JP7201598B2 - 3位置換5-アミノ-6H-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7-ジオン化合物の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、B型肝炎ウイルス感染に関連するウイルス性疾患、又はB型肝炎ウイルス感染によって引き起こされる疾患の患者における予防又は治療に有用である、式(Ia):
Figure 0007201598000001
の化合物、特に、式(I):
Figure 0007201598000002
[式中:
は、H又はC1-6アルキルであり;
は、H又はヒドロキシである]の化合物、又はその医薬的に許容されるエナンチオマー又はジアステレオマーの製造のための方法に関する。
式(I)の化合物の合成アプローチについては、特許:WO2016091698に開示されたが、それは、以下の諸課題の故に実用的な方法に適していない:
(a)全体収率がきわめて低い(0.2~0.5%);
(b)(1S)-1-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]プロパン-1-オール、[(3R,5S)-5-[(1S)-1-アセトキシプロピル]-3-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]アセテート、及び[(2R,3R,5S)-5-[(1S)-1-アセトキシプロピル]-2-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-3-イル]アセテートのような、中間体の3つについてカラム精製が必要とされる;
(c)最終化合物についての効率的な単離及び精製の方法が利用し得ず、現行の方法では、式(I)の化合物の低結晶性の故に、適格な最終化合物を入手するには分取用HPLCに頼らざるを得ない。
上記の課題に基づいて、故に、本発明の1つの目的は、工学規模で応用し得る効率的な合成アプローチを見出すことである。
本発明の別の側面は、式(XV)の化合物及び/又は化合物(XVa):
Figure 0007201598000003
[式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシである]、又はその医薬的に許容される塩、エナンチオマー又はジアステレオマーの製造のための新規な方法に関する。
式(XV)の化合物と化合物(XVa)は、本明細書に記載されるような医薬的に活性な式(I)の化合物又は式(Ia)の化合物の合成及び製造における重要な中間体である。
式(I)の化合物の製造に対する高度に短縮化された(telescoped)方法の故に、式(I)の化合物の反応混合物からの直接単離では、フリー体としての直接結晶化をもたらさなかった。式(XV)の化合物の生成は、化合物の精製及び単離の実践的で効率的な方法であることが証明された。
諸定義
本明細書に使用するように、「C1-6アルキル」という用語は、1~6個、特に1~5個の炭素原子を含有する、飽和した直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、等を意味する。特別な「C1-6アルキル」基は、メチル又はエチルである。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素、特に、フッ素又は塩素を意味する。
「エナンチオマー」という用語は、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を意味する。
「ジアステレオマー」という用語は、2個以上のキラル中心があって、その分子が互いの鏡像ではない立体異性体を意味する。
「医薬的に許容される塩」という用語は、式Iの化合物の生物学的有効性及び特質を保持して、好適な無毒性の有機若しくは無機酸又は有機若しくは無機塩基より生成される、慣用の酸付加塩又は塩基付加塩を意味する。酸付加塩には、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファム酸、リン酸、及び硝酸のような無機酸より誘導される塩と、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、等のような有機酸より誘導される塩が含まれる。塩基付加塩には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、及び水酸化四級アンモニウム(例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムのような)より誘導される塩が含まれる。医薬化合物の塩への化学修飾は、化合物の改善された物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性、及び可溶性を得るための、製薬化学者によく知られた技術である。それについては、例えば、Bastin R. J., et al., Organic Process Research & Development 2000, 4, 427-435; 又は Ansel, H., et al.,「医薬剤形とドラッグデリバリーシステム(Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems)」第6版(1995)中 196頁と 1456-1457 頁に記載されている。
略語
MeCN アセトニトリル
API 医薬有効成分
BSA N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
eq 当量
IPA イソプロパノール
IPAc 酢酸イソプロピル
EtOAc又はEA 酢酸エチル
MeCyN N,N-ジシクロヘキシルメチルアミン
2-MeTHF 2-メチルテトラヒドロフラン
MSA メタンスルホン酸
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
NMM N-メチルモルホリン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
TMPH 水素化テトラメチルピペリジン
v/v 容量比
wt.% 重量百分率
本発明は、式(X)の化合物をスキーム1に略記されるように、そして式(I)の化合物をスキーム2に略記されるように製造するための方法を提供する。
スキーム1
Figure 0007201598000004
[ここで、RとRは、上記のように定義される]。
この合成は、以下の工程の1以上を含む:
工程a)化合物(III):
Figure 0007201598000005
の生成;
工程b)化合物(IV):
Figure 0007201598000006
の生成;
工程c)化合物(V):
Figure 0007201598000007
の生成;
工程d)化合物(VI):
Figure 0007201598000008
の生成;
工程e)化合物(VII):
Figure 0007201598000009
の生成;
工程f)化合物(VIII):
Figure 0007201598000010
の生成;
工程g)化合物(IX):
Figure 0007201598000011
の生成;
工程h)式(X):
Figure 0007201598000012
の化合物の生成;
工程i)式(XII):
Figure 0007201598000013
[式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシである]の化合物の生成;
工程j)式(I):
Figure 0007201598000014
[式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシである]の化合物の加水分解を介した式(I)の化合物の生成;
工程k)式(XV):
Figure 0007201598000015
[式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシであり;酸は、D-グルタミン酸、L-マンデル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフト酸、クエン酸、4-アミノサリチル酸、L-酒石酸、馬尿酸、マロン酸、グルタル酸、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、4-アミノ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、L-リンゴ酸、サリチル酸、マレイン酸、(1S,3R)-(-)-カンファー酸、パモ酸、ムコ酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びラクトビオン酸より選択される]の化合物の生成;
工程l)式(XV)の化合物からの解離を介した式(I):
Figure 0007201598000016
[式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシである]の化合物の生成。
本発明の別の態様は、式(Ia)の化合物も、ラセミの出発材料を用いてスキーム1と同様に合成し得ることである。
本発明の製造工程についての詳しい記載は、以下の通りである:
工程a)化合物(III)の生成。
化合物(III)は、好適な溶媒中の好適な塩基の存在下にスルホン化試薬を用いて合成される。
好適な溶媒は、DCM、CHCl、ベンゼン、THF、2-MeTHF、フルオロベンゼン、ピリジン、トルエン、及びキシレンより選択され;特に、好適な溶媒は、トルエンである。
好適な塩基は、TEA、DIPEA、TMPH、MeCyN、NMM、ピリジン、KCO、NaCO、及びCsCOより選択され;特に、好適な塩基は、ピリジンである。
スルホン化試薬は、無水アルキルスルホン酸、塩化アルキルスルホン酸、無水アリールスルホン酸、及び塩化アリールスルホン酸より選択され、具体的には、無水メタンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸無水物、及びTfOより選択され;特にスルホン化試薬は、TfOである。
この反応は、-40℃~25℃で、特に0℃~10℃で実施される。
工程b)化合物(IV)の生成。
化合物(IV)は、好適な溶媒において還元試薬を用いて合成される。
好適な溶媒は、ベンゼン、THF、2-MeTHF、フルオロベンゼン、キシレン、及びトルエンより選択され;特に溶媒は、トルエンである。
還元試薬は、ホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化リチウム、シアノホウ水素化ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、及びホウ水素化テトラアルキルアンモニウム(nBuNBHのような)、LAH、Red-Al、Pd/Cやラネーニッケル(Raney Nickle)での水素化より選択され;特に還元試薬は、nBuNBHである。
この反応は、-20℃~100℃で、特に、65℃~75℃で実施される。
本発明では、工程a)と工程b)を短縮化する(telescope)ために工程a)の溶媒としてトルエンを使用する。化合物(III)のトルエン溶液をBuNBH溶液中へ加える手順は、工程b)の反応温度をより高い収率とより少ない副生成物を伴って制御することが容易であるように設計される。
工程c)化合物(V)の生成。
化合物(V)は、好適な酸の存在下に、そして好適な溶媒中で合成される。
好適な溶媒は、水、メタノールと水の混合物、エタノールと水の混合物、及びCANと水の混合物より選択され;特に溶媒は、メタノールと水の混合物である。
好適な酸は、HCl、HSO、HPO、MSA、TFA、HCOOH、酢酸、及びルイス(Lewis)酸(ヨウ素のような)より選択され、特に酸は、HSOである。
この反応は、-5℃~50℃で、特に5℃~15℃で実施される。
工程d)化合物(VI)の生成。
化合物(VI)は、好適な塩基の存在下に、好適なアシル化試薬と好適な溶媒中の触媒を用いて合成される。
好適なアシル化試薬は、無水アルキルアシル、塩化アルキルアシル、塩化アリールアシルより選択され、具体的には、塩化イソブチリル、塩化アセチル、塩化メチルベンゾイル、及び塩化ベンゾイルより選択され;特にアシル化試薬は、塩化ベンゾイルである。アシル化試薬の量は、1.0~2.0当量、特に1.4~1.5当量である。
好適な触媒は、DMAP、MgCl、及びBuSnOより選択され;特に触媒は、BuSnOである。触媒の量は、0.001~0.2当量であり、特に0.05当量である。
先行技術(例、Carbohydrate Research; 261 (1994); 149-156)では、溶媒としてピリジンを使用するが、これはきわめて有毒性で、後処理が難しい。今回の工程で使用するDCMは、より環境に優しくて、操作がスケールアップに適している。
工程d)では、高い変換と高い選択性をともに達成するために、触媒選択がきわめて重要である。この工程に塩基(TEAのような)しか存在しなければ、この反応は、低い変換と乏しい選択性(所望生成物:ビス保護化副生成物=11:1)をもたらすだろう。DMAPは、触媒として変換を改善し得る(>90%)が、乏しい選択性(所望生成物:ビス保護化副生成物=3:2)が依然として予測される。驚くべきことに、触媒として役立つBuSnOは、ほとんど完全な変化を有意に増加した選択性(所望生成物:ビス保護化副生成物>97:3)でもたらすことが見出されている。
好適な溶媒は、DCM、CHCl、THF、2-MeTHF、トルエン、及びキシレンより選択され;特に溶媒は、DCMである。
好適な塩基は、TEA、DIPEA、NMM、ピリジン、NaCO、及びKCOより選択され;特に塩基は、DCMである。
この反応は、-20℃~45℃で、特に0℃~10℃で実施される。
工程e)化合物(VII)の生成。
化合物(VII)は、好適な溶媒中の好適なスルホン化試薬と好適な塩基の存在下に合成される。
スルホン化試薬は、無水アルキルスルホン酸、塩化アルキルスルホン酸、無水アリールスルホン酸、及び塩化アリールスルホン酸より選択され、具体的には、無水メタンスルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸無水物、MsCl、及びTfOより選択され;特にスルホン化試薬は、MsClである。
好適な溶媒は、DCM、CHCl、ベンゼン、THF、2-MeTHF、フルオロベンゼン、ピリジン、及びトルエンより選択され;特に溶媒は、トルエンである。
好適な塩基は、TEA、DIPEA、TMPH、MeCyN、NMM、ピリジン、KCO、NaCO、及びCsCOより選択され;特に、好適な塩基は、TEAである。
この反応は、-10℃~25℃で、特に0℃~5℃で実施される。
工程f)化合物(VIII)の生成。
化合物(VIII)は、好適な溶媒中の好適な塩基の存在下に合成される。
好適な塩基は、NaOH、KOH、MeONa、MeOK、t-BuOK、及びt-BuONaより選択され;特に塩基は、MeONaである。
好適な溶媒は、DCMとメタノールの混合物、DCMとエタノールの混合物、及びTHFとメタノールの混合物より選択され;特に溶媒は、DCMとメタノールの混合物である。
この反応は、-10℃~25℃で、特に10℃~15℃で実施される。
工程g)化合物(IX)の生成。
式(IX)の化合物は、触媒と好適なグリニャール(Grignard)試薬の存在下に合成される。
グリニャール試薬は、MeMgCl、MeMgBr、及びMeMgIより選択され;特にグリニャール試薬は、MeMgClである。グリニャール試薬は、-70℃~30℃で、特に-5℃~0℃で添加される。
好適な触媒は、CuCl、CuI、及びCuBrより選択され、特に触媒は、CuClであり、その量は、0.05~0.5当量であり、特に0.05当量である。
工程h)式(X)の化合物の生成。
式(X)の化合物は、好適な溶媒中の好適な酸と好適なアシル化試薬の存在下に合成される。
好適なアシル化試薬は、無水アルキルアシル、塩化アルキルアシル、塩化アリールアシルより選択され、具体的には、AcCl、AcOより選択され;特にアシル化試薬は、AcOである。
酸は、TfOH、MSA、TFA、HSO、及びAcOHとHSOの混合物より選択され;特に酸は、AcOHとHSOの混合物であり、それは、AcOH中1~10重量% HSO溶液、特にAcOH中4重量% HSO溶液である。
溶媒は、DCM、CHCl、2-MeTHF、トルエン、IPAc、及びEtOAcより選択され;特に溶媒は、EtOAcである。
この反応は、-10℃~50℃で、特に0℃~40℃で実施される。
先行技術(例、US2016/0194350)では、この変換が2工程の方法により達成された。第一工程は、非保護化二級アルコールの保護化であって、第二工程は、このビスアルコールの脱保護化に続く、アセチル基でのその場での(in-situ)保護化である。同様の反応ではDCMが溶媒として使用されるが、より多くの不純物が生成される。本発明の工程h)において使用される溶媒としてのEtOAcは、驚くべきことに、上記の課題に対処し得て、より明確な反応と容易な後処理をもたらす。
工程i)式(XII)の化合物の生成
式(XVI)の化合物は、好適な溶媒中の好適な酸の存在下に合成される。
好適なルイス酸は、TMSOTf、TMSI、及びHIより選択され、特にこの酸は、TMSOTfであり、その量は、0.05~1.2当量、特に0.05当量である。
好適な溶媒は、DCM、CHCl、ベンゼン、THF、2-MeTHF、フルオロベンゼン、キシレン、2,4-ジオキサン、及びトルエンより選択され;特に溶媒は、トルエンである。
工程j)式(I)の化合物の加水分解による式(I)の化合物の生成。
式(I)の化合物は、好適な溶媒中の好適な塩基の存在下に相転移触媒の有り無しで合成される。
好適な塩基は、NaOH、KOH、MeONa、MeOK、KCO、及びNH・HOより選択され;特に塩基は、KCOである。
この反応は、メタノール、エタノール、メタノールとエタノールの混合物、THFとメタノールの混合物、及び2-MeTHFとメタノールの混合物より選択される溶媒中で実施され;特に溶媒は、2-MeTHFとメタノールの混合物である。混合溶媒の比は、1:1、1:2、1:5、1:10、10:1、5:1、及び2:1より選択され、特に2-MeTHFとメタノールの混合溶媒の比は、5:1である。
相転移触媒は、PEG-200、PEG-400、及びPEG-600より選択され;特に相転移触媒は、PEG-400である。
この反応は、0℃~45℃で、特に25℃~35℃で実施される。
工程k)式(XV)の化合物の生成
式(XV)の化合物は、好適な有機溶媒中の好適な酸の存在下に合成される。
好適な酸は、D-グルタミン酸、L-マンデル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフト酸、クエン酸、4-アミノサリチル酸、L-酒石酸、馬尿酸、マロン酸、グルタル酸、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、4-アミノ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、L-リンゴ酸、サリチル酸、マレイン酸、(1S,3R)-(-)-カンファー酸、パモ酸、ムコ酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びラクトビオン酸より選択され;特に酸は、1-ヒドロキシ-2-ナフト酸、クエン酸、4-アミノサリチル酸、L-酒石酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸より選択され;より特に、酸は、クエン酸である。
好適な溶媒は、MeOH、EtOH、n-プロパノール、IPA、MeCN、アセトン、THF、トルエンより選択され;特に溶媒は、MeCNである。式(XV)の化合物の純度を向上させるために、溶媒へ添加剤を添加し得て、ここで添加剤は水であって、溶媒に対する容量比(V(水)/V(溶媒))は、0.005~0.015であり、特に0.005である。
工程k)は、純度向上に関して、この方法全体にとってきわめて重要である。本発明では、工程h)、i)、及びj)が固形物の単離を伴うことなく短縮される。式(I)の粗製化合物の典型的な純度は、75~90%付近である。様々な精製法及び単離法を試みた。沈殿を生じないか又は沈殿を低収率でもたらす様々な条件の下で式(I)の粗製化合物の直接結晶化を試みた。粗製化合物の純度を90~95%まで高めるシリコーンゲルカラム精製に結晶化を続けると受容し得る収率をもたらすが、この方法は、工学規模の製造に不適である。最後に、慎重に選択した酸(クエン酸のような)及び溶媒系(水とCHCN、V(水)/V(MeCN)=0.005のような)での式(XV)の化合物の生成は、驚くべきことに、工学規模の製造にとって効率的で信頼し得る方法をもたらす。本発明の工程k)において設計される溶媒系は、高い収率と不純物への良好なパージ効果をもたらす。
工程l)式(XV)の化合物からの解離による式(I)の化合物の生成。
式(I)の化合物は、この工程において、好適な溶媒中の好適な塩基の存在下での解離反応に続く再結晶法により合成される。
解離反応において使用される好適な塩基は、NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、NaOH、及びKOHより選択され;特に塩基は、NaCOである。
解離反応において使用される好適な溶媒は、IPAc、EtOAc、MTBE、トルエン、THF、2-MeTHFより選択され;特に溶媒は、IPAcである。
再結晶は、好適な溶媒において、20℃~70℃で、特に40℃~50℃で、2~48時間、特に19時間実施される。
再結晶法において使用される好適な溶媒は、水と有機溶媒の混合物であって、ここで有機溶媒は、MeOH、EtOH、及びn-プロパノールより選択され、特に有機溶媒は、EtOHである。有機溶媒の水中の好適な重量百分率(重量%)は、0~30重量%であり、特に7.8重量%である。
別の態様において、再結晶法において使用される好適な溶媒は、極性有機溶媒と非極性有機溶媒の混合物であり;ここで極性有機溶媒は、MeOH、EtOH、n-プロパノール、及びn-ブタノールより選択され;非極性有機溶媒は、n-ヘプタンとn-ヘキサンより選択され;特に再結晶法において使用される溶媒は、n-プロパノールとn-ヘプタンの混合物である。極性溶媒の溶媒混合物中の好適な重量百分率は、0~80重量%、特に60~75重量%であり、より特に、60重量%である。
本発明は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解されよう。しかしながら、それらは、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。
実施例1
トリフルオロメタンスルホン酸[(3aR,5R,6S,6aR)-5-[(4R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-6-イル](化合物III)
Figure 0007201598000017
1500Lのガラス内張り反応機へ(3aR,5S,6S,6aR)-5-[(4R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-6-オール(化合物(II)、60.0kg,231モル)、トルエン(600L)、及びピリジン(36.4kg,460モル)を5℃~15℃で入れた。0℃~10℃へ冷却後、この反応混合物にTfO(78.0kg,276モル)を0℃~10℃で2時間にわたって滴下して、0℃~10℃でさらに4時間撹拌した。次いで、水(180L)を0℃~10℃でゆっくり加えることによってこの反応物をクエンチした。相分離の後で、有機相を10% AcOH(240L,3回)、飽和NaHCO(240L,2回)、及び水(180L)で洗浄し、NaSO(60kg)で4時間乾燥させた。固形物を真空濾過によって除去して、この湿潤ケークをトルエン(30L)で洗浄した。合わせた有機相(溶液A)をさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例2
(3aR,5S,6aR)-5-[(4R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール(化合物(IV))
Figure 0007201598000018
3000Lのガラス内張り反応機へnBuNBH(119kg,462モル)とトルエン(240L)を5℃~15℃で入れた。65℃~75℃まで加熱した後で、反応温度を65℃~75℃で制御しながら、この反応混合物へ先の工程からの溶液Aを滴下した。添加後、この反応混合物を65℃~75℃で8時間撹拌してから、0℃~10℃へ冷やし、混合物温度を0℃~10℃で制御しながら水(600L)をゆっくり加えることによってクエンチした。次いで、生じる混合物を0℃~10℃でさらに1時間撹拌した。相分離の後で、水相を1:1 トルエン/n-ヘプタン(600L,2回)で抽出した。合わせた有機相を20% NaCl水溶液(200L)で洗浄してから濃縮するとオイル(64.0kg;検定結果に基づくと、50.4kgの化合物(IV))を生成し、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例3
(1R)-1-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]エタン-1,2-ジオール(化合物(V))
Figure 0007201598000019
3000Lのガラス内張り反応機へ(3aR,5S,6aR)-5-[(4R)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール(化合物(IV),64.0kg(粗製)、重量検定によれば50.4kg,206モル)とメタノール(830L)を5℃~15℃で入れた。次いで、反応温度を5℃~15℃で制御しながら、この反応混合物へ0.8% HSO水溶液(224L)を加えた。添加後、この反応混合物を25℃~30℃まで加熱して、この温度で16時間撹拌してから10℃~20℃へ冷やして、2N NaOH溶液(約20kg)を加えることによってクエンチして、pH=7~8へ調整した。この反応混合物を濃縮してすべての揮発物質を除去して、残存した残渣へをDCM(900kg)加えて、生じる有機溶液をNaSO(250kg)で8時間乾燥させた。固形物を真空濾過によって除去して、溶液(重量検定によれば、34.1kgの化合物(V))をさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例4
安息香酸[(2R)-2-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]-2-ヒドロキシ-エチル](化合物(VI))
Figure 0007201598000020
1500Lのガラス内張り反応機へDCM溶液中の(1R)-1-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]エタン-1,2-ジオール(化合物(V),重量検定によれば、63.9kg、313モル)、TEA(47.5kg,318モル)、及びBuSnO(3.9kg,15.7モル、0.05当量)を入れた。-10℃~0℃へ冷やした後で、この反応混合物にBzCl(61.8kg,440モル、1.4当量)を-10℃~0℃で滴下して加えてから、0℃~10℃で1時間撹拌した。水(50L)を-10℃~15℃でゆっくり加えることによってこの反応物をクエンチしてから、2N HCl水溶液(約9L)で中和して-10℃~15℃でpH=6~7へ調整して、20分間撹拌した。相分離の後で、有機相を飽和NaHCO(100L)と20% NaCl(100L)で洗浄した。生じる有機相をNaSO(25kg)で8時間乾燥させた。この反応混合物をセライトのパッド(20kg)に通して濾過して、この有機溶液を真空下に濃縮してすべての揮発物質を除去した。生じる粗製混合物をEtOAc(128L)とn-ヘプタン(512L)に15℃~25℃で懸濁してから50℃まで加熱して、2時間撹拌した。次いで、この反応混合物を2時間にわたって10℃~20℃へ冷やして、この温度で1時間撹拌した。この懸濁液を遠心分離によって分離して、湿潤ケークを真空オーブン(30mmHg,50℃)中で18時間乾燥させて、化合物(V)(66.5kg,収率69.0%)を得た。
化合物(VI):1H NMR (400 MHz, DMSO) δ ppm: 8.05-8.08 (m, 2H), 7.61 (m, 1H), 7.46 (m, 2H), 5.85 (d, J = 3.60 Hz, 1H), 4.80 (t, J = 4.20 Hz, 1H), 4.47-4.52 (dd, J = 11.40, 3.60 Hz, 1H), 4.32-4.39 (m, 2H), 4.21-4.26 (m, 1H), 2.53 (br.s., 1H), 2.11-2.17 (dd, J = 13.20, 4.50 Hz, 1H), 1.92-2.02 (m, 1H), 1.53 (s, 3H), 1.34 (s, 3H)。
実施例5
安息香酸[(2R)-2-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]-2-ヒドロキシ-エチル](化合物(VII))
Figure 0007201598000021
300Lのガラス内張り反応機へ安息香酸[(2R)-2-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]-2-ヒドロキシ-エチル](化合物(VI),25kg,81.1モル)、DCM(250L)、DMAP(198g,1.62モル)、及びTEA(12.3kg,82.4モル)を入れた。0℃~5℃へ冷やした後で、この反応混合物にMsCl(11.2kg,97.8モル)を0℃~5℃で2時間にわたって加えてから、0℃~5℃で1時間撹拌した。次いで水(50kg)を0℃~10℃で加えることによってこの反応物をクエンチした。次いで、この反応混合物に1N HCl(約12L)を加えてpH=5~6へ調整して、20分間撹拌した。相分離の後で、有機相を飽和NaHCO(50L)と20% NaCl(50L)で洗浄した。生じる有機相をNaSO(20kg)で2時間乾燥させた。固形物を真空濾過によって除去して、この有機溶液をさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例6
(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-5-[(2S)-オキシラン-2-イル]-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール(化合物(VIII))
Figure 0007201598000022
300Lのガラス内張り反応機へMeOH(50L)とNaOMe(9.8kg,181モル)を入れた。5℃~10℃へ冷やした後で、この反応混合物に最終工程由来の安息香酸[(2R)-2-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]-2-ヒドロキシ-エチル](化合物(VII))のDCM溶液を5℃~10℃で滴下して入れた。この反応混合物を10℃~15℃で2時間撹拌してから、水(100L)を加えることによってクエンチした。相分離の後で、水相をDCM(50L)で抽出して、合わせた有機相を20% NaCl(50L)で洗浄してから真空下に濃縮して、すべての揮発物質を除去した。次いで、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製して、粗製化合物(VIII)(8.4kg)を得た。次いでこの粗製化合物(VIII)をn-ヘプタン(5L)に懸濁した。真空濾過の後で湿潤ケークを真空下に8時間乾燥させて、化合物(VIII)(7.76kg,収率51%)を得た。この反応時間と温度は、この工程にとってきわめて重要であり、それ以外ではエポキシドのメトキシ付加物を生成する過剰反応が起きてしまう。
化合物(VIII):1H NMR: (300 MHz, CDCl3) δ ppm: 5.87 (d, J = 3.76 Hz, 1H), 4.77 (t, J = 4.00 Hz, 1H), 4.20-4.28 (m, 1H), 3.14-3.20 (m, 1H), 2.83-2.88 (m, 1H), 2.63 (dd, J = 5.00, 2.80 Hz, 1H), 2.09 (dd, J = 12.00, 4.00 Hz, 1H), 1.69-1.79 (m, 1H), 1.52 (s, 3H), 1.34 (s, 3H)。
実施例7
(1S)-1-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]プロパン-1-オール(化合物(IX))
Figure 0007201598000023
300Lのガラス内張り反応機へCuCl(520g,5.25モル、0.05当量)とTHF(71kg)を入れた。-5℃~0℃へ冷やした後で、この反応混合物にTHF中3N MeMgCl溶液(46kg)を-5℃~0℃で滴下して入れてから、-5℃~0℃で30分間撹拌した。次いで、(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-5-[(2S)-オキシラン-2-イル]-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール(化合物(VIII),19.3kg,104モル)のTHF(71kg)溶液を0℃~10℃でゆっくり加えた。この反応混合物を0℃~10℃で1時間撹拌してから、NHCl水溶液(121.15kgの水中13.5kg)を含有する1000Lのガラス内張り反応機の中へ0℃~5℃で2時間にわたって加え、EtOAc(90kg)で2回抽出した。合わせた有機相を5%NH・HO水溶液(7.5kg)、5% NH・HO水溶液(2.5kg)、及び15.6% NaCl水溶液(30kg)で2回洗浄した。次いで、有機相を真空下に濃縮して、すべての揮発物質を除去した。次いで、この残渣へn-ヘプタン(5.13kg)を加えて、生じる混合物を50℃で30分間撹拌すると澄明な溶液が生成し、これを4時間にわたって20℃~30℃へゆっくり冷やしてから、2時間にわたってさらに0℃~5℃へ冷やした。この反応混合物を0℃~5℃で30分間撹拌してから固形物を真空濾過によって除去して、湿潤ケークを真空オーブン(約30mmHg,50℃)中で6時間乾燥させて、化合物(IX)(4.77kg,収率87.8%)を得た。
化合物(IX):1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm: 5.83 (d, J = 3.76 Hz, 1H), 4.81-4.73 (m, 1H), 4.26-4.19 (m, 1H), 3.91-3.82 (m, 1H), 2.08-2.02 (m, 1H), 1.93-1.89 (m, 1H), 1.54 (s, 3H), 1.49-1.39 (m, 2H), 1.34 (s, 3H), 1.02 (t, J = 7.53 Hz, 3H)。
実施例8
[(3R,5S)-5-[(1S)-1-アセトキシプロピル]-3-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]アセテート(化合物(Xa))
Figure 0007201598000024
500Lのガラス内張り反応機へ(1S)-1-[(3aR,5S,6aR)-2,2-ジメチル-3a,5,6,6a-テトラヒドロフロ[2,3-d][1,3]ジオキソール-5-イル]プロパン-1-オール(14.8kg,73.2モル)とEtOAc(72.3kg)を入れた。この反応混合物を30℃~35℃で30分間撹拌してから、60分にわたって0℃~10℃へ冷やした。次いで、AcO(26.9kg,263モル)と予め混合したHSOのAcOH溶液(8.90kgのAcOH中0.356kgのHSO、又はAcOH中4重量% HSO)を0℃~10℃で加えた。この反応混合物を0℃~10℃でさらに30分間撹拌してから35℃~40℃まで加熱して、この温度で2時間維持した。この反応混合物を0℃~10℃へ冷やして、混合物温度を10℃~20℃で制御しながら20% NaCO水溶液(50L)をゆっくり加えることによってクエンチした。相分離の後で、水相をEtOAc(15L,2回)よって抽出した。合わせた有機相を15.6% NaCl水溶液(10L,2回)で洗浄してから濃縮してオイル(7.0kg(検定によれば5.74kgの化合物(Xa)))を生成し、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例9
[(2R,3R,5S)-5-[(1S)-1-アセトキシプロピル]-2-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-3-イル]アセテート(化合物(XIIa))
Figure 0007201598000025
500Lのガラス内張り反応機へ5-アミノ-3H-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2-オン(8.74kg,52.0モル、0.94当量)とトルエン(75.7kg)を入れた。この反応混合物を110℃まで加熱して、いくらかのトルエン(37.9kg)を除去した。75℃~80℃へ冷やした後で、この反応混合物へBSA(25.6kg,126モル、2.3当量)を40分間にわたって加えた。次いで、この反応混合物を75℃~80℃で2時間撹拌してからTMSOTf(1.12kg,5.04モル、0.05当量))を加え、続いて温度を75℃~80℃に保ちながら、[(3R,5S)-5-[(1S)-1-アセトキシプロピル]-3-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]アセテート(15.97kg,55.4モル)のトルエン(47kg)溶液を45分にわたって加えた。この反応混合物を75℃~80℃で6.5時間撹拌してから0℃~10℃へ冷やして、0℃~10℃で水(152.4kg)を加えることによってクエンチし、IPAc(77.4kg)の添加を続けた。相分離の後で、水相をIPAc(38.7kg)で再び抽出した。合わせた有機相を水(42.6kg)、15.6% NaCl水溶液(42.6kg)で洗浄して、真空で濃縮した。残渣を2-MeTHF(10.0kg)に溶かしてから再び濃縮し、この方法を1回繰り返した。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例10
[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(化合物(Ib))
Figure 0007201598000026
100Lのジャケット付きガラス反応機へ最終工程からの[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(化合物(XII),8.80kg,22.2モル)の2-MeTHF(6.12kg)溶液、2-MeTHF(35.66kg)、粉末KCO(12.47kg,90.2モル)、PEG-400(0.895kg)、及びMeOH(6.97kg)を入れた。この反応混合物を30℃~35℃で11時間撹拌して、固形物を真空濾過により除去した。湿潤ケークをIPAc(20.2kg)で洗浄して、合わせた濾液を水(10kg)、15.6% NaCl水溶液(10kg)で洗浄した。有機相を真空下に濃縮してすべての揮発物質を除去して、残渣をMeCN(69.5kg)に溶かした。生じる混合物をさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例11
[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート・クエン酸(化合物(XVa))
Figure 0007201598000027
実施例10の最終工程からの混合物を45℃~52℃まで加熱して、45℃~52℃で30分間撹拌した。次いで、この混合物にクエン酸一水和物(4.67kg,22.2モル)と水(0.440kg,V(水)/V(MeCN)=0.005)を加えた。生じる混合物を45℃~52℃で4時間撹拌してから、10時間にわたって0℃へ冷やした。固形物を遠心分離によって分離して、湿潤ケークをMeCN(1.0kg)で洗浄して、真空オーブン(30mmHg,40℃)において32時間乾燥させて、化合物(XVa)(9.04kg,収率74.5%)を得た。化合物(XVa)の化合物(Ib)とクエン酸の比は、NMRデータに基づくと、1:1であった。
化合物(XVa):1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ ppm: 8.34 (s, 1H), 6.91 (br. s., 2H), 5.82 (s, 1H), 5.46-5.58 (m, 1H), 4.70-4.82 (m, 2H), 4.14-4.23 (m, 1H), 2.60-2.80 (m, 4H), 2.42-2.48 (m, 1H), 1.98 (s, 3H), 1.78-1.88 (m, 1H), 1.55-1.70 (m, 1H), 1.34-1.49 (m, 1H), 0.82 (t, J = 7.40 Hz, 3H). MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 355。
実施例12
式(XV)の化合物の酸のスクリーニング
式(XV)の化合物又は化合物(XVa)の生成は、式(I)又は(Ia)の化合物のスケールアップと品質管理に必須であって、これには、最適化された化合物の回収及び品質を達成するために、酸と溶媒系の選択についての総合的な設計が求められる。
初期スクリーニング:
2mLのCrystal-16(Technobis Crystal-16)バイアルへ[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル](20mg,0.056ミリモル)、酸(1.0当量)、及び有機溶媒(200μL)を加えた。この混合物を50℃まで加熱してから、0.2℃/分の一定冷却速度で10℃へゆっくり冷やした。この懸濁液を遠心分離によって分離した。この結果を表1に要約した。
表1.MeCN中での化合物(XVa)スクリーニング
Figure 0007201598000028
上記のデータに基づくと、この反応混合物は、アセトン中でより高い溶解度を有する。そこで、純度分析を伴うさらなるスケールアップのために、MeCN中のクエン酸とMeCN中の1-ヒドロキシ-2-ナフト酸を用いた化合物(XVa)の生成を選択した。
10mLのEasy-Max試験管反応器(Mettler-Toledo EasyMax)へ[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル](250mg,純度91.66%,0.80ミリモル)、酸(1.0当量)、及びMeCN(2.5mL)を入れた。この混合物を50℃まで加熱してから、0.2℃/分の一定冷却速度で-10℃へゆっくり冷やした。懸濁液が生成したならば、固形物を真空濾過によって単離して、純度をUPLCによって検定した。この結果を表3に要約する。
表3.式(XV)の化合物の生成についての最適化
Figure 0007201598000029
表3のデータに基づいて、MeCN中のクエン酸を用いて化合物(XV)を生成する実験条件について、溶媒量を増やして再び試験した。
250mLの丸底フラスコへ[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル](5.10g,16.3ミリモル、純度91.66%)、クエン酸一水和物(2.82g,14.7ミリモル)、及びMeCN(102mL)を入れた。この混合物を室温で一晩撹拌した。固形物を真空濾過によって単離して、この湿潤ケークを真空オーブンにおいて40℃で一晩乾燥させて、8.9g(収率68.8%,純度97.31%)の白色の固形物を得た。
上記の結果に基づいて、生成物純度をさらに向上させることに集中した、さらなる最適化を実施した。生成物の純度及び回収に影響を及ぼすために共溶媒としての水の添加を使用して、別の試験を行って、異なる水分含量のプロセス影響(process impact)について分析した。
500mLの丸底フラスコへ[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル](10.0g,純度86.72%,32.0ミリモル)、クエン酸一水和物(5.83g,27.8ミリモル)、MeCN(200mL)、及び水(表4参照)を入れた。この混合物を50℃まで加熱してから、0.2℃/分の一定冷却速度で-10℃へゆっくり冷やした。懸濁液が生成したならば、固形物を真空濾過によって単離して、この湿潤ケークを真空オーブンにおいて50℃で24時間乾燥させて、生成物を得た。この結果を表4に要約した。
表4.水分効果の試験
Figure 0007201598000030
以下の工程にさらに2回の再結晶操作があるので、この工程では、より高い回収が好ましい。上記の結果に基づいて、20容量のMeCNと0.1容量の水中に0.9当量のクエン酸一水和物を加えることによる化合物(XVa)の生成をスケールアップ用に選択した。
実施例13
化合物(XVa)の解離からの[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(化合物(Ib))の製造
Figure 0007201598000031
50Lのジャケット付きガラス反応機へNaCO(0.819kg,7.73モル)と水(19.8kg)を入れた。この混合物を20℃~30℃で30分間撹拌してから、IPAc(18.2kg)と[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート・クエン酸(3.0kg,5.49モル)を加えた。この反応混合物を20℃~30℃でさらに3時間撹拌した。相分離の後で、有機相を飽和NaCO水溶液(20.2kg)、水(20.0kg)、飽和NaCl水溶液(21.7kg)で洗浄した。このような抽出を2回繰り返した。この有機溶液を真空下に濃縮して揮発物質を除去して粗製溶液(13.04kg)を得て、次いでこれへIPAc(6.05kg)を加えた。次いで、この反応混合物を40℃~50℃まで加熱して1時間撹拌し、続いてn-ヘプタン(8.05kg)をゆっくり添加して、生じる混合物を40℃~50℃でさらに12時間撹拌した。4時間にわたって0℃~10℃へゆっくり冷やして0℃~10℃で30分間撹拌した後で、n-ヘプタン(10.1kg)を加えて、生じる混合物を0℃~10℃で2時間維持した。この懸濁液を真空濾過によって分離して、湿潤ケークをn-ヘプタン(6kg)で洗浄した。この湿潤ケークを真空オーブン(30mmHg,45℃)下に19時間乾燥させて、粗製化合物(Ib)(3.15kg)を得た。
50Lのジャケット付きガラス反応機へ水(35.65kg)、EtOH(3.00kg,水に対して7.8重量%)、及び粗製化合物(Ib)(3.15kg)を入れた。この混合物を40℃~50℃まで加熱して19時間撹拌した。次いで、4時間にわたって0℃~10℃へ冷やした後で、生成した懸濁液を真空濾過によって分離して、その湿潤ケークを水(5.00kg)で2回洗浄した。この湿潤ケークを真空オーブン(30mmHg,50℃)中に24時間乾燥させて、[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(2.76kg,純度99.43%,収率47.3%)を得た。
化合物(Ib):1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ ppm: 8.34 (s, 1H), 6.91 (br. s., 2H), 5.82 (s, 1H), 5.46-5.58 (m, 1H), 4.70-4.82 (m, 2H), 4.14-4.23 (m, 1H), 2.42-2.48 (m, 1H), 1.98 (s, 3H), 1.78-1.88 (m, 1H), 1.55-1.70 (m, 1H), 1.34-1.49 (m, 1H), 0.82 (t, J = 7.40 Hz, 3H). MS obsd. (ESI+) [(M+H)+]: 355。
実施例14
化合物(XVa)の解離からの[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(化合物(Ib))の代替製法
Figure 0007201598000032
1Lのジャケット付きガラス反応機へ炭酸ナトリウム(16.5g,155.1ミリモル)と水(395g)を入れた。この混合物を20℃~30℃で30分間撹拌してから、EtOAc(317.3g)と[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート・クエン酸(50g,91.45ミリモル)を加えた。この反応混合物を35~45℃でさらに2時間撹拌した。相分離の後で、有機相を飽和NaCl水溶液(185.5g)で洗浄した。二回目の相分離の後で、この有機相に対して、真空下の蒸留を行った。この蒸留の間、液体レベルを一定に保ちながら、n-プロパノール(325g)を少しずつ加えた。引き続き、140gの全量に達するまで、この反応混合物を真空下に濃縮した。大気圧で、この反応混合物を60~65℃まで加熱して、予熱した(60~65℃)n-ヘプタン(76.0g)を加えた。この澄明溶液を50~55℃へ冷やし、[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2-オキソ-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(0.51g)(結晶種物質として役立つ)の添加を続けた。温度は、50~55℃で4時間保った。その後、この懸濁液を5時間以内に0℃~5℃へ冷やして、0℃~5℃にさらに12時間保った。この懸濁液を真空濾過によって分離して、湿潤ケークをn-プロパノール(45.1g)とn-ヘプタン(30.2g)の混合物で洗浄してから真空オーブン(25ミリバール、50℃)中で16時間乾燥させて、化合物(Ib)(26.3g,純度99.8%,収率80.6%)を得た。
実施例15
[(2R,3R,5S)-5-[(1S)-1-アセトキシプロピル]-2-(5-アミノ-2,7-ジオキソ-6H-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)テトラヒドロフラン-3-イル]アセテート(化合物(XVII))
Figure 0007201598000033
250mLの丸底フラスコへ5-アミノ-3,6-ジヒドロチアゾロ[4,5-d]ピリミジン-2,7-ジオン(4.3g,22.9ミリモル)とトルエン(80.5g)を入れた。この反応混合物を110℃まで加熱して、いくらかのトルエン(50g)を除去した。75℃~80℃へ冷やした後で、この混合物へBSA(13.9kg,68.6ミリモル)を30分間にわたって加えた。次いで、この反応混合物を75℃~80℃で2時間撹拌してからTMSOTf(0.254g,1.14ミリモル、0.05当量))を加え、続いて温度を75℃~80℃に保ちながら、[(3R,5S)-2-アセトキシ-5-(1-アセトキシプロピル)テトラヒドロフラン-3-イル]アセテート(7.91g,27.4ミリモル)のトルエン(37.2g)溶液を30分にわたって加えた。この混合物を75℃~80℃で6.5時間撹拌してから0℃~10℃へ冷やして、0℃~10℃で水(38g)を加えることによってクエンチし、IPAc(35.0g)の添加を続けた。相分離の後で、水相をIPAc(35.0g)で抽出した。合わせた有機相を水(38.0g)、15.6% NaCl水溶液(40.5g)で洗浄して、真空で濃縮した。残渣を2-MeTHF(20.6g)に溶かしてから再び濃縮し、この方法を1回繰り返した。この粗生成物をさらに精製せずに次の工程に使用した。
実施例16
[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2,7-ジオキソ-6H-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(化合物(XVIII))
Figure 0007201598000034
250mLの丸底フラスコへ最終工程からの[(1S)-1-[(2S,4R,5R)-5-(5-アミノ-2,7-ジオキソ-6H-チアゾロ[4,5-d]ピリミジン-3-イル)-4-ヒドロキシ-テトラヒドロフラン-2-イル]プロピル]アセテート(6.0g,14.4ミリモル)の2-MeTHF(20.6g)溶液、2-MeTHF(32.6g)、粉末KCO(2.58g,18.7ミリモル)、PEG-400(0.06g)、及びMeOH(9.5g)を入れた。この反応混合物を20℃~25℃で20時間撹拌して、固形物を真空濾過により除去した。湿潤ケークをIPAc(28.0g)で洗浄して、合わせた濾液を水(45.0g)、15.6% NaCl水溶液(40.0g)で洗浄した。この有機相を真空下に濃縮してすべての揮発物質を除去して、DCM/MeOH 30/1(v/v)で溶出させるシリカゲルカラムによって残渣を精製した。この採取した画分を真空下に濃縮してすべての溶媒を除去して、化合物(XVIII)(2.5g,収率46.3%)を得た。

Claims (17)

  1. 式(I):
    Figure 0007201598000035
    [式中:
    は、H又はC1-6アルキルであり;
    は、H又はヒドロキシである]の化合物、又はその医薬的に許容されるエナンチオマー又はジアステレオマーの製造のための方法であって;
    以下の工程a)~l):
    工程a)化合物(III):
    Figure 0007201598000036
    の生成;
    工程b)化合物(IV):
    Figure 0007201598000037
    の生成;
    工程c)化合物(V):
    Figure 0007201598000038
    の生成;
    工程d)化合物(VI):
    Figure 0007201598000039
    の生成;
    工程e)化合物(VII):
    Figure 0007201598000040
    の生成;
    工程f)化合物(VIII):
    Figure 0007201598000041
    の生成;
    工程g)化合物(IX):
    Figure 0007201598000042
    の生成;
    工程h)式(X):
    Figure 0007201598000043
    の化合物の生成であって、ここでRは、H又はC1-6アルキルであり;
    工程i)式(XII):
    Figure 0007201598000044
    [式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシである]の化合物の生成;
    工程j)式(I):
    Figure 0007201598000045
    [式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシである]の化合物の加水分解を介した式(I)の化合物の生成;
    工程k)式(XV):
    Figure 0007201598000046
    [式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシであり;酸は、D-グルタミン酸、L-マンデル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフト酸、クエン酸、4-アミノサリチル酸、L-酒石酸、馬尿酸、マロン酸、グルタル酸、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、4-アミノ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、L-リンゴ酸、サリチル酸、マレイン酸、(1S,3R)-(-)-カンファー酸、パモ酸、ムコ酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びラクトビオン酸より選択される]の化合物の生成;
    工程l)式(XV)の化合物からの解離を介した式(I):
    Figure 0007201598000047
    [式中、Rは、H又はC1-6アルキルであり;Rは、H又はヒドロキシである]の化合物の生成を含んでなる、前記方法。
  2. 工程a)~工程l)からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)の化合物におけるRがメチルである化合物、又はその医薬的に許容されるエナンチオマー又はジアステレオマーである、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 式(XV):
    Figure 0007201598000048
    [式中、
    酸は、D-グルタミン酸、L-マンデル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフト酸、クエン酸、4-アミノサリチル酸、L-酒石酸、馬尿酸、マロン酸、グルタル酸、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、4-アミノ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、L-リンゴ酸、サリチル酸、マレイン酸、(1S,3R)-(-)-カンファー酸、パモ酸、ムコ酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びラクトビオン酸より選択され;
    は、H又はC1-6アルキルであり;
    は、H又はヒドロキシである]の化合物、又はその医薬的に許容されるエナンチオマー又はジアステレオマーの合成のための方法であって、
    請求項1に記載の工程a)~工程k)を含む前記方法。
  5. 化合物(XVa):
    Figure 0007201598000049
    又はその医薬的に許容されるエナンチオマー又はジアステレオマーの合成のための、請求項4に記載の方法。
  6. 工程d)における化合物(VI)の生成が塩基の存在下にアシル化試薬と触媒を用いて実施されることを特徴とし;ここで触媒は、DMAP、MgCl、及びBuSnOより選択される、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 触媒の量が0.001~0.2当量である、請求項6に記載の方法。
  8. 工程h)における式(X)の化合物の生成がアシル化試薬の存在下に溶媒中の酸を用いて実施されることを特徴とし;ここで溶媒は、DCM、CHCl、2-MeTHF、トルエン、IPAc、及びEtOAcより選択される、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程k)における式(XV)の化合物の生成が有機溶媒中の酸の存在下に実施されることを特徴とし;ここで酸は、D-グルタミン酸、L-マンデル酸、1-ヒドロキシ-2-ナフト酸、クエン酸、4-アミノサリチル酸、L-酒石酸、馬尿酸、マロン酸、グルタル酸、シュウ酸、フマル酸、コハク酸、4-アミノ安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、L-リンゴ酸、サリチル酸、マレイン酸、(1S,3R)-(-)-カンファー酸、パモ酸、ムコ酸、パルミチン酸、オレイン酸、及びラクトビオン酸より選択される、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 溶媒が、MeOH、EtOH、n-プロパノール、IPA、MeCN、アセトン、THF、トルエンより選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 溶媒が添加剤と共に加えられ;ここで添加剤は、水である、請求項10に記載の方法。
  12. 添加剤の溶媒に対する容量比(V(水)/V(溶媒))が0.005~0.015である、請求項11に記載の方法。
  13. 水のMeCNに対する容量比(V(水)/V(MeCN))が0.005~0.015である、請求項12に記載の方法。
  14. 工程l)における式(XV)の化合物からの解離による式(I)の化合物の生成が溶媒中の塩基の存在下に実施されて、再結晶法がそれに続くことを特徴とし;ここで再結晶法において使用される溶媒は、水と有機溶媒の混合物であり、ここで有機溶媒は、MeOH、EtOH、及びn-プロパノールより選択される、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 有機溶媒の水中重量百分率(重量%)が0~30重量%である、請求項14に記載の方法。
  16. 工程l)における式(XV)の化合物からの解離による式(I)の化合物の生成が溶媒中の塩基の存在下に実施されて、再結晶法がそれに続くことを特徴とし;ここで再結晶法において使用される溶媒は、極性有機溶媒と非極性有機溶媒の混合物であり;ここで極性有機溶媒は、MeOH、EtOH、n-プロパノール、及びn-ブタノールより選択され;非極性溶媒は、n-ヘプタンとn-ヘキサンより選択される、請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  17. 極性溶媒の溶媒混合物中の重量百分率が0~80重量%であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
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