JPH07165785A - 3′−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造方法 - Google Patents

3′−フルオロピリミジンヌクレオシド類の製造方法

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JPH07165785A
JPH07165785A JP4021603A JP2160392A JPH07165785A JP H07165785 A JPH07165785 A JP H07165785A JP 4021603 A JP4021603 A JP 4021603A JP 2160392 A JP2160392 A JP 2160392A JP H07165785 A JPH07165785 A JP H07165785A
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nucleoside
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Antuono Iii Joseph D
ジヨセフ・ダンツオノ・ザ・サード
Donald Carl Boop
ドナルド・カール・ブープ
Steven L Clauss
スチーブン・エル・クロース
Jr John Leo Considine
ジヨン・レオ・コンシダイン・ジユニア
Thurairajah Padmanathan
サライラジヤ・パドマナサン
Carl J Rizzo
カール・ジエイ・リツゾ
John Robert Andrade
ジヨン・ロバート・アンドレード
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 20%までの濃度の5′−メタンスルホニル
−2′−ジデオキシ−2,3′−アンヒドロピリミジン
ヌクレオシド化合物を適当なアルミニウム試薬の存在下
で弗化水素と反応させ、5′−メタンスルホニル−
2′,3′−ジデオキシ− 3′−フルオロピリミジンヌクレオシド中間化合物を直
接的結晶化により回収し、そして5′−メタンスルホニ
ル保護基を塩基水溶液との反応により一段階で除去する
ことによる、3′−フルオロピリミジンヌクレオシド類
の改良された合成方法。 【効果】 簡便、効率的で危険な条件を必要とせず生産
性を向上させる。特に大規模生産に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】 1.発明の分野 本発明は、3′−フルオロピリミジンヌクレオシド類、
特に3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン(FL
T)、を例えばチミジンの如き対応するピリミジンヌク
レオシド類から合成するための新規な方法に関するもの
である。
【0002】2.先行技術の記載 全身的免疫抑制疾病として認識されている後天性免疫欠
乏症候群(AIDS、エイズ)は、ヒト免疫欠乏ウィル
ス(HIV)と称されているレトロウィルスにより引き
起こされる感染性疾病である。HIVはレトロウィルス
であるため、ウィルス逆転写酵素が抗ウィルス剤用の選
択的目標であると思われる。従って、異なる化学的構造
を有する多数の異なる逆転写酵素抑制剤が試験管内およ
び生体内でHIV複製に対して活性であると報告されて
いる。
【0003】これらの逆転写酵素抑制剤の中では、特に
2′,3′−ジデオキシリボヌクレオシドが試験管内で
HIVに対して意義ある抑制活性を有することが報告さ
れている(R.ダガニ(Dagani)、ケミストリー・アンド
・エンジニアリング・ニュース(Chem. and Eng. New
s).41−49、1987年11月23日;E.デクレ
ルク(De Clercq)、A.ファン・アエルショット(Van Aer
schot)、P.ヘルデウィーン(Herdewijn)、M.ババ(Bab
a)、R.パウエルス(Pauwels)およびJ.バルザリニ(Balz
arini)、ヌクレオシド類およびヌクレオチド類(Nucleos
ides and Nucleotides)、8(5および6)、659−
671(1989);A.ファン・アエルショット、P.
ヘルデウィーン、J.バルザジニ、R.パウエルスおよび
E.デクレルク、ザ・ジャーナル・オブ・メディカル・
ケミストリイ(J. Med. Chem.)、32、1743−17
49(1989))。
【0004】報告されている2′,3′−ジデオキシリ
ボヌクレオシド生成物の中では、3′−アジド−2′,
3′−ジデオキシチミジン(AZT)および3′−デオ
キシ−3′−フルオロチミジン(2′,3′−ジデオキ
シ−3′−フルオロチミジンまたはFLTとも称されて
いる)が特に選択的な抗−HIV活性を示している。
3′−アジド−2′,3′−ジデオキシチミジン(AZ
T)化合物はHIV−誘発性細胞病原性の有効な抑制剤
として市販されている。しかしながら、3′−デオキシ
−3′−フルオロチミジンの方がAZTより大きい活性
を有していることが報告されている(バルザリニ,J.
他、ザ・ジャーナル・オブ・メディカル・ケミストリイ
(J. Med. Chem.)、30、1270−1278(198
7))。従って、3′−デオキシ−3′−フルオロチミ
ジン(FLT)化合物および他の2′または3′−フル
オロ−置換されたデオキシヌクレオシド類はエイズの治
療用に使用できる薬剤として特に興味をもたれている。
【0005】3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン
(FLT)はランゲン(Langen)他により数種の方法で製
造されている。これらの合成方法の第一のものはチミジ
ンの2,3′−アンヒドロの生成およびそれとHFとの
またはKHF2もしくはNH4Fとの三弗化アルミニウム
の存在下における反応を含んでいる;テトラヘドロン(T
etrahedron)、27(1971)、2463−2472
頁、米国特許番号3,775,397。これらの方法の第
二のものは3′−メタンスルホニルチミジンの生成を含
んでおり、それを次にKHF2またはNH4Fと反応させ
て希望する生成物を得る。米国特許番号3,775,39
7を参照のこと。第三の方法はチミジンの5′−保護さ
れた2,3′−アンヒドロヌクレオシド誘導体の生成お
よびそれとHFとの三弗化アルミニウムの存在下におけ
る反応、並びにその後の二または三段階での5′−保護
基の除去を含んでいる。核酸化学(Nucleic Acid Chemis
try)、1部、ジョーン・ウィリー・アンド・サンズ(1
978)、299−302頁、タウンセンド(Townsend)
およびチプソン(Tipson)編集;ジュルナル・フュル・プ
ラクティッシェ・ヘミイ(J. Prakt. Chem.)、315、
895−900(1073);GDR特許、DD103
241、1974年1月12日、エットゾルド(Etzold)
他を参照のこと。
【0006】他の類似関連化合物もジエチルアミノ硫黄
トリフルオライド(DAST)を用いて弗素化されてい
る(A.ファン・アエルショット他、ザ・ジャーナル・
オブ・メディカル・ケミストリイ(J. Med. Chem.)、3
2、1743−1749(1989)を参照のこと)。
【0007】抗−HIV剤としてのFLTの活性が最近
発見されたため、該化合物を経済的に且つ効率的に大規
模に製造できるようにする方法に対する要望が増大し
た。しかしながら、FLTを合成するための全ての先行
技術方法は研究室規模でありそして該化合物の大規模な
製造用には改変することができない。
【0008】チミジンの2,3′−アンヒドロ誘導体ま
たは3′−メタンスルホニルチミジン誘導体から直接F
LTを製造するというランゲンの方法はチミジンの過度
の分解を伴い非常に劣悪な収率を与える。チミジンの
5′−保護された2,3′−アンヒドロヌクレオシド誘
導体からFLTを製造するための別のランゲンの方法は
ランゲンにより記載されている方法では大規模には実施
できない。アンヒドロ誘導体の生成および弗素化反応の
両者の生産性は非常に低く、すなわち溶媒および試薬の
量に関して低濃度の基質が必要とされている。さらに、
弗素化段階は純粋な生成物を単離するためにクロマトグ
ラフィーおよび蒸発乾固を必要とし、それらは大規模方
式では実用的でないかまたは望ましくないものである。
さらに、5′−保護基の除去は、アセチル誘導体を製造
しそして有機溶媒、クロマトグラフィーおよび蒸発乾固
を必要とする複雑な二または三段階の工程を含んでお
り、それらの全てが大規模方式では実用的でなかったり
または望ましくないものである。
【0009】
【発明の要旨】本発明は、式:
【0010】
【化3】
【0011】[式中、Xは酸素または硫黄であり、R1
およびR2は同一もしくは異なっておりそして水素、低
級アルキル(C1−C4)、置換された低級アルキル(C
1−C4)(ここで置換基はハロゲンもしくはヒドロキシ
である)、ハロゲン、OHまたはSHから選択される]
の2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロピリミジン
ヌクレオシド類の改良された製造方法であり、該方法は
大規模での操作が実施可能でありそして生成物を容易に
回収可能な方法で高収率で生成する。該改良方法は反応
媒体からの中間生成物の直接的結晶化および操作におけ
る全般的な簡便さを与えるため、該方法は大規模製造に
適している。ここで使用されている「低級アルキル」と
いう語は、炭素数が1−4のアルキル基を称している。
「置換された低級アルキル」という語は、置換基がハロ
ゲンまたはヒドロキシである炭素数が1−4のアルキル
基を称している。
【0012】特に、一面においては、本発明は5′−メ
タンスルホニル−2′−デオキシ−2,3′−アンヒド
ロチミジンを5′−メタンスルホニル−2′,3′−ジ
デオキシ−3′−フルオロチミジンに転化させるための
改良された工程を提供するものであり、それは該アンヒ
ドロ化合物のスラリーをHFと共に適当なアルミニウム
試薬の存在下で適当な溶媒中でアンヒドロ化合物の濃度
が2%〜20%までとなる状態で加熱することによる。
【0013】さらに、本発明は保護されたヌクレオシド
を塩基水溶液と反応させ、酸性化し、濃縮して容量を減
少させ、そして生成物を濾過により回収することによる
ヌクレオシドから5′−メタンスルホニル保護基を除去
するための新規な一段階工程も提供するものである。
【0014】
【発明の詳細な記載】式Iの3′−フルオロピリミジン
ヌクレオシド類の製造方法は簡便には下記の反応工程式
Iによりまとめることができる。
【0015】
【化4】
【0016】本発明は式Iの3′−フルオロピリミジン
ヌクレオシド類を対応するピリミジンヌクレオシド類か
ら製造する改良方法に関するものである。より特に、本
発明は3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン(FL
T)(、ここではX=O、R1=CH3、R2=Hであ
る)をチミジン(、ここではX=O、R1=CH3、R
2=H)から製造するための改良技術に関するものであ
る。
【0017】下記の記載はチミジン(、ここではR1
=CH3、R2=HおよびX=O)を参照にしているが、
式Iのいずれの置換されたピリミジンヌクレオシド化合
物も反応式I中に示されている反応においてチミジンと
置換できることは理解すべきである。
【0018】本発明に従うと、反応式Iに示されている
如く、式の2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロ
ヌクレオシド類は(a)式のチミジン化合物をピリジ
ン中に溶解させ、0−5℃に冷却し、メタンスルホニル
クロライドを加え、温度を20−40℃に上昇させ、冷
却し、水を加え、そして3′,5′−ジ−メタンスルホ
ニルピリミジンヌクレオシド化合物を濾過により単離す
ることにより、式のチミジン化合物を式の反応性
3′,5′−ジメタンスルホニル中間生成物に転化さ
せ、(b)約25%の濃度の3′,5′−ジメタンスル
ホニル化合物の水溶液を許容可能な強塩基と反応させそ
して約50−55℃の温度に加熱し、冷却し、そして固
体の5′−メタンスルホニル−2,3′−アンヒドロチ
ミジン化合物を濾過により集め、(c)2%〜20%
までの濃度の化合物のスラリーを適当なアルミニウム
試薬の存在下でHFと共に約55−115℃の温度に加
熱することにより5′−メタンスルホニル−2,3′−
アンヒドロチミジン化合物を3′−フルオロ−5′−
メタンスルホニルチミジン化合物に転化させ、そして
反応混合物を水および炭酸カルシウムで急冷し、濾過
し、混合物を濃縮して容量を減少させそして固体生成物
を濾過により単離することにより3′−フルオロ−5′
−メタンスルホニルチミジン化合物をクロマトグラフ
ィーなしに反応混合物から回収し、次に(d)3′−フ
ルオロ−5′−メタンスルホニルチミジン化合物を塩
基水溶液と反応させ、濃縮して容量を減少させ、そし固
体生成物を濾過により除去する段階からなる改良方法に
より製造される。
【0019】本発明に従う方法における発明は、大規模
な製造装置を用いて3′−デオキシ−3′−フルオロチ
ミジンを大量に製造する能力を与えるような方法での反
応物類、中間生成物類および生成物類の選択、取り扱い
および処理にある。該方法は簡単であり、効率的であ
り、そして外国産のもしくは異常に有害な物質または条
件を必要としない。
【0020】チミジンから3′,5′−ジメタンスル
ホニルチミジンへの転化を含む第一段階における改良
は、使用される反応条件にある。本発明者は、反応温度
を先行技術で使用されている5℃の代わりに20−40
℃に上昇させることにより反応時間を18時間以上から
約1時間に短縮できることを見いだした。好適には、チ
ミジン化合物(1)を例えばピリジンの如き塩基性有機
溶媒中に好適には0−5℃において溶解させ、そして温
度を20−40℃に上昇させながらメタンスルホニルク
ロライドを3対1のモル比で加える。反応混合物を約2
0−40℃において約1時間にわたり撹拌する。冷却
し、混合物を水で希釈し、生成物を濾過し、そして固体
を乾燥すると、追加精製の必要性なしで常に高収率の
を与える。
【0021】3′,5′−ジ−メタンスルホニル−チミ
ジン化合物からメタンスルホニルアンヒドロ誘導体
を製造する方法は一般的に開示されている。しかしなが
ら、本改良方法はそれより高濃度の基質を使用しそれに
より反応の生産性が増加するため大規模使用に適してい
る。さらに、アンヒドロ生成は水中で行われるため、有
機溶媒の必要性が排除される。また、生成物は溶液から
直接的に結晶化する。好適には、を25%までの濃度
において例えば50%水性水酸化ナトリウムの如き許容
可能な塩基の水溶液中に溶解させそして50−55℃に
加熱し、冷却し、そして化合物を濾過により単離す
る。次に、をメタノールと共に1.2g/mlの濃度
において撹拌して、少なくとも97%の回収率および少
なくとも99%のHPLC純度を与えることができる。
驚くべきことに、本発明者は反応を水中で50−55℃
において実施することにより3′,5′−アンヒドロチ
ミジンまたは他の副生物の相当な生成という危険性なし
に比較的高濃度(1−2%とは対照的に25%)の
使用できることを見いだした。
【0022】本発明はまた、からを製造する際の改
良も提供するものである。本改良方法は大規模使用に適
しておりそして高収率の比較的純粋な生成物を常に製造
することができる。この段階における改良は弗素化条件
におけるもの並びに3′−フルオロ−5′−メタンスル
ホニルチミジン生成物の単離および回収におけるものの
両者である。本発明以前は、HFを弗素化試薬として使
用する時には比較的高濃度の基質は3′,5′−ジメタ
ンスルホニルチミジン副生物の生成をもたらすために非
常に低濃度の基質である5′−メタンスルホニル−2,
3′−アンヒドロチミジン(0.5%)を使用する必要
があると当技術の専門家は信じていた。一方、HFの濃
度を高めると塩基からヌクレオシドを分解させそしてチ
ミジン副生物の生成をもたらすであろうとも信じられて
いた。本発明者は、臨界的な基質/HF濃度を使用する
限り、先行技術の30−40倍の基質濃度を使用できて
反応の生産性における比例的増加をもたらすということ
を、見いだした。三弗化アルミニウムを試薬として使用
する時には、臨界比はモル基準で1:2の基質対HFで
ある。
【0023】本発明に従うと、基質である5′−メタン
スルホニル−2,3′−アンヒドロチミジンのスラリ
ーを2%〜20%までの濃度で適当な溶媒中で適当なア
ルミニウム試薬およびHFの存在下で55−115℃の
温度に加熱する。好適には、最初にHFを適当な不活性
溶媒中に20%までの濃度で溶解させる。
【0024】使用されるアルミニウム試薬は乾燥三弗化
アルミニウムである。市販の「無水」三弗化アルミニウ
ムは一定でない結果を与えるため、それは一般的には不
適当である。反応混合物に加える前に三弗化アルミニウ
ム一水塩または三水塩を強制空気炉の中で120−18
0℃において25−35%の重量損失となるまで乾燥し
た時に、最良の結果が得られる。
【0025】好適には、使用されるアルミニウム試薬は
置換された有機アルミニウム試薬である。例えば、アル
ミニウムイソプロポキシド、トリヘキシルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムフルオライドおよびアルミニ
ウムアセチルアセトネートを試薬として使用することが
できる。最も好適には、アルミニウムアセチルアセトネ
ートを基質に関して1.0対3.0のモル比で使用する。
例えばアルミニウムアセチルアセトネートの如き置換さ
れた有機アルミニウム試薬を反応混合物中で使用する場
合には、1モルの基質に対して4−6モルのフルオライ
ドイオンが存在するようにHFの濃度を高める。
【0026】好適な態様では、式MHF2(ここでMは
NH4、K、NaまたはLiである)の無機アルカリ金
属弗化水素化合物を反応混合物に加える。例えば、アル
ミニウムアセチルアセトネートの如き上記で論じられて
いる置換された有機アルミニウム試薬は基質に関して
1.0−3.0のモル割合で使用され、そして0.2−4
モル割合のアルカリ金属弗化水素化合物を4−6モル割
合の弗化水素と共に加える。特定態様では、アルカリ金
属弗化水素化合物は0.5−1.0モル当量のモル割合の
二弗化水素アンモニウムである。
【0027】上記の如く、弗素化反応は不活性溶媒中で
実施される。使用できる適当な不活性溶媒には、テトラ
ヒドロフラン、アセトン、ジオキサン、クロロホルム、
ジクロロメタン、エーテル、ニトロベンゼン、ジメチル
スルホキシド、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジメト
キシエタン、トルエンおよびアセトニトリル、並びに/
またはそれらの組み合わせが包含される。好適には、溶
媒はジオキサンである。
【0028】3′−フルオロ−5′−メタンスルホニル
チミジン化合物の製造方法における改良も、弗素化さ
れた保護されたヌクレオシドの単離および回収にある。
改良方法に従うと、純粋な生成物は濾過可能な固体とし
て単離され、その理由はそれが溶液から直接結晶化しそ
して高純度を得るためにクロマトグラフィーを必要とし
ないためである。さらに、該工程は蒸発乾固を必要とせ
ず、その操作は工業的規模では実用的でないかまたは望
ましくないものである。
【0029】従って、5′−メタンスルホニル−2,
3′−アンヒドロチミジン化合物とHF/アルミニウ
ム化合物弗素化混合物との55−115℃における反応
後に、反応混合物を周囲温度に冷却しそして水および炭
酸カルシウムのスラリー中に浸す。撹拌後に、スラリー
を濾過し、アセトンまたは水で洗浄し、そして一緒にし
た濾液および洗浄液を濃縮して容量を減少させる。次に
純粋な3′−フルオロ−5′−メタンスルホニルチミジ
生成物を混合物から濾過により回収する。それによ
り、生成物が溶液から直接結晶化するためクロマトグラ
フィーの必要なしに高純度生成物(HPLCにより≧9
5%)が得られる。
【0030】3′−フルオロ−5′−メタンスルホニル
チミジン化合物から5′−メタンスルホニル保護基を
除去して最終生成物である3′−デオキシ−3′−フル
オロチミジンを生成する反応の最終段階において、本
発明の改良は保護基の除去に関する簡単な一段階工程を
供するものである。先行技術は、を最初に無水酢酸を
用いてアシル化しそして次にアルコール/アンモニアを
用いて分解させるという複雑な二段階方法だけを開示し
ている。生成物はクロマトグラフィーにより精製され
る。それとは対照的に、本改良方法は大規模使用に適し
ておりそして高収率の比較的純粋な生成物を常に製造す
ることができる。転化は一段階で実施され、有機溶媒ま
たは精製用のクロマトグラフィーを必要としない。
への直接的転化は独特なものであり、そして驚くべ
きことに認識可能な量の廃棄物または他の副生物をもた
らさない。さらに、先行技術の多段階工程を用いる約4
0%収率の単離された生成物と比べて、一段階工程は7
0%以上の改良された収率の単離された生成物を生じ
る。メタンスルホニル遮蔽基の除去は最良には、を例
えばアルカリ金属水酸化物または炭酸塩の如き塩基の水
溶液と共に撹拌し、酸性化し、濃縮して容量を減少さ
せ、そして生成物を濾過により集めることにより、簡単
にしかも直接的に実施される。例えば、を55−95
℃において、好適には60−70℃において、水酸化ナ
トリウムまたはカリウムと1.5−5時間にわたり反応
させることができる。水性酢酸を用いる4−5へのpH
調節、部分的濃縮、その後の冷却および濾過により、
3′−デオキシ−3′−フルオロヌクレオシド(FL
T)(5)が77%までの収率およびHLPC分析によ
り示される少なくとも98%の純度で得られる。脱メシ
ル化はHLPC分析により証されている90%以上の転
化率で進行する。適当な塩基水溶液には、水性アルカリ
水酸化物類、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化テト
ラアルキルアンモニウムなどが包含される。対応する炭
酸塩類も適している。
【0031】明細書および特許請求の範囲をさらに検討
すると、本発明の他の目的および利点が当技術の専門家
には明白となるであろう。
【0032】本発明を下記の非限定用の個別実施例と共
にさらに詳細に記載する。
【0033】
【実施例】実施例1 3′,5′−ジメタンスルホニルチミジン 4.13kgのチミジンおよび19.2Lのピリジンの撹
拌されている混合物を0−5℃に冷却し、そして5.9
kgのメタンスルホニルクロライドを温度が20−30
℃に上昇するような速度で加えた。さらに1時間の撹拌
後に、混合物を0−5℃に冷却し、そして温度を20−
30℃に上昇させながら29.4Lの水を加えた。混合
物を0−5℃に冷却し、そして15−30分間撹拌し
た。生成した固体を濾過により回収し、そしてケーキを
17Lの水で洗浄した。固体を強制空気炉の中で周囲温
度において乾燥して、6.526kgの希望する生成物
を固体状で与えた。融点162.2−164.9℃。1
NMR(d6−DMSO)δ11.40(s,1H)、7.
52(s,1H)、6.23(t,J=7.07Hz,1
H)、5.31(m,1H)、4.46(m,2H)、4.
38(m,1H)、3.33(s,3H)、3.26(s,
3H)、2.52(m,2H)、1.79(s,3H);F
TIR(NUJOL)3156、3091、1712、
1674、1347、1170、956、936、83
8cm-1。HPLCにより示される純度は98.6%で
あった。
【0034】実施例2 5′−メタンスルホニル−2,3′−アンヒドロチミジ
9.165kgの3′,5′−ジメタンスルホニルチミジ
ン、45.7Lの水および18.36kgの50%水酸化
ナトリウムの撹拌されている混合物を50−55℃に加
熱した。さらに184gの50%水酸化ナトリウムを加
え、そして加熱を50−55℃においてさらに1時間続
けた。混合物を0−5℃に冷却し、そして撹拌を15−
30分間続けた。生成した固体を濾過により集め、ケー
キを4.6Lの3Aアルコールで洗浄しそして乾燥し
て、6.222kgの希望する生成物を与えた。融点1
67.9−169.4。HPLCによる純度は98.9%
であった。1H NMR(d6−DMSO)δ7.60
(s,1H)、5.91(m,1H)、5.36(m,1
H)、4.49(m,2H)、4.22(m,1H)、3.
20(s,3H)、2.60(m,2H)、1.76(s,
3H);FTIR(NUJOL)1664、1610、
1525、1465、1356、1180、1163、
980、851cm-1。5.68kgの生成物の28.4
Lのメチルアルコール中スラリーを1時間にわたり撹拌
した。固体を濾過により単離し、そしてケーキを5.6
Lのメチルアルコールで洗浄した。ケーキを強制空気炉
の中で40−50℃において乾燥して、5.488kg
の生成物をHPLCによる99%純度で与えた。
【0035】実施例3 3′−フルオロ−5′−メタンスルホニルチミジン 撹拌されているクレーブに、8gの5′−メタンスルホ
ニル−2′−デオキシ−2,3′−アンヒドロチミジ
ン、90mLのジオキサン、32gの三弗化アルミニウ
ム三水塩(強制空気炉中で120−180℃に乾燥して
30%の乾燥時の損失量とした)および10mLのジオ
キサン中10%HFを充填した。クレーブを密封し、そ
して88−90℃に3時間加熱した。周囲温度に冷却
し、バッチを30gの炭酸カルシウムの75mLの水中
スラリーに浸し、そして25分間撹拌した。スラリーを
濾過し、そしてケーキをアセトン(5×25mL)で洗
浄した。一緒にした濾液を蒸発させて、8.22gの希
望する生成物を73%のHPLC純度で与えた。融点1
44.9−151.9℃。1H NMR(CDCl3)δ1
1.40(s,1H)、7.52(s,1H)、6.24
(dd,J=8.9Hz,6.0Hz,1H)、5.37(d
d,J=53.3Hz,4.2Hz,1H)、4.44(s,
2H)、4.42(m,1H)、3.26(s,3H)、
2.40(m,2H)、1.78(s,3H)。
【0036】実施例4 3′−フルオロ−5′−メタンスルホニルチミジン 撹拌されているクレーブに、15Lのジオキサン、60
0gの5′−メタンスルホニル−2′−デオキシ−2,
3′−アンヒドロチミジン、1200gの三弗化アルミ
ニウム三水塩(強制空気炉中で120−180℃に乾燥
して30%の乾燥時の損失量とした)および760mL
のジオキサン中10%HFを充填した。クレーブを密封
し、そして85−95℃に3時間加熱した。周囲温度に
冷却した後に、バッチを470gの炭酸カルシウムおよ
び6mLの水からなる撹拌されているスラリー中に浸し
た。スラリーを15−30分間撹拌し、そして珪藻土床
を通して濾過した。ケーキを6Lのアセトンで洗浄し、
そして一緒にした濾液および洗浄液を真空下で濃縮して
5−10Lとし、その後、2Lの水を加え、そしてさら
に濃縮して約2.5Lとした。混合物を5−10℃に冷
却し、そして生成した固体を濾過した。ケーキを1Lの
冷水で洗浄しそして一定重量となるまで乾燥して、45
0gの希望する生成物を与えた。96.5%のHPLC
純度。
【0037】実施例5 3′−フルオロ−5′−メタンスルホニルチミジン 撹拌されているオートクレーブに、25gの5′−メタ
ンスルホニル−2′−デオキシ−2,3′−アンヒドロ
チミジン、83mLのジオキサン中2Mトリヘキシルア
ルミニウム、98mLのジオキサン、および19mlの
70%の弗化水素と30%のピリジンとの混合物を充填
した。クレーブを密封し、85−90℃に加熱し、そし
て約90℃において3時間撹拌した。バッチを室温に冷
却し、そして炭酸カルシウム(40g)の水(100m
L)中混合物に浸した。混合物を約15分間撹拌し、濾
過し、そしてケーキをアセトン(4×25mL)で洗浄
した。溶液を真空下で部分濃縮し、水(200mL)を
加え、そして溶液をさらに濃縮した。混合物を0−5℃
に冷却し、濾過し、冷水(約45mL)で洗浄し、そし
て乾燥して、22.2gの生成物を与えた。
【0038】実施例6 3′−フルオロ−5′−メタンスルホニルチミジン 撹拌されているオートクレーブに、1,000gの5′
−メタンスルホニル−2′−デオキシ−2,3′−アン
ヒドロチミジン、6,000mLの1,4−ジオキサン、
1,180gのアルミニウムアセチルアセトネート、1
00gの二弗化水素アンモニウムおよび4,000mL
のジオキサン中10%弗化水素溶液を充填した。クレー
ブを密封し、そして85−90℃に3時間加熱した。バ
ッチを20℃に冷却し、そして炭酸カルシウム(2,0
00g)の水(10,000mL)中スラリーに浸し
た。スラリーを15−30分間撹拌し、そして固体を濾
過により除去した。フィルターケーキをアセトン(7,
500mL)で洗浄し、そして一緒にした濾液および洗
浄液を減圧下で濃縮して6−7.5リットルの容量とし
た。次に水(2,000mL)を加え、そして溶液をさ
らに濃縮して7−7.5リットルとした。混合物を0−
5℃に冷却し、そして0−5℃で30−60分間撹拌し
た。生成物を濾過し、冷水(1,500mL)で洗浄
し、そして乾燥して、762gの5′−メタンスルホニ
ル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロチミジン
を与えた。
【0039】実施例7 3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン 反応フラスコに、31.84Lの水、1,496gの85
%水酸化カリウムペレットおよび3,184gの5′−
メタンスルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フ
ルオロチミジンを撹拌しながら充填した。溶液を63−
67℃に3時間加熱した。pHを50%水性酢酸を用い
て4.2−4.7に調節し、そして318gの活性炭およ
び318gの珪藻土を加え、その後、63−67℃にお
いてさらに1時間撹拌した。混合物を318gの珪藻土
のパッドを通して濾過し、そしてケーキを6.4Lの熱
水で洗浄した。一緒にした濾液を真空下で蒸発させて
9.6Lとし、そして生成したスラリーを0−5℃に冷
却した。固体を濾過により単離し、そしてケーキを6.
4Lの冷水で洗浄した。湿っているケーキを炉の中で乾
燥して、1.526kgの希望する生成物を与えた。融
点173.3−177.7℃。HPLC純度99.5%。1
H NMR(d6−DMSO)δ11.35(s,1H)、
7.7(s,1H)、6.22(dd,J=9.1Hz,5.
6Hz,1H)、5.32(dd,J=53.9Hz,4.1
Hz,1H)、5.21(s,1H)、4.15(dt,J
=28.0Hz,3.8Hz,1H)、3.68−3.55
(m,2H)、2.5−2.2(m,2H);質量スペクト
ルM+=244;FTIR(Nujol)3425、3
100、1283、1109、995、870、850
cm-1
【0040】実施例8 3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン 反応フラスコに、100mLの水、2.85gの水酸化
ナトリウムペレットおよび10.0gの5′−メタンス
ルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロチ
ミジンを撹拌しながら充填した。反応混合物を63−6
7℃に3時間にわたり加熱しそして撹拌した。12.8
gの50%水性酢酸を加えることによりpHを4.4に
調節し、その後、63−67℃において1時間撹拌を続
けながら1gの活性炭および1gの珪藻土を加えた。混
合物を濾過し、そしてケーキを20mLの熱水で洗浄し
た。一緒にした濾液を真空下で濃縮して30mLとし、
そして生成したスラリーを0−5℃に冷却した。固体を
濾過により単離し、そしてケーキを20mLの冷水で洗
浄した。湿っているケーキを真空炉の中で45−50℃
において乾燥して、5.87gの3′−デオキシ−3′
−フルオロチミジンを与えた。98.3%のHPLC純
度。
【0041】実施例9 3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン 反応フラスコに、100mLの水、4.70gの85%
水酸化カリウムペレットおよび10.0gの5′−メタ
ンスルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオ
ロチミジンを撹拌しながら充填した。溶液を63−67
℃に3時間加熱した。pHを12.8gの50%水性酢
酸を用いて4.2−4.7に調節し、その後、63−67
℃において1時間にわたり撹拌を続けながら1gの活性
炭および1gの珪藻土を加えた。混合物を1gの珪藻土
のパッドを通して濾過し、そしてケーキを20mLの熱
水で洗浄した。一緒にした濾液を真空下で濃縮して30
mLとし、そして生成したスラリーを0−5℃に冷却し
た。固体を濾過により単離し、そしてケーキを20mL
の冷水で洗浄した。湿っているケーキを炉の中で乾燥し
て、5.62gの希望する生成物を与えた。融点173.
3−177.7℃。HPLC純度98.0%。
【0042】本発明の主なる特徴および態様は以下のと
おりである。
【0043】1.式:
【0044】
【化5】
【0045】[式中、Xは酸素または硫黄であり、R1
およびR2は同一もしくは異なっておりそして水素、低
級アルキル(C1−C4)、置換された低級アルキル(C
1−C4)(ここで置換基はハロゲンもしくはヒドロキシ
である)、ハロゲン、OHまたはSHから選択される]
の2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロピリミジン
ヌクレオシド類の製造方法において、(a)式:
【0046】
【化6】
【0047】のピリミジンヌクレオシドをピリジン中に
溶解させ、0−5℃に冷却し、メタンスルホニルクロラ
イドを3対1のメタンスルホニルクロライド対ヌクレオ
シドのモル比で加え、温度を20−40℃に上昇させ、
冷却し、水を加え、そして3′,5′−ジ−メタンスル
ホニルピリミジンヌクレオシド化合物を濾過により単離
し、次に(b)25%までの濃度の3′,5′−ジ−メ
タンスルホニルピリミジンヌクレオシド化合物の水溶液
を許容可能な強塩基と反応させそして約50−55℃の
温度に加熱し、冷却し、そして固体の5′−メタンスル
ホニル−2′−ジデオキシ−2,3′−アンヒドロピリ
ミジンヌクレオシド化合物を濾過により集め、次に
(c)2%〜20%までの濃度のアンヒドロピリミジン
ヌクレオシド化合物のスラリーを1モルのアンヒドロピ
リミジンヌクレオシド当たり2−6モルの弗化物となる
のに充分な濃度の適当なアルミニウム試薬の存在下で弗
化水素と共に約55−115℃の温度に加熱することに
より5′−メタンスルホニル−2′−ジデオキシ−2,
3′−アンヒドロピリミジンヌクレオシド化合物を5′
−メタンスルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−
フルオロピリミジンヌクレオシド化合物に転化させ、そ
して反応混合物を水および炭酸カルシウムで処理し、濾
過し、混合物を濃縮して減じられた容量としそして固体
生成物を濾過により単離することにより5′−メタンス
ルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロピ
リミジンヌクレオシド化合物を回収し、次に(d)5′
−メタンスルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−
フルオロピリミジンヌクレオシド化合物を水性塩基と反
応させ、4−5のpHとなるまで酸性化し、濃縮して減
じられた容量とし、そして3′−デオキシ−3′−フル
オロピリミジンヌクレオシド化合物を濾過により集める
段階からなる方法。
【0048】2.2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオ
ロピリミジンヌクレオシド化合物が3′−デオキシ−
3′−フルオロチミジンである、上記1の方法。
【0049】3.段階(b)における許容可能な強塩基
が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである、上記
1の方法。
【0050】4.段階(c)の適当なアルミニウム試薬
が熱処理された三弗化アルミニウム水和物である、上記
1の方法。
【0051】5.段階(c)の適当なアルミニウム試薬
がアルミニウムアセチルアセトネート、トリヘキシルア
ルミニウムおよびアルミニウムイソプロポキシドからな
る群から選択された置換された有機アルミニウム化合物
である、上記1の方法。
【0052】6.段階(c)において式MHF2(ここで
MはNH4、K、NaまたはLiである)の無機アルカ
リ金属弗化水素化合物を反応混合物に加える、上記1の
方法。
【0053】7.中間生成物である5′−メタンスルホ
ニル−2,3′−アンヒドロチミジンを3′,5′−ジメ
タンスルホニルチミジンから製造する3′−デオキシ−
3′−フルオロチミジン(FLT)の製造方法におい
て、3′,5′−ジメタンスルホニルチミジンを25%
までの濃度で水性水酸化ナトリウム中で50−55℃に
おいて1時間反応させ、0−5℃に冷却し、撹拌し、そ
して固体を濾過により集めることからなる改良。
【0054】8.中間生成物である3′−フルオロ−
5′−メタンスルホニルチミジンを5′−メタンスルホ
ニル−2,3′−アンヒドロチミジンから乾燥弗化アル
ミニウム水和物の存在下におけるHFとの反応により製
造する3′−デオキシ−3′−フルオロチミジンの製造
方法において、5′−メタンスルホニル−2,3′−ア
ンヒドロチミジンのスラリーを乾燥三弗化アルミニウム
の存在下で適当な溶媒中でモル基準でHF対5′−メタ
ンスルホニル−2,3′−アンヒドロチミジンの濃度比
が約2:1となるようにして80−115℃の温度に約
3時間に加熱しそして該中間生成物を回収することから
なる改良。
【0055】9.中間生成物である3′−フルオロ−
5′−メタンスルホニルチミジンを5′−メタンスルホ
ニル−2,3′−アンヒドロチミジンから製造する3′
−デオキシ−3′−フルオロチミジンの製造方法におい
て、適当なアルミニウム試薬の存在下における5′−メ
タンスルホニル−2,3′−アンヒドロチミジンとHF
との反応により製造された反応混合物から、該反応混合
物を水および炭酸カルシウムと共に撹拌し、濾過し、濃
縮して減じられた容量とし、そして固体生成物を濾過に
より単離することにより、精製された中間生成物を回収
することからなる改良。
【0056】10.中間生成物である3′−フルオロ−
5′−メタンスルホニルチミジンから3′−デオキシ−
3′−フルオロチミジン(FLT)を製造する方法にお
いて、3′−フルオロ−5′−メタンスルホニルチミジ
ンを水性塩基と反応させ、酸性化し、濃縮して減じられ
た容量とし、そして生成物を濾過により集めることから
なる改良。
フロントページの続き (72)発明者 ドナルド・カール・ブープ アメリカ合衆国ニユージヤージイ州08804 ブルームスバリイ・ボツクス572・アール アール1 (72)発明者 スチーブン・エル・クロース アメリカ合衆国ニユージヤージイ州08835 マンビル・サウスセブンスアベニユー134 (72)発明者 ジヨン・レオ・コンシダイン・ジユニア アメリカ合衆国ニユージヤージイ州08807 ブリツジウオーター・ワインデイングブル ツクウエイ488 (72)発明者 サライラジヤ・パドマナサン アメリカ合衆国ニユージヤージイ州08854 ピスカタウエイ・デボンドライブウエスト 1 (72)発明者 カール・ジエイ・リツゾ アメリカ合衆国ニユージヤージイ州08889 ホワイトハウスステーシヨン・コシウスコ ロード43 (72)発明者 ジヨン・ロバート・アンドレード アメリカ合衆国ニユージヤージイ州08805 バウンドブルツク・チヤーチストリート 322

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、Xは酸素または硫黄であり、R1およびR2は同
    一もしくは異なっておりそして水素、低級アルキル(C
    1−C4)、置換された低級アルキル(C1−C4)(ここ
    で置換基はハロゲンもしくはヒドロキシである)、ハロ
    ゲン、OHまたはSHから選択される]の2′,3′−
    ジデオキシ−3′−フルオロピリミジンヌクレオシド類
    の製造方法において、(a)式: 【化2】 のピリミジンヌクレオシドをピリジン中に溶解させ、0
    −5℃に冷却し、メタンスルホニルクロライドを3対1
    のメタンスルホニルクロライド対ヌクレオシドのモル比
    で加え、温度を20−40℃に上昇させ、冷却し、水を
    加え、そして3′,5′−ジ−メタンスルホニルピリミ
    ジンヌクレオシド化合物を濾過により単離し、次に
    (b)25%までの濃度の3′,5′−ジ−メタンスル
    ホニルピリミジンヌクレオシド化合物の水溶液を許容可
    能な強塩基と反応させ、そして約50−55℃の温度に
    加熱し、冷却し、そして固体の5′−メタンスルホニル
    −2′−ジデオキシ−2,3′−アンヒドロピリミジン
    ヌクレオシド化合物を濾過により集め、次に(c)2%
    〜20%までの濃度のアンヒドロピリミジンヌクレオシ
    ド化合物のスラリーを1モルのアンヒドロピリミジンヌ
    クレオシド当たり2−6モルの弗化物となるのに充分な
    濃度の適当なアルミニウム試薬の存在下で弗化水素と共
    に約55−115℃の温度に加熱することにより5′−
    メタンスルホニル−2′−ジデオキシ−2,3′−アン
    ヒドロピリミジンヌクレオシド化合物を5′−メタンス
    ルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロピ
    リミジンヌクレオシド化合物に転化させ、そして反応混
    合物を水および炭酸カルシウムで処理し、濾過し、混合
    物を濃縮して減じられた容量としそして固体生成物を濾
    過により単離することにより5′−メタンスルホニル−
    2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロピリミジンヌ
    クレオシド化合物を回収し、次に(d)5′−メタンス
    ルホニル−2′,3′−ジデオキシ−3′−フルオロピ
    リミジンヌクレオシド化合物を水性塩基と反応させ、4
    −5のpHとなるまで酸性化し、濃縮して減じられた容
    量とし、そして3′−デオキシ−3′−フルオロピリミ
    ジンヌクレオシド化合物を濾過により集める段階からな
    る方法。
  2. 【請求項2】 中間生成物である5′−メタンスルホニ
    ル−2,3′−アンヒドロチミジンを3′,5′−ジメタ
    ンスルホニルチミジンから製造する3′−デオキシ−
    3′−フルオロチミジン(FLT)の製造方法におい
    て、3′,5′−ジメタンスルホニルチミジンを25%
    までの濃度で水性水酸化ナトリウム中で50−55℃に
    おいて1時間反応させ、0−5℃に冷却し、撹拌し、そ
    して固体を濾過により集めることからなる改良。
  3. 【請求項3】 中間生成物である3′−フルオロ−5′
    −メタンスルホニルチミジンを5′−メタンスルホニル
    −2,3′−アンヒドロチミジンから乾燥弗化アルミニ
    ウム水和物の存在下におけるHFとの反応により製造す
    る3′−デオキシ−3′−フルオロチミジンの製造方法
    において、5′−メタンスルホニル−2,3′−アンヒ
    ドロチミジンのスラリーを乾燥三弗化アルミニウムの存
    在下で適当な溶媒中でモル基準でHF対5′−メタンス
    ルホニル−2,3′−アンヒドロチミジンの濃度比が約
    2:1となるようにして80−115℃の温度に約3時
    間に加熱しそして該中間生成物を回収することからなる
    改良。
  4. 【請求項4】 中間生成物である3′−フルオロ−5′
    −メタンスルホニルチミジンを5′−メタンスルホニル
    −2,3′−アンヒドロチミジンから製造する3′−デ
    オキシ−3′−フルオロチミジンの製造方法において、
    適当なアルミニウム試薬の存在下における5′−メタン
    スルホニル−2,3′−アンヒドロチミジンとHFとの
    反応により製造された反応混合物から、該反応混合物を
    水および炭酸カルシウムと共に撹拌し、濾過し、濃縮し
    て減じられた容量とし、そして固体生成物を濾過により
    単離することにより、精製された中間生成物を回収する
    ことからなる改良。
  5. 【請求項5】 中間生成物である3′−フルオロ−5′
    −メタンスルホニルチミジンから3′−デオキシ−3′
    −フルオロチミジン(FLT)を製造する方法におい
    て、3′−フルオロ−5′−メタンスルホニルチミジン
    を水性塩基と反応させ、酸性化し、濃縮して減じられた
    容量とし、そして生成物を濾過により集めることからな
    る改良。
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