JP7202479B2 - 自動変速機の制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載される自動変速機の制御に関する。
従来、砂粒などの異物がリニアソレノイド、あるいはそれが連結されてなる圧力制御弁に侵入し、ロックなどを生じさせる恐れがあるため、その異物の除去を図ることを課題とし、リニアソレノイド(圧力制御弁)による変速が行われていないとき、リニアソレノイドに振幅が大きなディザー電流を供給し、圧力制御弁などにピストン運動を生じさせて、異物を除去する車両用自動変速機の制御装置が知られている(JP11-82724A参照)。
上記従来装置にあっては、自動変速機の多段化等に伴って異物除去が必要なリニアソレノイドを複数個有すると、複数個のリニアソレノイドに対して同時に振幅が大きなディザー電流を供給することになる。しかし、複数個のリニアソレノイドに対して同時に振幅が大きなディザー電流を供給すると、油圧が変動して油振が発生したり、電源電圧の変動が発生したりする、という課題があった。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、複数個のソレノイドバルブに対し同時にソレノイド指示電流を供給する際、油振の発生や電源電圧の変動の発生を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のある態様によれば、自動変速機の制御装置は、油圧源から変速機作動油が供給される油圧制御回路に設けられた複数個のソレノイドバルブを制御する変速機コントロールユニットを備える。
変速機コントロールユニットは、停車中、複数個のソレノイドバルブのうち作動対象とする複数のソレノイドバルブに対して所定周波数によって電流値を振動させてバルブスプールを動かすソレノイド指示電流を供給するソレノイド管理コントローラを有する。
ソレノイド管理コントローラは、作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、油圧源に近い上流側ソレノイドバルブと、上流側ソレノイドバルブ以外の下流側ソレノイドバルブに分ける。
ソレノイド管理コントローラは、作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対し同時にソレノイド指示電流を供給する際、上流側ソレノイドバルブへの電流位相と下流側ソレノイドバルブへの電流位相とをずらして供給する。
ソレノイド管理コントローラは、油圧制御回路に設けられた作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対してソレノイド指示電流よりも周波数が高くて振幅が小さなディザー電流を生成するディザー電流生成部と、イグニッションオン時、電流値の振動中も含めてディザー電流を重畳してソレノイド指示電流とする電流加算部と、を有する。
上記態様によれば、上記解決手段を採用したため、作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対し同時にソレノイド指示電流を供給する際、油振の発生や電源電圧の変動の発生を抑制することができる。
図1は、実施例1の制御装置が適用された自動変速機を搭載するエンジン車を示す全体システム図である。 図2は、自動変速機のギアトレーンの一例を示すスケルトン図である。 図3は、自動変速機での変速用摩擦要素の各ギア段での締結状態を示す締結表図である。 図4は、自動変速機での変速マップの一例を示す変速マップ図である。 図5は、自動変速機のコントロールバルブユニットの詳細構成を示す図である。 図6は、変速機コントロールユニットの変速コントローラとソレノイド管理コントローラを示す制御ブロック図である。 図7は、変速機コントロールユニットのソレノイド管理コントローラにて実行されるお掃除制御作動処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、エンジン始動時(イグニッションON時)にお掃除制御作動するときの各特性を示すタイムチャートである。 図9は、イグニッションOFF時にお掃除制御作動するときの各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1における制御装置は、前進9速・後退1速のギア段を有するシフト・バイ・ワイヤ及びパーク・バイ・ワイヤによる自動変速機を搭載したエンジン車(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「自動変速機の詳細構成」、「油圧制御系の詳細構成」、「電子制御系の詳細構成」、「お掃除制御作動処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は実施例1の制御装置が適用された自動変速機を搭載するエンジン車を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて全体システム構成を説明する。
エンジン車の駆動系には、図1に示すように、走行用駆動源としてのエンジン1と、トルクコンバータ2と、自動変速機3と、プロペラシャフト4と、駆動輪5と、を備える。トルクコンバータ2は、締結によりエンジン1のクランク軸と自動変速機3の入力軸INを直結するロックアップクラッチ2aを内蔵する。自動変速機3は、ギアトレーン3aとパークギア3bを内蔵する。自動変速機3には、変速のためのスプールバルブや油圧制御回路やソレノイドバルブ等により構成されるコントロールバルブユニット6が取り付けられている。
コントロールバルブユニット6は、ソレノイドバルブとして、摩擦要素毎に設けられる6個のクラッチソレノイド20(複数個の変速系ソレノイド)と、それぞれ1個ずつ設けられるライン圧ソレノイド21、潤滑ソレノイド22、ロックアップソレノイド23を有する。即ち、合計9個のソレノイドバルブを有する。これらのソレノイドバルブは、何れも3方向リニアソレノイド構造であり、変速機コントロールユニット10からの制御指令を受けて調圧作動する。
エンジン車の電子制御系には、図1に示すように、変速機コントロールユニット10(略称:「ATCU」という。)と、エンジンコントロールユニット11(略称:「ECU」という。)と、CAN通信線70と、を備える。
ここで、変速機コントロールユニット10は、コントロールバルブユニット6の上面位置に機電一体に設けられる。変速機コントロールユニット10には、ユニット基板の温度を検出する基板温度センサとして、温度情報を取得する制御で使用するメイン基板温度センサ31と、サブ基板温度センサ32と、を冗長系により備える。メイン基板温度センサ31とサブ基板温度センサ32とは、互いに独立性が担保されている。即ち、メイン基板温度センサ31とサブ基板温度センサ32は、メイン温度センサ値とサブ温度センサ値を変速機コントロールユニット10に送出するが、周知の自動変速機ユニットとは異なり、オイルパン内で変速機作動油(ATF)に直接接触していない温度情報を送出する。
自動変速機3の制御装置である変速機コントロールユニット10は、第3クラッチ油圧センサ12、タービン回転センサ13、出力軸回転センサ14、イグニッションスイッチ15、からの信号を入力する。さらに、シフタコントロールユニット18、中間軸回転センサ19、等からの信号を入力する。
第3クラッチ油圧センサ12は、第3クラッチK3のクラッチ油圧を検出し、第3クラッチ油圧PK3の信号を変速機コントロールユニット10に送出する。タービン回転センサ13は、トルクコンバータ2のタービン回転速度(=変速機入力軸回転数)を検出し、タービン回転数Ntの信号を変速機コントロールユニット10に送出する。出力軸回転センサ14は、自動変速機3の出力軸回転数を検出し、出力軸回転数No(=車速VSP)の信号を変速機コントロールユニット10に送出する。イグニッションスイッチ15は、イグニッションスイッチ信号(オン/オフ)を変速機コントロールユニット10に送出する。
シフタコントロールユニット18は、シフタ181へのドライバ操作により選択されたレンジ位置を検出し、レンジ位置信号を変速機コントロールユニット10に送出する。なお、シフタ181は、モーメンタリ構造であり、操作部181aの上部にPレンジボタン181bを有し、操作部181aの側部にロック解除ボタン181c(N→R時のみ)を有する。そして、レンジ位置として、Hレンジ(ホームレンジ)とRレンジ(リバースレンジ)とDレンジ(ドライブレンジ)とN(d),N(r)(ニュートラルレンジ)を有する。中間軸回転センサ19は、中間軸(インターミディエイトシャフト=第1キャリアC1に連結される回転メンバ)の回転速度を検出し、中間軸回転速度Nintの信号を変速機コントロールユニット10に送出する。
変速機コントロールユニット10では、変速マップ(図4参照)上での車速VSPとアクセル開度APOによる運転点(VSP,APO)の変化を監視することで、
1.オートアップシフト(アクセル開度を保った状態での車速上昇による)
2.足離しアップシフト(アクセル足離し操作による)
3.足戻しアップシフト(アクセル戻し操作による)
4.パワーオンダウンシフト(アクセル開度を保っての車速低下による)
5.小開度急踏みダウンシフト(アクセル操作量小による)
6.大開度急踏みダウンシフト(アクセル操作量大による:「キックダウン」)
7.緩踏みダウンシフト(アクセル緩踏み操作と車速上昇による)
8.コーストダウンシフト(アクセル足離し操作での車速低下による)
と呼ばれる基本変速パターンによる変速制御を行う。
エンジンコントロールユニット11は、アクセル開度センサ16、エンジン回転センサ17、等からの信号を入力する。
アクセル開度センサ16は、ドライバのアクセル操作によるアクセル開度を検出し、アクセル開度APOの信号をエンジンコントロールユニット11に送出する。エンジン回転センサ17は、エンジン1の回転速度を検出し、エンジン回転速度Neの信号をエンジンコントロールユニット11に送出する。
エンジンコントロールユニット11では、エンジン単体の様々な制御に加え、変速機コントロールユニット10での制御との協調制御によりエンジントルク制限制御等を行う。変速機コントロールユニット10とエンジンコントロールユニット11は、双方向に情報交換可能なCAN通信線70を介して接続されている。よって、エンジンコントロールユニット11は、変速機コントロールユニット10から情報リクエストが入力されると、アクセル開度APOやエンジン回転速度Neの情報を変速機コントロールユニット10に出力する。さらに、推定算出によるエンジントルクTeやタービントルクTtの情報を変速機コントロールユニット10に出力する。また、変速機コントロールユニット10から上限トルクによるエンジントルク制限要求が入力されると、エンジントルクを所定の上限トルクにより制限したトルクとするエンジントルク制限制御が実行される。
[自動変速機の詳細構成]
図2は自動変速機3のギアトレーン3aの一例を示すスケルトン図であり、図3は自動変速機3での締結表であり、図4は自動変速機3での変速マップの一例を示す。以下、図2~図4に基づいて自動変速機3の詳細構成を説明する。
自動変速機3のギアトレーン3aは、下記の点を特徴とする。
(a) 変速要素として、機械的に係合/空転するワンウェイクラッチを用いていない。
(b) 摩擦要素である第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第1クラッチK1、第2クラッチK2、第3クラッチK3は、変速時にクラッチソレノイド20によってそれぞれ独立に締結/解放状態が制御される。
(c) 第2クラッチK2と第3クラッチK3は、クラッチピストン油室に作用する遠心力による遠心圧を相殺する遠心キャンセル室を有する。
自動変速機3は、図2に示すように、ギアトレーン3aを構成する遊星歯車として、入力軸INから出力軸OUTに向けて順に、第1遊星歯車PG1と、第2遊星歯車PG2と、第3遊星歯車PG3と、第4遊星歯車PG4と、を備えている。
第1遊星歯車PG1は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第1サンギアS1と、第1サンギアS1に噛み合うピニオンを支持する第1キャリアC1と、ピニオンに噛み合う第1リングギアR1と、を有する。
第2遊星歯車PG2は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第2サンギアS2と、第2サンギアS2に噛み合うピニオンを支持する第2キャリアC2と、ピニオンに噛み合う第2リングギアR2と、を有する。
第3遊星歯車PG3は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第3サンギアS3と、第3サンギアS3に噛み合うピニオンを支持する第3キャリアC3と、ピニオンに噛み合う第3リングギアR3と、を有する。
第4遊星歯車PG4は、シングルピニオン型遊星歯車であり、第4サンギアS4と、第4サンギアS4に噛み合うピニオンを支持する第4キャリアC4と、ピニオンに噛み合う第4リングギアR4と、を有する。
自動変速機3は、図2に示すように、入力軸INと、出力軸OUTと、第1連結メンバM1と、第2連結メンバM2と、トランスミッションケースTCと、を備えている。変速により締結/解放される摩擦要素として、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2と、第3ブレーキB3と、第1クラッチK1と、第2クラッチK2と、第3クラッチK3と、を備えている。
入力軸INは、エンジン1からの駆動力がトルクコンバータ2を介して入力される軸で、第1サンギアS1と第4キャリアC4に常時連結している。そして、入力軸INは、第2クラッチK2を介して第1キャリアC1に断接可能に連結している。
出力軸OUTは、プロペラシャフト4及び図外のファイナルギア等を介して駆動輪5へ変速した駆動トルクを出力する軸であり、第3キャリアC3に常時連結している。そして、出力軸OUTは、第1クラッチK1を介して第4リングギアR4に断接可能に連結している。
第1連結メンバM1は、第1遊星歯車PG1の第1リングギアR1と第2遊星歯車PG2の第2キャリアC2を、摩擦要素を介在させることなく常時連結するメンバである。第2連結メンバM2は、第2遊星歯車PG2の第2リングギアR2と第3遊星歯車PG3の第3サンギアS3と第4遊星歯車PG4の第4サンギアS4を、摩擦要素を介在させることなく常時連結するメンバである。
第1ブレーキB1は、第1キャリアC1の回転を、トランスミッションケースTCに対し係止可能な摩擦要素である。第2ブレーキB2は、第3リングギアR3の回転を、トランスミッションケースTCに対し係止可能な摩擦要素である。第3ブレーキB3は、第2サンギアS2の回転を、トランスミッションケースTCに対し係止可能な摩擦要素である。
第1クラッチK1は、第4リングギアR4と出力軸OUTの間を選択的に連結する摩擦要素である。第2クラッチK2は、入力軸INと第1キャリアC1の間を選択的に連結する摩擦要素である。第3クラッチK3は、第1キャリアC1と第2連結メンバM2の間を選択的に連結する摩擦要素である。
図3は、自動変速機3において6つの摩擦要素のうち三つの同時締結の組み合わせによりDレンジにて前進9速後退1速を達成する締結表を示す。以下、図3に基づいて、各ギア段を成立させる変速構成を説明する。
1速段(1st)は、第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第3クラッチK3の同時締結により達成する。2速段(2nd)は、第2ブレーキB2と第2クラッチK2と第3クラッチK3の同時締結により達成する。3速段(3rd)は、第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第2クラッチK2の同時締結により達成する。4速段(4th)は、第2ブレーキB2と第3ブレーキB3と第1クラッチK1の同時締結により達成する。5速段(5th)は、第3ブレーキB3と第1クラッチK1と第2クラッチK2の同時締結により達成する。以上の1速段~5速段が、ギア比が1を超えている減速ギア比によるアンダードライブギア段である。
6速段(6th)は、第1クラッチK1と第2クラッチK2と第3クラッチK3の同時締結により達成する。この第6速段は、ギア比=1の直結段である。
7速段(7th)は、第3ブレーキB3と第1クラッチK1と第3クラッチK3の同時締結により達成する。8速段(8th)は、第1ブレーキB1と第1クラッチK1と第3クラッチK3の同時締結により達成する。9速段(9th)は、第1ブレーキB1と第3ブレーキB3と第1クラッチK1の同時締結により達成する。以上の7速段~9速段は、ギア比が1未満の増速ギア比によるオーバードライブギア段である。
さらに、1速段から9速段までのギア段のうち、隣接するギア段へのアップ変速を行う際、或いは、ダウン変速を行う際、図3に示すように、掛け替え変速により行う構成としている。即ち、隣接するギア段への変速は、三つの摩擦要素のうち、二つの摩擦要素の締結は維持したままで、一つの摩擦要素の解放と一つの摩擦要素の締結を行うことで達成される。
Rレンジ位置の選択による後退速段(Rev)は、第1ブレーキB1と第2ブレーキB2と第3ブレーキB3の同時締結により達成する。なお、Nレンジ位置及びPレンジ位置を選択したときは、6つの摩擦要素B1,B2,B3,K1,K2,K3の全てが解放状態とされる。
そして、変速機コントロールユニット10には、図4に示すような変速マップが記憶設定されていて、Dレンジの選択により前進側の1速段から9速段までのギア段の切り替えによる変速は、この変速マップに従って行われる。即ち、そのときの運転点(VSP,APO)が図4の実線で示すアップシフト線を横切るとアップシフト変速要求が出される。又、運転点(VSP,APO)が図4の破線で示すダウンシフト線を横切るとダウンシフト変速要求が出される。
[油圧制御系の詳細構成]
図5はコントロールバルブユニット6の詳細構成を示す。以下、図5に基づいて油圧制御系の詳細構成を説明する。
コントロールバルブユニット6は、油圧源としてメカオイルポンプ61と電動オイルポンプ62を備える。メカオイルポンプ61は、エンジン1によりポンプ駆動され、電動オイルポンプ62は、電動モータ63によりポンプ駆動される。
コントロールバルブユニット6は、油圧制御回路に設けられる弁として、ライン圧ソレノイド21(略称「PL SOL」)とライン圧調圧弁64とクラッチソレノイド20とロックアップソレノイド23(略称「LU SOL」)とを備える。そして、潤滑ソレノイド22(略称「LUB SOL」)と潤滑調圧弁65とブースト切り替え弁66とを備える。さらに、P-nP切り替え弁67とパーク油圧アクチュエータ68とを備える。
ライン圧調圧弁64は、メカオイルポンプ61と電動オイルポンプ62の少なくとも一方からの吐出油を、ライン圧ソレノイド21からのバルブ作動信号圧に基づいてライン圧PLに調圧する。
クラッチソレノイド20は、ライン圧PLを元圧とし、摩擦要素(B1,B2,B3,K1,K2,K3)毎に締結圧や解放圧を制御する変速系ソレノイドである。なお、図5ではクラッチソレノイド20が1個であるように記載しているが、摩擦要素(B1,B2,B3,K1,K2,K3)毎に6個のソレノイドを有する。6個のクラッチソレノイド20は、第1ブレーキソレノイドB1 SOL、第2ブレーキソレノイドB2 SOL、第3ブレーキソレノイドB3 SOL、第1クラッチソレノイドK1 SOL、第2クラッチソレノイドK2 SOL、第3クラッチソレノイドK3 SOLである。
ロックアップソレノイド23は、ライン圧調圧弁64によるライン圧PLの調圧時における余剰油を用いてロックアップクラッチ2aの差圧を制御する。
潤滑ソレノイド22は、潤滑調圧弁65へのバルブ作動信号圧と、ブースト切り替え弁66への切替え圧とを作り出し、摩擦要素へ供給する潤滑流量を、発熱を抑える適正な流量に調圧する機能を有する。そして、連続変速プロテクション以外のときに摩擦要素の発熱を抑える最低潤滑流量をメカ保証し、最低潤滑流量に上乗せされる潤滑流量分を調整するソレノイドである。
潤滑調圧弁65は、潤滑ソレノイド22からのバルブ作動信号圧によって、摩擦要素とギアトレーン3aを含むパワートレーン(PT)へクーラー69を介して供給する潤滑流量をコントロールすることができる。そして、潤滑調圧弁65によってPT供給潤滑流量を適正化することでフリクションを低減する。
ブースト切り替え弁66は、潤滑ソレノイド22からの切替え圧によって、第2クラッチK2と第3クラッチK3の遠心キャンセル室の供給油量を増加する。このブースト切り替え弁66は、遠心キャンセル室の油量が不足しているシーンで一時的に供給油量を増やすときに使用する。
P-nP切り替え弁67は、潤滑ソレノイド22(又はパークソレノイド)からの切替え圧によってパーク油圧アクチュエータ68へのライン圧路を切り替える。Pレンジへの選択時にパークギア3bを噛合わせるパークロックと、PレンジからPレンジ以外のレンジへの選択時にパークギア3bの噛合を解除するパークロック解除を行う。
このように、シフタコントロールユニット18及びモーメンタリ構造のシフタ181を採用している。そして、コントロールバルブユニット6からDレンジ圧油路やRレンジ圧油路等を切り替えるマニュアルバルブを廃止することで、シフト・バイ・ワイヤを達成している。さらに、P-nP切り替え弁67とパーク油圧アクチュエータ68によりパークモジュールを構成することで、パーク・バイ・ワイヤを達成している。
[電子制御系の詳細構成]
図6は変速機コントロールユニット10の変速コントローラ100とソレノイド管理コントローラ110を示す。以下、図6に基づいて電子制御系の詳細構成を説明する。
変速機コントロールユニット10は、図6に示すように、自動変速機3の変速機能を分担する変速コントローラ100と、フェール処理機能とソレノイド動作保証機能とお掃除機能を分担するソレノイド管理コントローラ110を備える。ここで、「フェール処理機能」とは、ソレノイド電流の監視によりソレノイド断線診断を行い、診断結果がソレノイド断線であるとき所定のフェールセーフ処理へ移行する機能をいう。「ソレノイド動作保証機能」とは、ソレノイド電流にディザー電流を重畳することで、ソレノイドプランジャーを微小で動かして動摩擦によるプランジャー動作を保証する機能をいう。「お掃除機能」とは、ソレノイドバルブにお掃除用ソレノイド指示電流を供給することで、バルブスプールにピストン運動を生じさせてコンタミネーションと呼ばれる異物を除去する機能をいう。
変速コントローラ100は、ギア段を移行する変速過渡期や所定のギア段に固定するとき、各摩擦要素への目標油圧P*を演算する。そして、演算結果の目標油圧P*を入力し、目標油圧P*を6個のクラッチソレノイド20への目標ソレノイド電流Isol*へ変換するP-I変換部100aを有する。
P-I変換部100aは、摩擦要素への目標油圧P*がゼロであるとき、目標ソレノイド電流Isol*としてオフセット電流値Imin(図6のIminに相当する)を出力する。そして、摩擦要素への目標油圧P*がゼロから最大圧までは、油圧上昇に比例した電流値を出力し、摩擦要素への目標油圧P*を最大圧にするインギア中、目標ソレノイド電流Isol*として最大指示電流値Imax(図6のImax)を出力する。
ここで、「オフセット電流値Imin」は、解放側摩擦要素の解放を維持する上限域の電流値、つまり、摩擦要素の締結油圧までは出ないが摩擦要素へ連通する油圧回路内に作動油を充填したままとする電流値とされる。なお、解放ソレノイドにオフセット電流値Iminを供給する理由は、「ソレノイドOFF固着判定(ソレノイド断線診断)」と「油圧立ち上がり遅れ対策」にある。「最大指示電流値Imax」は、締結側摩擦要素のうち摩擦要素圧の最大圧に基づいて一律に決められた固定電流値である。なお、インギア中、締結ソレノイドに最大指示電流値Imaxを供給する理由は、高負荷で伝達トルクが高くなってもクラッチ滑りやブレーキ滑りを防止し、所望の許容トルク容量を確保するためである。
ソレノイド管理コントローラ110は、温度補正部110aと、お掃除用SOL指示電流生成部110bと、ENGONお掃除作動判定部110cと、IGNOFFお掃除作動判定部110dと、ソレノイド電流選択部110eと、フェール処理部110fと、ディザー電流生成部110gと、電流加算部110hと、を有する。
温度補正部110aは、P-I変換部100aから出力される目標ソレノイド電流Isol*に温度補正を施し、温度補正ソレノイド電流Isol(h)を生成する。
お掃除用SOL指示電流生成部110bは、停車中、複数個のソレノイドバルブ20,21,22,23に対して所定周波数によって電流値を振動させて、より具体的には電流値のオン/オフを切り替えてバルブスプールを動かすお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を生成する。ここで、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)は、バルブスプールを動かしてポートの開閉ができる電流であって、例えば、振幅が400mA程度で10Hz程度の周波数でオン電流(400mA)/オフ電流(0mA)が切り替えられる電流とする。
ENGONお掃除作動判定部110cは、IGN、ENG回転、レンジ、油温、車速、フェール情報等を入力し、エンジン始動時のお掃除作動条件を判定する。エンジン始動時のお掃除作動条件は、Pレンジを選択しての停車中、エンジン1(走行用駆動源)の始動条件が成立するとお掃除作動を開始し、お掃除作動を開始から設定時間(例えば、1sec程度)が経過するとお掃除作動を終了する。
IGNOFFお掃除作動判定部110dは、IGN、ENG回転、レンジ、油温、車速、フェール情報等を入力し、イグニッションオフ時のお掃除作動条件を判定する。イグニッションオフ時のお掃除作動条件は、Pレンジを選択しての停車中、イグニッションスイッチ15のオフ条件が成立するとお掃除作動を開始し、お掃除作動を開始から設定時間(例えば、1sec程度)が経過するとお掃除作動を終了する。
ソレノイド電流選択部110eは、温度補正部110aからの温度補正ソレノイド電流Isol(h)とお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を入力する。ENGONお掃除作動判定及びIGNOFFお掃除作動判定が不成立である場合、温度補正ソレノイド電流Isol(h)を選択する。一方、ENGONお掃除作動判定又はIGNOFFお掃除作動判定が成立である場合、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を選択する。
ここで、ENGONお掃除作動判定部110cでの判定条件成立によりお掃除作動を行う場合、作動対象とする複数のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とする。そして、作動対象とする複数のソレノイドバルブのうち、上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21とし、下流側ソレノイドバルブを潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とする。さらに、ライン圧ソレノイド21(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相と、潤滑ソレノイド22及びロックアップソレノイド23(下流側ソレノイドバルブ)への電流位相とを逆位相で供給する。
一方、IGNOFFお掃除作動判定部110dでの判定条件成立によりお掃除作動を行う場合、作動対象とする複数のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23と6個のクラッチソレノイド20(変速系ソレノイド)とする。そして、作動対象とする複数のソレノイドバルブのうち、上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23による第1ソレノイドグループGr1とする。下流側ソレノイドバルブを、6個のクラッチソレノイド20による第2ソレノイドグループGr2とする。さらに、第1ソレノイドグループGr1(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相と、第2ソレノイドグループGr2(下流側ソレノイドバルブ)とを逆位相で供給する。
フェール処理部110fは、ソレノイド電流選択部110eにて選択されたソレノイド選択電流Isol(s)によってソレノイド断線診断を行う。ソレノイド断線診断において、オフセット電流値Iminにより基本的に通電中であるのもかかわらず0mA(ゼロ)である状態が所定時間継続すると、ソレノイドが断線であると診断し、フェールセーフ処理へ移行する。
ディザー電流生成部110gは、油圧制御回路に設けられた複数個のソレノイドバルブ20,21,22,23へのお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)よりも周波数が高くて振幅が小さなディザー電流Isol(d)を生成する。ここで、ディザー電流Isol(d)は、バルブスプールを動かすことなくバルブプランジャーを微小振動させる電流であって、例えば、振幅が50mAで25Hz程度の周波数による微小変動電流とされる。
電流加算部110hは、イグニッションスイッチ15をオン操作すると、お掃除作動中も含めてフェール処理部110fから出力されるソレノイド選択電流Isol(s)にディザー電流Isol(d)を加算する。つまり、ソレノイド選択電流Isol(s)にディザー電流Isol(d)を重畳したソレノイド指示電流Isolを、複数個のソレノイドバルブ20,21,22,23に出力する。
[お掃除制御作動処理構成]
図7は、変速機コントロールユニット10のソレノイド管理コントローラ110にて実行されるお掃除制御作動処理の流れを示す。以下、図7の各ステップを説明する。
ステップS1では、イグニッションスイッチ15のオン操作によるスタートに続き、Pレンジでのエンジン始動であるか否かを判断する。YES(Pレンジのエンジン始動である)の場合はステップS2へ進み、NO(Pレンジのエンジン始動ではない)の場合はステップS8へ進む。
ステップS2では、S1でのPレンジのエンジン始動であるとの判断に続き、エンジン回転速度条件を含む他の条件が成立したか否かを判断する。YES(Ne条件を含む他の条件が成立している)の場合はステップS3へ進み、NO(Ne条件を含む他の条件が成立していない)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、「エンジン回転速度条件」とは、エンジン回転速度Neが上昇してエンジン始動閾値以上になったという条件をいう。「他の条件」とは、油温条件(SOL駆動保証温度条件)や車速条件(停車条件)やバッテリ電圧条件(バッテリ電圧>定数)、等をいう。
ステップS3では、S2でのNe条件を含む他の条件が成立しているとの判断に続き、お掃除制御の作動対象とする複数のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とする。そして、ソレノイドバルブ21,22,23のうち、上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21とし、下流側ソレノイドバルブを潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とし、ステップS4へ進む。
ステップS4では、S3での作動対象ソレノイドの区分、或いは、S6でのお掃除許可条件が成立しているとの判断に続き、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、ライン圧ソレノイド21(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相と、潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23(下流側ソレノイドバルブ)への電流位相とを逆位相で供給し、ステップS5へ進む。
ステップS5では、S4でのお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の逆位相供給に続き、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の供給を継続する設定時間が経過したか否かを判断する。YES(設定時間が経過した)の場合はステップS7へ進み、NO(設定時間が経過していない)の場合はステップS6へ進む。
ステップS6では、S5での設定時間が経過していないとの判断に続き、お掃除許可条件が不成立であるか否かを判断する。YES(お掃除許可条件が不成立である)の場合はステップS7へ進み、NO(お掃除許可条件が成立している)の場合はステップS4へ戻る。
ここで、「お掃除許可条件」とは、Pレンジ選択条件、エンジン回転速度条件(Ne≧エンジン始動閾値)、油温条件(SOL駆動保証温度条件)や車速条件(停車条件)やバッテリ電圧条件(バッテリ電圧>定数)、等をいう。
ステップS7では、S5での設定時間が経過したとの判断、或いは、S6でのお掃除許可条件が不成立であるとの判断に続き、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給するお掃除作動を終了し、S1へ戻る。
ステップS8では、S1でのPレンジのエンジン始動ではないとの判断に続き、Pレンジでのイグニッションオフであるか否かを判断する。YES(Pレンジのイグニッションオフである)の場合はステップS9へ進み、NO(Pレンジのイグニッションオフではない)の場合はステップS1へ戻る。
ステップS9では、S8でのPレンジのイグニッションオフであるとの判断に続き、エンジン回転速度条件を含む他の条件が成立したか否かを判断する。YES(Ne条件を含む他の条件が成立している)の場合はステップS10へ進み、NO(Ne条件を含む他の条件が成立していない)の場合はステップS1へ戻る。
ここで、「エンジン回転速度条件」とは、エンジン回転速度Neが低下してエンジン停止閾値未満になったという条件をいう。「他の条件」とは、油温条件(SOL駆動保証温度条件)や車速条件(停車条件)やバッテリ電圧条件(バッテリ電圧>定数)、等をいう。
ステップS10では、S9でのNe条件を含む他の条件が成立しているとの判断に続き、お掃除制御の作動対象とする複数のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23と6個のクラッチソレノイド20とする。そして、ソレノイドバルブ20,21,22,23のうち、上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23による第1ソレノイドグループGr1とする。下流側ソレノイドバルブを、6個のクラッチソレノイド20による第2ソレノイドグループGr2とし、ステップS11へ進む。
ステップS11では、S10での作動対象ソレノイドの区分、或いは、S13でのお掃除許可条件が成立しているとの判断に続き、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、第1ソレノイドグループGr1(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相と、第2ソレノイドグループGr2(下流側ソレノイドバルブ)への電流位相とを逆位相で供給し、ステップS12へ進む。
ステップS12では、S11でのお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の逆位相供給に続き、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の供給を継続する設定時間が経過したか否かを判断する。YES(設定時間が経過した)の場合はステップS14へ進み、NO(設定時間が経過していない)の場合はステップS13へ進む。
ステップS13では、S12での設定時間が経過していないとの判断に続き、お掃除許可条件が不成立であるか否かを判断する。YES(お掃除許可条件が不成立である)の場合はステップS14へ進み、NO(お掃除許可条件が成立している)の場合はステップS11へ戻る。
ここで、「お掃除許可条件」とは、Pレンジ選択条件、エンジン回転速度条件(Ne<エンジン停止閾値)、油温条件(SOL駆動保証温度条件)や車速条件(停車条件)やバッテリ電圧条件(バッテリ電圧>定数)、等をいう。
ステップS14では、S12での設定時間が経過したとの判断、或いは、S13でのお掃除許可条件が不成立であるとの判断に続き、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給するお掃除作動を終了し、エンドへ進む。つまり、自動変速機ユニットのシャットダウン条件に、イグニッションオフ後のお掃除作動終了が追加される。
次に、「背景技術の課題と課題解決方策」を説明する。そして、実施例1の作用を、「お掃除制御作動処理作用」、「お掃除制御作用」に分けて説明する。
[背景技術の課題と課題解決方策]
背景技術としては、変速が行われていないとき、リニアソレノイドバルブに振幅が大きなディザー電流を供給し、圧力制御弁などにピストン運動を生じさせて、コンタミネーションを除去する装置が知られている(JP11-82724A)。
一方、自動変速機のギア段の数を多くする多段化が進むことにより、油圧制御回路で用いられるリニアソレノイドバルブの数も多くなり、複数個のリニアソレノイドバルブに対するコンタミ耐力を確保する必要がある。特に、マニュアルバルブを廃止してシフト・バイ・ワイヤ化した場合、正常なバルブ作動が確保されている状況を常に保っておくことが重要になる。このため、複数個のリニアソレノイドバルブのポートにコンタミネーションが付着することによる油圧制御性が悪化していくことを回避し、油圧制御性が保証される正常なバルブ作動を確保しておきたいという要求がある。
これに対し、背景技術の手法により複数個のリニアソレノイドバルブに対して同時にバルブスプールを動かす振幅によるディザー電流を供給するとする。この場合、油圧の発生があるシーンであると油圧が変動して油振が発生するし、油圧の発生が無いシーンであると電源電圧の変動が発生する、という課題があった。
本発明者等は、現状分析と課題検討の結果、複数個のソレノイドバルブに供給するディザー電流のオン/オフ位相が同期していることが課題の発生原因であることを知見した。この知見に基づいて、複数個のソレノイドバルブを2つに区分し、お掃除用ソレノイド指示電流(振幅が大きなディザー電流)のオン/オフ位相をずらすという点に着目した。
上記着目点に基づいて、本実施形態に係る自動変速機の制御装置は、油圧源から変速機作動油が供給される油圧制御回路に設けられた複数個のソレノイドバルブ20,21,22,23を制御する変速機コントロールユニット10を備える。変速機コントロールユニット10は、停車中、ソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対して所定周波数によって電流値を振動させてバルブスプールを動かすお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給するソレノイド管理コントローラ110を有する。ソレノイド管理コントローラ110は、作動対象となる複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)を、油圧源に近い上流側ソレノイドバルブと、上流側ソレノイドバルブ以外の下流側ソレノイドバルブに分ける。複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、上流側ソレノイドバルブへの電流位相と下流側ソレノイドバルブへの電流位相とをずらして供給する、という解決手段を採用した。
即ち、作動対象となる複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)が、油圧源に近い上流側ソレノイドバルブと、上流側ソレノイドバルブ以外の下流側ソレノイドバルブとに分けられる。つまり、油圧源に最も近いライン圧ソレノイド21により代表される上流側ソレノイドバルブは、ライン圧PLを元圧として減圧調整する下流側ソレノイドバルブに比べて油圧レベルが高い。このため、油振の発生を有効に抑制するときに複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)をどのように分けるかの切り分けが容易になる。
複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、上流側ソレノイドバルブへの電流位相と下流側ソレノイドバルブへの電流位相がずらして供給される。つまり、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)をこれまで同様に供給することで、コンタミネーションの排出機能が確保される。そして、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の電流位相をずらして供給することで、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)のオン状態により一部のソレノイドバルブが開状態になってもソレノイドバルブの一部が位相のずれにより閉状態となって変速機作動油が通流するのを阻害することになる。このため、電流のオン/オフ位相の同期により複数個分のオン電流が積算される背景技術の場合に比べ、油振の発生を抑制することができる。また、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)がオン状態のものと、オフ状態のものが混在することになり、オン/オフが同期する場合に比べ、電源電圧の変動の発生が抑制される。
この結果、複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、コンタミネーションの排出機能を確保しながら、油振の発生や電源電圧の変動の発生を抑制することができる。つまり、複数個のソレノイドバルブに対するコンタミ耐力を確保したいという要求や油圧制御性が保証される正常なバルブ作動を確保しておきたいという要求に応えることができる。そして、複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際の副作用である油振の発生や電源電圧の変動の発生も併せて抑制できる。
ここで、実施例1では、上流側ソレノイドバルブへの電流位相と下流側ソレノイドバルブへの電流位相とを逆位相で供給している。このように、上流側ソレノイドバルブへの電流位相と下流側ソレノイドバルブへの電流位相とを逆位相で供給すると、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)のオン電流とオフ電流が混在することになり、変速機作動油の通流を阻害し、また、全てのソレノイドバルブに対し同時にオン電流とするより、供給する電流値の最大値を下げることができる。このため、複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際の副作用である油振の発生や電源電圧の変動の発生が効果的に抑制される。
[お掃除制御作動処理作用]
実施例1でのお掃除制御作動処理作用を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、Pレンジでのエンジン始動であり、かつ、エンジン回転速度条件を含む他の条件が成立すると、S1→S2→S3→S4へと進む。
S3では、お掃除制御の作動対象とする複数のソレノイドバルブが、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とされる。そして、ソレノイドバルブ21,22,23のうち、上流側ソレノイドバルブが、ライン圧ソレノイド21とされ、下流側ソレノイドバルブが潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とされる。
S4では、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、ライン圧ソレノイド21(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相と、潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23(下流側ソレノイドバルブ)への電流位相とが逆位相で供給される。
S4からは、S5へ進み、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の供給を継続する設定時間が経過したか否かが判断され、設定時間が経過していないとS6へ進む。S6では、お掃除許可条件が不成立であるか否かが判断され、お掃除許可条件が成立している場合はS4→S5→S6へと進む流れが繰り返される。
一方、S5にて設定時間が経過していないと判断されているが、S6にてお掃除許可条件が不成立になると、S6からS7へと進む。また、S6にてお掃除許可条件が成立していると判断されているが、S5にて設定時間が経過したと判断されると、S5からS7へと進む。S7では、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給するお掃除作動を終了させてS1へ戻る。
次に、Pレンジでのイグニッションオフであり、かつ、エンジン回転速度条件を含む他の条件が成立すると、S1→S8→S9→S10→S11へと進む。
S10では、お掃除制御の作動対象とする複数のソレノイドバルブが、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23と6個のクラッチソレノイド20とされる。そして、ソレノイドバルブ20,21,22,23のうち、上流側ソレノイドバルブが、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23による第1ソレノイドグループGr1とされる。下流側ソレノイドバルブが、6個のクラッチソレノイド20による第2ソレノイドグループGr2とされる。
S11では、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、第1ソレノイドグループGr1(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相と、第2ソレノイドグループGr2(下流側ソレノイドバルブ)への電流位相とが逆位相で供給される。
S11からは、S12へ進み、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の供給を継続する設定時間が経過したか否かが判断され、設定時間が経過していないとS13へ進む。S13では、お掃除許可条件が不成立であるか否かが判断され、お掃除許可条件が成立している場合はS11→S12→S13へと進む流れが繰り返される。
一方、S12にて設定時間が経過していないと判断されているが、S13にてお掃除許可条件が不成立になると、S13からS14へと進む。また、S13にてお掃除許可条件が成立していると判断されているが、S12にて設定時間が経過したと判断されると、S12からS14へと進む。S14では、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給するお掃除作動を終了させてエンドへ進む。
このように、実施例1では、ソレノイド管理コントローラ110に、Pレンジを選択しての停車中、エンジン1の始動条件が成立するとお掃除作動を開始し、お掃除作動を開始から設定時間が経過するとお掃除作動を終了するENGONお掃除作動判定部110c(第1判定部)を有する。
即ち、アイドルストップ車でない場合には、イグニッションオン後にエンジン1を始動して初期発進するとき、お掃除作動の機会が与えられる。また、アイドルストップ車の場合、Pレンジを選択してのアイドルストップからエンジン1を始動して再発進するとき、お掃除作動の機会が与えられる。このため、エンジン1を始動又は再始動するときにお掃除作動の機会が与えられると共に、アイドルストップ車の場合にはお掃除作動の機会を増やすことができる。
また、実施例1では、ソレノイド管理コントローラ110に、Pレンジを選択しての停車中、イグニッションオフ条件が成立するとお掃除作動を開始し、お掃除作動を開始から設定時間が経過するとお掃除作動を終了するIGNOFFお掃除作動判定部110d(第2判定部)を有する。
即ち、イグニッションオフ条件は、一般に自動変速機ユニットの電源を落とすシャットダウン条件であり、お掃除作動は行われない。これに対し、イグニッションオフ条件が成立するとお掃除作動を開始することで、お掃除作動の機会を増やすことができるし、次の走行に備えてコンタミネーションを排出することができる。
[お掃除制御作用]
図8は、エンジン始動時(イグニッションON時)にお掃除制御作動するときの各特性を示す。以下、図8に基づいてエンジン始動時のお掃除制御作用を説明する。
時刻t1にてイグニッションOFFからイグニッションONに切り替わると、1速段で締結される第2ブレーキB2と第3ブレーキB3の油圧が上昇を開始し、エンジン回転速度Neが上昇を開始する。そして、時刻t2にてエンジン回転速度Neがエンジン始動閾値以上になると、お掃除制御の作動対象とするライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23に対してお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の供給が開始される。ここで、お掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)は、ライン圧ソレノイド21に対してはライン圧調圧弁64が作動しない範囲に抑えられる。潤滑ソレノイド22に対してはブースト切り替え弁66とP-nP切り替え弁67が作動しない範囲に抑えられる。ロックアップソレノイド23に対してはロックアップクラッチ2aのピストンストロークが進行しない範囲に抑えられる。
お掃除作動開始時刻t2からお掃除作動終了時刻t3までのお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の油圧有り供給区間において、ライン圧ソレノイド21(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相は、時刻t2にてオン電流により立ち上がる位相とされる。これに対し、潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23(下流側ソレノイドバルブ)への電流位相は、時刻t2にてオフ電流とされ、ライン圧ソレノイド21への電流位相がオフ電流になるとオン電流に切り替えるというように逆位相で供給される。
このように、実施例1では、ENGONお掃除作動判定部110cでの判定条件成立によりお掃除作動を行う場合、作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とする。そして、上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21とし、下流側ソレノイドバルブを、潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とする。
即ち、イグニッションONに切り替わると、油圧源からの吐出油により油圧が発生し、クラッチソレノイド20によりDレンジの1速発進に備えて第2ブレーキB2と第3ブレーキB3の油圧締結が開始される。このため、お掃除作動の対象とするソレノイドバルブを、クラッチソレノイド20を除いたライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23としている。そして、複数個のお掃除作動の対象ソレノイドに同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給すると、油振の発生が問題となる。
これに対し、ライン圧ソレノイド21への電流位相と、潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23への電流位相とを逆位相で供給している。このため、エンジン始動時にライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23のコンタミネーションの排出機能を確保しながら、油振の発生を抑制することができる。特に、最も油圧レベルが高くなるライン圧ソレノイド21と、ライン圧より油圧レベルが低い潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とを分け、電流位相とを逆位相としているため、有効に油振の発生が抑制されることになる。
図9は、イグニッションOFF時にお掃除制御作動するときの各特性を示す。以下、図9に基づいてイグニッションOFF時のお掃除制御作用を説明する。
時刻t1にてイグニッションONからイグニッションOFFに切り替わると、その前のPレンジの選択により第2ブレーキB2と第3ブレーキB3が解放状態になり油圧の発生は無く、エンジン回転速度Neが低下を開始する。そして、時刻t2にてエンジン回転速度Neがエンジン停止閾値未満になると、お掃除制御の作動対象とするクラッチソレノイド20とライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23に対してお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の供給が開始される。
お掃除作動開始時刻t2からお掃除作動終了時刻t3までのお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)の油圧無し供給区間において、第1ソレノイドグループGr1(上流側ソレノイドバルブ)への電流位相は、時刻t2にてオン電流により立ち上がる位相とされる。これに対し、第2ソレノイドグループGr2(下流側ソレノイドバルブ)への電流位相は、時刻t2にてオフ電流とされ、第1ソレノイドグループGr1への電流位相がオフ電流になるとオン電流に切り替えるというように逆位相で供給される。
このように、実施例1では、IGNOFFお掃除作動判定部110dでの判定条件成立によりお掃除作動を行う場合、作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23と複数個の変速系ソレノイド20とする。そして、上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23による第1ソレノイドグループGr1とする。下流側ソレノイドバルブを、複数個のクラッチソレノイド20による第2ソレノイドグループGr2とする。
即ち、Pレンジの選択により全ての摩擦要素は解放状態とされ、イグニッションOFFに切り替わると、油圧源からの吐出油が途切れ、変速機作動油は回路内に充填されているものの油圧の発生が無い。このため、お掃除作動の対象とするソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23に、クラッチソレノイド20を加えた全てのリニアソレノイドとしている。そして、複数個のお掃除作動の対象ソレノイドに同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給すると、電源電圧の変動が問題となる。
これに対し、第1ソレノイドグループGr1への電流位相と、第2ソレノイドグループGr2への電流位相とを逆位相で供給している。このため、イグニッションOFF時にクラッチソレノイド20とライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23のコンタミネーションの排出機能を確保しながら、電源電圧の変動発生を抑制することができる。
以上述べたように、実施例1の自動変速機3の制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 油圧源から変速機作動油が供給される油圧制御回路に設けられた複数個のソレノイドバルブ20,21,22,23を制御する変速機コントロールユニット10を備える自動変速機3の制御装置において、
変速機コントロールユニット10は、停車中、ソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対して所定周波数によって電流値を振動させてバルブスプールを動かすお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給するソレノイド管理コントローラ110を有し、
ソレノイド管理コントローラ110は、作動対象となる複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)を、油圧源に近い上流側ソレノイドバルブと、上流側ソレノイドバルブ以外の下流側ソレノイドバルブに分け、
複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、上流側ソレノイドバルブへの電流位相と下流側ソレノイドバルブへの電流位相とをずらして供給する。
このため、複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、コンタミネーションの排出機能を確保しながら、油振の発生や電源電圧の変動の発生を抑制することができる。
(2) ソレノイド管理コントローラ110は、上流側ソレノイドバルブへの電流位相と下流側ソレノイドバルブへの電流位相とを逆位相で供給する。
このため、複数個のソレノイドバルブ(20,21,22,23)に対し同時にお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際の副作用である油振の発生や電源電圧の変動の発生を効果的に抑制することができる。
(3) ソレノイド管理コントローラ110は、パーキングレンジ(Pレンジ)を選択しての停車中、走行用駆動源(エンジン1)の始動条件が成立するとお掃除作動を開始し、お掃除作動を開始から設定時間が経過するとお掃除作動を終了する第1判定部(ENGONお掃除作動判定部110c)を有する。
このため、走行用駆動源(エンジン1)を始動又は再始動するときにお掃除作動の機会を与えることができると共に、アイドルストップ車の場合にはお掃除作動の機会を増やすことができる。
(4) ソレノイド管理コントローラ110は、ENGONお掃除作動判定部110c(第1判定部)での判定条件成立によりお掃除作動を行う場合、作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とし、
上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21とし、
下流側ソレノイドバルブを、潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23とする。
このため、走行用駆動源(エンジン1)の始動時にライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23のコンタミネーションの排出機能を確保しながら、油振の発生を抑制することができる。
(5) ソレノイド管理コントローラ110は、パーキングレンジ(Pレンジ)を選択しての停車中、イグニッションオフ条件が成立するとお掃除作動を開始し、お掃除作動を開始から設定時間が経過するとお掃除作動を終了する第2判定部(IGNOFFお掃除作動判定部110d)を有する。
このため、イグニッションオフ条件が成立するとお掃除作動を開始することで、お掃除作動の機会を増やすことができるし、次の走行に備えてコンタミネーションを排出することができる。
(6) ソレノイド管理コントローラ110は、第2判定部(IGNOFFお掃除作動判定部110d)での判定条件成立によりお掃除作動を行う場合、作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23と複数個の変速系ソレノイド(クラッチソレノイド20)とし、
上流側ソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23による第1ソレノイドグループGr1とし、
下流側ソレノイドバルブを、複数個の変速系ソレノイド(クラッチソレノイド20)による第2ソレノイドグループGr2とする。
このため、イグニッションOFF時に複数個の変速系ソレノイド(クラッチソレノイド20)とライン圧ソレノイド21と潤滑ソレノイド22とロックアップソレノイド23のコンタミネーションの排出機能を確保しながら、電源電圧の変動発生を抑制することができる。
(7) ソレノイド管理コントローラ110は、油圧制御回路に設けられた複数個のソレノイドバルブ20,21,22,23に対してお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)よりも周波数が高くて振幅が小さなディザー電流Isol(d)を生成するディザー電流生成部110gと、
イグニッションオン時、お掃除作動中も含めてディザー電流Isol(d)を重畳してソレノイド指示電流Isolとする電流加算部110hと、を有する。
このため、お掃除作動中も含めてディザー電流Isol(d)を重畳してソレノイド指示電流Isolとすることで、ソレノイドプランジャーを微小で動かして動摩擦によるプランジャー動作を保証することができる。
以上、本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、イグニッションスイッチ15を設け、イグニッションオフ信号をスイッチ信号により取得する例を示した。しかし、CAN通信線を経由してイグニッションオフ信号を取得する例としても勿論良い。
実施例1では、お掃除作動判定部として、エンジン始動時にお掃除作動判定するENGONお掃除作動判定部110cと、イグニッションオフ時にお掃除作動判定するIGNOFFお掃除作動判定部110dとを備える例を示した。しかし、お掃除作動判定部としては、これ以外の停車条件やお掃除作動が問題とならない走行条件の成立によりお掃除作動を判定するようにしても良い。
実施例1では、上流側ソレノイドバルブと下流側ソレノイドバルブを分けるとき、お掃除作動対象のソレノイドバルブが3個のときは1個と2個で分け、お掃除作動対象のソレノイドバルブが9個のときは3個と6個で分ける例を示した。しかし、上流側ソレノイドバルブと下流側ソレノイドバルブを分け方としてはこれに限られず、例えば、お掃除作動対象のソレノイドバルブが偶数個であるときは、同数で分けるようにしても良い。
実施例1では、お掃除用ソレノイド指示電流として、所定周波数によって電流値のオン/オフを切り替えることにより電流値を所定周期で振動させてバルブスプールを動かす例を示した。しかし、バルブスプールを動かす方法としてはこれに限られず、電流値の下限をオフで構成することなく、電流の指示値を所定の振幅により振動させてバルブスプールを動かすようにしても良い。
実施例1では、複数個のソレノイドバルブ20,21,22,23に対してお掃除用ソレノイド指示電流Isol(c)を供給する際、供給開始のタイミングと供給終了のタイミングを合わせて同時に供給する例を示した。しかし、「同時」とは、複数個のソレノイドバルブに対してお掃除用ソレノイド指示電流を供給する時間が重複していれば良く、供給開始のタイミングがずれても、供給終了のタイミングがずれても良い。
実施例1では、自動変速機として、前進9速後退1速の自動変速機3の例を示した。しかし、自動変速機としては、前進9速後退1速以外の有段ギア段を持つ自動変速機の例としても良いし、ベルト式無段変速機と有段変速機とを組み合わせた副変速機付き無段変速機としても良い。
実施例1では、エンジン車に搭載される自動変速機の制御装置の例を示した。しかし、エンジン車に限らず、ハイブリッド車や電気自動車等に搭載される自動変速機の制御装置としても適用することが可能である。
本願は、2019年10月9日付けで日本国特許庁に出願した特願2019-185699号に基づく優先権を主張し、その出願の全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (7)

  1. 油圧源から変速機作動油が供給される油圧制御回路に設けられた複数個のソレノイドバルブを制御する変速機コントロールユニットを備える自動変速機の制御装置において、
    前記変速機コントロールユニットは、停車中、前記複数個のソレノイドバルブのうち作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対して所定周波数によって電流値を振動させてバルブスプールを動かすソレノイド指示電流を供給するソレノイド管理コントローラを有し、
    前記ソレノイド管理コントローラは、前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、前記油圧源に近い上流側ソレノイドバルブと、前記上流側ソレノイドバルブ以外の下流側ソレノイドバルブに分け、
    前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対し同時に前記ソレノイド指示電流を供給する際、前記上流側ソレノイドバルブへの電流位相と前記下流側ソレノイドバルブへの電流位相とをずらして供給し、
    前記ソレノイド管理コントローラは、前記油圧制御回路に設けられた前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対して前記ソレノイド指示電流よりも周波数が高くて振幅が小さなディザー電流を生成するディザー電流生成部と、
    イグニッションオン時、前記電流値の振動中も含めて前記ディザー電流を重畳してソレノイド指示電流とする電流加算部と、を有する
    自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記ソレノイド管理コントローラは、前記上流側ソレノイドバルブへの電流位相と前記下流側ソレノイドバルブへの電流位相とを逆位相で供給する
    自動変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記ソレノイド管理コントローラは、パーキングレンジを選択しての停車中、走行用駆動源の始動条件が成立すると前記電流値の振動を開始し、前記電流値の振動を開始してから設定時間が経過すると前記電流値の振動を終了する第1判定部を有する
    自動変速機の制御装置。
  4. 請求項3に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記ソレノイド管理コントローラは、前記第1判定部での判定条件成立により前記電流値の振動を行う場合、前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイドと潤滑ソレノイドとロックアップソレノイドとし、
    前記上流側ソレノイドバルブを、前記ライン圧ソレノイドとし、
    前記下流側ソレノイドバルブを、前記潤滑ソレノイドと前記ロックアップソレノイドとする
    自動変速機の制御装置。
  5. 請求項2に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記ソレノイド管理コントローラは、パーキングレンジを選択しての停車中、イグニッションオフ条件が成立すると前記電流値の振動を開始し、前記電流値の振動を開始してから設定時間が経過すると前記電流値の振動を終了する第2判定部を有する
    自動変速機の制御装置。
  6. 請求項5に記載された自動変速機の制御装置において、
    前記ソレノイド管理コントローラは、前記第2判定部での判定条件成立により前記電流値の振動を行う場合、前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、ライン圧ソレノイドと潤滑ソレノイドとロックアップソレノイドと複数個の変速系ソレノイドとし、
    前記上流側ソレノイドバルブを、前記ライン圧ソレノイドと前記潤滑ソレノイドと前記ロックアップソレノイドによる第1ソレノイドグループとし、
    前記下流側ソレノイドバルブを、前記複数個の変速系ソレノイドによる第2ソレノイドグループとする
    自動変速機の制御装置。
  7. 油圧源から変速機作動油が供給される油圧制御回路に設けられた複数個のソレノイドバルブを制御する自動変速機の制御方法において、
    停車中、前記複数個のソレノイドバルブのうち作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対して所定周波数によって電流値を振動させてバルブスプールを動かすソレノイド指示電流を供給し、
    前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブを、前記油圧源に近い上流側ソレノイドバルブと、前記上流側ソレノイドバルブ以外の下流側ソレノイドバルブに分け、
    前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対し同時に前記ソレノイド指示電流を供給する際、前記上流側ソレノイドバルブへの電流位相と前記下流側ソレノイドバルブへの電流位相とをずらして供給し、
    前記油圧制御回路に設けられた前記作動対象とする複数個のソレノイドバルブに対して前記ソレノイド指示電流よりも周波数が高くて振幅が小さなディザー電流を生成し、
    イグニッションオン時、前記電流値の振動中も含めて前記ディザー電流を重畳してソレノイド指示電流とする、
    自動変速機の制御方法。
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