧、つまりグランド電位を基準とした抵抗R1の高電位側端子の電圧が、負荷電流検出部7による検出値である負荷電流値を表すことになる。そこで、負荷電流検出部7は、抵抗R1の高電位側端子の電圧を、負荷電流値を表す電圧信号である検出信号Saとして出力する。
検出信号Saは、制御回路6に与えられるとともに、コンパレータ10、11の各反転入力端子に入力される。コンパレータ10の非反転入力端子には、第1閾値電圧Vt1が入力されている。第1閾値電圧Vt1は、後述する負荷電流の第1閾値It1に対応する電圧である。コンパレータ11の非反転入力端子には、第2閾値電圧Vt2が入力されている。第2閾値電圧Vt2は、後述する負荷電流の第2閾値It2に対応する電圧である。この場合、第1閾値電圧Vt1および第2閾値電圧Vt2は、グランド電位を基準とする閾値用の基準電圧を抵抗により分圧するなどして生成されている。コンパレータ10、11の各出力信号Sb、Scは、制御回路6に与えられている。
回生電流検出部8、9は、Hブリッジ回路部5を構成するスイッチング素子16~19のうち回生状態のときにオンされるスイッチング素子16、17に流れる電流である回生電流を検出する。回生電流検出部8の入力端子には、メインセル16aおよびセンスセル16bの各ドレインが接続されている。回生電流検出部9の入力端子には、メインセル17aおよびセンスセル17bの各ドレインが接続されている。図示は省略するが、回生電流検出部8、9は、いずれも抵抗およびOPアンプなどを備えたI-V変換回路として構成されており、それぞれセンスセル16b、17bに流れる電流を電圧信号に変換する。
回生電流検出部8による検出値である回生電流値を表す電圧信号である検出信号Sdは、制御回路6に与えられるとともに、コンパレータ12の反転入力端子に入力される。回生電流検出部9による検出値である回生電流値を表す電圧信号である検出信号Seは、制御回路6に与えられるとともに、コンパレータ13の反転入力端子に入力される。コンパレータ12、13の各非反転入力端子には、第3閾値電圧Vt3が入力されている。第3閾値電圧Vt3は、後述する回生電流の第3閾値It3に対応する電圧である。この場合、第3閾値電圧Vt3は、グランド電位を基準とする閾値用の基準電圧を抵抗により分圧するなどして生成されている。コンパレータ12、13の各出力信号Sf、Sgは、制御回路6に与えられている。
基準周期回路14は、後述する基準周期に対応した周期のクロック信号Shを生成する。クロック信号Shは、制御回路6に与えられている。マスク時間設定部15は、ロジック回路として構成されており、後述するマスク時間に対応する期間に所定のレベル(例えばハイレベル)となるマスク信号Siを生成する。なお、マスク信号Siは、クロック信号Shに同期した信号となっている。マスク信号Siは、制御回路6に与えられている。制御回路6は、ロジック回路として構成されており、その機能ブロックとして、通電制御部21および短絡判定処理部22を備えている。
通電制御部21は、スイッチング素子16~19を駆動するための駆動信号を生成してHブリッジ回路部5の動作を制御する。通電制御部21は、クロック信号Shに基づいて、所定の基準周期毎に回生状態から通電状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作を制御する。通電制御部21は、クロック信号Sh、マスク信号Siおよびコンパレータ10の出力信号Sbに基づいて、基準周期の開始時点から所定のマスク時間が経過した時点以降において負荷電流値が所定の第1閾値It1以上になると、通電状態から回生状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作を制御する。
短絡判定処理部22は、検出信号Saに基づいて負荷電流値を取得することができるとともに、検出信号Sd、Seに基づいて回生電流値を取得することができる。短絡判定処理部22は、クロック信号Sh、マスク信号Siおよびコンパレータ10の出力信号Sbに基づいて、通電状態から回生状態に転じるタイミングを判断することができる。短絡判定処理部22は、コンパレータ11の出力信号Scに基づいて、負荷電流値が第2閾値It2以上であるか否かを判断することができる。なお、第2閾値It2は、第1閾値It1より高い任意の値に設定される。
また、短絡判定処理部22は、コンパレータ12、13の各出力信号Sf、Sgに基づいて回生電流値が所定の第3閾値It3以下であるか否かを判断することができる。なお、第3閾値It3は、正常時における回生電流値よりも低い任意の値に設定される。さらに、短絡判定処理部22は、クロック信号Shに基づいて回生状態から通電状態に転じるタイミングを判断することができるとともに、マスク信号Siに基づいてマスク時間を判断することができる。
短絡判定処理部22は、負荷電流値および回生電流値に基づいて、Hブリッジ回路部5から負荷4へと至る配線20などに短絡異常が生じているか否かを判定する。この場合、短絡判定処理部22は、負荷電流値が第2閾値It2以上であるか否かに基づいて短絡異常が生じているか否かを判定する。また、この場合、短絡判定処理部22は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、回生状態における回生電流値に基づいて短絡異常が生じているか否かを判定する。このような判定の具体的な手法としては、次のような各判定手法が挙げられる。
<第1判定手法>
第1判定手法では、短絡判定処理部22は、次のように短絡異常を判定する。すなわち、短絡判定処理部22は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、回生状態における回生電流値、具体的には回生状態から通電状態に転じるタイミングにおける回生電流値が所定の第3閾値It3未満である場合に短絡異常が生じていると判定する。
第1判定手法を実現するための具体的な処理の手順としては、例えば図2に示すような内容を採用することができる。図2に示す処理が開始されてから最初に実行されるステップS100では、負荷電流値が第2閾値It2未満であるか否かが判断される。ここで、負荷電流値が第2閾値It2以上である場合、ステップS100で「NO」となり、ステップS200に進む。ステップS200では、短絡異常が生じていると判定される。ステップS200の実行後、ステップS500に進む。
一方、負荷電流値が第2閾値It2未満である場合、ステップS100で「YES」となり、ステップS300に進む。ステップS300では、基準周期の開始時点からマスク時間が経過したか否かが判断される。ここで、マスク時間が経過していない場合、ステップS300で「NO」となり、ステップS100に戻る。一方、マスク時間が経過した場合、ステップS300で「YES」となり、ステップS400に進む。
ステップS400では、負荷電流値が第1閾値It1以上であるか否かが判断される。ここで、負荷電流値が第1閾値It1未満である場合、ステップS400で「NO」となり、再びステップS400が実行される。一方、負荷電流値が第1閾値It1以上である場合、ステップS400で「YES」となり、ステップS500に進む。ステップS500では、通電状態から回生状態に転じるように、つまり回生状態への切り替えが行われるように、Hブリッジ回路部5の動作が制御される。ステップS500の実行後、ステップS600に進む。
ステップS600では、基準周期の開始時点であるか否かが判断される。本実施形態では、基準周期の開始時点は、クロック信号Shの立ち上がりのタイミングとなる。したがって、ステップS600では、クロック信号Shの立ち上がりエッジの検出が行われ、そのエッジ検出の有無により基準周期の開始時点であるか否かが判断される。ここで、基準周期の開始時点ではない場合、ステップS600で「NO」となり、再びステップS600が実行される。
一方、基準周期の開始時点である場合、ステップS600で「YES」となり、ステップS700に進む。ステップS700では、回生電流値、具体的には回生状態から通電状態へと切り替えられる直前の回生電流値が第3閾値It3以上であるか否かが判断される。ここで、回生電流値が第3閾値It3未満である場合、ステップS700で「NO」となり、ステップS800に進む。
ステップS800では、短絡異常が生じていると判定される。ステップS800の実行後、ステップS900に進む。一方、回生電流値が第3閾値It3以上である場合、ステップS700で「YES」となり、ステップS900に進む。ステップS900では、回生状態から通電状態に転じるように、つまり通電状態への切り替えが行われるように、Hブリッジ回路部5の動作が制御される。ステップS900の実行後、本処理が終了となる。
<第2判定手法>
第2判定手法では、短絡判定処理部22は、次のように短絡異常を判定する。すなわち、短絡判定処理部22は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、回生状態における回生電流値に基づいてマスク時間を所定時間だけ延長する。第2判定手法を実現するための具体的な処理の手順としては、例えば図3に示すような内容を採用することができる。
図3に示す第2判定手法の具体的な処理手順は、図2に示した第1判定手法の具体的な処理手順に対し、ステップS800に代えてステップS801が設けられている点が異なる。この場合もステップS700では、回生電流値が第3閾値It3以上であるか否かが判断される。ここで、回生電流値が第3閾値It3未満である場合、ステップS700で「NO」となり、ステップS801に進む。
ステップS801では、マスク時間が所定時間だけ延長される。これにより、次回の判定時におけるマスク時間が今回の判定時におけるマスク時間よりも長くなり、ステップS100~S300の処理において短絡異常が検出され易くなる。一方、回生電流値が第3閾値It3以上である場合、ステップS700で「YES」となり、ステップS900に進む。
<第3判定手法>
第3判定手法では、短絡判定処理部22は、次のように短絡異常を判定する。すなわち、短絡判定処理部22は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、回生状態における回生電流値に基づいて第2閾値It2を所定値だけ低下させる。第3判定手法を実現するための具体的な処理の手順としては、例えば図4に示すような内容を採用することができる。
図4に示す第3判定手法の具体的な処理手順は、図2に示した第1判定手法の具体的な処理手順に対し、ステップS800に代えてステップS802が設けられている点が異なる。この場合もステップS700では、回生電流値が第3閾値It3以上であるか否かが判断される。ここで、回生電流値が第3閾値It3未満である場合、ステップS700で「NO」となり、ステップS802に進む。
ステップS802では、第2閾値It2が所定値だけ低下される。これにより、次回の判定時における第2閾値It2が今回の判定時における第2閾値It2よりも低い値となり、ステップS100~S300の処理において短絡異常が検出され易くなる。一方、回生電流値が第3閾値It3以上である場合、ステップS700で「YES」となり、ステップS900に進む。
<第4判定手法>
第4判定手法では、短絡判定処理部22は、次のように短絡異常を判定する。すなわち、短絡判定処理部22は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、通電状態から回生状態に転じた時点における負荷電流値と回生電流値との差に基づいて短絡異常が生じているか否かを判定する。第4判定手法を実現するための具体的な処理の手順としては、例えば図5に示すような内容を採用することができる。
図5に示す第4判定手法の具体的な処理手順は、図2に示した第1判定手法の具体的な処理手順に対し、ステップS700およびS800に代えてステップS550およびS560が設けられている点が異なる。この場合、ステップS500の実行後、ステップS550に進む。ステップS550では、負荷電流値と回生電流値との差が所定の判定値未満であるか否かが判断される。ここで、負荷電流値と回生電流値との差が判定値以上である場合、ステップS550で「NO」となり、ステップS560に進む。
ステップS560では、短絡異常が生じていると判定される。ステップS560の実行後、ステップS600に進む。一方、負荷電流値と回生電流値との差が判定値未満である場合、ステップS550で「YES」となり、ステップS600に進む。この場合、ステップS600で「YES」になると、つまり基準周期の開始時点になると、ステップS900に進む。
短絡判定処理部22は、上述した第1~第4判定手法を、それぞれ単独で実施することもできるし、それらのうち少なくとも2つを組み合わせて実施することもできる。通電制御部21は、短絡判定処理部22により短絡異常が生じていると判定されると、短絡異常の発生に伴い過大な電流が流れることを抑制するため、前述した切り替えのタイミングに関係なく強制的に回生状態となるようにHブリッジ回路部5の動作を制御する、または、Hブリッジ回路部5のスイッチング素子16~19を全てオフに制御する。制御回路6は、短絡判定処理部22による判定の結果を表す判定信号Sjをマイコン3へ出力する。マイコン3は、短絡異常が生じている旨を表す判定信号Sjが与えられると、発生した短絡異常への対応のための各種の処理を実行する。
次に、上記構成の作用について図6~図28を参照して説明する。なお、負荷電流または回生電流が流れる経路を説明するための図6、図7などでは、スイッチング素子16~19について、それらがオフされた状態を接点が開放されたスイッチのシンボルとして表すとともに、それらがオンされた状態を接点が閉鎖されたスイッチのシンボルとして表している。
また、各部の動作タイミングなどを説明するための図8などでは、クロック信号Sh、マスク信号Siなどの2値の信号について、ローレベルのことを「L」と表わし、ハイレベルのことを「H」と表わしている。さらに、図8などにおける負荷電流、回生電流は、それぞれ負荷電流検出部7による検出値、回生電流検出部8による検出値を表している。なお、以下の説明において、通電状態に関する説明については、第1通電状態を例にして行っているが、第2通電状態についても同様のものとなる。
<正常時の動作>
短絡異常が生じていないとき、つまり正常時、各部の動作は、次のようなものとなる。図6に示すように、正常時の通電状態では、「電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→抵抗R1→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図7に示すように、正常時の回生状態では、「負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子17→電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4」という経路で電流が流れる。
正常時の各部の動作タイミングは、図8に示すようなものとなる。すなわち、クロック信号Shがローレベルからハイレベルへと変化するタイミング、つまりクロック信号Shの立ち上がりのタイミングで通電状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作が制御される。これにより、基準周期の開始時点において負荷電流は急峻に増加して所定の電流値となる。このときの負荷電流の電流値は、その直前の回生状態における回生電流の電流値と同程度の値となる。その後、負荷電流は、所定の傾き、つまり所定の変化率で増加する。この変化率は、負荷電流が流れる経路のインダクタンス値など、つまり配線20、負荷4などのインダクタンス値などに応じたものとなる。
基準周期の開始時点からマスク時間が経過した時点以降において、負荷電流値が第1閾値It1に達すると、通電状態から回生状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作が制御される。これにより、負荷電流が急峻に低下してゼロに転じるとともに、回生電流は急峻に増加して所定の電流値となる。このときの回生電流の電流値は、その直前の通電状態における負荷電流の電流値と同程度の値となる。その後、回生電流は、所定の傾き、つまり所定の変化率で減少する。この変化率は、回生電流が流れる経路のインダクタンス値など、つまり配線20、負荷4のインダクタンス値などに応じたものとなる。
このような正常時、マスク時間内に負荷電流値が第2閾値It2以上になることはなく、また、回生状態における回生電流値が第3閾値It3未満になることはなく、また、通電状態から回生状態に転じた時点における負荷電流値と回生電流値との差が判定値以上になることはない。そのため、正常時、前述した短絡異常の判定のいずれにおいても、短絡異常が生じていると判定されることはない。したがって、正常時、制御回路6からマイコン3へ出力される判定信号Sjは、常に、正常である旨を表すような信号となる。
<天絡A発生時の動作>
ノードN1と配線抵抗20aとの間において、配線20の損傷などにより車両電源系統と短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを天絡Aと称することとする。また、図9、図10などでは、上述した車両電源系統について、Hブリッジ回路部5に供給される電源のシンボルとは別の電源のシンボルとして表している。この場合、車両電源系統の電源電圧VHは、Hブリッジ回路部5に供給される電源電圧VDDと概ね同程度の電圧、または電源電圧VDDより若干高い電圧であるものとする。
天絡Aが生じているとき、つまり天絡A発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。図9に示すように、天絡A発生時の通電状態では、「車両電源系統→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→抵抗R1→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図10に示すように、天絡A発生時の回生状態では、「車両電源系統→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子17→電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a」という経路で電流が流れる。
天絡A発生時の各部の動作タイミングは、図11に示すようなものとなる。天絡A発生時、基本的な動作は、正常時と同様であるが、回生電流の態様が正常時と異なる。なお、天絡A発生時、負荷電流の態様は、正常時と概ね同等となる。この場合、天絡発生後、通電状態から回生状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作が制御されると、負荷電流が急峻に低下してゼロに転じるとともに、回生電流は急峻に増加して所定の電流値となる。
ただし、このときの回生電流の電流値は、その直前の通電状態における負荷電流の電流値よりも低い値となる。これは、図10に示すように、回生電流の一部が電源線L1側へと流れ込んでおり、正常時のように回生電流の全てが回生電流を検出するためのセンスセル16bを有するスイッチング素子16を流れるようになっていないことなどに起因している。
そのため、通電状態から回生状態に転じた時点における負荷電流値と回生電流値との差が判定値以上となり、前述した第4判定手法により短絡異常が生じていると判定される。したがって、天絡Aが発生した場合、天絡発生後に通電状態から回生状態に切り替えられた時点において、制御回路6からマイコン3へ出力される判定信号Sjは、短絡異常が生じている旨を表すような信号となる。
<天絡B発生時の動作>
配線インダクタンス20cと負荷4との間において、配線20の損傷などにより車両電源系統と短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを天絡Bと称することとする。天絡Bが生じているとき、つまり天絡B発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。図12に示すように、天絡B発生時の通電状態では、「車両電源系統→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→抵抗R1→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図13に示すように、天絡B発生時の回生状態では、「車両電源系統→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子17→電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c」という経路で電流が流れる。
天絡B発生時の各部の動作タイミングは、図14に示すようなものとなる。天絡B発生時、基本的な動作は、正常時と同様であるが、回生電流の態様が正常時と異なる。なお、天絡B発生時、負荷電流の態様は、正常時と概ね同等となる。この場合、天絡発生後、通電状態から回生状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作が制御されると、負荷電流が急峻に低下してゼロに転じるとともに、回生電流は急峻に増加して所定の電流値となる。
ただし、このときの回生電流の電流値は、その直前の通電状態における負荷電流の電流値よりも低い値となる。これは、図13に示すように、回生電流の一部が電源線L1側へと流れ込んでおり、正常時のように回生電流の全てが回生電流を検出するためのセンスセル16bを有するスイッチング素子16を流れるようになっていないことなどに起因している。
そのため、通電状態から回生状態に転じた時点における負荷電流値と回生電流値との差が判定値以上となり、前述した第4判定手法により短絡異常が生じていると判定される。したがって、天絡Bが発生した場合、天絡発生後に通電状態から回生状態に切り替えられた時点において、制御回路6からマイコン3へ出力される判定信号Sjは、短絡異常が生じている旨を表すような信号となる。
<天絡C発生時の動作>
負荷4と配線インダクタンス20dとの間において、配線20の損傷などにより車両電源系統と短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを天絡Cと称することとする。天絡Cが生じているとき、つまり天絡C発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。図15に示すように、天絡C発生時の通電状態では、「車両電源系統→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→抵抗R1→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図16に示すように、天絡C発生時の回生状態では、「電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d」という経路および「車両電源系統→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子17→電源線L1」という経路で電流が流れる。
天絡C発生時の各部の動作タイミングは、図17に示すようなものとなる。天絡C発生時、基本的な動作は、正常時と同様であるが、負荷電流および回生電流の態様が正常時と異なる。この場合、天絡発生後、回生状態から通電状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作が制御されると、負荷電流がゼロから所定の傾きで増加する。このとき、負荷電流の流れる経路には、負荷4は介在していない。そのため、天絡C発生時における負荷電流の増加の傾きは、正常時よりも急峻なものとなるが、負荷電流の流れる経路に介在する配線インダクタンス20dおよび配線抵抗20bの影響があることから、後述する天絡D発生時における負荷電流の増加の傾きよりは緩やかなものとなる。このようなことから、天絡C発生時、負荷電流値はマスク時間内に第2閾値It2に到達しない。
この場合、基準周期の開始時点からマスク時間が経過した時点において、負荷電流値が第1閾値It1以上になっているため、通電状態から回生状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作が制御される。これにより、負荷電流が急峻に低下してゼロに転じるとともに、回生電流は急峻に増加して所定の電流値となる。このときの回生電流の電流値は、その直前の通電状態における負荷電流の電流値と同程度の値となる。
ただし、この場合、回生電流は、急峻に低下してゼロに転じる。これは、天絡C発生時の回生状態では、配線20のインダクタンス値が負荷4のインダクタンス値より小さいことなどに起因して、一旦はセンスセル16bを有するスイッチング素子16を経由するように電流が流れるものの、その後は、配線20のインダクタンスに蓄えられたエネルギーが短い時間で消費されて電流が低下するためである。
そのため、天絡C発生時の回生状態では、そのほとんどの期間において、回生電流値は、ゼロであり、第3閾値It3未満となっている。このようなことから、前述した第1判定手法により短絡異常が生じていると判定される。したがって、天絡Cが発生した場合、天絡発生後に回生状態から通電状態に切り替えられた時点において、制御回路6からマイコン3へ出力される判定信号Sjは、短絡異常が生じている旨を表すような信号となる。
なお、天絡C発生時、前述した第2判定手法および第3判定手法によっても短絡異常が生じている判定される。すなわち、第2判定手法によれば、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、回生状態における回生電流値が第3閾値It3未満である場合には、次回の基準周期の開始時点を起点とするマスク時間が所定時間だけ延長される。これにより、図18に示すように、負荷電流値は、次回の基準周期の開始時点から延長されたマスク時間が経過するまでに第2閾値It2に到達し、短絡異常が生じていると判定される。
また、第3判定手法によれば、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、回生状態における回生電流値が第3閾値It3未満である場合には、次回の基準周期の開始時点から第2閾値It2を所定値だけ低下される。これにより、図19に示すように、天絡C発生時、負荷電流値は、次回の基準周期の開始時点からマスク時間が経過するまでに低下された第2閾値It2’に到達し、短絡異常が生じていると判定される。
<天絡D発生時の動作>
配線抵抗20bとノードN2との間において、配線20の損傷などにより車両電源系統と短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを天絡Dと称することとする。天絡Dが生じているとき、つまり天絡D発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。図20に示すように、天絡D発生時の通電状態では、「車両電源系統→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→抵抗R1→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図21に示すように、天絡D発生時の回生状態では、「電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b」という経路および「車両電源系統→ノードN2→オンされたスイッチング素子17→電源線L1」という経路で電流が流れる。
天絡D発生時の各部の動作タイミングは、図22に示すようなものとなる。天絡D発生時、基本的な動作は、正常時と同様であるが、負荷電流および回生電流の態様が正常時と異なる。この場合、天絡発生後、回生状態から通電状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作が制御されると、負荷電流がゼロから所定の傾きで増加する。このとき、負荷電流の流れる経路には、負荷4および配線20の抵抗、インダクタンスなどは介在していない。そのため、天絡D発生時における負荷電流の増加の傾きは、正常時よりも急峻であり且つ天絡C発生時よりも急峻なものとなる。
このようなことから、天絡D発生時、負荷電流値はマスク時間内に第2閾値It2に到達し、前述した各判定手法により短絡異常が生じていると判定される。したがって、天絡Dが発生した場合、天絡発生後のマスク時間内における所定の時点において、制御回路6からマイコン3へ出力される判定信号Sjは、短絡異常が生じている旨を表すような信号となる。なお、天絡D発生時、回生電流の態様は、天絡C発生時と同様のものとなる。
<ECU端子ショート発生時の動作>
ECUの端子のうちノードN1、N2のそれぞれに繋がる2つの端子間が短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことをECU端子ショートと称することとする。ECU端子ショートが生じているとき、つまりECU端子ショート発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。図23に示すように、ECU端子ショート発生時の通電状態では、「電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→短絡したECUの端子間→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→抵抗R1→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図24に示すように、ECU端子ショート発生時の回生状態では、「電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→短絡したECUの端子間→ノードN2→オンされたスイッチング素子17→電源線L1」という経路で電流が流れる。ECU端子ショート発生時の各部の動作タイミングは、図22に示した天絡D発生時と同様のものとなり、負荷電流および回生電流の態様も天絡D発生時と同様のものとなる。そのため、ECU端子ショート発生時、負荷電流値はマスク時間内に第2閾値It2に到達し、前述した各判定手法により短絡異常が生じていると判定される。
<負荷端子ショート発生時の動作>
負荷4の2つの端子間が短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを負荷端子ショートと称することとする。負荷端子ショートが生じているとき、つまり負荷端子ショート発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。図25に示すように、負荷端子ショート発生時の通電状態では、「電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→短絡した負荷4の端子間→→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→抵抗R1→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図26に示すように、ECU端子ショート発生時の回生状態では、「電源線L1→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→短絡した負荷4の端子間→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子17→電源線L1」という経路で電流が流れる。負荷端子ショート発生時の各部の動作タイミングは、図17に示した天絡C発生時と同様のものとなり、負荷電流および回生電流の態様も天絡C発生時と同様のものとなる。そのため、負荷端子ショート発生時の回生状態では、そのほとんどの期間において、回生電流値は、ゼロであり、第3閾値It3未満となっている。このようなことから、負荷端子ショート発生時、前述した第1~第3判定手法により短絡異常が生じていると判定される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態の通電制御部21は、基準周期の開始時点からマスク時間が経過した時点以降において負荷電流値が第1閾値It1以上になると、通電状態から回生状態に転じるようにHブリッジ回路部5の動作を制御する。そして、短絡判定処理部22は、負荷電流値が第1閾値It1より高い値に設定された第2閾値It2以上であるか否かに基づいて短絡異常が生じているか否かを判定する。また、短絡判定処理部22は、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に到達しないとき、回生状態における回生電流値に基づいて短絡異常が生じているか否かを判定する。
上記構成における配線20が車両電源系統などと短絡した場合、その短絡箇所に応じて、短絡発生時の電流経路は様々なものとなる。そのため、短絡異常の発生時、その経路の抵抗値、インダンクタンス値などは様々な値となる可能性があり、その経路に流れる電流の態様も様々なものとなる可能性がある。短絡判定処理部22は、負荷電流値だけでなく回生電流値にも基づいて短絡異常の判定を行うようになっているため、短絡異常の発生時、その経路に流れる電流の態様にかかわらず、その短絡異常の発生を検出することができる。したがって、本実施形態によれば、ECUから負荷4へと至る配線20の短絡異常を精度良く検出することができるという優れた効果が得られる。
負荷電流値が第2閾値It2以上であるか否かだけに基づいて短絡異常を判定するような構成の場合、天絡Dの発生を検出することはできるものの、天絡A、天絡Bおよび天絡Cの発生を検出することはできない。以下、このような構成を第1比較例と称することとする。前述したように、天絡A発生時および天絡B発生時、負荷電流の態様は、正常時と概ね同等となる。そのため、天絡A発生時および天絡B発生時、マスク時間内に負荷電流値が第2閾値It2以上になることはない。したがって、第1比較例では、天絡Aおよび天絡Bの発生を検出することはできない。
また、前述したように、天絡C発生時、負荷電流の増加の傾きは、正常時よりも急峻なものとなるが、天絡D発生時における負荷電流の増加の傾きよりは緩やかなものとなる。そのため、天絡C発生時、マスク時間内に負荷電流値が第2閾値It2以上になることはない。したがって、第1比較例では、天絡Cの発生を検出することができない。これに対し、本実施形態によれば、天絡A、天絡B、天絡Cおよび天絡Dのいずれについても、その発生を検出することができる。
図8などに示したように、本実施形態のマスク時間は、短絡異常が生じていない正常時に負荷電流値が第1閾値It1に到達するのに要する時間よりも短い時間に設定されている。このような設定は、予めシミュレーションや実験などを行うことにより実施することが可能である。以下、このような考え方に基づいてマスク時間を設定することで得られる効果を説明する。
図27および図28に示すように、正常時に負荷電流値が第1閾値It1に到達するのに要する時間よりも長い時間にマスク時間が設定されている場合、次のような問題が生じる可能性がある。以下、このようにマスク時間を設定する場合を第2比較例と称する。図27に示すように、第2比較例によっても、本実施形態と同様、天絡D発生時、負荷電流値がマスク時間内に第2閾値It2に達することから、その発生を検出することが可能である。
しかし、第2比較例では、図28に示すように、正常時、負荷電流の最大値が、基準周期を経過する毎に大きくなる可能性がある。そのため、第2比較例では、負荷電流を所望する値に制御することができず、電流フィードバック制御の精度が低下するおそれがある。これに対し、本実施形態によれば、天絡Dの発生を検出することができるとともに、正常時、負荷電流を精度良く所望する値に制御すること、つまり電流フィードバック制御の精度を良好に維持することができる。
上述した各短絡異常のうち、天絡Aまたは天絡Bが生じていても、負荷4に対する通電を行うこと自体は正常時と同じように行うことが可能である。しかし、天絡Cまたは天絡Dが生じた場合、負荷4に対する通電を正常時と同じように行うことができなくなるばかりか、誘導性負荷制御装置1などに過電流が流れるおそれがある。つまり、天絡Cおよび天絡Dは、天絡Aおよび天絡Bに比べ、より重要度が高い短絡異常であると言える。本実施形態の短絡判定処理部22は、第1~第3判定手法のうち少なくとも1つの判定手法により、このような重要度が高い短絡異常である天絡Cおよび天絡Dの発生をも検出することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図29~図31を参照して説明する。
本実施形態では、第1実施形態で説明した第1判定手法に対して変更を加えた第5判定手法について説明する。第5判定手法では、短絡判定処理部22は、短絡異常が生じていると判定すると、マスク時間を所定時間だけ短くする。また、この場合、通電制御部21は、短絡判定処理部22により短絡異常が生じていると判定されると、負荷4に対する通電を遮断し、所定時間の経過後に負荷4に対する通電を再度実行する。
第5判定手法を実現するための具体的な処理の手順としては、例えば図29に示すような内容を採用することができる。図29に示す第5判定手法の具体的な処理手順は、図2に示した第1判定手法の具体的な処理手順に対し、ステップS850およびS860が追加されている点が異なる。この場合、ステップS800の実行後、ステップS850に進む。
ステップS850では、マスク時間が所定時間だけ短縮される。ステップS850の実行後、ステップS860に進む。ステップS860では、負荷4に対する通電が遮断される。ステップS860の実行後、所定時間が経過すると、ステップS900に進む。ステップS900では、通電状態への切り替えが行われるように、Hブリッジ回路部5の動作が制御される。
続いて、上述した第5判定手法を実施する第2実施形態による特有の動作について、天絡C発生時の動作を例に説明する。図30および図31に示すように、本実施形態によっても、第1実施形態と同様、天絡Cの発生後に回生状態から通電状態に切り替えられた時点において、制御回路6からマイコン3へ出力される判定信号Sjは、短絡異常が生じている旨を表すような信号となる。
そして、この場合、図30に示すように、次の基準周期の開始時点を起点とするマスク時間が所定時間だけ短縮される。また、この場合、図31に示すように、次の基準周期の開始時点から所定時間が経過するまでの期間、負荷4に対する通電が遮断される。なお、負荷4に対する通電の遮断は、回生状態への切り替え、または、スイッチング素子16~19を全てオフ駆動する、などにより実施される。上記した所定時間の経過後、具体的には、さらに次の基準周期の開始時点において、負荷4に対する通電が再度実行される。
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態において、短絡判定処理部22は、短絡異常が生じていると判定すると、マスク時間を所定時間だけ短くする。このようにすれば、例えば天絡Cなどの短絡異常が検出された後、回生状態から通電状態に転じた時点から、通電状態から回生状態に転じる時点までの時間、つまり負荷4に対する通電が行われる時間を短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、短絡異常が発生した後における回路の保護を図ることができる。
また、本実施形態において、通電制御部21は、短絡判定処理部22により短絡異常が生じていると判定されると、負荷4に対する通電を遮断し、所定時間の経過後に負荷4に対する通電を再度実行する。このようにすれば、例えば天絡Cなどの短絡異常が検出された後、負荷4に対する通電が行われる時間を短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、短絡異常が発生した後における回路の保護を図ることができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について図32~図44を参照して説明する。
図32に示すように、本実施形態の誘導性負荷制御装置31は、第1実施形態の誘導性負荷制御装置1と同様、ECUとして構成されており、ASIC51およびマイコン3を備えている。ASIC51は、基本的な構成は、ASIC2と同様であるが、負荷電流をハイサイドで検出する点、回生状態においてローサイド側の2つのスイッチング素子がオンされる点、回生電流をローサイドで検出する点などが異なっている。
Hブリッジ回路部32は、Hブリッジ回路部5と同様、4つのスイッチング素子16~19を備えている。ただし、この場合、スイッチング素子16、17に代えて、スイッチング素子18、19がセンスセルを備える構成となっている。すなわち、スイッチング素子18は、メインセル18aおよびセンスセル18bを備えている。また、スイッチング素子19は、メインセル19aおよびセンスセル19bを備えている。
メインセル18a、19aの各ソースは、共通接続されるとともにグランド線L2に接続されている。メインセル18a、19aの各ドレインは、それぞれノードN1、N2に接続されている。センスセル18bのソースはメインセル18aのソースと共通接続され、そのゲートはメインセル18aのゲートと共通接続されている。センスセル19bのソースはメインセル19aのソースと共通接続され、そのゲートはメインセル19aのゲートと共通接続されている。
また、この場合、スイッチング素子16、17の各ソースは、共通接続されるとともに負荷電流検出部33を介して電源線L1に接続されている。Hブリッジ回路部32は、Hブリッジ回路部5と同様、回生状態および通電状態のいずれかとなるように制御される。ただし、この場合、回生状態では、ハイサイド側のスイッチング素子16、17がいずれもオフされるとともに、ローサイド側のスイッチング素子18、19がいずれもオンされ、それにより形成される経路に回生電流が流れる。
負荷電流検出部33は、負荷電流検出部7と同様、Hブリッジ回路部32を構成するスイッチング素子16~19のうち通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出するものであり、上記負荷電流が流れる経路に直列に介在するように設けられた抵抗R31により構成されている。負荷電流検出部33から出力される検出信号Saは、制御回路34に与えられるとともに、コンパレータ35、36の各反転入力端子に入力される。
コンパレータ35の非反転入力端子には、第1閾値電圧Vt1が入力されている。コンパレータ36の非反転入力端子には、第2閾値電圧Vt2が入力されている。この場合、第1閾値電圧Vt1および第2閾値電圧Vt2は、抵抗R31の低電位側端子の電位を基準として生成された電圧となっている。コンパレータ35、36の各出力信号Sb、Scは、制御回路34に与えられている。
回生電流検出部37、38は、回生電流検出部8、9と同様、回生電流を検出する。回生電流検出部37の入力端子には、メインセル18aおよびセンスセル18bの各ドレインが接続されている。回生電流検出部38の入力端子には、メインセル19aおよびセンスセル19bの各ドレインが接続されている。図示は省略するが、回生電流検出部37、38は、センスセル18b、19bに流れる電流の経路に直列に介在するように設けられた抵抗により構成されており、それぞれセンスセル18b、19bに流れる電流を電圧信号に変換する。
回生電流検出部37から出力される検出信号Sdは、制御回路34に与えられるとともに、コンパレータ39の反転入力端子に入力される。回生電流検出部38から出力される検出信号Seは、制御回路34に与えられるとともに、コンパレータ40の反転入力端子に入力される。コンパレータ39、40の各非反転入力端子には、第3閾値電圧Vt3が入力されている。この場合、第3閾値電圧Vt3は、センスセル18b、19bのドレインの電位を基準として生成された電圧となっている。コンパレータ39、40の各出力信号Sf、Sgは、制御回路34に与えられている。
制御回路34は、制御回路6と同様、ロジック回路として構成されており、その機能ブロックとして、通電制御部41および短絡判定処理部42を備えている。通電制御部41は、通電制御部21と同様、Hブリッジ回路部32の動作を制御する。短絡判定処理部42は、短絡判定処理部22と同様、負荷電流値および回生電流値に基づいて、Hブリッジ回路部32から負荷4へと至る配線20などに短絡異常が生じているか否かを判定する。
次に、上記構成の作用、具体的には、上記構成による短絡異常発生時の動作について、図33~図44を参照して説明する。なお、上記構成による正常時の動作については、第1実施形態などの構成による正常時の動作と概ね同様の動作となるため、ここでの説明は省略する。
<地絡A発生時の動作>
ノードN1と配線抵抗20aとの間において、配線20の損傷などにより車両グランドと短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを地絡Aと称することとする。また、図33、図34などでは、上述した車両グランドについて、グランドのシンボルとして表している。地絡Aが生じているとき、つまり地絡A発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。
図33に示すように、地絡A発生時の通電状態では、「電源線L1→抵抗R31→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→車両グランド」という経路で電流が流れる。図34に示すように、地絡A発生時の回生状態では、「グランド線L2→オンされたスイッチング素子18→ノードN1→車両グランド」という経路および「配線抵抗20a→→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図35に示すように、地絡A発生時、各部の動作タイミング、負荷電流の態様、回生電流の態様などは、前述した天絡D発生時と同様のものとなる。そのため、地絡A発生時、負荷電流値はマスク時間内に第2閾値It2に到達し、前述した各判定手法により短絡異常が生じていると判定される。
<地絡B発生時の動作>
負荷4と配線インダクタンス20cとの間において、配線20の損傷などにより車両グランドと短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを地絡Bと称することとする。地絡Bが生じているとき、つまり地絡B発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。図36に示すように、地絡B発生時の通電状態では、「電源線L1→抵抗R31→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→車両グランド」という経路で電流が流れる。
図37に示すように、地絡B発生時の回生状態では、「グランド線L2→オンされたスイッチング素子18→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→車両グランド」という経路および「配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→グランド線L2」という経路で電流が流れる。
図38に示すように、地絡B発生時、各部の動作タイミング、負荷電流の態様、回生電流の態様などは、前述した天絡C発生時と同様のものとなる。そのため、地絡B発生時の回生状態では、そのほとんどの期間において、回生電流値は、ゼロであり、第3閾値It3未満となっている。したがって、地絡B発生時、前述した第1~第3判定手法のいずれかにより短絡異常が生じていると判定される。
<地絡C発生時の動作>
配線インダクタンス20dと負荷4との間において、配線20の損傷などにより車両グランドと短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを地絡Cと称することとする。地絡Cが生じているとき、つまり地絡C発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。
図39に示すように、地絡C発生時の通電状態では、「電源線L1→抵抗R31→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→車両グランド」という経路で電流が流れる。図40に示すように、地絡C発生時の回生状態では、「負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→グランド線L2→オンされたスイッチング素子18→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→車両グランド」という経路で電流が流れる。
図41に示すように、地絡C発生時、各部の動作タイミング、負荷電流の態様、回生電流の態様などは、前述した天絡B発生時と同様のものとなる。そのため、地絡C発生時、通電状態から回生状態に転じた時点における負荷電流値と回生電流値との差が判定値以上となり、前述した第4判定手法により短絡異常が生じていると判定される。
<地絡D発生時の動作>
ノードN2と配線抵抗20bとの間において、配線20の損傷などにより車両グランドと短絡した短絡異常が生じているとき、各部の動作は、次のようなものとなる。なお、本明細書では、このような短絡異常のことを地絡Dと称することとする。地絡Dが生じているとき、つまり地絡D発生時、各部の動作は、次のようなものとなる。
図42に示すように、地絡D発生時の通電状態では、「電源線L1→抵抗R31→オンされたスイッチング素子16→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→車両グランド」という経路で電流が流れる。図43に示すように、地絡D発生時の回生状態では、「配線抵抗20b→ノードN2→オンされたスイッチング素子19→グランド線L2→オンされたスイッチング素子18→ノードN1→配線抵抗20a→配線インダクタンス20c→負荷4→配線インダクタンス20d→配線抵抗20b→車両グランド」という経路で電流が流れる。
図44に示すように、地絡D発生時、各部の動作タイミング、負荷電流の態様、回生電流の態様などは、前述した天絡A発生時と同様のものとなる。そのため、地絡D発生時、通電状態から回生状態に転じた時点における負荷電流値と回生電流値との差が判定値以上となり、前述した第4判定手法により短絡異常が生じていると判定される。
上記各実施形態では、配線20の損傷などにより車両電源系統と短絡した短絡異常である天絡、具体的には天絡A~Dの発生を精度良く検出することが可能であった。これに対し、本実施形態によれば、上記各実施形態と同様の考え方に基づいて、配線20の損傷などにより車両グランドと短絡した短絡異常である地絡、具体的には地絡A~地絡Dの発生を精度良く検出することができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で任意に変形、組み合わせ、あるいは拡張することができる。
上記各実施形態で示した数値などは例示であり、それに限定されるものではない。
Hブリッジ回路部5、32を構成するスイッチング素子としては、MOSFETに限らずともよく、例えばバイポーラトランジスタ、IGBTなど、各種の半導体スイッチング素子と還流ダイオードを組み合わせて採用することができる。
負荷電流を検出する負荷電流検出部としては、上記各実施形態において説明した構成に限らず、同様の機能を有する構成であれば、その具体的な構成は適宜変更可能である。
回生電流を検出する回生電流検出部としては、上記各実施形態において説明した構成に限らず、同様の機能を有する構成であれば、その具体的な構成は適宜変更可能である。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
1、31…誘導性負荷制御装置、4…負荷、5、32…Hブリッジ回路部、7、33…負荷電流検出部、8、9、37、38…回生電流検出部、16~19…スイッチング素子、20…配線、21、41…通電制御部、22、42…短絡判定処理部。

Claims (8)

  1. 誘導性の負荷を駆動するHブリッジ回路部(5、32)と、
    所定の基準周期毎に、直流電源から前記負荷に対する通電が停止される回生状態から、前記直流電源から前記負荷に対する通電が実行される通電状態に転じるように、前記Hブリッジ回路部の動作を制御する通電制御部(21、41)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子(16~19)のうち前記通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出する負荷電流検出部(7、33)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子のうち前記回生状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である回生電流を検出する回生電流検出部(8、9、37、38)と、
    前記負荷電流検出部による検出値である負荷電流値および前記回生電流検出部による検出値である回生電流値に基づいて、前記Hブリッジ回路部から前記負荷へと至る配線に短絡異常が生じているか否かを判定する短絡判定処理部(22、42)と、
    を備え、
    前記通電制御部は、
    前記基準周期の開始時点から所定のマスク時間が経過した時点以降において前記負荷電流値が所定の第1閾値以上になると、前記通電状態から前記回生状態に転じるように前記Hブリッジ回路部の動作を制御し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記第1閾値より高い値に設定された第2閾値以上であるか否かに基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値に基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値が所定の第3閾値未満である場合に前記短絡異常が生じていると判定する誘導性負荷制御装置。
  2. 前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態から前記通電状態に転じるタイミングにおける前記回生電流値が前記第3閾値未満である場合に前記短絡異常が生じていると判定する請求項に記載の誘導性負荷制御装置。
  3. 誘導性の負荷を駆動するHブリッジ回路部(5、32)と、
    所定の基準周期毎に、直流電源から前記負荷に対する通電が停止される回生状態から、前記直流電源から前記負荷に対する通電が実行される通電状態に転じるように、前記Hブリッジ回路部の動作を制御する通電制御部(21、41)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子(16~19)のうち前記通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出する負荷電流検出部(7、33)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子のうち前記回生状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である回生電流を検出する回生電流検出部(8、9、37、38)と、
    前記負荷電流検出部による検出値である負荷電流値および前記回生電流検出部による検出値である回生電流値に基づいて、前記Hブリッジ回路部から前記負荷へと至る配線に短絡異常が生じているか否かを判定する短絡判定処理部(22、42)と、
    を備え、
    前記通電制御部は、
    前記基準周期の開始時点から所定のマスク時間が経過した時点以降において前記負荷電流値が所定の第1閾値以上になると、前記通電状態から前記回生状態に転じるように前記Hブリッジ回路部の動作を制御し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記第1閾値より高い値に設定された第2閾値以上であるか否かに基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値に基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値に基づいて前記マスク時間を所定時間だけ延長する誘導性負荷制御装置。
  4. 誘導性の負荷を駆動するHブリッジ回路部(5、32)と、
    所定の基準周期毎に、直流電源から前記負荷に対する通電が停止される回生状態から、前記直流電源から前記負荷に対する通電が実行される通電状態に転じるように、前記Hブリッジ回路部の動作を制御する通電制御部(21、41)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子(16~19)のうち前記通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出する負荷電流検出部(7、33)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子のうち前記回生状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である回生電流を検出する回生電流検出部(8、9、37、38)と、
    前記負荷電流検出部による検出値である負荷電流値および前記回生電流検出部による検出値である回生電流値に基づいて、前記Hブリッジ回路部から前記負荷へと至る配線に短絡異常が生じているか否かを判定する短絡判定処理部(22、42)と、
    を備え、
    前記通電制御部は、
    前記基準周期の開始時点から所定のマスク時間が経過した時点以降において前記負荷電流値が所定の第1閾値以上になると、前記通電状態から前記回生状態に転じるように前記Hブリッジ回路部の動作を制御し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記第1閾値より高い値に設定された第2閾値以上であるか否かに基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値に基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値に基づいて前記第2閾値を所定値だけ低下させる誘導性負荷制御装置。
  5. 誘導性の負荷を駆動するHブリッジ回路部(5、32)と、
    所定の基準周期毎に、直流電源から前記負荷に対する通電が停止される回生状態から、前記直流電源から前記負荷に対する通電が実行される通電状態に転じるように、前記Hブリッジ回路部の動作を制御する通電制御部(21、41)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子(16~19)のうち前記通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出する負荷電流検出部(7、33)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子のうち前記回生状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である回生電流を検出する回生電流検出部(8、9、37、38)と、
    前記負荷電流検出部による検出値である負荷電流値および前記回生電流検出部による検出値である回生電流値に基づいて、前記Hブリッジ回路部から前記負荷へと至る配線に短絡異常が生じているか否かを判定する短絡判定処理部(22、42)と、
    を備え、
    前記通電制御部は、
    前記基準周期の開始時点から所定のマスク時間が経過した時点以降において前記負荷電流値が所定の第1閾値以上になると、前記通電状態から前記回生状態に転じるように前記Hブリッジ回路部の動作を制御し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記第1閾値より高い値に設定された第2閾値以上であるか否かに基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値に基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記通電状態から前記回生状態に転じた時点における前記負荷電流値と前記回生電流値との差に基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定する誘導性負荷制御装置。
  6. 前記マスク時間は、前記短絡異常が生じていない正常時において前記負荷電流値が前記第1閾値に到達するのに要する時間よりも短い時間に設定されている請求項1から5のいずれか一項に記載の誘導性負荷制御装置。
  7. 誘導性の負荷を駆動するHブリッジ回路部(5、32)と、
    所定の基準周期毎に、直流電源から前記負荷に対する通電が停止される回生状態から、前記直流電源から前記負荷に対する通電が実行される通電状態に転じるように、前記Hブリッジ回路部の動作を制御する通電制御部(21、41)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子(16~19)のうち前記通電状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である負荷電流を検出する負荷電流検出部(7、33)と、
    前記Hブリッジ回路部を構成するスイッチング素子のうち前記回生状態のときにオンされるスイッチング素子に流れる電流である回生電流を検出する回生電流検出部(8、9、37、38)と、
    前記負荷電流検出部による検出値である負荷電流値および前記回生電流検出部による検出値である回生電流値に基づいて、前記Hブリッジ回路部から前記負荷へと至る配線に短絡異常が生じているか否かを判定する短絡判定処理部(22、42)と、
    を備え、
    前記通電制御部は、
    前記基準周期の開始時点から所定のマスク時間が経過した時点以降において前記負荷電流値が所定の第1閾値以上になると、前記通電状態から前記回生状態に転じるように前記Hブリッジ回路部の動作を制御し、
    前記短絡判定処理部は、
    前記負荷電流値が前記第1閾値より高い値に設定された第2閾値以上であるか否かに基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記負荷電流値が前記マスク時間内に前記第2閾値に到達しないとき、前記回生状態における前記回生電流値に基づいて前記短絡異常が生じているか否かを判定し、
    前記短絡判定処理部は、前記短絡異常が生じていると判定すると、前記マスク時間を所定時間だけ短くする誘導性負荷制御装置。
  8. 前記通電制御部は、前記短絡判定処理部により前記短絡異常が生じていると判定されると、前記負荷に対する通電を遮断し、所定時間の経過後に前記負荷に対する通電を再度実行する請求項1からのいずれか一項に記載の誘導性負荷制御装置。
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