JP2005206585A - プリンヌクレオシド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物及び2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】 3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させ、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得る。これを接触還元することで、2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得る。
【選択図】 なし
【解決手段】 3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させ、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得る。これを接触還元することで、2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得る。
【選択図】 なし
Description
本発明は、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物及び2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法に関し、更にはこれら化合物の製造に有用な中間体化合物に関する。
cycloD4G(特許文献1参照)に代表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物(以下、D4化合物と略称することがある。)及びDDIに代表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物(以下、DD化合物と略称することがある。)は抗エイズ薬等の医薬品として有用な化合物である。
例えば、D4化合物の製造方法としては、非特許文献1にプリンヌクレオシドのアセトキシブロモ体を亜鉛還元する方法が報告されている。しかしながら、この方法は化学両論量以上の金属亜鉛を投入する必要がある。亜鉛は反応終了後の反応液から除去するのが困難であり、かつ大量の廃亜鉛が副生するため、環境面で好ましい方法とは言えない。更に、非特許文献2にはプリンヌクレオシドの2’,3’−ジチオカルボニル体をラジカル還元する方法が報告されている。しかしながら、この方法はラジカル還元を行うために、水酸基の保護と脱保護を繰り返す必要があり、目的物の収率が大幅に低下するという問題があった。
本発明は、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物、及び2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させた場合、驚くべきことに、対応する2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物が一段階で高収率に得られることを見出し、本発明を完成させた。また該2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物は、二重結合を接触還元することにより対応する2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物に容易に誘導することができる。
[1] 式(1)
[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、Rはヒドロキシル基の保護基を示し、Bはプリン塩基を示す。]
で表される3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させることを特徴とする、式(2)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[2] 前記[1]記載の製造方法に従って式(2)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、これを接触還元すること特徴とする、式(3)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[3] 塩基が三級アミンである前記[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] 式(1’)
[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、Rはヒドロキシル基の保護基を示し、Bはプリン塩基を示す。]
で表される3’−デオキシ−3’β−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させることを特徴とする、式(2’)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[5] 前記4記載の製造方法に従って式(2’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、これを接触還元すること特徴とする、式(3’)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[6] 塩基が三級アミンである前記[4]又は[5]記載の製造方法。
[7] 式(1a)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシン。
[8] 式(2a)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシグアノシン。
[9] 式(1b)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド。
[10] 式(2b)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド。
[11]
前記1記載の製造方法に従って式(2)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(6)
[B’はプリン塩基を示す。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[12]
前記4記載の製造方法に従って式(2’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(6’)
[B’はプリン塩基を示す。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[13]
前記2記載の製造方法に従って式(3)で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(7)
[B’はプリン塩基を示す。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[14]
前記5記載の製造方法に従って式(3’)で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(7’)
[式中、Bは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、Rはヒドロキシル基の保護基を示し、Bはプリン塩基を示す。]
で表される3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させることを特徴とする、式(2)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[2] 前記[1]記載の製造方法に従って式(2)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、これを接触還元すること特徴とする、式(3)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[3] 塩基が三級アミンである前記[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] 式(1’)
[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、Rはヒドロキシル基の保護基を示し、Bはプリン塩基を示す。]
で表される3’−デオキシ−3’β−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させることを特徴とする、式(2’)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[5] 前記4記載の製造方法に従って式(2’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、これを接触還元すること特徴とする、式(3’)
[式中、R及びBは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[6] 塩基が三級アミンである前記[4]又は[5]記載の製造方法。
[7] 式(1a)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシン。
[8] 式(2a)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシグアノシン。
[9] 式(1b)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド。
[10] 式(2b)
[Acはアセチル基を示す。]
で表されるN2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド。
[11]
前記1記載の製造方法に従って式(2)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(6)
[B’はプリン塩基を示す。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[12]
前記4記載の製造方法に従って式(2’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(6’)
[B’はプリン塩基を示す。]
で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[13]
前記2記載の製造方法に従って式(3)で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(7)
[B’はプリン塩基を示す。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
[14]
前記5記載の製造方法に従って式(3’)で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を得た後、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことを特徴とする、式(7’)
[式中、Bは前記と同義である。]
で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法。
本発明によれば、医薬品またはその中間体として有用な、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物、及び2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物を効率的に製造することが可能である。
本発明における式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、Rはヒドロキシル基の保護基を示し、Bはプリン塩基を示す。
ヒドロキシル基の保護基としては、特に限定されず、例えば、アシル基、アルキル基、アラルキル基、シリル基等が挙げられる。アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等の炭素数1〜7のアシル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜7のアルキル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基等の炭素数7〜22のアラルキル基が挙げられる。シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の3置換シリル基が挙げられる。その他、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、ベンジルオキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、メトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の水酸基の保護基を使用することができる。好ましいヒドロキシ基の保護基としては、アセチル基、ベンゾイル基、ベンジル基、トリチル基が挙げられ、アセチル基が特に好ましい。
プリン塩基としては、下式(4)で表されるプリン塩基を挙げることができる。
[式中、Y及びZは同一でも異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいヒドロキシル基、ハロゲン原子、水素原子を示す。]
[式中、Y及びZは同一でも異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいヒドロキシル基、ハロゲン原子、水素原子を示す。]
アミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アラルキル基、アシル基、カルバモイル基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基、4,4’−ジメトキシトリチル基等の炭素数7〜22のアラルキル基が挙げられる。アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等の炭素数1〜10のアシル基が挙げられる。カルバモイル基としては、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、メトキシカルボニル基が挙げられる。
ヒドロキシル基が置換基を有する場合の置換基としては、前述したヒドロキシル基の保護基と同じものを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
プリン塩基として、具体的には、プリン、アデニン、グアニン、N−アセチルグアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、6−メチルアミノプリン、6−ジメチルアミノプリン、6−トリフルオロメチルアミノプリン、6−シクロプロピルアミノプリン、6−ベンゾイルアミノプリン、6−アセチルアミノプリン、6−メトキシプリン、6−アセトキシプリン、6−ベンゾイルオキシプリン、6−メチルプリン、6−エチルプリン、6−トリフルオロメチルプリン、6−フェニルプリン、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、6−アミノプリン−1−オキシド、6−ヒドロキシプリン−1−オキシド、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アセチルアミノ−6−クロロプリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−メルカプトプリン、2−アミノ−6−メチルメルカプトプリン、2−アミノ−6−ヒドロキシアミノプリン、2−アミノ−6−メトキシプリン、2−アミノ−6−ベンゾイルオキシプリン、2−アミノ−6−アセトキシプリン、2−アミノ−6−メチルプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノプリン、2−アミノ−6−フェニルプリン、等が挙げられる。
好ましいプリン塩基としては、アデニン、グアニン、N−アセチルグアニン、ヒポキサンチン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アセチルアミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−シクロプロピルアミノプリンが挙げられる。特にアデニン、N−アセチルグアニン、ヒポキサンチン、2−アセチルアミノ−6−クロロプリンが好ましい。
本発明における式(2)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物の製造方法は、式(1)で表される3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物に、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させることを特徴とする。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジエチル−2−メチルピペラジン、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7エン)等の三級アミンが等挙げられる。特に、三級アミンが好適に用いられる。
パーフルオロアルキル基として、好ましくは炭素原子数1〜10のパーフルオロアルキル基を挙げることができる。
好ましいフッ化パーフルオロアルカンスルホニルとしては、具体的には、フッ化パーフルオロブタンスルホニル、フッ化パーフルオロヘキサンスルホニル、フッ化パーフルオロオクタンスルホニルを挙げることができ、特にフッ化パーフルオロブタンスルホニルが好ましい。
塩基の使用量は特に限定されないが、好ましくは、モル比で、3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物1に対して1〜10であり、より好ましくは2〜5である。
フッ化パーフルオロアルカンスルホニルの使用量は特に限定されないが、好ましくは、モル比で、3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物1に対して1〜10であり、より好ましくは1〜5である。
塩基とフッ化パーフルオロアルカンスルホニルの比については特に限定されないが、好ましくは、モル比で、フッ化パーフルオロアルカンスルホニル1に対して塩基は0.5〜10であり、より好ましくは1〜5である。
反応に用いる溶媒としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、ヘキサン、アセトニトリル、N, N−ジメチルホルムアミド、N, N−ジメチルアセトアミド又はこれらの任意の混合溶媒を用いることができる。
反応開始時における反応溶媒中の3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物の濃度は特に限定されないが、好ましくは0.05〜1.0mol/L、より好ましくは0.1〜0.5mol/Lである。
反応温度は特に限定されないが、通常20〜120℃、好ましくは50〜80℃の範囲で行うことができる。反応時間も特に限定されないが、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間の範囲で行うことができる。
反応終了後は、抽出、晶析、クロマトグラフィー等の当業者の公知の操作を適宜用いることにより、目的物を単離、精製することができる。
得られた2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物は、接触還元を行うことにより、2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物に誘導することができる。
接触還元は、メタノール、アセトニトリル、水、N, N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、パラジウム炭素、ロジウム炭素、ルテニウム炭素等の触媒存在下、水素ガスを0.1〜10気圧(10〜1000キロパスカル)、反応温度を0〜80℃で、0.1〜24時間反応させて行うことができる。また得られた反応液から触媒を濾別し、溶媒留去、晶析、クロマトグラフィー等の当業者に公知方法により目的物を得ることができる。
なお出発物質である式(1)の化合物は、ヌクレオシデス アンド ヌクレオタイデス(Nucleosides & Nucleotides)、第15巻、31頁〜45頁、1996年に記載されている方法に準じて容易に調製することができる。
本発明における式(1)で表される3’−デオキシ−3’−ハロプリンヌクレオシド化合物としては、下式(1’)で表される3’−デオキシ−3’β−ハロプリンヌクレオシド化合物が好適に使用される。
[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、Rはヒドロキシル基の保護基を示し、Bはプリン塩基を示す。]
[式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、Rはヒドロキシル基の保護基を示し、Bはプリン塩基を示す。]
式中の記号、X、R及びBについては前述したのと同様である。
式(1’)で表される3’−デオキシ−3’β−ハロプリンヌクレオシド化合物は、前述の通り、本発明に従って、塩基存在下、フッ化パーフルオロアルカンスルホニルを作用させることにより、下式(2’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物に誘導することができる。
[式中、R及びBは前記と同義である。]
[式中、R及びBは前記と同義である。]
更に、式(2’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物は、接触還元を行うことにより、式(3’)で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物に誘導することができる。
[式中、R及びBは前記と同義である。]
[式中、R及びBは前記と同義である。]
なお、式(1’)の化合物において、以下の式(1a)で表されるN2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシン(1b)で表されるN2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシドは新規物質である。
[式中、Acはアセチル基を示す。]
[式中、Acはアセチル基を示す。]
更に、式(2’)の化合物において、以下の式(2a)で表されるN2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキグアノシン及び(2b)で表されるN2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシドは新規物質である。
[式中、Acはアセチル基を示す。]
[式中、Acはアセチル基を示す。]
式(2)および式(2’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物は、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことにより、それぞれ式(6)、式(6’)で表される2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物に誘導することができる。
式中、B’はプリン塩基を示す。プリン塩基としては前述したのと同様である。
式中、B’はプリン塩基を示す。プリン塩基としては前述したのと同様である。
また、式(3)および式(3’)で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物は、Rの脱保護、及び必要によりプリン塩基の2位及び/又は6位の基の保護、脱保護および修飾の少なくとも一つを行うことにより、それぞれ、式(7)、式(7’)で表される2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物に誘導することができる。
式中、B’はプリン塩基を示す。プリン塩基としては前述したのと同様である。
式中、B’はプリン塩基を示す。プリン塩基としては前述したのと同様である。
保護基は、化合物の他の部分の所望の変換を行った後、除去することが意図されている基を意味する。ヒドロキシル基の保護基Rの脱保護は、例えば、Nucleosides & Nucleotides (1998), 7(2), 143-153、Tetrahedron Letters (1988), 29(11), 1239-1243等に記載の方法に準じて行うことができる。
プリン塩基の2位と6位の基は、それぞれ前記式(4)中のYとZに相当する。「必要に応じて」とは、プリン塩基の2位及び/又は6位の基を異なる基に変換する場合を意味する。
プリン塩基の2位及び/又は6位の基の「保護」は、プリン塩基の2位及び/又は6位の基がアミノ基及び/又はヒドロキシル基である場合に、例えば前記で例示した保護基を導入する工程であり、「脱保護」は、保護基を除去する工程である。当該「保護」および「脱保護」は、従来公知の方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis,3rd edn.,Wiley Interscience Publication, John Wiley & Sons, Inc., 1999参照)で行うことができる。
「修飾」とは上記の「保護」及び「脱保護」とは異なる基の変換を示し、例えば、プリン塩基の2位及び/又は6位の基がアミノ基及び/又はヒドロキシル基である場合に、ハロゲン原子、水素原子等の任意の基に変換する工程を意味し、核酸合成における従来公知の方法(例えば、「Nucleic acid Chemistry PartII」Leroy B. Townsend, R. Stuart Tipson著、A Wiley-Interscience Publication出版参照)で行うことができる。
以下実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<参考例1>
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシンの製造
N2,2’,5’−O−トリアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシン(944mg、2.0mmol)のエタノール(20mL)懸濁液に、塩酸ヒドロキシルアミン(278mg、4.0mmol)とトリエチルアミン(0.558mL、4.0mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。得られた懸濁液から固体をろ取し、減圧下乾燥させることで目的物(618mg、収率72%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 2.06 (s, 3H), d 2.19 (s, 3H), d 4.32―4.40 (m, 2H), d 4.50―4.57 (m, 1H), d 4.63 (d-d, 1H, J=5.2, 3.7 Hz), d 4.83―4.88 (m, 1H), d 5.75 (d, 1H, J=3.8 Hz), d 6.51―6.55 (m, 1H), d 8.18 (s, 1H), d 11.77 (br, 1H), d 12.10 (br, 1H).
ESIMS m/z: 430 (M+H).
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシンの製造
N2,2’,5’−O−トリアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシン(944mg、2.0mmol)のエタノール(20mL)懸濁液に、塩酸ヒドロキシルアミン(278mg、4.0mmol)とトリエチルアミン(0.558mL、4.0mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。得られた懸濁液から固体をろ取し、減圧下乾燥させることで目的物(618mg、収率72%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 2.06 (s, 3H), d 2.19 (s, 3H), d 4.32―4.40 (m, 2H), d 4.50―4.57 (m, 1H), d 4.63 (d-d, 1H, J=5.2, 3.7 Hz), d 4.83―4.88 (m, 1H), d 5.75 (d, 1H, J=3.8 Hz), d 6.51―6.55 (m, 1H), d 8.18 (s, 1H), d 11.77 (br, 1H), d 12.10 (br, 1H).
ESIMS m/z: 430 (M+H).
<参考例2>
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシドの製造
N2,2’,5’−O−トリアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド(260mg、0.5mmol)のエタノール(5mL)懸濁液に、塩酸ヒドロキシルアミン(70mg、1.0mmol)とトリエチルアミン(0.14mL、1.0mmol)を加え、室温で14時間撹拌し、得られた溶液を濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル15g;1:2のヘキサン−酢酸エチル溶出液)により精製し、減圧下乾燥させることで目的物(110mg、収率49%)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) : d 1.81 (s, 3H), d 2.29 (s, 3H), d 4.35―4.41 (m, 1H), d 4.49 (d-d, 1H, J=12.4, 3.3 Hz), d 4.53―4.58 (m, 1H), d 4.72―4.78 (m, 1H), d 4.91―4.96 (m, 1H), d 5.87 (d, 1H, J=4.3 Hz), d 6.26 (br, 1H), d 8.22 (d, 1H, J=3.6 Hz), d 8.35 (br, 1H).
ESIMS m/z: 448 (M+H).
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシドの製造
N2,2’,5’−O−トリアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド(260mg、0.5mmol)のエタノール(5mL)懸濁液に、塩酸ヒドロキシルアミン(70mg、1.0mmol)とトリエチルアミン(0.14mL、1.0mmol)を加え、室温で14時間撹拌し、得られた溶液を濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル15g;1:2のヘキサン−酢酸エチル溶出液)により精製し、減圧下乾燥させることで目的物(110mg、収率49%)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) : d 1.81 (s, 3H), d 2.29 (s, 3H), d 4.35―4.41 (m, 1H), d 4.49 (d-d, 1H, J=12.4, 3.3 Hz), d 4.53―4.58 (m, 1H), d 4.72―4.78 (m, 1H), d 4.91―4.96 (m, 1H), d 5.87 (d, 1H, J=4.3 Hz), d 6.26 (br, 1H), d 8.22 (d, 1H, J=3.6 Hz), d 8.35 (br, 1H).
ESIMS m/z: 448 (M+H).
5’−O−アセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシアデノシンの製造
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモアデノシン(186mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.278mL、2.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.360mL、2.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル20g;32:1のジクロロメタン−メタノール溶出液)により精製し、目的物(135mg、収率98%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.99 (s, 3H), d 4.14―4.21 (m, 2H), d 5.07―5.12 (m, 1H), d 6.23―6.28 (m, 1H), d 6.47―6.52 (m, 1H), d 6.93―6.97 (m, 1H), d 7.29 (br, 2H), d 8.08 (s, 1H), d 8.17 (s, 1H). ESIMS m/z: 276 (M+H).
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモアデノシン(186mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.278mL、2.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.360mL、2.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル20g;32:1のジクロロメタン−メタノール溶出液)により精製し、目的物(135mg、収率98%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.99 (s, 3H), d 4.14―4.21 (m, 2H), d 5.07―5.12 (m, 1H), d 6.23―6.28 (m, 1H), d 6.47―6.52 (m, 1H), d 6.93―6.97 (m, 1H), d 7.29 (br, 2H), d 8.08 (s, 1H), d 8.17 (s, 1H). ESIMS m/z: 276 (M+H).
N2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシグアノシンの製造
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシン(215mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.278mL、2.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.360mL、2.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル20g;32:1のジクロロメタン−メタノール溶出液)により精製し、目的物(104mg、収率62%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.97 (s, 3H), d 2.19 (s, 3H), d 4.14―4.18 (m, 2H), d 5.07―5.11 (m, 1H), d 6.25―6.30 (m, 1H), d 6.50―6.54 (m, 1H), d 6.76―6.80 (m, 1H), d 7.90 (s, 1H), d 11.78 (br, 1H), d 12.07 (br, 1H).
ESIMS m/z: 334 (M+H).
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモグアノシン(215mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.278mL、2.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.360mL、2.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル20g;32:1のジクロロメタン−メタノール溶出液)により精製し、目的物(104mg、収率62%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.97 (s, 3H), d 2.19 (s, 3H), d 4.14―4.18 (m, 2H), d 5.07―5.11 (m, 1H), d 6.25―6.30 (m, 1H), d 6.50―6.54 (m, 1H), d 6.76―6.80 (m, 1H), d 7.90 (s, 1H), d 11.78 (br, 1H), d 12.07 (br, 1H).
ESIMS m/z: 334 (M+H).
5’−O−アセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシイノシンの製造
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモイノシン(93mg、0.25mmol)のアセトニトリル(2.5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.139mL、1.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.180mL、1.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル10g;32:1のジクロロメタン−メタノール溶出液)により精製し、目的物(50.6mg、収率73%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.98 (s, 3H), d 4.16―4.20 (m, 2H), d 5.08―5.12 (m, 1H), d 6.24―6.28 (m, 1H), d 6.50―6.54 (m, 1H), d 6.91―6.93 (m, 1H), d 8.02 (s, 1H), d 8.09 (s, 1H), d 8.87 (br, 1H). ESIMS m/z: 277 (M+H).
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモイノシン(93mg、0.25mmol)のアセトニトリル(2.5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.139mL、1.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.180mL、1.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル10g;32:1のジクロロメタン−メタノール溶出液)により精製し、目的物(50.6mg、収率73%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.98 (s, 3H), d 4.16―4.20 (m, 2H), d 5.08―5.12 (m, 1H), d 6.24―6.28 (m, 1H), d 6.50―6.54 (m, 1H), d 6.91―6.93 (m, 1H), d 8.02 (s, 1H), d 8.09 (s, 1H), d 8.87 (br, 1H). ESIMS m/z: 277 (M+H).
N2,5’−O−ジアセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシドの製造
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド(63mg、0.14mmol)のアセトニトリル(1.0mL)溶液に、トリエチルアミン(0.057mL、0.4mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.072mL、0.4mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル20g;1:4のヘキサン−酢酸エチル溶出液)により精製し、目的物(47.5mg、収率97%)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) : d 2.08 (s, 3H), d 2.56 (s, 3H), d 4.23―4.28 (m, 1H), d 4.37 (d-d, 1H, J=12.4, 3.6 Hz), d 5.16―5.23 (m, 1H), d 6.15 (d, 1H, J=4.8 Hz), d 6.43 (d-d, 1H, J=6.0, 1.6 Hz), d 7.03―7.09 (m, 1H), d 8.09 (br, 1H), d 8.18 (d, 1H, J=3.6 Hz).
ESIMS m/z: 374 (M+Na).
N2,5’−O−ジアセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモ−2−アミノ−6−クロロプリンリボシド(63mg、0.14mmol)のアセトニトリル(1.0mL)溶液に、トリエチルアミン(0.057mL、0.4mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.072mL、0.4mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル20g;1:4のヘキサン−酢酸エチル溶出液)により精製し、目的物(47.5mg、収率97%)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) : d 2.08 (s, 3H), d 2.56 (s, 3H), d 4.23―4.28 (m, 1H), d 4.37 (d-d, 1H, J=12.4, 3.6 Hz), d 5.16―5.23 (m, 1H), d 6.15 (d, 1H, J=4.8 Hz), d 6.43 (d-d, 1H, J=6.0, 1.6 Hz), d 7.03―7.09 (m, 1H), d 8.09 (br, 1H), d 8.18 (d, 1H, J=3.6 Hz).
ESIMS m/z: 374 (M+Na).
5’−O−アセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシアデノシンの製造
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモアデノシン(186mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.139mL、1.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.180mL、1.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。HPLCによる定量により、得られた溶液中に目的物が99mg(収率71%)生成しているのを確認した。
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモアデノシン(186mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.139mL、1.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.180mL、1.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。HPLCによる定量により、得られた溶液中に目的物が99mg(収率71%)生成しているのを確認した。
5’−O−アセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシアデノシンの製造
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモアデノシン(186mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.278mL、2.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.180mL、1.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。HPLCによる定量により、得られた溶液中に目的物が125mg(91%)生成しているのを確認した。
5’−O−アセチル−3’−デオキシ−3’β−ブロモアデノシン(186mg、0.5mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.278mL、2.0mmol)とフッ化パーフルオロ−1−ブタンスルホニル(0.180mL、1.0mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌した。HPLCによる定量により、得られた溶液中に目的物が125mg(91%)生成しているのを確認した。
5’−O−アセチル−2’,3’−ジデオキシアデノシンの製造
5’−O−アセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシアデノシン(27mg、0.1mmol)のメタノール(1mL)溶液に、5%パラジウム炭素(50%含水)(2.7mg)を加え、水素雰囲気下室温で14時間撹拌した。得られた溶液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下乾燥させることで目的物(25mg、収率90%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.97 (s, 3H), d 2.10―2.17 (m, 2H), d 2.45―2.53 (m, 2H), d 4.14 (d-d, 1H, J = 11.8, 6.0 Hz), d 4.22 (d-d, 1H, J = 11.8, 3.1 Hz), d 4.28―4.30 (m, 1H), d 6.25 (d-d, 1H, J = 6.8, 3.6 Hz), d 7.27 (br, 2H), d 8.15 (s, 1H), d 8.28 (s, 1H).
ESIMS m/z: 278 (M+H).
5’−O−アセチル−2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシアデノシン(27mg、0.1mmol)のメタノール(1mL)溶液に、5%パラジウム炭素(50%含水)(2.7mg)を加え、水素雰囲気下室温で14時間撹拌した。得られた溶液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下乾燥させることで目的物(25mg、収率90%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : d 1.97 (s, 3H), d 2.10―2.17 (m, 2H), d 2.45―2.53 (m, 2H), d 4.14 (d-d, 1H, J = 11.8, 6.0 Hz), d 4.22 (d-d, 1H, J = 11.8, 3.1 Hz), d 4.28―4.30 (m, 1H), d 6.25 (d-d, 1H, J = 6.8, 3.6 Hz), d 7.27 (br, 2H), d 8.15 (s, 1H), d 8.28 (s, 1H).
ESIMS m/z: 278 (M+H).
本発明の製造方法により製造される、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物及び2’,3’−ジデオキシプリンヌクレオシド化合物は、抗エイズ薬等の医薬品またはその中間体化合物として好適に用いることができる。
Claims (14)
- 塩基が三級アミンである請求項1又は請求項2記載の製造方法。
- 塩基が三級アミンである請求項4又は請求項5記載の製造方法。
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