JP2011001372A - イノシン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、抗ウイルス薬として有用な下記式(7)で示される2',3'-ジデオキシイノシン(ジダノシン、DDI。以下「DDI」と称する)の製造方法、DDIを製造するのに重要な中間体化合物及びそれらの製造方法に関する。
DDIは、抗ウイルス薬として有用であり、米国、日本、欧州を始め多数の国において抗エイズ(AIDS)薬として既に認可されている薬品である。
これまでヌクレオシドをジデヒドロ(DD)体に導く製法として、例えばヌクレオシドの2'位と3'位の水酸基をチオカルボニル化した後、ラジカル還元することでジデヒドロジデオキシ(D4)体へと誘導し、このD4体を水素化等することにより、ジデヒドロ(DD)体を得ることが知られている。この技術を用いた種々の抗ウイルス剤を合成する方法として、非特許文献1に記載の方法をはじめいくつか報告されているが、当該文献に記載の方法は、ヌクレオシドの5'位水酸基をあらかじめ保護する工程を必要とする。そのような保護基としては、例えば、アデノシンを原料として製造する場合、tert-ブチルジメチルシリル基(例えば、非特許文献1参照)やトリチル基(例えば、非特許文献2参照)が使用されている。ところがイノシンを原料としてDDIを製造する場合、これらの保護基を用いると、以下のような問題点があった。すなわち、tert-ブチルジメチルシリル基は、高価であり、かつ脱保護にフッ素試薬を必要としていた。トリチル基を使用すると、良好な収率で反応が進行しなかった(例えば、特許文献1参照)。よって、安価でかつ収率良くDDI(7)及び2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(4)(D4イノシン;以下「D4I」と称する)を製造する方法の開発が望まれていた。
これまでヌクレオシドをジデヒドロ(DD)体に導く製法として、例えばヌクレオシドの2'位と3'位の水酸基をチオカルボニル化した後、ラジカル還元することでジデヒドロジデオキシ(D4)体へと誘導し、このD4体を水素化等することにより、ジデヒドロ(DD)体を得ることが知られている。この技術を用いた種々の抗ウイルス剤を合成する方法として、非特許文献1に記載の方法をはじめいくつか報告されているが、当該文献に記載の方法は、ヌクレオシドの5'位水酸基をあらかじめ保護する工程を必要とする。そのような保護基としては、例えば、アデノシンを原料として製造する場合、tert-ブチルジメチルシリル基(例えば、非特許文献1参照)やトリチル基(例えば、非特許文献2参照)が使用されている。ところがイノシンを原料としてDDIを製造する場合、これらの保護基を用いると、以下のような問題点があった。すなわち、tert-ブチルジメチルシリル基は、高価であり、かつ脱保護にフッ素試薬を必要としていた。トリチル基を使用すると、良好な収率で反応が進行しなかった(例えば、特許文献1参照)。よって、安価でかつ収率良くDDI(7)及び2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(4)(D4イノシン;以下「D4I」と称する)を製造する方法の開発が望まれていた。
一方、イノシンの1位のアミノ基と5'位の水酸基がベンジルで保護された化合物が知られている(例えば、非特許文献3参照)が、この化合物を原料に2'位と3'位の二つの水酸基をデオキシ化する方法は知られていなかった。
Chu, C. K. et al. J. Org. Chem. 1989, 54, 2217-2225
Yurkevich, A. M. et al. Tetrahedron, 1969, 25, 477-484
Luzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272
本発明は、収率良くDDI(7)、D4I(4)およびその誘導体を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、例えばLuzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272.に記載の方法に準じて合成した5'-O-ベンジル-N1-ベンジルイノシン誘導体を原料に、2'位と3'位の水酸基をチオカルボニル化した後、ラジカル還元することで下記一般式(1)で表されるイノシン誘導体へと誘導できることを新たに見出した。この知見に基づき本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記一般式(3):
で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化し、得られた化合物をラジカル還元することを含む、下記一般式(1)で表されるイノシン誘導体の製造方法を提供する。
(各一般式(1)及び(3)において、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有しても良いベンジル基、ベンズヒドリル基又はトリチル基を表す。)
本発明はまた、上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を水素化することを含む下記一般式(2)で表されるイノシン誘導体の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を水素化することを含む下記一般式(2)で表されるイノシン誘導体の製造方法を提供する。
(式中、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有しても良いベンジル基、ベンズヒドリル基又はトリチル基を表す。)
本発明はまた、上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体又は上記一般式(2)で表されるイノシン誘導体を水素化することを特徴とする、2',3'-ジデオキシイノシン(DDI)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体から置換基R1を脱離することを含む、上記一般式(4)で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化して下記一般式(5):
本発明はまた、上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体又は上記一般式(2)で表されるイノシン誘導体を水素化することを特徴とする、2',3'-ジデオキシイノシン(DDI)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体から置換基R1を脱離することを含む、上記一般式(4)で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化して下記一般式(5):
(各式中、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有しても良いベンジル基、ベンズヒドリル基又はトリチル基を表し、R2は炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数1〜12のアルキルアミノ基を表す。)
で表される化合物を得、該一般式(5)で表される化合物をラジカル還元して上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を得、該一般式(1)で表されるイノシン誘導体を水素化して上記一般式(2)で表される化合物を得、更に該一般式(2)で表される化合物から置換基R1を脱離することを含む、2',3'-ジデオキシイノシン(DDI)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化して上記一般式(5)で表される化合物を得、該一般式(5)で表される化合物から置換基R1を脱離して下記一般式(6):
で表される化合物を得、該一般式(5)で表される化合物をラジカル還元して上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を得、該一般式(1)で表されるイノシン誘導体を水素化して上記一般式(2)で表される化合物を得、更に該一般式(2)で表される化合物から置換基R1を脱離することを含む、2',3'-ジデオキシイノシン(DDI)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化して上記一般式(5)で表される化合物を得、該一般式(5)で表される化合物から置換基R1を脱離して下記一般式(6):
(式中、R2は炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数1〜12のアルコキシ基、又は炭素数1〜12のアルキルアミノ基を表す。)
で表される化合物を得、該一般式(6)で表される化合物をラジカル還元することを含む上記一般式(4)で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化して上記一般式(5)で表される化合物を得、該一般式(5)で表される化合物をラジカル還元して上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を得、該一般式(1)で表されるイノシン誘導体から置換基R1を脱離することを含む上記一般式(4)で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記製造方法により得られる2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)を水素化することを含むDDIの製造方法及び該製造方法により得られる2',3'-ジデオキシイノシン(DDI)を提供する。
本発明はまた、下記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を提供する。
で表される化合物を得、該一般式(6)で表される化合物をラジカル還元することを含む上記一般式(4)で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化して上記一般式(5)で表される化合物を得、該一般式(5)で表される化合物をラジカル還元して上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を得、該一般式(1)で表されるイノシン誘導体から置換基R1を脱離することを含む上記一般式(4)で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の製造方法を提供する。
本発明はまた、上記製造方法により得られる2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)を水素化することを含むDDIの製造方法及び該製造方法により得られる2',3'-ジデオキシイノシン(DDI)を提供する。
本発明はまた、下記一般式(1)で表されるイノシン誘導体を提供する。
(式中、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換基を有しても良いベンジル基、ベンズヒドリル基又はトリチル基を表す。)
本発明はまた、下記一般式(2)で表されるイノシン誘導体を提供する。
本発明はまた、下記一般式(2)で表されるイノシン誘導体を提供する。
本発明はまた、下記一般式(5)で表されるイノシン誘導体を提供する。
本発明はまた、下記一般式(6)で表されるイノシン誘導体を提供する。
一般式(2)、(5)及び(6)において、R1及びR2は上に定義したとおりである。
上記一般式(1)〜(3)及び(5)において、R1は、互いに同一でも異なっていてもよく、置換基を有しても良いベンジル基、ベンズヒドリル基又はトリチル基を表す。このうち、収率、経済性の観点から、置換基を有していても良いベンジル基が好ましい。R1が置換されている場合、その置換位置及び置換基の数は特に限定されない。R1の置換基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基などの炭素数1〜12のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基などの炭素数1〜12のアルコキシ基;アセトキシ基、ベンゾイロキシ基などの炭素数2〜12のアシルオキシ基;ヒドロキシ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;ビニル基;アリル基;フェニル基、ナフチル基、フリル基、インドリル基、ピリジル基などのアリール基;ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メチルアミノカルボニル基などのカルボニル基;アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミドなどのスルホニル基;アミノ基;N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-n-プロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N-n-ブチルアミノ基、N-イソブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基、N-ベンジルアミノ基、N-メトキシカルボニルアミノ基、N-tert-ブトキシカルボニルアミノ基、N-フェニルアミノ基、N-メシルアミノ基、N-トシルアミノ基、N-ホルミルアミノ基などの一級アミノ基;N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N,N-ジ-n-プロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-フェニルアミノ基、N-メチル-N-ベンジルアミノ基、N-メシル-N-メチルアミノ基、ピペリジル基、ピロリジル基などの二級アミノ基;ニトロ基;ニトロソ基;シアノ基;モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロメチル基などのハロアルキル基等があげられる。R1の置換基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基が好ましい。R1としては特に、置換基を有さないベンジル基、及び、置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基、特にメトキシ基、更に特にパラ位にメトキシ基を有するベンジル基が好ましい。
上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体は、例えば、(i)上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体をジチオカルボニル化して上記一般式(5)で表されるチオカルボニル化イノシン誘導体を得、(ii)得られた一般式(5)の化合物をラジカル還元することにより製造することができる。
ここで、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体は、例えば、Luzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272に記載の公知の方法を使用して製造することが出来る。すなわち、イノシンの2'位と3'位の水酸基をケタールで保護し、得られた化合物にベンジル基等を導入し、ケタールを脱保護することにより一般式(3)のイノシン誘導体を製造することが出来る。ここで使用する原料の量、適当な反応条件、溶媒の種類及び量、触媒等は当業者には明らかである。
ここで、上記一般式(3)で表されるイノシン誘導体は、例えば、Luzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272に記載の公知の方法を使用して製造することが出来る。すなわち、イノシンの2'位と3'位の水酸基をケタールで保護し、得られた化合物にベンジル基等を導入し、ケタールを脱保護することにより一般式(3)のイノシン誘導体を製造することが出来る。ここで使用する原料の量、適当な反応条件、溶媒の種類及び量、触媒等は当業者には明らかである。
上記一般式(5)、(6)において、R2は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキルアミノ基を表す。これらの基はそれぞれ置換基を有していても良い。このうち、収率、経済性の観点から、置換基を有していても良い炭素数1〜12のアルキルチオ基が好ましい。R2が置換されている場合、その置換位置及び置換基の数は特に限定されない。R2の置換基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基などの炭素数1〜12のアルコキシ基;ヒドロキシ基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;フリル基、インドリル基、ピリジル基などのヘテロアリール基;アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホンアミドなどのスルホニル基;アミノ基;N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-n-プロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N-n-ブチルアミノ基、N-イソブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基、N-ベンジルアミノ基、N-フェニルアミノ基、N-メシルアミノ基、N-トシルアミノ基などの一級アミノ基;N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N,N-ジ-n-プロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N-メチル-N-フェニルアミノ基、N-メチル-N-ベンジルアミノ基、N-メシル-N-メチルアミノ基、ピペリジル基、ピロリジル基などの二級アミノ基;ニトロ基;ニトロソ基;シアノ基等があげられる。R2の置換基としては、シアノ基が好ましい。R2としては特に、メチルチオ基、及び、エチルチオ基、2-シアノエチルチオ基が好ましく、更にメチルチオ基が好ましい。
(i) 本発明において、まず、一般式(3)のイノシン誘導体をジチオカルボニル化して、一般式(5)で表されるチオカルボニル化イノシン誘導体を得る。このジチオカルボニル化に於けるチオカルボニル化としては、アルキルチオチオカルボニル化、アルコキシチオカルボニル化、アルキルアミノチオカルボニル化等が挙げられる。
アルキルチオチオカルボニル化は、適当な溶媒中、塩基の存在下、一般式(3)のイノシン誘導体と二硫化炭素及びアルキルハライドとを反応させることにより行うことができる。溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等があげられ、DMSOが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体1molに対し、0.5〜5 Lが好ましく、1〜2 Lがより好ましい。二硫化炭素の量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜4当量が好ましく、2〜2.5当量がより好ましい。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等があげられ、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜4当量が好ましく、2〜2.5当量がより好ましい。使用するアルキルハライドとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化2-シアノエチル等が挙げられる。このうちヨウ化メチル、臭化2-シアノエチルが好ましい。アルキルハライドの量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜5当量が好ましく、2〜3当量がより好ましい。反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、通常−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃である。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは1〜3時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
アルキルチオチオカルボニル化は、適当な溶媒中、塩基の存在下、一般式(3)のイノシン誘導体と二硫化炭素及びアルキルハライドとを反応させることにより行うことができる。溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等があげられ、DMSOが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体1molに対し、0.5〜5 Lが好ましく、1〜2 Lがより好ましい。二硫化炭素の量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜4当量が好ましく、2〜2.5当量がより好ましい。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム等があげられ、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜4当量が好ましく、2〜2.5当量がより好ましい。使用するアルキルハライドとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化2-シアノエチル等が挙げられる。このうちヨウ化メチル、臭化2-シアノエチルが好ましい。アルキルハライドの量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜5当量が好ましく、2〜3当量がより好ましい。反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、通常−20℃〜50℃、好ましくは0℃〜30℃である。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは1〜3時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
アルコキシチオカルボニル化は、例えばWO0173095に記載の様に、適当な溶媒中で、塩基の存在下、一般式(3)のイノシン誘導体とアルコキシチオカルボニルハライドとを反応させることにより行う事ができる。溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ピリジン、酢酸エチル、トルエン等の有機溶媒があげられ、アセトニトリルが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体1molに対し、0.5〜5 Lが好ましく、1〜2 Lがより好ましい。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、N-エチルピペリジン、N-エチルモルホリン等の有機三級アミンがあげられ、トリエチルアミン及びピリジンが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜4当量が好ましく、2〜2.5当量がより好ましい。反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、通常−50℃〜50℃、好ましくは−20℃〜20℃である。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。反応時間は、通常、0.1〜5時間、好ましくは0.5〜2時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
アルキルアミノチオカルボニル化は、例えばNishiyama, K. et al. Tetrahedron Lett., 2003, 44, 4027-4029もしくはIzawa, K. et al. Tetrahedron Lett., 2001, 42, 7605-7608等に記載の方法、すなわち適当な溶媒中、必要に応じて塩基の存在下、一般式(3)のイノシン誘導体とフェニルイソチオシアネートもしくは1,1'-チオカルボニルジイミダゾールとを反応させることにより行う事ができる。溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の有機溶媒があげられ、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体1molに対し、0.5〜5 Lが好ましく、1〜2 Lがより好ましい。塩基としては、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があげられ、水素化ナトリウムが好ましい。その量は、一般式(3)のイノシン誘導体に対し、2〜4当量が好ましく、2〜2.5当量がより好ましい。なお、塩基を用いなくても反応が進行する場合もあり、必ずしも塩基が必要という訳ではない。反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、通常−20℃〜100℃、好ましくは0℃〜80℃である。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。反応時間は、通常、0.1〜5時間、好ましくは0.5〜2時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
(ii) 本発明では、一般式(5)で表される化合物をラジカル還元することにより、一般式(1)の化合物を得ることができる。
この工程で使用できる溶媒としては、ジメトキシエタン(DME)、アセトニトリル、酢酸エステル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類があげられる。このうち、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)が好ましい。その量は、一般式(5)で表される化合物1molに対し、0.5〜5 Lが好ましく、1〜2 Lがより好ましい。
本工程で使用できるラジカル還元剤としては、ジ亜リン酸及びその塩類、例えばN-エチルピペリジン次亜リン酸塩、トリブチルスズヒドリド、ジフェニルシランなどのシラン化合物等があげられる。このうち、ジ亜リン酸及びその塩類が好ましく、N-エチルピペリジン次亜リン酸塩が特に好ましい。その使用量は、工程(i)で得られた化合物1モルに対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜5当量である。
この工程で使用できる溶媒としては、ジメトキシエタン(DME)、アセトニトリル、酢酸エステル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール、エタノール、2-プロパノール等のアルコール類があげられる。このうち、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)が好ましい。その量は、一般式(5)で表される化合物1molに対し、0.5〜5 Lが好ましく、1〜2 Lがより好ましい。
本工程で使用できるラジカル還元剤としては、ジ亜リン酸及びその塩類、例えばN-エチルピペリジン次亜リン酸塩、トリブチルスズヒドリド、ジフェニルシランなどのシラン化合物等があげられる。このうち、ジ亜リン酸及びその塩類が好ましく、N-エチルピペリジン次亜リン酸塩が特に好ましい。その使用量は、工程(i)で得られた化合物1モルに対して、通常1〜20当量、好ましくは1〜5当量である。
本工程で使用できるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、トリエチルボラン等があげられる。このうち、AIBNが好ましい。その使用量は、一般式(5)で表される化合物1モルに対して、通常0.01〜2当量、好ましくは0.1〜1当量である。
本工程の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、0〜120℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
本工程の反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
本発明の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
本工程の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、0〜120℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
本工程の反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。
本発明の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
(iii) 本発明では、上記一般式(2)で表される化合物は、例えば、上記一般式(1)で表される化合物を水素化することにより製造することができる。
本発明において使用できる触媒としては、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素、プラチナ炭素等があげられる。このうち、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素が好ましい。
水素圧としては、0.5〜10気圧が好ましく、0.8〜2気圧がより好ましい。
本発明で使用できる溶媒としては、任意の有機溶媒があげられるが、特にDMF、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。このうち、特にメタノールが好ましい。
本発明の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、10〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
本工程の反応時間は、通常、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
本発明の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
本発明において使用できる触媒としては、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素、プラチナ炭素等があげられる。このうち、パラジウム炭素、水酸化パラジウム炭素が好ましい。
水素圧としては、0.5〜10気圧が好ましく、0.8〜2気圧がより好ましい。
本発明で使用できる溶媒としては、任意の有機溶媒があげられるが、特にDMF、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。このうち、特にメタノールが好ましい。
本発明の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、10〜60℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
本工程の反応時間は、通常、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間である。
本発明の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
(iv) 本発明において、上記一般式(1)又は上記一般式(2)で表されるイノシン誘導体を、水素化することにより目的とするDDI(7)へ導くことが可能である。具体的には上記一般式(1)で表されるイノシン誘導体における糖部分の二重結合を水素添加して上記一般式(2)で表されるイノシン誘導体へと誘導し、更に水素化分解によりR1の保護基をはずして目的のDDIへと導く。この場合、好ましい形態として、まず上記一般式(1)で示されるイノシン誘導体を金属触媒存在下、水素雰囲気下で、糖部分の二重結合を水素化することにより上記一般式(2)で表されるイノシン誘導体へと誘導し、引き続きアルカリ存在下、室温において一つ目のベンジル基を外し、更に水素圧を上げる及び/又は高温下で反応させて二つ目のベンジルを外して目的のDDIへと変換する。この場合、特に好ましい形態としては、アルカリとして水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、一つ目のベンジル基を外す条件として反応時間を0.5から5時間、二つ目のベンジルを外す条件として水素圧を好ましくは0.5〜10気圧、更に好ましくは0.8〜2気圧、温度は40〜150℃、好ましくは60〜120℃で、2〜24時間反応させる。
(v) 上記一般式(1)の化合物はまた、続いて置換基R1を脱離することにより、D4I(4)を得ることができる。特に、一般式(3)において、R1が炭素数1〜12のアルコキシ基、さらに特にメトキシ基、さらに特にパラ位にメトキシ基を有するベンジル基であるイノシン誘導体を出発原料として用いた場合有用である。
この工程で使用できる置換基R1の脱離剤(脱保護剤)としては、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン等があげられる。このうち、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンが好ましい。その量は、一般式(1)の化合物1molに対し、1〜5molが好ましく、2〜3molがより好ましい。
この工程で使用できる溶媒としては、アセトニトリル-水混合溶液、ジクロロメタン-水混合溶液、テトラヒドロフラン等があげられる。このうち、アセトニトリル-水混合溶液が好ましい。その量は、一般式(1)の化合物1molに対し、1〜100mLが好ましく、10〜50mLがより好ましい。
本工程の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、0〜100℃が好ましく、室温がより好ましい。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程の反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは2〜5時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程によれば、高い収率でD4I(4)を得ることができるので好ましい。
本工程の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
この工程で使用できる置換基R1の脱離剤(脱保護剤)としては、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン等があげられる。このうち、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンが好ましい。その量は、一般式(1)の化合物1molに対し、1〜5molが好ましく、2〜3molがより好ましい。
この工程で使用できる溶媒としては、アセトニトリル-水混合溶液、ジクロロメタン-水混合溶液、テトラヒドロフラン等があげられる。このうち、アセトニトリル-水混合溶液が好ましい。その量は、一般式(1)の化合物1molに対し、1〜100mLが好ましく、10〜50mLがより好ましい。
本工程の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、0〜100℃が好ましく、室温がより好ましい。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程の反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは2〜5時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程によれば、高い収率でD4I(4)を得ることができるので好ましい。
本工程の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
(vi) 本発明において、上記一般式(5)から置換基R1を脱離することにより、一般式(6)で表されるチオカルボニルイノシンが得られる。特に一般式(3)において、R1が、炭素数1〜12のアルコキシ基、さらに特にメトキシ基、さらに特にパラ位にメトキシ基を有するベンジル基であるイノシン誘導体を出発原料として用いた場合有用である。
この工程で使用できる置換基R1の脱離剤としては、工程(v)で使用できるのと同じものがあげられる。このうち、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンが好ましい。その量は、一般式(5)の化合物1molに対し、1〜5molが好ましく、2〜3molがより好ましい。
この工程で使用できる溶媒およびその量、反応温度、反応時間は、工程(iv)の条件と同じものであり好ましい条件並びにその理由も同様である。
本工程の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
この工程で使用できる置換基R1の脱離剤としては、工程(v)で使用できるのと同じものがあげられる。このうち、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノンが好ましい。その量は、一般式(5)の化合物1molに対し、1〜5molが好ましく、2〜3molがより好ましい。
この工程で使用できる溶媒およびその量、反応温度、反応時間は、工程(iv)の条件と同じものであり好ましい条件並びにその理由も同様である。
本工程の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
(vii) 本発明において、一般式(6)で表される化合物をラジカル還元することによりD4I(4)を得ることができる。
この工程で使用できるラジカル還元剤としては、工程(ii)で使用できるものと同じものがあげられる。このうち、ジ亜リン酸及びその塩類が好ましく、N-エチルピペリジン次亜リン酸塩がより好ましい。その量は、一般式(6)の化合物1モルに対し、1〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
この工程で使用できる溶媒としては、テトラヒドロフランとトリエチルボランヘキサン溶液との混合溶液、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等があげられる。このうち、テトラヒドロフランとトリエチルボランヘキサン溶液との混合溶液が好ましい。その量は、一般式(6)の化合物1モルに対し、0.5〜5Lが好ましく、1〜2Lがより好ましい。
本工程の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、0〜120℃が好ましく、室温がより好ましい。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程の反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは1〜50時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程によれば、高い収率でD4Iを得ることができるので好ましい。
本工程の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
この工程で使用できるラジカル還元剤としては、工程(ii)で使用できるものと同じものがあげられる。このうち、ジ亜リン酸及びその塩類が好ましく、N-エチルピペリジン次亜リン酸塩がより好ましい。その量は、一般式(6)の化合物1モルに対し、1〜20当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
この工程で使用できる溶媒としては、テトラヒドロフランとトリエチルボランヘキサン溶液との混合溶液、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等があげられる。このうち、テトラヒドロフランとトリエチルボランヘキサン溶液との混合溶液が好ましい。その量は、一般式(6)の化合物1モルに対し、0.5〜5Lが好ましく、1〜2Lがより好ましい。
本工程の反応温度は、溶媒の種類によって異なるが、0〜120℃が好ましく、室温がより好ましい。このような温度範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程の反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは1〜50時間である。このような時間範囲で反応を行うことは、収率の観点で好ましい。本工程によれば、高い収率でD4Iを得ることができるので好ましい。
本工程の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製してもよい。
(viii) 本発明において、工程(vii)で得られるD4I(4)を、当業界で公知の技術により水素化することによってもまたDDI(7)を得ることができる(例えば、Chu, C. K. et al. J. Org. Chem. 1989, 54, 2217-2225参照)。
この工程で使用できる触媒およびその量、溶媒およびその量、反応温度、反応時間は、工程(iii)の条件と同じものであり好ましい条件並びにその理由も同様である。
この工程で使用できる触媒およびその量、溶媒およびその量、反応温度、反応時間は、工程(iii)の条件と同じものであり好ましい条件並びにその理由も同様である。
D4I(4)又は一般式(2)で表されるイノシン誘導体は、以下の工程の組合せ:(i)→(ii)→(iii)、(i)→(ii)→(v)又は(i)→(vi)→(vii)で製造することができる。このうち、一般式(3)においてR1がp-メトキシベンジル基であるイノシン誘導体を原料として用い、工程(i)→(vi)→(vii)によりD4Iを製造すると、特に高い収率でD4Iを得ることができるので好ましい。
DDI(7)は、上記工程の組合せによりD4I又は一般式(2)で表されるイノシン誘導体を得た後、工程(iv)又は(viii)を行うことにより得ることができる。すなわち、以下の工程の組合せ:(i)→(ii)→(iii)→(iv)、(i)→(ii)→(v)→(viii)又は(i)→(vi)→(vii)→(viii)で製造することができる。このうち、一般式(3)においてR1がp-メトキシベンジル基であるイノシン誘導体を原料として用い、工程(i)→(vi)→(vii)→(viii)によりDDIを製造すると、特に高い収率でDDIを得ることができるので好ましい。
本発明の反応が終了した後、生成物をさらにクロマトグラフィー、結晶化等常法により精製することにより目的のDDIを得ることができる。
以下に実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
以下に実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
実施例
実施例1 N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシンの合成
Luzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272.に記載の方法に準じて合成したN1,5'-O-ジベンジルンイノシン(224 mg, 0.5 mmol)のジメチルスルホキシド(1 mL)溶液に、4.0 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.28 mL, 1.1 mmol)と二硫化炭素(0.09 mL, 1.5 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。得られた溶液にヨウ化メチル(0.07 mL, 1.1 mmol)を滴下し、室温で1時間撹拌した後酢酸エチル(10 mL)と水(2 mL)を加えて反応を停止させた。分層した後水層に酢酸エチル(10 mL)を加えて再抽出し、得られた二つの有機層を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 15g; 溶出液 1:2 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(276 mg, 88%収率)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) : δ 2.53 (s, 3H), δ 2.60 (s, 3H), δ 3.75-3.90 (m, 2H), δ 4.58 (m, 1H), δ 4.63 (s, 2H), δ 5.25 (s, 1H), δ 6.44 (m, 2H), δ 6.62 (m, 1H), δ 7.25-7.39 (m, 10H), δ 7.96 (s, 1H), δ 8.01 (s, 1H). 13C-NMR (CDCl3) : δ 19.79, 19.88, 49.58, 69.68, 74.30, 79.55, 80.87, 83.56, 85.60, 125.11, 128.05, 128.35, 128.55, 128.71, 129.03, 129.41, 136.35, 137.40, 138.76, 147.81, 148.02, 156.84, 214.71, 215.05. ESIMS m/z: 629 (M+H).
実施例1 N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシンの合成
Luzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272.に記載の方法に準じて合成したN1,5'-O-ジベンジルンイノシン(224 mg, 0.5 mmol)のジメチルスルホキシド(1 mL)溶液に、4.0 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.28 mL, 1.1 mmol)と二硫化炭素(0.09 mL, 1.5 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。得られた溶液にヨウ化メチル(0.07 mL, 1.1 mmol)を滴下し、室温で1時間撹拌した後酢酸エチル(10 mL)と水(2 mL)を加えて反応を停止させた。分層した後水層に酢酸エチル(10 mL)を加えて再抽出し、得られた二つの有機層を混合し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 15g; 溶出液 1:2 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(276 mg, 88%収率)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) : δ 2.53 (s, 3H), δ 2.60 (s, 3H), δ 3.75-3.90 (m, 2H), δ 4.58 (m, 1H), δ 4.63 (s, 2H), δ 5.25 (s, 1H), δ 6.44 (m, 2H), δ 6.62 (m, 1H), δ 7.25-7.39 (m, 10H), δ 7.96 (s, 1H), δ 8.01 (s, 1H). 13C-NMR (CDCl3) : δ 19.79, 19.88, 49.58, 69.68, 74.30, 79.55, 80.87, 83.56, 85.60, 125.11, 128.05, 128.35, 128.55, 128.71, 129.03, 129.41, 136.35, 137.40, 138.76, 147.81, 148.02, 156.84, 214.71, 215.05. ESIMS m/z: 629 (M+H).
実施例2 N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの合成
N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(314 mg, 0.5 mmol)のアセトニトリル(1 mL)溶液を80 ℃まで加熱し、この溶液に、N-エチルピペリジン次亜リン酸塩(358 mg, 2 mmol)のアセトニトリル(1 mL)溶液と、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(16.4 mg, 0.1 mmol)を添加し、90 ℃で1時間加熱撹拌した。反応液を冷却し、水(3 mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(15 mL) を加えて抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 12g; 溶出液 1:2 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(150mg, 71%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) : δ 3.61 (d, 2H, J=3.8 Hz), δ 4.45 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 4.54 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 5.06 (m, 1H), δ 5.25 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 5.31 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 6.01 (d, 1H, J=6.0 Hz), δ 6.40 (d, 1H, J=6.0 Hz), δ 6.98 (s, 1H), δ 7.21-7.37 (m, 10H), δ 8.00 (s, 1H), δ 8.03 (s, 1H). 13C-NMR (CDCl3) : δ 49.47, 71.13, 73.82, 86.89, 88.54, 124.80, 125.38, 128.27, 128.48, 128.62, 128.71, 128.87, 129.36, 135.02, 136.56, 137.82, 139.24, 147.65, 147.69, 157.04. ESIMS m/z: 417 (M+H).
N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(314 mg, 0.5 mmol)のアセトニトリル(1 mL)溶液を80 ℃まで加熱し、この溶液に、N-エチルピペリジン次亜リン酸塩(358 mg, 2 mmol)のアセトニトリル(1 mL)溶液と、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(16.4 mg, 0.1 mmol)を添加し、90 ℃で1時間加熱撹拌した。反応液を冷却し、水(3 mL)を加えて反応を停止させ、酢酸エチル(15 mL) を加えて抽出し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 12g; 溶出液 1:2 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(150mg, 71%)を無色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3) : δ 3.61 (d, 2H, J=3.8 Hz), δ 4.45 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 4.54 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 5.06 (m, 1H), δ 5.25 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 5.31 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 6.01 (d, 1H, J=6.0 Hz), δ 6.40 (d, 1H, J=6.0 Hz), δ 6.98 (s, 1H), δ 7.21-7.37 (m, 10H), δ 8.00 (s, 1H), δ 8.03 (s, 1H). 13C-NMR (CDCl3) : δ 49.47, 71.13, 73.82, 86.89, 88.54, 124.80, 125.38, 128.27, 128.48, 128.62, 128.71, 128.87, 129.36, 135.02, 136.56, 137.82, 139.24, 147.65, 147.69, 157.04. ESIMS m/z: 417 (M+H).
実施例3 N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ジデオキシイノシンの合成
N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(207 mg, 0.5 mmol)のメタノール(1 mL)溶液に、5%パラジウム炭素(20 mg)を加え、水素(1 atm)雰囲気下、室温で二時間撹拌した。得られた反応液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 15g; 溶出液 酢酸エチル)により精製し、目的物(187 mg, 90%収率)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) : δ 2.08-2.17 (m, 2H), δ 2.40-2.49 (m, 2H), δ 3.59 (d-d, 1H, J=10.5, 4.4 Hz), δ 3.73 (d-d, 1H, J=10.5, 3.3 Hz), δ 4.30-4.40 (m, 1H), δ 4.55 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 4.60 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 5.24 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 5.28 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 6.24 (d-d, 1H, J=6.5, 3.3 Hz), δ 7.27-7.37 (m, 10H), δ 7.97 (s, 1H), δ 8.14 (s, 1H). 13C-NMR (CDCl3) : δ 26.43, 33.58, 49.43, 71.48, 73.90, 81.20, 85.78, 125.29, 128.20, 128.26, 128.41, 128.52, 128.91, 129.38, 136.55, 138.05, 138.83, 147.08, 147.16, 157.04. ESIMS m/z: 415 (M+H).
N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(207 mg, 0.5 mmol)のメタノール(1 mL)溶液に、5%パラジウム炭素(20 mg)を加え、水素(1 atm)雰囲気下、室温で二時間撹拌した。得られた反応液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 15g; 溶出液 酢酸エチル)により精製し、目的物(187 mg, 90%収率)を白色固体として得た。
1H-NMR (CDCl3) : δ 2.08-2.17 (m, 2H), δ 2.40-2.49 (m, 2H), δ 3.59 (d-d, 1H, J=10.5, 4.4 Hz), δ 3.73 (d-d, 1H, J=10.5, 3.3 Hz), δ 4.30-4.40 (m, 1H), δ 4.55 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 4.60 (d, 1H, J=12.2 Hz), δ 5.24 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 5.28 (d, 1H, J=14.7 Hz), δ 6.24 (d-d, 1H, J=6.5, 3.3 Hz), δ 7.27-7.37 (m, 10H), δ 7.97 (s, 1H), δ 8.14 (s, 1H). 13C-NMR (CDCl3) : δ 26.43, 33.58, 49.43, 71.48, 73.90, 81.20, 85.78, 125.29, 128.20, 128.26, 128.41, 128.52, 128.91, 129.38, 136.55, 138.05, 138.83, 147.08, 147.16, 157.04. ESIMS m/z: 415 (M+H).
実施例4 2',3'-ジデオキシイノシン(DDI)の合成
N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ジデオキシイノシン(52 mg, 0.125 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液に、1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.3 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。この溶液に20%水酸化パラジウム炭素(10 mg)を加え、水素(1 atm)雰囲気下室温で二時間撹拌した後、80 ℃で16時間加熱撹拌し、さらに100 ℃で6時間撹拌した。得られた反応液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 10g; 溶出液 4:1 ジクロロメタン:メタノール)により精製し、目的物(21 mg, 70%収率)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : δ 2.00-2.07 (m, 2H), δ 2.31-2.53 (m, 2H), δ 3.52 (m, 1H), δ 3.62 (m, 1H), δ 4.11 (m, 1H), δ 4.96 (m, 1H), δ 6.21 (d-d, 1H, J=6.8, 3.3 Hz), δ 8.05 (s, 1H), δ 8.33 (s, 1H). 13C-NMR (DMSO-d6) : δ 25.77, 32.49, 62.96, 82.40, 84.80, 124.64, 138.54, 145.97, 147.94, 156.98. ESIMS m/z: 237 (M+H).
N1,5'-O-ジベンジル-2',3'-ジデオキシイノシン(52 mg, 0.125 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1 mL)溶液に、1 mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(0.3 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。この溶液に20%水酸化パラジウム炭素(10 mg)を加え、水素(1 atm)雰囲気下室温で二時間撹拌した後、80 ℃で16時間加熱撹拌し、さらに100 ℃で6時間撹拌した。得られた反応液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(シリカゲル 10g; 溶出液 4:1 ジクロロメタン:メタノール)により精製し、目的物(21 mg, 70%収率)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) : δ 2.00-2.07 (m, 2H), δ 2.31-2.53 (m, 2H), δ 3.52 (m, 1H), δ 3.62 (m, 1H), δ 4.11 (m, 1H), δ 4.96 (m, 1H), δ 6.21 (d-d, 1H, J=6.8, 3.3 Hz), δ 8.05 (s, 1H), δ 8.33 (s, 1H). 13C-NMR (DMSO-d6) : δ 25.77, 32.49, 62.96, 82.40, 84.80, 124.64, 138.54, 145.97, 147.94, 156.98. ESIMS m/z: 237 (M+H).
実施例5 N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシンの合成
Luzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272.に記載の方法に準じて合成したN1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジルイノシン(400 mg, 0.78 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)溶液に、水素化ナトリウム(94 mg, 2.34 mmol, 60%ミネラルオイルディスパージョン)を加え、室温で2時間撹拌した後、二硫化炭素(0.48 mL, 7.88 mmol)を加え室温で12時間撹拌した。得られた溶液にヨウ化メチル(0.5 mL, 7.88 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 1:1 ヘキサン:酢酸エチル→3:7 ヘキサン:酢酸エチル→酢酸エチル)により精製し、目的物(484 mg, 82%収率)を得た。1H NMR (CDCl3) : δ 2.50 (s, 6H), δ 2.89 (s, 2H), δ 2.96 (s, 2H), δ 3.80 (s, 6H), δ 4.69-4.87 (m, 3H), δ 5.71-5.81 (m, 1H), δ 6.13 (m, 1H), δ 6.29 (m, 1H), δ 6.84-6.92 (m, 4H), δ 7.15-7.36 (m, 4H), δ 7.88 (s, 1H), δ 8.04 (s, 1H).
Luzzio, F. A. et al. J. Org. Chem., 1994, 59, 7267-7272.に記載の方法に準じて合成したN1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジルイノシン(400 mg, 0.78 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)溶液に、水素化ナトリウム(94 mg, 2.34 mmol, 60%ミネラルオイルディスパージョン)を加え、室温で2時間撹拌した後、二硫化炭素(0.48 mL, 7.88 mmol)を加え室温で12時間撹拌した。得られた溶液にヨウ化メチル(0.5 mL, 7.88 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した後、反応液を減圧下濃縮した。酢酸エチルで希釈し、有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 1:1 ヘキサン:酢酸エチル→3:7 ヘキサン:酢酸エチル→酢酸エチル)により精製し、目的物(484 mg, 82%収率)を得た。1H NMR (CDCl3) : δ 2.50 (s, 6H), δ 2.89 (s, 2H), δ 2.96 (s, 2H), δ 3.80 (s, 6H), δ 4.69-4.87 (m, 3H), δ 5.71-5.81 (m, 1H), δ 6.13 (m, 1H), δ 6.29 (m, 1H), δ 6.84-6.92 (m, 4H), δ 7.15-7.36 (m, 4H), δ 7.88 (s, 1H), δ 8.04 (s, 1H).
実施例6 N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの合成
1.764 mol/LのN-エチルピペリジン次亜リン酸塩1,4-ジオキサン溶液(2.04 mL, 3.6 mmol)に、N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(250 mg, 0.36 mmol)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液と1.0 mol/Lのトリエチルボランヘキサン溶液(0.36 mL, 0.36 mmol)の混合溶液を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 3:7 ヘキサン:酢酸エチル→酢酸エチル→10:1 ジクロロメタン-メタノール)により精製し、目的物(169mg, 98%)を得た。1H NMR (CDCl3) : δ 2.89 (s, 2H), δ 2.97 (s, 2H), δ 3.79 (s, 6H), δ 3.9 (m, 2H), δ 4.51 (m, 1H), δ 4.87 (m, 1H), δ 5.95 (m, 1H), δ 6.81 (m, 1H) δ 6.78-6.90 (m, 4H), δ 7.10-7.39 (m, 4H), δ 7.99 (s, 1H), δ 8.01(s, 1H).
1.764 mol/LのN-エチルピペリジン次亜リン酸塩1,4-ジオキサン溶液(2.04 mL, 3.6 mmol)に、N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(250 mg, 0.36 mmol)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液と1.0 mol/Lのトリエチルボランヘキサン溶液(0.36 mL, 0.36 mmol)の混合溶液を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 3:7 ヘキサン:酢酸エチル→酢酸エチル→10:1 ジクロロメタン-メタノール)により精製し、目的物(169mg, 98%)を得た。1H NMR (CDCl3) : δ 2.89 (s, 2H), δ 2.97 (s, 2H), δ 3.79 (s, 6H), δ 3.9 (m, 2H), δ 4.51 (m, 1H), δ 4.87 (m, 1H), δ 5.95 (m, 1H), δ 6.81 (m, 1H) δ 6.78-6.90 (m, 4H), δ 7.10-7.39 (m, 4H), δ 7.99 (s, 1H), δ 8.01(s, 1H).
実施例7 2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の合成
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(150 mg, 0.32 mmol)の3:1アセトニトリル-水混合溶液(5 mL)に、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(526 mg, 0.96 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し、目的物(75mg, 99%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) : δ 3.57 (m, 2H), δ 4.89 (m, 1H), δ 6.14 (m, 1H), δ 6.48 (m, 1H), δ 6.91 (m, 1H), δ 8.08 (s, 1H), δ 8.11 (s, 1H).
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(150 mg, 0.32 mmol)の3:1アセトニトリル-水混合溶液(5 mL)に、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(526 mg, 0.96 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し、目的物(75mg, 99%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) : δ 3.57 (m, 2H), δ 4.89 (m, 1H), δ 6.14 (m, 1H), δ 6.48 (m, 1H), δ 6.91 (m, 1H), δ 8.08 (s, 1H), δ 8.11 (s, 1H).
実施例8 2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシンの合成
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(151 mg, 0.22 mmol)の3:1アセトニトリル-水混合溶液(4 mL)に、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(362 mg, 0.66 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し、目的物(99mg, 99%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) : δ 2.50 (s, 6H), δ 3.59 (m, 2H), δ 4.95 (m, 1H), δ 5.18 (m, 1H) δ 6.11 (m, 1H), δ 6.25 (m, 1H), δ 7.89 (s, 1H), δ 8.04 (s, 1H).
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(151 mg, 0.22 mmol)の3:1アセトニトリル-水混合溶液(4 mL)に、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(362 mg, 0.66 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮し、目的物(99mg, 99%)を得た。1H NMR (DMSO-d6) : δ 2.50 (s, 6H), δ 3.59 (m, 2H), δ 4.95 (m, 1H), δ 5.18 (m, 1H) δ 6.11 (m, 1H), δ 6.25 (m, 1H), δ 7.89 (s, 1H), δ 8.04 (s, 1H).
実施例9 2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシンの合成
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(151 mg, 0.22 mmol)の18:1ジクロロメタン-水混合溶液(7.2 mL)に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(150 mg, 0.66 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 1:1→3:7→2:8 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(87mg, 88%)を得た。
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(151 mg, 0.22 mmol)の18:1ジクロロメタン-水混合溶液(7.2 mL)に、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(150 mg, 0.66 mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 1:1→3:7→2:8 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(87mg, 88%)を得た。
実施例10 2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシンの合成
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(151 mg, 0.22 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10 mL)に、10%パラジウム炭素(23 mg)を加え、水素(1 atm)雰囲気下、室温で2日間撹拌した。得られた反応液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 1:1→3:7→2:8 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(42mg, 43%)を得た。
N1,5'-O-ジ-p-メトキシベンジル-2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(151 mg, 0.22 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10 mL)に、10%パラジウム炭素(23 mg)を加え、水素(1 atm)雰囲気下、室温で2日間撹拌した。得られた反応液からパラジウム触媒をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 1:1→3:7→2:8 ヘキサン-酢酸エチル)により精製し、目的物(42mg, 43%)を得た。
実施例11 2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシン(D4I)の合成
1.764 mol/LのN-エチルピペリジン次亜リン酸塩1,4-ジオキサン溶液(1.25 mL, 2.2 mmol)に、2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(99 mg, 0.22 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液と1.0 mol/Lのトリエチルボランヘキサン溶液(0.22 mL, 0.22 mmol)の混合溶液を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 3:7 ヘキサン:酢酸エチル→酢酸エチル→10:1 ジクロロメタン-メタノール)により精製し、目的物(47 mg, 92%)を得た。
1.764 mol/LのN-エチルピペリジン次亜リン酸塩1,4-ジオキサン溶液(1.25 mL, 2.2 mmol)に、2',3'-ビス-O-[(メチルチオ)チオカルボニル]イノシン(99 mg, 0.22 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液と1.0 mol/Lのトリエチルボランヘキサン溶液(0.22 mL, 0.22 mmol)の混合溶液を加え、室温で1時間撹拌した。得られた反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。クロマトグラフィー(溶出液 3:7 ヘキサン:酢酸エチル→酢酸エチル→10:1 ジクロロメタン-メタノール)により精製し、目的物(47 mg, 92%)を得た。
本発明の製造方法によれば、安価に、短い工程で、収率良くDDIを合成することができる。その結果、抗エイズ薬等として有用な化合物を工業的規模で製造することが可能となり、その利用価値を高めることができる。
Claims (29)
- 一般式(1)及び(3)において、R1が置換基を有しても良いベンジル基である請求項1記載のイノシン誘導体の製造方法。
- 一般式(1)及び(3)において、R1が置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基を有するベンジル基又は無置換のベンジル基である請求項1記載のイノシン誘導体の製造方法。
- 下記一般式(3):
で表される化合物を得、更に該一般式(2)で表される化合物から置換基R1を脱離することを含む、2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。 - 一般式(1)〜(3)及び(5)において、R1が置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基を有するベンジル基又は無置換のベンジル基であり、一般式(5)においてR2が炭素数1〜12のアルキルチオ基である請求項7記載の2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 下記一般式(3):
で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。 - 一般式(3)及び(5)において、R1が置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基を有するベンジル基又は無置換のベンジル基であり、一般式(5)及び(6)においてR2が炭素数1〜12のアルキルチオ基である請求項9記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 一般式(3)及び(5)において、R1が置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基を有するベンジル基である請求項9記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 一般式(3)及び(5)において、R1がメトキシベンジル基である請求項9記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 一般式(3)及び(5)において、R1がp−メトキシベンジル基であり、一般式(5)及び(6)においてR2がメチルチオ基である請求項9記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 請求項9乃至13記載の製造方法により得られる2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンを更に水素化することを含む、2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 下記一般式(3):
で表される2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。 - 一般式(1)、(3)及び(5)において、R1が置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基を有するベンジル基又はベンジル基であり、一般式(5)においてR2が炭素数1〜12のアルキルチオ基である請求項15記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 一般式(1)、(3)及び(5)において、R1が置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基を有するベンジル基である請求項15記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 一般式(1)、(3)及び(5)において、R1がメトキシベンジル基である請求項15記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 一般式(1)、(3)及び(5)において、R1がp−メトキシベンジル基であり、一般式(5)においてR2がメチルチオ基である請求項15記載の2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 請求項9乃至13記載の製造方法により得られる2',3'-ジデヒドロ-2',3'-ジデオキシイノシンを更に水素化することを含む、2',3'-ジデオキシイノシンの製造方法。
- 一般式(5)において、R1が置換基として炭素数1〜12のアルコキシ基を有するベンジル基又はベンジル基であり、R2が炭素数1〜12のアルキルチオ基である請求項23記載のイノシン誘導体。
- 一般式(6)において、R2が炭素数1〜12のアルキルチオ基である請求項25記載のイノシン誘導体。
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