JPH06263792A - 2’−デオキシヌクレオシド類の製造方法 - Google Patents
2’−デオキシヌクレオシド類の製造方法Info
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- JPH06263792A JPH06263792A JP7913693A JP7913693A JPH06263792A JP H06263792 A JPH06263792 A JP H06263792A JP 7913693 A JP7913693 A JP 7913693A JP 7913693 A JP7913693 A JP 7913693A JP H06263792 A JPH06263792 A JP H06263792A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】2'−デオキシヌクレオシド類のβ−選択的な
合成。 【構成】糖供与体としてフェニル 2−デオキシ−1−
チオ−D−リボフラノシドを用い、その5位に核酸塩基
を導入した後で、ジメチル(メチルチオ)スルホニウム
塩を活性化剤として核酸塩基の分子内N−グリコシル化
反応を行うことにより、2'−デオキシヌクレオシドを
β−選択的に得ることができる。
合成。 【構成】糖供与体としてフェニル 2−デオキシ−1−
チオ−D−リボフラノシドを用い、その5位に核酸塩基
を導入した後で、ジメチル(メチルチオ)スルホニウム
塩を活性化剤として核酸塩基の分子内N−グリコシル化
反応を行うことにより、2'−デオキシヌクレオシドを
β−選択的に得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,遺伝子の構成成分であ
りその種々の誘導体に医薬品として有効な生物学的活性
の期待される、β−2'−デオキシリボヌクレオシド誘
導体の立体選択的な製造方法に関するものである。
りその種々の誘導体に医薬品として有効な生物学的活性
の期待される、β−2'−デオキシリボヌクレオシド誘
導体の立体選択的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の方法】β−2'−デオキシヌクレオシド誘導体
の立体選択的な合成法は、現在大きく2つの範躊に分類
することができる。第一の方法は、天然あるいは合成さ
れたβ−リボヌクレオシド類を原料としその2’位の水
酸基をデオキシ化するものである[J. Am. Chem. Soc.
105巻、4059ページ、1983年. ]。第二の方法は、2−
デオキシ糖誘導体と塩基部分のカップリングである。カ
ップリングの手法としては、糖アノマー位の脱離基を活
性化剤(ルイス酸)を用いて脱離させ塩基を導入する方
法[Chem. Lett., 1989年、801ページ.]とα−クロロ
糖を用いる反応[Bull. Chem. Soc. Jpn., 60巻, 2073
ページ, 1987年.]が挙げられる。
の立体選択的な合成法は、現在大きく2つの範躊に分類
することができる。第一の方法は、天然あるいは合成さ
れたβ−リボヌクレオシド類を原料としその2’位の水
酸基をデオキシ化するものである[J. Am. Chem. Soc.
105巻、4059ページ、1983年. ]。第二の方法は、2−
デオキシ糖誘導体と塩基部分のカップリングである。カ
ップリングの手法としては、糖アノマー位の脱離基を活
性化剤(ルイス酸)を用いて脱離させ塩基を導入する方
法[Chem. Lett., 1989年、801ページ.]とα−クロロ
糖を用いる反応[Bull. Chem. Soc. Jpn., 60巻, 2073
ページ, 1987年.]が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第一の
方法では、出発とする原料が高価であり、又、デオキシ
化には煩雑な手法が必要であるため合成工程数が多い。
又、第二の方法では、ルイス酸を活性化剤とする方法に
おいては、β体を優先的に得るために必要な保護基の着
脱が煩雑であり又生成物はα体とβ体の混合物であるた
めその分離が必要なこと、そして、α−クロロ糖を用い
る反応では糖供与体が不安定であるためその調製及び取
扱が困難である事など、いずれも工業的に有利な方法と
はいい難い。
方法では、出発とする原料が高価であり、又、デオキシ
化には煩雑な手法が必要であるため合成工程数が多い。
又、第二の方法では、ルイス酸を活性化剤とする方法に
おいては、β体を優先的に得るために必要な保護基の着
脱が煩雑であり又生成物はα体とβ体の混合物であるた
めその分離が必要なこと、そして、α−クロロ糖を用い
る反応では糖供与体が不安定であるためその調製及び取
扱が困難である事など、いずれも工業的に有利な方法と
はいい難い。
【0004】本発明は、安定で取扱の容易な原料を用い
て2'−デオキシヌクレオシド誘導体のβ体のみを効率
よく提供することを目的とするものである。
て2'−デオキシヌクレオシド誘導体のβ体のみを効率
よく提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、化5(化5中、XはCHあるいはN,R1はHあ
るいはOMe、R2はベンジル基、R3はアルキルあるい
はアリール基)の反応工程に示したように、1−チオリ
ボフラノシドの5位にピリジンあるいはピリミジンを導
入し、つづいて活性化剤としてジメチル(メチルチオ)
スルホニウム塩を作用させて分子内N−グリコシル化反
応を行うことによりβ−N−グリコシドが選択的に得ら
れることをみいだし、本発明を完成するに至った。
結果、化5(化5中、XはCHあるいはN,R1はHあ
るいはOMe、R2はベンジル基、R3はアルキルあるい
はアリール基)の反応工程に示したように、1−チオリ
ボフラノシドの5位にピリジンあるいはピリミジンを導
入し、つづいて活性化剤としてジメチル(メチルチオ)
スルホニウム塩を作用させて分子内N−グリコシル化反
応を行うことによりβ−N−グリコシドが選択的に得ら
れることをみいだし、本発明を完成するに至った。
【化5】
【0006】すなわち本発明は、一般式[1]で表され
る3位の水酸基の保護された2−デオキシ−1−チオ−
D−リボフラノシドの5位に一般式[2]で示される核
酸塩基に相当するヘテロ環を導入して合成した一般式
[3]で表されるチオグリコシドの、分子内N−グリコ
シル化反応を特徴とする、一般式[4]で表される2'
−デオキシヌクレオシド誘導体のβ−選択的な製造方法
に関するものである。
る3位の水酸基の保護された2−デオキシ−1−チオ−
D−リボフラノシドの5位に一般式[2]で示される核
酸塩基に相当するヘテロ環を導入して合成した一般式
[3]で表されるチオグリコシドの、分子内N−グリコ
シル化反応を特徴とする、一般式[4]で表される2'
−デオキシヌクレオシド誘導体のβ−選択的な製造方法
に関するものである。
【0007】以下、本発明について詳述する。本発明方
法における原料化合物の1つである1−チオグリコシド
誘導体は、一般式[1]で表されるものである。R2の
具体例としては通常の水酸基の保護基として使用される
ものであればよく、例えば、ベンジル基等が例示でき
る。R3の具体例としては通常チオグリコシドとして用
いられているものであればよく、例えばメチル基、エチ
ル基、フェニル基を挙げることが出来、好ましくはフェ
ニル基が用いられる。
法における原料化合物の1つである1−チオグリコシド
誘導体は、一般式[1]で表されるものである。R2の
具体例としては通常の水酸基の保護基として使用される
ものであればよく、例えば、ベンジル基等が例示でき
る。R3の具体例としては通常チオグリコシドとして用
いられているものであればよく、例えばメチル基、エチ
ル基、フェニル基を挙げることが出来、好ましくはフェ
ニル基が用いられる。
【0008】一般式[2]で表される複素環式化合物と
しては、2−クロロピリジンあるいは2−クロロピリミ
ジン誘導体であればよく、特に制限は無い。
しては、2−クロロピリジンあるいは2−クロロピリミ
ジン誘導体であればよく、特に制限は無い。
【0009】一般式[3]で表されるチオグリコシドの
合成は、非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルホルムア
ミドなど)中、一般式[1]で表される化合物を水素化
ナトリウムで処理した後で一般式[2]で表される複素
環式化合物と80℃において加熱反応させることにより
実施することができる。
合成は、非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルホルムア
ミドなど)中、一般式[1]で表される化合物を水素化
ナトリウムで処理した後で一般式[2]で表される複素
環式化合物と80℃において加熱反応させることにより
実施することができる。
【0010】引き続く一般式[3]で表される合成中間
体の分子内N−グリコシル化反応において、活性化剤と
してはジメチル(メチルチオ)スルホニウム塩が好まし
く、たとえばジメチル(メチルチオ)スルホニウムテト
ラフルオロボラート、ジメチル(メチルチオ)スルホニ
ウムトリフラートのようなメチルスルフェニウムイオン
を発生する試剤が用いられる。活性化剤の使用量は、一
般式[3]で表される化合物1モルに対して1〜2モ
ル、好ましくは1.1〜1.3モルである。
体の分子内N−グリコシル化反応において、活性化剤と
してはジメチル(メチルチオ)スルホニウム塩が好まし
く、たとえばジメチル(メチルチオ)スルホニウムテト
ラフルオロボラート、ジメチル(メチルチオ)スルホニ
ウムトリフラートのようなメチルスルフェニウムイオン
を発生する試剤が用いられる。活性化剤の使用量は、一
般式[3]で表される化合物1モルに対して1〜2モ
ル、好ましくは1.1〜1.3モルである。
【0011】反応は、非プロトン性有機溶媒中(たとえ
ば、ジクロロメタンなど)、窒素あるいはアルゴンなど
の不活性ガス雰囲気下で、モレキュラーシーブス4Aを
添加して実施し、反応温度は−78〜25℃、好ましく
は−20℃〜室温である。
ば、ジクロロメタンなど)、窒素あるいはアルゴンなど
の不活性ガス雰囲気下で、モレキュラーシーブス4Aを
添加して実施し、反応温度は−78〜25℃、好ましく
は−20℃〜室温である。
【0012】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する。
NMRスペクトルは、JEOL社製EX−400を用い
て測定した。
NMRスペクトルは、JEOL社製EX−400を用い
て測定した。
【0013】
【実施例1】 N−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−リボ
フラノシル)ピリドン[一般式[4]、X=CH,R1
=H,R2=Bn]の製造
フラノシル)ピリドン[一般式[4]、X=CH,R1
=H,R2=Bn]の製造
【0014】フェニル 3−O−ベンジル−2−デオキ
シ−1−チオ−D−リボフラノシド(255.0 mg, 0.806
mmo)にアルゴン雰囲気下ジメチルホルムアミド(5 ml)を
加え、続いてヘキサン洗浄した水素化ナトリウム(50 %o
il, 77.4 mg)を加える。室温で1時間反応後、2−クロ
ロピリジン(457.6 mg)を加えて、80℃において2時間
30分加熱する。0℃に冷却後、水およびエーテルを加
え、有機層をエーテルで抽出する。この有機層を無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後濃縮する。シリカゲル薄層
クロマトグラフィー(展開溶媒;ベンゼン:酢酸エチル
=30:1)によりフェニル 3−O−ベンジル−2−
デオキシ−5−O−(2−ピリジル)−1−チオ−D−
リボフラノシド253.0 mg(収率80%)を得る。フェニ
ル 3−O−ベンジル−2−デオキシ−5−O−(2−
ピリジル)−1−チオ−D−リボフラノシド(α:β=1:
1.1, 59.6 mg, 0.152 mmol)にアルゴン雰囲気下ジクロ
ロメタン3.0 ml、モレキュラーシーブス4A60 mgを加
える。30分後ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテ
トラフルオロボラート33.7 mg(97%, 0.167mmol)を加
え、4時間後に飽和炭酸ナトリウム水溶液を3 ml加え、
更に15時間反応させる。有機層をジクロロメタンで抽
出し無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮する。シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=1:1)により標記化合物35.0 mg(収率77
%)を得た。1H NMRによりその構造を確認した。
得られたデータを下に示す。
シ−1−チオ−D−リボフラノシド(255.0 mg, 0.806
mmo)にアルゴン雰囲気下ジメチルホルムアミド(5 ml)を
加え、続いてヘキサン洗浄した水素化ナトリウム(50 %o
il, 77.4 mg)を加える。室温で1時間反応後、2−クロ
ロピリジン(457.6 mg)を加えて、80℃において2時間
30分加熱する。0℃に冷却後、水およびエーテルを加
え、有機層をエーテルで抽出する。この有機層を無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後濃縮する。シリカゲル薄層
クロマトグラフィー(展開溶媒;ベンゼン:酢酸エチル
=30:1)によりフェニル 3−O−ベンジル−2−
デオキシ−5−O−(2−ピリジル)−1−チオ−D−
リボフラノシド253.0 mg(収率80%)を得る。フェニ
ル 3−O−ベンジル−2−デオキシ−5−O−(2−
ピリジル)−1−チオ−D−リボフラノシド(α:β=1:
1.1, 59.6 mg, 0.152 mmol)にアルゴン雰囲気下ジクロ
ロメタン3.0 ml、モレキュラーシーブス4A60 mgを加
える。30分後ジメチル(メチルチオ)スルホニウムテ
トラフルオロボラート33.7 mg(97%, 0.167mmol)を加
え、4時間後に飽和炭酸ナトリウム水溶液を3 ml加え、
更に15時間反応させる。有機層をジクロロメタンで抽
出し無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮する。シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸
エチル=1:1)により標記化合物35.0 mg(収率77
%)を得た。1H NMRによりその構造を確認した。
得られたデータを下に示す。
【0015】1HNMR(CDCl3):δ=2.48-2.59
(m, 2H), 3.35(br, 1H), 3.76(d, 1H,J=9.8 Hz), 3.95
(d, 1H, J=11.7 Hz), 4.24(dd, 1H, J=2.9. 6.4 Hz),
4.34(ddd, 1H, J=2.9, 3.4, 6.4 Hz), 4.52(d, 1H, J=1
1.7 Hz), 4.59(d, 1H, J=11.7 Hz), 6.19(t, 1H, J=6.5
Hz), 6.22(dt, 1H, J=6.5, 6.5, 0.86 Hz), 6.53(d, 1
H, J=9.3 Hz), 7.26-7.38(m, 6H), 7.55(d, 1H, J=6.8
Hz).
(m, 2H), 3.35(br, 1H), 3.76(d, 1H,J=9.8 Hz), 3.95
(d, 1H, J=11.7 Hz), 4.24(dd, 1H, J=2.9. 6.4 Hz),
4.34(ddd, 1H, J=2.9, 3.4, 6.4 Hz), 4.52(d, 1H, J=1
1.7 Hz), 4.59(d, 1H, J=11.7 Hz), 6.19(t, 1H, J=6.5
Hz), 6.22(dt, 1H, J=6.5, 6.5, 0.86 Hz), 6.53(d, 1
H, J=9.3 Hz), 7.26-7.38(m, 6H), 7.55(d, 1H, J=6.8
Hz).
【0016】
【実施例2】 1−N−(3−O−ベンジル−2−デオキシ−β−D−
リボフラノシル)−4−O−メチルウラシル[一般式
[4]、X=N,R1=OMe,R2=Bn]の製造
リボフラノシル)−4−O−メチルウラシル[一般式
[4]、X=N,R1=OMe,R2=Bn]の製造
【0017】フェニル 3−O−ベンジル−2−デオキ
シ−1−チオ−D−リボフラノシド(558.0 mg, 1.763
mmo)にアルゴン雰囲気下ジメチルホルムアミド(11 ml)
を加え、続いてヘキサン洗浄した水素化ナトリウム(50
%oil, 169.0 mg)を加える。室温で1時間反応させた後
2−クロロ−4−ピリミジン(509.7 mg)を加えて、80
℃において3時間30分加熱する。0℃に冷却後、水お
よびエーテルを加え、有機層をエーテルで抽出する。こ
の有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後濃縮す
る。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:
酢酸エチル=6:1−1:1)によりフェニル 3−O
−ベンジル−2−デオキシ−5−O−(4−メトキシ−
2−ピリミジル)−1−チオ−D−リボフラノシド688.
0 mg(収率92%)を得る。フェニル 3−O−ベンジ
ル−2−デオキシ−5−O−(4−メトキシ−2−ピリ
ミジル)−1−チオ−D−リボフラノシド(α:β=1:1.
25, 54.2 mg, 0.128mmol)にアルゴン雰囲気下ジクロロ
メタン28.8 ml、モレキュラーシーブス4A61 mgを加え
る。30分後-20 ℃に冷却し、ジメチル(メチルチオ)
スルホニウムテトラフルオロボラート32.0 mg(97%, 0.1
58 mmol)を加え、5時間後に飽和炭酸ナトリウム水溶液
を10 ml加え、室温に昇温し更に3日間反応させる。有
機層をジクロロメタンで抽出し無水硫酸マグネシウムで
乾燥後濃縮する。シリカゲル薄層クロマトグラフィー
(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:3)により標
記化合物20.5 mg(収率48%)を得た。1H NMRに
よりその構造を確認した。得られたデータを下に示す。
シ−1−チオ−D−リボフラノシド(558.0 mg, 1.763
mmo)にアルゴン雰囲気下ジメチルホルムアミド(11 ml)
を加え、続いてヘキサン洗浄した水素化ナトリウム(50
%oil, 169.0 mg)を加える。室温で1時間反応させた後
2−クロロ−4−ピリミジン(509.7 mg)を加えて、80
℃において3時間30分加熱する。0℃に冷却後、水お
よびエーテルを加え、有機層をエーテルで抽出する。こ
の有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後濃縮す
る。カラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:
酢酸エチル=6:1−1:1)によりフェニル 3−O
−ベンジル−2−デオキシ−5−O−(4−メトキシ−
2−ピリミジル)−1−チオ−D−リボフラノシド688.
0 mg(収率92%)を得る。フェニル 3−O−ベンジ
ル−2−デオキシ−5−O−(4−メトキシ−2−ピリ
ミジル)−1−チオ−D−リボフラノシド(α:β=1:1.
25, 54.2 mg, 0.128mmol)にアルゴン雰囲気下ジクロロ
メタン28.8 ml、モレキュラーシーブス4A61 mgを加え
る。30分後-20 ℃に冷却し、ジメチル(メチルチオ)
スルホニウムテトラフルオロボラート32.0 mg(97%, 0.1
58 mmol)を加え、5時間後に飽和炭酸ナトリウム水溶液
を10 ml加え、室温に昇温し更に3日間反応させる。有
機層をジクロロメタンで抽出し無水硫酸マグネシウムで
乾燥後濃縮する。シリカゲル薄層クロマトグラフィー
(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=2:3)により標
記化合物20.5 mg(収率48%)を得た。1H NMRに
よりその構造を確認した。得られたデータを下に示す。
【0018】1HNMR(CDCl3):δ=2.32(dd, 1
H, J=6.3, 13.7 Hz), 2.58(ddd, 1H,3.2, 6.1, 13.7 H
z), 3.54(br, 1H), 3.75(dd, 1H, J=10.0, 20.3 Hz),
3.92(d, 3H, J=2.4 Hz), 3.93(dd, 1H, J=6.4, 19.0 H
z), 4.21(dd, 1H, J=2.9, 5.9 Hz), 4.29(dt, 1H, J=3.
1, 3.1, 6.1 Hz), 4.49(d, 1H, J=11.7 Hz), 4.57(d, 1
H, J=11.7 Hz), 5.91(d, 1H, J=7.3 Hz), 6.16(t, 1H,
J=6.6 Hz), 7.26-7.36(m,5H), 8.00(t, 1H, J=6.8 Hz).
H, J=6.3, 13.7 Hz), 2.58(ddd, 1H,3.2, 6.1, 13.7 H
z), 3.54(br, 1H), 3.75(dd, 1H, J=10.0, 20.3 Hz),
3.92(d, 3H, J=2.4 Hz), 3.93(dd, 1H, J=6.4, 19.0 H
z), 4.21(dd, 1H, J=2.9, 5.9 Hz), 4.29(dt, 1H, J=3.
1, 3.1, 6.1 Hz), 4.49(d, 1H, J=11.7 Hz), 4.57(d, 1
H, J=11.7 Hz), 5.91(d, 1H, J=7.3 Hz), 6.16(t, 1H,
J=6.6 Hz), 7.26-7.36(m,5H), 8.00(t, 1H, J=6.8 Hz).
【0019】
【発明の効果】本発明によって、原料として既知の方法
では用いられてはいない2−デオキシ−1−チオグリコ
シドを使用し、その5位に一時的に核酸塩基を結合させ
た後に分子内N−グリコシル化反応を行うことにより、
β−選択的に2'−デオキシヌクレオシド誘導体を効率
よく提供することができる。
では用いられてはいない2−デオキシ−1−チオグリコ
シドを使用し、その5位に一時的に核酸塩基を結合させ
た後に分子内N−グリコシル化反応を行うことにより、
β−選択的に2'−デオキシヌクレオシド誘導体を効率
よく提供することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 化1(化1中,XはCHあるいはN,R1はHあるいは
OMe)で示される2−クロロピリジンあるいは2−ク
ロロピリミジン誘導体と化2(化2中、R2はベンジル
基、R3はアルキルあるいはアリール基)で示される1
−チオリボフラノシドの反応によって得られる化3(化
3中、XはCHあるいはN,R1はHまたはOMe、R2
はベンジル基、R3はアルキルあるいはアリール基)で
示される合成中間体に活性化剤を作用させ分子内N−グ
リコシル化反応を行うことによる化4(化4中、XはC
HあるいはN,R1はHまたはOMe、R2はベンジル
基)で表されるβ−2'−デオキシリボヌクレオシド類
の製造方法。 - 【請求項2】活性化剤としてジメチル(メチルチオ)ス
ルホニウム塩を用いることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07913693A JP3499896B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 2’−デオキシヌクレオシド類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07913693A JP3499896B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 2’−デオキシヌクレオシド類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06263792A true JPH06263792A (ja) | 1994-09-20 |
JP3499896B2 JP3499896B2 (ja) | 2004-02-23 |
Family
ID=13681544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07913693A Expired - Fee Related JP3499896B2 (ja) | 1993-03-12 | 1993-03-12 | 2’−デオキシヌクレオシド類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3499896B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996030369A1 (en) * | 1995-03-31 | 1996-10-03 | The Wellcome Foundation Limited | Process for the synthesis of nucleoside analogues |
-
1993
- 1993-03-12 JP JP07913693A patent/JP3499896B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996030369A1 (en) * | 1995-03-31 | 1996-10-03 | The Wellcome Foundation Limited | Process for the synthesis of nucleoside analogues |
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Publication number | Publication date |
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JP3499896B2 (ja) | 2004-02-23 |
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